JP2000210187A - 長 押 - Google Patents

長 押

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JP2000210187A
JP2000210187A JP11016426A JP1642699A JP2000210187A JP 2000210187 A JP2000210187 A JP 2000210187A JP 11016426 A JP11016426 A JP 11016426A JP 1642699 A JP1642699 A JP 1642699A JP 2000210187 A JP2000210187 A JP 2000210187A
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JP
Japan
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long
rail member
room
long push
rail
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JP11016426A
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English (en)
Inventor
Akira Tokumura
晃 徳村
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Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物を掛けることができて、室内壁面の外観が
良好な長押を提供する。 【解決手段】 室内(12)の壁面(11)に横方向に固定され
る長押(10)であって、室内(12)の壁面(11)に固定される
長尺状の長押本体(20)と、この長押本体(20)の長手方向
に沿って長押本体下面(22)側に凹溝状のレール溝(31)を
有する長尺状のレール部材(30)と、このレール部材(30)
のレール溝(31)にスライド可能に係止されると共に、物
を掛けることができる短尺状のスライド部材(40)とを備
えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物を掛けること
ができる長押に関するものである。
【0002】
【先行技術】従来、長押は、柱を両側から挟んで、若し
くは片側だけに形成されて、釘等の締結部材で打ち付け
る横木であり、古くは構造材として使用されていたが、
次第に装飾的な要素が強くなってきているものである。
一方、図6は、従来の室内壁面に形成されるフック構造
の縦断面図を示すものである。
【0003】このフック構造は、室内170の壁面141に物
を掛けることができる鉤状のフック110を備えたもので
ある。このフック構造のフック110は、具体的には、壁
面141に横方向に沿ってねじ121により固定された縦断面
形状が略コ字状の長尺状のレール部材130と、このレー
ル部材130に沿って摺動可能であるとともに物を掛ける
ことができる鉤状で短尺状のフック本体部材120とを備
えている。このフック本体部材120は、レール部材130の
内部にはめ込まれてレール部材130の内部をスライド可
能なスライド部122と、このスライド部122から下方に縦
断面形状が略L字状に延設されて物を掛けることができ
るL字状鉤部123とを備えている。なお、このフック110
に掛ける物は特に限定されるものではなく、例えば、額
縁等を掛けるためのいわゆるピクチャーレールとして使
用しても良いし、また、ハンガー等を掛けて洋服等を吊
るしても良いものである。
【0004】一方、本願発明に関連のある技術として、
PCT JP94/00351号(国際公開番号;WO
94/20280号)に記載された「セルロース系微粉
粒、木質様成形品および木質様製品」の技術について簡
単に説明する。原料としてのセルロース材を粉砕して得
た粉砕粉を磨砕処理して嵩比重を高めた粉粒とし、この
粉粒の外周面に、該粉粒よりも小径でかつ硬い表面粒を
固定させて固定粒とし、この固定粒に樹脂及び顔料を混
合し、かつ溶融させ、その後または溶融と同時に押出成
形または射出成形により所望形状に成形する。すると、
天然の木の木目に極めて近い模様を表面に有し、しかも
手触り感等の風合いも天然の木に近い木質様製品の製造
方法及び木質様製品を提供することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したフッ
ク110は、室内170の壁面141の表面にレール部材130を固
定し、かかるレール部材130の全部が室内側に露出する
ため、壁面141の外観の見栄えが良くないという第一の
問題点があった。また、上記したフック110は、室内170
の壁面141から室内170側に向かって突出した構造のもの
が露出した状態となっているため、壁面141の近くを人
