JP3916742B2 - 化粧枠 - Google Patents

化粧枠 Download PDF

Info

Publication number
JP3916742B2
JP3916742B2 JP31471897A JP31471897A JP3916742B2 JP 3916742 B2 JP3916742 B2 JP 3916742B2 JP 31471897 A JP31471897 A JP 31471897A JP 31471897 A JP31471897 A JP 31471897A JP 3916742 B2 JP3916742 B2 JP 3916742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
frame
sliding door
opening
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP31471897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11148267A (ja
Inventor
純 谷口
健治 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Misawa Homes Co Ltd filed Critical Misawa Homes Co Ltd
Priority to JP31471897A priority Critical patent/JP3916742B2/ja
Publication of JPH11148267A publication Critical patent/JPH11148267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3916742B2 publication Critical patent/JP3916742B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Door And Window Frames Mounted To Openings (AREA)
  • Support Devices For Sliding Doors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物躯体の開口部の開口面を化粧するとともに引戸を案内可能な化粧枠に関するものである。
【0002】
【先行技術】
図15は、従来の化粧枠の縦断面図を示すものであるこの化粧枠110は、建物の内部の開口部190に配置された二枚の引戸160を案内するものである。具体的には、この化粧枠110は、建物内部の開口部190の上部の壁111の下端面を覆って、引戸160の上部を案内する長尺状の木質材からなる鴨居120と、建物内部の開口部190の下部に位置して、引戸160の下部を案内する長尺状の木質材からなる敷居150とを備えているものである。この化粧枠110は、二つの和室、いわゆる続き間の間に形成されているものであって、これらの床には、畳195が形成されている。このように、この化粧枠110は、開口部190の上部に位置する鴨居120と、開口部190の下部に位置する敷居150とにより、二つの和室の間の引戸160を摺動可能に支持しているものである。
【0003】
前記壁111は、特に図示しないが、四角枠及びその四角枠内を覆う面材からなる壁パネル140と、この壁パネル140の両面の表面を覆う表面部材130とから形成されている。前記鴨居120は、平板状の横材であって、その下面には、二枚の引戸160を案内するための下方に向かって凹状に開口する上案内溝170が形成されている。そして、前記敷居150は、同様に平板状の横材であって、その上面には、二枚の引戸160を案内するための上方に向かって凹状に開口する下案内溝180が形成されている。そして、この下案内溝180の深さは、上案内溝170の深さよりも浅くなるように形成されている。これは、引戸160の取り外しを容易なものにするとともに、上案内溝170から引戸160の上端が外れるのを抑えて、引戸160が倒れるのを防止するために設定されているものである。
【0004】
また、特に図示しないが、引戸160の下部に戸車を形成するような場合は、下案内溝180の縦断面形状をV溝状に形成して、戸車がV溝状の左右の斜面において確実に保持されて摺動可能となるように形成する。そして、引戸160の上部に金属からなり、上方に向かって突出する突出片を形成するような場合は、上案内溝170の溝幅をかかる突出片の厚みに適応させて狭く形成し、引戸160の上部をがたつくことなく滑らかに案内することができるように形成する。
【0005】
一方、本願発明に関連のある技術として、PCT JP94/00351号(国際公開番号;WO94/20280号)に記載された「セルロース系微粉粒、木質様成形品および木質様製品」の技術について簡単に説明する。原料としてのセルロース材を粉砕して得た粉砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を固定させて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を混合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成形または射出成形により所望形状に成形する。すると、天然の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも手触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造方法及び木質様製品を提供することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の化粧枠110は、引戸160の下端に戸車を使用するような場合は、下案内溝180の形状をV溝状の戸車用のものに形成しなければならず、鴨居120用の上案内溝170と、敷居150用の下案内溝180との形状がそれぞれ異なり、鴨居120及び敷居150の本体となる部分の幅や、長手方向の長さは同一にも拘わらず、共通部材として形成することができず、製造コストがかかる上に、現場施工における部材の保存や管理が手間であるという第一の問題点があった。
【0007】
また、上記した従来の化粧枠110は、引戸160の上端と下端とで厚みが異なる場合や、上端のみに金属からなり上端を案内するための突出片を形成したような場合は、鴨居120及び敷居150の本体となる部分の幅や、長手方向の長さは同一にも拘わらず、溝形状が異なるため、共通部材として形成することができず、製造コストがかかる上に、現場施工における部材の保存や管理が手間であるという第二の問題点があった。
【0008】
また、上記した従来の化粧枠110は、引戸160の端面をフラットに形成してフラットな溝の上を滑るようにした場合と、引戸160の端面に戸車を形成してV字状の溝内を摺動可能とした場合とでは、下案内溝180の形状もそれに合わせてフラットな形状や、V溝状の形状に変更しなければならなかった。さらに、引戸160の種類が異なり、引戸160全体の厚みが異なる場合や、引戸160の端面に金属等からなり引戸160の端部を案内する突出片を形成するような場合は、引戸160をがたつくことなく滑らかに摺動させるために化粧枠110の溝幅もそれに合わせたものを必要とした。
