JP7048070B2 - シリンダー錠およびその内筒 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダー錠およびその内筒に係り、特にピッキングによる不正な解錠を回避できるシリンダー錠およびその内筒に関する。
従来、施解錠の対象に固定された外筒と、この外筒の内部で、外筒に対して相対回転する内筒(シリンダー)とを有し、内筒の鍵穴に適合する鍵を挿入し回転させることで施解錠を行うシリンダー錠が知られている。そしてこのようなシリンダー錠では、鍵穴に適合する鍵以外の手段(例えば、工具など)でタンブラを強制的に移動させて内筒を外筒に対して相対回転させる不正解錠行為(所謂ピッキング)を防止するための技術も開発されている。その一例として、不正にタンブラが移動された場合に、外筒に設けた突起によって、タンブラの不正な移動を規制する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、シリンダー錠の一種として、内筒(シリンダー)の交換が可能な内筒交換式のシリンダー錠も広く知られている(例えば、特許文献2参照)。内筒交換式のシリンダー錠は、内筒を交換することによって、容易に施解錠の許可・不許可を変更できるため、鍵の紛失や、施解錠の対象(例えばオフィス機器など)の使用者が変わった場合などの防犯対策として優れている。
実用新案登録第3083612号 特開2014-74282号公報
しかしながら、内筒交換式のシリンダー錠にも適用可能なピッキングを防止する技術は、未だ検討の余地がある。例えば、特許文献1に記載の技術は、内筒の交換ができないシリンダー錠における技術であり、内筒と外筒によって、不正な解錠を規制する構成となっている。すなわち、従来のピッキング対策が施されていないシリンダー錠から交換するような場合には、施解錠の対象に固定された外筒を交換する必要が生じる。
特に、内筒交換式のシリンダー錠においては、本来、施解錠の対象に固定された外筒を交換する必要がない点に大きな優位性があるところ、上記のように内筒と外筒によって不正な解錠を規制する構成では、ピッキング対策のために外筒を交換しなければならず、本来の利点を活かせず、さらにコストや作業の手間がかかるという大きな問題があった。
本発明は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、シリンダー錠におけるピッキングを確実に防止するとともに、特に内筒交換式のシリンダー錠においては、安価且つ容易にピッキング対策を施すことが可能となるシリンダー錠及びそれに用いる内筒を提供することを目的とする。
本発明は、外筒と、前記外筒に対して相対回転可能な内筒と、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を禁止する施錠位置、および、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を許可する解錠位置の間を少なくともスライド可能な1つまたは複数のタンブラと、を有して構成されるシリンダー錠であって、少なくとも一つのタンブラは、移動規制溝を有し、前記内筒は、前記移動規制溝に係止可能な係止手段を備え、前記施錠位置においては、前記タンブラの係合部が前記外筒の係合溝に係合するように構成され、前記移動規制溝は、前記係合部に設けられる、ことを特徴とするシリンダー錠である。
また、本発明は、外筒と、前記外筒に対して相対回転可能な内筒と、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を禁止する施錠位置、および、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を許可する解錠位置の間を少なくともスライド可能な1つまたは複数のタンブラと、を有して構成されるシリンダー錠であって、少なくとも一つのタンブラは、移動規制溝を有し、前記内筒は、前記移動規制溝に係止可能な係止手段を備え、前記係止手段は、前記内筒の外周面付近に設けられる、ことを特徴とするシリンダー錠である。
