JP3916701B2 - 半導体装置およびそれを備えた画像表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置およびそれを備えた画像表示装置に関するものであり、特に、装置における回路の不良箇所にレーザ照射装置によってレーザを照射した際に、照射部周辺に対するダメージを低減し得るようにした半導体装置およびそれを備えた画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アクティブマトリクス駆動方式の画像表示装置が種々提案されている。この種の画像表示装置は、図11に示すように、画素アレイ部51と、該画素アレイ部51を駆動するデータ信号線駆動回路52および走査信号線駆動回路53と、該データ信号線駆動回路52および走査信号線駆動回路53に入力されるタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路54とから構成されている。上記データ信号線駆動回路52には映像信号DATが入力されるようになっている。また、上記タイミング信号生成回路54には同期信号SYNが入力されるようになっている。
【0003】
ここで、上記画像表示装置の詳細な構成を図12および図13に示す。図12に示すように、上記画像表示装置は、複数のデータ信号線SLi(i=1、2、…m:ただしmは整数)と、それらに互いに直交する複数の走査信号線GLj(j=1、2、…n:ただしnは整数)とを備えている。各データ信号線SLiは、データ信号線駆動回路52に接続されている一方、各走査信号線GLjは、走査信号線駆動回路53に接続されている。
【0004】
データ信号線駆動回路52は、タイミング信号生成回路54(図11参照)等で生成される同期信号CKSおよびスタートパルスSPSを用いて、入力される映像信号DATをサンプリングすると共にサンプリングした映像信号DATを必要に応じて増幅し、データ信号線SLiに転送するものである。一方、走査信号線駆動回路53は、同じくタイミング信号生成回路54等で生成される同期信号CKG、GPSおよびスタートパルスSPGを用いて、画素アレイ部51における各走査信号線GLjに対して走査信号を出力するものである。上記のデータ信号線駆動回路52および走査信号線駆動回路53は、それぞれ、電源VSH/VSLおよび電源VGH/VGLで駆動されるようになっている。
【0005】
そして、隣接する2本の走査信号線と隣接する2本のデータ信号線とで包囲された部分に画素PIXが設けられることにより、画素PIXは全体としてマトリクス状に配置されることになる。つまり、これにより、画素PIXの1列当たりに1本のデータ信号線が設けられ、画素PIXの1行当たりに1本の走査信号線が設けられていることになる。
【0006】
上記画像表示装置が液晶表示装置の場合、各画素PIXは、図13に示すように、スイッチング素子としての画素トランジスタ61と、画素容量62とによって構成されている。なお、上記の画素容量62は、液晶容量62aと必要によって付加される補助容量62bとからなっている。このとき、データ信号線SLiは、画素トランジスタ61のソース電極61aおよびドレイン電極61bを介して上記画素容量62の一方の電極と接続され、走査信号線GLjは、画素トランジスタ61のゲート電極61cに接続されている。また、液晶容量62aの他方の電極は、液晶セルを挟んで対向電極(図示せず)に接続され、補助容量62bの他方の電極は、全画素PIXに共通の共通電極線(図示せず)または隣接する走査信号線に接続される。
【0007】
なお、上記の補助容量62bは、液晶容量62aや画素トランジスタ61のリーク電流、画素トランジスタ61のゲート/ソース間容量などの寄生容量による画素電位の変動、あるいは液晶容量62aにおける表示データ依存性などの影響を最小限に抑えるためのものである。したがって、一般的なアクティブマトリクス型液晶表示装置では、画素PIXに上記のような補助容量62bを液晶容量62aと並列に設けて表示を安定化させている。
【0008】
データ信号線駆動回路52は、表示用データ信号を1画素毎に、もしくは、1水平走査期間(1Hライン)毎に、データ信号線SLiに出力する。ここで、走査信号線GLjをアクティブ状態にすると、画素トランジスタ61が導通状態となり、データ信号線SLiを介して転送される表示用データ信号が画素容量62に書き込まれるようになっている。一方、走査信号線GLjを非アクティブ状態にすると、画素トランジスタ61が遮断状態となり、これにより表示が維持されることになる。
【0009】
ところで、従来、アクティブマトリクス型液晶表示装置の多くは、画素部のスイッチング素子を、ガラス基板上に形成された非晶質シリコン薄膜トランジスタで構成する一方、データ信号線駆動回路52および走査信号線駆動回路53のスイッチング素子を外付けされた複数のドライバIC(Integrated Circuit)で構成している。
【0010】
これに対して、近年、画像表示装置の小型化や信頼性向上、コスト低減などのために、データ信号線駆動回路52や走査信号線駆動回路53を、画素アレイ部51と同一基板上にモノリシックに、つまり一体的に構成する技術が開発されつつある。このとき、能動素子としては、例えば単結晶あるいは非単結晶(例えば、多結晶や非晶質)のシリコン薄膜を用いた電界効果型トランジスタが用いられる。実際には、画面サイズを大面積で形成できること、および、データ信号線駆動回路52や走査信号線駆動回路53に要求される高い駆動力が実現できることから、上記能動素子を多結晶シリコン薄膜トランジスタで構成することが多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記能動素子を、例えば多結晶シリコン薄膜トランジスタのような非単結晶シリコン薄膜トランジスタで構成する場合、その製造プロセスは、LSI(大規模集積回路)等で用いられている単結晶シリコン基板上のトランジスタの製造プロセスほどには確立されてはいないのが現状である。そのため、ショートや断線などの欠陥が発生し易いという問題がある。また、データ信号線駆動回路52や走査信号線駆動回路53を、画素アレイ部51と同一基板上にモノリシックに構成する場合には、画面サイズにもよるが、非常に大面積になり、欠陥が含まれる可能性が高くなる。