【0009】
また、化粧枠110の上部と下部、いわゆる鴨居と敷居とでは、引戸160の取り外し易さ等を考慮して、引戸用溝40の溝の深さを異なるものに設定しなければならなかった。すなわち、引戸160の種類や形状が異なることにより、また、化粧枠110の取付位置により、溝形状の変更を必要とし、化粧枠110も異なる溝形状を有するものを別個に形成しなければならず化粧枠110の種類が多くなり、保存や管理に手間であるという第三の問題点があった。
【0010】
また、従来の化粧枠110において、化粧枠110の表面から内部に入り込んだ凹状やV溝状の溝を加工により形成する溝加工は、特殊な工作機械を使用して熟練した技術を必要とし、加工が容易ではないという第四の問題点があった。
【0011】
そこで、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する第一の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、化粧枠を、枠本体と戸車用の引戸用溝を有する調整部材とに分離し、枠本体を戸車の使用の有無に拘わらず共通して使用することができて、現場施工における部材の保存や管理を容易にすることができ、しかも固定部材の室内側に表面部材を固定することにより、表面部材に高品位の材質のものを使用し、固定部材に低品位の材質のものを使用して、材料原価を低減させることができる化粧枠を提供しようとするものである。
【0012】
請求項2記載の発明は、上記した従来の技術の有する第二の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、化粧枠を、枠本体と引戸用溝の幅を調整可能な調整部材とに分離し、枠本体を溝幅の異なる箇所にも共通して使用することができて、現場施工における部材の保存や管理を容易にすることができ、しかも固定部材の室内側に表面部材を固定することにより、表面部材に高品位の材質のものを使用し、固定部材に低品位の材質のものを使用して、材料原価を低減させることができる化粧枠を提供しようとするものである。
【0013】
請求項3記載の発明は、上記した従来の技術の有する第三の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、化粧枠の取付位置の違いや、引戸の種類や形状が異なることによる溝形状の変更にも対応することができ、しかも固定部材の室内側に表面部材を固定することにより、表面部材に高品位の材質のものを使用し、固定部材に低品位の材質のものを使用して、材料原価を低減させることができる化粧枠を提供しようとするものである。これに加え、請求項4記載の発明は、端部部材と中央部材の上面側の境界をレール溝内に設定したことにより、両者の境目が化粧枠の表面に露出せず、化粧枠の表面外観をスッキリとした一体感のある良好なものにすることができ、さらに、端部部材と中央部材とで外観色や模様を変えても、引戸を閉じた状態では、各室内側からは手前側と異なる外観色や模様を隠すことができて、室内外観を調和のある良好なものにすることができる化粧枠を提供しようとするものである。
【0014】
これに加え、請求項5記載の発明は、上記した従来の技術の有する第四の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特殊な工作機械や熟練した技術が不要で加工が容易な化粧枠を提供しようとするものである。
【0015】
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した目的を達成するためのものである。請求項1記載の発明は、建物躯体の開口部の開口面(11)を化粧するとともに引戸(50)を保持可能な化粧枠(10)であって、この化粧枠(10)は、建物躯体の開口部の開口面(11)に固定されるとともに引戸(50)をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝(40)を中央部に有する枠本体(20)と、前記引戸用溝(40)の形状を調整するために引戸用溝(40)の内部にはめ込まれる調整部材(30)とを備え、この調整部材(30)は、引戸(50)の下端面に取り付けた戸車(51)が摺動可能なレール溝(41)を有する戸車用溝調整部材(31)を備え、
前記枠本体は、建物躯体の開口部の開口面に固定された固定部材と、この固定部材の室内側に固定されて化粧する表面部材とを備え、この固定部材と表面部材とにより枠本体の側面には側方に開放された溝が形成されており、開口部の上側の建物躯体である垂れ壁の下面に固定された枠本体の側面に形成された前記溝には、垂れ壁と枠本体との間を覆うスライド部材が鋸歯状の凹凸部で係合固定されていることを特徴とする。
【0018】
本発明は、化粧枠(10)が、引戸用溝(40)を有する枠本体(20)と、前記引戸用溝(40)の形状を調整するための調整部材(30)とを備え、調整部材(30)には、戸車(12)が摺動可能なレール溝(40)を有する戸車用溝調整部材(31)を備えている。このため、引戸(50)の端部に戸車(51)を形成する場合(例えば敷居)と、戸車(51)を形成しない場合(例えば鴨居)とで、共通した枠本体(20)を使用して、調整部材(30)の有無により対応することができる。これにより、戸車(51)の使用の有無に影響されることなく、枠本体(20)は共通して同一のものを使用することができ、化粧枠(10)の種類を増やすことなく、化粧枠(10)の保存や管理を容易にすることができる。
また、固定部材 (21) は、その室内側の表面が表面部材 (22) により覆われているため、固定部材 (21) の表面が室内側から見えない。これにより、表面部材 (22) の材質に表面外観が良好な高品位のものを使用し、一方、固定部材 (21) の材質には、高品位の材質のものより表面外観はやや劣るが、材料の原価が高品位のものより安価な低品位の材質のものを使用することができる。したがって、表面の外観を良好に維持した状態で、材料原価を安くすることができる。
【0019】
請求項2記載の発明は、建物躯体の開口部の開口面(11)を化粧するとともに引戸(50)を保持可能な化粧枠(10)であって、この化粧枠(10)は、建物躯体の開口部の開口面(11)に固定されるとともに引戸(50)をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝(40)を中央部に有する枠本体(20)と、前記引戸用溝(40)の形状を調整するために引戸用溝(40)の内部にはめ込まれる調整部材(30)とを備え、この調整部材(30)は、引戸(50)の厚みに合わせて引戸用溝(40)の幅を調整するために引戸用溝(40)の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材(32)を備え、
前記枠本体は、建物躯体の開口部の開口面に固定された固定部材と、この固定部材の室内側に固定されて化粧する表面部材とを備え、この固定部材と表面部材とにより枠本体の側面には側方に開放された溝が形成されており、開口部の上側の建物躯体である垂れ壁の下面に固定された枠本体の側面に形成された前記溝には、垂れ壁と枠本体との間を覆うスライド部材が鋸歯状の凹凸部で係合固定されていることを特徴とする。
【0020】