が移動する際には、室内170側に突出するL字状鉤部123
に移動する人の洋服等が引っかかる場合があり、大変、
邪魔であるという第二の問題点があった。
【0006】そこで、請求項1記載の発明は、上記した
従来の技術の有する第一の問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、物を掛けることがで
きて、室内壁面の外観が良好な長押を提供しようとする
ものである。これに加え、請求項2記載の発明は、吊り
下げた物を壁面の表面に沿って位置させることができ
て、物を安定した状態で吊り下げることができる長押を
提供しようとするものである。
【0007】これに加え、請求項3記載の発明は、レー
ル部材が室内側から邪魔にならず、室内側からの外観も
スッキリとしたものにすることができて外観が良好な長
押を提供しようとするものである。これに加え、請求項
4記載の発明は、上記した従来の技術の有する第二の問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするとこ
ろは、スライド部材が室内側から邪魔にならず、室内側
から見た外観もスッキリとしたものにすることができて
外観が良好な長押を提供しようとするものである。
【0008】これに加え、請求項5記載の発明は、木質
感を有し、木目模様を有して、外観が良好な上に成形性
が優れ、さらに、部材数の低減を図ることができる長押
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するためのものである。請求項1記載の発明は、
室内(12)の壁面(11)に横方向に固定される長押(10)であ
って、室内(12)の壁面(11)に固定される長尺状の長押本
体(20)と、この長押本体(20)の長手方向に沿って長押本
体下面(22)側に凹溝状のレール溝(31)を有する長尺状の
レール部材(30)と、このレール部材(30)のレール溝(31)
にスライド可能に係止されると共に、物を掛けることが
できる短尺状のスライド部材(40)とを備えたことを特徴
とする。
【0010】なお、ここで、「物を掛けることができ
る」とは、物を掛けることができるように、スライド部
材(40)の一部が、フック状、鉤状及びリング状等に形成
されていることを意味するものである。これにより、額
縁を吊すための紐等や、ハンガーのフック等をスライド
部材(40)に掛けることができるように形成されているも
のである。
【0011】また、「スライド可能に形成される」と
は、スライド部材(40)の一部がレール溝(31)の内部に入
り込むことにより、スライド部材(40)がレール溝(31)に
沿って長押(10)の長手方向に自由に移動可能に形成され
ているものである。さらに、「係止され」ていることに
より、スライド部材(40)に下方向の荷重が加わっても、
スライド部材(40)がレール溝(31)に引っかかった状態を
保持することができ、結果として、物を吊すことができ
るものである。
【0012】本発明に係る長押(10)は、長押本体(20)の
長手方向に沿って長押本体下面(22)側にレール部材(30)
と、このレール部材(30)にスライド可能に係止されるス
ライド部材(40)とを備えている。このため、長押本体(2
0)の長手方向の任意の位置にスライド部材(40)をスライ
ドさせて、そのスライド部材(40)に物を掛けることがで
きる。さらに、これらの部材は、長押本体下面(22)に位
置することとなるため、これらの部材が長押(10)とは別
個、独立に物を吊すための単独部材として形成される場
合と比較して、外観上、目立たなくすることができる。
そして、レール部材(30)を長押本体下面(22)に形成して
いるため、レール部材(30)及びこれに係止されるスライ
ド部材(40)を長押(10)の一部に目立たないように外観
上、組み込むことができる。これにより、レール部材(3
0)及びスライド部材(40)を長押(10)に外観上、融合させ
ることができ、室内(12)の外観の調和を乱すことなく、
全体として調和した室内外観にすることができ、室内(1
2)の壁面(11)の外観を良好なものにすることができる。
【0013】請求項2記載の発明は、上記した請求項1
記載の特徴点に加え、レール部材(30)は、長押本体(20)
の室内(12)の壁面(11)側に形成されていることを特徴と
する。本発明は、レール部材(30)が、長押本体(20)の室
内(12)の壁面(11)側に形成されている。このため、レー
ル部材(30)のスライド部材(40)に物を掛けた場合に、掛
けた物を室内(12)の壁面(11)に沿って配置することがで
きる。これにより、吊り下げた物を室内(12)の壁面(11)
に当接させることができて、吊り下げた物が風等により
揺動することを抑えて、安定した状態で吊り下げること
ができる。
【0014】請求項3記載の発明は、上記した請求項1
または請求項2記載の特徴点に加え、長押本体(20)は、