また、本発明は、外筒と、前記外筒に対して相対回転可能な内筒と、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を禁止する施錠位置、および、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を許可する解錠位置の間を少なくともスライド可能な1つまたは複数のタンブラと、を有して構成されるシリンダー錠であって、少なくとも一つのタンブラは、移動規制溝を有し、前記内筒は、前記移動規制溝に係止可能な係止手段を備え、前記係止手段は、前記内筒の外周面に設けられる板状部材である、ことを特徴とするシリンダー錠である。

また、本発明は、上記シリンダー錠に用いられる内筒である。
本発明に係るシリンダー錠によれば、シリンダー錠におけるピッキングを確実に防止するとともに、特に内筒交換式のシリンダー錠においては、安価且つ容易にピッキング対策を施すことが可能となるという、優れた効果を奏し得る。
本実施形態にかかるシリンダー錠の概要図であり(a)外筒の正面図、(b)外筒の側面図、(c)内筒の側面図、(d),(e)鍵の平面図である。 本実施形態にかかるシリンダー錠の概要図であり、(a)、(b)内筒本体の外観斜視図、(c)、(d)タンブラの平面図である。 本実施形態にかかる内筒の概要図であり、(a)分解斜視図、(b)抜け止め板の平面図、(c)抜け止め板の側面図、(d)抜け止め板の断面図である。 本実施形態にかかる内筒の概要図であり、(a)上面図、(b)側面図、(c)断面図である。 本実施形態にかかるシリンダー錠のタンブラの動作を示す断面図である。 本実施形態にかかるシリンダー錠の他の例を示す側面図である。
以下、図面を用いて、本実施形態に係るシリンダー錠1について詳細に説明する。なお以下の実施形態で用いる図面は、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する場合がある。
<シリンダー錠>
図1は、本実施形態に係るシリンダー錠1を示す図であり、同図(a)は外筒30の正面図であり、同図(b)は外筒30の側面図であり、同図(c)は内筒の側面図であり、同図(d)および同図(e)は鍵10の概略を示す平面図である。
同図(a)~同図(c)に示すように、シリンダー錠1は、略円筒形状の外筒30と、この外筒30の内部に同軸的に配置される略円柱形状の内筒20と、を有する。
外筒30は、施解錠を行う対象(例えば、キャビネットやロッカー等)に固定される略円筒状の金属部材であり、内筒20を相対回転可能に保持する。
内筒20は、略円筒状の金属部材であり、軸方向に延びる鍵挿通孔(後述)を有し、その前方端部F(軸方向における一方の端部)である鍵穴から当該鍵挿通孔に適合する鍵10が挿入されると外筒30に対して相対回転し、後方端部R(軸方向における鍵穴25と逆側の端部)に接続したかんぬき部(不図示)などを回動させる。
かんぬき部は、施解錠を行う対象(例えば、キャビネットやロッカー等)の本体と係合して当該キャビネットやロッカー等の扉の開放を阻止および当該扉の開放を許可するように構成されている。つまり、内筒20は、この扉の開放を阻止する施錠位置と、扉の開放を許可する解錠位置との間で回転可能に構成されている。
内筒20は、内筒本体21と、複数のタンブラ40と、板状部材50と、タンブラ40の付勢手段(例えば、バネなどの弾性部材、ここでは不図示)を少なくとも含むユニットであり、内筒本体21には、軸方向に沿って複数のタンブラ(この例では板状のディスクタンブラ)40が収容されている。詳細は後述するが、複数のタンブラ40は、内筒(内筒ユニット)20の外周面(内筒本体21の外周面)に沿って配置された板状部材(抜け止め板)50によって内筒20からの離脱が阻止される。また抜け止め板50には開口部51が設けられており、タンブラ40はこの例では内筒20の径方向の両端部(同図(c)では上下方向の両端部)が開口部51を介して内筒20の内部(軸中心方向)と外筒30方向に進退するようにスライド可能となっている。
