JP2015137226A - 木材保存剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】防腐性能及び防蟻性能を有しつつ、金属部材の腐食と防水シートからの水の染み出しを防止し得る木材保存剤を提供すること。【解決手段】亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、水と、を混合して木材保存剤を製剤化することで、防腐性能及び防蟻性能を有しつつ、金属部材の腐食と防水シートからの水の染み出しを防止することができる。【選択図】なし
Description
本発明は、腐朽菌や生物から木材を保護する木材保存剤に関する。
従来、シロアリやキクイムシ等による食害を防ぐとともに、カワラタケやオオウズラタケ等による腐朽を防ぐための木材保存剤として、銅化合物を含有したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された従来の木材保存剤では、CCA(クロム・銅・ヒ素化合物系木材保存剤)のような有毒な重金属を用いることがないので、木材保存剤の低毒化が図られている。
また、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド系の木材保存剤も提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載された従来の木材保存剤では、木材への浸透性が高められている。
しかしながら、特許文献1に記載された従来の木材保存剤で注入処理を施した木材を住宅部材として使用した場合、雨水や結露水等の水に溶け出した銅イオンによって亜鉛メッキ鋼板等の金属部材が腐食してしまう可能性があった。
一方、特許文献2に記載された従来の木材保存剤では、木材への浸透性が高められているものの、防水シートがこの木材保存剤で注入処理を施した木材に接した状態で濡れてしまうと、木材保存剤中の界面活性剤、溶剤等の影響により水が染み出してしまうという不都合があった。
したがって、本発明の目的は、防腐性能及び防蟻性能を有しつつ、金属部材の腐食と防水シートからの水の染み出しを防止し得る木材保存剤を提供することにある。
本発明の木材保存剤は、亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、を含有することを特徴とする。
この際、本発明の木材保存剤では、前記亜鉛化合物が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、及び、グルコン酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
さらに、本発明の木材保存剤では、前記ポリアミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及び、ペンタエチレンヘキサミンからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
また、本発明の木材保存剤では、前記トリアゾール化合物が、プロピコナゾール、ヘキサコナゾール、シプロコナゾール、及び、テブコナゾールからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
さらに、本発明の木材保存剤では、前記防蟻剤が、ビフェントリン、エトフェンプロックス、イミダクロプリド、フィプロニル、クロチアニジン、シラフルオフェン、クロルフェナピル及び、ジノテフランからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
また、本発明の木材保存剤では、前記ポリアミンを1とした場合の前記亜鉛化合物及び前記2−エチルヘキサン酸の質量比が、順に0.0005〜0.5、及び、1.75〜2.75であることが好ましい。さらに、ポリアミンを1とした場合の亜鉛化合物の質量比が0.35〜0.5であることが好ましく、0.5以下のなるべく大きい値であることがより好ましい。尚、特許請求の範囲及び明細書における「〜」は、「以上」及び「以下」を表し、その前後の数値も含むものとする。
このような構成によれば、木材保存剤中に亜鉛化合物を完全に溶解させることができるとともに、防腐性能及び防蟻性能を向上させることができる。一方、亜鉛化合物の2−エチルヘキサン酸に対する割合が高すぎたり、亜鉛化合物や2−エチルヘキサン酸のポリアミンに対する割合が高すぎたりすると、亜鉛化合物を完全に溶解させることができずに未反応物が生成し、ロスが生じてしまう。また、亜鉛化合物の割合が低すぎると、防腐性能や防蟻性能が低下してしまう。
以上のような本発明によれば、亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、を含有することで、木材保存剤は、防腐性能及び防蟻性能を有しつつ、金属部材の腐食と防水シートからの水の染み出しを防止し得る。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の木材保存剤は、亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、水と、が必須構成成分であり、さらに必要に応じてその他の成分が含まれる。以下、本発明を各成分に分けて詳細に説明する。
