JP3918172B2 - 内燃機関用燃料 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用燃料、特に環境に優しくて低公害である内燃機関用燃料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
内燃機関用燃料、例えば自動車に搭載する内燃機関用燃料としてガソリンが広く用いられている。ガソリンを燃料として用いると、その燃焼時にＣＯＸ（炭素酸化物）、ＮＯＸ（窒素酸化物）、ＳＯＸ（硫化酸化物）などが発生し、発生したこれらＣＯＸ、ＮＯＸ、ＳＯＸ が排気ガスととともに大気中に排出され、大気汚染の原因となっている。
【０００３】
このようなことから、近年、アルコール成分を高濃度に含む内燃機関用燃料が注目され、アルコールを含む種々の燃料が提案されており、この種の燃料として、例えば特開平９−２２７８８０号公報に開示されたものが知られている。この燃料は、メチルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール成分を４８〜５８重量％含んでおり、このようなアルコール成分を含んでいる故に、次の通りの特徴を有している。第１に、アルコールは分子中に酸素を含んでいるので、燃焼時のＣＯ（一酸化炭素）、ＨＣ（炭化水素）の発生量が少なく、従って、排気ガス中に含まれるＣＯ、ＨＣの量が少ない。第２に、アルコールは硫黄成分が少なく、従って、排気ガス中に含まれるＳＯＸの量も少ない。そして、これらの特徴により、環境に優しい燃料ということができる。第３に、燃料としてのオクタン価が高いので、火花点火形式の内燃機関の燃料に適している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した燃料では、アルコール成分としてメチルアルコールを多く含み、例えば約４０重量％含んでいる。自動車用の内燃機関は、近年、軽量化の傾向からアルミニウムから形成されることが多く、アルミニウムはメチルアルコールに対して腐食性があり、このような高濃度のメチルアルコールを含む燃料を長期にわたって使用すると、内燃機関の一部、例えばシリンダヘッドが腐食するおそれがある。
【０００５】
本発明の目的は、環境に優しいとともに、内燃機関への腐食を抑えることができる優れた内燃機関用燃料を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールのアルコール成分を５０〜７５重量％と、炭化水素成分を２５〜４９．９重量％とを含み、前記アルコール成分のうち、イソプロピルアルコールが１５〜３０重量％であり、イソブチルアルコールが１５〜２５重量％であり、ｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％であり、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの重量比が（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であり、更に引火点が−２０℃以下であることを特徴とする内燃機関用燃料である。
【０００７】
本発明の内燃機関用燃料では、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールが用いられ、これらのアルコール成分が５０〜７５重量％である。イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールは、メチルアルコール、エチルアルコールに比して成分中の炭素（Ｃ）の数が多いアルコールであり、それ故に、アルミニウムに対する腐食性が小さく、内燃機関の腐食を抑えることができる。これらのアルコール成分が５０重量％未満になると、これに対応して炭化水素成分が多くなり、従って、燃焼時にＮＯＸ、ＣＯＸが発生し易く、排気ガス中に含まれるＮＯＸ、ＣＯＸが多くなり、環境面で好ましくない。一方、これらのアルコール成分が７５重量％を超えると、アルコール成分が多くなり過ぎ、従って、燃焼時の発熱量が小さく、内燃機関の馬力が出ず、自動車の性能が低下するようになる。
また、イソプロピルアルコールが１５〜３０重量％で、イソブチルアルコールが１５〜２５重量％で、ｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％であり、燃料に含まれるアルコール成分を上述した成分にすることにより、燃料中にこれらのアルコール成分を安定的に保つことができるとともに、自動車用燃料として所望の運転性能、加速性能などを得ることができる。これら３種類のアルコールの重量％の比率、即ちイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの重量比は、（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であり、このようにすることによって、自動車用の燃料として高性能のものとなる。また、この燃料の引火点が−２０℃以下であるので、所望の低温始動特性を得ることができる。
【０００８】