同図(a)に示すように、外筒30の内壁の対向する位置(同図(a)では上下に対向する位置)には、係合溝31が設けられており、内筒20からタンブラ40が進出して、その一部が係合溝31に係合すると(施錠位置に移動すると)外筒30に対する内筒20の相対回転が禁止され、タンブラ40が係合溝31から退行し、内筒20の内部に収容されると(解錠位置に移動すると)、外筒30に対する内筒20の相対回転が許可される。
また、本実施形態のシリンダー錠1は、内筒20が外筒30に対して交換挿入可能に構成されている、いわゆる内筒交換型のシリンダー錠1である。
同図(b)を参照して、例えば、内筒本体21の内部の後方端部R側(鍵穴の入り口から最も遠い位置)には、タンブラ40と軸方向に沿って並ぶ係止解除片(係止解除タンブラ)60が収容されている。また抜け止め板50の後方端部R側には係止解除孔52が設けられており、係止解除片60は当該係止解除孔52を介して、内筒20の内部(軸中心方向)と外筒30方向に進退するようにスライド可能となっている。
外筒30の内壁の係止解除片60に対向する位置(同図(c)では下側)には、例えば、係合溝31と同様の係止解除溝(不図示)が設けられており、内筒20から係止解除片60が進出して、係止解除溝に係合している場合は、内筒20の外筒30からの引き抜きが禁止され、係止解除片60が係止解除溝から退行すると、内筒20の外筒30からの引き抜きが許可される。
そして、同図(d)および同図(e)に示すように、或る1つのシリンダー錠1に対応する鍵10は、少なくとも同図(d)に示すシリンダー錠1の施解錠用の鍵(施解錠鍵10A)と、同図(e)に示す内筒の交換用の鍵(内筒交換鍵10B)を含んでいる。
鍵10は、把持部13と、差込部11とを有し、差込部11の側部(図では上下の側部)には、それぞれ不図示の鍵溝が刻まれている。鍵溝は、複数段階の深さのうち何れかの深さに形成されている。内筒交換鍵10Bは、施解錠鍵10Aと同じ鍵溝が形成され、その差込部11の先端は、施解錠鍵10Aよりも長く形成された延長部11aが設けられている。
図示は省略するが、内筒20(内筒本体21)に収容される係止解除片には、内筒交換鍵の延長部11aが挿入される延長部挿入孔が形成され、当該延長部挿入孔に延長部11aが挿入されると、係止解除片60が例えば同図(c)に示す上方に押し上げられるようになっている。つまり、内筒交換鍵10Bが鍵穴に挿入されると、その延長部11aが係止解除片60を押し上げ、係止解除片60が外筒30の係止解除溝から退行して係合が解除され、内筒20は外筒30から引き抜き得るようになる。
なお、内筒交換鍵10Bは、特定のシリンダー錠1に対応するものに限らず、マスターキーであってもよく、それによって、1つの鍵で複数のシリンダー錠1の施解錠をできるとともに、内筒20の交換や鍵10の管理をすることができる。
図2を参照して内筒本体21とタンブラ40について更に説明する。同図(a)は、前方端部F側から見た内筒本体21の外観斜視図であり、同図(b)は、後方端部R側から見た内筒本体21の外観斜視図であり、同図(c)及び同図(d)は、複数のタンブラ40の一例を示す平面図である。なお、内筒本体21とタンブラ40の縮尺は異なっている。
同図(a)、同図(b)に示すように、内筒本体21は、前方端部Fに鍵穴25が設けられ、略筒状部分には径方向に貫通するタンブラ収容部22と、係止解除片収容部23が設けられている。タンブラ収容部22は、複数のタンブラ40が互いに離間して配置されるように構成されている。また、後方端部Rにはかんぬき部(不図示)などが接続する接続部24が設けられる。
同図(c)、同図(d)に示すようにタンブラ40は例えば略矩形状の板状のタンブラ(ディスクタンブラ)であり、内筒20の径方向の一方の端部(ハッチングで示す図示の上端部、または下端部)が外筒30の係合溝31に係合する係合部41となっている。また、タンブラ40の略中央付近には、鍵10が挿通される鍵挿通孔42が設けられる。鍵挿通孔42は、適合する鍵10の軸方向(長手方向)に延びる鍵山のそれぞれに対応(当接可能な)形状となっており、鍵山の形状に応じて例えばタンブラ40毎に異なる形状となっている。
