JP3919174B2 - ハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備える給電装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車のスライドドアに常時給電を行うべくプロテクタ内でワイヤハーネスを弾性付勢してワイヤハーネスの弛みを吸収するハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワンボックスカー等の自動車のスライドドアにおいては、車両ボディ側からスライドドア側の電装品等の補機類に電源電流や信号電流を供給するために、例えば図7に示す如く、ワイヤハーネス(複数本の電線)70を車両ボディからスライドドア71に配索し、スライドドア71内に設けた合成樹脂製のプロテクタ72の内部に湾曲した状態に収容して、スライドドア71の開閉に伴うワイヤハーネス70の伸縮に対応させている。
【0003】
ワイヤハーネス70は車両ボディ側の例えばステップ部においてハーネス固定具(図示せず)で固定されている。ワイヤハーネス70は合成樹脂製のコルゲートチューブ等の保護チューブ内に収容されていてもよい。コルゲートチューブは周方向の凹溝と凸条とを長手方向に交互に形成して、ワイヤハーネスの屈曲性を高めたものである。
【0004】
プロテクタ72は矩形状に限らず、ワイヤハーネス70の湾曲部70aに沿った略半円形状のものもあり(特開2001−354085参照)、表裏の広い壁部73と上及び前後に連続した幅狭の壁部74とを有し、下部にスリット状の前後に長い開口75を有している。プロテクタ72は表面側の周囲の複数箇所を金属製のドアパネル76にボルトや係止クリップ(図示せず)で固定され、裏面側に合成樹脂製のドアトリム77が近接して位置する。ドアトリム77は係止クリップ78等でドアパネル76に固定される。
【0005】
図7のスライドドアを左側のものとし、図7で右側を車両前側とすると、スライドドア71を前方にスライドさせて全閉とした際に、ワイヤハーネス70は鎖線で示す如く後方に引っ張られて伸びた状態となり、スライドドア71を後方にスライドさせて全開とした際に、ワイヤハーネス70は実線で示す如く前方に引っ張られつつプロテクタ72内で小径に湾曲して縮められる。スライドドア71の開閉時にプロテクタ72の表裏の内面に沿ってワイヤハーネス70が摺動しつつ伸縮する。スライドドア71は全閉時に車両ボディ側に接近し、全開時に車両ボディから外側に大きく離間する如く二次元的に移動する。
【0006】
プロテクタ内へのワイヤハーネス70の収容及び弛み吸収を確実なものとするために、プロテクタ内でワイヤハーネス70を金属製の板ばね(図示せず)で上向きに付勢する構造が提案されている(特開2001−354085参照)。
また、板ばねの先端にハーネス支持用のキャップを設け、キャップの断面円弧状の溝内にワイヤハーネスを安定に支持させる構造も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構造にあっては、板ばね(ばね部材)にハーネス支持用のキャップを取り付けた後、プロテクタへの板ばねの組付を表裏逆に行ってしまうという心配があった。
【0008】
板ばねを表裏逆に組み付けた場合には、キャップの向きが表裏逆になり、キャップの断面円弧状の溝部でワイヤハーネスを安定に支持できなくなる。さらに、キャップ先端がワイヤハーネス外面側のコルゲートチューブの凹溝に引っ掛かり、板ばねによるワイヤハーネスの弛み吸収すなわちプロテクタ内へのワイヤハーネスの収納動作が行なわれなくなり、スライドドアと車両ボディとの間にワイヤハーネスを噛み込んで、ワイヤハーネスの断線や永久変形等を起こしたり、キャップの端部エッジ等でワイヤハーネスと接触し、スライドドアの繰り返し開閉に伴ってワイヤハーネスが摩耗したり傷んだりする心配があった。キャップの形状はハーネス径方向に若干湾曲した(真直に近い)ものであり、キャップの先端のみでワイヤハーネスに接し、摩耗のみならずワイヤハーネスが折れ曲がり変形を起こし、前記同様にスムーズな弛み吸収が行われなくなる心配があった。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、ばね部材の誤組付を防止して、ハーネス支持用のキャップの支持面で正確にワイヤハーネスを支持し、ワイヤハーネスの弛み吸収を確実に行わせることのできるハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置は、ハーネス支持用の溝部を表側に有するキャップが板ばねの先端側に設けられ、該板ばねの基端側の一側と他側とに各凹部が板ばね長手方向に位置ずれして設けられ、プロテクタベースとプロテクタカバーとで成るプロテクタ内にワイヤハーネスが該キャップで支持され且つ該板ばねで弛み吸収方向に付勢されつつ屈曲して収容され、該板ばねの基端側が該プロテクタベースのブロック部のスリット部内に板幅方向に挿入され、該スリット部内の凸部に該板ばねの一側の凹部が係合し、該プロテクタカバーの凸部が該板ばねの他側の凹部に係合して、該プロテクタへの該板ばねの表裏逆組付が防止されることを特徴とする。