なお、ここで、「引戸(50)の厚みに合わせて引戸用溝(40)の幅を調整するために」とあるのは、使用する引戸(50)の種類が異なることにより、引戸(50)全体の厚みが変更する場合や、引戸(50)の溝に入り込む部分のみが異なる場合、例えば、引戸(50)の端部に金属からなり突出する突出片(52)が形成されるような場合等を含むものである。
【0021】
本発明は、化粧枠(10)が、引戸用溝(40)を有する枠本体(20)と、前記引戸用溝(40)の形状を調整するための調整部材(30)とを備え、調整部材(30)には、引戸用溝(40)の幅を調整するために引戸用溝(40)の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材(32)を備えている。すなわち、溝幅調整部材(32)を引戸用溝(40)の幅方向に向かって形成したことにより、引戸用溝(40)の幅が埋まり、引戸(50)が摺動するための溝幅が調整される。このため、引戸(50)の端部の幅が異なり、かかる幅に合わせた溝幅が必要な箇所にも、溝幅調整部材(32)により対応することができる。これにより、溝幅の相違に影響されることなく、枠本体(20)は共通して同一のものを使用することができ、化粧枠(10)の種類を増やすことなく、化粧枠(10)の保存や管理を容易にすることができる。
また、固定部材 (21) は、その室内側の表面が表面部材 (22) により覆われているため、表面の外観を良好に維持した状態で、材料原価を安くすることができる。
【0022】
請求項3記載の発明は、建物躯体の開口部の開口面(11)を化粧するとともに引戸(50)を保持可能な化粧枠(10)であって、この化粧枠(10)は、建物躯体の開口部の開口面(11)に固定されるとともに引戸(50)をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝(40)を中央部に有する枠本体(20)と、前記引戸用溝(40)の形状を調整するために引戸用溝(40)の内部にはめ込まれる調整部材(30)とを備え、この調整部材(30)は、引戸用溝(40)の幅を調整するために引戸(50)の幅に合わせて引戸用溝(40)の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材(32)と、引戸用溝(40)の深さを調整するために引戸用溝(40)の高さ方向に向かって形成した溝深さ調整部材(33)と、引戸(50)の下端面に取り付けた戸車(51)が摺動可能なレール溝(41)を有する戸車用溝調整部材(31)とのいずれか一つを選択可能に形成され、
前記枠本体は、建物躯体の開口部の開口面に固定された固定部材と、この固定部材の室内側に固定されて化粧する表面部材とを備え、この固定部材と表面部材とにより枠本体の側面には側方に開放された溝が形成されており、開口部の上側の建物躯体である垂れ壁の下面に固定された枠本体の側面に形成された前記溝には、垂れ壁と枠本体との間を覆うスライド部材が鋸歯状の凹凸部で係合固定されていることを特徴とする。
【0023】
本発明は、化粧枠(10)を枠本体(20)と調整部材(30)とに分離し、溝幅調整部材(32)、溝深さ調整部材(33)及び戸車用溝調整部材(31)のいずれか一つを選択可能としている。このため、調整部材(30)として溝幅調整部材(32)を選択すると、溝幅調整部材(32)が引戸用溝(40)の幅方向に向かって形成され、引戸用溝(40)の幅を調整することができる。これにより、溝幅の相違に影響されることなく、枠本体(20)を共通して使用することができる。
そして、固定部材 (21) は、その室内側の表面が表面部材 (22) により覆われているため、表面の外観を良好に維持した状態で、材料原価を安くすることができる。
【0024】
また、調整部材(30)として溝深さ調整部材(33)を選択すると、溝深さ調整部材(33)が引戸用溝(40)の高さ方向に向かって形成され、引戸用溝(40)の溝深さを調整することができる。これにより、溝深さの相違に影響されることなく、枠本体(20)を共通して使用することができる。また、調整部材(30)として戸車用溝調整部材(31)を選択すると、戸車用溝調整部材(31)により戸車(51)が摺動可能なレール溝(41)を形成することができる。これにより、戸車(51)の使用の有無に影響されることなく、枠本体(20)を共通して使用することができる。
【0025】
上述したように、枠本体(20)を共通に使用して、複数の種類の機能を有する調整部材(30)を選択可能としたことにより、引戸(50)の種類や形状が異なることによる溝形状の変更にも調整部材(30)の変更により容易に対応することができ、化粧枠(10)の種類を増やすことなく、化粧枠(10)の保存や管理を容易にすることができる。
【0026】
請求項4記載の発明は、上記した請求項1または請求項3記載の特徴点に加え、戸車用溝調整部材(31)は、その長手方向に沿う両側端に位置する端部部材(60)と、この端部部材(60)の間に位置する中央部材(61)とを備え、端部部材(60)と中央部材(61)との上面側の境界は戸車(51)が摺動するレール溝(41)内に設定していることを特徴とする。
【0027】
なお、ここで、「境界」とは、端部部材(60)と中央部材(61)とが、それらの上面において互いに当接することにより形成される境目を意味するものである。本発明は、端部部材(60)と中央部材(61)との上面側の境界をレール溝(41)内に設定していることにより、両者の境界が化粧枠(10)の表面に露出せず、レール溝(41)の内部に隠れる。これにより、化粧枠(10)の表面外観をスッキリとした一体感のある良好なものにすることができる。さらに、端部部材(60)と中央部材(61)との上面側の境界をレール溝(41)内に設定したことにより、端部部材(60)と中央部材(61)とで両者の外観色や模様を異なるものに設定しても、引戸(50)を閉じた状態では、各室内側からは手前側と異なる外観色や模様を隠すことができる。これにより、端部部材(60)と中央部材(61)とを各室内に適応した外観色や模様に設定することができ、室内外観を調和のある良好なものにすることができる。
【0028】
請求項5記載の発明は、上記した請求項4記載の特徴点に加え、端部部材(60)は、レール溝(41)の側端側の斜面を形成する端部側レール斜面(62)を備え、中央部材(61)は、レール溝(41)の中央側の斜面を形成する中央側レール斜面(63)を備え、この中央側レール斜面(63)及び端部側レール斜面(62)を組み合わせることによりレール溝(41)を形成していることを特徴とする。
【0029】
本発明は、端部側レール斜面(62)と中央側レール斜面(63)とを組み合わせることにより、レール溝(41)を形成している。すなわち、各レール溝(41)は、V溝状に切削加工することにより形成するのではなく、平面状の斜面を組み合わせることにより、V溝状のレール溝(41)を形成している。このため、V溝状に溝加工するために特殊な工作機械を使用することなく、また、熟練した技術を必要とすることなく、斜面となる平面を形成するだけの加工作業で済み、加工作業を容易に行うことができる。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて、更に詳しく説明する。図1乃至図10は、本発明の第一の実施の形態を示すものであり、図1は化粧枠の縦断面図、図2は化粧枠の鴨居の縦断面図、図3は化粧枠の敷居の縦断面図、図4は固定部材の正面図、図5は表面部材の正面図、図6は端部部材の正面図、図7は中央部材の正面図、図8はスライド部材の正面図、図9は延出調整部材の正面図、図10は筒状調整部材の正面図をそれぞれ示す。
