JP3916018B2 - パネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置 - Google Patents

パネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート系パネルのパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置に関するものである。より詳しくは、コンクリート系パネルの複数本の補強鉄筋を溶接により形成したマット状のパネル補強体、あるいはそのマット状のパネル補強体を連結してなるカゴ状のパネル補強体にパネルを取付けるためのアンカー金具を自動的に溶接し、省人化、省力化が可能となるパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
PCパネル、軽量コンクリートパネル、軽量気泡コンクリートパネルなどの壁や床等に使用されるコンクリート系パネルの内部には、主に強度確保の理由から鉄筋によるパネル補強体が埋設されている。このパネル補強体は、通常は鉄筋を縦横に交差させて並べ、縦横の鉄筋を互いに溶接することによりマット状に形成したもの、あるいはそのマット状のパネル補強体を複数枚並列に並べて連結部材により連結してカゴ状に形成したものがほとんどである。そして、このようなパネル補強体には建物躯体に取付けるためのアンカー金具が溶接固定されてパネル内に埋設されている場合がある。
【0003】
またコンクリート系パネルのうち軽量気泡コンクリートパネル(以下ALCパネルという)にも同様のパネル補強体が埋設されている。このALCパネルの場合は、建物躯体に対するパネルの締結力をより高めるために、パネルの製造工程でパネル補強体にアンカー金具を予め溶接しておくことも行われている。
【0004】
また、このようなパネル補強体にアンカー金具を溶接する技術あるいはそのパネルを高生産性の下で製造する技術が種々検討されており、特に、ALCパネル補強体に対するアンカー金具の溶接作業を生産ライン(コンベア装置による搬送装置上等)で効率良く行う装置や方法が提案されている。
その一例として、図8に示すように、カゴ状のパネル補強体71にアンカー金具73を溶接により取付けるに際し、コンベア装置72上で溶接作業することによりパネル補強体71の搬出を容易にするとともに、取付けのための治具75を使用することによって、パネル補強体71へのアンカー金具73の取付け位置の設定を効率的にする装置が知られている(特開昭63−59503号公報)。
【0005】
この装置は、パネル補強体71を一方向からアンカー金具溶接作業位置へ搬入した後、そのパネル補強体71の前端を、装置フレーム76に固設した端点固定具74に係止させる方法で位置決めし、パネル補強体71の溶接対象となる補強鉄筋にアンカー金具73を溶接する装置である。
【0006】
また、本出願人は、パネル補強体へのアンカー金具の溶接を生産ラインで容易に自動化可能になる方法として、予めアンカー金具が溶接されたマット状のパネル補強体を製造してから、そのマット状のパネル補強体と別のマット状のパネル補強体とを連結してカゴ状のパネル補強体を形成する方法を以前に提案した(特開平1−280149号公報、図示なし)。そして、この公報には補強鉄筋とアンカー金具との位置のずれがあっても、アンカー金具としてL型主板部にナットを設けたものを使用して、アンカー金具の溶接時の保持や位置決めを容易にできることが記載されている。
【0007】
さらに、本出願人は、同様に生産工程での自動化を容易にするため、アンカー金具が予め溶接されている補強鉄筋を使用してマット状のパネル補強体を形成する方法についても提案した(特開平1−234210号公報、図示なし)。またこの発明においても、アンカー金具としてナットに複数本の脚部(L型主板部等)を設けたものを使用するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のパネル補強体へのアンカー金具の溶接装置及び溶接方法において、特開昭63−59503号公報の装置は、アンカー金具の溶接作業をコンベア装置上で容易にできるようにした装置であるが、その溶接作業は人手によるもので、自動化する発明ではなく、また自動化に適用しようとしても次の理由から適用困難である。