上記構成により、板ばねを組付相手側に表裏逆向きに組み付けようとした場合に、板ばねの両側の凹部の位置が正規とは逆(対称位置)になり、組付相手側の各凸部に位置整合しなくなり、板ばねを組付相手側に組み付けることができない。これにより、予め板ばねの先端に設けたキャップが表裏逆に使用されることがなくなり、常にキャップのハーネス支持面で確実にワイヤハーネスを支持することができる。板ばねを正規に組み付けた場合は凹部と凸部とが位置整合して噛み合うように係合する。
すなわち、プロテクタベースに板ばねが装着され、プロテクタベース内にワイヤハーネスが収容されつつ板ばねで弛み吸収方向(弛み反対方向)に弾性付勢され、プロテクタベースにプロテクタカバーが装着される。プロテクタベースに板ばねを装着する際に凸部と凹部とが位置整合する。板ばねの表裏を間違って組み付けようとした場合は、凸部と凹部が整合せず、板ばねの凹部以外の部分がプロテクタベースの凸部に当接して、板ばねがプロテクタベースから外側に突出する。これにより板ばねの誤組付が検知される。万一ここで検知されない場合は、プロテクタカバーを装着する際に、プロテクタカバーの凸部が板ばねの凹部以外の部分に当接して、プロテクタカバーが浮き上がり、プロテクタカバーの装着がなされず、これによって板ばねの誤組付が検知される。
【0011】
請求項2に係るハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置は、請求項1記載のハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置において、前記板ばねの先端側の片側に凹部が設けられ、前記キャップに、該凹部と位置整合する凸部が設けられ、該凹部と凸部との整合時に該キャップが該板ばねに係止されることを特徴とする。
上記構成により、板ばね単品に対するキャップの表裏誤組付が防止される。すなわち、板ばねの基端側の各凹部とキャップとの位置関係(方向)を規定するために、板ばねの先端側に凹部、キャップに凸部が設けられており、キャップを表裏誤って、あるいはキャップに対して板ばねを表裏間違って組み付けようとした場合には、板ばね先端側の凹部に隣接する凸部すなわち板ばねの先端がキャップの凸部に当接し、キャップを板ばねに装着することができない。キャップの方向が正規であれば、凸部が凹部に係合し、キャップが板ばねに係止固定される。
【0012】
請求項3に係るハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置は、請求項1又は2記載のハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置において、前記凹部に代えて凸部が、前記凸部に代えて凹部がそれぞれ設けられたことを特徴とする。
上記構成により、板ばねの正規組付時に板ばねの凸部が組付相手側の凹部に係合して位置整合し、表裏誤組付時に板ばねの凸部が組付相手側の凹部に係合せず、組付相手側に当接して浮き上がり、板ばねを組付相手側に組み付けることができない。また、キャップの正規組付時に板ばねの凸部がキャップの凹部に位置整合し、表裏誤組付時に板ばねの凸部がキャップの凹部に係合せず、キャップの凹部以外の部分に当接して、キャップを装着することができない。
【0014】
請求項4に係るハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載のハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置において、車両右側のスライドドア用のプロテクタベースの凸部に位置対応させて車両左側のスライドドア用のプロテクタカバーに同形状の凸部を設け、車両右側のスライドドア用のプロテクタカバーの凸部に位置対応させて車両左側のスライドドア用のプロテクタベースに同形状の凸部を設けたことを特徴とする。