本実施形態のタンブラ40は、係合部41の幅方向の一端(内筒20に収納した場合の周方向の一端)に移動規制溝45を有している。移動規制溝45は例えば、内筒20(内筒本体21)の外周面に沿うように、係合部41の幅方向の一端からタンブラ40の中心方向に切り欠かれた溝である。後に詳述するが、移動規制溝45は、タンブラ40の不正な移動(具体的には、施錠位置から解錠位置の方向に向かう移動)があった場合に、解錠位置に達する以前に内筒20の外周付近に係止され、係合部41が外筒30の係合溝31から完全に離脱(退行)しないように、タンブラ40の移動を規制する。
なお、同図(c)及び同図(d)は、1つの内筒20に複数の形状(鍵挿通孔42の形状、移動規制溝45の位置)を有するタンブラ40があることを説明するためのものであり、タンブラ40の数と形状は同図の例に限らない。
また、係合部41および移動規制部45は1つのタンブラ40の上下両端部に設けられているが、内筒20に組み込まれた場合には、上端部または下端部のいずれか一方が係合部41および移動規制部45として使用される。
図3および図4は内筒(内筒ユニット)20を説明する図であり、同図(a)が分解斜視図であり、同図(b)が抜け止め板50の上面図であり、同図(c)が同図(b)を図示の下方から見た側面図であり、同図(d)が同図(b)のX-X線断面図である。なお、同図(a)においてタンブラ40は概略で示すが、詳細は図2(b)、同図(c)に示すタンブラ40と同様である。また、図4(a)は内筒20の上面図、同図(b)は側面図、同図(c)は図4(b)のY-Y線に相当する断面図である。
図3(a)に示すように、内筒本体21のタンブラ収容部22と係止解除片収容部23にはそれぞれ、タンブラ40と係止解除片60と、これらに対応する付勢手段(例えば、弾性部材)26が収容される。弾性部材26は、例えばコイルばねであり、タンブラ40と係止解除片60のそれぞれを内筒20から外筒30に向かう方向に付勢する。
鍵挿通孔42は、各タンブラ40の位置に対応する鍵10の鍵溝と当接するように設定され、鍵10が鍵挿通孔42に挿入されると、各タンブラ40は、対応する位置の鍵溝の深さに応じて、コイルばね26の付勢力に抗して内筒20内に引き込まれる。シリンダー錠1に適合する鍵10の場合、すなわち、全てのタンブラ40について内筒20内へのタンブラ40の引き込み量が適切な場合、タンブラ40の上方または下方の係合部41が何れも外筒30の係合溝31から退行し、内筒20(内筒本体21)内に収容される。つまり、タンブラ40の係合部41は、施錠位置から解錠位置に移動し、これによって、内筒20が外筒30に対して相対回転が可能となる。
一方、シリンダー錠1に対して不適合な鍵10が鍵穴25から挿入された場合、少なくとも1つのタンブラ40について内筒20内へのタンブラ40の引き込み量が適切ではなくなる。これにより、タンブラ40の係合部41と外筒30の係合溝31との係合状態が保たれ、内筒20の相対回転が規制(阻止)されたままになる。
なお、係止解除片60は、本実施形態のタンブラの一部であり、タンブラ40と同様にして係止解除片収容部23に収容される。
そして本実施形態では、抜け止め板50によって、各タンブラ40(係止解除片60も含む、以下同様)の内筒本体21からの離脱が阻止されている。従来より、例えばかしめなどによって内筒本体21の一部を変形させてタンブラの抜け止めとする方法などが知られているが、本実施形態では、内筒本体21の外周面に抜け止め板50を固定する。
抜け止め板50は、同図(b)~同図(d)に示すように、内筒本体21の外周面に沿う断面視略半円弧形状の板状部材であり、内筒本体21のタンブラ収容部22と係止解除片収容部23のぞれぞれに対応する位置に開口部51と、係止解除孔52が設けられている。開口部51と、係止解除孔52の円周方向の開口端部Tはいずれも、タンブラ40の肩部47(図2(c)、同図(d)参照)よりもタンブラ40(内筒本体21)の中心よりに位置している。また抜け止め板50の円周方向の両端には複数(この例では片側ずつ3本、計6本)の脚部53が設けられている。