このような高濃度のアルコールを含む燃料では、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールのアルコール成分が５０〜６０重量％で、炭化水素成分が４０〜４９．９重量％であるのが望ましい。尚、炭化水素成分とは、ベンゼン、キシレンなどの全芳香族成分と、非芳香族成分とを含むものである。
【００１１】
また、本発明では、ＭＴＢＥ成分を６．０重量％以下含んでいることを特徴とする。
本発明に従えば、ＭＴＢＥ（メチルターシャリーブチルエーテル）の含有量が６．０重量％以下であるので、有害物質が少なく、環境に優しい燃料を提供することができる。ＭＴＢＥの含有量は少ないほど環境に良く、０．３重量％以下であるのが望ましい。
【００１２】
また、本発明では、炭化水素成分のうち、全芳香族成分が０．２〜１．０重量％であり、非芳香族成分が４８．９〜４９．７重量％であることを特徴とし、炭化水素成分をこのような成分にすることによって、アルコール成分を高濃度にしても自動車用燃料としての特性を維持することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う内燃機関用燃料の実施例について説明する。
この内燃機関用燃料は、高濃度のアルコール成分と炭化水素成分とを含んでおり、そのアルコール成分はイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールを配合して形成される。アルコール成分としてイソプロピルアルコールなどのアルコール、換言するとメチルアルコールよりも炭素数の多いアルコールを用いているので、アルミニウムに対する腐食性が少なく、内燃機関の腐食を抑えることができる。このアルコール成分は、燃料に対して５０〜７５重量％含まれる。アルコール成分が５０重量％未満になると、これに対応して燃料に含まれる炭化水素成分が多くなり、従って、燃焼時にＮＯＸ、ＣＯＸが発生し易く、排気ガス中に含まれるＮＯＸ、ＣＯＸが多くなる。一方、これらのアルコール成分が７５重量％を超えると、アルコール成分が多くなり過ぎ、従って、燃焼時の発熱量が小さく、内燃機関の馬力が出ず、自動車の内燃機関用燃料として用いた場合に運転性能、特に加速性能が低下するようになる。上述したことから、このアルコール成分は、燃料に対して５０〜６０重量％であるのが好ましい。
【００１４】
これらのアルコール成分について、イソプロピルアルコールが燃料に対して１５〜３０重量％含まれ、イソブチルアルコールが燃料に対して１５〜２５重量％含まれ、またｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％含まれる。３種類のこれらアルコールの成分を上述したようにすることによって、アルコール成分を安定に保つとともに、自動車用燃料としての性能を維持することができ、ガソリン代替燃料として内燃機関に改良を施すことなく適用することができる。また、これら３種類のアルコールの重量％の比率、即ちイソプロピルアルコール（Ｘ）、イソブチルアルコール（Ｙ）及びｎ−ブチルアルコール（Ｚ）の重量比は、Ｘ：Ｙ：Ｚ＝（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であるのが一層好ましい。
【００１５】
この燃料の炭化水素成分は、芳香属成分（芳香属化合物）及び非芳香属成分（非芳香属化合物）を含んでおり、芳香族成分はベンゼン、トルエン、キシレンなどであり、その他の炭素数８の芳香族成分及び炭素数９以上の芳香族成分も含まれる。このような炭化水素成分は、燃料に対して２５〜４９．９重量％含んでおり、このような含有量を含むことにより、高濃度のアルコール成分を含有しても、自動車用燃料としての特性を保つことができ、ガソリン代替燃料として用いることができる。この炭化水素成分は、アルコール成分との関連で、４０〜４９．９重量％であるのが好ましい。
【００１６】
これらの炭化水素成分について、全芳香族成分が０．２〜１．０重量％で、非芳香属成分が４８．９〜４９．７重量％であるのが好ましく、炭化水素成分をこのような成分にすることによって、自動車用燃料としての特性を維持することができる。
【００１７】
この燃料には、ＭＴＢＥ（メチルターシャリーブチルエーテル）が６．０重量％以下含まれる。ＭＴＢＥは燃料のオクタン価を高める働きがある一方、燃焼するとＳＯＸを排出して環境面で好ましくなく、その含有量を６．０重量％以下にすることによって、環境面を考慮しながら燃料のオクタン価を改善することができる。尚、燃料の各種成分を調整することによってオクタン価を充分に高めることができ、この場合、ＭＴＢＥの含有量を０．１重量％以下にすることができ、さらに少なくして実質上ゼロ（零）にすることも可能である。
【００１８】
このような高濃度のアルコールを含む燃料は、引火点が−２０℃以下になるように配合され、このような引火点にすることによって、低温での引火特性が保たれ、内燃機関の低温始動性を良くすることができる。また、燃料のオクタン価が９４．０以上となるように配合され、このようなオクタン価にすることによって、高性能な燃料とすることができる。
【００１９】