その下面から上方に向かって凹んだ凹状収納部(21)を備
え、この凹状収納部(21)は、その内部にレール部材(30)
を収納した状態で、レール部材(30)の下面が長押本体下
面(22)よりも上方に位置する深さに長押本体下面(22)か
ら凹んでいることを特徴とする。
【0015】本発明は、凹状収納部(21)が、その内部に
レール部材(30)を収納した状態で、レール部材(30)の下
面が長押本体下面(22)よりも上方に位置する深さに長押
本体下面(22)から凹んでいる。このため、凹状収納部(2
1)の内部にレール部材(30)を収納した状態で、レール部
材(30)が長押本体下面(22)から突出しない。これによ
り、物を掛けない場合には、室内(12)側からレール部材
(30)が全く邪魔にならない。また、長押本体(20)を室内
(12)側から見ても、レール部材(30)が露出せず、室内(1
2)側からの外観をスッキリとしたものにすることができ
て、長押(10)の外観を良好なものにすることができる。
【0016】請求項4記載の発明は、上記した請求項3
記載の特徴点に加え、凹状収納部(21)は、レール部材(3
0)にスライド部材(40)を係止した状態で、スライド部材
(40)の下端が長押本体下面(22)よりも上方に位置する深
さに長押本体下面(22)から凹んでいることを特徴とす
る。本発明は、凹状収納部(21)が、その内部のレール部
材(30)にスライド部材(40)を係止した状態で、スライド
部材(40)の下端が長押本体下面(22)よりも上方に位置す
る深さに長押本体下面(22)から凹んでいる。このため、
凹状収納部(21)の内部のレール部材(30)にスライド部材
(40)を係止させた状態で、スライド部材(40)が長押本体
下面(22)から突出しない。これにより、物を掛けない場
合には、室内(12)側からスライド部材(40)が邪魔になら
ず、室内(12)の壁面(11)の近くを歩行する人が、スライ
ド部材(40)にぶつかったり、歩行する人の洋服等がスラ
イド部材(40)に引っかかることも防止することができ
る。また、スライド部材(40)が長押本体下面(22)から突
出していないため、長押本体(20)を室内(12)側から見て
も、スライド部材(40)が室内(12)側に露出せず、室内(1
2)側からの外観をスッキリとしたものにすることがで
き、外観が良好な長押(10)を提供することができる。
【0017】請求項5記載の発明は、上記した請求項
1、請求項2、請求項3または請求項4記載の特徴点に
加え、長押本体(20)及びレール部材(30)は、一体物であ
って、セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よ
りも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体
を混合した樹脂を着色成形することによって木目模様を
呈するように形成したことを特徴とする。
【0018】なお、ここで、「一体物であって」とは、
長押本体(20)とレール部材(30)とが同一の部材からなる
一つの部材から形成されていることを含むものである。
また、ここで、「樹脂」とは、硬質樹脂、軟質樹脂を含
み、例えば塩化ビニル樹脂、発泡塩化ビニル樹脂、ポリ
エチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、
ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、ABS樹脂、ポリス
チレン樹脂等である。
【0019】また、ここで、「セルロース系材料」と
は、天然木材のほか、おがくず、稲藁、バガスなどを含
む。また、「微粉末よりも小径で、かつ固い微粉末」と
は、酸化チタン、フェライト、アルミニウム、ニッケ
ル、銀、セラミック、炭酸カルシウム等の微粉末をいう
ものである。
【0020】また、「樹脂を着色」する材料とは、有色
顔料であり、例えば酸化鉄、カドミウムイエロー、カー
ボンブラック等の無機顔料である。また、「樹脂を着色
成形することによって木目模様を呈する」とは、上述し
た顔料を使用して、樹脂自体を着色しているため、表面
のみではなく、内部にまで木目模様を呈するように形成
しているものである。これにより、長押本体(20)及びレ
ール部材(30)の表面が磨耗しても表面の木目模様が消え
ることがなく、良好な木目模様の外観を維持することが
できる。
【0021】本発明は、長押本体(20)及びレール部材(3
0)は、一体物から形成されている。このため、長押本体
(20)とレール部材(30)との二つの部材を別々に形成し、
両者を組み合わせて接着固定等する場合と比較して、か
かる固定作業を省略することができる。また、長押本体
(20)とレール部材(30)とを、別個、独立の部品から形成
する場合と比較して、部品の部材数の低減を図ることが
できて、各部品毎の管理や保管等の手間を省くことがで
き、製造コストを抑えることができる。
【0022】本発明は、「セルロース系材料の微粉末の