図3(a)に示すように、内筒本体21には脚部53のそれぞれに対応した位置に固定用凹部27が設けられている。内筒本体21にタンブラ40とコイルばね26を収容した後、図4に示すように、径方向両側(図では上下)のタンブラ収容部22と係止解除片収容部23とを覆うように抜け止め板50を内筒本体21の外周(径方向の対向する位置、図では上下の対向位置)に当接させ、脚部53の先端を固定用凹部27に折り込むようにして、内筒本体21に抜け止め板50を固定する。
これにより、タンブラ40はその肩部47が開口部51と、係止解除孔52の開口端部Tに規制され、内筒本体21からの離脱が規制される。
また、本実施形態の抜け止め板50の一部、具体的には、抜け止め板50の開口端部Tは、タンブラ40の不正な移動があった場合に移動規制溝45に係止可能な係止手段55となる。すなわち、タンブラ40は、不正な移動があると、施錠位置から解錠位置に移動する間において、移動規制溝45に抜け止め板50の開口端部Tが係止されて、それ以降の移動が規制される。以下、これについて説明する。
<タンブラの動き>
図5は、シリンダー錠1が施錠されている状態において、ピッキングなどによってタンブラ40が不正な移動をする様子を示す断面図(図4(b)のY-Y線に対応する断面図)であり、同図(a)が施錠状態を示す図であり、同図(b)がタンブラ40が不正に移動される初期の状態を示す図であり、同図(c)がタンブラ40の移動が規制された状態を示す図である。
既述のように、タンブラ40は、外筒30に対する内筒20の相対回転を禁止する施錠位置、および、外筒30に対する内筒20の相対回転を許可する解錠位置の間をスライド可能に構成されている。同図(a)~同図(c)に示すように、タンブラ40の係合部41が外筒30の係合溝31から完全に退行していない場合、タンブラ40の係合部41と外筒30の係合溝31との係合状態が保たれる。すなわち、同図(a)~同図(c)のいずれの係合部41の位置も、施錠位置に含まれる。
一方、解錠位置は、係合部41が係合溝31から内筒20の内部(軸の中心方向)に退行し、係合部41の全体が内筒20の内部に収容されている位置をいう。すなわち、鍵挿通孔42に適合する鍵10が挿入されるとタンブラ40はコイルばね26の付勢力に逆らって押し下げられる結果、タンブラ40の係合部41が係合溝31から内筒20の内側(軸の中心方向)に引き込まれる。これにより内筒20と外筒30の係止が解除されて、内筒20が外筒30に対して相対回転が可能となる。すなわち、図2にハッチングで示す係合部41の全てが、内筒20の内側に位置した状態が、解錠位置にある状態である。
なお、同図では、タンブラ40の上方の係合部41が外筒30の内壁の上方に設けられた係合溝31と係合するように進退する場合を示しているが、複数のタンブラ40の一部は、タンブラ40の下方の係合部41が外筒30の内壁の下方に設けられた係合溝31と係合するように進退する(図1(c)参照)。
まず、図5(a)に示すように正常な施錠状態では、タンブラ40はコイルばね26によって上方の外筒30側に付勢され、正常な状態でタンブラ40の係合部41が係合溝31内に進入する。すなわち係合部41は施錠位置に位置し、係合部41と係合溝31の係合によって、外筒30に対する内筒20の相対回転が禁止されている。
シリンダー錠1が、いわゆるピッキングによって解錠される場合、工具などの差込みによって、同図(b)に示すように内筒20が僅かに解錠方向(同図では時計回りの方向)に回転する。すると、本来生じているタンブラ40と内筒本体21のクリアランスCなどによって、タンブラ40も僅かに姿勢が変化し、この結果、内筒20の内側に向けて移動する。これにより係合部41は、すなわち解錠位置(同図では下方)に向かって移動を開始する。
