JPH09235313A - 遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒、オレフィン重合体の製造方法およびオレフィン重合体 - Google Patents

遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒、オレフィン重合体の製造方法およびオレフィン重合体

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JPH09235313A
JPH09235313A JP18756396A JP18756396A JPH09235313A JP H09235313 A JPH09235313 A JP H09235313A JP 18756396 A JP18756396 A JP 18756396A JP 18756396 A JP18756396 A JP 18756396A JP H09235313 A JPH09235313 A JP H09235313A
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淳 一 伊牟田
Masayasu Yoshida
田 昌 靖 吉
Yasushi Doi
肥 靖 土
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分子量の大きいオレフィン(共)重合体を得る
こと。少量のコモノマー使用においてもコモノマー含量
の高いオレフィン共重合体を得ること。 【解決手段】 オレフィンを(共)重合する際に下記式
(I)または(II)の化合物を含むオレフィン重合用触
媒を用いる。(式中、Mは第IVB族の遷移金属、R1は少
なくとも1個がアリール基、他は水素等、R2は水素、ア
ルキル基等、R3、R4は水素、アルキル基等、R6 は水
素、アルキル基等、R7は水素、アルキル基等、R8、R9
いずれか1個がアルキル基、X1、X2はハロゲン等) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な遷移金属化
合物、オレフィン重合用触媒、オレフィン重合体の製造
方法およびオレフィン重合体に関し、さらに詳しくは、
優れたオレフィン重合用触媒成分となりうるような新規
な遷移金属化合物、非常に高い重合活性で分子量の大き
いオレフィン(共)重合体が得られ、かつコモノマーの
使用割合が少ない場合であってもコモノマー含量の高い
オレフィン共重合体が得られるオレフィン重合用触媒、
非常に高い重合活性で分子量の大きいオレフィン(共)
重合体が得られ、かつコモノマーの使用割合が少ない場
合であってもコモノマー含量の高いオレフィン共重合体
が得られるオレフィン重合体の製造方法およびこのよう
な方法により得られたオレフィン重合体に関するもので
ある。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から、エチレン単独重合体、
エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重
合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体などのオレ
フィン(共)重合体を製造する方法としては、チタン化
合物と有機アルミニウム化合物とからなるチタン系触
媒、あるいはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合
物とかならるバナジウム系触媒の存在下に、オレフィン
を重合させる方法が知られている。
【0003】また、ジルコノセンなどの遷移金属化合物
と有機アルミニウムオキシ化合物(アルミノキサン)と
からなるメタロセン系触媒の存在下にオレフィンを重合
させる方法が知られており、このようなメタロセン系触
媒を用いるとオレフィンを高活性で重合させることがで
きるとともに、分子量分布および組成分布が狭いオレフ
ィン(共)重合体が得られることが知られている。
【0004】近年、オレフィン(共)重合体の物性に対
する要求は多岐にわたっており、様々な物性を有するオ
レフィン(共)重合体が求められている。また、このよ
うなオレフィン(共)重合体を製造し得るような遷移金
属化合物触媒成分の出現が望まれている。
【0005】このような状況のもと、特開平5−345
793号公報にオレフィン重合用触媒成分となりうるよ
うな新たな化合物として、配位子としてインデニル基と
フルオレニル基とを有する遷移金属化合物が提案されて
いる。しかしながら、この遷移金属化合物を触媒成分と
して用いてオレフィンを重合すると、活性が低く分子量
の小さな重合体しか得られないという問題があった。
【0006】また、EP0707016A1においても
インデニル基とフルオレニル基とを有する遷移金属化合
物が提案されおり、また、インデニル基の特定の位置
(4位)にフェニル基、ナフチル基などの特定のアリー
ル基を導入した触媒が開示されている。しかしながら、
この遷移金属化合物を触媒成分として用いてオレフィン
を重合しても、活性が低く、分子量の小さな重合体しか
得られないという問題があった。
【0007】本発明者らは、このような従来技術に鑑み
て検討した結果、前記遷移金属化合物においてインデニ
ル基の特定の位置に特定の置換基を有する化合物は、非
常に高い重合活性で分子量の大きいオレフィン(共)重
合体を製造することができ、かつコモノマー含量の高い
オレフィン共重合体が得られることを見出した。また、
このような特徴のある遷移金属化合物のフルオレニル基
の特定の位置に特定の置換基を導入することにより、さ
らに高い重合活性で分子量の大きなオレフィン(共)重
合体を製造することができかつコモノマー含量の高いオ
レフィン共重合体が得られることを見出し本発明を完成
するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、優れたオレフィン重合用触媒
成分となりうるような新規な遷移金属化合物、非常に高
い重合活性で分子量の大きいオレフィン(共)重合体が
得られ、かつコモノマー含量の高いオレフィン共重合体
が得られるようなオレフィン重合用触媒およびこの触媒
を用いたオレフィン重合体の製造方法、ならびにこのよ
うな方法により得られたオレフィン系重合体を提供する
ことを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る新規な周期律表第IVB族の
遷移金属化合物は、下記一般式(I)で表されることを
特徴としている。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、R1 は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、そのうち少なくとも1個以上が炭素原子数が11〜
20のアリール基、炭素原子数が12〜40のアリール
アルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニ
ル基、炭素原子数が12〜40のアルキルアリール基ま
たはケイ素含有基であるか、あるいはR1 で示される基
のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合す
る炭素原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成し
ており〔この場合、R1 により形成される環はR1 が結
合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜2
0〕、他のR1は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子
数が1〜10のアルキル基またはケイ素含有基であり、
2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル
基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が
2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリ
ールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケ
ニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、
ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基
またはリン含有基であり、またR2 で示される基のうち
隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素
原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していて
もよく〔この場合、R2 により形成される環はR2 が結
合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜2
0であり、他のR2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
原子数が1〜10のアルキル基またはケイ素含有基であ
る〕、R1 とR2 は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、R3 およびR4 は、互いに同一でも異なっていても
よく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10
のアルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭
素原子数が2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜
40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリ
ールアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルア
リール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、
窒素含有基またはリン含有基であり、X1 およびX
2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭
素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有
基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1 とX
2とから形成された共役ジエン残基であり、Yは、炭素
原子数が1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数が1
〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含
有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、
−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−
NR 5 −、−P(R5 )−、−P(O)(R5 )−、−
BR5 −または−AlR5 −〔ただしR5 は水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭
素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基〕であ
る)。
【0012】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、 (A-1)前記一般式(I)で表される周期律表第IVB族の
遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-1)と反応してイオ
ン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とからなることを特徴と
している。
【0013】本発明に係るオレフィン重合用触媒には、
上述した成分(A-1)、成分(B-1) 、成分(B-2) および成
分(C)のうち少なくとも1つの成分が微粒子状担体に
担持されてなる固体状触媒となる態様、および微粒子状
担体、成分(A-1)、成分(B-1) (または成分(B-2) )お
よび予備重合により生成するオレフィン重合体と、必要
に応じて成分(C)とからなる予備重合触媒となる態様
も含まれる。
【0014】本発明に係る第1のオレフィン重合体の製
造方法は、前記オレフィン重合用触媒の存在下に、オレ
フィンを単独重合するか、または2種以上のオレフィン
を共重合することを特徴としている。
【0015】本発明は、エチレンの単独重合、エチレン
と炭素原子数が3〜20のα−オレフィンとの共重合、
プロピレンの単独重合、プロピレンとプロピレン以外の
α−オレフィンとの共重合などに用いることができる。
【0016】本発明に係る第1のオレフィン重合体は、
上記のような方法により製造されることを特徴としてい
る。本発明に係る第1のエチレン系重合体および第1の
プロピレン系重合体は、上記のような方法により製造さ
れたことを特徴としている。
【0017】本発明に係る第2のオレフィン重合体の製
造方法は、 (A-2)下記一般式(II)で表される周期律表第IVB族の
遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-2)と反応してイオ
ン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下
に、オレフィンを単独重合するか、または2種以上のオ
レフィンを共重合することを特徴としている。
【0018】
【化4】
【0019】(式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属
原子であり、R6 は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の
アルキル基、炭素原子数が6〜10のアリール基、炭素
原子数が2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素
含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基で
あり、R7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキ
ル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数
が2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のア
リールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアル
ケニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール
基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含
有基またはリン含有基であり、R6 とR7 は、互いに同
一でも異なっていてもよく、R8 およびR9 は、いずれ
か一方が炭素原子数が1〜5のアルキル基であり、他は
水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアル
キル基、炭素原子数が2〜10のアルケニル基、ケイ素
含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基または
リン含有基であり、X1 およびX2 は、互いに同一でも
異なっていてもよく、前記一般式(I)におけるX1
よびX2 と同一であり、Yは、前記一般式(I)におけ
るYと同一である。) 本発明は、エチレンの単独重合、もしくはエチレンと炭
素原子数が3〜20のα−オレフィンとの共重合、また
はプロピレンの単独重合、もしくはプロピレンとプロピ
レン以外のα−オレフィンとの共重合に用いることがで
きる。
【0020】本発明に係る第2のオレフィン重合体は、
上記のような方法により製造されたことを特徴としてい
る。本発明に係る第2のエチレン系重合体および第2の
プロピレン系重合体は、上記のような方法により製造さ
れたことを特徴としている。
【0021】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る新規な遷移金
属化合物、オレフィン重合用触媒、オレフィン重合体の
製造方法およびオレフィン重合体について具体的に説明
する。
【0022】なお、本明細書において「重合」という語
は、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用
いられることがあり、「重合体」という語は、単独重合
体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられる
ことがある。
【0023】本発明に係る新規な遷移金属化合物は、下
記一般式(I)で表される周期律表第IVB族の遷移金属
化合物である
【0024】
【化5】
【0025】式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原
子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまた
はハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
1 は、互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち
少なくとも1個以上が炭素原子数が11〜20のアリー
ル基、炭素原子数が12〜40のアリールアルキル基、
炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原
子数が12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含
有基であるか、あるいはR1 で示される基のうち隣接す
る少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子と
ともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形
成している。この場合、R1 により形成される環はR1
が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4
〜20である。
【0026】R1 で示される基のうち隣接する少なくと
も2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単
数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成した例と
しては、縮合したフェニル基、縮合したシクロヘキシル
基、縮合したシクロペンタジエニル基、縮合したジヒド
ロシクロペンタジエニル基、縮合したインデニル基、縮
合したテトラヒドロインデニル、縮合したフルオレニル
基、縮合したテトラヒドロフルオレニル基、縮合したオ
クタヒドロフルオレニル基などが挙げられる。なお、こ
れらの基は、鎖状アルキル基、環状アルキル基、ハロゲ
ン原子、ハロゲン置換アルキル基、アリール基、ケイ素
含有基、酸素含有基、窒素含有基またはリン含有基で置
換されていてもよい。
【0027】アリール基、アリールアルキル基、アリー
ルアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、
脂肪族環を形成しているR1 以外のR1 は、水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基また
はケイ素含有基である。
【0028】炭素原子数が11〜20のアリール基とし
ては、ビフェニリル、アントリル、フェナントリルなど
が挙げられ、炭素原子数が12〜40のアリールアルキ
ル基としては、フェナントリルメチル、フェナントリル
エチル、フェナントリルプロピルなどが挙げられ、炭素
原子数13〜40のアリールアルケニル基としては、ビ
ニルフェナントリルなどが挙げられ、炭素原子数が12
〜40のアルキルアリール基としては、メチルフェナン
トリル、エチルフェナントリル、プロピルフェナントリ
ルなどが挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素などが挙げられ、炭素原子数が1〜1
0のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、
ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル
などが挙げらる。
【0029】ケイ素含有基としては、メチルシリル、フ
ェニルシリル、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジフ
ェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、
トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリ
フェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフ
ェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリル
などの基が挙げられる。
【0030】なお、上記のようなアルキル基、アリール
基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アル
キルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。R
2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭
素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が2〜1
0のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリールア
ルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル
基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、ケイ
素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基また
はリン含有基である。
【0031】また、R2 で示される基のうち隣接する少
なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子ととも
に、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成し
ていてもよい。この場合、R2 により形成される環はR
2 が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が
4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR
2 以外のR2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
が1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
【0032】なお、R2 で示される2個の基が、単数ま
たは複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成され
る基にはフルオレニル基が下記のような構造となる態様
も含まれる。
【0033】
【化6】
【0034】炭素原子数が1〜10のアルキル基および
ハロゲン原子としては、前記と同様の基および原子が例
示できる。炭素原子数が6〜20のアリール基として
は、フェニル、ビフェニリル、α−またはβ−ナフチ
ル、アントリル、フェナントリルなどが挙げられ、炭素
原子数が7〜40のアリールアルキル基としては、ベン
ジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェナント
リルメチル、フェナントリルエチル、フェナントリルプ
ロピルなどが挙げられ、炭素原子数8〜40のアリール
アルケニル基としては、スチリル、ビニルフェナントリ
ルなどが挙げられ、炭素原子数が7〜40のアルキルア
リール基としては、トリル、ジメチルフェニル、トリメ
チルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、メ
チルナフチル、メチルフェナントリル、エチルフェナン
トリル、プロピルフェナントリルなどが挙げられ、炭素
原子数が2〜10のアルケニル基としては、ビニル、プ
ロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられ、ケイ素含
有基としては、前記と同様の基が挙げられ、酸素含有基
としては、ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メ
チルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなど
のアリロキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシ
などのアリールアルコキシ基などが挙げられ、イオウ含
有基としては、前記酸素含有基の酸素がイオウに置換し
た置換基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメ
タンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジ
ルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメ
チルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼン
スルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペ
ンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネ
ート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネー
ト、ベンゼンスルフィネート、p-トルエンスルフィネー
ト、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオ
ロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が挙
げられ、窒素含有基としては、アミノ基、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミ
ノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのア
ルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、
ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルア
ミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールア
ミノ基などが挙げられ、リン含有基としては、ジメチル
フォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどが挙げられ
る。
【0035】これらのうちR2 は、水素原子またはアル
キル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチ
ル、エチル、プロピルの炭素原子数が1〜3の炭化水素
基であることが好ましい。
【0036】このような置換基としてR2 を有するフル
オレニル基としては、2,7-ジアルキル-フルオレニル基
が好適な例として挙げられ、この場合の2,7-ジアルキル
のアルキル基としては、炭素原子数が1〜5のアルキル
基が挙げられる。
【0037】また、上述したR1 とR2 は、互いに同一
でも異なっていてもよい。R3 およびR4 は、互いに同
一でも異なっていてもよく、前記と同様の水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素
原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が2〜10
のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリールアル
キル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、
炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含
有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリ
ン含有基である。
【0038】これらのうち、R3 およびR4 は、少なく
とも一方が炭素原子数が1〜3のアルキル基であること
が好ましい。X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が
1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲ
ン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒
素含有基、またはX1 とX2とから形成された共役ジエ
ン残基であり、具体的には、ハロゲン原子、酸素含有
基、イオウ含有基および窒素含有基としては、前記と同
様の原子または基を例示することができる。
【0039】炭素原子数が1〜20の炭化水素基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シ
クロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシ
ル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基;ビ
ニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル
基;ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなど
のアリールアルキル基;フェニル、トリル、ジメチルフ
ェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピ
ルフェニル、α−またはβ−ナフチル、メチルナフチ
ル、アントリル、フェナントリル、ベンジルフェニル、
ピレニル、アセナフチル、フェナレニル、アセアントリ
レニル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニ
リルなどのアリール基などが挙げられ、炭素原子数が1
〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記炭素原子
数が1〜20の炭化水素基にハロゲンが置換した基が挙
げられる。
【0040】X1 とX2 とから形成された共役ジエン残
基としては、η4-1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、η4
-1,3-ブタジエン、η4-1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエ
ン、η 4-1-フェニル-1,3-ペンタジエン、η4-3-メチル-
1,3-ペンタジエン、η4-1,4-ビス(トリメチルシリル)
-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、η4-2,4-
ヘキサジエン、イソプレンなどが挙げられる。
【0041】X1 とX2 とから形成された共役ジエン残
基としては、1,3-ブタジエン、2,4-ヘキサジエン、1-フ
ェニル-1,3-ペンタジエン、1,4-ジフェニルブタジエン
の残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数が
1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。
【0042】これらのうち、ハロゲン原子、炭素原子数
が1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であること
が好ましい。Yは、炭素原子数が1〜20の2価の炭化
水素基、炭素原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭化
水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有
基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−
SO−、−SO2 −、−NR 5 −、−P(R5 )−、−
P(O)(R5 )−、−BR5 −または−AlR5
〔ただし、R5 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数
が1〜20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロ
ゲン化炭化水素基〕を示し、具体的には、メチレン、ジ
メチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレ
ン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シク
ロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン
基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンな
どのアリールアルキレン基などの炭素原子数が1〜20
の2価の炭化水素基;クロロメチレンなどの上記炭素原
子数が1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハ
ロゲン化炭化水素基;メチルシリレン、ジメチルシリレ
ン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ
(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレ
ン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ
(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレ
ンなどのアルキルシリレン、アルキルアリールシリレ
ン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリレ
ン、テトラフェニル-1,2- ジシリレンなどのアルキルジ
シリレン、アルキルアリールジシリレン、アリールジシ
リレン基などの2価のケイ素含有基;上記2価のケイ素
含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマ
ニウム含有基;上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズ
に置換した2価のスズ含有基などが挙げられる。
【0043】これらの2価の基のうちでも、一般式
(I)で表される−Y−の最短連結部が1個または2個
の原子で構成されているものが好ましい。また、R
5 は、前記と同様のハロゲン原子、炭素原子数が1〜2
0の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭
化水素基である。
【0044】これらのうちYは、炭素原子数が1〜5の
2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲ
ルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素
含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、
アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであ
ることが特に好ましい。
【0045】以下に上記一般式(I)で表される遷移金
属化合物の具体的な例を示す。エチレン{2-メチル-4
(9-フェナントリル)-1-インデニル}(9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレン{2-メチル-4
(9-フェナントリル)-1-インデニル}(2,7-ジメチル-
9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン
{2-メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}
(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、エチレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t
-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ
ブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,
7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、エチレン(2-メチル-α−アセナフト-1-イン
デニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン(2-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)
(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、エチレン(2-メチル-α−アセナフト-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレン{2-メチル-4(9-フェナ
ントリル)-1-インデニル}(9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレン{2-n-プロピル-4
(9-フェナントリル)-1-インデニル}(9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン{2-メ
チル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}(2,7-ジ
メチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレン{2-メチル-4(9-フェナントリル)-1-
インデニル}(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-
4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
(2-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(9-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
(2-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(2,7-ジメ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルシリレン(2-メチル-α−アセナフト-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジフェニルシリレン{2-メチル-4(9-フェ
ナントリル)-1-インデニル}(9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジフェニルシリレン{2-メチル-4
(9-フェナントリル)-1-インデニル}(2,7-ジメチル-
9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニル
シリレン{2-メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデ
ニル}(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジフェニルシリレン(2-メチル-4,5-ベ
ンゾ-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジフェニルシリレン(2-メチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(2-メチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレ
ン(2-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0046】ジフェニルシリレン(2-メチル-α−アセ
ナフト-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(2-
メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチ
ルフェニルシリレン{2-メチル-4(9-フェナントリル)
-1-インデニル}(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレン{2-メチル-4(9-フェ
ナントリル)-1-インデニル}(2,7-ジメチル-9-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリ
レン{2-メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニ
ル}(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、メチルフェニルシリレン(2-メチル-4,5-
ベンゾ-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、メチルフェニルシリレン(2-メチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン
(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチ
ルフェニルシリレン(2-メチル-α−アセナフト-1-イン
デニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレン(2-メチル-α−アセナフト-1-
インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン(2-メチル
-α−アセナフト-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン{3-
メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}(9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン{3-メ
チル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}(2,7-ジ
メチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレン{3-メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニ
ル}(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、エチレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデ
ニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ
メチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エ
チレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ
-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン(3-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)
(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン
(3-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(2,7-ジメ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レン(3-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(2,7-
ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン{3-メチル-4(9-フェナントリ
ル)-1-インデニル}(9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレン{3-メチル-4(9-フェナ
ントリル)-1-インデニル}(2,7-ジメチル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン{3-
メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}(2,7-
ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデ
ニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)
(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-イン
デニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレン(3-メチル-α−ア
セナフト-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレン(3-メチル-α−ア
セナフト-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
【0047】ジメチルシリレン(3-メチル-α−アセナ
フト-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン{3-
メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}(9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリ
レン{3-メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニ
ル}(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジフェニルシリレン{3-メチル-4(9-フェナ
ントリル)-1-インデニル}(2,7-ジ-t-ブチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレ
ン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン
(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル
-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニ
ルシリレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,
7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルシリレン(3-メチル-α−アセナフト-1-
インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルシリレン(3-メチル-α−アセナフト-1-
インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(3-メチル-α
−アセナフト-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
シリレン{3-メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデ
ニル}(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メ
チルフェニルシリレン{3-メチル-4(9-フェナントリ
ル)-1-インデニル}(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン{3-
メチル-4(9-フェナントリル)-1-インデニル}(2,7-
ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-
インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレン(3-メチル-4,5-ベンゾ-1-
インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン(3-メチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシ
リレン(3-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)(9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニ
ルシリレン(3-メチル-α−アセナフト-1-インデニル)
(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、メチルフェニルシリレン(3-メチル-α−アセナ
フト-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2-メチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジトリメチルシリル-9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レン(2,7-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-
ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)
-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジトリメチルシリル
-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-
ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メタ
ンスルホナト)、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベ
ンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナ
ト)、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-
インデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ
(トリメチルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウム
ビス(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン(2,6-ジ
メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチ
ルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(トリ
フルオロメタンメタンスルホナト)、
【0048】ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベ
ンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-
ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-
4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ
-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-
ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-イ
ンデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジフェニ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,
7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-
インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,6-ジメチ
ル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
(2,6-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2
-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチ
ルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-
ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-
ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)
(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-
メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-イン
デニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-
4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジメチ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチ
ル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ
(トリメチルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1
-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレ
ン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデ
ニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5
-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジフェニ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメ
チル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-
ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウムビ
ス(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン(2,6-ジメ
チル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
【0049】ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-
1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)
ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ジメチルシリ
レン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-
ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メ
タンスルホナト)、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-
ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ジメチル
シリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)
(2,7-ジフェニル-9-フルオレニル)ジルコニウムビス
(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン(2-メチル-
4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデ
ニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジルコニ
ウムビス(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル
-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチ
ル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリ
ル)-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスル
ホナト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-
メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベン
ゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ジメチ
ルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-フルオレニル)ジル
コニウムビス(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン
(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジルコニウ
ムビス(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン(2,7-
ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)
(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウムビス
(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチ
ル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-
t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メタン
スルホナト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-
(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメ
チルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メ
タンスルホナト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-
4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジブロ
モ-9-フルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホ
ナト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メ
チル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-
フルオレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナ
ト)、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチ
ル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-フル
オレニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ジ
メチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベン
ゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、ジメチ
ルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムビス(メタンスルホナト)、ジメチルシリレン
(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ
-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-(4,5-メチレンフ
ェナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ
-t-ブトキシ-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-
(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-イン
デニル)(2,7-ジフェニル-9-(4,5-メチレンフェナン
トリル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン
(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジフ
ェニル-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニ
ウムジクロリド、
【0050】ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-
1-インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-(4,5-メチレン
フェナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)
(2,7-ジ-i-プロピル-9-(4,5-メチレンフェナントリ
ル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル
-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-
メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチル
シリル)-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-
4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジブロ
モ-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウム
ジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2
-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ
-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-
メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-
(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチ
ル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-
(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチ
ル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-(4,5-
メチレンフェナントリル))ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベン
ゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-(4,5-メチ
レンフェナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)
-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-(4,
5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-
ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-(4,5-メチ
レンフェナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)
-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-(4,5-メチレ
ンフェナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-(4,5-メチレンフェ
ナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-イン
デニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-(4,5-メチレンフェナ
ントリル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレ
ン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデ
ニル)(2,7-ジメチル-9-(4,5-メチレンフェナントリ
ル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2-
メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-
9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-イ
ンデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-(4,5-メ
チレンフェナントリル))ジルコニウムジクロリド、ジ
メチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-(4,5-メチレンフェナントリ
ル))ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ(トリ
メチルシリル)-9-(4,5-メチレンフェナントリル))
ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(2,7-ジメ
チル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-
ジ-t-ブチル-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジル
コニウムジクロリド、
【0051】ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2
-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチ
ルシリル)-9-(4,5-メチレンフェナントリル))ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2-メチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,6-
ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジブロモ-9
-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメ
チレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ
-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルメチレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-イ
ンデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2-メチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジフェニル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,
6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジフェニ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルメチレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,
7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルメチレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-
インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,6-ジメチ
ル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニ
ル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,7-ジメ
チル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-
ジブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベン
ゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,
7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)
(2,7-ジフェニル-9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジメチルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メ
チル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-i-プロピル-9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチ
レン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-イン
デニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-
(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチ
ルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1
-インデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニ
ル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、ジメチルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-
メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブトキシ-
9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメ
チレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-イ
ンデニル)(2,7-ジフェニル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,7-ジメチル-
4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-i-
プロピル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-(1-メチル-ベン
ゾ)-1-インデニル)(2,7-ジメチル-9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2-メチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン
(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ(トリ
メチルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リド、ジメチルメチレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-
インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,6-ジメチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリ
ル)-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルメチレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)
-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(2,7-ジメ
チル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-
ジ(トリメチルシリル)-9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムη4-1-フェニル-1,3-ペンタジエン、
ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-フルオレニル)
ジルコニウムη4-1,4-ジフェニルブタジエン、ジメチル
シリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-
ジブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウムη4-2,4-ヘキ
サジエン、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムη4-1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエ
ン、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-イ
ンデニル)(2,7-ジ(トリメチルシリル)-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムη4-3-メチル-1,3-ペンタジエン、
ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデ
ニル)(2,7-ジブロモ-9-フルオレニル)ジルコニウム
η4-2,4-ヘキサジエン、ジフェニルシリレン(2-メチル
-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジトリメチルシリル
-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニ
ルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)
(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、ジフェニルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(2,
7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)
(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレン(2-メチル-4,5-ベン
ゾ-1-インデニル)(2,7-ジ(トリメチル)シリル-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニル
シリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)
(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリド、メチルフェニルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-
ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレ
ン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデ
ニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレン(2-メチル-7-トリメチルシリ
ル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレ
ン(2-メチル-7-トリメチルシリル-4,5-(1-メチル-ベ
ンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0052】また、上記したようなジルコニウム化合物
において、ジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウ
ムに置き換えた化合物を用いることもできる。なお、上
記したジルコニウム化合物のうち、たとえばジメチルシ
リレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-イ
ンデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリドの構造式は以下に示したものである。
【0053】
【化7】
【0054】また、ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-
4,5-(1-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-
ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの構
造式は以下に示したものである。
【0055】
【化8】
【0056】本発明に係る遷移金属化合物は、たとえば
有機アルミニウムオキシ化合物などと組み合わせてオレ
フィン重合用触媒として用いると、分子量の大きいオレ
フィン(共)重合体が得られ、かつコモノマーの使用割
合が少ない場合であってもコモノマー含量の高いオレフ
ィン共重合体が得られる。
【0057】本発明に係る遷移金属化合物は、たとえば
下記のようにして製造することができる。まず、下記一
般式(i)で表される置換フルオレニルアニオン(化合
物(i))と、下記一般式(ii)で表される化合物(化
合物(ii))とを溶媒中で反応させて下記一般式(ii
i)で表される化合物を得る。
【0058】
【化9】
【0059】前記一般式(i)において、R2 は、互い
に同一でも異なっていてもよく、前記一般式(I)にお
けるR2 と同じである。前記一般式(ii)において、Y
は、前記一般式(I)におけるR2 と同じであり、X3
およびX4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水
素原子、ハロゲン原子、−OR基、−OCOR基、−S
R基、−OSO2 R基、−SO2 R基、−NRR’基
(但し、RおよびR’は、互いに同一でも異なっていて
もよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜1
0のアルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、
炭素原子数が7〜30のアルキルアリール基である。)
を示す。
【0060】前記一般式(iii)において、R2 、Yお
よびX4 は、前記一般式(i)、(ii)と同じである。
前記反応に用いられる溶媒としては、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル
類;ベンゼン、トルエン、メシチレンなどの芳香族炭化
水素;ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化
水素などが挙げられ、これらのなかではジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサンが好まし
い。
【0061】化合物(i)と化合物(ii)との反応にお
いて、化合物(ii)は、化合物(i)に対してモル比で
0.5〜200、好ましくは1〜60の範囲の量で用い
られ、溶媒は、化合物(ii)に対して重量比で1〜10
0、好ましくは1〜20の量で用いられる。
【0062】化合物(i)と化合物(ii)との反応温度
は、−78℃〜150℃、好ましくは−78℃〜50℃
の範囲であり、反応時間は0.1〜50時間、好ましく
は1〜25時間である。
【0063】なお、化合物(i)は、置換フルオレンと
塩基とを、溶媒中または無溶媒で反応させることにより
得ることができる。ここで、塩基としては、金属ナトリ
ウム、金属カリウム、金属リチウムなどの元素状の金
属;水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの水素化化
合物;メチルリチウム、n-ブチルリチウムなどの有機リ
チウム化合物などが挙げられ、これらの中では、金属ナ
トリウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウムが好ま
しく、特にn-ブチルリチウムが好ましい。
【0064】置換フルオレンと塩基との反応に用いられ
る溶媒としては、化合物(i)と化合物(ii)との反応
に用いられるものと同様のものが挙げられ、これらのな
かではジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエ
ン、ヘキサンが好ましく、特にジエチルエーテル、トル
エンが好ましい。
【0065】置換フルオレンと塩基との反応において、
塩基は、置換フルオレンに対してモル比で0.5〜2.
0、好ましくは0.90〜1.5の範囲の量で用いら
れ、溶媒は、置換フルオレンに対して重量比で1〜10
0、好ましくは1〜20の量で用いられる。
【0066】置換フルオレンと塩基との反応温度は、−
78℃〜150℃、好ましくは−78℃〜50℃の範囲
であり、反応時間は、0.1〜50時間、好ましくは1
〜25時間である。
【0067】次に、一般式(iii)で表される化合物
(化合物(iii))と、下記一般式(iv)で表される置
換インデニルアニオン(化合物(iv))とを反応させて
下記一般式(v)で表される化合物を製造する。
【0068】
【化10】
【0069】前記一般式(iv)において、R1 、R3
よびR4 は、前記一般式(I)におけるR1 、R3 およ
びR4 と同じであり、Zは、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどのアルカリ金属を示す。
【0070】前記一般式(v)において、R1 、R2
3 、R4 およびYは、前記一般式(I)における
1 、R2 、R3 ,R4 およびYと同じである。化合物
(iii)と、化合物(iv)との反応において、化合物(i
ii)は、化合物(iv)に対してモル比で0.5〜10、
好ましくは0.5〜5の範囲の量で用いられ、溶媒は、
化合物(iv)に対して重量比で1〜100、好ましくは
1〜20の量で用いられる。
【0071】化合物(iii)と、化合物(iv)との反応
温度は、−78℃〜150℃、好ましくは−78℃〜5
0℃の範囲であり、反応時間は、0.1〜50時間、好
ましくは1〜25時間である。
【0072】このような条件で化合物(iii)と、化合
物(iv)との反応させることにより、前記一般式(v)
で表される架橋された置換インデニル−置換フルオレニ
ル化合物を得ることができる。
【0073】なお、化合物(iv)は、置換インデンと塩
基とを、溶媒中または無溶媒で反応させることにより得
ることができる。反応に用いられる塩基としては、前記
置換フルオレニルアニオンを製造する際に用いられるも
のと同様の塩基が挙げられ、これらの中では、金属ナト
リウム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウムが好まし
く、特にn-ブチルリチウムが好ましい。
【0074】反応に用いられる溶媒としては、前記化合
物(i)と化合物(ii)との反応に用いられるものと同
様の溶媒が挙げられ、これらのなかではジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサンが好まし
く、特にジエチルエーテル、トルエンが好ましい。
【0075】置換インデンと塩基との反応において、塩
基は、置換インデンに対してモル比で0.5〜2.0、
好ましくは0.90〜1.5の範囲の量で用いられ、溶
媒は、置換インデンに対して重量比で1〜100、好ま
しくは1〜20の量で用いられる。
【0076】置換インデンと塩基との反応温度は、−7
8℃〜150℃、好ましくは−78℃〜50℃の範囲で
あり、反応時間は、0.1〜50時間、好ましくは1〜
25時間である。
【0077】前記一般式(I)で表される遷移金属化合
物は、前記のように製造した架橋された置換インデニル
−置換フルオレニル化合物のアニオンと下記一般式(vi
i)で表される化合物とを溶媒中で反応させることによ
り製造することができる。
【0078】
【化11】
【0079】前記一般式(vi)において、R1 、R2
3 、R4 およびYは、前記一般式(I)における
1 、R2 、R3 、R4 およびYと同じである。前記一
般式(vii)において、Mは、前記一般式(I)におけ
るMと同じであり、X5 は、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子、−OR基、−OC
OR基、−SR基、−OSO2 R基、−SO2 R基を示
し、X6は、水素原子、ハロゲン原子、−OR基、−O
COR基、−SR基、−OSO2R基、−SO2 R基、
−NRR’基(但し、RおよびR’は、互いに同一でも
異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原
子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が6〜20の
アリール基、炭素原子数が7〜30のアルキルアリール
基である。)を示し、nは1または2である。n=2の
とき、X6 は互いに同一でも異なっていてもよい。
【0080】一般式(vi)で表される架橋された置換イ
ンデニル−置換フルオレニル化合物アニオン(化合物
(vi))と、一般式(vii)で表される化合物(化合物
(vii))との反応において、化合物(vii)は、化合物
(vi)に対してモル比で0.1〜200、好ましくは
0.5〜5.0の範囲の量で用いられ、溶媒は、置換イ
ンデニルアニオンに対して重量比で1〜100、好まし
くは1〜20の量で用いられる。
【0081】化合物(vi)と、化合物(vii)との反応
温度は、−78℃〜150℃、好ましくは−78℃〜5
0℃の範囲であり、反応時間は、0.1〜50時間、好
ましくは1〜25時間である。
【0082】なお、化合物(vi)は、架橋された置換イ
ンデニル−置換フルオレニル化合物(化合物(v))と
塩基とを、溶媒中または無溶媒で反応させることにより
得ることができる。
【0083】反応に用いられる塩基としては、前記置換
フルオレニルアニオンを製造する際に用いられるものと
同様の塩基が挙げられ、これらの中では、金属ナトリウ
ム、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウムが好ましく、
特にn-ブチルリチウムが好ましい。
【0084】反応に用いられる溶媒としては、前記化合
物(i)と化合物(ii)との反応に用いられるものと同
様の溶媒が挙げられ、これらのなかではジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、トルエン、ヘキサンが好まし
く、特にジエチルエーテル、トルエンが好ましい。
【0085】化合物(v)と塩基との反応において、塩
基は、化合物(v)に対してモル比で1.0〜10.
0、好ましくは1.5〜3.0の範囲の量で用いられ、
溶媒は、化合物(v)に対して重量比で1〜100、好
ましくは1〜20の量で用いられる。
【0086】置換インデンと塩基との反応温度は、−7
8℃〜150℃、好ましくは−78℃〜50℃の範囲で
あり、反応時間は、0.1〜50時間、好ましくは1〜
25時間である。
【0087】上記のようにて得られた遷移金属化合物
は、通常の操作により無機塩を除いた後、結晶化させる
ことにより精製することができる。また、本発明に係る
遷移金属化合物は、下記のような方法を用いて製造する
こともできる。まず、化合物(iv)と化合物(ii)とを
反応させて下記一般式(viii)で表される化合物(化合
物(viii))を製造する。
【0088】
【化12】
【0089】次に、化合物(viii)と置換フルオレニル
アニオン(化合物(i))とを反応させることにより架
橋された置換インデニル−置換フルオレニル化合物(化
合物(v))を得る。続いて、化合物(v)をアニオン
化した化合物(vi)と化合物(vii)とを反応させて遷
移金属化合物を得る。この製造方法において、各反応条
件は、前記と同様の反応条件を採用することができる。
【0090】さらに本発明に係る遷移金属化合物は、下
記のような方法を用いて製造することもできる。まず、
下記一般式(ix)で表される置換インデン(化合物(i
x))と下記式(x)で表される置換ケトン(化合物
(x))とを反応させて下記一般式(xi)で表される化
合物(化合物(xi))を製造する。
【0091】
【化13】
【0092】反応は、前記のような塩基を用い、置換イ
ンデンを置換インデニルアニオンとした後、置換ケトン
を置換インデニルアニオンに対してモル比で0.1〜1
00、好ましくは0.1〜20の量を加えて行う。
【0093】次に、得られた化合物(xi)と置換フルオ
レニルアルニオン(化合物(i))とを反応させて、架
橋された置換インデニル−置換フルオレニル化合物(化
合物(v))を得る。この化合物(xi)と化合物(i)
との反応において、化合物(i)は、化合物(xi)に対
してモル比で0.1〜100、好ましくは0.5〜5.