【0043】
まず、本実施の形態の構成について説明する。本実施の形態に係る化粧枠10は、建物躯体の和室14と洋室15との間の開口部16の開口面11を化粧するとともに引戸50を保持可能なものである。そして、この化粧枠10は、開口部16の上部に固定されて引戸50の上端を案内する鴨居12と、開口部16の下部に固定されて引戸50の下端を案内する敷居13とを備えている。なお、特に図示しないが、開口部16の上方には天井から下方に向かって垂れ下がった垂れ壁17が形成されており、この垂れ壁17は、四角枠状の枠材及びその枠を塞ぐ面材からなる壁パネルと、この壁パネルの和室14及び洋室15側のそれぞれの表面側に貼付された壁用表面部材とから形成されている。なお、床材は、和室14側には畳が形成され、洋室15側には木質合板からなるフローリング材が形成されている。そして、和室14側は室内全体の外観を木目を有する白っぽい白木調に統一されて形成され、洋室15側は室内全体の外観を木目を有する茶色系のもので統一されて形成している。
【0044】
前記化粧枠10は、建物躯体の室内間の開口部16の開口面11に固定されるとともに二枚の引違いの引戸50をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝40を中央部に有する枠本体20と、前記引戸用溝40の形状を調整するために引戸用溝40の内部にはめ込まれる調整部材30とを備えている。前記枠本体20は、建物躯体の開口部の開口面11に固定する固定部材21と、この固定部材21の各室内側に固定して化粧する二個の縦断面形状が略F字状の表面部材22とを備えている。そして、鴨居12の枠本体20の側縁には、枠本体20の側面を化粧するとともにスライド可能なスライド部材84が固定されている。
【0045】
前記調整部材30は、化粧枠10の敷居13に固定されて、引戸50の下端面に取り付けた戸車51が摺動可能なレール溝41を有する戸車用溝調整部材31と、化粧枠10の鴨居12に固定されて、引戸用溝40の幅を調整するために引戸50の幅に合わせて引戸用溝40の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材32とを備えている。すなわち、鴨居12及び敷居13として使用されている化粧枠10のうちで枠本体20は、鴨居12及び敷居13において共通して使用している。そして、枠本体20の引戸用溝40の内部にはめ込まれる調整部材30として溝幅調整部材32を選択することにより、鴨居12として使用され、戸車用溝調整部材31を選択することにより、敷居13として使用されているものである。
【0046】
具体的には、固定部材21は、全体形状が略平板状のものであって、この固定部材21は、ねじ等の締結部材44を介して建物躯体に固定するための締結固定部97と、引戸用溝40を形成する方の裏面側に位置してフラットな平面状のフラット面91と、前記表面部材22を係合するために室内側に向かって突出する係合突出部85と、前記スライド部材84を化粧枠10の側面に固定するための側面係合部87とを備えている。
【0047】
前記締結固定部97は、図4に示すように、固定部材21から室内側に向かって突出する二本の独立凸部83と、この独立凸部83の間に室内側に向かって切りかかれるとともにねじ等の締結部材44をねじ込み可能な溝状の締結用溝82とを備えている。そして、前記独立凸部83の反締結用溝82側の側面表面と、前記係合突出部85の外側側面と、前記側面係合部87の室内側の表面とには、縦断面形状が鋸歯状の凹凸部88が形成されている。また、締結固定部97の両側付近には、固定部材21を長手方向に沿って折取って使用する場合に、折り取り作業を容易にするための縦断面形状がV字状のV溝89が長手方向に沿って形成されている。また、このV溝89は、締結部材をこのV溝89の位置にねじ込む場合には、締結部材の先端の位置決めをすることができるように設定されているものである。
【0048】
前記表面部材22は、図5に示すように、固定部材21の係合突出部85が係合可能な係合溝92と、スライド部材84を係合するための側面係合部87とを備えている。そして、係合溝92の内面と、側面係合部87の表面とには、縦断面形状が鋸歯状の凹凸部88が形成されている。また、本実施の形態においては、引戸50により分割される和室14及び洋室15を構成する部材の色模様が和室14と洋室15とで異なるように形成されているが、前記表面部材22は、その色模様をそれらが面する部屋の色模様に対応させて形成している。すなわち、和室14側の表面部材22は、表面の外観色や模様が、白木調の全体が白っぽい木目調のものにより形成されてあり、洋室15側の表面部材22は、表面の外観色や模様が、洋室15側の周囲部材と同様の木目を有する茶色のものにより形成されている。
【0049】
前記スライド部材84は、図1、図2及び図8に示すように、固定部材21及び表面部材22の側面係合部87に固定されて、固定部材21のフラット面91と建物躯体の垂れ壁17の下端面とが当接する部分を覆うとともに、垂れ壁17の板厚方向にスライド可能に形成されているものである。なお、側面係合部87は、固定部材21及び表面部材22により溝状に形成されるものであって、化粧枠10の側縁に垂れ壁17の板厚方向に向かって開口し、その内面には、縦断面形状が鋸歯状の凹凸を有する凹凸部88が形成されているものである。前記スライド部材84は、側面係合部87にはめ込み可能に突出するスライド突出部93と、垂れ壁17の表面に当接するため垂れ壁17に向かって延設された縦断面形状が略L字状のスライド当接部94とを備えている。そして、スライド突出部93の表面には、側面係合部87の内面と同様に、縦断面形状が鋸歯状に凹凸を有する凹凸部88が形成されている。
【0050】
そして、スライド部材84は、スライド部材84の側面と、スライド部材84の下端面とからなる側面部材側角部95を有し、枠本体20は、表面部材22の垂直端面と、表面部材22の水平端面とからなる本体側角部96を有している。そして、化粧枠10には、かかる側面部材側角部95と、本体側角部96とを段差状に配置することにより化粧枠10の角部外観が良好な段差状角部99が形成されている。
【0051】
なお、特に図示しないが、敷居13の和室14側には、枠本体20の側面係合部87に固定される部材である畳寄せが形成され、この畳寄せと畳が当接するように形成されている。また、敷居13の洋室15側には、直接、フローリングの床材が当接するように形成されている。前記戸車用溝調整部材31は、引戸用溝40の長手方向に沿う両側端に位置する二個の端部部材60と、この端部部材60の間に位置する中央部材61とを備えている。そして、端部部材60と中央部材61との上面側の境界は戸車51が摺動するレール溝41内に設定している。前記端部部材60は、レール溝41の側端側の斜面を形成する端部側レール斜面62と、中央部材61にはめ込むために中央部材61側に向かって突出するはめ込み突出部64とを備えている。前記中央部材61は、レール溝41の中央側の斜面を形成する中央側レール斜面63と、端部部材60をはめ込むために端部部材60側に向かって開口するはめ込み溝部65と、枠本体20の固定部材21の締結固定部97に固定するために固定部材21の締結固定部97側に向かって開口する中央係合溝98とを備えている。前記中央側レール斜面63及び端部側レール斜面62を組み合わせることによりレール溝41を形成している。そして、はめ込み突出部64の外側面と、はめ込み溝部65の内側面とには、両者をはめ込んだ際に摩擦抵抗を高めるために縦断面形状が鋸歯状の凹凸部88が形成されている。そして、はめ込み突出部64をはめ込み溝部65の内部にはめ込むことにより端部部材60と中央部材61とが固定されている。また、中央係合溝98の内側面の一部には、係合突出部85の外側面に形成された凹凸部88に噛み込んで摩擦抵抗力を高めて容易に外れることを抑えるための凹凸部88が形成されている。そして、中央係合溝98の内部に締結固定部97がはめ込まれることにより、固定部材21と中央部材61とが固定されるように形成されている。