この燃料は、自動車の内燃機関用燃料として好都合に用いることができ、所望の運転特性（加速性能、低温始動性能、耐ノッキング性）を得ることができ、ガソリン用内燃機関に何ら改善を施すことなく、ガソリン代替燃料として用いることができる。
【００２０】
【実施例】
実施例１として表１に示す成分の燃料を配合し、自動車のガソリン用内燃機関（アルミニウム製）に、ガソリンに代えて用いて自動車の運転性能を評価するとともに、排出される排気ガス成分を調べた。
【００２１】
【表１】
また、実施例２として表２に示す成分の燃料を配合し、実施例１と同様に、自動車のガソリン用内燃機関に用いて自動車の運転性能を評価するとともに、排ガス成分についても調べた。
【００２２】
【表２】
実施例１及び２の燃料を自動車に用いた場合、いずれも、燃料としてガソリンを用いた場合と同様の運転性能が得られ、低温始動性が良好で、充分な加速性能が得られるとともに、運転中においてノッキングが発生しなかった。また、排出される排気ガス中の成分を調べたところ、燃料としてガソリンを用いた場合と比較して、ＣＯ（一酸化炭素）が約１／１０に、ＨＣ（炭化水素）が約１／４に抑えられ、ガソリンに比して環境に優しい燃料であることが実証された。そして、この運転実験を１年間行ったが、１年経過後においても運転性能に変化が見られず、所望の運転性能が維持された。
【００２３】
【発明の効果】
本発明の内燃機関用燃料によれば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの炭素数の多いアルコールを用いているので、アルミニウムに対する腐食性が小さく、内燃機関の腐食を抑えることができる。また、これらのアルコール成分が５０〜７５重量％であるので、自動車の運転性能を維持しながら排気ガス中のＮＯＸ、ＣＯＸを少なくすることができ、環境に優しいガソリン代替燃料を提供することができる。更に、引火点が−２０℃以下であるので、所望の低温始動特性をも得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関用燃料、特に環境に優しくて低公害である内燃機関用燃料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
内燃機関用燃料、例えば自動車に搭載する内燃機関用燃料としてガソリンが広く用いられている。ガソリンを燃料として用いると、その燃焼時にＣＯＸ（炭素酸化物）、ＮＯＸ（窒素酸化物）、ＳＯＸ（硫化酸化物）などが発生し、発生したこれらＣＯＸ、ＮＯＸ、ＳＯＸ が排気ガスととともに大気中に排出され、大気汚染の原因となっている。
【０００３】
このようなことから、近年、アルコール成分を高濃度に含む内燃機関用燃料が注目され、アルコールを含む種々の燃料が提案されており、この種の燃料として、例えば特開平９−２２７８８０号公報に開示されたものが知られている。この燃料は、メチルアルコール、イソブチルアルコールなどのアルコール成分を４８〜５８重量％含んでおり、このようなアルコール成分を含んでいる故に、次の通りの特徴を有している。第１に、アルコールは分子中に酸素を含んでいるので、燃焼時のＣＯ（一酸化炭素）、ＨＣ（炭化水素）の発生量が少なく、従って、排気ガス中に含まれるＣＯ、ＨＣの量が少ない。第２に、アルコールは硫黄成分が少なく、従って、排気ガス中に含まれるＳＯＸの量も少ない。そして、これらの特徴により、環境に優しい燃料ということができる。第３に、燃料としてのオクタン価が高いので、火花点火形式の内燃機関の燃料に適している。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した燃料では、アルコール成分としてメチルアルコールを多く含み、例えば約４０重量％含んでいる。自動車用の内燃機関は、近年、軽量化の傾向からアルミニウムから形成されることが多く、アルミニウムはメチルアルコールに対して腐食性があり、このような高濃度のメチルアルコールを含む燃料を長期にわたって使用すると、内燃機関の一部、例えばシリンダヘッドが腐食するおそれがある。
【０００５】
本発明の目的は、環境に優しいとともに、内燃機関への腐食を抑えることができる優れた内燃機関用燃料を提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールのアルコール成分を５０〜７５重量％と、炭化水素成分を２５〜４９．９重量％とを含み、前記アルコール成分のうち、イソプロピルアルコールが１５〜３０重量％であり、イソブチルアルコールが１５〜２５重量％であり、ｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％であり、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの重量比が（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であり、更に引火点が−２０℃以下であることを特徴とする内燃機関用燃料である。
【０００７】