0の範囲の量で用いられる。続いて、架橋された置換イ
ンデニル−置換フルオレニル化合物のアニオンと化合物
(vii)とを溶媒中で反応させて遷移金属化合物を得
る。この製造方法において、各反応条件は、前記と同様
の反応条件を採用することができる。
【0094】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、 (A-1)前記一般式(I)で表される周期律表第IVB族の
遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-1)と反応してイオ
ン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とから形成されている。
【0095】まず、本発明に係るオレフィン重合用触媒
を形成する各成分について説明する。本発明では、遷移
金属化合物(A-1)として、前記一般式(I)で表される
遷移金属化合物が用いられる。 (A-1)遷移金属化合物
は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0096】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(B-1) は、従来公知のアルミノキサンであって
もよく、また特開平2−78687号公報に例示されて
いるようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化
合物であってもよい。
【0097】従来公知のアルミノキサンは、たとえば下
記のような方法によって製造することができる。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などの炭化水素媒体懸濁液に、ト
リアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
を添加して、吸着水あるいは結晶水と有機アルミニウム
化合物とを反応させる方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウム
などの有機アルミニウム化合物に直接、水や氷や水蒸気
を作用させる方法。 (3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの媒体中でトリ
アルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物
に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなど
の有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0098】なおこのアルミノキサンは、少量の有機金
属成分を含有してもよい。また回収された上記のアルミ
ノキサン溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム
化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよ
い。
【0099】アルミノキサンの調製の際に用いられる有
機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert- ブチルアルミ
ニウム、トリペンチルアルミニウム、トリヘキシルアル
ミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、トリシクロ
ヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウ
ムなどのトリシクロアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、
ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニ
ウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアル
ミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハ
イドライド、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチ
ルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウ
ムアルコキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシドな
どのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げ
られる。
【0100】これらの中では、トリアルキルアルミニウ
ム、トリシクロアルキルアルミニウムが特に好ましい。
またアルミノキサンの調製の際に用いられる有機アルミ
ニウム化合物として、式(i-C49xAly(C
510z (式中、x、y、zは正の数であり、z≧2
xである。)で示されるイソプレニルアルミニウムを用
いることもできる。
【0101】上記の有機アルミニウム化合物は、2種以
上組合せて用いることもできる。アルミノキサンの調製
の際に用いられる溶媒としては、たとえばベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クメン、シメンなどの芳香族炭化水
素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなどの脂肪
族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
オクタン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水
素、ガソリン、灯油、軽油などの石油留分、および上記
芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素のハ
ロゲン化物、とりわけ塩素化物、臭素化物などの炭化水
素溶媒が挙げられる。
【0102】さらにエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル類を用いることもできる。これらの溶
媒のうち、特に芳香族炭化水素が好ましい。本発明で用
いられる前記遷移金属化合物(A-1) と反応してイオン対
を形成する化合物(B-2) (以下「イオン化イオン性化合
物」ということがある)としては、特表平1−5019
50号公報、特表平1−502036号公報、特開平3
−179005号公報、特開平3−179006号公
報、特開平3−207703号公報、特開平3−207
704号公報、USP−5321106号などに記載さ
れたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合物、カ
ルボラン化合物を挙げることができる。
【0103】ルイス酸としてはマグネシウム含有ルイス
酸、アルミニウム含有ルイス酸、ホウ素含有ルイス酸な
どが挙げられ、こられのうちホウ素含有ルイス酸が好ま
しい。
【0104】ホウ素原子を含有するルイス酸として具体
的には、下記式(III)で表される化合物が例示でき
る。 BR111213 … (III) (式中、R11、R12およびR13は、互いに同一でも異な
っていてもよく、フッ素原子、メチル基、トリフルオロ
メチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基、
またはフッ素原子を示す。) 上記式(III)で表される化合物として具体的には、ト
リフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フ
ルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェ
ニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボ
ロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリ
ス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、ト
リス(3,5-ジメチルフェニル)ボロン、トリス{3,5-ジ
(トリフルオロメチルフェニル)}ボロンなどが挙げら
れる。これらのうちではトリス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボロンが特に好ましい。
【0105】イオン性化合物は、カチオン性化合物とア
ニオン性化合物とからなる塩である。アニオンは前記遷
移金属化合物(A)と反応することにより遷移金属化合
物(A)をカチオン化し、イオン対を形成することによ
り遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。その
ようなアニオンとしては、有機ホウ素化合物アニオン、
有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニ
オンなどがあり、比較的嵩高で遷移金属カチオン種を安
定化させるものが好ましい。カチオンとしては、金属カ
チオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、ト
リピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウ
ムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチ
オンなどが挙げられる。さらに詳しくはトリフェニルカ
ルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオ
ン、N,N-ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウ
ムカチオンなどである。
【0106】これらのうち、アニオンとしてホウ素化合
物を含有するイオン性化合物が好ましく、具体的には、
たとえばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホ
ウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリ
ル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリ
ル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテ
トラ (o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルア
ンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、ト
リブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフ
ェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ
(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテ
トラ(4-フルオロフェニル)ホウ素などのトリアルキル
置換アンモニウム塩;N,N-ジメチルアニリニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニ
ウムテトラ(フェニル)ホウ素などのN,N-ジアルキルア
ニリニウム塩;ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ
(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシル
アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などのジアルキ
ルアンモニウム塩;トリフェニルホスフォニウムテトラ
(フェニル)ホウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォ
ニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェ
ニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素などの
トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。
【0107】さらにホウ素原子を含有するイオン性化合
物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペン
タフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレ
ートも挙げることができる。
【0108】またホウ素原子を含有するイオン性化合物
として、以下のような化合物も例示できる。(なお、以
下に列挙するイオン性化合物において対向イオンはトリ
(n-ブチル)アンモニウムであるがこれに限定されな
い。) アニオンの塩、たとえばビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ノナボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]デカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)アンモ
ニウム]ウンデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)ア
ンモニウム]ドデカボレート、ビス[トリ(n-ブチル)
アンモニウム]デカクロロデカボレート、ビス[トリ
(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1-カルバデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1-カルバウンデ
カボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1-カルバ
ドデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウム-1-ト
リメチルシリル-1-カルバデカボレート、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムブロモ-1-カルバドデカボレートな
ど。
【0109】ボラン化合物、カルボラン錯化合物、カル
ボランアニオンの塩としては、たとえばデカボラン(1
4)、7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、2,7-ジカル
バウンデカボラン(13)、ウンデカハイドライド-7,8-
ジメチル-7,8-ジカルバウンデカボラン、ドデカハイド
ライド-11-メチル-2,7-ジカルバウンデカボラン、トリ
(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(1
4)、トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレ
ート(12)、トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウ
ンデカボレート(13)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(1
2)、トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライ
ド-8-メチル7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド8-エチル-
7,9-ジカルバウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アン
モニウムウンデカハイドライド-8-ブチル-7,9-ジカルバ
ウンデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウン
デカハイドライド-8-アリル-7,9-ジカルバウンデカボレ
ート、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドラ
イド-9-トリメチルシリル-7,8-ジカルバウンデカボレー
ト、トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライ
ド-4,6-ジブロモ-7-カルバウンデカボレートなどが挙げ
られる。
【0110】カルボラン化合物、カルボランの塩として
は、たとえば4-カルバノナボラン(14)、1,3-ジカルバ
ノナボラン(13)、6,9-ジカルバデカボラン(14)、ド
デカハイドライド-1-フェニル-1,3-ジカルバノナボラ
ン、ドデカハイドライド-1-メチル-1,3-ジカルバノナボ
ラン、ウンデカハイドライド-1,3-ジメチル-1,3-ジカル
バノナボランなどが挙げられる。
【0111】さらにホウ素原子を含有するイオン性化合
物として、以下のような金属カルボランの塩、金属ボラ
ンアニオンなども例示できる。(なお、以下に列挙する
イオン性化合物において対向イオンはトリ(n-ブチル)
アンモニウムであるがこれに限定されない。) たとえばトリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイ
ドライド-1,3-ジカルバノナボレート)コバルテート(I
II)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)フェレー
ト(鉄酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウンデカボ
レート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)アン
モニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジカルバウ
ンデカボレート)ニッケレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8-ジ
カルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(II
I)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド-7,8-ジカルバウンデカボレート)アウレー
ト(金属塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウム
ビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチル-7,8-ジカルバウ
ンデカボレート)フェレート(III)、トリ(n-ブチ
ル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8-ジメチ
ル-7,8-ジカルバウンデカボレート)クロメート(クロ
ム酸塩)(III)、トリ(n-ブチル)アンモニウムビス
(トリブロモオクタハイドライド-7,8-ジカルバウンデ
カボレート)コバルテート(III)、トリ(n-ブチル)
アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカ
ボレート)コバルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボ
レート)ニッケレート(III)、トリス[トリ(n-ブチ
ル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7-カ
ルバウンデカボレート)クロメート(III)、ビス[ト
リ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドラ
イド-7-カルバウンデカボレート)マンガネート(I
V)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウ
ンデカハイドライド-7-カルバウンデカボレート)コバ
ルテート(III)、ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウ
ム]ビス(ウンデカハイドライド-7-カルバウンデカボ
レート)ニッケレート(IV)など。
【0112】さらにまた、ホウ素原子を含有するイオン
性化合物として、以下のような化合物が挙げられる。ト
リフェニルカルベニウムテトラキス{(2,3,5,6-テトラ
フルオロ-4-トリイソプロピルシリル)フェニル}ボレ
ート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス{(2,3,5,
6-テトラフルオロ-4-トリイソプロピルシリル)フェニ
ル}ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス
{(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-ジメチル-t-ブチルシリ
ル)フェニル}ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテ
トラキス{(2,3,5,6-テトラフルオロ-4-ジメチル-t-ブ
チルシリル)フェニル}ボレート、トリフェニルカルベ
ニウムビス(オクタフルオロビフェニレン)ボレート、
N,N-ジメチルアニリニウムビス(オクタフルオロビフェ
ニレン)ボレート、トリフェニルカルベニウムビス(オ
クタフルオロ-1,1'-スピロ)ビボロノール、N,N-ジメチ
ルアニリニウムビス(オクタフルオロ-1,1'-スピロ)ビ
ボロノールなど。
【0113】上記のようなイオン化イオン性化合物は、
2種以上混合して用いることができる。本発明に係るオ
レフィン重合用触媒は、必要に応じて、前記各成分に加
えてさらに下記(C)有機アルミニウム化合物を含んで
いてもよい。
【0114】本発明で必要に応じて用いられる有機アル
ミニウム化合物(C)は、たとえば下記一般式(IV)で
示すことができる。 Ra n AlX3-n … (IV) (式中、Ra は炭素原子数が1〜12の炭化水素基であ
り、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜
3である。) 上記式(IV)において、Ra は炭素原子数が1〜12の
炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基ま
たはアリ−ル基であるが、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などであ
る。
【0115】このような有機アルミニウム化合物の具体
例としては、以下のような化合物が挙げられる。トリメ
チルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソ
プロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、
トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニム、イソプレニル
アルミニウムなどのアルケニルアルミニウム、ジメチル
アルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチ
ルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミ
ドなどのジアルキルアルミニウムハライド、メチルアル
ミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキク
ロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブ
チルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウム
セスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハラ
イド、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニ
ウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジブロミドなどのアルキルアル
ミニウムジハライド、ジエチルアルミニウムハイドライ
ド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのアル
キルアルミニウムハイドライド。
【0116】また有機アルミニウム化合物(C)とし
て、下記の式(V)で表わされる化合物を用いることも
できる。 Ra n AlY3-n … (V) (式中、Ra は上記と同様であり、Yは−ORb 基、−
OSiRc 3 基、−OAlRd 2 基、−NRe 2 基、−S
iRf 3 基または−N(Rg )AlRh 2 基であり、nは
1〜2であり、Rb 、Rc 、Rd およびRh はメチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロ
ヘキシル基、フェニル基などであり、Re は水素、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメ
チルシリル基などであり、Rf およびRg はメチル基、
エチル基などである。) このような有機アルミニウム化合物としては、具体的に
は、以下のような化合物が挙げられる。 (i)Ra n Al(ORb3-n で表わされる化合物、た
とえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアル
ミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキ
シドなど。 (ii)Ra n Al(OSiRc 33-n で表わされる化合
物、たとえば(C252 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C
33 )、(iso-C492 Al(OSi(C25
3 )など。 (iii)Ra n Al(OAlRd 23-n で表わされる化合
物、たとえば(C252 Al(OAl(C
252)、(iso-C492 Al(OAl(iso-C4
92)など。 (iv)Ra n Al(NRe 23-n で表わされる化合物、
たとえば(CH32 Al(N(C252)、(C
252 Al(NH(CH3))、(CH32 Al(N
H(C25))、(C252 Al[N(Si(C
332]、(iso-C492 Al[N(Si(C
332]など。 (v)Ra n Al(SiRf 33-n で表わされる化合
物、たとえば(iso-C492 Al(Si(CH33
など。
【0117】本発明では、これらのうちでもRa 3
l、Ra n Al(ORb3-n 、Ra n Al(OAl
d 23-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適
な例として挙げることができ、Ra がイソアルキル基で
あり、n=2である化合物が特に好ましい。これらの有
機アルミニウム化合物は、2種以上組合わせて用いるこ
ともできる。
【0118】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、上
述した成分(A-1) 、成分(B-1)、成分(B-2) および成分
(C)のうち少なくとも1つの成分が微粒子状担体に担
持されてなる固体状触媒であってもよい。
【0119】また、オレフィン重合用触媒は、微粒子状
担体、成分(A-1) 、成分(B-1)(または成分(B-2))およ
び予備重合により生成するオレフィン重合体と、必要に
応じて成分(C)とからなる予備重合触媒であってもよ
い。
【0120】固体状触媒および予備重合触媒に用いられ
る微粒子状担体は、無機あるいは有機の化合物であっ
て、粒径が10〜300μm、好ましくは20〜200
μmの顆粒状ないしは微粒子状の固体である。
【0121】このうち無機担体としては多孔質酸化物が
好ましく、具体的にはSiO2、Al23 、MgO、Z
rO2 、TiO2 、B23 、CaO、ZnO、Ba
O、ThO2 など、またはこれらの混合物、例えばSi
2-MgO、SiO2-Al23 、SiO2-TiO2 、S
iO2-V25 、SiO2-Cr23 、SiO2-TiO2-
MgOなどを例示することができる。これらの中でSi
2 およびAl23 からなる群から選ばれた少なくと
も1種の成分を主成分とするものが好ましい。
【0122】なお、上記無機酸化物には少量のNa2
3 、K2CO3 、CaCO3 、MgCO3 、Na2SO
4 、Al2(SO43 、BaSO4 、KNO3 、Mg
(NO32 、Al(NO33 、Na2O、K2O、Li
2Oなどの炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有
していても差しつかえない。
【0123】このような微粒子状担体はその種類および
製法により性状は異なるが、比表面積が50〜1000
2 /g、好ましくは100〜700m2 /gであり、
細孔容積が0.3〜2.5cm3 /gであることが望ま
しい。該微粒子状担体は、必要に応じて100〜100
0℃、好ましくは150〜700℃の温度で焼成して用
いられる。
【0124】さらに、微粒子状担体としては、粒径が1
0〜300μmである有機化合物の顆粒状ないしは微粒
子状固体を挙げることができる。これら有機化合物とし
ては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-
ペンテンなどの炭素数2〜14のα-オレフィンを主成
分として生成される(共)重合体あるいはビニルシクロ
ヘキサン、スチレンを主成分として生成される重合体も
しくは共重合体を例示することができる。
【0125】図1に本発明に係るオレフィン重合用触媒
の調製工程を示す。本発明に係るオレフィン重合体の製
造方法では、上記のような遷移金属化合物(A-1) 、有機
アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオ
ン性化合物(B)、および必要に応じて有機アルミニウ
ム化合物(C)とから形成されるオレフィン重合用触媒
の存在下に、オレフィンを単独重合させるか、2種以上
のオレフィンを共重合させる。
【0126】本発明で用いられるオレフィンとしては、
エチレン、プロピレン、1-ブテン、1ーペンテン、1-ヘキ
セン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-
ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセンなどの炭素原子数が3〜20の鎖状また
は分岐状のα−オレフィンが挙げられる。
【0127】さらに、シクロペンテン、シクロヘプテ
ン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラ
シクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4
a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニル
シクロヘキサンなどの脂肪族環または芳香族環を有する
オレフィンも挙げられる。
【0128】またオレフィンとともに、ブタジエン、イ
ソプレン、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
5-エチリデン-2-ノルボルネン、7-メチル-1,6-オクタジ
エンなどの鎖状または環状ジエン、6,10-ジメチル-1,5,
9-ウンデカトリエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエ
ンなどの鎖状または環状トリエン、6,10,14-トリメチル
-1,5,9,13-ペンタデカテエトラエン、5,9,13-トリメチ
ル-1,4,8,12-テトラデカテトラエンなどの鎖状または環
状テトラエンなど種々のポリエン類を共重合させること
もできる。
【0129】オレフィンを(共)重合する際には、上記
遷移金属化合物(A-1) は、重合容積1リットル当り、遷
移金属原子に換算して、通常、約0.00005〜0.
1ミリモル、好ましくは約0.0001〜0.05ミリ
モルの量で用いられる。
【0130】有機アルミニウムオキシ化合物(B-1) は、
遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子が、通
常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜5,0
00モルとなるような量で用いられる。
【0131】またイオン化イオン性化合物(B-2) は、遷
移金属原子1モルに対して、ボロン原子が、通常、約
0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるよう
な量で用いられる。
【0132】さらに有機アルミニウム化合物(C)は、
有機アルミニウムオキシ化合物(B-1) 中のアルミニウム
原子1モルに対して、通常、約0〜200モル、好まし
くは約0〜100モルとなるような量で必要に応じて用
いられる。また、イオン化イオン性化合物(B-2) 中のボ
ロン1モルに対して、通常、0〜1000モル、好まし
くは約0〜500モルとなるような量で必要に応じて用
いられる。
【0133】オレフィンの(共)重合は、懸濁重合、溶
液重合などの液相重合法、気相重合法あるいは高圧法い
ずれにおいても実施できる。液相重合法では、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素、シ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン
などの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベン
ゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素などの
不活性炭化水素媒体を用いることができる。また、オレ
フィン自体を溶媒として用いることもできる。これらは
組み合わせて用いてもよい。
【0134】オレフィンの(共)重合における重合温度
は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100
℃、好ましくは0〜90℃の範囲であることが望まし
く、溶液重合法を実施する際には、通常0〜300℃、
好ましくは20〜250℃の範囲であることが望まし
く、気相重合法を実施する際には、重合温度は通常0〜
120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であること
が望ましい。また、高圧法を実施する際には、重合温度
は通常50〜1000℃、好ましくは100〜500℃
の範囲であることが好ましい。重合圧力は、通常、常圧
〜100kg/cm 2 、好ましくは常圧〜50kg/c
2 の条件下であり、高圧法の場合には、通常100〜
10000kg/cm2 、好ましくは500〜5000
kg/cm2の条件であり。重合反応は、回分式、半連
続式、連続式のいずれの方法においても行うことができ
る。さらに共重合を反応条件の異なる2段以上に分けて
行うことも可能である。
【0135】得られるオレフィン重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度、重合圧
力を変化させることによって調節することができる。本
発明は、遷移金属触媒成分として、特定の位置に特定の
置換基を有するインデニル基を配位子とする(A-1) 遷移
金属化合物を用いているので、このような置換基を有さ
ない遷移金属化合物を触媒成分とするオレフィン重合用
触媒に比べ、分子量の大きいオレフィン(共)重合体が
得られ、かつコモノマー含量の高いオレフィン共重合体
が得られる。
【0136】上記のような製造方法により得られる本発
明の第1のオレフィン重合体は、メルトフローレート
(MFR)は、通常0.01〜200g/10分、好まし
くは0.03〜100g/10分の範囲にあり、極限粘度
[η]は、通常0.5〜6.0dl/g、好ましくは
1.0〜4.0dl/gの範囲にあり、密度は、通常
0.85〜0.95g/cm3 、好ましくは0.86〜
0.94g/cm3 の範囲にある。
【0137】また、上記にような製造方法により得られ
たオレフィン重合体は、分子量分布および組成分布が狭
いという特徴を有している。本発明において分子量分布
(Mw/Mn)は、ミリポア社製GPC−150Cを用
い、以下のようにして測定される。
【0138】分離カラムは、TSK GNH HTであ
り、カラムサイズは直径72mm、長さ600mmであ
り、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロ
ベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBH
T(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/
分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入
量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈
折計を用いる。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1
000およびMw>4×106 については東ソー社製を
用い、1000<Mw<4×106 についてはプレッシ
ャーケミカル社製を用いる。
【0139】本発明に係る第1のオレフィン重合体の製
造方法は、特にエチレン系重合体の製造およびプロピレ
ン系重合体の製造に好ましく用いられる。エチレン系重
合体を製造する場合には、前記オレフィン重合用触媒の
存在下にエチレンを単独重合させるか、エチレンと炭素
原子数が3〜20のα−オレフィンとを共重合させる。
なお、本明細書において、エチレン系重合体とは、エチ
レン単独重合体およびエチレン・α−オレフィン共重合
体を意味する。
【0140】ここで炭素原子数が3〜20のα−オレフ
ィンとしては、エチレン以外の前記炭素原子数が2〜2
0のα−オレフィンが挙げられる。これらのなかでは、
プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが
好ましく用いられる。
【0141】またエチレンおよび炭素原子数が3〜20
のα−オレフィンとともに、前記と同様のポリエン類を
共重合させることもできる。エチレン系重合体を製造す
る場合の重合条件は、上記と同様である。
【0142】上記のような方法により得られる本発明の
第1のエチレン系重合体は、エチレン/α−オレフィン
成分比が、通常55/45〜100/2、好ましくは6
0/40〜100/5の範囲である。
【0143】MFRは、通常0.01〜200g/10
分、好ましくは0.03〜100g/10分の範囲にあ
り、極限粘度[η]は、通常0.5〜5.0dl/g、
好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲にあり、密度
は、通常0.85〜0.95g/cm3 、好ましくは
0.86〜0.94g/cm3 の範囲にある。
【0144】プロピレン系重合体を製造する場合には、
前記オレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンを単独
重合させるか、プロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンとを共重合させる。なお、本明細書において、プ
ロピレン系重合体とは、プロピレン単独重合体およびプ
ロピレン・α−オレフィン共重合体を意味する。
【0145】ここでプロピレン以外のα−オレフィンと
しては、プロピレン以外の前記炭素原子数が2〜20の
α−オレフィンが挙げられる。これらのなかでは、エチ
レン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好まし
く用いられる。
【0146】またプロピレンおよびプロピレン以外のα
−オレフィンとともに、前記と同様のポリエン類を共重
合させることもできる。プロピレン系重合体を製造する
場合の重合条件は、上記と同様である。
【0147】上記のような方法により得られる本発明の
第1のプロピレン系重合体は、プロピレン/α−オレフ
ィン成分比が、通常55/45〜100/2、好ましく
は60/40〜100/5の範囲である。
【0148】MFRは、通常0.01〜200g/10
分、好ましくは0.03〜100g/10分の範囲にあ
り、極限粘度[η]は、通常0.5〜6.0dl/g、
好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲にあり、密度
は、通常0.85〜0.95g/cm3 、好ましくは
0.86〜0.94g/cm3 の範囲にある。
【0149】また、プロピレン系重合体のうち、プロピ
レン単独重合体は、13C−NMRで測定したダイアッド
分布において、mr/(mm+rr)の値が通常0.7
〜1.3、好ましくは0.8〜1.2の範囲にある。
【0150】ここで、13C−NMRで測定したダイアッ
ド分布における、mr、mmおよびrrの値は、以下の
ようにして求めた。すなわち、試料50〜70mgをN
MRサンプル管(5mmφ)中でヘキサクロロブタジエ
ン、o-ジクロロベンゼンまたは1,2,4-トリクロロベンゼ
ン約0.5mlに約0.05mlのロック溶媒である重
水素化ベンゼンを加えた溶媒中で完全に溶解させた後、
120℃でプロトン完全デカップリング法で測定した。
測定条件は、フリップアングル45°、パルス間隔3.