【0052】
また、端部部材60の端部側レール斜面62の下端には、垂直に立設する立設面66が形成され、その立設面66の下端からは水平方向に延びて中央部材61の中央側レール斜面63を形成する部分が載置される水平面67が形成されている。また、中央部材61の中央側レール斜面63の下端にも、同様の垂直に立設する立設面66が形成されている。これは、端部部材60と固定部材21とを組み合わせて、端部側レール斜面62と中央側レール斜面63とからレール溝41を形成した際に、その下端同士が互いに接触せずに、埃溜め68として使用可能な空間を形成することができるように設定されているものである。
【0053】
前記溝幅調整部材32は、鴨居12として使用されている化粧枠10の引戸用溝40の中央に長手方向に沿って固定されている延出調整部材35と、引戸用溝40の両側端に固定されている二本の四角筒状の筒状調整部材34とを備えている。溝幅調整部材32は、延出調整部材35と筒状調整部材34との間の隙間に引戸50の上面に固定された金属からなるL字状の突出片52が差し込まれ、長手方向に沿ってがたつくことなく滑らかに摺動することができるように形成されているものである。前記延出調整部材35は、図9に示すように、固定部材21の締結固定部97に固定するための縦断面形状が略コ字状のコ字状本体部39と、このコ字状本体部39の両側端から横方向に延びる縦断面形状が略L字状の延出部38とを備えている。そして、前記コ字状本体部39の固定部材21側には、固定部材21の締結固定部97を固定するために開口する溝状の中央係合溝37が形成されている。この中央係合溝37の内側面の一部には、締結固定部97の外側面に形成された凹凸部88と噛み合うためにそれと略同様の縦断面形状が鋸歯状の凹凸部88が形成されている。
【0054】
本実施の形態に係る化粧枠10は、主として樹脂を押出成形することにより得られる長尺状の押出成形品であって、その表面には木目模様を形成している。具体的には、化粧枠10は、樹脂と微粒子の木粉とを主材とする組成物よりなるものである。更に具体的には、この化粧枠10は、セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂を着色成形することによって木目模様を呈するように形成したものである。なお、製造方法は、押出成形に限定されるものではなく、例えば射出成形等の他の製法でも良いものである。そして、化粧枠10の材質も、樹脂や木粉を混合したものに限定されることなく、通常の化粧部材として使用できるようなものであれば、良いものであって、例えば、樹脂のみからなるものでも良く、また、木質材のみからなるものでも良いものである。
【0055】
次に、上記した実施の形態の作用及び効果について説明する。本実施の形態は、化粧枠10が、引戸用溝40を有する枠本体20と、前記引戸用溝40の形状を調整するための調整部材30とを備え、調整部材30には、戸車12が摺動可能なレール溝41を有する戸車用溝調整部材31を備えている。このため、引戸50の端部に戸車51を形成して敷居13として使用する場合と、戸車51を形成せずに鴨居12として使用する場合とで、調整部材30の有無により対応することができる。これにより、戸車51の使用の有無に影響されることなく、鴨居12と敷居13とで枠本体20は共通して同一のものを使用することができ、化粧枠10の種類を増やすことなく、化粧枠10の保存や管理を容易にすることができる。
【0056】
また、本実施の形態において、調整部材30には、引戸用溝40の幅を調整するために引戸用溝40の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材32を備えている。すなわち、溝幅調整部材32を引戸用溝40の幅方向に向かって形成したことにより、引戸用溝40の幅が埋まり、引戸50が摺動するための溝幅が調整される。このため、引戸50の端部の幅が異なり、かかる幅に合わせた溝幅が必要な箇所にも、溝幅調整部材32により対応することができる。すなわち、本実施の形態のように、引戸50の上端に突出片52を形成しても、溝幅の相違に影響されることなく、枠本体20は共通して同一のものを使用することができ、化粧枠10の種類を増やすことなく、化粧枠10の保存や管理を容易にすることができる。
【0057】
また、本実施の形態において、端部部材60と中央部材61との上面側の境界をレール溝41内に設定していることにより、両者の境界が化粧枠10の表面に露出せず、レール溝41の内部に隠れる。これにより、化粧枠10の表面外観をスッキリとした一体感のある良好なものにすることができる。したがって、引戸50を閉じた状態では、各室内側からは手前側と異なる外観色や模様を隠すことができる。これにより、室内外観を調和のある良好なものにすることができる。
【0058】
そして、本実施の形態は、端部側レール斜面62と中央側レール斜面63とを組み合わせることにより、レール溝41を形成している。すなわち、各レール溝41は、V溝状に切削加工することにより形成するのではなく、平面状の斜面を組み合わせることにより、V溝状のレール溝41を形成している。このため、V溝状に溝加工するために特殊な工作機械を使用することなく、また、熟練した技術を必要とすることなく、斜面となる平面を形成するだけの加工作業で済み、加工作業を容易に行うことができる。
【0059】
そして、本実施の形態は、枠本体20が、建物躯体に固定される固定部材21と、この固定部材21の室内側の表面に固定される表面部材22とから形成されている。すなわち、固定部材21は、その室内側の表面が表面部材22により覆われているため、固定部材21の表面が室内側から見えない。これにより、表面部材22の材質に表面外観が良好な高品位のものを使用し、一方、固定部材21の材質には、高品位の材質のものより表面外観はやや劣るが、材料の原価が高品位のものより安価な低品位のリサイクル材を使用することができる。したがって、表面の外観を良好に維持した状態で、材料原価を安くすることができる。
【0060】
そして、本実施の形態は、表面部材22の色模様を引戸50により分割される各部屋を構成する部材の外観色や模様に対応させて形成している。このため、各室内の外観色や模様に調和した表面部材22が配置されることとなり、各室内の外観と調和した化粧枠10を形成することができ、外観が良好な化粧枠10を得ることができる。
【0061】