本発明の内燃機関用燃料では、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールが用いられ、これらのアルコール成分が５０〜７５重量％である。イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールは、メチルアルコール、エチルアルコールに比して成分中の炭素（Ｃ）の数が多いアルコールであり、それ故に、アルミニウムに対する腐食性が小さく、内燃機関の腐食を抑えることができる。これらのアルコール成分が５０重量％未満になると、これに対応して炭化水素成分が多くなり、従って、燃焼時にＮＯＸ、ＣＯＸが発生し易く、排気ガス中に含まれるＮＯＸ、ＣＯＸが多くなり、環境面で好ましくない。一方、これらのアルコール成分が７５重量％を超えると、アルコール成分が多くなり過ぎ、従って、燃焼時の発熱量が小さく、内燃機関の馬力が出ず、自動車の性能が低下するようになる。
また、イソプロピルアルコールが１５〜３０重量％で、イソブチルアルコールが１５〜２５重量％で、ｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％であり、燃料に含まれるアルコール成分を上述した成分にすることにより、燃料中にこれらのアルコール成分を安定的に保つことができるとともに、自動車用燃料として所望の運転性能、加速性能などを得ることができる。これら３種類のアルコールの重量％の比率、即ちイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの重量比は、（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であり、このようにすることによって、自動車用の燃料として高性能のものとなる。また、この燃料の引火点が−２０℃以下であるので、所望の低温始動特性を得ることができる。
【０００８】
このような高濃度のアルコールを含む燃料では、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールのアルコール成分が５０〜６０重量％で、炭化水素成分が４０〜４９．９重量％であるのが望ましい。尚、炭化水素成分とは、ベンゼン、キシレンなどの全芳香族成分と、非芳香族成分とを含むものである。
【００１１】
また、本発明では、ＭＴＢＥ成分を６．０重量％以下含んでいることを特徴とする。
本発明に従えば、ＭＴＢＥ（メチルターシャリーブチルエーテル）の含有量が６．０重量％以下であるので、有害物質が少なく、環境に優しい燃料を提供することができる。ＭＴＢＥの含有量は少ないほど環境に良く、０．３重量％以下であるのが望ましい。
【００１２】
また、本発明では、炭化水素成分のうち、全芳香族成分が０．２〜１．０重量％であり、非芳香族成分が４８．９〜４９．７重量％であることを特徴とし、炭化水素成分をこのような成分にすることによって、アルコール成分を高濃度にしても自動車用燃料としての特性を維持することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従う内燃機関用燃料の実施例について説明する。
この内燃機関用燃料は、高濃度のアルコール成分と炭化水素成分とを含んでおり、そのアルコール成分はイソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールを配合して形成される。アルコール成分としてイソプロピルアルコールなどのアルコール、換言するとメチルアルコールよりも炭素数の多いアルコールを用いているので、アルミニウムに対する腐食性が少なく、内燃機関の腐食を抑えることができる。このアルコール成分は、燃料に対して５０〜７５重量％含まれる。アルコール成分が５０重量％未満になると、これに対応して燃料に含まれる炭化水素成分が多くなり、従って、燃焼時にＮＯＸ、ＣＯＸが発生し易く、排気ガス中に含まれるＮＯＸ、ＣＯＸが多くなる。一方、これらのアルコール成分が７５重量％を超えると、アルコール成分が多くなり過ぎ、従って、燃焼時の発熱量が小さく、内燃機関の馬力が出ず、自動車の内燃機関用燃料として用いた場合に運転性能、特に加速性能が低下するようになる。上述したことから、このアルコール成分は、燃料に対して５０〜６０重量％であるのが好ましい。
【００１４】
これらのアルコール成分について、イソプロピルアルコールが燃料に対して１５〜３０重量％含まれ、イソブチルアルコールが燃料に対して１５〜２５重量％含まれ、またｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％含まれる。３種類のこれらアルコールの成分を上述したようにすることによって、アルコール成分を安定に保つとともに、自動車用燃料としての性能を維持することができ、ガソリン代替燃料として内燃機関に改良を施すことなく適用することができる。また、これら３種類のアルコールの重量％の比率、即ちイソプロピルアルコール（Ｘ）、イソブチルアルコール（Ｙ）及びｎ−ブチルアルコール（Ｚ）の重量比は、Ｘ：Ｙ：Ｚ＝（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であるのが一層好ましい。
【００１５】