<水>
本発明においては、後述する各主成分を安定的に溶解させた状態で維持するための溶剤として、水を用いる。このとき用いる水については、特に制限はなく、一般的な水道水、工業用水、地下水、純水、脱イオン水、河川水、湧き水等が問題なく使用できる。できるだけ不純物を含まない方が好ましいため、純水又は脱イオン水が好ましいが、水道水、工業用水又は地下水であっても使用には差し支えない。
本発明においては、後述する各主成分を安定的に溶解させた状態で維持するための溶剤として、水を用いる。このとき用いる水については、特に制限はなく、一般的な水道水、工業用水、地下水、純水、脱イオン水、河川水、湧き水等が問題なく使用できる。できるだけ不純物を含まない方が好ましいため、純水又は脱イオン水が好ましいが、水道水、工業用水又は地下水であっても使用には差し支えない。
<亜鉛化合物>
本発明で用いる亜鉛化合物は、無機亜鉛化合物であってもよいし有機亜鉛化合物であってもよく、特に限定されないが、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、及び、グルコン酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明で用いる亜鉛化合物は、無機亜鉛化合物であってもよいし有機亜鉛化合物であってもよく、特に限定されないが、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、及び、グルコン酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
<ポリアミン>
本発明で用いるポリアミンは、アミノ基を二つ以上備えた直鎖炭化水素を有するポリエチレンポリアミンであり、特に限定されないが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及び、ペンタエチレンヘキサミンからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明で用いるポリアミンは、アミノ基を二つ以上備えた直鎖炭化水素を有するポリエチレンポリアミンであり、特に限定されないが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及び、ペンタエチレンヘキサミンからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
<トリアゾール化合物>
本発明で用いるトリアゾール化合物は、トリアゾール基とクロロベンジル基とを有するものであり、特に限定されないが、プロピコナゾール、ヘキサコナゾール、シプロコナゾール、及び、テブコナゾールからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
本発明で用いるトリアゾール化合物は、トリアゾール基とクロロベンジル基とを有するものであり、特に限定されないが、プロピコナゾール、ヘキサコナゾール、シプロコナゾール、及び、テブコナゾールからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
<防蟻剤>
本発明で用いる防蟻剤は、ヒラタキクイムシやナガシンクイムシ、シバンムシ、シロアリ等の害虫から木材を保護するための一般的な防蟻剤であり、特に限定されないが、ピレスロイド系のビフェントリン、非エステルピレスロイド系のエトフェンプロックス及びシラフルオフェン、ネオニコチノイド系のイミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、フェニルピラゾール系のフィプロニル、並びに、フェニルピロール系のクロルフェナピルからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。尚、ネオニコチノイド系化合物とは、塩素原子置換含窒素複素環と、ニトロ置換イミノ基(C=N−NO2)含有化合物とが、2価の炭化水素基を介して結合している化合物である。
本発明で用いる防蟻剤は、ヒラタキクイムシやナガシンクイムシ、シバンムシ、シロアリ等の害虫から木材を保護するための一般的な防蟻剤であり、特に限定されないが、ピレスロイド系のビフェントリン、非エステルピレスロイド系のエトフェンプロックス及びシラフルオフェン、ネオニコチノイド系のイミダクロプリド、クロチアニジン、ジノテフラン、フェニルピラゾール系のフィプロニル、並びに、フェニルピロール系のクロルフェナピルからなる群より選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。尚、ネオニコチノイド系化合物とは、塩素原子置換含窒素複素環と、ニトロ置換イミノ基(C=N−NO2)含有化合物とが、2価の炭化水素基を介して結合している化合物である。
<その他の成分>
本発明の木材保存剤には、上記成分以外にも必要に応じ、処方内の安定性を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいても構わない。例えば、木材保存剤に慣用的に使用されているものであれば問題なく使用することができ、具体的には着色剤や香料等の任意成分を、防腐性能や防蟻性能を損なうことのない範囲内で適宜添加することが可能である。
本発明の木材保存剤には、上記成分以外にも必要に応じ、処方内の安定性を損なわない範囲で、その他の成分を含んでいても構わない。例えば、木材保存剤に慣用的に使用されているものであれば問題なく使用することができ、具体的には着色剤や香料等の任意成分を、防腐性能や防蟻性能を損なうことのない範囲内で適宜添加することが可能である。
<主成分の比率>
ポリアミンの木材保存剤全量に対する質量百分率は、0.1〜22質量%であることが好ましく、0.2〜20質量%であることがより好ましい。ポリアミンがこのような質量百分率であれば、亜鉛化合物トリアゾール化合物、防蟻剤が完全に溶解し、木材保存剤の安定性が保たれる。一方、ポリアミンが少なすぎると、亜鉛化合物が溶解せず、多すぎると、pHが高くなり、防蟻剤が分解してしまう。
ポリアミンの木材保存剤全量に対する質量百分率は、0.1〜22質量%であることが好ましく、0.2〜20質量%であることがより好ましい。ポリアミンがこのような質量百分率であれば、亜鉛化合物トリアゾール化合物、防蟻剤が完全に溶解し、木材保存剤の安定性が保たれる。一方、ポリアミンが少なすぎると、亜鉛化合物が溶解せず、多すぎると、pHが高くなり、防蟻剤が分解してしまう。
トリアゾール化合物の木材保存剤全量に対する質量百分率は、0.002〜4質量%であることが好ましく、0.00625〜2.5質量%であることがより好ましい。トリアゾール化合物がこのような質量百分率であれば、使用状況に応じた防腐性能が維持される。一方、トリアゾール化合物が少なすぎると、防腐性能が維持されず、多すぎると、トリアゾール化合物が溶解しない。
防蟻剤の木材保存剤全量に対する質量百分率は、0.0003〜3質量%であることが好ましく、0.0005〜1.92質量%であることがより好ましい。防蟻剤がこのような質量百分率であれば、使用状況に応じた防蟻性能が維持される。一方、防蟻剤が少なすぎると、防蟻性能が維持されず、多すぎると、防蟻剤が溶解しない。
また、ポリアミンを1とした場合の亜鉛化合物及び2−エチルヘキサン酸の質量比が、順に0.0005〜0.5、及び、1.75〜2.75であることが好ましい。このような質量比とすることで、亜鉛化合物を完全に溶解させることができる。さらに、ポリアミンを1とした場合の亜鉛化合物の質量比が0.35〜0.5であることが好ましく、0.5以下でなるべく大きい数値であることがより好ましい。このような質量比とすることで、木材保存剤の防腐性能及び防蟻性能を向上させることができる。
<調製方法>
本発明の木材保存剤は、既述の如き、主成分である亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、必要に応じてその他の成分と、を撹拌・混合して水に溶解させることで調製することができる。
本発明の木材保存剤は、既述の如き、主成分である亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、必要に応じてその他の成分と、を撹拌・混合して水に溶解させることで調製することができる。
このような本実施形態によれば、木材保存剤が亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、を含有することで、金属部材の腐食を防止し、防水シートからの水の染み出しを防止することができるとともに、防腐性能及び防蟻性能を向上させることができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。前記実施形態では、ポリアミン、トリアゾール化合物、及び、防蟻剤の木材保存剤全量に対する質量百分率を例示するとともに、ポリアミンに対する亜鉛化合物及び2−エチルヘキサン酸の質量比が順に0.0005〜0.5、及び、1.75〜2.75であることが好ましいとしたが、前記実施形態に示す成分、使用量、割合等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は前記実施形態により限定的に解釈されるべきものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<実施例1〜10>
下記表1に示す各成分を撹拌・混合して、実施例1〜10の各木材保存剤を調製した。尚、表1中の数値は全て質量基準である。
<実施例1〜10>
下記表1に示す各成分を撹拌・混合して、実施例1〜10の各木材保存剤を調製した。尚、表1中の数値は全て質量基準である。
<比較例1〜7>
下記表2に示す各成分を撹拌・混合して、比較例1〜7の各木材保存剤を調製した。尚、表2中の数値は全て質量基準である。