【0012】
ここで、上記の欠陥の種類としては、点失陥、線欠陥、面欠陥等が考えられる。面欠陥は、欠陥箇所が多数にわたる場合が多い。したがって、たとえその救済が可能であっても、多大なコストと労力とが必要となるため、面欠陥が存在する場合は不良品として処分するのが普通である。
【0013】
点欠陥は、画素の不良により生ずるものであり、例えば特開平5−66418号公報には、その欠陥防止対策が開示されている。すなわち、上記の従来技術では、各画素に2つのトランジスタを設け、冗長構造としている。そして、一方のトランジスタが不良になった場合に、その不良トランジスタを切り離して他方のトランジスタを利用することにより、画素スイッチの欠陥を救済することができるようになっている。
【0014】
線欠陥は、データ信号線SLiおよび走査信号線GLjにおける例えば断線や短絡などの欠陥の他に、データ信号線駆動回路52および走査信号線駆動回路53での欠陥がある。ここで、データ信号線SLiおよび走査信号線GLjは単なる配線であるのに対し、データ信号線駆動回路52および走査信号線駆動回路53は、薄膜トランジスタ等の多数の素子や配線、コンタクト領域などを含んでいるため、欠陥の発生率も高くなる。さらに、上述のように、多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いて形成されたデータ信号線駆動回路52および走査信号線駆動画路53においては、製造プロセスの信頼性が低いため、欠陥の発生する確率は、単結晶シリコン基板上に形成されるドライバICの製造プロセスと比較してより高くなる。
【0015】
ここで、例えば特開平6−83286号には、駆動回路に関する冗長方式が開示されている。この従来技術では、上記駆動回路を複数のブロックに分割し、各ブロック内において、2系列のシフトレジスタを備えている。そして、正規のシフトレジスタに不良がある場合には、予備のシフトレジスタに接続を切り替えることにより、正常な動作が保証されるようになっている。
【0016】
ところで、このような冗長構造を持つ画素トランジスタ、データ信号線および走査信号線、データ信号線駆動回路および走査信号線駆動回路に欠陥が生じた場合、レーザ照射装置によって不良部分にレーザを照射し、該不良部分を切断することにより、回路が救済される。しかし、上記従来の構成では、照射するレーザの熱により、照射部周辺に存在するトランジスタ等の素子が破壊されたり、あるいは上記素子の特性が劣化したりするという問題が生ずる。
【0017】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、このようなレーザ照射による照射部周辺に存在する素子の破壊および特性劣化を防止し、良品率および信頼性を向上させることのできる半導体装置およびそれを備えた画像表示装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、基板上に複数のスイッチング素子と複数の配線とが設けられて回路が構成された半導体装置において、上記配線におけるレーザ照射領域の周辺部分に、レーザ照射によって発生する熱を吸収する熱吸収部材が設けられていることを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、配線を切断もしくは接続して回路変更を行う場合、上記配線に例えばレーザリペア装置によりレーザが照射される。このとき、レーザ照射領域の周辺部分には熱吸収部材が設けられているので、レーザ照射によって発生する熱は、この熱吸収部材によって吸収される。これにより、レーザ照射領域周辺に存在する正常な素子、配線等に上記の熱が伝搬されるのが回避される。
【0020】
したがって、上記構成によれば、レーザ照射領域周辺に存在する素子が従来のように熱的に破壊されたり、上記の熱によって上記素子の特性が劣化したりするのを防止することができる。また、上記構成によれば、レーザ照射領域周辺に存在する配線が上記の熱によって断線したり、あるいは隣接する配線同士が電気的にショートするのを防止することができる。また、その結果、上記のような回路変更を行った場合でも、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができる。
【0021】
請求項1の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、上記構成において、上記熱吸収部材が、上記レーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に、該スイッチング素子とは独立して設けられていることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、上記熱吸収部材が、上記レーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に該スイッチング素子とは独立して設けられているので、上記レーザ照射領域において発生した熱が上記スイッチング素子に伝わるのが回避される。したがって、上記構成によれば、上記スイッチング素子が、レーザ照射時の熱によって破壊されたり、あるいはその熱によって上記スイッチング素子の特性が劣化するのを防止することができる。
【0023】
請求項2の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、請求項1の構成において、上記回路が冗長回路で構成され、上記熱吸収部材が、上記冗長回路中のレーザ照射領域の周辺部分に設けられていることを特徴としている。
【0024】
上記の構成によれば、半導体装置における回路が冗長回路で構成されている場合でも、レーザ照射時に発生する熱が上記の熱吸収部材で吸収される。したがって、上記構成によれば、冗長回路においても素子が熱的に破壊されたり、あるいは上記素子の特性が劣化したりするのを防止することができる。また、それに加えて、冗長回路においてレーザ照射領域周辺に存在する配線が上記の熱によって断線したり、あるいは隣接する配線同士が電気的にショートするのを防止することができる。
【0025】
請求項2の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、上記構成において、上記熱吸収部材が、上記冗長回路中のレーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に設けられていることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、冗長回路中のレーザ照射領域において発生した熱が、上記熱吸収部材に吸収されるので、上記の熱が冗長回路中のスイッチング素子に伝わるのが回避される。したがって、上記構成によれば、冗長回路における上記スイッチング素子が従来のように熱的に破壊されたり、あるいはその特性が劣化したりするのを防止することができる。
【0027】
請求項3の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、請求項1の構成に加えて、上記熱吸収部材と当該熱吸収部材に隣接した配線とが冗長構造を成すように、上記熱吸収部材が導電性部材で構成され、上記熱吸収部材と上記配線とに絶縁膜を介して重なるように配置された連結部材が複数個設けられていることを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、上記熱吸収部材と上記配線とは複数個の連結部材によって冗長構造を成すように構成されるので、上記配線が断線した場合でも、上記配線と冗長化された上記熱吸収部材を利用して回路を救済することができる。
【0029】
請求項4の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、請求項1の構成において、上記熱吸収部材と上記配線とが隣接する部分に、上記熱吸収部材と上記配線とを短絡させるための領域が形成されるように、上記熱吸収部材と上記配線とが、絶縁膜上に同層で配置されており、かつ、互いに凹凸状を成して隣接していることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、熱吸収部材と配線とが互いに凹凸状を成して隣接しているので、その凹凸状の隣接部分にレーザを照射することによって容易に上記両者を短絡させることができる。その結果、上記両者を短絡させるための上述のような連結部材を設けなくても済むようになる。したがって、上記構成によれば、上記連結部材を設けなくても済む分、連結部材による寄生容量を削減することができる。
【0031】
請求項5の発明に係る半導体装置は、上記の課題を解決するために、請求項1または2の構成において、上記スイッチング素子が、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、レーザ照射時に発生する熱を熱吸収部材が吸収することにより、スイッチング素子を薄膜トランジスタで構成しても短絡や断線などの各種欠陥の発生を抑えることができる。
【0033】
つまり、半導体装置を構成する上記スイッチング素子を薄膜トランジスタで構成した場合、その製造プロセスは、LSI等で用いられている単結晶シリコン基板上のトランジスタほどには確立されていない。その結果、短絡や断線などの欠陥が生じやすいものとなる。
【0034】
しかし、上記構成によれば、上記熱吸収部材によりレーザ照射時に発生する熱から上記スイッチング素子が保護されるので、上記スイッチング素子を薄膜トランジスタで構成しても、上記各種欠陥の発生を抑えることができる。その結果、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができる。
【0035】
請求項6の発明に係る画像表示装置は、上記の課題を解決するために、基板上に複数の表示用の画素がマトリクス状に設けられ、これら各画素を駆動するためのデータ信号、走査信号をそれぞれ供給するデータ信号線駆動回路、走査信号線駆動回路を備えた画像表示装置において、上記データ信号線駆動回路および上記走査信号線駆動回路が、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置を備えていることを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置では、レーザ照射領域周辺に存在する素子、配線等がレーザ照射時に生じる熱から確実に保護されているので、レーザ照射により回路変更を行った場合でも画像表示装置の良品率および信頼性を向上させることができる。
【0037】
請求項7の発明に係る画像表示装置は、上記の課題を解決するために、請求項6の構成において、少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路が、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成されていることを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路が、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成されていても、レーザ照射時に発生する熱から、レーザ照射領域周辺の回路が保護されるので、短絡や断線などの各種欠陥の発生を抑えることができる。
【0039】
つまり、上記画素および上記データ信号線駆動回路を、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成する場合、その製造プロセスは、LSI等で用いられている単結晶シリコン基板上のトランジスタほどには確立されていない。その結果、短絡や断線などの欠陥が生じやすいものとなる。
【0040】
しかし、上記構成によれば、レーザ照射時に発生する熱からレーザ照射領域周辺の回路が保護されるので、少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路を、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成しても、上記各種欠陥の発生を抑えることができる。その結果、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1および図2に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0042】
図2は、本発明のアクティブマトリクス型画像表示装置において、画素トランジスタ(以下、TFT(Thin Film Transistor)と略称する)1、2周辺の概略の回路構成を示している。上記画像表示装置は、同図に示すように、図示しない基板上に複数のデータ信号線SLi(i=1、2、…m:ただしmは整数)と、それらに互いに直交する複数の走査信号線GLj(j=1、2、…n:ただしnは整数)とを備えている。各データ信号線SLiは、入力される映像信号をサンプリングすると共にサンプリングした映像信号を必要に応じて増幅してデータ信号線SLiに転送するデータ信号線駆動回路(図示せず)に接続されている。一方、各走査信号線GLjは、走査信号を出力する走査信号線駆動回路(図示せず)に接続されている。そして、上記のデータ信号線駆動画路および走査信号線駆動回路は、図示しない電源によりそれぞれ駆動されるようになっている。
【0043】
データ信号線SLiと走査信号線GLjとの交点には、スイッチング素子としてのTFT1と、冗長化されたTFT2とが配置されている。このように、本実施形態では、基板上に複数のスイッチング素子と複数の配線(例えばデータ信号線、走査信号線)とが設けられた回路で半導体装置が構成されている。そして、隣接する2本の走査信号線と、隣接する2本のデータ信号線とで包囲された部分で形成される画素には、液晶容量3aおよび必要に応じて付加される補助容量3bからなる画素容量3が設けられている。
【0044】
データ信号線SLiは、TFT1、2のソース電極1a、2aおよびドレイン電極1b、2bを介して画素容量3の一方の電極に接続されている。一方、走査信号線GLjは、TFT1、2のゲート電極1c、2cに接続されている。また、液晶容量3aの他方の電極は、液晶セルを挟んで対向電極(図示せず)に、補助容量3bの他方の電極は、全画素に共通の共通電極線(図示せず)、または、隣接する走査信号線に接続されている。なお、上記のTFT1、2は、それぞれ活性層1f、2f(図1参照)を有している。
【0045】
本実施形態では、図1に示すように、各TFT1、2間の空きスペースに熱吸収部材としての熱拡散用保護パターン(以下、単に保護パターンと称する)4を配置していると共に、データ信号線SLi、走査信号線GLj、画素電極6、ソース電極1a、2a、ドレイン電極1b、2bで囲まれた空きスペースに保護パターン5を配置している。該保護パターン4、5は、熱伝導性が高い材料であれば特定する必要はなく、例えばアルミニウム等の金属で構成される。
【0046】
ここで、例えばTFT2が欠陥トランジスタである場合、レーザ照射領域2d、2eにレーザリペア装置によってレーザ照射を行い、TFT2をデータ信号線SLiおよび画素電極6から電気的に切り離す。
【0047】
このように、配線を切断もしくは接続して回路変更を行う場合、レーザ照射領域2d、2eの周辺部分に、レーザ照射によって発生する熱を吸収する保護パターン4、5が設けられているので、レーザ照射によって発生する熱は、この保護パターン4、5によって吸収される。これにより、レーザ照射領域2d、2eの周辺に存在する正常な素子(例えばTFT1、2)、配線等に上記の熱が伝搬されるのが回避される。
【0048】
つまり、保護パターン4、5の無い従来の回路構成では、正常なトランジスタがレーザ照射領域に近い距離にあるため、レーザ照射によって欠陥トランジスタを切断する際に生ずる熱により、正常なトランジスタが破壊されたり、あるいは上記トランジスタの特性が劣化する場合があった。また、上記の熱により、上記欠陥トランジスタに近接した位置にある走査信号線が断線したり、あるいはデータ信号線と走査信号線とが電気的にショートする場合もあった。
【0049】
しかし、上記構成によれば、レーザ照射領域2d、2eとTFT1との間に保護パターン4が設けられているので、レーザ照射時に発生する熱が保護パターン4により拡散されて吸収される。これにより、正常なTFT1が熱的に破壊されるのを防止することができると共に、その熱によってTFT1の特性が劣化するのを防止することができる。また、レーザ照射領域2d、2eの周辺部分に上記のような保護パターン5が設けられていることにより、上記の熱によって走査信号線GLjが断線したり、あるいはデータ信号線SLiと走査信号線GLjとが電気的にショートするのを防止することもできる。それゆえ、上記構成によれば、冗長回路における残りの正常なTFT1により液晶を正常に駆動させて、表示を正常に行うことができる。
【0050】
また、上記とは逆に、TFT1が欠陥トランジスタである場合にも、上記と同様にレーザ照射領域1d、1eにレーザリペア装置によってレーザ照射を行い、TFT1をデータ信号線SLiおよび画素電極6から切り離すことで、上記と同様の効果を得ることができる。なお、このときも、保護パターン4により正常なTFT2は保護される。
【0051】
また、レーザ照射による修復時に、正常であるトランジスタを保護するためには、隣接するトランジスタ間の距離を離す方法も考えられる。しかし、その場合は、画素に対して空きスペースの占める面積が大きくなるので開口率が小さくなる。しかし、本発明では、空きスペースに保護パターン4、5を配置して熱吸収を行うため、隣接するTFT1、2間の距離、あるいは配線間の距離を大きく取る必要が無い。その結果、従来と同程度の開口率を維持しながら、TFT1またはTFT2の熱的破壊および特性劣化を防止することができると共に、装置の信頼性および良品率を向上させることができる。なお、信頼性および良品率を重視するのであれば、画素に対する保護パターン4、5の占める面積を大きく取るようにしても良い。
【0052】
また、上記構成によれば、半導体装置におけるスイッチング素子を、短絡や断線などの欠陥が生じやすいTFT1、2で構成しても、短絡や断線などの各種欠陥の発生を抑えることができる。
【0053】
つまり、半導体装置を構成する上記スイッチング素子をTFT1、2で構成した場合、その製造プロセスは、LSI(大規模集積回路)等で用いられている単結晶シリコン基板上のトランジスタほどには確立されていない。その結果、短絡や断線などの欠陥が生じやすいものとなる。
【0054】
しかし、上記構成によれば、レーザ照射時に発生する熱から上記TFT1、2が保護されるので、スイッチング素子をTFT1、2で構成しても、上記各種欠陥の発生を抑えることができる。その結果、このように構成した場合であっても装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、冗長用も含めてトランジスタの個数を2個としているが、トランジスタの個数には特に制限はなく、3つ以上としても良い。この場合、上記のような保護パターン4をトランジスタ間の複数のスペースに配置することで、正常トランジスタを保護することができる。また、保護パターン5を配線および電極間に配置することで、上記と同様に断線および配線間のショートを防止することができる。
【0056】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の一形態について図3および図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施の形態1で用いた部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0057】
本実施形態では、実施の形態1で説明した画像表示装置の走査信号線駆動回路等の回路に上述したような保護パターンを有する半導体装置を設ける例について説明するが、データ信号線駆動回路においても同様である。また、本実施形態では、走査信号線駆動回路、特に冗長化されたシフトレジスタ回路に保護パターンを設ける例について説明するが、これに限定するわけではない。レーザ照射装置を用いて配線切断または配線接続を行うことのできる回路であれば、上記の保護パターンを例えばバッファおよびサンプリング部分等の回路に設けることも可能である。
【0058】
図3は、シフトレジスタを2個並列に接続している回路図を示している。このシフトレジスタ回路は、2系列のシフトレジスタをそれぞれ同じ桁数ずつのレジスタブロックSRa1、SRa2、…SRan、レジスタブロックSRb1、SRb2、…SRbn(総称するときは単にSRと記述する)にそれぞれ分割したものである。各レジスタブロックSRは、それぞれ複数桁のレジスタを直列に接続したものであり、各桁のレジスタに保持されたデータがクロック信号に基づいて順に後方の桁のレジスタにシフトされるようになっている。このとき、第1桁のレジスタへの入力が、レジスタブロックSRの入力となり、最終桁のレジスタの反転出力がレジスタブロックSRの出力となる。各桁のレジスタの出力は、パラレルに取り出されるようになっている。
【0059】
なお、2系列のシフトレジスタの最も前方に位置するレジスタブロックSRa1およびレジスタブロックSRb1には、走査信号SPがそれぞれ入力SPa、SPbとして入力されるようになっている。なお、この駆動回路がデータ信号線駆動回路である場合には、データ信号のサンプリング制御信号がシリアルに入力されることになる。
【0060】
レジスタブロックSRa1、SRb1の出力QBa1、QBb1は、NAND回路N1の入力に接続されており、NAND回路N1の出力NAO1が次のレジスタブロックSRa2、SRb2の入力QBa2、QBb2に接続されている。また、レジスタブロックSRa1、SRb1の出力QBa1およびQBb1は、それぞれ抵抗R11、R12を挟んでHigh側電源VHに接続されている。なお、SRa2、SRb2、…、SRan、SRbnにおいても同様である。したがって、本実施形態では、一例としてレジスタブロックSRa1、SRb1について説明する。
【0061】
レジスタブロックSRa1、SRb1間の空きスペースには、熱吸収部材としての熱拡散用保護パターン(以下、単に保護パターンと称する)7がそれぞれ設けられている。該保護パターン7は、実施の形態1と同様、熱伝導性が高い材料であれば特定する必要はなく、例えばアルミニウム等の金属で構成される。
【0062】
ここで、例えばレジスタブロックSRa1が欠陥である場合、レジスタブロックSRa1の入力側、出力側のレーザ照射領域A1、A2にそれぞれレーザを照射し、レジスタブロックSRa1を電気的にシフトレジスタから切り離す。これにより、QBa1のNAND回路N1への入力はHigh側電源VHに固定される。そして、NAND回路N1は、レジスタブロックSRb1の出力により駆動され、走査回路全体は正常動作を行うことになる。
【0063】
また、上記とは逆に、レジスタブロックSRb1が欠陥である場合、レジスタブロックSRb1の入力側、出力側のレーザ照射領域B1、B2にレーザを照射し、レジスタブロックSRb1を電気的にシフトレジスタから切り離すことで、走査回路全体は正常動作を行うことになる。なお、他のレジスタブロックSRa2、SRb2、…SRan、SRbnのいずれかが欠陥の場合でも上記と同様にして走査回路が救済される。
【0064】
ここで、上記のような冗長回路部の詳細な回路構成を図4に示す。なお、ここでの説明を簡単にするために、ゲート配線QBaは、インバータ回路11により、ゲート配線Qaからのインバータ出力となっている。一方、ゲート配線QBbは、インバータ回路12により、ゲート配線Qbからのインバータ出力となっている。なお、上記のインバータ回路11は、p-ch活性層13aを有するTFT13と、n-ch活性層14aを有するTFT14とで構成されている。また、上記のインバータ回路12は、p-ch活性層15aを有するTFT15と、n-ch活性層16aを有するTFT16とで構成されている。
【0065】
ゲート配線QBa、QBbはNAND回路Nに入力されるようになっている。このNAND回路Nは、p-ch活性層17aを有するTFT17と、n-ch活性層18aを有するTFT18と、n-ch活性層19aを有するTFT19と、p-ch活性層20aを有するTFT20とで構成されている。
【0066】
熱吸収部材としての保護パターン21、22、23は、インバータ回路11、12およびNAND回路Nを構成する各TFT13〜20と、各ゲート配線QBa、QBbと、各ソース配線24、25と、各抵抗R1、R2の周辺の空きスペースに配置されている。同図では、保護パターン21、22、23はレーザ照射領域A、B付近のみに限定して配置されているが、空きスペース全てに配置されるようにしても良い。また、上記の保護パターン21、22、23は、実施の形態1と同様、熱伝導性が高い材料であれば特定する必要はなく、例えばアルミニウム等の金属で構成される。なお、同図中、VHはHigh側電源を示し、VLはLow 側電源を示している。
【0067】
ゲート配線QBa、QBbのいずれかが欠陥の出力をする場合、レーザ照射領域AまたはBにレーザを照射して切断し、回路の救済を行う。このとき、レーザ照射時に生じる熱をレーザ照射領域A、Bの周辺に設けられた保護パターン21が吸収するので、レーザ照射領域A、B周辺のトランジスタの熱的破壊および特性劣化が防止される。また、保護パターン22、23の熱吸収により、レーザ照射領域A、B周辺の配線、抵抗が断線したり、あるいはショートしたりするのも防止される。
【0068】
つまり、上記のようにレーザ照射装置を用いて配線切断または配線接続を行う場合、いずれの回路においても切断部分付近のトランジスタは上記と同様に熱の影響を受け易く、また破壊され易いので、本発明を適用することにより、レーザ照射領域A、B付近の回路が保護される。
【0069】
したがって、本実施形態における画像表示装置は、上記データ信号線駆動回路および上記走査信号線駆動回路が上述のような構成であるので、レーザ照射領域A、B周辺に存在する素子、配線等がレーザ照射時に生じる熱から確実に保護される。その結果、レーザ照射により回路変更を行った場合でも画像表示装置の良品率および信頼性を向上させることができる。
【0070】
また、少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路が、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成されていても、レーザ照射時に発生する熱から、レーザ照射領域A、B周辺の回路が保護されるので、短絡や断線などの各種欠陥の発生を抑えることができる。
【0071】
つまり、上記画素および上記データ信号線駆動回路を、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成する場合、その製造プロセスは、LSI等で用いられている単結晶シリコン基板上のトランジスタほどには確立されていない。その結果、短絡や断線などの欠陥が生じやすいものとなる。
【0072】
しかし、上記構成によれば、レーザ照射時に発生する熱からレーザ照射領域A、B周辺の回路が保護されるので、少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路を、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成しても、上記各種欠陥の発生を抑えることができる。その結果、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができる。
【0073】
また、上記のような保護パターン21、22、23を回路の下もしくは上の階層により冗長回路全体を覆うように形成することで、従来と同等もしくはそれ以下の回路サイズで上記と同様の効果を得ることができる。
【0074】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の他の一形態について図5ないし図10に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0075】
本実施形態では、図5に示すように、隣接する配線31、32間に熱拡散作用を持つ保護パターン33(熱吸収部材)を配置している。該保護パターン33は、上述した実施の形態1、2の場合と同様、熱伝導性が高い材料であれば特定する必要はなく、例えばアルミニウム等の金属で構成される。
【0076】
ここで、例えば配線31に欠陥が生じて配線31を切断する場合、レーザリペア装置によってレーザ照射領域にレーザを照射し、配線31を切断する。このとき、隣接した配線31、32間に設けられた保護パターン33が、レーザ照射によって発生する熱を拡散させて吸収するので、レーザ照射時の熱によって隣接配線32が断線したり、あるいは、配線31と配線32とが電気的にショートしたりするのが防止される。一方、配線32を切断する場合も保護パターン33により上記と同様の原理で配線31が保護される。また、保護パターン33をGND等に接続すれば、配線31、32間の相関ノイズおよび外部からのノイズを除去するシールド線としても使用することができる。
【0077】
また、回路欠陥の例としては、例えば配線の断線が挙げられる。例えば同期信号を転送するCKライン等のような長い引き回しが必要な配線の場合、配線の途中で断線が起こる確率が高く、もし配線の途中で断線が起これば断線部以降の回路は正常動作をしなくなる。このため、例えば図6に示すように、保護パターン33から配線31、32にクロスするクロス配線34、35(連結部材)を別層のパターンで設けるようにしても良い。つまり、この場合、クロス配線34、35により、保護パターン33と該保護パターン33に隣接した配線31、32とが冗長構造を成すように構成される。
【0078】
ここで、例えば配線31が図7に示すように断線した場合、配線31と保護パターン33とのクロス部34a、35aにレーザーを照射して、上記両者をショートさせれば良い。このときのクロス部34a、35aの断面図を図8に示す。同図に示すように、クロス部34a、35aへのレーザ照射により、配線31と保護パターン33との間に介在した絶縁膜36が破壊され、配線31と保護パターン33とがショートする。これにより、保護パターン33によってレーザ照射時に発生する熱から配線32を保護することができると共に、断線した配線31の救済を行うことができる。また、配線32が断線した場合でも、上記と同様にクロス部34b、35bにレーザを照射して配線32と保護パターン33とをショートさせれば、保護パターン33によってレーザ照射時に発生する熱から配線31を保護することができると共に、断線した配線32の救済を行うことができる。
【0079】
なお、保護パターン33をシールド線としてGND等に接続している場合には、図7中の×印部分をレーザ照射によって切断し、保護パターン33をGND電源等から切り離せば良い。
【0080】
次に、配線31、32と保護パターン33とを絶縁膜37(図10(b)参照)上に同層で配置するようにした構成を図9に示す。このとき、保護パターン33と上記配線31、32とが互いに凹凸状を成して隣接するようにそれらを配置し、その隣接部分にショート領域Sを形成する。図10(a)はショート領域Sの拡大図を示し、図10(b)は同図(a)のA−A′線矢視断面図を示している。そして、このショート領域Sにレーザを照射することにより、配線31または配線32と保護パターン33とを互いにショートさせるようにしても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0081】
また、この場合、配線31、32と保護パターン33とが互いに凹凸状を成して隣接しているので、その凹凸状の隣接部分にレーザを照射することによって容易に上記両者を短絡させることができる。その結果、上記両者を短絡させるための上述のようなクロス配線34、35(図7参照)を設けなくても済むようになる。したがって、上記構成によれば、上記クロス配線34、35を設けなくても済む分、クロス配線34、35による寄生容量を削減することができる。
【0082】
なお、本実施形態で説明したように、隣接配線に保護パターンを隣接させる構成、隣接配線と保護パターンとをクロス配線により連結する構成、および隣接配線と保護パターンとを互いに凹凸状を成して隣接させる構成は、実施の形態1、2にも適用可能であり、それによって同様の効果が得られるのは勿論のことである。
【0083】
また、上記のような保護パターン33を、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成することで、冗長回路が不可欠である該回路の良品率および信頼性を向上させることができる。
【0084】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る半導体装置は、以上のように、配線におけるレーザ照射領域の周辺部分に、レーザ照射によって発生する熱を吸収する熱吸収部材が設けられている構成である。
【0085】
それゆえ、レーザ照射領域周辺に存在する素子が従来のように熱的に破壊されたり、上記の熱によって上記素子の特性が劣化したりするのを防止することができるという効果を奏する。また、上記構成によれば、レーザ照射領域周辺に存在する配線が上記の熱によって断線したり、あるいは隣接する配線同士が電気的にショートするのを防止することができるという効果を奏する。また、その結果、上記のような回路変更を行った場合でも、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができるという効果を併せて奏する。
【0086】
請求項1の発明に係る半導体装置は、以上のように、上記構成において、上記熱吸収部材が、上記レーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に該スイッチング素子とは独立して設けられている構成である。
【0087】
それゆえ、上記スイッチング素子が、レーザ照射時の熱によって破壊されたり、あるいはその熱によって上記スイッチング素子の特性が劣化するのを防止することができるという効果を奏する。
【0088】
請求項2の発明に係る半導体装置は、以上のように、請求項1の構成において、上記回路が冗長回路で構成され、上記熱吸収部材が、上記冗長回路中のレーザ照射領域の周辺部分に設けられている構成である。
【0089】
それゆえ、冗長回路においても素子が熱的に破壊されたり、あるいは上記素子の特性が劣化したりするのを防止することができるという効果を奏する。また、冗長回路においてレーザ照射領域周辺に存在する配線が上記の熱によって断線したり、あるいは隣接する配線同士が電気的にショートするのを防止することができるという効果を併せて奏する。
【0090】
請求項2の発明に係る半導体装置は、以上のように、上記構成において、上記熱吸収部材が、上記冗長回路中のレーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に設けられている構成である。
【0091】
それゆえ、冗長回路における上記スイッチング素子が従来のように熱的に破壊されたり、あるいはその特性が劣化したりするのを防止することができるという効果を奏する。
【0092】
請求項3の発明に係る半導体装置は、以上のように、請求項1の構成に加えて、上記熱吸収部材と当該熱吸収部材に隣接した配線とが冗長構造を成すように、上記熱吸収部材が導電性部材で構成され、上記熱吸収部材と上記配線とに絶縁膜を介して重なるように配置された連結部材が複数個設けられている構成である。
【0093】
それゆえ、請求項1の構成による効果に加えて、上記配線が断線した場合でも、上記配線と冗長化された上記熱吸収部材を利用して回路を救済することができるという効果を奏する。
【0094】
請求項4の発明に係る半導体装置は、以上のように、請求項1の構成において、上記熱吸収部材と上記配線とが隣接する部分に、上記熱吸収部材と上記配線とを短絡させるための領域が形成されるように、上記熱吸収部材と上記配線とが、絶縁膜上に同層で配置されており、かつ、互いに凹凸状を成して隣接している構成である。
【0095】
それゆえ、熱吸収部材と配線との隣接部分にレーザを照射することによって容易に上記両者を短絡させることができるので、上記両者を短絡させるための上述のような連結部材を設けなくても済み、上記連結部材を設けなくても済む分、連結部材による寄生容量を削減することができるという効果を奏する。
【0096】
請求項5の発明に係る半導体装置は、以上のように、請求項1または2の構成において、上記スイッチング素子が、薄膜トランジスタで構成されている構成である。
【0097】
それゆえ、レーザ照射時に発生する熱を熱吸収部材が吸収することにより、スイッチング素子を、短絡や断線などの発生しやすい薄膜トランジスタで構成しても上記各種欠陥の発生を抑えることができ、その結果、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができるという効果を奏する。
【0098】
請求項6の発明に係る画像表示装置は、以上のように、上記データ信号線駆動回路および上記走査信号線駆動回路が、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置を備えている構成である。
【0099】
それゆえ、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置では、レーザ照射領域周辺に存在する素子、配線等がレーザ照射時に生じる熱から確実に保護されているので、レーザ照射により回路変更を行った場合でも画像表示装置の良品率および信頼性を向上させることができるという効果を奏する。
【0100】
請求項7の発明に係る画像表示装置は、以上のように、請求項6の構成において、少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路が、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成されている構成である。
【0101】
それゆえ、レーザ照射時に発生する熱から、レーザ照射領域周辺の回路が保護されるので、短絡や断線などの各種欠陥の発生を抑えることができ、その結果、装置の良品率および信頼性を従来よりも向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る半導体装置を備えた画像表示装置において、画素の概略の構成を示す平面図である。
【図2】 上記画素の回路構成を示す説明図である。
【図3】 シフトレジスタを用いた走査信号線駆動回路の概略の構成を示す説明図である。
【図4】 上記走査信号線駆動回路における冗長回路構成を示す平面図である。
【図5】 配線と保護パターンとの配置を示した平面図である。
【図6】 配線と保護パターンとがクロス配線で連結されている状態を示す平面図である。
【図7】 上記配線が断線している状態を示す平面図である。
【図8】 レーザ照射によって、上記配線と上記保護パターンとがショートする様子を示す断面図である。
【図9】 保護パターンとそれに隣接する配線とが互いに凹凸状を成して隣接している状態を示す平面図である。
【図10】 (a)は、図9におけるショート領域を拡大した平面図であり、(b)は、(a)におけるA−A′線矢視断面図である。
【図11】 従来の画像表示装置の一構成例を示すブロック図である。
【図12】 上記画像表示装置の主要部の詳細な構成を示す説明図である。
【図13】 上記画像表示装置の画素の回路構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 TFT(スイッチング素子)
2 TFT(スイッチング素子)
4 熱拡散用保護パターン(熱吸収部材)
5 熱拡散用保護パターン(熱吸収部材)
21 熱拡散用保護パターン(熱吸収部材)
22 熱拡散用保護パターン(熱吸収部材)
23 熱拡散用保護パターン(熱吸収部材)
31 配線
32 配線
33 熱拡散用保護パターン(熱吸収部材)
34 クロス配線(連結部材)
35 クロス配線(連結部材)
SLi データ信号線(配線)
GLj 走査信号線(配線)
Claims (7)
- 基板上に複数のスイッチング素子と複数の配線とが設けられて回路が構成された半導体装置において、
上記配線におけるレーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に、該スイッチング素子とは独立して、レーザ照射によって発生する熱を吸収する熱吸収部材が設けられていることを特徴とする半導体装置。 - 上記回路が冗長回路で構成され、上記熱吸収部材が、上記冗長回路中のレーザ照射領域と上記スイッチング素子との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記熱吸収部材と当該熱吸収部材に隣接した配線とが冗長構造を成すように、上記熱吸収部材が導電性部材で構成され、上記熱吸収部材と上記配線とに絶縁膜を介して重なるように配置された連結部材が複数個設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記熱吸収部材が導電性部材で構成され、該熱吸収部材と上記配線とが隣接する部分に、上記熱吸収部材と上記配線とを短絡させるための領域が形成されるように、上記熱吸収部材と上記配線とが、絶縁膜上に同層で配置されており、かつ、互いに凹凸状を成して隣接していることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 上記スイッチング素子が、薄膜トランジスタで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 基板上に複数の表示用の画素がマトリクス状に設けられ、これら各画素を駆動するためのデータ信号、走査信号をそれぞれ供給するデータ信号線駆動回路、走査信号線駆動回路を備えた画像表示装置において、
上記データ信号線駆動回路および上記走査信号線駆動回路が、請求項1から4のいずれかに記載の半導体装置を備えていることを特徴とする画像表示装置。 - 少なくとも上記画素および上記データ信号線駆動回路が、絶縁基板上に形成された非晶質シリコン薄膜、多結晶シリコン薄膜または単結晶シリコン薄膜上に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の画像表示装置。
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