そして、本実施の形態は、化粧枠10に木粉が含まれているため、化粧枠10の表面を手で触った感触が、木質感のあるものとなり、樹脂や塩化ビニル等の表面のツルッとした感触がなく、手にしっくりとなじむ木質特有の暖かみのある良好な手触り感を得ることができる。また、化粧枠10は、上述した材料から形成され、樹脂を有しているため、木質材と比較して、吸水性が小さく、吸湿による収縮も発生しない。これにより、木質材と比較して、反り難く、ねじれ難く、また、腐り難いという材料としての均一性に優れたものにすることができる。
【0062】
また、本実施の形態に係る化粧枠10は、「セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体を混合した樹脂」を形成している。このため、セルロース系材料の微粉末をそのままの状態で直接樹脂に混合して形成した場合に、微粉末の柔らかさや流動性の悪さに起因して、作業性の低下や、押出時の焼き付けの発生や、成形品がもろくなってしまうような悪影響を抑えることができる。これにより、流動性の向上を図れることができ、成形時の作業性を向上させることができる化粧枠10が得られる。
【0063】
さらに、セルロース系材料の微粉末と、樹脂のみでは、両者の特性や機能のみで最終成形品の樹脂の特性あるいは機能が決定されてしまうのに対して、成形品の特性をセルロース系材料の微粉末の表面に担持させた小径でかつ硬い微粉末の材料選択によって変更させることができる。すなわち、微粉末として、電気的特性、化学的特性、外観的特性あるいは耐熱性等の各種特性を有するものを選択使用することによって、その成形品である化粧枠10に対して各種特性を与えることができ、その特性を変化させることができる。
【0064】
また、本実施の形態に係る化粧枠10は、上述したような材質からなるため、その表面に木目模様を出すことができる。また、木質材料では原料となる天然木材の違いや、含有水分の違い等による品質のバラツキが発生するが上述したような材質からなる化粧枠10ではそのようなことがなく、製品のバラツキを抑えることができる。すなわち、上述した材料を用いて成形した成形品は、複雑な断面形状をなしていても木目模様を呈するので、室内の他の表面部材に木質材、またはそれに変わる木質感のあるものを使用した場合に、外観デザインを調和させる意味で、使用するのに適している。換言すれば、天然の木材を切削加工したのでは手間がかかるような断面形状の部材であっても、木目模様を呈する成形品として提供することができる。
【0065】
そして、「粉体を混合した樹脂」からなるため、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、仮に水分が付着しても水分を拭き取れば済み、メンテナンスを容易にすることができるものである。すなわち、手垢等の汚れがこの化粧枠10の表面に付着しても濡れ雑巾で掃除することができ、汚れを除去した後、水分をふき取れば良いものである。これにより、外観上は木目模様を呈することができて木製品と同様の外観を形成することができるが、耐水性に関しては木製品と比較してはるかに水に強い化粧枠10を提供できるものである。
【0066】
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。図11乃至13は、本発明の第二の実施の形態であって、図11は化粧枠の縦断面図、図12は溝深さ調整部材の正面図、図13は溝幅調整部材の正面図をそれぞれ示すものである。本実施の形態は、敷居13として使用している化粧枠10の引戸用溝40の内部の調整部材30に、引戸用溝40の深さを調整するための引戸用溝40の高さ方向に向かって形成した溝深さ調整部材33を使用している。また、鴨居12として使用している化粧枠10の引戸用溝40の内部の調整部材30には、引戸用溝40の幅を調整するために引戸50の幅に合わせて引戸用溝40の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材32が形成されている。この溝幅調整部材32は、横方向に延び出すような延出部38を有してなく、コ字状本体部39のみからなり、第一の実施の形態における延出調整部材35よりも狭い幅を有する狭幅調整部材36から形成されている。このように、調整部材30として、溝深さ調整部材33及び狭幅調整部材36を使用している点に特徴を有するものであり、その他の構成は、第一の実施の形態と略同様であって、同様の部分には、同一の部品番号を付与して説明を省略する。
【0067】
具体的には、溝深さ調整部材33の枠本体20側には、枠本体20の締結固定部97にはめ込み可能な中央係合溝42が形成され、この中央係合溝42の内面側の一部には、締結固定部97の凹凸部88と噛み合うために、それと同様の形状の縦断面形状が鋸歯状の凹凸部88が形成されている。そして、溝深さ調整部材33の室内側には、引戸用溝40の内部を長手方向に沿って仕切るために、引戸用溝40の内部の長手方向に沿って突出する仕切り部43が形成されている。そして、溝深さ調整部材33は、締結固定部97の締結部材44の操作頭部を隠すために締結固定部97の室内側表面を覆って、枠本体20の引戸用溝40の内部にはめ込まれている。
【0068】
次に、上記した実施の形態の作用及び効果について説明する。本実施の形態は、溝幅調整部材32として延出部38を有しない狭幅調整部材36を使用している。これにより、鴨居12の引戸用溝40の引戸50を摺動させる領域を延出調整部材35を使用する場合よりも広く使用することができる。すなわち、引戸50の上端に突出片52等を形成して、この突出片52が摺動するようなレール溝41を形成する必要がなく、引戸50の上端面を引戸用溝40の内部に直接、挿入して摺動させることができる。
【0069】
また、本実施の形態は、溝深さ調整部材33を使用して、敷居13の引戸用溝40の深さを浅い状態にすることができる。これにより、引戸用溝40の溝の深さを調整することができる。すなわち、敷居13側の溝深さを浅くし、鴨居12側の溝深さを深くすることができて、引戸50の取り外しが容易な上に、引戸50の上部が容易に外れることがなく、引戸50が倒れることを抑えることができる引戸用溝40を形成することができる。そして、本実施の形態では、溝深さ調整部材33及び狭幅調整部材36を使用することにより、引戸50に突出片52や戸車51を使用せずに引戸50の端面を直接、引戸用溝40の内部に挿入して滑らせて摺動するような化粧枠10を形成することができる。
【0070】
また、調整部材30として、狭幅調整部材36と溝深さ調整部材33とを選択して使用することが可能なため、調整部材30として狭幅調整部材36を使用すると鴨居12に使用することができ、調整部材30として溝深さ調整部材33を使用すると敷居13に使用することができる。これにより、同一形状の枠本体20を調整部材30の選択により、鴨居12と敷居13とのいずれにも使用することができ、使用する部材の共通化を図ることができ、製造コストの低減を図ることができる。また、共通した部材を使用することができるため、現場施工における部材の保存や、管理を容易なものにすることができる。
【0071】
次に、第三の実施の形態について説明する。図14は、本発明の第三の実施の形態であって、化粧枠の縦断面図を示すものである。本実施の形態は、鴨居12として使用している化粧枠10の調整部材30に、延出調整部材35のみを使用したものである。すなわち、第一の実施の形態のように、鴨居12の調整部材30に延出調整部材35と狭幅調整部材36との両方を使用せずに、延出調整部材35のみを使用することにより、鴨居12の引戸用溝40の幅を第一の実施の形態よりも広く、且つ第二の実施の形態よりも狭く設定したものである。その他の構成は、第一または第二の実施の形態と略同様であって、同様の部分には、同一の部品番号を付与して説明を省略する。
