JP3917229B2 - 木材保存剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材の防腐及び防虫のために用いられる木材保存剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、住宅、建築物などの土木工業用材料や家具などの一般工業用材料などに使用される木材については、これら木材を腐朽、カビ、害虫、日光による焼けなどから保護することを目的として、木材保存剤で処理することが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、木材を木材保存剤で処理すると、処理時の隠蔽率が高いために、木材の表面が着色して、木材が本来有する色合い、質感などの外観を損ねるという不具合を生じる場合がある。
ことに、白木の木材などを木材保存剤で処理すると、白木の木目が木材保存剤で隠蔽されてしまい、木目の風合いを十分に活かした意匠を維持することが困難である。
【0004】
また、木材保存剤で処理しても、長期に亘る日光の照射を受けて、木材の表面には次第に焼けが生じると共に、木材保存剤の有効成分である木材防腐防カビ剤や木材防虫剤が除々に分解して、木材の腐朽や害虫による劣化を生じることがある。
そこで、本発明の目的は、木材が本来有する色合い、質感などの外観や風合いを活かした状態を維持できて、しかも、日光による劣化などを有効に防止しながら長期に亘り木材表面の美観を維持しうる木材保存剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、微粒子を含有した木材保存剤で木材を処理すると、木材表面の外観、風合いを損ねることなく、長期に亘り木材を保護できる知見を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)木材防腐防カビ剤(a)と、木材防虫剤(b)と、塗膜形成成分(c)と、微粒子(d)とを含有し、微粒子(d)が、酸化チタン、鉄含有酸化チタン、酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の無機微粒子であり、微粒子(d)の粒子径が、0.001〜0.1μmであることを特徴とする木材保存剤、
(2)木材防腐防カビ剤(a)が、トリアゾール系化合物及び/又はスルファミド系化合物である前記(1)記載の木材保存剤、
(3)木材防虫剤(b)が、ピレスロイド系化合物及び/又はネオニコチノイド系化合物である前記(1)記載の木材保存剤、
(4)塗膜形成成分(c)が、植物油又はアルキド樹脂である前記(1)記載の木材保存剤、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、木材防腐防カビ剤(a)としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート(慣用名:IPBC)、パラクロロフェニル−3−ヨードプロパギルホルマール(商品名:IF−1000、長瀬産業(株)製)、3−ブロモ−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボナート(商品名:サンプラス、(株)三共製)などの有機ヨード系化合物、例えば、1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、α−〔2−(4−クロロフェニル)エチル〕−α(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピル−エチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)、(1−〔{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル〕−イル−2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)などのトリアゾール系化合物、例えば、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N’−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド(商品名:コートサイドTW、武田薬品工業(株)製)、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−トリルスルファミド(商品名:プリベントールA5、バイエル製)などのスルファミド系化合物、その他、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリル(商品名:ノプコサイドN−96、サンノプコ(株)製)などが挙げられる。
【0007】