しかしながら、シリンダー錠1に適合する鍵10による解錠ではないため、同図(b)に示すように係合部41が解錠位置に移動する(内筒20内に収容される)ことなく、内筒20が回転することとなる。この結果、係合部41の回転方向の最前部(同図(b)では破線丸印で示す右端部)が外筒30(係合溝31)に当接し、逆方向(施錠方向、同図(b)では反時計回りの方向)に押し戻される。
これにより、同図(c)に示すように、タンブラ40の移動規制溝45に、抜け止め板50の開口端部Tが係止され、タンブラ40のそれ以上の移動(上下方向の移動)が規制される。本実施形態では、係合部41に移動規制溝45が設けられており、タンブラ40の係合部41が施錠位置にある状態で(解錠位置に移動する以前に)移動規制溝45に抜け止め板50の開口端部Tが係止されるため、外筒30と内筒20の係合状態が維持され、内筒20もそれ以上解錠方向へ(また施錠方向へも)回動することができない。このようにして、ピッキングによる不正な解錠を防止することができる。
なお、既に述べているように、正常な解錠動作(鍵挿通孔42に適合する鍵10による解錠動作)では、タンブラ40が正常に内筒20内に没入した後に内筒20が回転するため、移動規制溝45に抜け止め板50の開口端部Tが係止することはない。
以上、本実施形態では、内筒交換式のシリンダー錠1、特にタンブラ40がディスクタンブラである場合を例に説明したが、内筒20は、外筒30に対して交換挿入可能に構成されていないシリンダー錠1(タンブラ40がディスクタンブラであるもの)である場合であっても同様に適用できる。
この場合、図6に示すように、シリンダー錠1の例えば後方端部Rに、外筒30から内筒20が抜けることを規制する内筒の抜け止め部材Wを設ける。抜け止め部材Wは例えば、ナットW1、ワッシャーW2などであり、これらによって内筒20を外筒30に固定し、また抜け止め部材Wを外筒30から離脱させることで内筒20を外筒30から取り出すことができる。
このように、本実施形態によれば、タンブラ40の係合部41に設けた移動規制溝45を、内筒20に設けた係止手段(例えば、抜け止め板50の一部)55に係止させる構成としたので、外筒30の構成を用いることなく、内筒(内筒ユニット)20のみにおいて、不正な解錠を防ぐことができる。
従って、ピッキング対策が施されていない内筒交換式のシリンダー錠から交換するような場合において、施解錠の対象に固定された外筒を交換することなく、内筒(内筒ユニット)20のみの交換で、安価に且つ効率よくピッキング対策を施すことができる。
特に、内筒交換式のシリンダー錠1は、本来、施解錠の対象に固定された外筒を交換する必要がない点に大きな優位性があるところ、従来技術のように外筒の構成を利用する場合には外筒の交換が必須となってしまうが、本実施形態によれば、通常の内筒20の交換と同様な内筒20の交換のみでピッキング対策を施すことができる。
さらに、移動規制溝45に係止する係止手段55は、タンブラ40の内筒本体21からの離脱を規制する抜け止め板50の一部であるため、ピッキング対策として別途特有の部品を追加する必要がなく、部品点数の増加も回避できる。
このように、本実施形態によれば、簡便・容易かつ安価にピッキング対策を施すことができる。
以上、本発明のシリンダー錠1は上記の例に限らず、タンブラ40に設けられた当該移動規制溝45が内筒(内筒ユニット)20の一部に係止して、内筒(内筒ユニット)20のみによってタンブラ40の不正な移動が規制される構成であればよい。
例えば、移動規制溝45に係止する係止手段55は、抜け止め板50でなくてもよい。すなわち、タンブラ40の内筒20からの離脱を規制する手段との兼用でなくてもよい。例えば、従来のタンブラの抜け止め方法のように、内筒本体21の変形(かしめ)などによってタンブラ40の内筒本体21からの離脱が規制されていてもよく、この場合、タンブラ40が挿抜される内筒本体21の外周面の付近(抜け止め板50の開口部51に対応する付近)に板状部材を取り付けて係止手段55としてもよい。また、係止手段55を内筒本体21と一体的に成形してもよい。
また、移動規制溝45は、少なくとも1つのタンブラ40に設けられればよい。