下記表2に示す各成分を撹拌・混合して、比較例1〜7の各木材保存剤を調製した。尚、表2中の数値は全て質量基準である。
<製剤化及び評価試験>
得られた実施例1〜10及び比較例1〜7の各木材保存剤について、製剤化の可否を検討するとともに以下に示す評価項目の各評価試験を行った。
得られた実施例1〜10及び比較例1〜7の各木材保存剤について、製剤化の可否を検討するとともに以下に示す評価項目の各評価試験を行った。
(1)製剤化の可否
実施例1〜10及び比較例1〜7の木材保存剤について、各成分が均一に混合され、亜鉛化合物が完全に溶解されるかどうかを評価した。その結果を、各木材保存剤における亜鉛化合物と2−エチルヘキサン酸とポリアミンとの質量比とともに表3に示す。
実施例1〜10及び比較例1〜7の木材保存剤について、各成分が均一に混合され、亜鉛化合物が完全に溶解されるかどうかを評価した。その結果を、各木材保存剤における亜鉛化合物と2−エチルヘキサン酸とポリアミンとの質量比とともに表3に示す。
実施例1〜10については亜鉛化合物が溶解し、製剤化することができた。一方、比較例1のように2−エチルヘキサン酸が少なすぎると、亜鉛化合物が完全には溶解しなかった。また、比較例2のように亜鉛化合物及び2−エチルヘキサン酸がポリアミンに対して多すぎても、亜鉛化合物が完全には溶解しなかった。さらに、比較例3のように亜鉛化合物が多すぎても、亜鉛化合物が完全には溶解しなかった。比較例4及び5のように2−エチルヘキサン酸以外のカルボン酸でも亜鉛化合物は溶解したが、比較例6のようにモノエタノールアミンでは亜鉛化合物が溶解しなかった。比較例7については、亜鉛化合物が溶解した。
(2)防水性
まず、実施例1〜10及び比較例4、5、及び、7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に準拠した方法で木材を注入処理した。この木材を水に漬けるとともにこの上に防水シートを置き、さらにこの上に適宜な重量の重りを載置して8時間静置した。その後、防水シートに付着した水を拭き取るとともに、12時間室内で乾燥させ、この防水シートの一方側の面に10khPaの水圧をかけた際に他方側の面から漏れ出る水滴の染み出し箇所の数を測定した。各木材保存剤で処理した木材をそれぞれ12サンプルずつ用意するとともに、木材保存剤で処理しない木材も12サンプル用意し、各サンプルに対して試験を実施した。この試験は、12サンプル全てにおいて水染み出し箇所が3箇所以下であることを合格基準とする。この結果を表4に示す。
まず、実施例1〜10及び比較例4、5、及び、7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に準拠した方法で木材を注入処理した。この木材を水に漬けるとともにこの上に防水シートを置き、さらにこの上に適宜な重量の重りを載置して8時間静置した。その後、防水シートに付着した水を拭き取るとともに、12時間室内で乾燥させ、この防水シートの一方側の面に10khPaの水圧をかけた際に他方側の面から漏れ出る水滴の染み出し箇所の数を測定した。各木材保存剤で処理した木材をそれぞれ12サンプルずつ用意するとともに、木材保存剤で処理しない木材も12サンプル用意し、各サンプルに対して試験を実施した。この試験は、12サンプル全てにおいて水染み出し箇所が3箇所以下であることを合格基準とする。この結果を表4に示す。
実施例1〜10の木材保存剤については、12サンプル全てにおいて水染み出し箇所が3箇所以下となり、合格基準を満たした。一方、2−エチルヘキサン酸に代えてプロピオン酸を含有した比較例4の木材保存剤では、12サンプル中5サンプルにおいて水染み出し箇所が4箇所以上となり、合格基準を満たさなかった。また、2−エチルヘキサン酸に代えてヘキサン酸を含有した比較例5の木材保存剤でも、12サンプル中3サンプルにおいて水染み出し箇所が4箇所以上となり、合格基準を満たさなかった。比較例7については、12サンプル全てにおいて水染み出し箇所が3箇所以下となり、合格基準を満たした。無処理の木材については、12サンプル全てにおいて水染み出し箇所が3箇所以下となり、合格基準を満たした。
(3)亜鉛腐食性
実施例1〜10及び比較例4、5、及び7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に準拠した方法で注入処理した木材に対し、亜鉛腐食性試験を実施した。即ち、この木材で溶融亜鉛メッキ鋼板(JIS規格におけるZ27)を挟んで固定し、この試験体を湿度97%に保ったデシケータに入れ、40℃に保った恒温器内で1ヶ月間保管した。尚、本試験における腐食度基準は次の通りとし、小数点以下第一位で中間状態を表す。また、この試験は、腐食度1以下を合格基準とする。この結果を表5に示す。
0:変化なし
1:変色又は白錆発生
2:亜鉛膜の剥がれ有(ただし、鉄素地の腐食なし)
3:微量の赤錆発生
4:概ね30%未満の赤錆発生
5:概ね30%以上の赤錆発生