これらのうち、好ましくは、(1−〔{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル〕−イル−2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、α−〔2−(4−クロロフェニル)エチル〕−α(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)などのトリアゾール系化合物、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N’−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド(商品名:コートサイドTW、武田薬品工業(株)製)、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N’,N’−ジメチル−N−トリルスルファミド(商品名:プリベントールA5、バイエル製)などのスルファミド系化合物などが挙げられる。
【0008】
これらの木材防腐防カビ剤(a)は、1種又は2種以上併用してもよく、トリアゾール系化合物とスルファミド系化合物とを併用することが好ましく、具体的には、1−〔2−(2,4−ジクロロフェニル−4−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル〕−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)及び/又は(1−〔{2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル}メチル〕−イル−2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)と、N,N−ジメチル−N’−フェニル−(N’−フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド(商品名:コートサイドTW、武田薬品工業(株)製)とを併用することが、さらに好ましい。
【0009】
本発明において、木材防虫剤(b)としては、例えば、サイフルスリン、パーメスリン、トラロメスリン、フェンバレレート、エトフェンプロックス、Hoe−498、ビフェントリンなどのピレスロイド系化合物、例えば、イミダクロプリドなどのネオニコチノイド系化合物などが挙げられる。
これらのうち、好ましくは、サイフルスリン、イミダクロプリドなどが挙げられる。
【0010】
本発明において、塗膜形成成分(c)は、木材保存剤で処理された木材表面に塗膜を形成して木材を保護するものであって、この塗膜形成成分としては、例えば、あまに油、きり油、大豆油などの乾性油若しくは半乾性油などの植物油、例えば、ニトロセルロース、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂などの合成樹脂などが挙げられる。これらのうち、1液タイプで使用でき、しかも常温で乾燥する成分が好ましい。具体的には、乾性油若しくは半乾性油などの植物油やアルキド樹脂が好ましい。さらに好ましくは、アルキド樹脂である。
【0011】
本発明において、微粒子(d)は、本発明の木材保存剤中に分散して、木材保存剤を処理する際に可視光の透過性を向上させ得るものであって、酸化チタン、鉄含有酸化チタン、酸化亜鉛から選択される。
【0012】
これら微粒子(d)の粒子径は、0.001〜0.1μm、好ましくは、0.001〜0.05μmである。0.1μmより大きければ処理時の着色度が高くなり、処理された木材は、その木材が本来有する色合いや質感などの風合いを活かすことができない場合がある。また一方で、粒子径が小さければ処理時の着色度は低くなるが、0.001μmより小さくしても、処理された木材の風合いはさほど変わらない。
【0013】
尚、微粒子(d)の粒子径は、電子顕微鏡写真法により平均単一粒子径として求めることができる。
そして、本発明の木材保存剤は、上記した木材防腐防カビ剤(a)と、木材防虫剤(b)と、塗膜形成成分(C)及び微粒子(d)を配合することにより得られる。
【0014】
これらを配合する割合は、木材防腐防カビ剤(a)と、木材防虫剤(b)と、塗膜形成成分(C)と、微粒子(d)とを合わせた全重量中、木材防腐防カビ剤(a)が、0.01〜20重量%、好ましくは、0.5〜10重量%、木材防虫剤(b)が、0.001〜10重量%、好ましくは、0.01〜5重量%、塗膜形成成分(c)が、10〜95重量%、好ましくは、30〜80重量%、微粒子(d)が、0.1〜60重量%、好ましくは、0.5〜20重量%の範囲内において、適宜用いることができる。
【0015】
この配合は、溶剤を使用せずに調製して、本発明の木材保存剤を無溶剤タイプとして製剤化してもよいが、好ましくは、溶剤を用いて調製し、本発明の木材保存剤を、例えば、有機溶剤タイプ、有機溶剤エマルジョンタイプ、水性エマルジョンタイプなどの液剤として製剤化することが好ましい。