【0072】
本実施の形態は、溝幅調整部材32として、延出調整部材35のみを使用したことにより、鴨居12の引戸用溝40の溝の幅を第一の実施の形態より広く、かつ第二の実施の形態より狭く設定することができる。すなわち、溝幅調整部材32の部材を選択することにより、異なる溝幅の化粧枠10を別個に形成することなく、溝幅調整部材32以外は共通した部材を使用して溝幅の変化に対応することができ、化粧枠10の種類を増やさず、部材の保存や管理を容易にすることができる。
【0073】
上述した第一、第二及び第三の実施の形態で説明したように、第一乃至第三の実施の形態は、化粧枠10を枠本体20と調整部材30とに分離し、この調整部材30を溝幅調整部材32、溝深さ調整部材33及び戸車用溝調整部材31のいずれか一つを選択可能としている。このため、調整部材30として、溝幅調整部材32を選択すると、引戸用溝40の幅を調整することができ、溝深さ調整部材33を選択すると、引戸用溝40の溝深さを調整することができ、戸車用溝調整部材31を選択すると、戸車51が摺動可能なレール溝41を形成することができる。これにより、引戸用溝40の溝幅や、溝深さや、戸車51の使用の有無に影響されることなく、枠本体20は共通して使用することができる。すなわち、引戸50の種類や形状が異なることによる溝形状の変更にも調整部材30の変更により容易に対応することができ、化粧枠10の種類を増やすことなく、化粧枠10の保存や管理を容易にすることができる。
【0074】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1記載の発明によれば、化粧枠を、枠本体と戸車用の引戸用溝を有する調整部材とに分離し、枠本体を戸車の使用の有無に拘わらず共通して使用することができて、現場施工における部材の保存や管理を容易にすることができる化粧枠を提供することができる。
また、固定部材の室内側に表面部材を固定することにより、表面部材に高品位の材質のものを使用し、固定部材に低品位の材質のものを使用して、材料原価を低減させることができる化粧枠を提供することができる。
【0075】
請求項2記載の発明によれば、化粧枠を、枠本体と引戸用溝の幅を調整可能な調整部材とに分離し、枠本体を溝幅の異なる箇所にも共通して使用することができて、現場施工における部材の保存や管理を容易にすることができる化粧枠を提供することができる。請求項3記載の発明によれば、化粧枠の取付位置の違いや、引戸の種類や形状が異なることによる溝形状の変更にも対応することができる化粧枠を提供することができる。
また、請求項2及び3記載の発明においても固定部材の室内側に表面部材を固定することにより、表面部材に高品位の材質のものを使用し、固定部材に低品位の材質のものを使用して、材料原価を低減させることができる化粧枠を提供することができる。
【0076】
請求項4記載の発明によれば、端部部材と中央部材の上面側の境界をレール溝内に設定したことにより、両者の境目が化粧枠の表面に露出せず、化粧枠の表面外観をスッキリとした一体感のある良好なものにすることができ、さらに、端部部材と中央部材とで外観色や模様を変えても、引戸を閉じた状態では、各室内側からは手前側と異なる外観色や模様を隠すことができて、室内外観を調和のある良好なものにすることができる化粧枠を提供することができる。
【0077】
請求項5記載の発明によれば、特殊な工作機械や熟練した技術が不要で加工が容易な化粧枠を提供することができる。
【0078】
【0079】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態であって、化粧枠を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態であって、化粧枠の鴨居を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態であって、化粧枠の敷居を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態であって、固定部材を示す正面図である。
【図5】本発明の第一の実施の形態であって、表面部材を示す正面図である。
【図6】本発明の第一の実施の形態であって、端部部材を示す正面図である。
【図7】本発明の第一の実施の形態であって、中央部材を示す正面図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態であって、スライド部材を示す正面図である。
【図9】本発明の第一の実施の形態であって、延出調整部材を示す正面図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態であって、筒状調整部材を示す正面図である。
【図11】本発明の第二の実施の形態であって、化粧枠を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第二の実施の形態であって、溝深さ調整部材を示す正面図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態であって、溝幅調整部材を示す正面図である。
【図14】本発明の第三の実施の形態であって、化粧枠を示す縦断面図である。
【図15】従来の化粧枠を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 化粧枠 11 開口面
12 鴨居 13 敷居
14 和室 15 洋室
16 開口部 17 垂れ壁
20 枠本体 21 固定部材
22 表面部材 30 調整部材
31 戸車用溝調整部材 32 溝幅調整部材
33 溝深さ調整部材 34 筒状調整部材
35 延出調整部材 36 狭幅調整部材
37 中央係合溝 38 延出部
39 コ字状本体部 40 引戸用溝
41 レール溝 42 中央係合溝
43 仕切り部 44 締結部材
50 引戸 51 戸車
52 突出片 60 端部部材
61 中央部材 62 端部側レール斜面
63 中央側レール斜面 64 はめ込み突出部
65 はめ込み溝部 66 立設面
67 水平面 68 埃溜め
82 締結用溝 83 独立凸部
84 スライド部材 85 係合突出部
87 側面係合部 88 凹凸部
89 V溝 91 フラット面
92 係合溝 93 スライド突出部
94 スライド当接部 95 側面部材側角部
96 本体側角部 97 締結固定部
98 中央係合溝 99 段差状角部
110 化粧枠 111 壁
120 鴨居 130 表面部材
140 壁パネル 150 敷居
160 引戸 170 上案内溝
180 下案内溝 190 開口部
195 畳

Claims (5)

  1. 建物躯体の開口部の開口面を化粧するとともに引戸を保持可能な化粧枠であって、この化粧枠は、建物躯体の開口部の開口面に固定されるとともに引戸をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝を中央部に有する枠本体と、前記引戸用溝の形状を調整するために引戸用溝の内部にはめ込まれる調整部材とを備え、この調整部材は、引戸の下端面に取り付けた戸車が摺動可能なレール溝を有する戸車用溝調整部材を備え、