4T1 以上(T1 は、メチル基のスピン格子緩和時間の
うち最長の値)を選択する。メチレン基およびメチン基
のT1 は、メチル基より短いので、この条件では磁化の
回復は99%以上である。ケミカルシフトは、頭−尾結
合しメチル分岐の方向が同一であるプロピレン単位5連
鎖の第3単位目のメチル基を21.59ppmとして設
定した。
【0151】メチル炭素領域(19〜23ppm)に係
るスペクトルは、ピーク領域を第1領域(21.1〜2
1.9ppm)、第2領域(20.3〜21.0pp
m)および第3領域(19.5〜20.3ppm)に分
類できる。なお、スペクトル中の各ピークは、文献(Po
lymer,30(1989)1350)を参考にして帰属した。
【0152】なお、mr、mmおよびrrは、それぞれ
次式で表される頭−尾で結合しているプロピレン単位3
連鎖を示す。
【0153】
【化14】
【0154】さらに、上記にような製造方法により得ら
れたプロピレン系重合体は、分子量分布および組成分布
が狭いという特徴を有している。次に、本発明に係る第
2のオレフィン重合体の製造方法およびオレフィン重合
体について説明する。
【0155】本発明に係る第2のオレフィン重合体の製
造方法は、 (A-2)下記一般式(II)で表される周期律表第IVB族
の遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-2)と反応してイ
オン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とからなるオレフィン重
合用触媒の存在下にオレフィンを単独重合するか、また
は2種以上のオレフィンを共重合する。
【0156】まず、本発明で用いられるオレフィン重合
用触媒について説明する。本発明では、遷移金属化合物
(A-2)として、下記一般式(II)で表される遷移金属
化合物が用いられる。
【0157】
【化15】
【0158】式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原
子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまた
はハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル
基、炭素原子数が6〜10のアリール基、炭素原子数が
2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、
イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、具
体的には、ハロゲン原子および炭素原子数が1〜10の
アルキル基としては、前記一般式(I)におけるR1
同様のものを挙げることができ、ケイ素含有基、酸素含
有基、イオウ含有基、窒素含有基およびリン含有基とし
ては、前記一般式(I)におけるR2 と同様のものを挙
げることができる。
【0159】炭素原子数が6〜10のアリール基として
は、フェニル、α−またはβ−ナフチルなどが挙げら
れ、炭素原子数が2〜10のアルケニル基としては、ビ
ニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどが挙げられ
る。
【0160】なお、上記のようなアルキル基およびアル
ケニル基は、ハロゲンが置換していてもよい。これらの
うちR6 は、アルキル基、アリール基または水素原子で
あることが好ましく、特にメチル、エチル、n-プロピ
ル、i-プロピルの炭素原子数が1〜3の炭化水素基、フ
ェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基
または水素原子であることが好ましい。
【0161】R7 は、互いに同一でも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の
アルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素
原子数が2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜4
0のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリー
ルアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリ
ール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒
素含有基またはリン含有基であり、具体的には、前記一
般式(I)におけるR2 と同様のものを挙げることがで
きる。
【0162】なお、上記のようなアルキル基、アリール
基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアル
ケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換して
いてもよい。
【0163】これらのうちR7 は、水素原子またはアル
キル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチ
ル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、tert
-ブチルの炭素原子数が1〜4の炭化水素基であること
が好ましい。
【0164】また、前記R6 とR7 は、互いに同一でも
異なっていてもよい。R8 およびR9 は、いずれか一方
が炭素原子数が1〜5のアルキル基であり、他方は前記
一般式(I)におけるR2 と同様の水素原子、ハロゲン
原子、炭素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数
が2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有
基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であ
る。
【0165】炭素原子数が1〜5のアルキル基として
は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなど
が挙げられる。これらのうち、R8 およびR9 は、いず
れか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数
が1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であるこ
とが好ましい。
【0166】X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっ
ていてもよく、前記一般式(I)におけるX1 およびX
2 と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜
20の炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化
炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含
有基、またはX1 とX2 とから形成された共役ジエン残
基である。
【0167】これらのうち、ハロゲン原子または炭素原
子数が1〜20の炭化水素基であることが好ましい。Y
は、前記一般式(I)におけるYと同様の炭素原子数が
1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数が1〜20の
2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2
価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、
−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR
5 −、−P(R5 )−、−P(O)(R5)−、−BR
5 −または−AlR5 −〔ただし、R5 は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化水素基、炭素
原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素基〕を示す。
【0168】これらのうちYは、炭素原子数が1〜5の
2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲ
ルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素
含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、
アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであ
ることが特に好ましい。
【0169】以下に上記一般式(II)で表される遷移金
属化合物の具体的な例を示す。エチレン(2-メチル-1-
インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)(9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシ
リレン(2-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン(2-
メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド、エチレン(3-メチル-1-インデニル)(9
-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシ
リレン(3-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(3-メチ
ル-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジ
クロリド、メチルフェニルシリレン(3-メチル-1-イン
デニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレン(2-メチル-1-インデニル)(2,7-ジ-tert-ブ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメ
チルシリレン(2-メチル-1-インデニル)(2,7-ジ-tert
-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルシリレン(2-メチル-1-インデニル)(2,7-ジ-
tert-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、メチルフェニルシリレン(2-メチル-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-tert-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリド、エチレン(2-メチル-4-フェニル-1-イ
ンデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデ
ニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジ
フェニルシリレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニ
ル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、メチ
ルフェニルシリレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニ
ル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチ
レン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)(2,7-ジ-t
ert-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジメチルシリレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデ
ニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリド、ジフェニルシリレン(2-メチル-4-
フェニル-1-インデニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシ
リレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)(2,7-ジ
-tert-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、エチレン(2-メチル-4-ナフチル-1-インデニル)
(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチル
シリレン(2-メチル-4-ナフチル-1-インデニル)(9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリ
レン(2-メチル-4-ナフチル-1-インデニル)(9-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリ
レン(2-メチル-4-ナフチル-1-インデニル)(9-フルオ
レニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2-メチル
-4-ナフチル-1-インデニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリ
レン(2-メチル-4-ナフチル-1-インデニル)(2,7-ジ-t
ert-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、ジフェニルシリレン(2-メチル-4-ナフチル-1-イン
デニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリド、メチルフェニルシリレン(2-メチ
ル-4-ナフチル-1-インデニル)(2,7-ジ-tert-ブチル-9
-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなど。
【0170】また、上記したようなジルコニウム化合物
において、ジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウ
ムに置き換えた化合物を用いることもできる。上記した
ような(A-2)遷移金属化合物は、2種以上組み合わせ
て用いることもできる。
【0171】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(B-1) としては、前記有機アルミニウムオキシ
化合物と同様のものが挙げられ、前記遷移金属化合物
(A-2)と反応してイオン対を形成する化合物(B-2) と
しては、前記遷移金属化合物(A-1)と反応してイオン
対を形成する化合物と同様のものが挙げられる。
【0172】必要に応じて用いられる有機アルミニウム
化合物(C)としては、前記有機アルミニウム化合物を
同様のものが挙げられる。本発明に係る第2のオレフィ
ン重合体の製造方法で用いられるオレフィン重合用触媒
は、前記成分(A-2)、成分(B-1)、成分(B-2) および
成分(C)のうち少なくとも1つの成分が微粒子状担体
に担持されてなる固体状触媒であってもよい。
【0173】また、このオレフィン重合用触媒は、微粒
子状担体、成分(A-2)、成分(B-1) (または成分(B-
2) )および予備重合により生成するオレフィン重合体
と、必要に応じて成分(C)とからなる予備重合触媒で
あってもよい。
【0174】固体状触媒および予備重合触媒に用いられ
る微粒子状担体としては、上述した微粒子状担体と同様
のものが挙げられる。図2に本発明に係る第2のオレフ
ィン重合体の製造方法で用いられるオレフィン重合用触
媒の調製工程を示す。
【0175】本発明に係る第2のオレフィン重合体の製
造方法では、上記のような遷移金属化合物(A-2)、有
機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イ
オン性化合物(B)、および必要に応じて有機アルミニ
ウム化合物(C)とから形成されるオレフィン重合用触
媒の存在下に、オレフィンを単独重合させるか、2種以
上のオレフィンを共重合させる。
【0176】本発明で用いられるオレフィンとしては、
前記第1のオレフィン重合体の製造方法で用いられる鎖
状または分岐状オレフィン、および脂肪族環または芳香
族環を有するオレフィンと同様のものが挙げられる。
【0177】また前記オレフィンとともに、前記第1の
オレフィン重合体の製造方法で用いられるポリエン類と
同様のポリエン類を共重合させることもできる。オレフ
ィンを(共)重合する際には、上記遷移金属化合物(A
-2)は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算
して、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好ま
しくは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いら
れる。
【0178】有機アルミニウムオキシ化合物(B-1) は、
遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子が、通
常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜5,0
00モルとなるような量で用いられる。
【0179】またイオン化イオン性化合物(B-2) は、遷
移金属原子1モルに対して、ボロン原子が、通常、約
0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるよう
な量で用いられる。
【0180】さらに有機アルミニウム化合物(C)は、
有機アルミニウムオキシ化合物(B-1) 中のアルミニウム
原子1モルに対して、通常、約0〜200モル、好まし
くは約0〜100モルとなるような量で必要に応じて用
いられる。また、イオン化イオン性化合物(B-2) 中のボ
ロン1モルに対して、通常、0〜1000モル、好まし
くは約0〜500モルとなるような量で必要に応じて用
いられる。
【0181】オレフィンの(共)重合は、懸濁重合、溶
液重合などの液相重合法、気相重合法あるいは高圧法い
ずれにおいても実施できる。液相重合法では、前記第1
のオレフィン重合体の製造方法で用いられる不活性炭化
水素媒体と同様のものを重合媒体として用いることがで
きる。また、オレフィン自体を溶媒として用いることも
できる。これらは組み合わせて用いてもよい。
【0182】オレフィンの(共)重合における重合温度
は、懸濁重合法を実施する際には、通常−50〜100
℃、好ましくは0〜90℃の範囲であることが望まし
く、溶液重合法を実施する際には、通常0〜250℃、
好ましくは20〜200℃の範囲であることが望まし
く、気相重合法を実施する際には、重合温度は通常0〜
120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であること
が望ましい。また、高圧法を実施する際には、重合温度
は、通常50〜1000℃、好ましくは100〜500
℃の範囲であることが望ましい。重合圧力は、通常、常
圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/
cm2 の条件下であり、高圧法の場合は、重合圧力は、
通常、100〜10000kg/cm2 、好ましくは5
00〜5000kg/cm2 の条件下である。重合反応
は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において
も行うことができる。さらに共重合を反応条件の異なる
2段以上に分けて行うことも可能である。
【0183】得られるオレフィン重合体の分子量は、重
合系に水素を存在させるか、あるいは重合温度、重合圧
力を変化させることによって調節することができる。本
発明は、遷移金属触媒成分として、特定の位置に特定の
置換基を有するインデニル基を配位子とする(A-2)遷
移金属化合物を用いているので、このような置換基を有
さない遷移金属化合物を触媒成分とするオレフィン重合
用触媒に比べ、分子量の大きいオレフィン(共)重合体
が得られ、かつコモノマー含量の高いオレフィン共重合
体が得られる。
【0184】上記にような製造方法により得られる本発
明の第2のオレフィン重合体は、MFRは、通常0.0
1〜200g/10分、好ましくは0.03〜100g/
10分の範囲にあり、極限粘度[η]は、通常0.5〜
6.0dl/g、好ましくは1.0〜4.0dl/gの
範囲にあり、密度は、通常0.85〜0.95g/cm
3 、好ましくは0.86〜0.94g/cm3 の範囲に
ある。
【0185】また、上記にような製造方法により得られ
たオレフィン重合体は、分子量分布および組成分布が狭
いという特徴を有している。本発明に係る第2のオレフ
ィン重合体の製造方法は、特にエチレン系重合体の製造
およびプロピレン系重合体の製造に好ましく用いられ
る。
【0186】エチレン系重合体を製造する場合には、前
記オレフィン重合用触媒の存在下にエチレンを単独重合
させるか、エチレンと炭素原子数が3〜20のα−オレ
フィンとを共重合させる。
【0187】ここで炭素原子数が3〜20のα−オレフ
ィンとしては、エチレン以外の前記炭素原子数が2〜2
0のα−オレフィンが挙げられる。これらのなかでは、
プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが
好ましく用いられる。
【0188】またエチレンおよび炭素原子数が3〜20
のα−オレフィンとともに、前記と同様のポリエン類を
共重合させることもできる。エチレン系重合体を製造す
る場合の重合条件は、上記と同様である。
【0189】上記のような方法により得られる本発明の
第2のエチレン系重合体は、エチレン/α−オレフィン
成分比が、通常55/45〜100/2、好ましくは6
0/40〜100/5の範囲である。
【0190】MFRは、通常0.01〜200g/10
分、好ましくは0.03〜100g/10分の範囲にあ
り、極限粘度[η]は、通常0.5〜5.0dl/g、
好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲にあり、密度
は、通常0.85〜0.95g/cm3 、好ましくは
0.86〜0.94g/cm3 の範囲にある。
【0191】プロピレン系重合体を製造する場合には、
前記オレフィン重合用触媒の存在下にプロピレンを単独
重合させるか、プロピレンとプロピレン以外のα−オレ
フィンとを共重合させる。
【0192】ここでプロピレン以外のα−オレフィンと
しては、プロピレン以外の前記炭素原子数が2〜20の
α−オレフィンが挙げられる。これらのなかでは、エチ
レン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなどが好まし
く用いられる。
【0193】またプロピレンおよびプロピレン以外のα
−オレフィンとともに、前記と同様のポリエン類を共重
合させることもできる。プロピレン系重合体を製造する
場合の重合条件は、上記と同様である。
【0194】上記のような方法により得られる本発明の
第2のプロピレン系重合体は、プロピレン/α−オレフ
ィン成分比が、通常55/45〜100/2、好ましく
は60/40〜100/5の範囲である。
【0195】MFRは、通常0.01〜200g/10
分、好ましくは0.03〜100g/10分の範囲にあ
り、極限粘度[η]は、通常0.5〜6.0dl/g、
好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲にあり、密度
は、通常0.85〜0.95g/cm3 、好ましくは
0.86〜0.94g/cm3 の範囲にある。
【0196】また、プロピレン系重合体のうち、プロピ
レン単独重合体は、13C−NMRで測定したダイアッド
分布において、mr/(mm+rr)の値が通常0.7
〜1.3、好ましくは0.8〜1.2の範囲にある。
【0197】さらに、上記にような製造方法により得ら
れたプロピレン系重合体は、分子量分布および組成分布
が狭いという特徴を有している。
【0198】
【発明の効果】本発明に係る遷移金属化合物は、オレフ
ィン重合用触媒成分として用いると、分子量の大きいオ
レフィン(共)重合体が得られ、かつコモノマー使用割
合が少ない場合であってもコモノマー含量の高いオレフ
ィン共重合体が得られる。
【0199】本発明に係るオレフィン重合用触媒は、オ
レフィン重合用触媒成分として特定の遷移金属化合物を
用いているので、分子量の大きいオレフィン(共)重合
体が得られ、かつコモノマー使用割合が少ない場合であ
ってもコモノマー含量の高いオレフィン共重合体が得ら
れる。また、オレフィンとともにポリエンを用いた重合
では、ポリエンの使用割合が少ない場合であってもポリ
エン含量の高いオレフィン共重合体が得られる。
【0200】本発明に係る第1のオレフィン重合体の製
造方法は、オレフィン重合用触媒成分として特定の遷移
金属化合物を用いているので、分子量の大きいオレフィ
ン(共)重合体が得られ、かつコモノマー使用割合が少
ない場合であってもコモノマー含量の高いオレフィン重
合体が得られる。さらに、オレフィンと共にポリエンを
用いた重合では、ポリエンの使用割合が少ない場合であ
ってもポリエン含量の高いオレフィン重合体が得られ
る。
【0201】本発明に係る第1のオレフィン重合体は、
分子量分布が狭く、該オレフィン重合体が共重合体であ
る場合には分子量分布および組成分布が狭い。本発明に
係る第2のオレフィン重合体の製造方法は、オレフィン
重合用触媒成分として特定の遷移金属化合物を用いてい
るので、分子量の大きいオレフィン(共)重合体が得ら
れ、かつコモノマーの使用割合が少ない場合であっても
コモノマー含量の高いオレフィン重合体が得られる。ま
た、オレフィンとともにポリエンを用いた重合では、ポ
リエンの使用割合が少ない場合であってもポリエン含量
の高いオレフィン重合体が得られる。
【0202】本発明に係る第2のオレフィン重合体は、
分子量分布が狭く、該オレフィン重合体が共重合体であ
る場合には分子量分布および組成分布が狭い。
【0203】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0204】
【製造例1】 [ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリドの合成]内容積が100mlの反応器に、ジ
エチルエーテル50ml、2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレ
ン5.57g(20ミリモル)を装入した後、氷冷下で
n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.67ミリモル/
ml)12.0mlを10分間で滴下し、室温でさらに
10時間攪拌して混合液Aを得た。
【0205】内容積が200mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、ジメチルジクロルシラン41.2g
(320ミリモル)を入れた後、氷冷下で前記混合液A
を1時間で滴下し、室温でさらに1時間攪拌した。ジエ
チルエーテルとジメチルジクロルシランを減圧下で留去
した後、塩化メチレン100mlを加え攪拌し、グラス
フィルターを用いて固体を除去した。得られた塩化メチ
レン溶液から、塩化メチレンを減圧下で留去した後、真
空ポンプで減圧しさらに溶媒を留去することによりオレ
ンジ色の粘凋なオイルを得た。
【0206】内容積が100mlの反応器にジエチルエ
ーテル50ml、2-メチル-4,5-ベンゾインデン3.6
0g(20ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.67ミリモル/ml)1
2.0mlを10分間で滴下し、室温でさらに13時間
攪拌して混合液Bを得た。
【0207】内容積が200mlの反応器に上記反応で
得たオレンジ色の粘凋なオイルのジエチルエーテル溶液
40mlを入れた後、氷冷下で前記混合液Bを30分間
で滴下し、室温でさらに1日攪拌した。得られた反応液
を飽和塩化アンモニア水溶液中に注ぎ、エーテル層を水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル層を
濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液;n-ヘキサン)で分離精製することにより、目的物
〔ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレン)〕4.0g(収
率;40%)を微黄色のアモルファス状の固体として得
た。
【0208】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ値、CDCl3、90MHz) −0.4(s、3H)、−0.3(d、J=3.6H
z、3H)、1.23〜1.60(m、18H)、2.