上記構成により、板ばねやキャップを左右のプロテクタで共通使用することができる。すなわち、板ばねの一側の凹部を例えば右側のプロテクタベースの凹部と左側のプロテクタカバーの凹部に位置整合(係合)させることができ、キャップ付きの板ばねを左右何れのプロテクタにも使用でき、左右何れのプロテクタにおいても誤組付を防止することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るハーネス付勢部材の誤組付防止構造を適用した自動車のスライドドア用給電装置の一実施形態を示す全体図である。
【0016】
図1で、符号1はスライドドア、2は金属製のドアパネル、3は車両ボディ、4はステップ部、5は、車両ボディ側のレールに係合したスライダ、6は合成樹脂製のプロテクタベース、7は同じくプロテクタカバーをそれぞれ示している。
【0017】
プロテクタベース6はドアパネル2に係止クリップ9等で固定され、垂直な基板部10と基板部10の下端側を除く周囲に形成された湾曲状の周壁11とを備え、周壁前端11aから基板部10にかけて矩形状のブロック部12が一体に形成され、ブロック部12の垂直方向のスリット部13に金属製の板ばね(ばね部材)14の基端部が挿入係止され、板ばね14はプロテクタベース6内でワイヤハーネス15を上向きに付勢しつつ湾曲状にやや下向きに撓んでいる。
【0018】
板ばね14の先端部には合成樹脂製のハーネス支持用のキャップ16が固定されている。キャップ16はバナナ状に長手方向に湾曲し、幅方向に縦断面円弧状の溝部17(図3)を有し、溝部13の内面(ハーネス支持面)でワイヤハーネス15が径方向の位置ずれなく安定に支持されている。
【0019】
ブロック部12には水平方向の矩形状の凹部18が形成され、板ばね14の基端部に、凹部18に位置整合する矩形状の凹部19が切欠形成されている。ブロック部12の凹部18は板ばね挿入用のスリット13を横断し、板ばね14の凹部19はブロック部12の凹部18の中央に位置している。プロテクタベース6の基板部10に平行に対向するプロテクタカバー7の垂直な基板部21には、ブロック部の凹部18内に係合する矩形状の凸部22が形成されている。
【0020】
板ばね14の湾曲方向内側でブロック部12から略ループ状の屈曲規制壁24が一体に形成され、規制壁24で板ばね14とワイヤハーネス15の最小屈曲半径が規定されている。また、ブロック部12の上側においてプロテクタベース6にハーネス導出用の口部25が設けられている。口部25からワイヤハーネス15の一方がスライドドア側に導出されて、スライドドア側の補機やワイヤハーネス(図示せず)にコネクタ接続される。口部25はプロテクタベース6の周壁11に沿うハーネス挿通路(図示せず)に続いていてもよい。
【0021】
プロテクタカバー7は基板部21と基板部21の下側を除く周壁26とを備え、基板部21の内面側に屈曲規制壁27が形成され、規制壁27と前端側のハーネス導出用の口部28との間に前記矩形状の凸部22が突出形成されている。プロテクタカバー7の周壁26はプロテクタベース6の周壁11に重なった状態で係止手段(図示せず)で係止され、規制壁27や口部28はそれぞれプロテクタベース6の規制壁24や口部25に重なって位置する。
【0022】
プロテクタカバー7をプロテクタベース6に組み付けた状態で、プロテクタベース6の凸部22がブロック部12の凹部18と板ばね14の一側の凹部19とに係合して、板ばね14が本固定される。また、プロテクタの下端側にハーネス導出用のスリット状の横長(水平)な開口29が構成され、この下部開口29からワイヤハーネス15の他方が車両ボディ側に配索される。板ばね14に対する組付相手側であるプロテクタベース6とプロテクタカバー7とでプロテクタが構成される。実際にはプロテクタ組立体、すなわちプロテクタと板ばね組立体(ハーネス付勢部材)30とワイヤハーネス15との組立状態でドアパネル2に固定される。図1の構成は本出願人が先に提案済のものである。
【0023】
以下に図2〜図5を用いて本発明の要部を説明する。
図2は図1のプロテクタベース6の要部正面図であり、ブロック部12の下部側に前記凹部18が形成され、スリット部13内において基板部10に(スリット部13の底部に)、凹部28よりも少し上側位置で凸部23が形成され、凹部18と凸部23とは板ばね長手方向に少し位置ずれして配置されている。凸部23は基板部10と一体に合成樹脂で形成されている。凸部23には、後述する板ばね14の他側方の凹部20(図3)が係合する。
【0024】