この燃料の炭化水素成分は、芳香属成分（芳香属化合物）及び非芳香属成分（非芳香属化合物）を含んでおり、芳香族成分はベンゼン、トルエン、キシレンなどであり、その他の炭素数８の芳香族成分及び炭素数９以上の芳香族成分も含まれる。このような炭化水素成分は、燃料に対して２５〜４９．９重量％含んでおり、このような含有量を含むことにより、高濃度のアルコール成分を含有しても、自動車用燃料としての特性を保つことができ、ガソリン代替燃料として用いることができる。この炭化水素成分は、アルコール成分との関連で、４０〜４９．９重量％であるのが好ましい。
【００１６】
これらの炭化水素成分について、全芳香族成分が０．２〜１．０重量％で、非芳香属成分が４８．９〜４９．７重量％であるのが好ましく、炭化水素成分をこのような成分にすることによって、自動車用燃料としての特性を維持することができる。
【００１７】
この燃料には、ＭＴＢＥ（メチルターシャリーブチルエーテル）が６．０重量％以下含まれる。ＭＴＢＥは燃料のオクタン価を高める働きがある一方、燃焼するとＳＯＸを排出して環境面で好ましくなく、その含有量を６．０重量％以下にすることによって、環境面を考慮しながら燃料のオクタン価を改善することができる。尚、燃料の各種成分を調整することによってオクタン価を充分に高めることができ、この場合、ＭＴＢＥの含有量を０．１重量％以下にすることができ、さらに少なくして実質上ゼロ（零）にすることも可能である。
【００１８】
このような高濃度のアルコールを含む燃料は、引火点が−２０℃以下になるように配合され、このような引火点にすることによって、低温での引火特性が保たれ、内燃機関の低温始動性を良くすることができる。また、燃料のオクタン価が９４．０以上となるように配合され、このようなオクタン価にすることによって、高性能な燃料とすることができる。
【００１９】
この燃料は、自動車の内燃機関用燃料として好都合に用いることができ、所望の運転特性（加速性能、低温始動性能、耐ノッキング性）を得ることができ、ガソリン用内燃機関に何ら改善を施すことなく、ガソリン代替燃料として用いることができる。
【００２０】
【実施例】
実施例１として表１に示す成分の燃料を配合し、自動車のガソリン用内燃機関（アルミニウム製）に、ガソリンに代えて用いて自動車の運転性能を評価するとともに、排出される排気ガス成分を調べた。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【表２】
【００２３】
【発明の効果】
本発明の内燃機関用燃料によれば、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの炭素数の多いアルコールを用いているので、アルミニウムに対する腐食性が小さく、内燃機関の腐食を抑えることができる。また、これらのアルコール成分が５０〜７５重量％であるので、自動車の運転性能を維持しながら排気ガス中のＮＯＸ、ＣＯＸを少なくすることができ、環境に優しいガソリン代替燃料を提供することができる。更に、引火点が−２０℃以下であるので、所望の低温始動特性をも得ることができる。
Claims (4)
- イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールのアルコール成分を５０〜７５重量％と、炭化水素成分を２５〜４９．９重量％とを含み、前記アルコール成分のうち、イソプロピルアルコールが１５〜３０重量％であり、イソブチルアルコールが１５〜２５重量％であり、ｎ−ブチルアルコールが７〜２０重量％であり、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール及びｎ−ブチルアルコールの重量比が（１．８〜２．２）：（１．３〜１．７）：１であり、更に引火点が−２０℃以下であることを特徴とする内燃機関用燃料。
- 前記アルコール成分が５０〜６０重量％であり、前記炭化水素成分が４０〜４９．９重量％であることを特徴とする請求項１記載の内燃機関用燃料。
- ＭＴＢＥ成分を６．０重量％以下含んでいることを特徴とする請求項１又は２記載の内燃機関用燃料。
- 炭化水素成分のうち、全芳香族成分が０．２〜１．０重量％であり、非芳香族成分が４８．９〜４９．７重量％であることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の内燃機関用燃料。
Priority Applications (7)
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|---|---|---|---|
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| PCT/JP2003/004560 WO2003097772A1 (fr) | 2002-05-15 | 2003-04-10 | Carburant pour moteur a combustion interne |
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Publications (2)
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