29〜2.40(br.s、3H)、3.80〜3.9
4(m、1H)、4.17〜4.31(m、1H)、
7.29〜8.34(m、13H)。
【0209】内容積が100mlの反応器に、ジエチル
エーテル50ml、上記で得たジメチルシリレン(2-メ
チル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-
フルオレン)1.50g(3.2ミリモル)を入れた
後、氷冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6
7ミリモル/ml)3.8mlを10分間で滴下し、室
温で1時間、還流下で30分間さらに反応を継続した。
得られた暗黄色スラリー溶液を−60℃に冷却し、四塩
化ジルコニウム0.75g(3.2ミリモル)を少量ず
つ入れた。温度を自然に室温まで昇温し、室温でさらに
12時間攪拌した。
【0210】生成した固体をグラスフィルターで濾過し
た。得られた固体にジエチルエーテル10mlを加え洗
浄した後、減圧下で濾過した。得られた固体を塩化メチ
レン40mlで洗浄後、グラスフィルターで濾過し、塩
化メチレン溶液を濃縮することにより析出した固体をグ
ラスフィルターで分離して目的物〔ジメチルシリレン
(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブ
チル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド〕0.
84gをオレンジ色の粉末として得た。
【0211】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ値、CDCl3、90MHz) 1.26(s、9H)、1.35(s、9H)、1.4
4(s、3H)、1.54(s、3H)、2.37
(s、3H)、7.01〜8.02(m、13H)。
【0212】
【製造例2】 [ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合
成]内容積が100mlの反応器に、ジエチルエーテル
50ml、フルオレン3.32g(20ミリモル)を装
入した後、氷冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.67ミリモル/ml)12.0mlを10分間で
滴下し、室温でさらに10時間攪拌して混合液Cを得
た。
【0213】内容積が200mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、ジメチルジクロルシラン41.2g
(320ミリモル)を入れた後、氷冷下で前記混合液C
を1時間で滴下し、室温でさらに1時間攪拌した。ジエ
チルエーテルとジメチルジクロルシランを減圧下で留去
した後、塩化メチレン100mlを加え攪拌し、グラス
フィルターを用いて固体を除去した。得られた塩化メチ
レン溶液から、塩化メチレンを減圧下で留去した後、真
空ポンプで減圧しさらに溶媒を留去することによりオレ
ンジ色の粘凋なオイルを得た。
【0214】内容積が100mlの反応器にジエチルエ
ーテル50ml、2-メチル-4,5-ベンゾインデン3.8
9g(20ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.67ミリモル/ml)1
2.0mlを10分間で滴下し、室温でさらに13時間
攪拌して混合液Dを得た。
【0215】内容積が200mlの反応器に上記反応で
得たオレンジ色の粘凋なオイルのジエチルエーテル溶液
40mlを入れた後、氷冷下で前記混合液Dを30分間
で滴下し、室温でさらに1日攪拌した。得られた反応液
を飽和塩化アンモニア水溶液中に注ぎ、エーテル層を水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル層を
濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液;n-ヘキサン)で分離精製することにより、目的物
〔ジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニ
ル)(9-フルオレン)〕3.88g(収率;48%)を
微黄色のアモルファス状の固体として得た。
【0216】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ値、CDCl3、90MHz) −0.4(s、3H)、−0.3(d、J=3.6H
z、3H)、2.29〜2.40(br.s、3H)、
3.94(br.s、1H)、4.26(br.s、1
H)、7.09〜8.31(m、15H) 内容積が100mlの反応器に、ジエチルエーテル50
ml、上記で得たジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベ
ンゾ-1-インデニル)(9-フルオレン)1.30g
(3.2ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(1.67ミリモル/ml)3.8
mlを10分間で滴下し、室温で1時間、還流下で30
分間さらに反応を継続した。得られた暗黄色スラリー溶
液を−60℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.75g
(3.2ミリモル)を少量ずつ入れた。温度を自然に室
温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。
【0217】生成した固体をグラスフィルターで濾過し
た。得られた固体にジエチルエーテル10mlを加え洗
浄した後、減圧下で濾過した。得られた固体を塩化メチ
レン40mlで洗浄後、グラスフィルターで濾過し、塩
化メチレン溶液を濃縮することにより析出した固体をグ
ラスフィルターで分離して目的物〔ジメチルシリレン
(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド〕0.96gをオレンジ色
の粉末として得た。
【0218】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ値、CDCl3、90MHz) 1.44(s、3H)、1.54(s、3H)、2.3
7(s、3H)、6.99〜8.00(m、15H)
【0219】
【製造例3】 [ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-イン
デニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニ
ウムジクロリドの合成]内容積が100mlの反応器
に、ジエチルエーテル50ml、2,7-ジ-t-ブチル-9-フ
ルオレン5.57g(20ミリモル)を装入した後、氷
冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.67ミリ
モル/ml)12.0mlを10分間で滴下し、室温で
さらに10時間攪拌して混合液Eを得た。
【0220】内容積が200mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、ジメチルジクロルシラン41.2g
(320ミリモル)を入れた後、氷冷下で前記混合液E
を1時間で滴下し、室温でさらに1時間攪拌した。ジエ
チルエーテルとジメチルジクロルシランを減圧下で留去
した後、塩化メチレン100mlを加え攪拌し、グラス
フィルターを用いて固体を除去した。得られた塩化メチ
レン溶液から、塩化メチレンを減圧下で留去した後、真
空ポンプで減圧しさらに溶媒を留去することによりオレ
ンジ色の粘凋なオイルを得た。
【0221】内容積が100mlの反応器にジエチルエ
ーテル50ml、2,6-ジメチル-4,5-ベンゾインデン
3.88g(20ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブ
チルリチウムのヘキサン溶液(1.67ミリモル/m
l)12.0mlを10分間で滴下し、室温でさらに1
3時間攪拌して混合液Fを得た。
【0222】内容積が200mlの反応器に上記反応で
得たオレンジ色の粘凋なオイルのジエチルエーテル溶液
40mlを入れた後、氷冷下で前記混合液Fを30分間
で滴下し、室温でさらに1日攪拌した。得られた反応液
を飽和塩化アンモニア水溶液中に注ぎ、エーテル層を水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル層を
濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液;n-ヘキサン)で分離精製することにより、目的物
〔ジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-イン
デニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレン)〕4.8g
(収率;45%)を微黄色のアモルファス状の固体とし
て得た。
【0223】内容積が100mlの反応器に、ジエチル
エーテル50ml、上記で得たジメチルシリレン(2,6-
ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチ
ル-9-フルオレン)1.69g(3.2ミリモル)を入
れた後、氷冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.67ミリモル/ml)3.8mlを10分間で滴
下し、室温で1時間、還流下で30分間さらに反応を継
続した。得られた暗黄色スラリー溶液を−60℃に冷却
し、四塩化ジルコニウム0.75g(3.2ミリモル)
を少量ずつ入れた。温度を自然に室温まで昇温し、室温
でさらに12時間攪拌した。
【0224】生成した固体をグラスフィルターで濾過し
た。得られた固体にジエチルエーテル10mlを加え洗
浄した後、減圧下で濾過した。得られた固体を塩化メチ
レン40mlで洗浄後、グラスフィルターで濾過し、塩
化メチレン溶液を濃縮することにより析出した固体をグ
ラスフィルターで分離して目的物〔ジメチルシリレン
(2,6-ジメチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t
-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド〕
1.02gをオレンジ色の粉末として得た。
【0225】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ値、CDCl3、90MHz) 1.24(s、9H)、1.35(s、9H)、1.4
3(s、3H)、1.56(s、3H)、2.36
(s、3H)、2.50(s、3H)、7.01〜8.
02(m、12H)
【0226】
【製造例4】 [ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベ
ンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリドの合成]内容積が100
mlの反応器に、ジエチルエーテル50ml、2,7-ジ-t
-ブチル-9-フルオレン5.57g(20ミリモル)を装
入した後、氷冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.67ミリモル/ml)12.0mlを10分間で
滴下し、室温でさらに10時間攪拌して混合液Gを得
た。
【0227】内容積が200mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、ジメチルジクロルシラン41.2g
(320ミリモル)を入れた後、氷冷下で前記混合液G
を1時間で滴下し、室温でさらに1時間攪拌した。ジエ
チルエーテルとジメチルジクロルシランを減圧下で留去
した後、塩化メチレン100mlを加え攪拌し、グラス
フィルターを用いて固体を除去した。得られた塩化メチ
レン溶液から、塩化メチレンを減圧下で留去した後、真
空ポンプで減圧しさらに溶媒を留去することによりオレ
ンジ色の粘凋なオイルを得た。
【0228】内容積が100mlの反応器にジエチルエ
ーテル50ml、2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベン
ゾ)インデン4.16g(20ミリモル)を入れた後、
氷冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.67ミ
リモル/ml)12.0mlを10分間で滴下し、室温
でさらに13時間攪拌して混合液Hを得た。
【0229】内容積が200mlの反応器に上記反応で
得たオレンジ色の粘凋なオイルのジエチルエーテル溶液
40mlを入れた後、氷冷下で前記混合液Hを30分間
で滴下し、室温でさらに1日攪拌した。得られた反応液
を飽和塩化アンモニア水溶液中に注ぎ、エーテル層を水
洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル層を
濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展
開液;n-ヘキサン)で分離精製することにより、目的物
〔ジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベ
ンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレ
ン)〕5.2g(収率;48%)を微黄色のアモルファ
ス状の固体として得た。
【0230】内容積が100mlの反応器に、ジエチル
エーテル50ml、上記で得たジメチルシリレン(2,7-
ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)
(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレン)1.73g(3.2
ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリチウムのヘ
キサン溶液(1.67ミリモル/ml)3.8mlを1
0分間で滴下し、室温で1時間、還流下で30分間さら
に反応を継続した。得られた暗黄色スラリー溶液を−6
0℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.75g(3.2
ミリモル)を少量ずつ入れた。温度を自然に室温まで昇
温し、室温でさらに12時間攪拌した。
【0231】生成した固体をグラスフィルターで濾過し
た。得られた固体にジエチルエーテル10mlを加え洗
浄した後、減圧下で濾過した。得られた固体を塩化メチ
レン40mlで洗浄後、グラスフィルターで濾過し、塩
化メチレン溶液を濃縮することにより析出した固体をグ
ラスフィルターで分離して目的物〔ジメチルシリレン
(2,7-ジメチル-4,5-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニ
ル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド〕0.94gをオレンジ色の粉末として得
た。
【0232】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(δ値、CDCl3、90MHz) 0.69(s、9H)、1.36(s、9H)、1.5
6(s、3H)、1.69(s、3H)、2.24
(s、3H)、2.47(s、3H)、2.57(s、
3H)、6.71〜8.40(m、11H)
【0233】
【製造例5】 [ジメチルシリレン(2-n-プロピル-4-(9-フェナント
リル)-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリドの合成]ジメチル(9-フルオレニル)シランクロリドの合成 1リットルの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに、フ
ルオレン(5.00g、30mmol)、脱水エーテル
(100ml)を入れ、−10℃で攪拌下、n-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(30mmol)を30分間かけ
て滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温し、
室温で4時間攪拌した。反応液は黄色スラリーとなっ
た。これを−10℃で攪拌下のジクロロジメチルシラン
(18.24ml、150mmol)/脱水エーテル
(100ml)溶液に1時間かけて滴下し、自然昇温の
後、終夜撹拌を行った。溶液をグラスフィルター(G−
5)で加圧濾過して、リチウムクロライドを除去し、濾
液内の溶媒と未反応のジクロロジメチルシランを減圧除
去し、脱水ヘキサン(100ml)でリスラリーしてグ
ラスフィルター(G−5)で加圧濾過し、白色粉末
(3.30g、収率43%)を得た。
【0234】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);7.2〜8.0(m、8
H)、4.1(s、1H)、0.15(s、6H)ジメチル(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)-1-イ
ンデニル)(9-フルオレニル)シランの合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに2-n-
プロピル-4-(9-フェナントリル)インデン(1.60
g、4.78mmol)、脱水エーテル(20ml)を
入れ、−40℃で攪拌下、n-ブチルリチウムのヘキサン
溶液(5.02mmol)を滴下した。滴下後、これを
ゆっくりと室温まで自然昇温した。室温で7時間攪拌後
すると白色スラリーが黄色スラリー、褐色スラリーと変
化した後黄色スラリーとなった。脱水エーテル(30m
l)を添加し、0℃で攪拌下、上記で合成したジメチル
(9-フルオレニル)シランクロライド(1.24g、
5.02mmol)を添加し、室温で終夜攪拌した。反
応液は黄色スラリーとなった。その後、N-メチル-2-ピ
ロリドン(0.1g)を添加し、更に3時間攪拌を行う
とオレンジ溶液に変化した。これをエーテル(100m
l)、飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)を加
え分液漏斗に移して有機層を分離し、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。溶媒を除去し(黄色オイル)、カラ
ムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、こ
れにより白色オイルを得た。これを真空ポンプで減圧す
ると、発泡固化し、白色粉末(2.02g、収率76
%)を得た。
【0235】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);7.0〜9.
0(m、20H)、6.2(d、1H)、4.3(d、
1H)、3.9(br、1H)、2.1〜2.5(t、
2H)、1.0〜1.6(br、2H)、0.6〜1.
0(t、3H)、−0.2〜−0.4(d、6H)ジメチルシリレン(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリ
ル)-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリドの合成 50mlのシュレンク瓶に滴下漏斗を備え、充分に窒素
置換して乾燥させた。これに上記で合成したジメチル
(2-n-プロピル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニ
ル)(9-フルオレニル)シラン(0.80g、1.44
mmol)、脱水エーテル(20ml)を入れ、−78
℃で攪拌下、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(3.0
2mmol)を滴下した。滴下後、これをゆっくりと室
温まで自然昇温した。室温で8時間攪拌すると黄色溶液
が山吹色スラリーを経て褐色スラリーとなった。これを
再度−78℃で攪拌下、四塩化ジルコニウム(0.33
5g、1.44mmol)を添加し、滴下後、ゆっくり
と室温まで自然昇温した。室温で終夜攪拌すると赤色ス
ラリーとなった。グラスフィルター(G−5)で加圧濾
過し、エーテルを取り除き、濾物を素早く、脱水ジクロ
ロメタンで洗浄した(濾物はリチウムクロライド)。こ
れによって得られた濾液の溶媒を除去し、脱水ヘキサン
(25ml)でリスラリーしてグラスフィルター(G−
5)で濾過し、目的のメタロセンを赤色パウダー(39
7mg、収率39%)として得た。
【0236】
【製造例6】 [エチレン(9-フルオレニル)(2-メチル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドの合成]還流管、温度計、
滴下漏斗を備えた200ml四つ口フラスコに、2-メチ
ルインデン(4.5g、34.6mmol)、脱水エー
テル(50ml)を入れ、−78℃でn-ブチルリチウム
のヘキサン溶液(1.61mol/リットル、23.7
ml、38.1mmol)を1時間かけて滴下し、その
後6時間かけて室温まで自然昇温した。反応物は黄橙色
スラリーになった。
【0237】次に、還流管、温度計、滴下漏斗を備えた
500ml四つ口フラスコに、1,2-ジブロモエタン(3
2.5g、0.173mol)、脱水エーテル(100
ml)を入れ、上記反応物全量を0℃で1時間かけてピ
ペットで添加し、その後室温で15時間攪拌した。得ら
れた黄色透明溶液を水300mlにあけてエーテル層を
分離し、水層をエーテル抽出(100ml×3)して有
機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶
媒を留去し、得られた黄褐色オイルをカラムクロマトグ
ラフィー(シリカゲル300g、ヘキサン展開)で精製
し、黄白色透明液体の目的物〔3-(2-ブロモエチル)-2
-メチルインデン〕を6.25g得た(収率76%)。
【0238】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 1.8〜2.6(m、2H)、1.93(s、3H)、
2.8〜3.2(m、2H)、3.3(br、1H)、
6.32(s、1H)、6.6〜7.4(m、4H)。
【0239】還流管、温度計、滴下漏斗を備えた300
ml四つ口フラスコに、フルオレン(2.11g、1
2.7mmol)、脱水エーテル(60ml)を入れ、
0℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61mo
l/リットル、8.7ml、14.0mmol)を1時
間かけて滴下し、その後2時間還流した。反応物は暗赤
色透明になった。これを−78℃に冷却し(黄色スラリ
ー)、3-(2-ブロモエチル)-2-メチルインデン(3
g、12.7mmol)を脱水エーテル(20ml)に
溶かしたものを1時間かけて滴下し、その後、室温まで
自然昇温して15時間攪拌した。反応物は次第に黄色ス
ラリーとなった。
【0240】この反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液
(300ml)にあけてエーテル層を分離し、水層をエ
ーテル抽出(100ml×3)して有機層を合わせ、無
水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、得ら
れた白黄色パウダーをヘキサン(200ml)でリスラ
リーして濾過し、白色パウダーの目的物〔1-(9-フルオ
レニル)-2-(2-メチル-1-インデニル)エタン〕を2.
50g得た(収率61%)。
【0241】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 1.3〜1.9(m、4H)、1.92(s、3H)、
3.12(br、1H)、3.88(br、1H)、
6.48(s、1H)、7.0〜7.9(m、12
H)。
【0242】還流管、温度計、滴下漏斗を備えた300
ml四つ口フラスコに、1-(9-フルオレニル)-2-(2-
メチル-1-インデニル)エタン(1.0g、3.10m
mol)、脱水エーテル(100ml)を入れ、−78
℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61mol
/リットル、4.04ml、6.51mmol)を30
分かけて滴下し、その後5時間かけて0℃まで自然昇温
し、0℃で3時間攪拌した。反応物は黄色スラリーとな
った。
【0243】次にこの反応物を−78℃に冷却し、四塩
化ジルコニウム(0.760g、3.26mmol)を
15分かけて添加した。その後、室温まで自然昇温し、
12時間攪拌した。得られた反応物(橙黄色スラリー)
をグラスフィルター(G−5)で濾過し、濾物を脱水エ
ーテル(100ml)で洗浄した。フィルター上に残っ
た橙色固体を脱水ジクロロメタン(300ml)で洗
浄、濾過し、濾液の溶媒を留去すると赤橙色固体(1.
20g)が得られた。この固体を脱水ジクロロメタン
(100ml)で洗浄して濾過すると、赤橙色パウダー
の目的物〔エチレン(9-フルオレニル)(2-メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロライド〕が0.650
g得られた(収率43%)。
【0244】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 2.20(s、3H)、3.8〜4.4(m、4H)、
6.24(s、1H)、6.9〜8.0(m、12
H)。
【0245】
【製造例7】 [ジメチルシリレン(9-フルオレニル)(2-メチル-1-
インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成]内容積が
100mlの反応器に、ジエチルエーテル20ml、フ
ルオレン3.3g(20ミリモル)を装入した後、氷冷
下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61ミリモ
ル/ml)12.4mlを10分間で滴下し、室温でさ
らに10時間攪拌して混合液Iを得た。
【0246】内容積が200mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、ジメチルジクロルシラン41.2g
(320ミリモル)を入れた後、氷冷下で前記混合液I
を1時間で滴下し、室温でさらに1時間攪拌した。ジエ
チルエーテルとジメチルジクロルシランを減圧下で留去
した後、塩化メチレン100mlを加え攪拌し、グラス
フィルターを用いて固体を除去した。得られた塩化メチ
レン溶液から、塩化メチレンを減圧下で留去した後、真
空ポンプで減圧しさらに溶媒を留去することによりオレ
ンジ色のオイル5.0gを得た。
【0247】内容積が100mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、2-メチルインデン2.18g(16.
8ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリチウムの
ヘキサン溶液(1.61ミリモル/ml)10.4ml
を10分間で滴下し、室温でさらに13時間攪拌して混
合液Jを得た。
【0248】内容積が200mlの反応器に上記反応で
得たオレンジ色のオイル5.0gのジエチルエーテル溶
液40mlを入れた後、氷冷下で前記混合液Jを1.5
時間で滴下し、室温でさらに1日攪拌した。得られた反
応液を飽和塩化アンモニア水溶液中に注ぎ、エーテル層
を水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。エーテル
層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開液;n-ヘキサン)で分離精製することにより、目
的物〔ジメチルシリレン(9-フルオレニル)(2-メチル
-1-インデン)〕2.65g(収率;45%)を白色粉
末として得た。
【0249】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) −4.3(d、6H)、2.2(s、3H)、3.7
(s、1H)、4.2(s、1H)、6.7(s、1
H)、7.0〜8.0(m、12H)。
【0250】内容積が100mlの反応器に、ジエチル
エーテル50ml、上記で得たジメチルシリレン(9-フ
ルオレニル)(2-メチル-1-インデン)1.35g
(3.8ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(1.60ミリモル/ml)4.8
mlを10分間で滴下し、室温で1時間、還流下で2時
間さらに反応を継続した。得られた黄色スラリー溶液を
−60℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.90g
(3.8ミリモル)を少量ずつ入れた。温度を自然に室
温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。
【0251】さらに1時間エーテルで還流させた後、生
成した固体をグラスフィルターで濾過した。得られた固
体をジエチルエーテル30mlで洗浄した後、ジエチル
エーテル溶液を減圧下で濾過した。得られた固体をn-ヘ
キサン100mlで洗浄した後、グラスフィルターで濾
過することにより目的物〔ジメチルシリレン(9-フルオ
レニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド〕1.58gをレンガ色の粉末として得た。
【0252】
【製造例8】 [ジフェニルシリレン(9-フルオレニル)(2-メチル-1
-インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成]内容積
が100mlの反応器に、ジエチルエーテル30ml、
フルオレン3.3g(20ミリモル)を装入した後、氷
冷下でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61ミリ
モル/ml)12.4mlを10分間で滴下し、室温で
さらに10時間攪拌した。得られた反応溶液を減圧下で
濃縮、固化させ真空ポンプで減圧し乾燥することによ
り、黄色のリチウム塩を得た。
【0253】内容積が200mlの反応器にn-ヘキサン
150ml、ジフェニルジクロルシラン6.6g(26
ミリモル)を入れ、氷冷下で前記リチウム塩を添加し、
温度を室温まで昇温した後、12時間さらに攪拌を続け
た。生成した固体はグラスフィルターを用いて除去し、
得られた濾液を濃縮した。析出した固体をグラスフィル
ターで濾過することにより目的物〔9-(クロルジフェニ
ルシリル)フルオレン〕4.51g(収率;59%)を
白色粉末として得た。
【0254】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 4.58(s、1H)、7.0〜7.90(m、18
H)。
【0255】内容積が100mlの反応器にジエチルエ
ーテル40ml、2-メチルインデン1.53g(11.
8ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリチウムの
ヘキサン溶液(1.61ミリモル/ml)7.3mlを
10分間で滴下し、室温でさらに10時間攪拌して混合
液Kを得た。
【0256】内容積が200mlの反応器にジエチルエ
ーテル50ml、9-(クロルジフェニルシリル)フルオ
レン4.51g(11.8ミリモル)、チオシアン酸銅
144mg(1.2ミリモル)を入れた後、氷冷下で前
記混合液Kを1時間で滴下し、室温でさらに15時間反
応した。反応終了後、析出した固体をグラスフィルター
で除去した。得られた濾液は、濃縮固化し、ジエチルエ
ーテル30mlでリスラリー洗浄することにより、目的
物〔ジフェニルシリレン(9-フルオレニル)(2-メチル
-1-インデン)〕2.10g(収率;37%)を白色粉
末として得た。
【0257】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 1.98(s、3H)、4.42(s、1H)、4.9
6(s、1H)、6.20(s、1H)、6.60〜
8.40(m、22H)。
【0258】内容積が100mlの反応器に、ジエチル
エーテル50ml、上記で得たジフェニルシリレン(9-
フルオレニル)(2-メチル-1-インデン)1.50g
(3.15ミリモル)を入れた後、氷冷下でn-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(1.60ミリモル/ml)3.
9mlを10分間で滴下し、室温で1時間、還流下で2
時間さらに反応を継続した。得られた黄色スラリー溶液
を−60℃に冷却し、四塩化ジルコニウム0.73g
(3.15ミリモル)を少量ずつ入れた。温度を自然に
室温まで昇温し、室温でさらに12時間攪拌した。
【0259】さらに1時間エーテルで還流させた後、生
成した固体をグラスフィルターで濾過した。得られた固
体をジエチルエーテル30mlで洗浄した後、ジエチル
エーテル溶液を減圧下で濾過した。得られた固体をn-ヘ
キサン100mlで洗浄した後、グラスフィルターで濾
過することにより目的物〔ジフェニルシリレン(9-フル
オレニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジ
クロリド〕1.80gをオレンジ色の粉末として得た。
【0260】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 2.12(s、3H)、6.70〜8.40(m、13
H)。
【0261】
【製造例9】 [エチレン(9-フルオレニル)(1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリドの合成]還流管、温度計、滴下漏斗を
備えた300ml四つ口フラスコに、インデン(10
g、86.1mmol)、脱水エーテル(100ml)
を入れ、−78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(1.61mol/リットル、59ml、94.7mm
ol)を30分かけて滴下し、その後3時間かけて室温
まで自然昇温した。反応物はオレンジ色透明になった。
【0262】次に、還流管、温度計、滴下漏斗を備えた
1リットル四つ口フラスコに、1,2-ジブロモエタン(8
1g、0.431mol)、脱水エーテル(150m
l)を入れ、上記反応物全量を0℃で2時間かけて滴下
し、その後室温で15時間攪拌した。得られた黄色透明
溶液を水300mlにあけてエーテル層を分離し、水層
をエーテル抽出(100ml×3)して有機層を合わ
せ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去
し、得られた黄褐色オイルをカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル500g、ヘキサン展開)で精製し、薄緑
黄色透明液体の目的物〔3-(2-ブロモエチル)インデ
ン〕を16.36g得た(収率85%)。
【0263】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 1.8〜2.6(m、2H)、3.40(t、J=1.
9Hz、2H)、3.5〜3.8(m、1H)、6.4
8(d、J=1.6Hz、1H)、6.83(d、J=
1.6Hz、1H)、7.1〜7.6(m、4H)。
【0264】還流管、温度計、滴下漏斗を備えた300
ml四つ口フラスコに、フルオレン(3.72g、2
2.4mmol)、脱水エーテル(100ml)を入
れ、0℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61
mol/リットル、15.3ml、24.6mmol)
を1時間かけて滴下し、その後2時間還流した。反応物
は暗赤色透明になった。これを−78℃に冷却し(黄色
スラリー)、3-(2-ブロモエチル)インデン(5g、2
2.4mmol)を脱水エーテル(50ml)に溶かし
たものを1時間かけて滴下し、その後、室温まで自然昇
温して15時間攪拌した。反応物は次第に橙黄色透明均
一溶液になった。これを飽和塩化アンモニウム水溶液
(200ml)にあけてエーテル層を分離し、水層をエ
ーテル抽出(100ml×3)して有機層を合わせ、無
水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を留去し、得ら
れた白黄色セミソリッドをカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル400g、ヘキサン展開)で精製し、白色
パウダーの目的物〔1-(9-フルオレニル)-2-(1-イン
デニル)エチレン〕を3.42g得た(収率49%)。
【0265】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 1.1〜2.6(m、4H)、3.35(br、1
H)、3.97(br、1H)、6.48(d、J=
1.6Hz、1H)、6.83(d、J=1.6Hz、
1H)、7.1〜8.0(m、12H) FD−MS 308(M+) 還流管、温度計、滴下漏斗を備えた100ml四つ口フ
ラスコに、1-(9-フルオレニル)-2-(1-インデニル)
エチレン(1.0g、3.24mmol)、脱水エーテ
ル(50ml)を入れ、−78℃でn-ブチルリチウムの
ヘキサン溶液(1.61mol/リットル、4.2m
l、6.80mmol)を1時間かけて滴下し、その後
5時間かけて自然昇温し、さらに1時間還流した。反応
物は橙黄色スラリーとなった。
【0266】次にこの反応物を−78℃に冷却し、四塩
化ジルコニウム(0.792g、3.40mmol)を
15分かけて添加した。その後、室温まで自然昇温し、
12時間攪拌した。得られた反応物(橙黄色スラリー)
をグラスフィルター(G−5)で濾過し、濾物を脱水エ
ーテル(50ml)で洗浄した。フィルター上に残った
橙色固体を脱水ジクロロメタン(150ml)で洗浄、
濾過し、濾液の溶媒を留去すると赤橙色固体(1.29
g)が得られた。この固体を脱水ヘキサン(100m
l)でリスラリーして濾過すると、赤橙色パウダーの目
的物〔エチレン(9-フルオレニル)(1-インデニル)ジ
ルコニウムジクロライド〕が0.924g得られた(収
率61%)。
【0267】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) 3.7〜4.4(m、4H)、6.20(d、J=0.
8Hz、1H)、6.35(d、J=0.8Hz、1
H)、6.9〜8.1(m、12H)。
【0268】
【製造例10】 [ジメチルシリレン(9-フルオレニル)(2-メチル-4-
フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドの合
成]還流管、温度計、滴下漏斗を備えた100mlの四
つ口フラスコを充分に窒素置換して乾燥させた。これに
特開平6−100579号公報に記載された方法で製造
した2-メチル-4-フェニルインデン(1.50g、7.
27mmol)、脱水したジエチルエーテル(40m
l)を入れ、−78℃で攪拌下、n-ブチルリチウムのn-
ヘキサン溶液(7.63mmol)を滴下した。滴下
後、この溶液をゆっくりと室温まで自然昇温し、次に室
温で一晩攪拌したところ、スラリー濃度が高くなり、攪
拌不能になった。ここで脱水したジエチルエーテル(1
0ml)を添加し、次に0℃で攪拌下、製造例6で合成
したジメチルシリルフルオレニルモノクロリド1.88
g(7.27mmol)を添加し、室温で12時間攪拌
すると黄色スラリーが得られた。この黄色スラリーにジ
エチルエーテル(100ml)、飽和塩化アンモニウム
水溶液(100ml)を加え、分液漏斗に移して有機相
を分離し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩
水の順に有機相を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ
た。溶媒を除去し、カラムクロマクグラフィー(溶媒:
n-ヘキサン)で精製し、淡黄色の粉末1.75g(収
率:56%)を得た。
【0269】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz) −0.35(d、6H)、2.2(s、3H)、3.8
(t、1H)、4.2(s、1H)、6.8(s、2
H)、6.9〜7.9(m、16H)。
【0270】滴下漏斗を備えた50mlの反応器を充分
に窒素置換して乾燥させた。これに上記で合成したジメ
チルシリレン(9-フルオレニル)(2-メチル,4-フェニ
ル-1-インデン)(0.80g、1.87mmol)、
脱水ジエチルエーテル(20ml)を入れ、−78℃で
n-ブチルリチウムのn-ヘキサン溶液(3.93mmo
l)を滴下した。滴下後、この溶液をゆっくり室温まで
自然昇温した。次に、室温で12時間攪拌した後、0℃
で攪拌下、四塩化ジルコニウム(0.435g,1.8
7mmol)を滴下し、滴下後、ゆっくりと室温まで自
然昇温した。次に、室温で8時間攪拌した後、得られた
赤色スラリーをグラスフィルターで濾過し、得られた固
体を素早く乾燥ジクロルメタンで洗浄した。得られた濾
液の溶媒を除去し、脱水ヘキサン40mlでリスラリー
した後、グラスフィルターで濾過し、目的の化合物56
0mgを赤色パウダーとして得た(収率:51%)。
【0271】
【製造例11】 [エチレン(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)(2-メ
チル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成]2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレンの合成 還流管、温度計、滴下漏斗を備えた100ml四つ口フ
ラスコに、フルオレン(3.4g、20.5mmo
l)、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(4.4g、2
0.0mmol)、ニトロメタン(30ml)を入れ、
水浴中(10℃)で攪拌下、無水塩化アルミニウム(4
g)をニトロメタン(6ml)に溶かしたものを滴下し
た(滴下時間1時間、反応液は次第に紫色ヘテロ状にな
った)。3時間攪拌の後、反応液を300mlの氷水に
入れて、分液漏斗に移し、有機層を分離した後に水層を
エーテル(200ml×3)で抽出して有機層を合わせ
た。エバポレーター、さらに、オイルポンプでエーテル
とニトロメタンを完全に留去し、残渣をエーテル(20
0ml)に溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液(1
50ml×3)で洗浄の後、無水硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を留去し、得られた白黄色パウダーをメタ
ノールで再結晶し、白黄色針状結晶の目的物(3.5
g、収率63%)を得た。
【0272】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);1.38
(s、18H)、3.86(s、2H)、7.2〜7.
8(m、6H)3-(2-ブロモエチル)-2-メチルインデンの合成 還流管、温度計、滴下漏斗を備えた200ml四つ口フ
ラスコに、2-メチルインデン(4.5g、34.6mm
ol)、脱水エーテル(50ml)を入れ、−78℃で
n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.61mol/リ
ットル、23.7ml、38.1mmol)を1時間か
けて滴下し、その後6時間かけて室温まで自然昇温し
た。反応物は黄橙色スラリーになった。
【0273】次に、還流管、温度計、滴下漏斗を備えた
500ml四つ口フラスコに、1,2-ジブロモエタン(3
2.5g、0.173mol)、脱水エーテル(100
ml)を入れ、上で作ったアニオンのスラリー全量を0
℃で1時間かけて添加し、その後室温で15時間攪拌し
た。得られた黄色透明溶液を水300mlに移し入れ、
エーテル層を分離し、水層をエーテル抽出(100ml
×3)して有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾
燥させた。溶媒を留去し、得られた黄褐色オイルをカラ
ムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、黄
白色透明液体の目的物(6.25g、収率76%)を得
た。
【0274】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);1.8〜2.
6(m、2H)、1.93(s、3H)、2.8〜3.
2(m、2H)、3.3(br、1H)、6.32
(s、1H)、6.6〜7.4(m、4H)1-(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)-2-(2-メチル-
1-インデニル)エチレンの合成 還流管、温度計、滴下漏斗を備えた100ml四つ口フ
ラスコに、2,7-ジ-t-ブチルフルオレン(1.18g、
4.22mmol)、脱水エーテル(30ml)を入
れ、0℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.67
mol/リットル、2.8ml、4.64mmol)を
1時間かけて滴下し、その後室温で7時間攪拌した。反
応物は赤橙色透明になった。これを−78℃に冷却し
(黄橙色スラリー)、3-(2-ブロモエチル)-2-メチル
インデン(1g、4.22mmol)を脱水エーテル
(10ml)に溶かしたものを30分間かけて滴下し、
その後、室温まで自然昇温して15時間攪拌した。反応
物は次第に黄色スラリーであった。これを飽和塩化アン
モニウム水溶液(200ml)に移し入れ、エーテル層
を分離し、水層をエーテル抽出(100ml×2)して
有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。
溶媒を留去し、得られた白黄色パウダーをヘキサン(1
00ml)でリスラリーして濾過し、白色パウダーの目
的物(1.70g、収率93%)を得た。
【0275】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);1.3〜1.
9(m、4H)、1.40(s、18H)、1.91
(br、3H)、3.08(br、1H)、3.85
(br、1H)、6.48(br、1H)、7.0〜
7.9(m、10H)エチレン(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)(2-メチ
ル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドの合成 還流管、温度計、滴下漏斗を備えた300ml四つ口フ
ラスコに、1-(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニル)-2-
(2-メチル-1-インデニル)エチレン(0.5g、1.
15mmol)、脱水エーテル(50ml)を入れ、−
78℃でn-ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.67m
ol/リットル、1.45ml、2.42mmol)を
30分かけて滴下し、その後15時間かけて室温まで自
然昇温した。反応物は橙黄色スラリーとなった。
【0276】次にこの反応物を−78℃に冷却し、四塩
化ジルコニウム(0.282g、1.21mmol)を
15分かけて添加した。その後、室温まで自然昇温し、
12時間攪拌した。得られた反応物(橙黄色スラリー)
をグラスフィルター(G−5)で加圧濾過し、濾物を脱
水エーテル(20ml×2)で洗浄した。濾液の溶媒を
オイルポンプで留去すると赤橙色固体が得られ、この固
体を脱水ヘキサン(10ml×2)で洗浄すると、赤橙
色パウダーの目的物(0.300g、収率44%)が得
られた。
【0277】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz):1.2〜1.