図2で符号24は屈曲規制壁、31はドアパネル2への固定用の孔部、32はカバー係止用の枠部であり、プロテクタカバー7の係止爪(図示せず)が進入係合する。板ばね14は幅方向(板厚直交方向)にスリット部13内に挿入され、板ばね14の両側の凹部19,20(図3)にプロテクタベース6の凸部23とプロテクタカバー7の凸部22(図1)とが係合する(噛み合う)。ブロック部12の凹部18はプロテクタカバー7の凸部22をスムーズ且つ正確に板ばね14の凹部19に案内する。
【0025】
図3の如く板ばね14の基端部の一側に長い凹部19が形成され、他側に短い凹部20が形成されている。各凹部19,20は直交する三つの辺部a〜cで構成されている。両凹部19,20の深さは同程度である。長い凹部19は板ばね14の基端33の近くに設けられ、基端33と凹部19との間に短い凸部34が位置している。短い凹部20は長い凹部19の内端cの反対側に位置し、短い凹部20の内端cは長い凹部19の内端cよりも板ばね先端方向に位置している。このように板ばね14の基端部は二つの互い違いの凹部19,20によって略鍵状を呈している。
【0026】
板ばね14の逆組付を防止するばかりでなく、板ばね14に対するキャップ16の表裏逆組付を防止するために、板ばね14の先端部の一側に矩形状の切欠部(凹部)35が設けられ、他側方の部分は突出し、その突出部分36に板ばね14の他側寄りにおいてキャップ係止用の円形の孔部(係止手段)37が設けられている。切欠部35は直交する二つの辺d,eで構成されている。
【0027】
キャップ16は表面側に断面略円弧状のハーネス支持用の溝部17を有し、裏面寄りに板ばね挿入用のスリット孔38を有し、スリット孔38の一側部の奥側に、板ばね14の切欠部35に対応する凸部39を有し、スリット孔38の他側寄りに、板ばね14の孔部37に対応する係止用の円形の突起(係止手段)40(図4参照)を有している。突起40はスリット孔38の内面から孔部37の深さと同程度の高さに突出形成され、スリット孔38は、突起40を孔部37に係合させる際の板ばね14の撓みを許容する裏面側の開口(図示せず)に続いている。
【0028】
以下に図4〜図5を用いてキャップ16及び板ばね14の逆組付防止作用を説明する。
通常、板ばね14には単品の状態(板ばね14をプロテクタベース6に組み付ける前の状態)でキャップ16の組付を行うが、図4(a)の如くキャップ16を正規の方向で板ばね14に組み付けた場合には、スリット孔38内の凸部39が板ばね14の切欠部35に進入係合し(噛み合い)、係止用の突起40が板ばね14の孔部37に進入係合する。
【0029】
図4(b)の如くキャップ16を板ばね14に表裏逆に組み付けようとした場合には、凸部39と切欠部35とが相反する側に位置して互いに整合せず、凸部39が板ばね14の突出部分36の先端36aに当接し、キャップ16の装着ができない。板ばね14の先端部はキャップ16のスリット孔38に半分程度しか挿入されず、両者14,16の係止は行われない。これにより、作業者がすぐにキャップ16の方向が反対であることを検知でき、キャップ16の方向をその場で正して板ばね14に装着し直すことができる。
【0030】
板ばね14にキャップ16を装着した後、この板ばね組立体(板ばね14とキャップ16とで構成されるハーネス付勢部材)30をプロテクタに装着する。
図5(a)の如くプロテクタ8に対する板ばね14の組付が正規に行われた場合には、板ばね14の一側の短い凹部20がプロテクタベース6の短い凸部23に係合し、板ばね14の他側の長い凹部19がプロテクタカバー7の長い凸部22に係合する。板ばね14は両側の凸部22,23によってプロテクタベース6のスリット部13内に確実に固定される。
【0031】
図5(b)の如く板ばね14をプロテクタベース6に表裏逆に組み付けた場合には、板ばね14の鍵状に位置ずれした凹部19,20とプロテクタ8の各凸部22,23とが位置整合せず、板ばね14の逆組付が検知される。
【0032】
すなわち、先ず板ばね14をプロテクタベース6に組み付ける際に、板ばね14の一側端42がプロテクタベース6の凸部23の先端23aに当接し、それによって板ばね14がスリット部13内に幅方向の半分ないし2/3程度しか挿入されず、ブロック部12の表面から板ばね14の他側方43が大きく突出する。これにより、作業者が板ばねの逆組付に気づく。
【0033】