表面にこの微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持
させて作成した粉体を混合した樹脂」を形成している。
このため、セルロース系材料の微粉末をそのままの状態
で直接樹脂に混合して形成した場合に、セルロース系材
料の特徴でもある微粉末の柔らかさや流動性の悪さに起
因する作業性の低下や、押出時の焼き付けの発生や、成
形品がもろくなってしまうような悪影響を抑えることが
できる。これにより、流動性の向上を図れることがで
き、成形時の作業性を向上させることができる長押本体
(20)及びレール部材(30)が得られる。
【0023】さらに、セルロース系材料の微粉末と、樹
脂のみでは、両者の特性や機能のみで最終成形品の樹脂
の特性あるいは機能が決定されてしまうのに対して、成
形品の特性をセルロース系材料の微粉末の表面に担持さ
せた小径でかつ硬い微粉末の材料を選択することによっ
て変更させることができる。すなわち、かかる微粉末と
して、電気的特性、化学的特性、外観的特性あるいは耐
熱性等の各種特性を有するものを選択使用することによ
って、その成形品である長押本体(20)及びレール部材(3
0)に対して各種特性を与えることができ、その特性を変
化させることができる。
【0024】また、本発明に係る長押本体(20)及びレー
ル部材(30)は、上述したような材質からなるため、その
表面に木目模様を出すことができる。また、木質材料で
は原料となる天然木材の違いや、含有水分の違い等によ
る品質のバラツキが発生するが上述したような材質から
なる長押本体(20)及びレール部材(30)ではそのようなこ
とがなく、製品のバラツキを抑えることができる。すな
わち、上述した材料を用いて成形した成形品は、複雑な
断面形状をなしていても木目模様を呈するので、室内の
他の表面部材に木質材、またはそれに変わる木質感のあ
るものを使用した場合に、外観デザインを調和させる意
味で、使用するのに適している。換言すれば、天然の木
材を切削加工したのでは手間がかかるような断面形状の
部材であっても、木目模様を呈する成形品として提供す
ることができる。
【0025】そして、「粉体を混合した樹脂」からなる
ため、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、仮に水
分が付着しても水分を拭き取れば済み、メンテナンスを
容易にすることができるものである。すなわち、手垢等
の汚れがこの長押本体(20)及びレール部材(30)の表面に
付着しても濡れ雑巾で掃除することができ、汚れを除去
した後、水分をふき取れば良いものである。これによ
り、外観上は木目模様を呈することができて木製品と同
様の外観を形成することができるが、耐水性に関しては
木製品と比較してはるかに水に強い長押本体(20)及びレ
ール部材(30)を提供できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて、更に詳しく説明する。図1乃至図3は、本
発明の第一の実施の形態であって、図1は長押の縦断面
図、図2は長押の組立外観斜視図、図3はスライド部材
の外観斜視図をそれぞれ示すものである。
【0027】まず、本実施の形態の構成について説明す
る。本実施の形態に係る長押10は、柱の片側に形成され
て、室内12の壁面11に横方向に固定されるものである。
もちろん、特に図示しないが、柱を両側から挟み込むよ
うに二つ対面させても良いものである。この長押10は、
室内12の壁面11に固定される長尺状の木質の長押本体20
と、この長押本体20の長手方向に沿って長押本体下面22
側に凹溝状のレール溝31を有する長尺状のアルミ材から
なるレール部材30と、このレール部材30のレール溝31に
スライド可能に係止されると共に、物を掛けることがで
きる短尺状の樹脂からなるスライド部材40とを備えてい
る。
【0028】なお、ここで、スライド部材40に掛ける物
は、具体的には、額縁を吊すための紐であって、この長
押10は、いわゆる、ピクチャーレールとしての機能を有
するものである。もちろん、スライド部材40に吊り下げ
るものは、この額縁に限定されるものではなく、他の
物、例えば、ハンガーのフック等でも良いものである。
前記長押本体20は、その長手方向に沿って、室内12の壁
面11側に位置すると共に、長押本体下面22から上方に向
かって凹んだ凹状収納部21を備えている。そして、この
凹状収納部21の内部に前記レール部材30が、レール溝31
を下方に向けた状態ではめ込まれ、接着剤等により固定
されている。
【0029】前記レール部材30は、室内12の壁面11側に
形成された凹状収納部21にはめ込まれることにより、そ
れ自信も室内12の壁面11側に形成されている。そして、
このレール部材30の下面側に開口するレール溝31は、そ
の縦断面形状が略T字状に形成されている。また、レー
ル溝31の長手方向の両端は、スライド部材40を挿入可能
とするために長手方向の両端側に向かって開口した状態
に形成されている。
【0030】前記スライド部材40は、レール溝31のT字
状の内部に水平状態で挿入される平板状のスライド部41
と、このスライド部41の中央下面から下方に延びてレー
ル部材30の下方に開口するレール溝31から下方に突出す
る縦断面形状が略L字状のL字状鉤部42とを備えてい
る。なお、このスライド部材40の材質は、樹脂から形成
されているが、特にこれに限定されることはなく、レー
ル部材30と同様のアルミ材等の金属から形成されていて
も良いものである。
【0031】前記長押本体20の凹状収納部21は、その内
部にレール部材30を収納した状態で、レール部材30の下
面が長押本体下面22よりも上方に位置するような深さに
長押本体下面22から凹んでいる。さらに、凹状収納部21
は、レール部材30にスライド部材40を係止した状態で、
スライド部材40の下端が長押本体下面22よりも上方に位
置するような深さに長押本体下面22から凹んでいる。
【0032】次に、上記した実施の形態の作用及び効果
について説明する。本実施の形態に係る長押10は、長押
本体20の長手方向に沿って長押本体下面22側にレール部
材30と、このレール部材30にスライド可能に係止される
スライド部材40とを備えている。このため、長押本体20
の長手方向の任意の位置にスライド部材40をスライドさ
せて、そのスライド部材40に物を掛けることができる。
さらに、これらの部材は、長押本体下面22に位置するこ
ととなるため、これらの部材が長押10とは、別個、独立
に物を吊すための単独部材として形成される場合と比較
して、外観上、目立たなくすることができる。それに、
レール部材30を長押本体下面22に形成しているため、レ
ール部材30及びこれに係止されるスライド部材40を長押
10の一部に目立たないように外観上、組み込むことがで
きる。これにより、レール部材30及びスライド部材40を
長押10に外観上、融合させることができ、室内12の外観
の調和を乱すことなく、全体として調和した室内外観に
することができ、室内12の壁面11の外観を良好なものに
することができる。
【0033】本実施の形態は、レール部材30が、長押本
体20の室内12の壁面11側に形成されている。このため、
レール部材30のスライド部材40に物を掛けた場合に、掛
けた物を室内12の壁面11に沿って配置することができ
る。これにより、吊り下げた物を室内12の壁面11に当接
させることができて、吊り下げた物が風等により揺動す
ることを抑えて、安定した状態で吊り下げることができ
る。例えば、紐等によって額縁等を吊り下げる場合、ス
ライド部材40に係止した紐を、室内12の壁面11の表面近
傍から下方に向かって延ばすことができ、かかる紐の下
端に吊り下げる厚みのある額縁を壁面11の表面に当接さ
せた状態にすることができる。これにより、額縁が風等
により揺れ動くのを抑えることができ、吊り下げ時の紐
が壁面11の表面から離れず、額縁を安定した状態で壁面
11に保持することができる。
【0034】本実施の形態は、凹状収納部21が、その内
部にレール部材30を収納した状態で、レール部材30の下
面が長押本体下面22よりも上方に位置する深さに長押本
体下面22から凹んでいる。このため、凹状収納部21の内
部にレール部材30を収納した状態で、レール部材30が長
押本体下面22から突出しない。これにより、物を掛けな
い場合には、室内12側からレール部材30が全く邪魔にな
らない。また、長押本体20を室内12側から見ると、レー
ル部材30が室内12側に露出しないため、室内12側からの
外観をスッキリとしたものにすることができて、長押10
の外観を良好なものにすることができる。
【0035】さらに、本実施の形態は、凹状収納部21
が、その内部のレール部材30にスライド部材40を係止し
た状態で、スライド部材40の下端が長押本体下面22より
も上方に位置する深さに長押本体下面22から凹んでい
る。このため、凹状収納部21の内部のレール部材30にス
ライド部材40を係止させた状態で、スライド部材40が長
押本体下面22から突出しない。これにより、物を掛けな
い場合には、室内12側からスライド部材40が全く邪魔に
ならず、室内12の壁面11の近くを歩行する人が、スライ
ド部材40にぶつかったり、歩行する人の洋服等がスライ
ド部材40に引っかかることも防止することができる。ま
た、スライド部材40が長押本体下面22から突出していな
いため、スライド部材40が室内12側に露出せず、長押本
体20を室内12側から見ても、室内12側からの外観をスッ
キリとしたものにすることができ、外観が良好な長押10
を提供することができる。
【0036】また、本実施の形態によれば、長押本体20
の材質は、木質であり、レール部材30は、アルミ材の押
出品であって、長押本体20と、レール部材30とは、互い
に異なる材質から形成されている。すなわち、額縁等の
重量物を吊して、特定の箇所に大きな荷重が集中するた
めに、強度が必要なレール部材30には、充分な強度を有
するアルミ材からなる金属材料を使用している。また、
今日では、特定の箇所に荷重が集中するようなことはな
く、構造材としてよりも装飾的な要素が強い長押本体20
には、強度よりも外観や、加工の容易性、室内周囲の木
質の周辺部材との外観上の調和等を考慮して木質材を使
用している。このように、長押本体20とレール部材30と
を異なる材質としたことにより、レール部材30の強度
と、長押本体20の外観との両方の性能をそれぞれ満足す
るものにすることができる。
【0037】次に、第二の実施の形態について説明す
る。図4は、本発明の第二の実施の形態であって、長押
の縦断面図を示すものである。本実施の形態は、長押本
体20及びレール部材30が、一体物であって、押出成形に
より形成されているものである。そして、長押本体20及
びレール部材30は、セルロース系材料の微粉末の表面に
この微粉末よりも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて
作成した粉体を混合した樹脂を着色成形することによっ
て木目模様を呈するように形成されていることを特徴と
するものである。その他の構成は、第一の実施の形態と
略同様であって、同一の構成には、同一の部品番号を付
与して説明を省略する。
【0038】次に、上記した実施の形態の作用及び効果
について説明する。本実施の形態は、長押本体20及びレ
ール部材30は、上述した材質からなる一体物の押出成形
により形成されている。このため、長押本体20とレール
部材30との二つの部材を別々に形成し、両者を組み合わ
せて接着固定等する場合と比較して、かかる固定作業を
省略することができる。また、長押本体20とレール部材
30とを、別個、独立の部品から形成する場合と比較し
て、部品の部材数の低減を図ることができて、各部品毎
の管理や保管等の手間を省くことができ、製造コストを
抑えることができる。
【0039】また、本実施の形態に係る長押本体20及び
レール部材30は、上述したような材質からなるため、そ
の表面に木目模様を出すことができる。また、木質材料
では原料となる天然木材の違いや、含有水分の違い等に
よる品質のバラツキが発生するが上述したような材質か
らなる長押本体20及びレール部材30ではそのようなこと
がなく、製品のバラツキを抑えることができる。すなわ
ち、上述した材料を用いて成形した成形品は、複雑な断
面形状をなしていても木目模様を呈するので、室内の他
の表面部材に木質材、またはそれに変わる木質感のある
ものを使用した場合に、外観デザインを調和させる意味
で、使用するのに適している。換言すれば、天然の木材
を切削加工したのでは手間がかかるような断面形状の部
材であっても、木目模様を呈する成形品として提供する
ことができる。
【0040】そして、「粉体を混合した樹脂」からなる
ため、通常の木質材料よりも水分を吸収し難く、仮に水
分が付着しても水分を拭き取れば済み、メンテナンスを
容易にすることができるものである。すなわち、手垢等
の汚れがこの長押本体20及びレール部材30の表面に付着
しても濡れ雑巾で掃除することができ、汚れを除去した
後、水分をふき取れば良いものである。これにより、外
観上は木目模様を呈することができて木製品と同様の外
観を形成することができるが、耐水性に関しては木製品
と比較してはるかに水に強い長押本体20及びレール部材
30を提供できる。
【0041】次に、第三の実施の形態について説明す
る。図5は、本発明の第三の実施の形態であって、長押
を天井回り縁として使用した状態の縦断面図を示すもの
である。本実施の形態は、第一の実施の形態で使用した
長押10の取付位置を天井60の下面に、その長押10の上面
が当接するような位置に設定することにより、第一の実
施の形態で使用した部品をそのまま使用して、いわゆる
物を掛けることができる天井回り縁70として使用してい
るものである。すなわち、本実施の形態に係る天井回り
縁70は、長押10と同一部材から構成されているものであ
って、室内12の壁面11に固定されると共に、その上面が
天井60の下面に当接する回り縁本体71と、この回り縁本
体71の長手方向に沿って回り縁本体下面72側に凹溝状の
レール溝31を有する長尺状のレール部材30と、このレー
ル部材30のレール溝31にスライド可能に係止されると共
に、物を掛けることができる短尺状のスライド部材40と
を備えている。その他の構成は、第一の実施の形態と略
同様であって、同一の構成には、同一の部品番号を付与
して説明を省略する。
【0042】本実施の形態によれば、第一の実施の形態
で示した長押10と同一の部材をそのまま使用して天井回
り縁70として使用することができる。これにより、長押
10と天井回り縁70とを、それぞれ別個、独立の別部材と
して形成する場合と比較して、部品の共通化を図ること
ができ、部品の保存や管理を容易なものにすることがで
き、製造コストの低減を図ることができる。
【0043】なお、本実施の形態では、第一の実施の形