    前記枠本体は、建物躯体の開口部の開口面に固定された固定部材と、この固定部材の室内側に固定されて化粧する表面部材とを備え、この固定部材と表面部材とにより枠本体の側面には側方に開放された溝が形成されており、開口部の上側の建物躯体である垂れ壁の下面に固定された枠本体の側面に形成された前記溝には、垂れ壁と枠本体との間を覆うスライド部材が鋸歯状の凹凸部で係合固定されていることを特徴とする化粧枠。
  2. 建物躯体の開口部の開口面を化粧するとともに引戸を保持可能な化粧枠であって、この化粧枠は、建物躯体の開口部の開口面に固定されるとともに引戸をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝を中央部に有する枠本体と、前記引戸用溝の形状を調整するために引戸用溝の内部にはめ込まれる調整部材とを備え、この調整部材は、引戸の厚みに合わせて引戸用溝の幅を調整するために引戸用溝の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材を備え、
    前記枠本体は、建物躯体の開口部の開口面に固定された固定部材と、この固定部材の室内側に固定されて化粧する表面部材とを備え、この固定部材と表面部材とにより枠本体の側面には側方に開放された溝が形成されており、開口部の上側の建物躯体である垂れ壁の下面に固定された枠本体の側面に形成された前記溝には、垂れ壁と枠本体との間を覆うスライド部材が鋸歯状の凹凸部で係合固定されていることを特徴とする化粧枠。
  3. 建物躯体の開口部の開口面を化粧するとともに引戸を保持可能な化粧枠であって、この化粧枠は、建物躯体の開口部の開口面に固定されるとともに引戸をはめ込むために長手方向に沿って溝状に凹んだ引戸用溝を中央部に有する枠本体と、前記引戸用溝の形状を調整するために引戸用溝の内部にはめ込まれる調整部材とを備え、この調整部材は、引戸用溝の幅を調整するために引戸の幅に合わせて引戸用溝の幅方向に向かって形成した溝幅調整部材と、引戸用溝の深さを調整するために引戸用溝の高さ方向に向かって形成した溝深さ調整部材と、引戸の下端面に取り付けた戸車が摺動可能なレール溝を有する戸車用溝調整部材とのいずれか一つを選択可能に形成され、
    前記枠本体は、建物躯体の開口部の開口面に固定された固定部材と、この固定部材の室内側に固定されて化粧する表面部材とを備え、この固定部材と表面部材とにより枠本体の側面には側方に開放された溝が形成されており、開口部の上側の建物躯体である垂れ壁の下面に固定された枠本体の側面に形成された前記溝には、垂れ壁と枠本体との間を覆うスライド部材が鋸歯状の凹凸部で係合固定されていることを特徴とする化粧枠。
  4. 戸車用溝調整部材は、その長手方向に沿う両側端に位置する端部部材と、この端部部材の間に位置する中央部材とを備え、端部部材と中央部材との上面側の境界は戸車が摺動するレール溝内に設定していることを特徴とする請求項1または請求項3記載の化粧枠。
  5. 端部部材は、レール溝の側端側の斜面を形成する端部側レール斜面を備え、中央部材は、レール溝の中央側の斜面を形成する中央側レール斜面を備え、この中央側レール斜面及び端部側レール斜面を組み合わせることによりレール溝を形成していることを特徴とする請求項4記載の化粧枠。
JP31471897A 1997-11-17 1997-11-17 化粧枠 Expired - Fee Related JP3916742B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31471897A JP3916742B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 化粧枠

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31471897A JP3916742B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 化粧枠

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11148267A JPH11148267A (ja) 1999-06-02
JP3916742B2 true JP3916742B2 (ja) 2007-05-23

Family

ID=18056739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31471897A Expired - Fee Related JP3916742B2 (ja) 1997-11-17 1997-11-17 化粧枠

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3916742B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4187675B2 (ja) * 2004-03-17 2008-11-26 新日軽株式会社 下枠フラットサッシ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11148267A (ja) 1999-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3916742B2 (ja) 化粧枠
JP3844150B2 (ja) 化粧枠
JP4136108B2 (ja) 框材
JP3745131B2 (ja) 引き戸下レール
EP2166162B1 (de) Spülvorrichtung für ein Wasserklosett
JP3827036B2 (ja) 畳寄せ
JP3803989B2 (ja) 化粧枠
KR100406678B1 (ko) 창틀용 샤시의 코너 피스
JP3816622B2 (ja) カーテンレール構造及びカーテンレールの組立方法
JP3719829B2 (ja) 敷居溝部材及び敷居
AU2014100018A4 (en) Composite frame material
KR200239446Y1 (ko) 창틀용 샤시
JP2000145122A (ja) 見切り縁
JP2000210187A (ja) 長 押
JP3775614B2 (ja) 住宅部品の係合構造
KR20080004610U (ko) 주방 및 인테리어 도어용 장식테
JP4135165B2 (ja) 室内用家具
CN209959055U (zh) 组合门
JP3769374B2 (ja) 見切り部材
JP6950806B1 (ja) 樹脂部材
JP3185545B2 (ja) 框の製法
KR100425955B1 (ko) 인테리어용 몰딩재
JP3356977B2 (ja) 化粧枠及びその組立方法
JP3719840B2 (ja) 枠固定構造及びその組立方法
KR200345408Y1 (ko) 상감 장식편

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041101

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060912

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140216

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees