JP3916736B2 - 単電子多値装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、単電子多値装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
図9は、従来の単電子回路システムの一例を示したものである。
たとえばこの図9に例示した従来の単電子回路システムは、単電子回路(1)の第一電源端子(2)に駆動装置(6)が接続されてなる構成を有しており、駆動装置(6)は、二つの状態変化用接続回路(61)、一つの状態保持用接続回路(62)、および制御回路(63)を備えている。
【0003】
駆動装置(6)の各接続回路(61)(62)は、制御回路(63)から送られてくる制御信号On/Offに従ってその入力端子(64)と出力端子(65)の導通・不通の切り換えを行う。各状態変化用接続回路(61)の入力端子(64)にはそれぞれ、状態変化電圧V0−>1およびV1−>0が入力され、状態保持用接続回路(62)の入力端子(64)には状態保持電圧VHOLDが入力されている。
【0004】
制御回路(63)は、たとえば、外部からの制御信号(5)に従って、上記の状態変化用接続回路(61)および状態保持用接続回路(62)のうちの一つにOnの制御信号On/Offを送る。従って、このような駆動回路により、制御信号(5)に従って、状態変化電圧V0−>1、状態保持電圧VHOLD、状態変化電圧V1−>0のいずれか一つが駆動電圧VOUTとして出力端子(65)を介して出力されて、単電子回路(1)の第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間に印加され、そして、印加された状態変化電圧に従って、単電子回路(1)の安定状態が切り替わる。
【0005】
しかしながら、従来の単電子回路システムでは、上述のように、”0”および”1”の論理に対応した2種類のみの状態変化電圧V0−>1およびV1−>0しか出力することができないため、単電子回路(1)は、”0”−>”1”、”1”−>”0”というように、2種類の安定状態の間でしか変化することができないといった問題があった。
【0006】
そこで、この発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、より複数の状態変化電圧を単電子回路の第一電源端子および第二電源端子間に印加して、より複数の安定状態変化を単電子回路に起こし、その各安定状態を論理状態として用いることにより、単電子回路が多値回路として動作することのできる、新しい単電子多値装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するものとして、3種類以上の安定状態を持つ第一電源端子および第二電源端子を備えた単電子回路と、この単電子回路の安定状態間の変化に適した電圧を第一電源端子および第二電源端子間に印加する駆動回路とを備えており、単電子回路が、1つの容量接合と2つの微小トンネル接合とで構成され、該2つの微小トンネル接合の一方が、前記第一電源端子と前記容量接合の一方の端子との間に直列接続され、該2つの微小トンネル接合の他方が、前記第二電源端子と前記容量接合の他方の端子との間に直列接合され、単電子回路が、駆動回路による各印加電圧によって変化する安定状態を論理状態として用い、単電子回路の論理状態を変化させるに際して、容量接合の両側のノードにそれぞれ電子およびホールが同じ数だけ入るように、前記第一電源端子および前記第二電源端子の電圧を制御することにより、3値以上の多値回路として動作することを特徴とする単電子多値装置(請求項1)を提供する。
【0008】
また、この発明は、上記単電子多値装置においてその単電子回路として組み込まれ、1つの容量接合と2つの微小トンネル接合とで構成され、該2つの微小トンネル接合の一方が、前記第一電源端子と前記容量接合の一方の端子との間に直列接続され、該2つの微小トンネル接合の他方が、前記第二電源端子と前記容量接合の他方の端子との間に直列接合され、単電子回路が、駆動回路による各印加電圧によって変化する安定状態を論理状態として用い、単電子回路の論理状態を変化させるに際して、容量接合の両側のノードにそれぞれ電子およびホールが同じ数だけ入るように、前記第一電源端子および前記第二電源端子の電圧を制御する単電子回路複数により構成されている多値メモリアレイ(請求項2)をも提供する。