態で使用した長押10を使用して、天井60と壁面11との接
合部に取り付けて両者の見切りをつける天井回り縁70と
して使用しているが、本実施の形態に係る天井回り縁70
を、通常の天井回り縁のすぐ下に接する位置に形成し
て、いわゆる天井長押として使用することもできるもの
である。
【0044】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。請求項1
記載の発明によれば、物を掛けることができて、室内壁
面の外観が良好な長押を提供することができる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、吊り下げた
物を壁面の表面に沿って位置させることができて、物を
安定した状態で吊り下げることができる長押を提供する
ことができる。請求項3記載の発明によれば、レール部
材が室内側から邪魔にならず、室内側からの外観もスッ
キリとしたものにすることができて外観が良好な長押を
提供することができる。
【0046】請求項4記載の発明によれば、スライド部
材が室内側から邪魔にならず、室内側から見た外観もス
ッキリとしたものにすることができて外観が良好な長押
を提供することができる。請求項5記載の発明によれ
ば、木質感を有し、木目模様を有して、外観が良好な上
に成形性が優れ、さらに、部材数の低減を図ることがで
きる長押を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態であって、長押を示
す縦断面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態であって、長押を示
す組立外観斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態であって、スライド
部材を示す外観斜視図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態であって、長押を示
す縦断面図である。
【図5】本発明の第三の実施の形態であって、長押を天
井回り縁として使用した状態を示す縦断面図である。
【図6】従来の長押を示す縦断面図である。
【符号の説明】
10 長押 11 壁面 12 室内 20 長押本体 21 凹状収納部 22 長押本体下
面 30 レール部材 31 レール溝 40 スライド部材 41 スライド部 42 L字状鉤部 60 天井 70 天井回り縁 71 回り縁本体 72 回り縁本体下面 110 フック 120 フック本体部材 121 ねじ 122 スライド部 123 L字状鉤部 130 レール部材 141 壁面 170 室内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内の壁面に横方向に固定される長押で
    あって、 室内の壁面に固定される長尺状の長押本体と、 この長押本体の長手方向に沿って長押本体下面側に凹溝
    状のレール溝を有する長尺状のレール部材と、 このレール部材のレール溝にスライド可能に係止される
    と共に、物を掛けることができる短尺状のスライド部材
    とを備えたことを特徴とする長押。
  2. 【請求項2】 レール部材は、長押本体の室内の壁面側
    に形成されていることを特徴とする請求項1記載の長
    押。
  3. 【請求項3】 長押本体は、その下面から上方に向かっ
    て凹んだ凹状収納部を備え、 この凹状収納部は、その内部にレール部材を収納した状
    態で、レール部材の下面が長押本体下面よりも上方に位
    置する深さに長押本体下面から凹んでいることを特徴と
    する請求項1または請求項2記載の長押。
  4. 【請求項4】 凹状収納部は、レール部材にスライド部
    材を係止した状態で、スライド部材の下端が長押本体下
    面よりも上方に位置する深さに長押本体下面から凹んで
    いることを特徴とする請求項3記載の長押。
  5. 【請求項5】 長押本体及びレール部材は、一体物であ
    って、セルロース系材料の微粉末の表面にこの微粉末よ
    りも小径で、かつ硬い微粉末を担持させて作成した粉体
    を混合した樹脂を着色成形することによって木目模様を
    呈するように形成したことを特徴とする請求項1、請求
    項2、請求項3、請求項4または請求項5記載の長押。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005240435A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Daiwa House Ind Co Ltd 天井と壁面との境界部分の構造及び回り縁
CN103006013A (zh) * 2013-01-08 2013-04-03 韩亚汝 便携式吸盘挂钩

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