JP3917641B1 - アクセス権管理システム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の錠前装置の使用感及びセキュリティ強度を保ったまま、利便性を向上させることを課題とする。
【解決手段】、鍵穴21を有し、外筒30内で回転することで解錠を行う内筒20と、鍵穴21に挿入される鍵10の有する複数の鍵溝12に対応するスロット22のうち一部のスロット22に設けられ、鍵10が挿入されていないときに外筒30と係合するとともに、鍵10が挿入されたときに鍵10の有する鍵溝12によって押圧されることで鍵溝12の形状に応じて移動し、外筒30との係合を解除する1番から3番タンブラー40と、1番から3番タンブラー40が設けられた一部のスロット22を除くスロット22に設けられ、鍵10が挿入されたときに鍵10の有する鍵溝12の形状に拘わらず外筒30と係合しない0番タンブラー50と、を備える錠前装置とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、錠前装置及び該錠前装置を利用したアクセス権管理システムに関する。
従来、施解錠の対象に固定された外筒と、この外筒内で回転する内筒(シリンダー)とからなり、内筒の鍵穴に鍵を挿入し回転させることで施解錠を行う、シリンダー錠が知られている。また、専用の鍵を用いることで内筒を外筒から取り外し、他の内筒と交換することを可能とした、内筒交換可能なシリンダー錠や、通常の鍵において鍵溝が設けられている面と反対の面に鍵溝を設け、この鍵溝を読み取ることで、異なる錠前装置を一本のマスターキーで解錠可能としたシリンダー錠がある。
また、関連する技術として、個人用の鍵と共通の鍵とを用いることによって、住人が不在であっても宅配に係る荷物の受け渡しが可能な宅配便受取ロッカーがあり(特許文献1を参照)、電子的に制御された装置において個人パスワードと共有パスワード等を用いることで、個人パスワードに対応するアクセスレベルに応じて施解錠を行うロッカーシステムがある(特許文献2を参照)。
特開平6−100082号公報 特開2005−165922号公報
近年、セキュリティ問題に対する関心が社会的に高まっており、企業においても、書類、データ、業務に使用するノートPC等の管理の重要性が認識されている。これらの管理対象は錠前装置を備えた収納庫に収納され、この錠前装置が備えられた収納庫を解錠可能な鍵を管理することで、セキュリティを確保することが一般的である。ここで、管理しなければならない鍵の種類や本数が増えることによって利便性が低下するという問題あるが、鍵管理上の利便性を高める方法として、従来、内筒交換の技術が利用されている。具体的には、内筒交換によって個人が管理する収納庫の錠前装置を同一の鍵で解錠可能なものに統一し、一本の鍵で個人管理の収納庫を解錠できるように錠前装置を交換する方法や、グループで使用する収納庫の錠前装置を統一するように内筒交換を行い、グループの所属者が同種類の鍵を持つことでグループごとのアクセス権を設定する方法、及び管理対象の収納庫ごとにセキュリティレベルを設定し、セキュリティレベルが同一の収納庫は同一の鍵で解錠できるように内筒交換を行う方法等が用いられている。
しかし、上記方法において、個人が管理する収納庫の錠前装置を統一し、更にグループで使用する収納庫の錠前装置を統一した場合でも、個人管理の収納庫の鍵とグループで使用する収納庫の鍵とは異なる鍵である必要があり、複数の鍵を管理しなければならないという煩わしさがある。また、セキュリティレベルを設定した場合も、セキュリティレベルごとに異なる鍵が必要となり、高次のアクセス権限を有する管理者ほど、管理すべき鍵の本数が多くなるという問題が発生する。
これは、セキュリティと利便性とが原則的に相反することによるために起こる問題である。即ち、従来の技術では、利便性を高めるために錠前装置を統一すればセキュリティ強度が低下し、セキュリティ強度を高めるために錠前装置の種類を増やせば管理すべき鍵の種類が増え、利便性が低下することとなる。ここで、セキュリティ強度を保ったまま、利便性を向上させることを解決するために、電子制御を行う装置を使用することも考えられるが、電子制御を用いたアクセス権管理システムの導入にはコストが掛かり、従来の鍵を
用いたアクセス権管理システムと使用感も大きく変わってしまう。
本発明は、上記した問題に鑑み、従来の錠前装置の使用感及びセキュリティ強度を保ったまま、利便性を向上させることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、挿入されている鍵の有する鍵溝のうち一部の鍵溝の形状に拘わらず、内筒と外筒との係合を解除することで、従来の錠前装置の使用感及びセキュリティ強度を保ったまま、利便性を向上させることを可能にした。
詳細には、本発明は、鍵穴を有し、外筒内で回転することで解錠を行う内筒と、前記鍵穴に挿入される鍵の有する複数の鍵溝に対応する鍵溝読取位置のうち一部の鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除する係合手段と、前記係合手段が設けられた一部の鍵溝読取位置を除く鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず前記外筒と係合しない非係合保持手段と、を備える錠前装置である。
ここで、解錠とは、外筒内で内筒が回転することにより錠が移動してロックが解かれることをはじめとする、アクセス制限対象に対するアクセスの制限を解除する動作の全てを含むこととする。例えば、ロッカー、引き出し、書庫等の収納具や、扉によってアクセスを制限された空間の他に、システムの起動を制限するシステム起動キーシステムが備えられたシステムもアクセス制限対象に含まれる。また、鍵溝読取位置とは、鍵が鍵穴に挿入されている状態で、係合手段又は非係合保持手段が係合の解除又は係合しない状態の保持のために鍵の有する鍵溝の形状を読み取ることができる位置である。
本発明に係る錠前装置は、鍵が挿入されていないときに係合手段が外筒に係合することで内筒の回転即ち解錠を制限し、錠前装置に適合する鍵が挿入されているときに係合手段による係合を解除することで解錠を可能とする。ここで、鍵が挿入されているときに鍵溝の形状に拘らず外筒と係合せず、解錠を可能とする非係合保持手段が設けられた鍵溝読取位置が存在することで、この鍵溝読取位置に対応する鍵溝の形状は問われず、係合手段が設けられた鍵溝読取位置に対応する鍵溝のみが適合することで、係合が解除されることとなる。即ち、本発明に拠れば、この一部の鍵溝の形状を異ならせた複数の種類の鍵によって解錠を行うことが可能な錠前装置を提供することが可能となる。
なお、非係合保持手段は、鍵が挿入されていないときには外筒と係合してもよいし、係合しなくてもよい。即ち、鍵が挿入されていないときに外筒と係合し、鍵が挿入されたときに、鍵溝の形状に拘らず係合を解除することとしてもよいし、鍵が挿入されているといないとに拘らず、常に外筒と係合しない状態が保持されることとしてもよい。
本発明において、前記係合手段は、弾性部材によって付勢されることで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって前記弾性部材による付勢の方向と反対方向に押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除するタンブラーであり、前記非係合保持手段は、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合しない状態であり、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず該鍵溝による押圧を受けないことで移動せず、前記外筒と係合しない状態を保持する擬似タンブラーであってもよい。
また、前記非係合保持手段は、弾性部材によって付勢されることで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵
底部又はガイド溝によって前記弾性部材による付勢の方向と反対方向に押圧されることで移動し、前記外筒との係合を解除する擬似タンブラーであってもよいし、前記タンブラーと同等の構成を有するタンブラーが設けられていないことで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合しない状態であり、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず該鍵溝による押圧を受けないことで移動せず、前記外筒と係合しない状態を保持してもよい。
ここで、係合手段は、スプリングや板バネ等の弾性部材によって付勢されることで、鍵が挿入されていないときに外筒の有する係合溝等と係合するタンブラーである。タンブラーは、鍵が挿入されたときに鍵の有する鍵溝によって押圧されることで移動し、移動の距離が適正であれば係合が解除される。移動の距離は鍵溝の形状に依り、ここでいう鍵溝の形状とは主に鍵溝の深さであることが一般的である。なお、本願において鍵溝と称されているものは、一般に鍵山と呼ばれることもある。
非係合保持手段は、疑似タンブラーであってもよいし、タンブラー類が設けられていない空間であってもよい。但し、疑似タンブラーが設けられることで、従来タンブラーが設けられるはずの鍵溝読取位置にタンブラーが無いために本発明にかかる内筒が不良品と間違われることを避けることが出来る。また、ピッキングによる解錠を試みる者がいた場合に、疑似タンブラーが設けられことによって、解錠に要する時間を引き延ばすことが可能である。
本発明は、前記内筒の側面に設けられた係止溝と、鍵穴に挿入された内筒交換用鍵によって押圧されることで前記内筒から外筒方向へ前記係止溝内を移動する移動体と、を更に備え、前記内筒は、前記内筒交換用鍵が挿入されていない状態で、外筒に備えられた係止片が前記係止溝内に入ることによって外筒から取り外し不可能であり、前記内筒交換用鍵が挿入されている状態で、該内筒交換用鍵によって押圧されて移動した前記移動体によって前記係止片が係止溝から押し出されることで、外筒から取り外し可能であることを特徴としてもよい。
ここで、係止溝は、係止片によって係止されている状態でも、内筒が外筒内で回転可能であるように設けられる。また、内筒交換用鍵は、通常の解錠を行うための鍵とは異なる、内筒交換を行うための専用の鍵であり、鍵溝によって係合手段による外筒との係合を解除した上で、更に移動体を押圧する鍵である。
内筒交換用鍵を挿入した場合には、係合手段による外筒との係合が解除された上で、更に内筒を外筒から取り外し不可能であるように係止する係止片が移動体によって押し出される。これにより、専用の鍵を使用して容易に内筒交換が可能である。即ち、本発明に拠れば、本発明に係る、一部の鍵溝の形状を異ならせた複数の種類の鍵によって解錠を行うことが可能な錠前装置を自由に配置し、これらの錠前装置に対応する鍵を管理することによってアクセス制限対象へのアクセス権を管理するアクセス権管理システムを容易に構築することが可能となる。
また、本発明は、鍵穴を有し、外筒内で回転することで解錠を行う内筒と、前記鍵穴に挿入される鍵の有する複数の鍵溝に対応する鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除する係合手段と、を備える第一の錠前装置が設けられ、施錠によってアクセスが制限される第一のアクセス制限対象と、先述の非係合保持手段を備える錠前装置であって、前記第一の錠前装置の備える前記係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記非係合保持手段が設けられた第二の錠前装置が設けられ、施錠によってア
クセスが制限される第二のアクセス制限対象と、を備え、前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることを特徴とするアクセス権管理システムである。
なお、前記第一のアクセス制限対象は個人用の収納庫であり、前記第二のアクセス制限対象は共用の収納庫であり、前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることで、前記個人用の収納庫にアクセス可能な複数の異なる鍵を用いて、共用の収納庫へのアクセスを可能としてもよい。
非係合保持手段を備えない第一の錠前装置と、非係合保持手段を備える第二の錠前装置とにおいて、第二の錠前装置が備える係合手段と、第一の錠前装置が備える係合手段のうち第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とを、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが出来る係合手段とする。ここで、第一の錠前装置が設けられたアクセス制限対象を解錠するには、鍵の有する全ての鍵溝が係合手段による係合を解除可能な鍵溝である必要があるが、第二の錠前装置が設けられたアクセス制限対象を解錠するには、鍵の有する鍵溝のうち、非係合保持手段に対応する鍵溝の形状は問われない。つまり、このアクセス権管理システムにおいては、第一のアクセス制限対象を解錠可能であり且つ第二のアクセス制限対象を解錠可能な鍵と、第二のアクセス制限対象は解錠可能であるが、第一のアクセス制限対象は解錠不可能な鍵と、を用いることが可能である。
即ち、本発明に拠れば、各個人ごとに割り当てられる第一のアクセス制限対象を解錠可能な鍵を各個人ごとに管理し、この鍵を用いて、共用に係る第二のアクセス制限対象を解錠することが可能な、アクセス権管理システムを提供することが可能となる。
更に、本発明は、先述の非係合保持手段を備える錠前装置を利用するアクセス権管理システムにおいて、前記錠前装置であって、所定の鍵を用いて前記係合手段による係合を解除することが可能な第一の錠前装置が設けられ、施錠によってアクセスが制限される第一のアクセス制限対象と、前記錠前装置であって、前記第一の錠前装置の備える前記係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記非係合保持手段が設けられた第二の錠前装置が設けられ、施錠によってアクセスが制限される第二のアクセス制限対象と、を備え、前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることを特徴とするアクセス権管理システムである。
なお、前記第一のアクセス制限対象は、所定のセキュリティレベルが設定された収納庫であり、前記第二のアクセス制限対象は、前記所定のセキュリティレベルより低次のセキュリティレベルが設定された収納庫であり、前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることで、前記所定のセキュリティレベルが設定された収納庫にアクセス可能な複数の異なる鍵を用いて、前記所定のセキュリティレベルより低次のセキュリティレベルが設定された収納庫へのアクセスを可能としてもよい。
互いに非係合保持手段が設けられている第一の錠前装置と、第二の錠前装置と、を用い、第二のアクセス制限対象には、第一の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に非係合保持手段が設けられた第二の錠前装置が設けられる。これによって、第一の錠前装置が設けられた共用に係るアクセス制限対象と、第二の錠前装置が設けられた共用に係るアクセス制限対象と、の二つの共用グループを定義することが可能となり、加えて、第一のアクセス制限対象を解錠可能な鍵は、より高次のアクセス権として、第二のアクセス制限対象を解錠することが可能となる。つまり、第一のアクセス制限対象を解錠可能であり且つ第二のアクセス制限対象を解錠可能な鍵と、第二のアクセス制限対象は解錠可能であるが、第一のアクセス制限対象は解錠不可能な鍵と、を用いることが可能である。
即ち、本発明に拠れば、第一のアクセス制限対象を解錠可能であり且つ第二のアクセス制限対象を解錠可能な鍵を、より高次のセキュリティレベルへのアクセス権を有する個人が管理することで、その個人は、高次のアクセス制限対象の解錠と、より低次のアクセス制限対象の解錠を一本の鍵で行うことが可能となる。同時に、第二のアクセス制限対象は解錠可能であるが第一のアクセス制限対象は解錠不可能な鍵を、より低次のセキュリティレベルへのアクセス権を有する個人が管理することで、その個人は、より高次のアクセス制限対象を解錠することが出来ず、セキュリティを保つことが可能である。
更に、本発明は、先述の非係合保持手段を備える錠前装置を利用するアクセス権管理システムにおいて、前記錠前装置であって、所定の鍵を用いて前記係合手段による係合を解除することが可能な第一の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第一のアクセス制限対象と、前記錠前装置であって、前記第一の錠前装置の備える前記係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記非係合保持手段が設けられ、前記第一の錠前装置の備える前記非係合保持手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記係合手段が設けられた、第二の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第二のアクセス制限対象と、を備え、前記第二の錠前装置の備える係合手段及び前記第一の錠前装置の備える係合手段が、前記アクセス権管理システムにおいて一意に定められた基本形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることを特徴とするアクセス権管理システムである。
なお、前記第一のアクセス制限対象及び前記第二のアクセス制限対象は、夫々集配用の収納庫であり、前記第二の錠前装置の備える係合手段及び前記第一の錠前装置の備える係合手段が、前記基本形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることで、前記基本形状の鍵溝を有し、集配人が管理する鍵を用いて、前記集配用の収納庫へのアクセスを可能としてもよい。
即ち、本発明に拠れば、第一のアクセス制限対象を解錠可能であり且つ第二のアクセス制限対象を解錠可能な基本形状の鍵溝を有する鍵を、全てのアクセス制限対象へのアクセス権を有する集配人等が管理することで、集配人等は、集配用の収納庫等の全てのアクセス制限対象の解錠を一本の鍵で行うことが可能となる。同時に、自己の集配用の収納庫等自己がアクセス権を有するアクセス制限対象は解錠可能であるが、他社の集配用の収納庫等自己がアクセス権を有さないアクセス制限対象は解錠不可能な鍵を、限定的なアクセス権を有する個人が管理することで、セキュリティを保つことが可能である。
本発明によって、従来の錠前装置の使用感及びセキュリティ強度を保ったまま、利便性を向上させることが可能となる。
本発明に係る錠前装置及び該錠前装置を利用したアクセス権管理システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
<錠前装置の構造>
図1は、本実施形態において使用される鍵10の概略を示す図である。鍵10は、把持部13及び差込部11を有し、差込部11の側面には鍵溝12が刻まれている。本実施形態では、鍵溝12が7つ刻まれ、夫々の鍵溝12は、1番から3番の3段階の深さのうち何れかを有する(以下、鍵溝12の深さを示す番号を、鍵溝番号と称する)。例えば、図1に示される鍵10の鍵溝番号の並びは、把持部13から近い順に1−1−3−2−2−1−3である。本実施形態においては、3段階の鍵溝12の深さを採用しているが、この段数は、実施の形態によって適宜決定されることが好ましい。また、本実施形態においては、鍵溝12が7つ刻まれているが、鍵溝12の数は、実施の形態によって適宜決定されることが好ましい。
図2は、本実施形態における錠前装置の概略を示す図である。錠前装置である内筒20は鍵穴21、前記鍵溝12に対応する鍵溝読取位置を示すスロット22、スロット22に設けられ前記鍵溝番号に対応する1番から3番タンブラー40、0番タンブラー50、係止溝24、及び内筒交換時に係止片33を押し出すための移動体23を有する。ここで、本実施形態においてスロット22は7つ設けられている。以下、鍵穴21の入口から近い順に1番スロット、2番スロット、3番スロット、4番スロット、5番スロット、6番スロット及び7番スロットと称する。内筒20が設けられる外筒30は、施解錠を行う対象に固定される円筒状の金属部材であり、筒内に内筒20を保持し、筒の内壁に、内筒20の有する1番から3番タンブラー40が係合する係合溝31、スプリング34によって係止溝24に嵌合することで内筒20を外筒30に係止する係止片33、及び係止片33を通す係止片挿通孔32を有する。鍵穴21に鍵10が挿入されていない状態で、1番から3番タンブラー40は係合溝31に係合し、内筒20の回転を制限する。操作者は鍵10を内筒20に挿入し、外筒30内で内筒20を回転させることで、解錠を行う。即ち、内筒20が外筒30内で回転するためには、係合溝31に係合する1番から3番タンブラー40が、内筒20の内側に引き込まれ、1番から3番タンブラー40と係合溝31との係合が解除されることが必要である。
図3は、本実施形態における1番から3番タンブラー40及び0番タンブラー50の概略を示す図である。本実施形態においては、1番タンブラー40(図3のc図を参照)、2番タンブラー40(図3のb図を参照)、3番タンブラー40(図3のa図を参照)、及び0番タンブラー50(図3のd図を参照)が使用される。1番から3番タンブラー40は、上部突起41、下部突起42、スプリング43、鍵10を通すための鍵挿通孔44、及び鍵溝12の深さを読み取るための読取部45を有する。1番から3番タンブラー40は、内筒20の鍵溝読取位置のスロット22にスプリング43を介して設けられており、鍵10が挿入されていない状態で、上部突起41がスロット22の淵に係り、1番から3番タンブラー40の上部が内筒20から突出している(図4を参照)。即ち、鍵10が挿入されていない状態で、この1番から3番タンブラー40の突出した部分が外筒30の係合溝31に係合することで、内筒20の回転を制限している。ここで、鍵10が挿入されると、挿入された鍵10の鍵溝12によって読取部45が押圧されることで、スプリング43によって係合溝31に係合する高さまで持ち上げられていた1番から3番タンブラー40が内筒20内に引き込まれ、1番から3番タンブラー40と係合溝31との係合が解除される。
ここで、鍵溝12の1番から3番は、夫々1番タンブラー40から3番タンブラー40に対応する。鍵溝12は鍵溝番号によって深さが異なり、1番から3番タンブラー40はタンブラー番号によって読取部45の高さが異なる。即ち、番号の一致する鍵溝12が個
々のタンブラー40の読取部45を押圧したときに限り、1番から3番タンブラー40が内筒20内に適正な距離だけ引き込まれ、係合が解除される(図5のa図を参照)。番号の異なる鍵溝12が読取部45を押圧した場合、1番から3番タンブラー40は内筒20内に引き込まれないか、引き込まれた上で内筒20の反対側のスロットから突出し、反対側の係合溝31に係合することで、内筒20の回転を制限する(図5のb図を参照)。これらの1番から3番タンブラー40が様々な組み合わせで内筒20に設けられることで、挿入したときに全ての係合を解除できる鍵10が挿入されたときに限り、内筒20を外筒30内で回転させ、解錠を行うことが可能となっている。本実施形態では、タンブラー40は7枚設けられ、例えば、図1に示す鍵10で解錠を行うことが出来る錠前装置とするためには、タンブラー番号の組み合わせを鍵穴21の入口から順に1−1−3−2−2−1−3とする。
ここで、0番タンブラー50は、スプリングの取り付け位置が異なることで、鍵10を挿入しない状態においても、内筒20内に引き込まれ、係合溝31に係合しない状態となる擬似タンブラーであり、上部突起51、下部突起52、スプリング53、及び鍵10を通すための鍵挿通孔54を有する(図3を参照)。スプリング53の取り付け位置及び上部突起51の位置が1番から3番タンブラー40のスプリング43の取り付け位置及び上部突起41の位置よりも高いことで、内筒20内に設置したときに、0番タンブラー50は内筒20から突出せず、係合溝31に係合しない(図6を参照)。さらに、1番から3番タンブラー40と異なり、読取部45に対応する構成を有さないことで、挿入された鍵10の鍵溝12が1番から3番の何れであっても、0番タンブラー50は移動せず、係合溝31に係合することはない。なお、0番タンブラー50は、鍵10の挿入によって移動することがないため、スプリング53を介した取り付けである必要はなく、スロット22に固定されていてもよい。
本実施形態における錠前装置に拠れば、0番タンブラー50が設けられたことによって、鍵10を挿入したときに0番タンブラー50の位置にくる鍵溝12が1番から3番のいずれであっても、1番から3番タンブラー40の係合を解除することで解錠を行うことが可能な錠前装置を提供することが可能となる。例えば、タンブラー番号の組み合わせが1−1−3−2−2−0−3である錠前装置は、鍵溝番号の組み合わせが1−1−3−2−2−1−3である鍵10と、1−1−3−2−2−2−3である鍵10と、1−1−3−2−2−3−3である鍵10と、の3通りの鍵10で開錠することが可能である。
また、反対に、鍵溝番号の組み合わせが1−1−3−2−2−1−3である鍵10は、タンブラー番号の組み合わせが0−1−3−2−2−1−3である錠前装置、1−0−3−2−2−1−3である錠前装置、1−1−0−2−2−1−3である錠前装置、1−1−0−0−0−1−3である錠前装置、1−1−0−2−0−1−0である錠前装置等、「1−1−3−2−2−1−3」の組み合わせのうち一つ以上のスロット22に0番タンブラー50が設けられた錠前装置を開錠することが可能である。
以上より、従来、複数の異なる錠前装置が設けられたアクセス制限対象を管理する場合、錠前装置の種類に応じた数の鍵を管理する必要があったところ、本実施形態に拠れば、異なる複数の鍵10によって単一の錠前装置が設けられたアクセス制限対象を解錠することや、単一の鍵10によって複数の異なる錠前装置が設けられたアクセス制限対象を解錠することが可能となり、鍵管理を簡便にすることが出来る。
図7は、本実施形態における鍵10が挿入されていないときの内筒20の状態及び鍵10が挿入されているときの内筒20の状態の概略を示す図である。図7のa図は、鍵10が挿入されていないときの状態を示す。1番から3番タンブラー40は、鍵10が挿入されていない状態において、スプリング43(図示せず)によって付勢され、内筒20の上
部に突出することで、外筒30の係合溝31(図示せず)に係合する。また、スプリング34によって付勢された係止片33が係止溝24に嵌合し、外筒30から内筒20を取り外すことが出来ないようになっている。
図7のb図は、鍵10が挿入されているときの内筒20の状態を示す。1番から3番タンブラー40は、鍵溝12によって読取部45が押圧されることで、内筒20内に引き込まれ、係合溝31との係合が解除される。しかし、係止片33が係止溝24へ嵌合している状態は保たれているため、内筒20は外筒30内で回転可能であるが、外筒30から内筒20を取り外すことは出来ない。
図7のc図は、内筒交換用鍵60が挿入されているときの内筒20の状態を示す。1番から3番タンブラー40が内筒20内に引き込まれ、内筒20が回転可能になると同時に、鍵によって押圧された移動体23が係止溝24内を移動することで、係止溝24から係止片33を押し出して係止を解除し、内筒20が外筒30から取り外し可能となる。内筒交換用鍵60は、図7のb図で使用される鍵10よりも先端が長いことで、移動体23を押圧することが可能であるように形成された専用の鍵である。
内筒交換用鍵60を用いて内筒交換を可能とすることで、アクセス制限対象への先述の錠前装置の配置を容易に行うことが出来、アクセス権管理システムを容易に構築することが可能となる。
<アクセス権管理システム:グループ利用>
以下に、上記実施形態で説明した錠前装置を用いた、アクセス権管理システムを説明する。図8は、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、グループ利用目的に用いる場合の概略を示す図である。ここで、グループ利用とは、各個人用のロッカーや個人用引き出し等を解錠するために用意された、各個人毎に異なる鍵を用いて、共用のロッカーや書庫等を解錠可能とする利用方法をいう。本実施形態において、ロッカー、引き出し、書庫等をまとめて「収納庫」と称する。但し、設置対象はロッカー、引き出し、書庫等の収納庫に限られず、全てのアクセス制限対象が設置対象となり得る。例えば、システムの起動キー等、収納庫以外の装置に設けられてもよい。
まず、共用の収納庫91に取り付ける錠前装置のタンブラー番号の組み合わせを、0番タンブラー50が含まれたものとする。例えば、タンブラー番号の組み合わせが1−1−3−0−3−0−3である錠前装置を、共用の収納庫91に取り付ける。次に、個人用の収納庫92a、92b、92cに取り付ける錠前装置のタンブラー番号の組み合わせを、前記共用の収納庫91に取り付ける錠前装置において0番以外のタンブラー40が設けられたスロット22についてはこれと同一にし、0番タンブラー50が設けられたスロット22については、1番から3番タンブラー40のうちいずれかとする。例えば、タンブラー番号の組み合わせが1−1−3−2−3−1−3である錠前装置と、1−1−3−1−3−1−3である錠前装置と、1−1−3−2−3−3−3である錠前装置とを、個人用の収納庫92a、92b、92cに取り付ける。
ここで、タンブラー番号の組み合わせが1−1−3−2−3−1−3である錠前装置を管理する個人が、鍵溝番号の組み合わせが1−1−3−2−3−1−3である鍵10aを、タンブラー番号の組み合わせが1−1−3−1−3−1−3である錠前装置を管理する個人が、鍵溝番号の組み合わせが1−1−3−1−3−1−3である鍵10bを、タンブラー番号の組み合わせが1−1−3−2−3−3−3である錠前装置を管理する個人が、鍵溝番号の組み合わせが1−1−3−2−3−3−3である鍵10cを、それぞれ管理することで、これらの鍵10a、10b、10cを管理する個人は、自己の個人用の収納庫92a、92b、92cを解錠出来ることに加え、全員が共用の収納庫91を解錠出来る。
即ち、従来、各個人毎にアクセス権が与えられた収納庫92を解錠し、更に共用の収納庫91を解錠したい場合、複数の鍵を持つ必要があったところ、本実施形態に拠れば、各個人毎にアクセス権が与えられた収納庫92を解錠出来るとともに、同一の鍵10a、10b、10cを用いて、複数の個人が、自己がアクセス権を持つ共用の収納庫91を解錠することが可能なアクセス権管理システムを構築することが可能となる。
上述のアクセス権管理システムの他の具体的な例として、ノートPC保管庫80がある(図9を参照)。0番タンブラー50が設けられた共用の錠前装置をノートPC保管庫80の前面扉81に設け、前面扉81を開いた中にある各個人用のノートPCを収納する収納部手前のゲート82に、各個人の持つ鍵10でしか開かない錠前装置が設けられることで、2段階に施錠されるが、各個人の管理する鍵10は一本のみであるノートPC保管庫80を提供することが出来る。
図10は、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、グループ利用目的に用いる場合の鍵10の組み合わせを示す図である。ここでは、5番スロット、6番スロット、7番スロットに0番タンブラー50が設けられることとしている。n枚の0番タンブラー50が設けられた場合、一つの共用の錠前装置に対して、最大3n種類の個人用の鍵10を
用意することが出来る。図10の例では、0番タンブラー50は3枚であるため、最大27通りの個人用の鍵10を用意することが出来る。但し、鍵溝番号の並びによっては、セキュリティ上好ましくない組み合わせや、鍵溝12が摩耗し易い組み合わせがあるため、このような組み合わせの鍵10は適宜除外されることが好ましい。
また、グループは、図10に示すように複数のグループを設定することが可能である。0番タンブラー50が設けられていないスロット22に設けられる1番から3番タンブラー40の組み合わせを異ならせることで、所定のグループに属する個人は、自己の属するグループの共用の収納庫は解錠することが出来るが、他のグループの共用の収納庫は解錠することが出来ない。例えば、図10において、グループBの共用の収納庫を解錠することが出来る鍵10は、1番スロットから4番スロットに設けられたタンブラー番号が異なるため、グループA及びグループCの共用の収納庫を解錠することは出来ない。即ち、本実施形態に拠れば、グループを複数設定し、グループに属する個人は、自己の個人用の収納庫及び自己のグループの共用の収納庫は解錠することが可能であるが、他人の個人用の収納庫及び他のグループの共用の収納庫は解錠することが出来ないアクセス権管理システムを構築することが可能である。
<アクセス権管理システム:セキュリティレベル>
図11は、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、セキュリティレベルの設定を目的に用いた場合の概略を示す図である。ここで、セキュリティレベルの設定とは、鍵10の属するセキュリティレベルと同一又はより低次のセキュリティレベルが設定された収納庫は、その鍵10で解錠することが可能であるが、鍵10の属するセキュリティレベルより高次のセキュリティレベルが設定された収納庫は、その鍵10では解錠することが不可能であるように、鍵10及び錠前装置を設定することをいう。なお、本実施形態では、最も低次のセキュリティレベルであるセキュリティレベル1から最も高次のセキュリティレベルであるセキュリティレベル5までの5段階のセキュリティレベルを設定することとする。
図12A及び図12Bは、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、セキュリティレベルの設定を目的に用いた場合の鍵10の組み合わせを示す図である。セキュリティレベルは、錠前装置における0番タンブラー50の枚数で決定される。セキュリティレベ
ル5の錠前装置は、0番タンブラー50を有さず、1番から3番タンブラー40の組み合わせで構成される。即ち、セキュリティレベル5の錠前装置が設けられた収納庫を解錠できる鍵10の鍵溝番号の組み合わせは一通りしかない。これに対し、セキュリティレベル4の錠前装置は、0番タンブラー50を1枚有し、1枚の0番タンブラー50以外のタンブラーは、セキュリティレベル5の錠前装置におけるタンブラーの組み合わせと同じ組み合わせで構成される。例えば、セキュリティレベル5の錠前装置のタンブラー40の番号の組み合わせが1−3−2−1−3−2−1であるとすると、セキュリティレベル4の錠前装置のタンブラー番号の組み合わせは、1−3−2−1−3−2−0となる。なお、本実施形態において、セキュリティレベル4では7番スロットに0番タンブラー50が設けられているが、0番タンブラー50が設けられるスロット22のスロット番号は他でもよい。
セキュリティレベル4の錠前装置が設けられた収納庫は、セキュリティレベル5の錠前装置が設けられた収納庫を解錠可能な、鍵溝番号の組み合わせが1−3−2−1−3−2−1である鍵10の他に、鍵溝番号の組み合わせが1−3−2−1−3−2−2である鍵10と、1−3−2−1−3−2−3である鍵10と、を用いて解錠することが可能である。同様に、セキュリティレベル3、セキュリティレベル2、セキュリティレベル1と、セキュリティレベルが低次にいくに従って、0番タンブラー50の枚数を増やし、0番タンブラー50以外のタンブラー番号を高次のセキュリティレベルの錠前装置に合わせることで、鍵10の属するセキュリティレベルと同一又はより低次のセキュリティレベルが設定された錠前装置が設けられた収納庫は、その鍵10で解錠することが可能であるが、鍵10の属するセキュリティレベルより高次のセキュリティレベルが設定された錠前装置が設けられた収納庫は、その鍵10では解錠することが不可能なアクセス権管理システムを構築することが可能である。
即ち、従来、セキュリティレベルごとに異なる鍵10を用意し、より高次のセキュリティレベルの錠前装置が設けられた収納庫を解錠する権限を与えられた個人は、高次のセキュリティレベルの錠前装置から、低次のセキュリティレベルの錠前装置まで、複数の鍵10を管理する必要があったところ、本実施形態に拠れば、自己が権限を有するセキュリティレベルの鍵10を1本だけ管理することで、自己が権限を有する全ての収納庫を解錠することが可能なアクセス権管理システムを構築することが可能となる。
なお、先述の通り、n枚の0番タンブラー50が設けられた場合、一つの共用の錠前装置に対して、最大3n種類の個人用の鍵10を用意することが出来る。このため、各セキ
ュリティレベルに属する鍵10の種類の数は、そのセキュリティレベルの錠前装置において使用される0番タンブラー50の枚数がn枚であるとすると、3nからより高次のセキ
ュリティレベルに属する鍵10の種類の数を除いた数となる。例えば、セキュリティレベル2に属する鍵10の種類は、33−32、即ち、18となる。但し、鍵溝番号の並びによっては、セキュリティ上好ましくない組み合わせや、鍵溝12が摩耗し易い組み合わせがあるため、このような組み合わせの鍵10は適宜除外されることが好ましい。
<アクセス権管理システム:セキュリティレベルを設定したグループ利用>
図13は、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、グループごとにセキュリティレベルを設定して利用することを目的に用いた場合の概略を示す図である。ここで、セキュリティレベルを設定したグループ利用とは、各個人用の収納庫を解錠するために用意された、各個人毎に異なる鍵を用いて、各個人にアクセス権が与えられたセキュリティレベル又はそれよりも低次のセキュリティレベルが設定された共用の収納庫を解錠可能とする利用方法をいう。
まず、共用の収納庫91にセキュリティレベルを設定し、先述したセキュリティレベル
の設定方法と同様の方法で、共用の収納庫91にセキュリティレベルごとに異なる錠前装置を設置する。例えば、セキュリティレベル3の共用の収納庫91bにはタンブラー番号の組み合わせが3−1−1−0−3−0−3である錠前装置を設置し、セキュリティレベル2の共用の収納庫91aにはタンブラー番号の組み合わせが3−0−1−0−3−0−3である錠前装置を設置する。
ここで、個人用の収納庫92d、92e、92fに設置する錠前装置のタンブラー番号の組み合わせを、前記共用の収納庫91a、91bに取り付ける錠前装置において0番以外のタンブラー40が設けられたスロット22についてはこれと同一にし、0番タンブラー50が設けられたスロット22については、1番から3番タンブラー40のうちいずれかとする。例として、前記したタンブラー番号の組み合わせに対しては、タンブラー番号の組み合わせが3−1−1−2−3−1−3である錠前装置と、タンブラー番号の組み合わせが3−2−1−2−3−1−3である錠前装置と、タンブラー番号の組み合わせが3−3−1−2−3−1−3である錠前装置と、等を用いることが出来る。
これらの個人用の収納庫92d、92e、92fの錠前装置に対応する鍵10d、10e、10fのうち、鍵溝番号の組み合わせが3−1−1−2−3−1−3である鍵10dは、タンブラー番号の組み合わせが3−1−1−2−3−1−3である錠前装置が設けられた収納庫92d、セキュリティレベル2の錠前装置が設けられた収納庫91a、及びセキュリティレベル3の錠前装置が設けられた収納庫91b、を解錠することが出来る。これに対して、鍵溝番号の組み合わせが3−2−1−2−3−1−3である鍵10e及び3−3−1−2−3−1−3である鍵10fは、対応する錠前装置が設けられた個人用の収納庫92e、92f、及びセキュリティレベル2の錠前装置が設けられた収納庫91aしか解錠することは出来ず、セキュリティレベル3の錠前装置が設けられた収納庫91bを解錠することは出来ない。つまり、鍵10の管理者は、自己の個人用の収納庫92に備えられた錠前装置と、自己の管理する鍵10のセキュリティレベルと同じ又はより低次のセキュリティレベルが設定された錠前装置が設けられた収納庫91のみを解錠することが可能である。
即ち、従来、各個人用の収納庫と、セキュリティレベル毎に錠前装置の異なる収納庫等を管理しようとした場合、個人用の鍵に加え、セキュリティレベル毎の鍵を管理する必要があり、管理者に多大な負担を強いることとなっていたところ、本実施形態に拠れば、自己の個人用の収納庫92と、自己がアクセス権を持つ共用の収納庫91を、1本の鍵10で解錠することが可能であり、且つ各鍵10ごとに自由にセキュリティレベルを設定可能なアクセス権管理システムを構築することが可能となる。
なお、セキュリティレベルを設定したグループ利用の具体例として、共通書庫全体の扉をセキュリティレベル2に、共通書庫内の各職場単位で解錠可能とする扉をセキュリティレベル3に、共通書庫内の各職場内グループ単位の小書庫をセキュリティレベル4に設定し、各個人の机やロッカー等を解錠可能であると共に、各個人が権限を有する扉や書庫を解錠可能な鍵10を各個人で管理するアクセス権管理システムがある。
<アクセス権管理システム:集配システム>
図14は、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、集配システムとして用いる場合の概略を示す図である。ここで、集配システムとは、集配人の管理する鍵10iを用いて全ての個人の集配ロッカーを解錠可能であるが、個人の収納庫は解錠出来ず、個人の管理する鍵10を用いて自己の管理する集配ロッカー及び個人の収納庫は解錠可能であるが、他人の管理する集配ロッカー及び収納庫は解錠出来ないシステムをいう。
図15は、本実施形態におけるアクセス権管理システムを、集配システムとして用いた
場合の鍵10の組み合わせを示す図である。ここで、集配人の管理する鍵10iの鍵溝番号の組み合わせを、基本パターンと称する。集配ロッカー70には、この基本パターンと同一の組み合わせのタンブラー番号の組み合わせのうち、少なくとも一つ以上を0番タンブラー50とした錠前装置が設けられる。例えば、各集配ロッカー70に設けられる錠前装置の0番タンブラー50の枚数を3枚で統一した場合、図15に示すように、基本パターンの鍵10iを用いて係合を解除することが可能な錠前装置は35種類用意出来る(7
3=35。p個のスロット22を有する錠前装置において、n枚のタンブラーを0番タ
ンブラー50とする場合、一種類の鍵10で係合解除が可能な錠前装置は、pn種類である。)。
ここで、各個人の管理する鍵10として、各個人の集配ロッカー70において0番タンブラー50が設けられているスロット22に対応する鍵溝12を、1番から3番の鍵溝番号のうち基本パターンと同一でない鍵溝番号の鍵溝12とすることで、各個人の管理する鍵10で、自己の集配ロッカー70は解錠可能であるが、他人の集配ロッカー70は解錠出来ないようにすることが出来る。例えば、基本パターンが1−3−2−1−3−2−1であり、ある個人の集配ロッカー70の錠前装置のタンブラー番号の組み合わせが1−3−2−1−0−0−0である場合、この集配ロッカー70を管理する個人の鍵10の鍵溝番号の組み合わせを、1−3−2−1−1−3−2等とする。この鍵10を用いて、タンブラー番号の組み合わせが1−3−2−1−0−0−0である錠前装置を備えた集配ロッカー70は解錠可能であるが、タンブラー番号の組み合わせが1−3−2−0−3−0−0である錠前装置を備えた集配ロッカー70は解錠出来ない。5番スロットに設けられた3番タンブラー40の係合を解除出来ないからである。
更に、上述の個人管理の鍵溝番号の組み合わせに対応する錠前装置が、個人管理の収納庫等に設けられた場合、個人は、集配ロッカー70用の鍵10を用いて個人の収納庫も解錠することが可能であるが、集配人は、個人管理の収納庫の解錠を行うことが出来ない。例えば、上述の鍵溝番号の組み合わせが1−3−2−1−1−3−2である鍵10を管理する個人は、タンブラー番号の組み合わせが1−3−2−1−1−3−2である錠前装置が設けられた個人用の収納庫を解錠することが可能であるが、集配人の管理する鍵10iの鍵溝番号の組み合わせは1−3−2−1−3−2−1であるため、集配人はこの収納庫の解錠を行うことが出来ない。
即ち、従来、上述のような集配システムを構築しようとした場合、集配人は集配ロッカーの数だけの鍵を管理する必要があり、また、集配人が個人用の収納庫を解錠出来ないようにするためには、集配ロッカーと個人用の収納庫の錠前装置を異なるものとする必要があり、各個人も複数の鍵を管理する必要があったところ、本実施形態に拠れば、集配人は一本の鍵10iで全ての集配ロッカー70が解錠可能であり、加えて、各個人も、集配ロッカー70と個人用の収納庫のために複数の鍵10を管理する必要の無いアクセス権管理システムを構築することが可能となる。
<アクセス権管理システム:マスターキー>
また、マスターキーの技術を利用することで、上述のアクセス権管理システムの全てを実施した上で、グループ、セキュリティレベル等に拘らず、アクセス権管理システムに属する全ての収納庫を解錠可能なマスターキーを提供することが可能となる。図16は、本実施形態におけるマスターキーに対応する錠前装置に設けられるタンブラーを示す図である。図16のa図及びb図は、1番から3番タンブラー40にマスターキーの鍵溝を読み取るマスターキー鍵溝読取部46を設けた様子を示す図である。マスターキーを採用する場合、本実施形態において利用される全ての錠前装置に、図16に示されるマスターキー鍵溝読取部46を有する1番から3番タンブラー40が設けられる。マスターキーは、通常の鍵10において鍵溝12が設けられている側面と反対の側面、即ち、本実施形態にお
いては、通常の鍵溝12は鍵10の挿入方向から見て右下に位置する側面に設けられるが、マスターキーの鍵溝は鍵10の挿入方向から見て左下に位置する側面に設けられる。
このような構成とすることにより、マスターキーを鍵孔に挿入したとき、マスターキー鍵溝読取部46がマスターキーの鍵溝で押圧され、1番から3番タンブラー40と係合溝31との係合が解除される。なお、本実施形態において、マスターキーの鍵溝は1番又は2番の深さを有し、マスターキー鍵溝読取部46は、1番又は2番の高さを有する。マスターキー用の鍵溝及び鍵溝読取部46は、通常の鍵溝12及び読取部45と同様に3段としてもよいし、他の段数を採用してもよい。鍵10及び錠前装置の耐久性等を考慮して、実施の形態により適宜決定されることが好ましい。
なお、0番タンブラー50は、鍵10が挿入されているといないとに拘らず、係合溝31と係合しないため、1番から3番タンブラー40と異なり、マスターキー鍵溝読取部46に類する構成を備える必要は無い。また、0番タンブラー50はマスターキーの挿入時においても、マスターキーの鍵溝番号に拘らず外筒30と係合しないことから、マスターキーについても、グループ利用やセキュリティレベルの設定を行い、複数の異なる鍵溝番号の組み合わせのマスターキーを階層的に管理することが可能である。
本実施形態に拠れば、挿入されている鍵10の有する鍵溝12のうち一部の鍵溝12の形状に拘わらず、外筒30と係合しない0番タンブラー50を備えることで、従来の錠前装置及び錠前装置を利用したアクセス権管理システムの使用感及びセキュリティ強度を保ったまま、管理すべき鍵10の本数を減らし、利便性を向上させることが可能となる。
<本発明を適用可能な鍵及び錠前装置>
図17は、鍵10の差込部11の他の実施形態を示す図である。差込部11は、鍵10の挿入方向に沿った四辺部A、B、C、Dに夫々異なる鍵溝番号の組み合わせを有することが可能である。四辺部A、B、C、Dのうち2つ以上の辺部に鍵溝12を設けることで、個人管理の鍵とマスターキーの併用鍵や、全く異なるタンブラー番号の組み合わせを持つ2つの錠前装置を解錠可能な併用鍵を提供することが可能となる。ここで、四辺部に設けられた鍵溝番号の組み合わせは、辺部A及び辺部Dについて同一、辺部B及び辺部Cについて同一である。このようにすることで、鍵の挿入時に鍵の上下を気にすることなく解錠可能な鍵を提供することが可能となる。但し、辺部Aと辺部Dとを異なる鍵溝番号の組み合わせとし、又は辺部Bと辺部Cとを異なる鍵溝番号の組み合わせとすることで、鍵の挿入時の上下によって異なる錠前装置を解錠可能としてもよい。
ここで、本発明に係る0番タンブラー50を備えた錠前装置は、これら複数の鍵溝番号の組み合わせを有する併用鍵についても適用可能である。このような鍵と本発明に係る錠前装置とを組み合わせることで、より複雑なアクセス権管理システムを構成することが可能となる。例えば、鍵の挿入方向から見て右下に読取部45を有する1番から3番タンブラー40と0番タンブラー50との組み合わせによる第一のアクセス権管理システムと、鍵の挿入方向から見て左下に読取部45を有する1番から3番タンブラー40と0番タンブラー50との組み合わせによる第二のアクセス権管理システムと、を構築することが可能である。鍵を管理する個人は、辺部A及び辺部Dに第一のアクセス権管理システムに対応する鍵溝12、辺部B及び辺部Cに第二のアクセス権管理システムに対応する鍵溝12を有する鍵を管理することで、2つの全く異なるアクセス権管理システムの夫々において、自己の有するアクセス権限に基づいた解錠を行うことが出来る。
<0番タンブラーの他の実施形態>
図18は、他の実施形態における0番タンブラーが内筒に設けられた状態の概略を示す図である。図18のa図に示す0番タンブラー50は、図3のd図及び図6に示す0番タ
ンブラー50と同様に、上部突起51、下部突起52、スプリング53、及び鍵10を通すための鍵挿通孔54を有する。ここで、図18のa図に示す0番タンブラー50は、スプリングの取り付け位置が1番から3番タンブラー40と同じであり、鍵10が挿入されていない状態で、上部突起51がスロット22の淵に係り、0番タンブラー50の上部が内筒20から突出している。即ち、鍵10が挿入されていない状態で、この0番タンブラー50の突出した部分が外筒30の係合溝31に係合することで、内筒20の回転を制限している。また、図18のa図に示す0番タンブラー50は、1番から3番タンブラー40と異なり、読取部を有さず、側部突起56を有する。側部突起56を有することで、0番タンブラー50は、挿入された鍵10の鍵溝12が1番から3番の何れであっても、鍵10の有する導入部15によってガイド溝14(図19を参照)の溝内に側部突起56が導入され、ガイド溝14の側部によって側部突起56が押圧されて内筒20内に適正な距離だけ引き込まれ、係合が解除される。
図18のb図に示す0番タンブラー50は、図18のa図に示す0番タンブラー50と同様に、上部突起51、下部突起52、スプリング53、及び鍵10を通すための鍵挿通孔54を有する。ここで、図18のb図に示す0番タンブラー50は、スプリングの取り付け位置が1番から3番タンブラー40と同じであり、鍵10が挿入されていない状態で、上部突起51がスロット22の淵に係り、0番タンブラー50の上部が内筒20から突出している。即ち、鍵10が挿入されていない状態で、この0番タンブラー50の突出した部分が外筒30の係合溝31に係合することで、内筒20の回転を制限している。また、図18のb図に示す0番タンブラー50は、1番から3番タンブラー40と異なり、読取部を有さず、底部突起57を有する。底部突起57を有することで、0番タンブラー50は、挿入された鍵10の鍵溝12が1番から3番の何れであっても、鍵10の有する鍵底部16(図19を参照)に底部突起57が押圧されて内筒20内に適正な距離だけ引き込まれ、係合が解除される。
実施形態において使用される鍵の概略を示す図である。 実施形態における錠前装置の概略を示す図である。 実施形態における1番から3番タンブラー及び0番タンブラーの概略を示す図である。 実施形態における1番から3番タンブラーが内筒に設けられた状態の概略を示す図である。 実施形態における1番から3番タンブラーが内筒に設けられた状態の概略を示す図である。 実施形態における0番タンブラーが内筒に設けられた状態の概略を示す図である。 本実施形態における鍵が挿入されていないときの内筒の状態及び鍵が挿入されているときの内筒の状態の概略を示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、グループ利用目的に用いる場合の概略を示す図である。 実施形態におけるノートPC保管庫の概略を示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、グループ利用目的に用いる場合の鍵の組み合わせを示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、セキュリティレベルの設定を目的に用いた場合の概略を示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、セキュリティレベルの設定を目的に用いた場合の鍵の組み合わせを示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、セキュリティレベルの設定を目的に用いた場合の鍵の組み合わせを示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、グループごとにセキュリティレベルを設定して利用することを目的に用いた場合の概略を示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、集配システムとして用いる場合の概略を示す図である。 実施形態におけるアクセス権管理システムを、集配システムとして用いた場合の鍵の組み合わせを示す図である。 実施形態におけるマスターキーに対応する錠前装置に設けられるタンブラーを示す図である。 鍵の差込部の他の実施形態を示す図である。 実施形態における0番タンブラーが内筒に設けられた状態の概略を示す図である。 鍵の差込部の他の実施形態を示す図である。
符号の説明
10 鍵
11 差込部
12 鍵溝
13 把持部
14 ガイド溝
15 導入部
16 鍵底部
20 内筒
21 鍵穴
22 スロット
23 移動体
24 係止溝
30 外筒
31 係合溝
32 係止片挿通孔
33 係止片
34 スプリング
40 1番から3番タンブラー
41 上部突起
42 下部突起
43 スプリング
44 鍵挿通孔
45 読取部
46 マスターキー鍵溝読取部
50 0番タンブラー
51 上部突起
52 下部突起
53 スプリング
54 鍵挿通孔
56 側部突起
57 底部突起
60 内筒交換用鍵

Claims (10)

  1. 鍵穴を有し、外筒内で回転することで解錠を行う内筒と、前記鍵穴に挿入される鍵の有する複数の鍵溝に対応する鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除する係合手段と、を備える第一の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第一のアクセス制限対象と、
    鍵穴を有し、外筒内で回転することで解錠を行う内筒と、前記鍵穴に挿入される鍵の有する複数の鍵溝に対応する鍵溝読取位置のうち一部の鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除する係合手段と、前記係合手段が設けられた一部の鍵溝読取位置を除く鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず前記外筒と係合しない非係合保持手段と、を備える錠前装置であって、前記第一の錠前装置の備える前記係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記非係合保持手段が設けられた第二の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第二のアクセス制限対象と、
    を備え、
    前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であること
    を特徴とするアクセス権管理システム。
  2. 前記第一のアクセス制限対象は個人用の収納庫であり、
    前記第二のアクセス制限対象は共用の収納庫であり、
    前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることで、前記個人用の収納庫にアクセス可能な複数の異なる鍵を用いて、共用の収納庫へのアクセスを可能とする、
    請求項1に記載のアクセス権管理システム。
  3. 鍵穴を有し、外筒内で回転することで解錠を行う内筒と、前記鍵穴に挿入される鍵の有する複数の鍵溝に対応する鍵溝読取位置のうち一部の鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除する係合手段と、前記係合手段が設けられた一部の鍵溝読取位置を除く鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず前記外筒と係合しない非係合保持手段と、を備える錠前装置を利用するアクセス権管理システムにおいて、
    前記錠前装置であって、所定の鍵を用いて前記係合手段による係合を解除することが可能な第一の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第一のアクセス制限対象と、
    前記錠前装置であって、前記第一の錠前装置の備える前記係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記非係合保持手段が設けられた第二の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第二のアクセス制限対象と、
    を備え、
    前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であること
    を特徴とするアクセス権管理システム。
  4. 前記第一のアクセス制限対象は、所定のセキュリティレベルが設定された収納庫であり、
    前記第二のアクセス制限対象は、前記所定のセキュリティレベルより低次のセキュリティレベルが設定された収納庫であり、
    前記第二の錠前装置の備える係合手段と、前記第一の錠前装置の備える係合手段のうち前記第二の錠前装置の備える係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置に設けられた係合手段とが、同一の形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることで、前記所定のセキュリティレベルが設定された収納庫にアクセス可能な複数の異なる鍵を用いて、前記所定のセキュリティレベルより低次のセキュリティレベルが設定された収納庫へのアクセスを可能とする、
    請求項3に記載のアクセス権管理システム。
  5. 鍵穴を有し、外筒内で回転することで解錠を行う内筒と、前記鍵穴に挿入される鍵の有する複数の鍵溝に対応する鍵溝読取位置のうち一部の鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除する係合手段と、前記係合手段が設けられた一部の鍵溝読取位置を除く鍵溝読取位置に設けられ、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず前記外筒と係合しない非係合保持手段と、を備える錠前装置を利用するアクセス権管理システムにおいて、
    前記錠前装置であって、所定の鍵を用いて前記係合手段による係合を解除することが可能な第一の錠前装置を有し、施錠によってアクセスが制限される第一のアクセス制限対象と、
    前記錠前装置であって、前記第一の錠前装置の備える前記係合手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記非係合保持手段が設けられ、前記第一の錠前装置の備える前記非係合保持手段が設けられた鍵溝読取位置と対応する鍵溝読取位置のうち一つ以上に前記係合手段が設けられた、第二の錠前装置を有し、施錠によって
    アクセスが制限される第二のアクセス制限対象と、
    を備え、
    前記第二の錠前装置の備える係合手段及び前記第一の錠前装置の備える係合手段が、前記アクセス権管理システムにおいて一意に定められた基本形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であること
    を特徴とするアクセス権管理システム。
  6. 前記第一のアクセス制限対象及び前記第二のアクセス制限対象は、夫々集配用の収納庫であり、
    前記第二の錠前装置の備える係合手段及び前記第一の錠前装置の備える係合手段が、前記基本形状の鍵溝によって係合を解除することが可能な係合手段であることで、前記基本形状の鍵溝を有し、集配人が管理する鍵を用いて、前記集配用の収納庫へのアクセスを可能とする、
    請求項5に記載のアクセス権管理システム。
  7. 前記係合手段は、弾性部材によって付勢されることで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって前記弾性部材による付勢の方向と反対方向に押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除するタンブラーであり、
    前記非係合保持手段は、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合しない状態であり、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず該鍵溝による押圧を受けないことで移動せず、前記外筒と係合しない状態を保持する擬似タンブラーである、
    請求項1から請求項6の何れかに記載のアクセス権管理システム。
  8. 前記係合手段は、弾性部材によって付勢されることで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって前記弾性部材による付勢の方向と反対方向に押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除するタンブラーであり、
    前記非係合保持手段は、弾性部材によって付勢されることで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵底部又はガイド溝によって前記弾性部材による付勢の方向と反対方向に押圧されることで移動し、前記外筒との係合を解除する擬似タンブラーである、
    請求項1から請求項6の何れかに記載のアクセス権管理システム。
  9. 前記係合手段は、弾性部材によって付勢されることで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合するとともに、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝によって前記弾性部材による付勢の方向と反対方向に押圧されることで該鍵溝の形状に応じて移動し、前記外筒との係合を解除するタンブラーであり、
    前記非係合保持手段は、前記タンブラーと同等の構成を有するタンブラーが設けられていないことで、前記鍵が挿入されていないときに前記外筒と係合しない状態であり、前記鍵が挿入されたときに該鍵の有する鍵溝の形状に拘わらず該鍵溝による押圧を受けないことで移動せず、前記外筒と係合しない状態を保持する、
    請求項1から請求項6の何れかに記載のアクセス権管理システム。
  10. 前記内筒の側面に設けられた係止溝と、
    鍵穴に挿入された内筒交換用鍵によって押圧されることで前記内筒から外筒方向へ前記係止溝内を移動する移動体と、
    を更に備え、
    前記内筒は、前記内筒交換用鍵が挿入されていない状態で、外筒に備えられた係止片が前記係止溝内に入ることによって外筒から取り外し不可能であり、前記内筒交換用鍵が挿
    入されている状態で、該内筒交換用鍵によって押圧されて移動した前記移動体によって前記係止片が係止溝から押し出されることで、外筒から取り外し可能であること
    を特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載のアクセス権管理システム。
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