万一、ここで作業者が気づかない場合でも、プロテクタベース6にプロテクタカバー7を装着する際に、プロテクタカバー7の凸部22が板ばね14の他側端22に当接し、プロテクタカバー7が浮いてプロテクタベース6に係止されず、それによって板ばね14の逆組付が検知される。この板ばね14の逆組付は手作業による組付のみならず、自動組付においてもセンサ等で確実に検知させることができる。
【0034】
図6(a)(b)は左側のスライドドア用のプロテクタと右側のスライドドア用のプロテクタとに対応した板ばね14の取付形態を示すものである。
左右のプロテクタには同じ形状の板ばね14が共通して表裏同方向に使用される。キャップ16の形状も一種類で共通である。左右のプロテクタは対称に形成されるが、板ばね14の各凹部19,20(図3)に対応してプロテクタの各凸部22,23(図5)の形状が左右で相違する。ワイヤハーネス15,15’も左右対称となる。
【0035】
例えば図1の左用のプロテクタベース6に短い凸部23(図5)、左用のプロテクタカバー7に長い凸部22(図3)が設けられた場合、右用のプロテクタベース(図示せず)に長い凸部22、右用のプロテクタベース(図示せず)に短い凸部23が設けられる。勿論、左用のプロテクタベース6に長い凸部22、左用のプロテクタカバー7に短い凸部23、右用のプロテクタベースに短い凸部、右用のプロテクタベースに長い凸部を設けてもよい。
【0036】
プロテクタ8は合成樹脂で一体成形されるから、凸部22,23の形状違いには容易に対応できる。板ばね14の形状を左右で相違させた場合には製造や管理が非常に大変で面倒である。板ばね14やキャップ16を左右で共通使用することで、板ばね14やキャップ16の部品種類が削減され、プロテクタ組立体のコストが低減される。
【0037】
なお、上記実施形態において、板ばね基端側の凹部19,20の形状は矩形状に限らず、台形状や三角形状や半円状等、種々の形状を適宜設定できる。各凹部19,20の大きさを違えたのは、小さな凹部20にプロテクタの大きな凸部22が入らないという狙いがあるが、この点を除けば、各凹部19,20の大きさは同じであってもよい。但しその場合でも各凹部19,20の位置は対称位置ではなく、板ばね長手方向にずれていなければならない。
【0038】
また、板ばね先端側の切欠部35を段部形状ではなくスリット状の凹部とすることも可能である。また、キャップ16の凸部39は、スリット孔38の一側面から突出した段部形状のものとしてもよい。また、係止用の突起40の位置は凸部39と並列な位置に限るものではない。また、係止用の突起30とそれに対応する孔部37の形状は円形に限るものではなく、三角形状等、種々の形状を適宜設定できる。
【0039】
また、板ばね基端側の凹部19,20に代えて凸部を形成し、プロテクタ側の凸部22,23に代えて凹部や貫通孔を形成することも可能である。但しこの場合はプロテクタの板厚が比較的厚いものに限られる。
【0040】
また、キャップ16の外観形状はバナナ状に湾曲したものではなく、ほぼ平板状のものにハーネス支持用の溝部17が形成されたものであってもよい。バナナ状のキャップ16を使用することで、板ばね組立体をプロテクタベース6に表裏誤組付した際に作業者がすぐに目視で誤組付を発見できるメリットがある。
【0041】
また、上記プロテクタ組立体はスライドドア1ではなく車両ボディ3に配置することも可能である。また、本発明のハーネス付勢部材の誤組付防止構造は、例えばプロテクタを用いずにワイヤハーネス15を弛み反対方向(弛み吸収方向)に付勢する構造や、スライドドアへの給電以外にワイヤハーネス15を付勢する構造等にも適用可能である。
【0042】
また、上記板ばね14にはプロテクタベース6とプロテクタカバー7とに対応して二つの凹部19,20を設けたが、板ばね14の一側のみに一つの凹部を設け、その凹部に対応してプロテクタベース6のみに一つの凸部を設けたものでも有効である。この場合、例えば右用のプロテクタベースと左用のプロテクタカバーとに、凹部に対応する凸部を設ける。但し、この場合は板ばねの固定が弱く、且つ板ばねがガタ付きやすい懸念はある。また、取付側の部材が一つ(例えばプロテクタベース6のみ)である場合には凹部は一つあればよい。
また、ばね部材として平板状の板ばね14に代えて渦巻き状のばねや波型やZ字状等に屈曲したばね(図示せず)を用いることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、板ばねを組付相手側に表裏逆向きに組み付けることが防止され、板ばね先端側のキャップが表裏逆に使用されることがなく、常にキャップのハーネス支持面で正確にワイヤハーネスが支持されるから、キャップからのワイヤハーネスの脱落が防止され、板ばねの弾性付勢によるワイヤハーネスの弛み吸収が確実に行われると共に、キャップのエッジとワイヤハーネスとの摩耗によるワイヤハーネスの傷みや異音等が防止され、ワイヤハーネスによる給電等の信頼性が向上する。