かかる溶剤としては、上記の各成分を溶解または分散し得るものであれば、特に制限されることはなく、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトールなどのエーテル類、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶剤、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、及び、石油系有機溶剤などが挙げられる。
【0016】
これら溶媒のうち、石油系有機溶剤が好ましく、この石油系有機溶剤は、主として石油留分より得られ、主成分中に酸素、窒素、硫黄などの原子を含まない炭化水素系の溶剤であり、市販されているものとして、例えば、ソルベッソ100(芳香族系溶剤、引火点46℃、蒸留範囲164〜176℃、エクソン化学(株)製)、ソルベッソ150(芳香族系溶剤、引火点63℃、蒸留範囲188〜209℃、エクソン化学(株)製)、エクソンナフサNo.5(脂肪族系溶剤、引火点42℃、蒸留範囲154〜197℃、平均分子量143、比重0.78、芳香族成分含有量18%、エクソン化学(株)製)、エクソンナフサNo.6(脂肪族系溶剤、引火点42℃、蒸留範囲154〜197℃、平均分子量148、比重0.79、芳香族成分含有量30%、エクソン化学(株)製)、サートレックス48(高沸点芳香族系溶剤、引火点124℃、蒸留範囲254〜386℃、モービル石油(株)製)、アルケンL(アルキルベンゼン、引火点140℃、蒸留範囲285〜309℃、日本石油化学(株)製)、ソルベッソ200(アルキルナフタレン、引火点100℃、蒸留範囲226〜286℃、エクソン化学(株)製)、KMC−113(ジプロピルナフタレン、引火点150℃、沸点300℃、呉羽化学工業(株)製)、ナフテゾールH(ナフテン、引火点112℃、蒸留範囲245〜283℃、日本石油化学(株)製)、エクソールD110(パラフィン/ナフテン混合溶剤、引火点107℃、蒸留範囲242〜264℃、エクソン化学(株)製)、SAS296(フェニルキシリルエタン、引火点150℃、蒸留範囲290〜305℃、日本石油化学(株)製)などが挙げられる。
【0017】
溶剤の使用量は、特に制限はないが、例えば、製剤化された木材保存剤中、5〜95重量%、好ましくは、30〜85重量%である。
さらにこの調製の際には、本発明の木材保存剤に、分散剤、体質顔料、金属ドライヤー、皮バリ防止剤などを配合することが好ましい。
前記の分散剤は、主として、木材保存剤中において微粒子(d)を均一に分散させるために配合されるものであり、具体的な例としては、例えば、高分子量不飽和ポリカルボン酸、ポリエーテル・ポリエステルカルボン酸塩、高分子ポリエステル酸ポリアミン塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量ポリエステル酸のアマイドアミン塩、長鎖ポリアミノアマイドと高分子ポリエステル酸の塩、リン酸エステル、リン酸エステル塩、高分子ポリエーテルなどが挙げられ、より具体的には、高分子量ポリカルボン酸の長鎖アミン塩(商品名:ディスパロン1830、楠本化成(株)製)、高分子量ポリカルボン酸のアルキルアミン塩(商品名:Anti−Terra−203、ビックケミー・ジャパン(株)製)、水酸基含有カルボン酸エステル(商品名:Disperbyk−107、ビックケミー・ジャパン(株)製)、長鎖ポリアミノアマイド極性酸エステルの塩(商品名:Disperbyk−101、ビックケミー・ジャパン(株)製)などが挙げられる。
【0018】
これら分散剤の使用量は、例えば、製剤化された木材保存剤中、0.01〜20重量%、好ましくは、0.1〜10重量%である。
前記の体質顔料は、主として、木材保存剤の物性を向上させたり、木材保存剤中において微粒子(d)の分散を助けるために配合されるものであり、具体的な例としては、例えば、炭酸カルシウム、シリカ粉、バライト粉、クレー、ベントナイト、レーキなどが挙げられる。
【0019】
好ましくは、シリカ粉が挙げられる。また、これらの体質顔料の使用量は、例えば、製剤化された木材保存剤中、0.05〜20重量%、好ましくは、0.5〜10重量%である。
前記の金属ドライヤーは、主として、植物油やアルキド樹脂などを塗膜形成成分として配合する場合に、樹脂の硬化を促進させるために配合されるものであり、具体的な例としては、例えば、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉛などのナフテン酸系金属ドライヤー、例えば、オクチル酸鉛、オクチル酸コバルト、オクチル酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウムなどのオクチル酸系金属ドライヤー、その他、トール脂肪酸系金属塩などが挙げられる。
【0020】
好ましくは、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ジルコニウムが挙げられる。また、これらの金属ドライヤーの使用量は、例えば、製剤化された木材保存剤中、0.001〜0.5重量%、好ましくは、0.01〜0.1重量%である。
前記の皮バリ防止剤は、主として、木材保存剤の保存中の酸化硬化を防止するために配合されるものであり、具体的な例としては、例えば、メチルエチルケトオキシム、ブチルアルドオキシムなどのオキシム系皮バリ防止剤、フェノールなどのフェノール系皮バリ防止剤、その他、グアヤコール、パイロカテコール、ジペンテン、オルトジクロルベンゾールなどが挙げられる。
【0021】
好ましくは、オキシム系皮バリ防止剤が挙げられる。また、これらの皮バリ防止剤の使用量は、例えば、製剤化された木材保存剤中、0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜2重量%である。
前記した液剤の調製は、例えば次のように行なわれる。先ず、塗膜形成成分(c)、微粒子(d)、分散剤、体質顔料及び溶剤を、前記した所定の割合において、羽根型攪拌機、ディスパー、ホモミキサーなどを用いて予備混合した後、サンドミル、ペブルミル、ディスクミルなどの分散機を用いて、これら混合物中に微粒子(d)を均一に分散させる。その後、この混合物に、木材防腐防カビ剤(a)、木材防虫剤(b)、金属ドライヤー及び皮バリ防止剤を添加し攪拌混合する。
【0022】
尚、分散機の種類、分散メディアの選定、最適分散条件の設定は重要であるが、例えば、ディスパーを用いて予備混合した後、竪型、横型のサンドミルで直径0.5mmのジルコニアビーズ、ガラスビーズを用いて行なうことが望ましい。さらに、本発明においてはその目的、用途等において、本発明の効果を阻害しない限度において、例えば、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、防錆剤、レベリング剤、消泡剤、つや消し剤、光安定剤などの公知の添加剤などを適宜添加してもよい。
【0023】
例えば顔料としては、例えば、カーボンブラック、チタン白、赤及び黄色の酸化鉄、アルミニウムなどの金属顔料、雲母顔料、雲母チタンなどのパール顔料、鱗片状酸化鉄顔料などの無機顔料、例えば、フタロシアニン青、フタロシアニン緑、アントラピリミジン黄、キナクリドン赤、ペリレン赤などの有機顔料などが挙げられる。好ましくは、無機顔料が挙げられ、また、これらの顔料の使用量は、例えば、製剤化された木材保存剤中、0.001〜20重量%、好ましくは、0.01〜10重量%、さらに好ましくは、0.1〜5重量%である。
【0024】
また、例えば紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、例えば、サリチル酸フェニル、p−t−ブチルサリシレートなどのサリチル酸系化合物、例えば、2−〔4−((2−ヒドロキシ−3−ジデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと2−〔4−((2−ヒドロキシ−3−トリデシルオキシプロピル)−オキシ)−2−ヒドロキシフェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンとの混合物(商品名:チヌビン400、日本チバガイギー(株)製)などのトリアジン系化合物、例えば、エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニル)−N’−(4−イソドデシルフェニル)などのシュウ酸アニリド系化合物、例えば、ビス−(1,2,2,6,6)−ペンタメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケートなどのヒンダードアミン系化合物などが挙げられる。
【0025】
これら紫外線吸収剤のうち、好ましくは、トリアジン系化合物が挙げられる。また、紫外線吸収剤の使用量は、例えば、製剤化された木材保存剤中、0.5〜5重量%程度である。
このようにして得られた本発明の木材保存剤は、その目的及び用途において、前記したように、無溶剤タイプ、有機溶剤タイプ、有機溶剤エマルジョンタイプ、水性エマルジョンタイプなどとして適宜、木材に処理される。木材に処理する方法としては、主として塗布法が用いられる。この際に、前記の種々のタイプに応じて公知の硬化剤を加えて塗布してもよく、また、必要に応じて加熱硬化させてもよい。さらに、本発明の木材保存剤を、2つに分けて使用することもできる。すなわち、一方を、木材防腐防カビ剤(a)と、木材防虫剤(b)と、塗膜形成成分(c)及び溶剤などからなる成分とし、他の一方を、塗膜形成成分(c)と微粒子(d)と溶剤などからなる成分として、各々の成分を別々に塗布してもよい。
【0026】
本発明の木材保存剤が適用される木材としては、住宅、建築物などの床、天井、壁などが挙げられ、さらに家具などの一般工業材料などが挙げられる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の木材保存剤を用いて木材を処理すると、木材が本来有する色合い、質感などの外観や風合いを活かした状態を維持できて、しかも、日光による劣化などを有効に防止しながら長期に亘り木材表面の美観を維持することができる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
実施例1
下記の組成及び割合において、先ず、ハリフタール764、タイペークTTO−F−2、ソルベッソ150、Disperbyk−101及びAEROSILR972をディスパーで予備混合した後、サンドミルを用いて、これら混合物中にタイペークTTO−F−2を均一に分散させた。その後、この混合物に、エクソンナフサNo.6、コートサイドTW、アザコナゾール、サイフルスリン、8%ヘキソエートコバルト、12%ヘキソエートジルコニウム及びメチルエチルケトオキシムを添加し、攪拌混合することにより本発明の木材保存剤を得た。
【0029】
実施例2
コートサイドTW1.0重量%及びアザコナゾール0.5重量%の代わりにノプコサイドN−96(サンノプコ(株)製)1.5重量%を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い本発明の木材保存剤を得た。
【0030】
実施例3
コートサイドTW1.0重量%及びアザコナゾール0.5重量%の代わりにコートサイドTW1.5重量%を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い本発明の木材保存剤を得た。
実施例4
コートサイドTW1.0重量%及びアザコナゾール0.5重量%の代わりにアザコナゾール1.5重量%を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い本発明の木材保存剤を得た。
【0031】
実施例5
2.5重量%のタイペークTTO−F−2の代わりに、2.5重量%のタイペークTTO−55(D)(酸化チタン、粒子径0.03〜0.05μm、石原産業(株)製)を用い、0.42重量%のDisperbyk−101の代わりに、0.42重量%のAnti−Terra−203(分散剤、ビックケミー・ジャパン(株)製)を用い、0.5重量%のアザコナゾールの代わりに0.5重量%のプロピコナゾールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の木材保存剤を得た。
【0032】
実施例6
2.5重量%のタイペークTTO−F−2の代わりに、2.0重量%のタイペークTTO−55(D)及び顔料として0.25重量%のトダカラー140ED(赤色酸化鉄、粒子径(BET法)0.21μm、戸田工業(株)製)、0.25重量%のトダカラーYELLOW48(黄色酸化鉄、針状結晶、戸田工業(株)製)を用い、0.42重量%のDisperbyk−101の代わりに、0.42重量%のディスパロン1830(分散剤、楠本化成(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の木材保存剤を得た。
【0033】
実施例7
2.5重量%のタイペークTTO−F−2の代わりに、2.0重量%のFINEX−50(酸化亜鉛、粒子径0.005 〜0.02μm、堺化学(株)製)及び顔料として0.5重量%のトダカラーYELLOW48を用い、0.42重量%のDisperbyk−101の代わりに、0.42重量%のディスパロン1830(分散剤、楠本化成(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の木材保存剤を得た。
【0034】
実施例8
2.5重量%のタイペークTTO−F−2の代わりに、2.5重量%のタイペークTTO−55(D)を用い、0.42重量%のDisperbyk−101の代わりに、0.42重量%のディスパロン1830(分散剤、楠本化成(株)製)を用い、そして、ソルベッソ150を37.0重量%から36.5重量%とし、また、エクソンナフサNo.6を37.0重量%から36.5重量%として、チヌビン400(トリアジン系紫外線吸収剤、日本チバガイギー(株)製)を分散終了後に1.0重量%添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の木材保存剤を得た。
【0035】
実施例9
2.5重量%のタイペークTTO−F−2の代わりに、2.5重量%のタイペークTTO−55(D)を用い、0.05重量%のサイフルスリンの代わりに、0.05重量%のイミダクロプリドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、本発明の木材保存剤を得た。
【0036】
実施例10
下記の組成及び割合において、先ず、あまに油、タイペークTTO−55(D)、ソルベッソ150、ディスパロン1830及びAEROSIL R972をディスパーで予備混合した後、サンドミルを用いて、これら混合物中にタイペークTTO−55(D)を均一に分散させた。その後、この混合物に、エクソンナフサNo.6、コートサイドTW、プロピコナゾール、サイフルスリン、8%ヘキソエートコバルト、12%ヘキソエートジルコニウム及びメチルエチルケトオキシムを添加し、攪拌混合することにより本発明の木材保存剤を得た。
【0037】
比較例1
下記の組成及び割合において、ハリフタール764をソルベッソ150及びエクソンナフサNo.6に溶解した後、コートサイドTW、アザコナゾール、サイフルスリン、8%ヘキソエートコバルト、12%ヘキソエートジルコニウム及びメチルエチルケトオキシムを添加し、攪拌混合することにより木材保存剤を得た。
【0038】
比較例2
下記の組成及び割合において、先ず、ハリフタール764、タイペークTTO−F−2、ソルベッソ150、Disperbyk−107、AEROSIL R972をディスパーで予備混合した後、サンドミルを用いて、これら混合物中にタイペークTTO−F−2を均一に分散させた。その後、この混合物に、エクソンナフサNo.6、8%ヘキソエートコバルト、12%ヘキソエートジルコニウム及びメチルエチルケトオキシムを添加し、攪拌混合することにより木材保存剤を得た。
【0039】
比較例3
2.5重量%のTTO−F−2の代わりに、顔料として2.5重量%のR−5N−2(チタン白、粒子径0.26μm、堺化学(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、木材保存剤を得た。
【0040】
試験例
1)試験板の作製
上記実施例1〜10及び比較例1〜3で得られた木材保存剤を杉板(柾目)(長さ、150mm、幅70mm、厚さ10mm)に刷毛(ポリエステル刷毛1号)を用いて0.5g塗布し、常温にて24時間乾燥させた後、同じく0.5g塗布し、常温にて7日間乾燥させた。
2)評価
上記のように作製された試験板について初期着色度、及び6ヵ月の屋外暴露試験後の耐候性、木材防腐防カビ剤の残存率及びカビ発生の有無について評価を行なった。
2−1 初期着色度
木材保存剤の塗布前の杉板のそれぞれについて、L,a,b値を色差計(日本電色工業(株)製Σ90型色差計)を用いて測定しておき、木材保存剤の塗布後に再度L,a,b値を測定して、測定前後における色差(ΔE値)を算出し、これを初期着色度とした。
2−2 屋外暴露試験
南側に面する30度傾斜の暴露試験台を用いて、前記した試験板について6カ月間の屋外暴露試験を行なった。
2−2−1 耐候性
屋外暴露試験前後のL,a,b値を測定して、色差(ΔE値)を算出した。
2−2−2 木材防腐防カビ剤の残存率
屋外暴露試験後の試験板の中心部を約30mm角に裁断し、ミクロトームを用いて表面より3mmの深さの薄片を調製し、この薄片から木材防腐防カビ剤をアセトニトリル溶剤を用いて抽出し、液体クロマトグラフィーにより木材防腐防カビ剤の残存率を求めた。
2−2−3 カビ発生
屋外暴露試験後の試験板に発生するカビの有無を目視にて判定した。
【0041】
目視判定の評価は以下の通りとした。
◎:目視による観察でカビの発生が全く見られないもの。
○:ごく一部ではあるが、僅かにカビの発生が見られるもの。
△:部分的にカビの発生が見られるもの。
×:試験板の全面にカビの発生が見られるもの。
【0042】
これらの結果を表1にまとめて示す。
【0043】
【表1】
【0044】
表1より、実施例は比較例に比べて、いずれも良好な結果を示していることがわかる。また、実施例の中でも、木材防腐防カビ剤について、トリアゾール系化合物とスルファミド系化合物とを併用した実施例1及び実施例5〜10は、カビの発生を有効に防止していることがわかる。
Claims (4)
- 木材防腐防カビ剤(a)と、木材防虫剤(b)と、塗膜形成成分(c)と、微粒子(d)とを含有し、
微粒子(d)が、酸化チタン、鉄含有酸化チタン、酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の無機微粒子であり、
微粒子(d)の粒子径が、0.001〜0.1μmであることを特徴とする木材保存剤。 - 木材防腐防カビ剤(a)が、トリアゾール系化合物及び/又はスルファミド系化合物である請求項1記載の木材保存剤。
- 木材防虫剤(b)が、ピレスロイド系化合物及び/又はネオニコチノイド系化合物である請求項1記載の木材保存剤。
- 塗膜形成成分(c)が、植物油又はアルキド樹脂である請求項1記載の木材保存剤。
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