また、タンブラ40に設けられた当該移動規制溝45が内筒(内筒ユニット)20の一部に係止して、タンブラ40の不正な移動が規制される構成であれば、移動規制溝45が設けられる位置は、係合部41に限らない。
また、タンブラ40の表裏を入れ替えての組み替えも可能である
また、シリンダー錠1の施解錠方式や内筒の交換方式などは、上記に限定されず、用途等に応じて種々適用可能である。
本発明にシリンダー錠は、机の引出しやキャビネット、ロッカー等の錠前等に利用することができる。
1 シリンダー錠
10 鍵
10A 施解錠鍵
10B 内筒交換鍵
11 差込部
11a 延長部
13 把持部
20 内筒
21 内筒本体
22 タンブラ収容部
23 係止解除片収容部
24 接続部
25 鍵穴
26 弾性部材
27 固定用凹部
30 外筒
31 係合溝
40 タンブラ
41 係合部
42 鍵挿通孔
45 移動規制溝
47 肩部
50 板状部材(抜け止め板)
51 開口部
52 係止解除孔
53 脚部
55 係止手段
60 係止解除片

Claims (7)

  1. 外筒と、
    前記外筒に対して相対回転可能な内筒と、
    前記外筒に対する前記内筒の相対回転を禁止する施錠位置、および、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を許可する解錠位置の間を少なくともスライド可能な1つまたは複数のタンブラと、を有して構成されるシリンダー錠であって、
    少なくとも一つのタンブラは、移動規制溝を有し、
    前記内筒は、前記移動規制溝に係止可能な係止手段を備え、
    前記施錠位置においては、前記タンブラの係合部が前記外筒の係合溝に係合するように構成され、
    前記移動規制溝は、前記係合部に設けられる、
    ことを特徴とするシリンダー錠。
  2. 外筒と、
    前記外筒に対して相対回転可能な内筒と、
    前記外筒に対する前記内筒の相対回転を禁止する施錠位置、および、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を許可する解錠位置の間を少なくともスライド可能な1つまたは複数のタンブラと、を有して構成されるシリンダー錠であって、
    少なくとも一つのタンブラは、移動規制溝を有し、
    前記内筒は、前記移動規制溝に係止可能な係止手段を備え、
    前記係止手段は、前記内筒の外周面付近に設けられる、
    ことを特徴とするシリンダー錠。
  3. 外筒と、
    前記外筒に対して相対回転可能な内筒と、
    前記外筒に対する前記内筒の相対回転を禁止する施錠位置、および、前記外筒に対する前記内筒の相対回転を許可する解錠位置の間を少なくともスライド可能な1つまたは複数のタンブラと、を有して構成されるシリンダー錠であって、
    少なくとも一つのタンブラは、移動規制溝を有し、
    前記内筒は、前記移動規制溝に係止可能な係止手段を備え、
    前記係止手段は、前記内筒の外周面設けられる板状部材である
    ことを特徴とするシリンダー錠。
  4. 前記係止手段は、前記タンブラが前記内筒から離脱することを防止する部材である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシリンダー錠。
  5. 前記内筒は、前記外筒に対して交換挿入可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のシリンダー錠。
  6. 前記タンブラは、不正な移動があると前記施錠位置と前記解錠位置の間において前記移動規制溝に前記係止手段が係止されて移動が規制される、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のシリンダー錠。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のシリンダー錠に用いられる内筒。
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