さらにまた、この出願の発明は、上記の単電子多値装置における単電子回路または上記の多値メモリアレイにおける単電子回路の出力を読み取る装置であって、単電子回路における容量接合の両側のノードそれぞれにゲートが接続された電子トランジスタと、この電子トランジスタの出力端子に接続された読取手段とを備えており、読取手段は、ゲートから入力された単電子回路の出力を出力端子を介して読み取ることを特徴とする出力読取装置(請求項3)をも提供し、この出力読取装置において、電子トランジスタは、容量接合と直列接続された2つの微小トンネル接合とを備え、容量接合の一方の端子はゲートとして単電子回路における容量接合のノードに接続され、他方の端子は該2つの微小トンネル接合間に接続されており、該2つの微小トンネルの直列接合されていない端子は出力端子としてそれぞれ読取手段に接続されている出力読取装置(請求項4)を一つの態様としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に沿って実施例を示し、この発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
【0010】
【実施例】
(実施例1)
図1は、この発明の単電子多値回路の一実施例を示した回路構成図である。たとえばこの図1に例示したように、この発明の単電子多値回路は、第一電源端子(2)および接地されている第二電源端子(3)とを有する単電子回路(1)と、出力端子(49)が単電子回路(1)の第一電源端子(2)に接続されている駆動回路(4)とを備えている。
【0011】
単電子回路(1)は、たとえば、3つの安定状態a,b,cを持っており、安定状態aから安定状態bへの変化に適した第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間の電圧レベルをVab、安定状態bから安定状態aへの変化に適した電圧レベルをVba、安定状態bから安定状態cへの変化に適した電圧レベルをVbc、安定状態cから安定状態bへの変化に適した電圧レベルをVcbとする。
【0012】
一方、駆動回路(4)は、入力端子(44)および出力端子(45)を有する4つの状態変化用接続回路(41)および状態保持用接続回路(42)と、制御端子(46)を介して状態変化用接続回路(41)および状態保持用接続回路(42)に接続されている制御回路(43)とを備えている。この制御回路(43)は、たとえば制御信号発信手段などから制御端子(51)を通って入力される制御信号(5)に従って、制御信号On/Offを各状態変化用接続回路(41)および状態保持用接続回路(42)に制御端子(46)を介して送る。この制御信号On/Offは、たとえば、全接続回路それぞれに送信しても、そのOn/Off接続状態を切り替える必要があるものだけに送信するようにしてもよい。また、制御信号(5)は、たとえば単電子回路(1)をどの安定状態に変化させるかなどの制御情報を含んでいる。
【0013】
各状態変化用接続回路(41)および状態保持用接続回路(42)はそれぞれ、図2に例示したように、インバータ(47)およびトランスファーゲート(48)を備えており、これらインバータ(47)とトランスファーゲート(48)とによって、制御回路(43)からの制御信号On/Offに従って、トランスファーゲート(48)に接続されている入力端子(44)と出力端子(45)の導通・不通の切り換えを行い、制御信号On/OffがOnを表す”1”、である場合には、入力端子(44)と出力端子(45)とを接続し、制御信号On/Offが”0”、つまりOffである場合には入力端子(44)と出力端子(45)間をOPEN状態にする。
【0014】
また、各状態変化用接続回路(41)の入力端子(44)には、それぞれ、入力端子(44)が出力端子(45)に接続された際に出力端子(45)および出力端子(49)から駆動電圧VOUTとして出力される状態変化電圧VW+2 ,VW+1 ,VW-1 ,VW-2 が入力されており、状態保持用接続回路(42)の入力端子(44)には、状態保持電圧VHOLDが入力されている。
【0015】
これら状態変化電圧は、本実施例では、上述したように単電子回路の各安定状態間の変化に適した電圧がそれぞれVab、Vba、Vbc、Vcbであるので、たとえば、VW+2 =Vbc,VW+1 =Vab,VW-1 =Vcb,VW-2 =Vbaと設定される。そして、駆動回路(4)が、制御信号(5)に従って所望の安定状態に単電子回路を変化させるために、その変化に適した状態変化電圧を第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間に印加するべく、必要な状態変化電圧が入力されている状態変化用接続回路(41)にOnの制御信号On/Offを送る。この際には、たとえば、変化前の安定状態を作っていた状態変化電圧を出力していた状態変化用接続回路(41)にOffの制御信号On/Offをも送る。
【0016】
たとえば、図1中一番上に位置している状態変化用接続回路(41)にOnの制御信号On/Offが送られると、この状態変化用接続回路(41)は、上述のように、その入力端子(44)と出力端子(45)とを接続して、状態変化電圧VW+1 =Vabを出力する。この状態維持電圧VW+1 =Vabは、出力端子(49)から駆動電圧VOUTとして出力され、第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間に印加される。
【0017】
そして、単電子回路(1)は、第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間の状態変化電圧VW+1 =Vabに従ってその安定状態をaからbに変化する。他の安定状態変化に対しても、同様にして駆動回路(4)により必要な状態変化電圧が出力、そして単電子回路(1)の電源端子間に印加される。また、単電子回路(1)の安定状態を、その初期の安定状態のままに維持しておくという制御信号(5)が与えられた場合には、状態保持用接続回路(42)にOnの制御信号On/Offを送信して、状態保持電圧VHOLDを、状態保持用接続回路(42)から出力させて、第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間に印加し、この状態保持電圧VHOLDによって単電子回路(1)がその初期安定状態を保持する。なお、ここでの、初期安定状態とは、状態変化する直前の安定状態のことを意味する。
【0018】
このようにして制御信号(5)に従って駆動回路(4)により接続回路(41)(42)および制御回路(43)を介して任意の状態変化電圧を単電子回路(1)に加えると、状態変化電圧によって単電子回路(1)が3つの安定状態a,b,cのうちの任意の安定状態に変化し、そして、このように任意に変化する3つの安定状態を論理状態として用いることによって、単電子回路(1)が3値の多値回路として動作するようになる。
【0019】
図3は、この単電子回路(1)の構成の一例を示した回路図である。図3に例示した単電子回路(1)は、2つの微小トンネル接合(11)(13)と容量接合(12)とを備えており、容量接合(12)が微小トンネル接合(11)および(13)の間に直列接合された構造を有している。このような構造の単電子回路(1)は、容量接合(12)の両側のノードAおよびBにそれぞれ電子およびホールが同じ数だけ入ると、電子の電荷とホールの電荷がお互いに引き合って安定となるため、複数の安定状態を持つ。ノードAの過剰電子数およびノードBの過剰電子数として回路の状態を表す場合、たとえば(−1,1)、(0,0)、(1,−1)の3つの状態が安定状態となる。よって、各安定状態間の変化に適した上部電源端子(2)および下部電源端子(3)間の電圧は4種類ある。
【0020】
これら3つの安定状態(−1,1)、(0,0)、(1,−1)をそれぞれ、上述した安定状態a,b,cとすると、(−1,1)から(0,0)への変化に適した電圧はVab、(0,0)から(−1,1)への変化に適した電圧はVba、(0,0)から(1,−1)への変化に適した電圧はVbc、(1,−1)から(0,0)への変化に適した電圧はVcbとなる。
【0021】
図3に例示した単電子回路(1)においては、各安定状態間の変化に適した電圧は、初期の安定状態から次の第二安定状態へ、および第二安定状態から次の第三安定状態への電子トンネルレートが最大となる電圧レベル、および第三安定状態から第二安定状態へ、および第二安定状態から初期安定状態への電子トンネルレートが十分に小さくなる電圧レベルであり、このような電圧レベルを第一電源端子(2)および第二電源端子(3)間に印加することにより、各安定状態を精度良く変えることができる。もちろん、この電圧レベルは、単電子回路(1)を構成する微小トンネル接合(11)(13)および容量接合(12)のパラメータによって異なってくる。
【0022】
従って、この図3の単電子回路(1)は、図1のこの発明の単電子多値回路において、上述したように制御信号(5)に従って駆動回路(4)により各電源端子間に印加される状態変化電圧VW+2 =Vbc,VW+1 =Vab,VW-1 =Vcb,VW-2 =Vbaによって安定状態がそれぞれに精度良く変化し、よって、各安定状態(−1,1)、(0,0)および(1,−1)それぞれを論理状態”−1”,”0”および”1”として用いた、制御信号(5)が入力である3値の多値回路、たとえば3値メモリとして動作する。
【0023】
(実施例2)
ところで、上述のように3値メモリとして動作する図3の単電子回路(1)を組み合わせて多値メモリアレイを構成することもできる。図4は、この多値メモリアレイ(7)の一例を示した回路図である。この図4において、セル(71)、セル(72)、セル(73)およびセル(74)は、それぞれ図3の単電子回路(1)と同じ構造を有するものであり、端子X1および端子X2が第一電源端子(2)に、端子Y1およびY2が第二電源端子(3)に当たる。
【0024】
そして、この多値メモリアレイ(7)を、図1の単電子多値装置において単電子回路(1)の代りに組み込み、各セルの論理状態変化の制御を行う。この場合には、駆動回路(4)は、端子X1,X2,Y1,Y2それぞれに接続され、4つの駆動回路(4)それぞれによって、各セルの状態変化に適した電圧レベルの半分の電圧が、端子X1,X2,Y1,Y2に加えられる。各駆動回路(4)は、図1に示した駆動回路(4)と同じ構造を有している。
【0025】
本実施例では、上述のように図1の単電子多値装置に組み込まれた多値メモリアレイ(7)に対して、たとえば下記の表1に示した制御を行う。ここでは、セル(71)を選択し、その論理状態を変化させてデータ書込および保持を行う制御を行うとする。
【0026】
【表1】
【0027】
この表1において、上段にはその上部に各制御名WRITE =データ書込、HOLD=データ保持が示されており、その下部には、セル(71)の端子X1に印加される一方の駆動回路(4)における4つの状態変化用接続回路(41)および状態保持用接続回路(42)からの状態変化電圧および状態保持電圧が示され、また端子Y1に印加されるもう一方の駆動回路(4)からの状態変化電圧および状態保持電圧が示されている。
【0028】
セル(71)では、各駆動回路(4)による印加電圧が合わされて各状態変化に適した電圧となり、その電圧に従って論理状態が変化する。たとえば、WRITE(-2) という書込制御に対しては、X1には一方の駆動回路(4)により状態変化電圧−3Vが加えられ、Y1には他方の駆動回路(4)により状態変化電圧+3Vが加えられて、X1およびY1間の電圧レベル−6Vによってセル(71)の論理状態が変化する。他の書込制御または保持制御についても、同様にして各駆動回路(4)それぞれから表1に示した電圧がX1およびY1に加えられる。
【0029】
また、下段には各書込・保持制御に対応した選択セル(71)の安定状態、つまり論理状態が示されている。たとえば、初期状態が”+1”の場合には、WRITE(-2) (X1・Y1間電圧−6V) に対して”−1”、WRITE(-1) (X1・Y1間電圧−4.7V)に対して”0”、VHOLD (X1・Y1間電圧0V)に対して初期状態である”+1”、WRITE(+1) (X1・Y1間電圧4.7V)に対して”+1”,WRITE(+2) (X1・Y1間電圧6V)に対して”+1”というように各電圧に従って状態変化する。初期状態”0”および”−1”の場合も同様にして表1に示したように状態変化する。
【0030】
なお、ここでいう初期状態とは、論理状態が変化する直前のセル(71)の論理状態を意味しており、たとえば、最初に初期状態が”+1”であるセル(71)にWRITE(-2) 制御をするとその論理状態は”−1”となり、次にWRITE(+1) 制御すると、初期状態が”−1”となっているので、その論理状態は”0”となる。
【0031】
また、各印加電圧値は、たとえば公知のモンテカルロ手法のシミュレーションによって予め求められる。このような表1に例示した制御は、図1の単電子多値層値において、前述したように、たとえば制御信号発信手段などからの制御信号(5)により、駆動回路(4)の制御回路(43)に伝えられ、制御回路(43)は、表1の制御信号(5)に従って状態変化用接続回路(41)または状態保持用接続回路(42)に制御信号On/Offを送信し、Onの制御信号On/Offを受けた接続回路から、その入力端子に入力されている状態変化電圧または状態保持電圧が出力して、端子X1およびX2に入力される。そして、制御信号(5)によって予め選択されている多値メモリアレイ(7)のセル(71)が、各印加電圧に従ってその安定状態を変え、各安定状態を論理状態として用いた多値メモリとしてデータの書込およびデータの保存動作をする。もちろん、他のセル(72)、セル(73)およびセル(74)に対しても同様にしてデータ書込・保存をすることができる。
【0032】
図5は、このような表1の制御に従った図4の多値メモリアレイ(7)の動作を例示した図である。この図5から明らかなように、図4の多値メモリアレイは、この発明の単電子多値装置において、3値のメモリアレイとして高精度に、且つ信頼性高く動作することが分かる。また、上述したように入力データと出力セルデータとの論理積を書き込むことができるので、多値メモリとして動作する単電子回路(1)は機能メモリとしても動作することができる。
【0033】
なお、実施例2では、多値メモリアレイ(7)は4つのセル(71)(72)(73)(74)により構成され、駆動回路(4)も各セルに対応して4つ接続されているが、もちろん、駆動回路(4)の個数は、多値メモリアレイ(7)の行数および列数に対応しており、たとえば構成セルが6つの場合には、行数が3、列数が2(または列数が2、行数が3)であるので、5つの駆動回路(4)が各セルの端子に接続されて設けられる。
【0034】
(実施例3)
図6は、図1のこの発明の単電子多値装置における単電子回路(1)の出力を読み取るための出力読取装置の一実施例を示した回路図である。この図6における単電子回路(1)は、第一電源端子aおよび第二電源端子bを有し、容量接合C1とその両側に直列接続された微小トンネル接合J1およびJ2とを備えた図3に示した単電子回路(1)と同じ構成を有しており、前述したように、図1のこの発明の単電子多値装置において多値メモリとして動作する。
【0035】
出力読取装置(8)は、電子トランジスタT1およびT2と読取手段(81)とを備えた構成となっている。電子トランジスタT1は、容量接合C2と2つの互いに直列接合された微小トンネル接合J3およびJ4とによりなり、容量接合C2は、その一方の端子がゲートとして単電子回路(1)における容量接合C1の微小トンネル接合J1側のノードAに接続され、他方の端子が微小トンネル接合J3およびJ4の直列接続間に接続されて、設けられており、微小トンネル接合J3およびJ4の直列接合されていない端子cおよびdは出力端子として読取手段(81)に接続されている。
【0036】
電子トランジスタT2は、容量接合C3と2つの互いに直列接合された微小トンネル接合J5およびJ6とにより構成されており、容量接合C2の一方の端子がゲートとして単電子回路(1)における容量接合C1の一方の微小トンネル接合J1側のノードBに接続され、他方の端子が微小トンネル接合J3およびJ4の直列接続間に接続されており、微小トンネル接合J3およびJ4の直列接合されていない端子eおよびfは出力端子として読取手段(81)に接続されている。
【0037】
また、電子トランジスタT1およびT2に出力端子c,d,e,fを介して接続されている読取手段(81)は,出力端子dからcへ流れる電流I1と出力端子eからfへ流れる電流I2とを測定することにより、単電子回路(1)の出力、つまり単電子回路(1)の各論理状態を読み取る。この読取時の第一電源端子aおよび第二電源端子b間の電圧は0Vであるとする。
【0038】
この読取手段(81)により測定された電流I1およびI2の関係は、たとえば単電子回路(1)に記憶されている論理状態が(0,0)であると、ノードAにおける電圧とノードBにおける電圧とが等しいため、I1=I2となり、また、論理状態が(1,−1)の場合は、ノードAの電圧がノードBの電圧よりも高いので、I1>I2となる。逆に、論理状態(−1,1)の場合は、ノードBの電圧がノードAの電圧よりも高いので、I1<I2となる。従って、単電子回路(1)の出力である論理状態は、電流I1およびI2の差値によって読み取ることができる。
【0039】
なお、たとえば、図6の単電子回路(1)および出力読取装置(8)における微小トンネル接合J1、J2、J3、J4、J5およびJ6の容量および抵抗はそれぞれ、0.75×10-20 Fおよび5MΩであり、容量接合C1、C2およびC3それぞれの容量は、6.0×10-20 F、0.3×10-20 Fおよび0.3×10-20 Fである。これらのパラメータは、室温においての周波数および熱誤差が無視され得るように設定されている。
【0040】
さらに、単電子回路(1)の安定状態、つまり論理状態を、”0”から”1”、" −1”から”0”、”1”から”0”および”0”から”−1”へ変化させるに適したそれぞれの電圧レベルは、たとえば、9.2V、6.6V、−6.2Vおよび−9.2Vである。
【0041】
(実施例4)
以上のような図6の単電子回路(1)および出力読取装置(8)を複数個用いて図7に例示したような多値メモリアレイ(9)を構成することができる。
たとえばこの図7に示した多値メモリアレイ(9)は、4つのメモリセル(91)(92)(93)および(94)により構成されており、それぞれは、図6と同様に単電子回路(1)と出力読取装置(8)を備えた構造を有している。出力読取装置(8)の読取手段(81)は、図示していないが、メモリセル(91)の出力端子c,dからの出力線Xu1,Yu1および出力端子e,fからの出力線Yd1,Xd1に接続され、メモリセル(92)の出力端子c,dからの出力線Xu2,Yu1および出力端子e,fからの出力線Yd1,Xd2に接続され、メモリセル(93)の出力端子c,dからの出力線Xu1,Yu2および出力端子e,fからの出力線Yd2,Xd1に接続され、また、メモリセル(94)の出力端子c,dからの出力線Xu2,Yu2および出力端子e,fからの出力線Yd2,Xd2に接続されているものとする。
【0042】
この読取手段により各メモリセル(91)(92)(93)(94)の論理出力を読み取る際には、それぞれの出力端子cおよびdと出力端子eおよびfからの出力線間に特定の必要な電圧を加えるようにする。たとえばメモリセル(91)に対しては、出力線Xu1とYu1間および出力線Xd1とYd1間それぞれに特定の電圧を加える。
【0043】
このような図7の多値メモリアレイ(9)を、図1の単電子多値装置において、単電子回路(1)の代りに組み込み、駆動回路(4)により以下の表2に例示した制御を行うことにより、4つのメモリセルから任意に選択したメモリセル(91)の論理状態を変化させてデータ書込(Write) およびそのデータの読み出し(Read)を行う。
【0044】
なお、図7の多値メモリアレイ(9)を組み込む場合には、実施例2において前述したように、図4の多値メモリアレイ(7)を組み込む場合と同様に、4つの駆動回路(4)を、第一電源端子(2)としての端子X1,X2、および第二電源端子(3)としての端子Y1,Y2それぞれに接続し、各駆動回路(4)によって、各状態変化に適した電圧レベルの半分の電圧を各端子に加えるようにする。
【0045】
【表2】
【0046】
この表2は、前述した実施例2における表1と同じように各制御に対応した電圧レベルおよび選択セルであるメモリセル(91)の各論理状態を示している。図8は、表2の制御に従った図7の多値メモリアレイ(9)におけるデータ書込および読み出し動作と読み出された出力データとを例示した図である。この図8から明らかなように、表2に例示したように、たとえば、初期状態が”0”であるメモリセル(91)の単電子回路(1)にWrite(+1) 制御(X1・Y1間電圧6.6V)すると論理状態は”0”となり、次いでWrite(+2) 制御(X1・Y1間電圧9.2V)により、初期状態が”0”に変わっているので論理状態は”+1”に変化し、以降同様にして各制御に対応して論理状態が精度良く変わっており、単電子回路(1)が3値メモリ回路として高精度に動作していることがわかる。さらに、出力読出装置は、この単電子回路(1)の各論理状態の出力を精度良く読み出していることがわかる。
【0047】
もちろん、他のメモリセル(92)(93)(94)に対しても同様な書込制御を行い各論理状態出力を高精度で読み出すことができることは言うまでもない。以上のように、図6に例示した構造を有する出力読出装置は、図7の多値メモリアレイ(9)においても、図1のこの発明の単電子多値装置において3値のメモリ回路として高精度に動作する各メモリセルの単電子回路(1)に書き込まれた論理状態を精度良く読み出すことができる。
【0048】
なお、多値メモリアレイ(9)の各メモリセルに電圧を加える駆動回路(4)は、多値メモリアレイ(9)の行数および列数に対応した個数が、各メモリセルからの端子に接続されて設けられることは言うまでもない。
【0049】
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この発明の単電子多値装置によって、制御信号に従って駆動電圧により電源端子間に印加された3種類以上の状態変化電圧によって単電子回路の安定状態を任意に変化させて、それぞれの安定状態を論理状態として用いることにより、単電子回路が3値以上の多値回路として精度良く動作することができるようになり、また、出力読出装置によって、その単電子回路の出力を精度良く読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の単電子多値装置の一実施例を示した回路図である。
【図2】 接続回路(41)の一例を示した回路図である。
【図3】 単電子回路(1)の一例を示した回路図である。
【図4】 多値メモリアレイの一例を示した回路図である。
【図5】 図4の多値メモリアレイにおけるデータ書込およびデータ保持の動作を例示した図である。
【図6】 出力読取装置の一実施例を示した回路図である。
【図7】 多値メモリアレイの一例を示した回路図である。
【図8】 図7の多値メモリアレイにおけるデータ書込および読み出し動作と読み出された出力データとを例示した図である。
【図9】 従来の単電子回路システムの一例を示した回路図である。
【符号の説明】
1 単電子回路
11 微小トンネル接合
12 容量接合
13 微小トンネル接合
2 第一電源端子
3 第二電源端子
4 駆動回路
41 状態変化用接続回路
42 状態保持用接続回路
43 制御回路
44 入力端子
45 出力端子
46 制御端子
47 インバータ
48 トランスファーゲート
49 出力端子
5 制御信号
51 制御端子
6 駆動回路
61 状態変化用接続回路
62 状態保持用接続回路
63 制御回路
64 入力端子
65 出力端子
7 多値メモリアレイ
71 セル
72 セル
73 セル
74 セル
8 出力読取装置
81 読取手段
9 多値メモリアレイ
91 メモリセル
92 メモリセル
93 メモリセル
94メモリセル
Claims (4)
- 3種類以上の安定状態を持つ第一電源端子および第二電源端子を備えた単電子回路と、この単電子回路の安定状態間の変化に適した電圧を第一電源端子および第二電源端子間に印加する駆動回路とを備えており、単電子回路が、1つの容量接合と2つの微小トンネル接合とで構成され、該2つの微小トンネル接合の一方が、前記第一電源端子と前記容量接合の一方の端子との間に直列接続され、該2つの微小トンネル接合の他方が、前記第二電源端子と前記容量接合の他方の端子との間に直列接合され、単電子回路が、駆動回路による各印加電圧によって変化する安定状態を論理状態として用い、単電子回路の論理状態を変化させるに際して、容量接合の両側のノードにそれぞれ電子およびホールが同じ数だけ入るように、前記第一電源端子および前記第二電源端子の電圧を制御することにより、3値以上の多値回路として動作することを特徴とする単電子多値装置。
- 請求項1の単電子多値装置においてその単電子回路として組み込まれ、1つの容量接合と2つの微小トンネル接合とで構成され、該2つの微小トンネル接合の一方が、前記第一電源端子と前記容量接合の一方の端子との間に直列接続され、該2つの微小トンネル接合の他方が、前記第二電源端子と前記容量接合の他方の端子との間に直列接合され、単電子回路が、駆動回路による各印加電圧によって変化する安定状態を論理状態として用い、単電子回路の論理状態を変化させるに際して、容量接合の両側のノードにそれぞれ電子およびホールが同じ数だけ入るように、前記第一電源端子および前記第二電源端子の電圧を制御する単電子回路複数により構成されている多値メモリアレイ。
- 請求項1の単電子多値装置における単電子回路または請求項2の多値メモリアレイにおける単電子回路の出力を読み取る装置であって、単電子回路における容量接合の両側のノードそれぞれにゲートが接続された電子トランジスタと、この電子トランジスタの出力端子に接続された読取手段とを備えており、読取手段は、ゲートから入力された単電子回路の出力を出力端子を介して読み取ることを特徴とする出力読取装置。
- 電子トランジスタは、容量接合と直列接続された2つの微小トンネル接合とを備え、容量接合の一方の端子はゲートとして単電子回路における容量接合のノードに接続され、他方の端子は該2つの微小トンネル接合間に接続されており、該2つの微小トンネルの直列接合されていない端子は出力端子としてそれぞれ読取手段に接続されている請求項3の出力読取装置。
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