実施例1〜10及び比較例4、5、及び7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に準拠した方法で注入処理した木材に対し、亜鉛腐食性試験を実施した。即ち、この木材で溶融亜鉛メッキ鋼板(JIS規格におけるZ27)を挟んで固定し、この試験体を湿度97%に保ったデシケータに入れ、40℃に保った恒温器内で1ヶ月間保管した。尚、本試験における腐食度基準は次の通りとし、小数点以下第一位で中間状態を表す。また、この試験は、腐食度1以下を合格基準とする。この結果を表5に示す。
0:変化なし
1:変色又は白錆発生
2:亜鉛膜の剥がれ有(ただし、鉄素地の腐食なし)
3:微量の赤錆発生
4:概ね30%未満の赤錆発生
5:概ね30%以上の赤錆発生
実施例1〜10の木材保存剤では腐食度が全て1.0以下となり、合格基準を満たした。一方、2−エチルヘキサン酸に代えてプロピオン酸を含有した比較例4の木材保存剤では、腐食度が3.5となり、2−エチルヘキサン酸に代えてヘキサン酸を含有した比較例5の木材保存剤では、腐食度が2.2となり、いずれも合格基準を満たさなかった。比較例7については、腐食度が0.5となり合格基準を満たした。また、無処理の木材については、腐食度が0.5となり、合格基準を満たした。
(4)防腐性能
実施例1〜10及び比較例4、5、及び、7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に規定された加圧注入処理用防腐性能試験の室内試験を実施した。この試験は、質量減少率3%以下を合格基準とする。この結果を表6に示す。
実施例1〜10及び比較例4、5、及び、7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に規定された加圧注入処理用防腐性能試験の室内試験を実施した。この試験は、質量減少率3%以下を合格基準とする。この結果を表6に示す。
実施例1〜10の木材保存剤では、質量減少率が3%以下となり合格基準を満たした。比較例4及び5のように、2−エチルヘキサン酸以外のカルボン酸を用いた木材保存剤でも亜鉛化合物及びトリアゾール化合物を含有していれば合格基準を満たした。一方、亜鉛化合物を充分に含有していてもトリアゾール化合物を含有しない比較例7の木材保存剤では、合格基準を満たさなかった。
(5)防蟻性能
実施例1〜10及び比較例4、5、及び、7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に規定された加圧注入処理用防蟻性能試験の室内試験を実施した。この試験は、質量減少率3%以下を合格基準とする。この結果を表7に示す。
実施例1〜10及び比較例4、5、及び、7の木材保存剤を水道水で100倍に希釈したものを用い、JISK1571に規定された加圧注入処理用防蟻性能試験の室内試験を実施した。この試験は、質量減少率3%以下を合格基準とする。この結果を表7に示す。
実施例1〜10の木材保存剤では、質量減少率が3%以下となり合格基準を満たした。比較例4及び5のように、2−エチルヘキサン酸以外のカルボン酸を用いた木材保存剤でも亜鉛化合物及び防蟻剤を含有していれば合格基準を満たした。一方、防蟻剤を含有しない比較例7の木材保存剤では、合格基準を満たさなかった。
Claims (6)
- 亜鉛化合物と、2−エチルヘキサン酸と、ポリアミンと、トリアゾール化合物と、防蟻剤と、を含有することを特徴とする木材保存剤。
- 前記亜鉛化合物が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、及び、グルコン酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の木材保存剤。
- 前記ポリアミンが、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、及び、ペンタエチレンヘキサミンからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の木材保存剤。
- 前記トリアゾール化合物が、プロピコナゾール、ヘキサコナゾール、シプロコナゾール、及び、テブコナゾールからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の木材保存剤。
- 前記防蟻剤が、ビフェントリン、エトフェンプロックス、イミダクロプリド、フィプロニル、クロチアニジン、シラフルオフェン、クロルフェナピル、及び、ジノテフランからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の木材保存剤。
- 前記ポリアミンを1とした場合の前記亜鉛化合物及び前記2−エチルヘキサン酸の質量比が、順に0.0005〜0.5、及び、1.75〜2.75であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の木材保存剤。
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