4(m、18H)、2.20(s、3H)、3.6〜
4.2(m、4H)、6.10(s、1H)、6.8〜
7.8(m、10H)
【0278】
【製造例12】 [ジメチルシリレン(3-メチル-1-インデニル)(9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成]ジメチル(9-フルオレニル)シランクロリドの合成 1リットルの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに、フ
ルオレン(5.00g、30mmol)、脱水エーテル
(100ml)を入れ、−10℃で攪拌下、n-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(30mmol)を30分間かけ
て滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温し、
室温で4時間攪拌した。反応液は黄色スラリーとなっ
た。これを−10℃で攪拌下のジクロロジメチルシラン
(18.24ml、150mmol)/脱水エーテル
(100ml)溶液に1時間かけて滴下し、自然昇温の
後、終夜撹拌を行った。溶液をグラスフィルター(G−
5)で加圧濾過して、リチウムクロライドを除去し、濾
液内の溶媒と未反応のジクロロジメチルシランを減圧除
去し、脱水ヘキサン(100ml)でリスラリーしてグ
ラスフィルター(G−5)で加圧濾過し、白色粉末
(3.30g、収率43%)を得た。
【0279】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);7.2〜8.0(m、8
H)、4.1(s、1H)、0.15(s、6H)ジメチル(1-インデニル)(9-フルオレニル)シランの
合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これにイン
デン(3.00g、25.8mmol)、脱水エーテル
(40ml)を入れ、0℃で攪拌下、n-ブチルリチウム
のヘキサン溶液(25.8mmol)を滴下した。滴下
後、これをゆっくりと室温まで自然昇温した。室温で2
時間攪拌した。反応液はオレンジ溶液となった。再度0
℃で攪拌下、上記で合成したジメチル(9-フルオレニ
ル)シランクロライド(6.69g、25.8mmo
l)を添加し、滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温し
た。室温で2時間攪拌すると黄色スラリーとなった。こ
れにエーテル(100ml)、飽和塩化アンモニウム水
溶液(100ml)を加え分液漏斗に移して有機層を分
離し、水層をエーテル(100ml×3)で抽出して有
機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥させた。溶媒を除去し、カラムクロマトグラフ
ィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、白色粉末(4.70
g、収率54%)で得た。
【0280】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);7.2〜8.0(m、12
H)、6.9(m、1H)、6.3(dd、1H)、
4.1(s、1H)、3.6(t、1H)、−0.2
(s、3H)、−0.4(s、3H)ジメチル(3-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニ
ル)シランの合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに上記
で合成したジメチル(1-インデニル)(9-フルオレニ
ル)シラン(2.00g、5.91mmol)、脱水エ
ーテル(50ml)を入れ、−40℃で攪拌下、n-ブチ
ルリチウムのヘキサン溶液(6.21mmol)を滴下
した。滴下後、これをゆっくりと室温まで自然昇温し
た。終夜時間攪拌すると黄色溶液となった。これを再度
−40℃で攪拌下、ヨウ化メチル(3.78g、26.
6mmol)を添加し、滴下後、ゆっくりと室温まで自
然昇温した。室温で一日攪拌した。反応液はオレンジ溶
液となった。エーテル(100ml)、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液(100ml)を加え分液漏斗に移して有
機層を分離し、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥させた。溶媒を除去し、カラムクロマトグ
ラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、2種類の異性体
(1つは無色透明液体、もう1つは黄色液体)(合計
1.85g、収率89%)を得た。
【0281】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);2種異性体(A:B=4:
1) 異性体A 7.2〜8.0(m、12H)、6.5(d、1H)、
4.1(s、1H)、3.6(dd、1H)、1.2
(d、3H)、0.1(d、6H)、 異性体B 7.2〜8.0(m、12H)、6.1(d、1H)、
4.0(s、1H)、3.6(dd、1H)、2.1
(s、3H)、−0.3(d、6H)ジメチルシリレン(3-メチル-1-インデニル)(9-フル
オレニル)ジルコニウムジクロリドの合成 50mlのシュレンク瓶に滴下漏斗を備え、充分に窒素
置換して乾燥させた。これに上記で合成したジメチル
(3-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)シラン
(0.80g、2.27mmol)、脱水エーテル(2
0ml)を入れ、−78℃で攪拌下、n-ブチルリチウム
のヘキサン溶液(4.76mmol)を滴下した。滴下
後、これをゆっくりと室温まで自然昇温した。終夜時間
攪拌後すると黄色溶液が赤色溶液となった。再度−78
℃で攪拌下、四塩化ジルコニウム(0.53g、2.2
7mmol)を添加し、滴下後、ゆっくりと室温まで自
然昇温した。室温で終夜攪拌した。反応液は赤色スラリ
ーとなった。グラスフィルター(G−5)で加圧濾過
し、エーテルを取り除き、濾物を素早く、脱水ジクロロ
メタンで洗浄した(濾物はリチウムクロライド)。これ
によって得られた濾液の溶媒を除去し、脱水ヘキサン
(25ml)でリスラリーしてグラスフィルター(G−
5)で加圧濾過し、目的のメタロセンを橙色パウダー
(330mg、収率28%)として得た。
【0282】
【製造例13】 [エチレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)(9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成]3-(2-ブロモメチル)-2-メチル-7-フェニルインデンの
合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに、2-
メチル-4-フェニルインデン(2.50g、12.12
mmol)、脱水エーテル(50ml)を入れ、0℃で
攪拌下、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(12.73
mmol)を30分間かけて滴下した。滴下後、ゆっく
りと室温まで自然昇温し、室温で4時間攪拌した。反応
液は黄色スラリーであった。これを0℃で攪拌下のジブ
ロモエタン(5.22ml、60.6mmol)/脱水
エーテル(20ml)溶液に1時間かけて滴下し、自然
昇温し、室温で終夜攪拌した。反応液は黄色溶液であっ
た。これをエーテル(100ml)、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液(100ml)を加え分液漏斗に移して有機
層を分離し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食
塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒
を除去して得られた黄色オイルをカラムクロマトグラフ
ィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、これにより淡黄色オ
イル(3.00g、収率79%)を得た。
【0283】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);2.0〜2.
8(m、2H)、2.1(s、3H)、3.0〜3.8
(m、2H)、3.5(br、1H)、6.7(s、1
H)、7.1〜7.8(m、8H)1-(9-フルオレニル)-2-(2-メチル-4-フェニル-1-イ
ンデニル)エチレンの合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに、フ
ルオレン(1.29g、7.76mmol)、脱水エー
テル(25ml)を入れ、0℃で攪拌下、n-ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(8.15mmol)を30分間か
けて滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温
し、室温で1.5時間攪拌した。反応液は褐色スラリー
となった。この後、0℃攪拌下で3-(2-ブロモメチル)
-2-メチル-7-フェニルインデン(2.42g、7.73
mmol)/脱水エーテル(40ml)溶液に1時間か
けて滴下し、自然昇温し、室温で終夜攪拌すると、赤紫
色溶液が暗橙色溶液となった。これをエーテル(100
ml)、飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)を
加え分液漏斗に移して有機層を分離し、飽和塩化アンモ
ニウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネ
シウムで乾燥させた。溶媒を除去し、カラムクロマトグ
ラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、これにより橙色
オイルを得た。これを真空ポンプで減圧すると、発泡固
化し、淡橙色粉末(1.10g、収率36%)を得た。
【0284】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);1.3〜1.
9(m、4H)、1.91(br、3H)、3.08
(br、1H)、3.85(br、1H)、6.48
(br、1H)、7.0〜7.9(m、10H)エチレン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)(9-フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成 50mlのシュレンク瓶に滴下漏斗を備え、充分に窒素
置換して乾燥させた。これに上記で合成した1-(9-フル
オレニル)-2-(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)
エチレン(0.50g、1.25mmol)、脱水エー
テル(20ml)を入れ、−78℃で攪拌下、n-ブチル
リチウムのヘキサン溶液(2.63mmol)を滴下し
た。滴下後、これをゆっくりと室温まで自然昇温した。
室温で終夜攪拌すると、黄橙色溶液が褐色溶液と変化し
暗橙色スラリーを経て茶橙色スラリーとなった。再度−
78℃で攪拌下、四塩化ジルコニウム(0.307g、
1.31mmol)を添加し、滴下後、ゆっくりと室温
まで自然昇温した。室温で終夜攪拌すると黄土色スラリ
ーが橙色スラリーとなった。グラスフィルター(G−
5)で加圧濾過し、エーテルを取り除き、濾物を素早
く、脱水ジクロロメタンで洗浄した(濾物はリチウムク
ロライド)。これによって得られた濾液の溶媒を除去
し、脱水ヘキサン(30ml)でリスラリーしてグラス
フィルター(G−5)で濾過し、目的のメタロセンを赤
橙色パウダー(320mg、収率46%)として得た。
【0285】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);2.20
(s、3H)、3.6〜4.2(m、4H)、6.10
(s、1H)、6.8〜8.0(m、16H)
【0286】
【製造例14】 [ジメチルシリレン(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドの合成]ジメチル(9-フルオレニル)シランクロリドの合成 1リットルの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに、フ
ルオレン(5.00g、30mmol)、脱水エーテル
(100ml)を入れ、−10℃で攪拌下、n-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(30mmol)を30分間かけ
て滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温し、
室温で4時間攪拌した。反応液は黄色スラリーとなっ
た。これを−10℃で攪拌下のジクロロジメチルシラン
(18.24ml、150mmol)/脱水エーテル
(100ml)溶液に1時間かけて滴下し、自然昇温の
後、終夜撹拌を行った。溶液をグラスフィルター(G−
5)で加圧濾過して、リチウムクロライドを除去し、濾
液内の溶媒と未反応のジクロロジメチルシランを減圧除
去し、脱水ヘキサン(100ml)でリスラリーして、
グラスフィルター(G−5)で加圧濾過し、白色粉末
(3.30g、収率43%)を得た。
【0287】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);7.2〜8.0(m、8
H)、4.1(s、1H)、0.15(s、6H)ジメチル(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチル-1-インデ
ニル)(9-フルオレニル)シランの合成 100mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに2-メ
チル-4-i-プロピル-7-メチルインデン(1.50g、
8.06mmol)、脱水エーテル(25ml)を入
れ、−78℃で攪拌下、n-ブチルリチウムのヘキサン溶
液(8.46mmol)を滴下した。滴下後、これをゆ
っくりと室温まで自然昇温した。室温で一晩攪拌すると
無色溶液が白色スラリーとなり明黄色スラリーを経て黄
色スラリーとなった。この反応液を0℃で攪拌下、上記
で合成したジメチル(9-フルオレニル)シランクロライ
ド(2.06g、8.06mmol)を添加し、室温で
1.5時間攪拌した。これをエーテル(100ml)、
飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)を加え分液
漏斗に移して有機層を分離し、飽和塩化アンモニウム水
溶液、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで
乾燥させた。溶媒を除去して得た黄色オイルをカラムク
ロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、黄色オ
イル(1.50g、収率46%)を得た。
【0288】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);6.6〜8.
0(m、11H)、4.2(s、1H)、3.7(s、
1H)、2.65〜3.05(m、1H)、2.45
(s、3H)、2.25(s、3H)、1.1〜1.3
(d、6H)、−0.35(d、6H)ジメチルシリレン(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチル-1
-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リドの合成 50mlのシュレンク瓶に滴下漏斗を備え、充分に窒素
置換して乾燥させた。これに上記で合成したジメチル
(2-メチル-4-i-プロピル-7-メチル-1-インデニル)(9
-フルオレニル)シラン(0.80g、1.96mmo
l)、脱水エーテル(20ml)を入れ、−78℃で攪
拌下、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液(4.11mm
ol)を滴下した。滴下後、これをゆっくりと室温まで
自然昇温した。終夜時間攪拌するとレモン黄色溶液が山
吹色溶液を経て赤褐色溶液となった。−78℃で攪拌
下、四塩化ジルコニウム(0.456g、1.96mm
ol)を添加し、添加後、ゆっくりと室温まで自然昇温
した。室温で8時間攪拌した。反応液は赤色スラリーと
なった。グラスフィルター(G−5)で加圧濾過し、エ
ーテルを取り除き、濾物を素早く、脱水ジクロロメタン
で洗浄した(濾物はリチウムクロライド)。これによっ
て得られた濾液の溶媒を除去し、脱水ヘキサン(30m
l)でリスラリーしてグラスフィルター(G−4)で濾
過し、目的のメタロセンを赤色パウダー(50mg、収
率4%)として得た。
【0289】
【製造例15】 [ジメチルシリレン(2,3-ジメチル-1-インデニル)(9
-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成]ジメチル(9-フルオレニル)シランクロリドの合成 1リットルの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに、フ
ルオレン(5.00g、30mmol)、脱水エーテル
(100ml)を入れ、−10℃で攪拌下、n-ブチルリ
チウムのヘキサン溶液(30mmol)を30分間かけ
て滴下した。滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温し、
室温で4時間攪拌した。反応液は黄色スラリーとなっ
た。これを−10℃で攪拌下のジクロロジメチルシラン
(18.24ml、150mmol)/脱水エーテル
(100ml)溶液に1時間かけて滴下し、自然昇温の
後、終夜撹拌を行った。溶液をグラスフィルター(G−
5)で加圧濾過して、リチウムクロライドを除去し、濾
液内の溶媒と未反応のジクロロジメチルシランを減圧除
去し、脱水ヘキサン(100ml)でリスラリーして、
グラスフィルター(G−5)で加圧濾過し、白色粉末
(3.30g、収率43%)を得た。
【0290】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);7.2〜8.0(m、8
H)、4.1(s、1H)、0.15(s、6H)1,2-ジメチルインデンの合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これにメチ
ルマグネシウムブロミド(3.0mol/リットル エ
ーテル溶液)(16.9ml、50.7mmol)、脱
水エーテル(50ml)を入れ、室温で撹拌下、2-メチ
ル-1-インダノン(3.70g、25.3mmol)/
脱水エーテル(20ml)を滴下した。滴下後、室温で
2時間撹拌後、氷水中に移し入れ、これを分液ロートに
移液し、有機層を分離した。水層をエーテル(100m
l×3)で抽出して有機層を合わせ、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。溶媒を除去して、1,2-ジメチル-1-
ヒドロキシ−インデンを得た。これをトルエン30ml
に溶かし、p-トルエンスルホン酸0.1gを添加し、水
抜き還流を3時間行った。有機層を分液ロートに移液
し、飽和アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、
無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を除去して、
カラムクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン)で精製
し、薄黄色溶液(2.70g(GC94%)、収率74
%)を得た。
【0291】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3);7.1〜7.6(m、4
H)、3.2(s、2H)、2.0(s、6H)ジメチル(2,3-ジメチル-1-インデニル)(9-フルオレ
ニル)シランの合成 200mlの四つ口フラスコに還流管、温度計、滴下漏
斗を備え、充分に窒素置換して乾燥させた。これに上記
で合成した1,2-ジメチルインデン(1.60g、1
1.09mmol)、脱水エーテル(40ml)を入
れ、0℃で攪拌下、n-ブチルリチウムのヘキサン溶液
(11.6mmol)を滴下した。滴下後、これをゆっ
くりと室温まで自然昇温した。室温で一晩攪拌すると乳
白色スラリーとなった。これを0℃で攪拌下、上記で合
成したジメチル(9-フルオレニル)シランクロライド
(2.72g、10.51mmol)を添加し、室温で
2時間攪拌した。反応液は黄色スラリーとなった。これ
にN-メチル-2-ピロリジン(0.1g)を添加し、室温
で1.5時間撹拌した。これをエーテル(100m
l)、飽和塩化アンモニウム水溶液(100ml)を加
え分液漏斗に移して有機層を分離し、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥させた。溶媒を除去し、カラムクロマトグラ
フィー(溶媒:ヘキサン)で精製し、黄色粉末(1.1
0g、収率27%)を得た。
【0292】得られた化合物のNMRスペクトルデータ
を以下に示す。1 H−NMR(CDCl3、90MHz);6.7〜8.
0(m、12H)、4.5(s、1H)、3.6(t、
1H)、2.0(s、6H)、−0.4(s、6H)ジメチルシリレン(2,3-ジメチル-1-インデニル)(9-
フルオレニル)ジルコニウムジクロリドの合成 50mlのシュレンク瓶に滴下漏斗を備え、充分に窒素
置換して乾燥させた。これに上記で合成したジメチル
(2,3-ジメチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)シ
ラン(0.80g、2.18mmol)、脱水エーテル
(15ml)を入れ、−78℃で攪拌下、n-ブチルリチ
ウムのヘキサン溶液(4.58mmol)を滴下した。
滴下後、これをゆっくりと室温まで自然昇温した。室温
で8時間攪拌すると淡黄色溶液が黄色溶液を経て黄色ス
ラリーとなった。再度−78℃で攪拌下、四塩化ジルコ
ニウム(0.509g、2.18mmol)を添加し、
滴下後、ゆっくりと室温まで自然昇温した。室温で終夜
攪拌すると反応液は赤色スラリーとなった。グラスフィ
ルター(G−5)で加圧濾過し、エーテルを取り除き、
濾物を素早く、脱水ジクロロメタンで洗浄した(濾物は
リチウムクロライド)。これによって得られた濾液の溶
媒を除去し、脱水ヘキサン(30ml)でリスラリーし
てグラスフィルター(G−5)で濾過し、目的のメタロ
センを赤色パウダー(427mg、収率37%)として
得た。
【0293】
【実施例1】触媒溶液の調製 充分に窒素置換したガラス製フラスコにジメチルシリレ
ン(2-メチル-4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-
ブチル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(化
合物a)を5.8mg加え、そこへメチルアルミノキサ
ン(MAO)のトルエン溶液(Al;1.1モル/リッ
トル)1.57ml、およびトルエン2.76mlを添
加することにより触媒溶液を得た。
【0294】重合 充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オ
ートクレーブにヘキサン600mlおよび1-オクテン1
50mlを装入し、系内の温度を130℃に昇温した。
引続き、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)1ミ
リモルおよび上記で調製した触媒溶液1.0ml(Zr
として0.002ミリモル)をエチレンで圧入すること
により重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的
に供給することにより全圧を30kg/cm2-G に保
ち、140℃で8分間重合を行った。少量のエタノール
を系内に添加することにより、重合を停止した後、未反
応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を大
過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマーを
析出させた。ポリマーを濾過により回収し、130℃で
減圧下に一晩乾燥した。その結果、MFRが0.21g
/10分であり、密度が0.898g/cm3 であるエチ
レン・1-オクテン共重合体を61.3g得た。結果を表
1に示す。
【0295】
【実施例2】充分に窒素置換した内容積2リットルのス
テンレス製オートクレーブにヘキサン600mlおよび
1-オクテン400mlを装入し、系内の温度を130℃
に昇温した。引続き、トリイソブチルアルミニウム1ミ
リモルおよび上記で調製した触媒溶液1.0ml(Zr
として0.002ミリモル)をエチレンで圧入すること
により重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的
に供給することにより全圧を30kg/cm2-G に保
ち、140℃で15分間重合を行った。少量のエタノー
ルを系内に添加することにより、重合を停止した後、未
反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を
大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマー
を析出させた。ポリマーを濾過により回収し、130℃
で減圧下に一晩乾燥した。その結果、MFRが0.47
g/10分であり、密度が0.875g/cm3 であるエ
チレン・1-オクテン共重合体を75.7g得た。結果を
表1に示す。
【0296】
【実施例3】実施例1において、化合物aに代えて、製
造例2で合成したジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベ
ンゾ-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウム
ジクロリド(化合物b)を用い、重合時間を30分とし
た以外は実施例1と同様にしてエチレン・1-オクテン共
重合体を製造した。結果を表1に示す。
【0297】
【実施例4】実施例1において、化合物aに代えて、製
造例3で合成したジメチルシリレン(2,6-ジメチル-4,5
-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリド(化合物c)を用い、重
合時間を15分とした以外は実施例1と同様にしてエチ
レン・1-オクテン共重合体を製造した。結果を表1に示
す。
【0298】
【実施例5】実施例1において、化合物aに代えて、製
造例4で合成したジメチルシリレン(2,7-ジメチル-4,5
-(2-メチル-ベンゾ)-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチ
ル-9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド(化合物
d)を用い、重合時間を15分とした以外は実施例1と
同様にしてエチレン・1-オクテン共重合体を製造した。
結果を表1に示す。
【0299】
【実施例6】実施例1において、化合物aに代えて、製
造例5で合成したジメチルシリレン(2-n-プロピル-4-
(9-フェナントリル)-1-インデニル)(9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド(化合物e)を用い、重合
時間を15分とした以外は実施例1と同様にしてエチレ
ン・1-オクテン共重合体を製造した。結果を表1に示
す。
【0300】
【実施例7】触媒溶液の調製 充分に窒素置換したガラス製フラスコにn-ヘキサン5m
lを入れ、さらにジメチルシリレン(2-メチル-4,5-ベ
ンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド(化合物a)のトルエン溶
液1ml(Zrとして0.002ミリモル)およびトリ
フェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)ボレートのトルエン溶液1ml(Bとして0.0
04ミリモル)を加えて触媒溶液を得た。
【0301】重合 充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オ
ートクレーブにヘキサン600mlおよび1-オクテン1
50mlを装入し、系内の温度を130℃に昇温した。
引続き、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)0.