また、ハーネス弛み吸収用のプロテクタにキャップ付きの板ばねを表裏誤組付なく正確に組み付けて、プロテクタ内でのワイヤハーネスの支持を正確に行うことができるから、キャップからのワイヤハーネスの脱落によるスライドドアと車両ボディとの間へのワイヤハーネスの挟み込みや、キャップエッジでのワイヤハーネスの摩耗等が防止され、スライドドアへの給電の信頼性が高まる。
【0044】
請求項2記載の発明によれば、板ばね単品へのキャップの表裏誤組付が防止されるから、組付相手側に板ばねは正規に取り付けたものの、キャップが逆であったという不具合が解消される。これにより、請求項1の効果が一層確実に発揮される。
【0045】
請求項3記載の発明によれば、板ばねや組付相手側の形状や板厚や大きさ等に応じて凸部と凹部を適宜設定することができ、設計の自由度が増す。
【0046】
請求項4記載の発明によれば、板ばねやキャップを左右のプロテクタで共通使用することができるから、板ばねやキャップの部品種類が削減され、プロテクタ組立体のコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハーネス付勢部材の誤組付防止構造を適用した給電装置の一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の要部を示す正面図である。
【図3】ハーネス付勢部材である板ばねとキャップの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図4】キャップの誤組付防止構造を示し、(a)は正規組付状態、(b)は誤組付状態を示す要部断面図である。
【図5】板ばねの誤組付防止構造を示し、(a)は正規組付状態、(b)は誤組付状態を示す要部断面図である。
【図6】(a)(b)は左右のプロテクタに対応したハーネス付勢部材の組付形態をそれぞれ示す正面図である。
【図7】従来のスライドドア用給電装置の一形態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
6 プロテクタベース(組付相手側)
7 プロテクタカバー(組付相手側)
8 プロテクタ
14 板ばね(ばね部材)
15 ワイヤハーネス
16 キャップ
19,20 凹部
22,23 凸部
30 板ばね組立体(ハーネス付勢部材)
35 凹部
39 凸部
Claims (4)
- ハーネス支持用の溝部を表側に有するキャップが板ばねの先端側に設けられ、該板ばねの基端側の一側と他側とに各凹部が板ばね長手方向に位置ずれして設けられ、プロテクタベースとプロテクタカバーとで成るプロテクタ内にワイヤハーネスが該キャップで支持され且つ該板ばねで弛み吸収方向に付勢されつつ屈曲して収容され、該板ばねの基端側が該プロテクタベースのブロック部のスリット部内に板幅方向に挿入され、該スリット部内の凸部に該板ばねの一側の凹部が係合し、該プロテクタカバーの凸部が該板ばねの他側の凹部に係合して、該プロテクタへの該板ばねの表裏逆組付が防止されることを特徴とするハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置。
- 前記板ばねの先端側の片側に凹部が設けられ、前記キャップに、該凹部と位置整合する凸部が設けられ、該凹部と凸部との整合時に該キャップが該板ばねに係止されることを特徴とする請求項1記載のハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置。
- 前記凹部に代えて凸部が、前記凸部に代えて凹部がそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置。
- 車両右側のスライドドア用のプロテクタベースの凸部に位置対応させて車両左側のスライドドア用のプロテクタカバーに同形状の凸部を設け、車両右側のスライドドア用のプロテクタカバーの凸部に位置対応させて車両左側のスライドドア用のプロテクタベースに同形状の凸部を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のハーネス付勢部材の誤組付防止構造を備えた給電装置。
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