5ミリモルおよび上記で調製した触媒溶液をエチレンで
圧入することにより重合を開始した。その後、エチレン
のみを連続的に供給することにより全圧を30kg/c
2-G に保ち、140℃で30分間重合を行った。少量
のエタノールを系内に添加することにより、重合を停止
した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリ
マー溶液を大過剰のメタノール中に投入することによ
り、ポリマーを析出させた。ポリマーを濾過により回収
し、130℃で減圧下に一晩乾燥した。その結果、MF
Rが0.51g/10分であり、密度が0.892g/c
3 であり、Mw/Mnが2.0であるエチレン・1-オ
クテン共重合体を98.8g得た。
【0302】
【比較例1】実施例1において、化合物aに代えて、ジ
メチルシリレン(1-インデニル)(9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリド(化合物x)を用い、重合時間を
30分とした以外は実施例1と同様にしてエチレン・1-
オクテン共重合体を製造した。その結果、MFRが1
5.9g/10分であり、密度が0.920g/cm3
あり、Mw/Mnが2.3であるエチレン・1-オクテン
共重合体を17.7g得た。結果を表1に示す。
【0303】
【表1】
【0304】
【実施例8】充分に窒素置換した内容積2リットルのガ
ラス製反応器に精製トルエン400mlを装入し、エチ
レン(100リットル/時間)を流通させ、毎分800
回転で攪拌しながら70℃で10分間保持した。次い
で、メチルアルミノキサンがアルミニウム原子換算で
0.80ミリグラム原子と、エチレン(9-フルオレニ
ル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドがジルコニウム原子換算で0.0008ミリグラム原
子含まれたトルエン溶液4mlを装入した。80℃、常
圧で5分間重合を行った後、少量のイソプロパノールを
添加し、重合を停止した。反応後、希塩酸のメタノール
溶液400ml中に反応液を投入し、溶媒残渣を除去し
て、得られたポリマーを1晩減圧乾燥した。得られたエ
チレン単独重合体は7.53gであった。結果を表2に
示す。
【0305】
【実施例9】実施例8においてエチレン(9-フルオレニ
ル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドに代えて、製造例7で合成したジメチルシリレン(9-
フルオレニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドを用いたこと以外は実施例8と同様にして
エチレンを重合した。得られたエチレン単独重合体は
6.00gであった。結果を表2に示す。
【0306】
【実施例10】実施例8においてエチレン(9-フルオレ
ニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リドに代えて、製造例8で合成したジフェニルシリレン
(9-フルオレニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例8と同様に
してエチレンを重合した。得られたエチレン単独重合体
は0.7gであった。結果を表2に示す。
【0307】
【実施例11】実施例8においてエチレン(9-フルオレ
ニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リドに代えて、製造例10で合成したジメチルシリレン
(9-フルオレニル)(2-メチル-4-フェニル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例
8と同様にしてエチレンを重合した。得られたエチレン
単独重合体は1.38gであった。結果を表2に示す。
【0308】
【比較例2】実施例8においてエチレン(9-フルオレニ
ル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドに代えて、製造例9で合成したエチレン(9-フルオレ
ニル)(1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを用い
たこと以外は実施例8と同様にしてエチレンを重合し
た。得られたエチレン単独重合体は0.85gであっ
た。結果を表2に示す。
【0309】
【比較例3】実施例8においてエチレン(9-フルオレニ
ル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドに代えて、特開平5−345793号公報に記載され
た方法で合成したジメチルシリレン(9-フルオレニル)
(1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを用いたこと
以外は実施例8と同様にしてエチレンを重合した。得ら
れたエチレン単独重合体は0.98gであった。結果を
表2に示す。
【0310】
【表2】
【0311】
【実施例12】充分に窒素置換したガラス製フラスコに
エチレン(9-フルオレニル)(2-メチル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリドをジルコニウム原子換算で
0.0087ミリグラム原子加え、そこへメチルアルミ
ノキサンのトルエン溶液(Al;1.1モル/リット
ル)1.57ml、およびトルエン2.76mlを添加
することにより触媒溶液を得た。
【0312】充分に窒素置換した内容積2リットルのス
テンレス製オートクレーブにヘキサン850mlおよび
1-オクテン150mlを装入し、系内の温度を130℃
に昇温した。引続き、トリイソブチルアルミニウム1ミ
リモルおよび上記で調製した触媒溶液1.0ml(Zr
として0.002ミリモル)をエチレンで圧入すること
により重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的
に供給することにより全圧を30kg/cm2-G に保
ち、140℃で30分間重合を行った。少量のエタノー
ルを系内に添加することにより、重合を停止した後、未
反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を
大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマー
を析出させた。ポリマーを濾過により回収し、130℃
で減圧下に一晩乾燥した。その結果、エチレン・1-オク
テン共重合体を17.1g得た。結果を表3に示す。
【0313】
【実施例13】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例7で合成したジメチルシリレン
(2-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコ
ニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例12と同様
にしてエチレンと1-オクテンとを重合した。得られたエ
チレン・1-オクテン共重合体は15.7gであった。結
果を表3に示す。
【0314】
【実施例14】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例8で合成したジフェニルシリレ
ン(2-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例12と同
様にしてエチレンと1-オクテンとを重合した。得られた
エチレン・1-オクテン共重合体は23.5gであった。
結果を表3に示す。
【0315】
【実施例15】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例10で合成したジメチルシリレ
ン(2-メチル-4-フェニル-1-インデニル)(9-フルオレ
ニル)ジルコニウムジクロリドを用いたこと以外は実施
例12と同様にしてエチレンと1-オクテンとを重合し
た。得られたエチレン・1-オクテン共重合体は21.8
gであった。結果を表3に示す。
【0316】
【実施例16】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例11で合成したエチレン(2-メ
チル-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例
12と同様にしてエチレンと1-オクテンとを重合した。
得られたエチレン・1-オクテン共重合体は12.2gで
あった。結果を表3に示す。
【0317】
【実施例17】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例12で合成したジメチルシリレ
ン(3-メチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジル
コニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例12と同
様にしてエチレンと1-オクテンとを重合した。得られた
エチレン・1-オクテン共重合体は26.8gであった。
結果を表3に示す。
【0318】
【実施例18】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例13で合成したエチレン(2-メ
チル-4-フェニル-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジ
ルコニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例12と
同様にしてエチレンと1-オクテンとを重合した。得られ
たエチレン・1-オクテン共重合体は8.4gであった。
結果を表3に示す。
【0319】
【実施例19】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例14で合成したジメチルシリレ
ン(9-フルオレニル)(2-メチル-4-i-プロピル-1-イン
デニル)ジルコニウムジクロリドを用いたこと以外は実
施例12と同様にしてエチレンと1-オクテンとを重合し
た。得られたエチレン・1-オクテン共重合体は13.1
gであった。結果を表3に示す。
【0320】
【実施例20】実施例12においてエチレン(2-メチル
-1-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例15で合成したジメチルシリレ
ン(2,3-ジメチル-1-インデニル)(9-フルオレニル)
ジルコニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例12
と同様にしてエチレンと1-オクテンとを重合した。得ら
れたエチレン・1-オクテン共重合体は27.5gであっ
た。結果を表3に示す。
【0321】
【比較例4】実施例12においてエチレン(2-メチル-1
-インデニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロ
リドに代えて、製造例9で合成したエチレン(1-インデ
ニル)(9-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを用
いたこと以外は実施例12と同様にしてエチレンを重合
した。得られたエチレン・1-オクテン共重合体は17.
7gであった。結果を表3に示す。
【0322】
【表3】
【0323】
【実施例21】充分に窒素置換した内容積2リットルの
ガラス製反応器に精製トルエン400mlを装入し、プ
ロピレンを毎時100リットルの割合で流通させ、毎分
800回転で攪拌しながら45℃で10分間保持した。
次いで、トリイソブチルアルミニウムをアルミニウム原
子換算で2.88ミリグラム原子を装入した。さらに、
メチルアルミノキサンがアルミニウム原子換算で3.5
0ミリグラム原子と、エチレン(9-フルオレニル)(2-
メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリドがジル
コニウム原子換算で0.010ミリグラム原子含まれた
トルエン溶液4mlを装入した。50℃、常圧で15分
間重合を行った後、少量のイソプロパノールを添加し、
重合を停止した。反応後、希塩酸のメタノール溶液40
0ml中に反応液を投入し、溶媒残渣を除去して、得ら
れたポリマーを1晩減圧乾燥した。得られたプロピレン
単独重合体は2.2gであった。結果を表4に示す。
【0324】
【実施例22】実施例21においてエチレン(9-フルオ
レニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例7で合成したジメチルシリレン
(9-フルオレニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコ
ニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例21と同様
にしてプロピレンを重合した。得られたプロピレン単独
重合体は3.8gであった。結果を表4に示す。
【0325】
【実施例23】実施例21においてエチレン(9-フルオ
レニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリドに代えて、製造例8で合成したジフェニルシリレ
ン(9-フルオレニル)(2-メチル-1-インデニル)ジル
コニウムジクロリドを用いたこと以外は実施例21と同
様にしてプロピレンを重合した。得られたプロピレン単
独重合体は0.1gであった。結果を表4に示す。
【0326】
【比較例5】実施例21においてエチレン(9-フルオレ
ニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リドに代えて、製造例9で合成したエチレン(9-フルオ
レニル)(1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを用
いたこと以外は実施例21と同様にしてプロピレンを重
合したが、プロピレン重合体は得られなかった。結果を
表4に示す。
【0327】
【比較例6】実施例21においてエチレン(9-フルオレ
ニル)(2-メチル-1-インデニル)ジルコニウムジクロ
リドに代えて、特開平5−345793号公報に記載さ
れた方法で合成したジメチルシリレン(9-フルオレニ
ル)(1-インデニル)ジルコニウムジクロリドを用いた
こと以外は実施例21と同様にしてプロピレンを重合し
た。得られたプロピレン単独重合体は痕跡量であった。
結果を表4に示す。
【0328】
【表4】
【0329】
【実施例24】固体触媒成分の調製 250℃で10時間乾燥したシリカ3.0gを50ml
のトルエンで懸濁状にした後、0℃まで冷却した。その
後、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.
29ミリモル/ml)17.8mlを30分で滴下し
た。この際、系内の温度を0℃に保った。引き続き、0
℃で30分間反応させ、次いで30分かけて95℃まで
昇温し、その温度で4時間反応させた。その後60℃ま
で降温し、上澄み液をデカンテーション法により除去し
た。
【0330】このようにして得られた固体成分をトルエ
ンで2回洗浄した後、トルエン50mlで再懸濁化し
た。この系内へジメチルシリレンビス(2,6-ジメチル-
4,5-ベンゾ-1-インデニル)(2,7-ジ-t-ブチル-9-フル
オレニ)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶液(Z
r=0.0233ミリモル/ml)4.9mlを20℃
で30分かけて滴下した。次いで80℃まで昇温し、そ
の温度で2時間反応させた。その後、上澄み液を除去
し、ヘキサンで2回洗浄することにより、1g当たり
2.1mgのジルコニウムを含有する固体触媒を得た。
【0331】予備重合触媒の調製 上記で得られた固体触媒4gをヘキサン200mlで再
懸濁した。この系内にトリイソブチルアルミニウムのデ
カン溶液(1ミリモル/ml)5.0mlおよび1-ヘキ
セン0.36gを加え、35℃で2時間エチレンの予備
重合を行うことにより固体触媒1g当り2.0mgのジ
ルコニウムを含有し、3gのポリエチレンが予備重合さ
れた予備重合触媒を得た。
【0332】重合 充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オ
ートクレーブに、脱水精製したヘキサンを1リットルを
装入し、系内をエチレンで置換した。
【0333】次いで系内を60℃とし、トリイソブチル
アルミニウム1.5ミリモル、1-ヘキセン20ml、お
よび上記のように調製した予備重合触媒を、ジルコニウ
ム原子換算で0.23mg原子を添加した。
【0334】その後、エチレンを導入し、全圧8kg/
cm2-G として重合を開始した。その後、混合ガスのみ
を補給し、全圧を8kg/cm2-G に保ち、70℃で
1.5時間重合を行った。
【0335】重合終了後、ポリマーを濾過し、80℃で
1晩乾燥した。その結果、Mw/Mnが1.99である
エチレン・1-ヘキセン共重合体323gを得た。
【0336】
【実施例25】エチレンを、エチレンと水素の混合ガス
(水素含量;0.1モル%)に変更した以外は実施例2
4と同様にして、極限粘度[η]が1.29dl/g
で、密度が0.948g/cm3 であるエチレン・1-ヘ
キセン共重合体120gを得た。
【0337】
【実施例26】1-ヘキセンを添加しなかった以外は実施
例24と同様にして、Mw/Mnが2.20であるエチ
レン重合体202gを得た。
【0338】
【実施例27】エチレンを、エチレンと水素の混合ガス
(水素含量;0.46モル%)に変更した以外は実施例
26と同様にして、極限粘度[η]が1.59dl/g
で、密度が0.973g/cm3 であるエチレン重合体
108gを得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るオレフィン重合用触媒の調製工程
を示す説明図である。
【図2】本発明に係る第2のオレフィン重合体の製造方
法に用いられるオレフィン重合触媒の調製工程を示す説
明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平7−300324 (32)優先日 平7(1995)11月17日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−344258 (32)優先日 平7(1995)12月28日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平7−344259 (32)優先日 平7(1995)12月28日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されることを特徴
    とする周期律表第IVB族の遷移金属化合物; 【化1】 (式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、 R1 は、互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち
    少なくとも1個以上が炭素原子数が11〜20のアリー
    ル基、炭素原子数が12〜40のアリールアルキル基、
    炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原
    子数が12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含
    有基であるか、あるいはR1 で示される基のうち隣接す
    る少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子と
    ともに、芳香族環または脂肪族環を形成しており〔この
    場合、R1 により形成される環はR1 が結合する炭素原
    子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である〕、
    他のR1 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1
    〜10のアルキル基またはケイ素含有基であり、 R2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル
    基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が
    2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリ
    ールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケ
    ニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、
    ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基
    またはリン含有基であり、またR2 で示される基のうち
    隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素
    原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していて
    もよく〔この場合、R2 により形成される環はR2 が結
    合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜2
    0であり、他のR2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素
    原子数が1〜10のアルキル基またはケイ素含有基であ
    る〕、 R1 とR2 は、互いに同一でも異なっていてもよく、 R3 およびR4 は、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10の
    アルキル基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素
    原子数が2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜4
    0のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリー
    ルアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリ
    ール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒
    素含有基またはリン含有基であり、 X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の
    炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水
    素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、
    またはX1 とX2とで形成された共役ジエン残基であ
    り、 Yは、炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基、炭素
    原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価
    のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のス
    ズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−S
    2 −、−NR 5 −、−P(R5 )−、−P(O)(R
    5 )−、−BR5 −または−AlR5 −〔ただしR5
    水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化
    水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素
    基〕である)。
  2. 【請求項2】(A-1)請求項1に記載の遷移金属化合物
    と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
    または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-1)と反応してイオ
    ン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とからなることを特徴と
    するオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】微粒子状担体と、 (A-1)請求項1に記載の遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
    または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-1)と反応してイオ
    ン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とからなることを特徴と
    するオレフィン重合用触媒。
  4. 【請求項4】微粒子状担体に、 (A-1)請求項1に記載の遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
    または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-1)と反応してイオ
    ン対を形成する化合物とが担持されてなる固体触媒成分
    と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とにオレフィンが予備重
    合されることにより形成されることを特徴とするオレフ
    ィン重合用触媒。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかに記載のオレフ
    ィン重合用触媒の存在下に、オレフィンを単独重合する
    か、または2種以上のオレフィンを共重合することを特
    徴とするオレフィン重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記単独重合するオレフィンがエチレン
    であり、2種以上のオレフィンがエチレンと炭素原子数
    が3〜20のα−オレフィンである請求項5に記載のオ
    レフィン重合体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記単独重合するオレフィンがプロピレ
    ンであり、2種以上のオレフィンがプロピレンとプロピ
    レン以外のα−オレフィンである請求項5に記載のオレ
    フィン重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のオレフィン重合体の製
    造方法により製造されたことを特徴とするオレフィン重
    合体。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のオレフィン重合体の製
    造方法により製造されたことを特徴とするエチレン系重
    合体。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載のオレフィン重合体の
    製造方法により製造されたことを特徴とするプロピレン
    系重合体。
  11. 【請求項11】(A-2)下記一般式(II)で表される周期
    律表第IVB族の遷移金属化合物と、 (B)(B-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、および/
    または(B-2) 前記遷移金属化合物(A-2)と反応してイオ
    ン対を形成する化合物と、必要に応じて (C)有機アルミニウム化合物とからなる触媒の存在下
    に、オレフィンを単独重合するか、または2種以上のオ
    レフィンを共重合することを特徴とするオレフィン重合
    体の製造方法; 【化2】 (式中、Mは周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、 R6 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル
    基、炭素原子数が6〜10のアリール基、炭素原子数が
    2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、
    イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、 R7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原
    子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜10のアルキル
    基、炭素原子数が6〜20のアリール基、炭素原子数が
    2〜10のアルケニル基、炭素原子数が7〜40のアリ
    ールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケ
    ニル基、炭素原子数が7〜40のアルキルアリール基、
    ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基
    またはリン含有基であり、 R6 とR7 は、互いに同一でも異なっていてもよく、 R8 およびR9 は、いずれか一方が炭素原子数が1〜5
    のアルキル基であり、他は水素原子、ハロゲン原子、炭
    素原子数が1〜10のアルキル基、炭素原子数が2〜1
    0のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ
    含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、 X1 およびX2 は、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の
    炭化水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水
    素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、
    またはX1 とX2とで形成された共役ジエン残基であ
    り、 Yは、炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基、炭素
    原子数が1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価
    のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のス
    ズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−S
    2 −、−NR 5 −、−P(R5 )−、−P(O)(R
    5 )−、−BR5 −または−AlR5 −〔ただしR5
    水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数が1〜20の炭化
    水素基、炭素原子数が1〜20のハロゲン化炭化水素
    基〕である)。
  12. 【請求項12】 前記単独重合するオレフィンがエチレ
    ンであり、2種以上のオレフィンがエチレンと炭素原子
    数が3〜20のα−オレフィンである請求項11に記載
    のオレフィン重合体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記単独重合するオレフィンがプロピ
    レンであり、2種以上のオレフィンがプロピレンとプロ
    ピレン以外のα−オレフィンである請求項11に記載の
    オレフィン重合体の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載のオレフィン重合体
    の製造方法により製造されたことを特徴とするオレフィ
    ン重合体。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載のオレフィン重合体
    の製造方法により製造されたことを特徴とするエチレン
    系重合体。
  16. 【請求項16】 請求項13に記載のオレフィン重合体
    の製造方法により製造されたことを特徴とするプロピレ
    ン系重合体。
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