【0009】
すなわち、前述のように、この発明はマット状またはカゴ状のパネル補強体の前端を停止させる装置および取付け治具(溶接治具)などに関するものあるが、パネル補強体を構成する各補強鉄筋は、溶接歪みを有することから左右に曲がっているのが通常である。従って、パネル補強体の前端を停止させても、アンカー金具の溶接対象となる補強鉄筋の位置はいつも正確な位置や角度になるとは限らず、むしろ位置がばらつくことが多い。さらに停止手段においても、カゴ状のパネル補強体はやや弾力性を有するため、単に停止させるのみでは前記の補強鉄筋の位置はずれてしまうという問題もある。
このような問題がおこらないように、補強鉄筋の溶接位置精度を高くすると共に溶接歪みの発生しない溶接作業を行うことは実際には不可能である。さらに、補強鉄筋とアンカー金具とを自動的に正確に合致させること、また溶接装置などをその位置に移動させて自動溶接することも極めて困難なことである。
【0010】
また、特開平1−280149号公報の発明によれば、補強鉄筋とアンカー金具とは容易に位置決め可能であるが、パネル補強体の溶接対象となる補強鉄筋の位置がばらつくため、L型主板部に対する補強鉄筋の溶接位置がばらつくようになる。従って、この発明においても自動化しても溶接不良による不良品が発生するという問題点があった。さらに、アンカー金具に溶接位置のずれを吸収するための主板部を設ける必要があることから、アンカー金具の形状が限定されるとともに、その主板部の分だけアンカー金具が大きくなり、アンカー金具の単価が高くなる。また、そのアンカー金具の主板部は、それに垂直にかかる力に弱いため、アンカー金具の強度があまり高くないとう問題点もある。
【0011】
特開平1−234210号公報の発明においても、上記発明の問題と同様であるとともに、さらに、この方法ではアンカー金具と鉄筋とを溶接する工程と、鉄筋をマット状のパネル補強体に溶接する工程との両方の工程が必要になり、生産効率の低下および各種装置の増大によるコスト高を招くという問題点があった。
【0012】
従って、本発明の目的は、マット状あるいはカゴ状のパネル補強体をその生産ライン上、すなわちコンベア装置などにより搬送する途中で、パネル補強体にアンカー金具の溶接を精度良くかつ完全に自動的に行うことができ、しかもその際にアンカー金具の形状や大きさなどに限定されず、さらには溶接工程も1工程で可能になる自動溶接装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明においては、コンクリート系パネル内に埋設する、複数本の補強鉄筋から成るマット状あるいはカゴ状のパネル補強体をコンベア装置により搬送する途中で、そのパネル補強体にアンカー金具を自動的に溶接する装置であって、
前記アンカー金具の溶接対象となる補強鉄筋を把持して、予め設定された位置に固定する把持機構と、前記補強鉄筋に前記アンカー金具を供給して当接するアンカー金具供給機構と、前記補強鉄筋と前記アンカー金具とを溶接する溶接機構とを備えた自動溶接装置を採用する。
【0014】
本発明の自動溶接装置においては、パネル補強体とアンカー金具とを自動的に溶接するにあたり、溶接対象となる補強鉄筋の一部を最初に把持機構により把持してその補強鉄筋位置を固定するため、その補強鉄筋は常に同じ位置にしかも正確な位置に固定される。従って、位置が固定された補強鉄筋にアンカー金具を供給機構で供給する際、アンカー金具がその補強鉄筋に正確に当接されてアンカー金具の溶接位置のずれがなくなる。また、その溶接位置に溶接機構を移動させる際も同様に正確にかつ容易に位置決めできるようになる。
【0015】
本発明における把持機構は、溶接対象となる補強鉄筋の所定位置を把持する機構であれば適用できるが、アンカー金具を溶接する位置の両側を把持する機構とすると、補強鉄筋をさらに正確に位置固定できる。従って、溶接をさらに正確にできるようになる。
また、把持機構は、相対する一対の補強鉄筋把持用の凹状部を有し、かつその凹状部は相互に同調して移動するものであることがより望ましい。凹状部により、補強鉄筋がより確実にかつ強固に把持可能になるとともに、相互に同調して移動することにより溶接終了後に補強鉄筋の把持解除がスムーズになる。すなわち、片側移動機構の場合は溶接終了後に補強鉄筋の把持を解除して把持機構を移動や昇降させる際に、補強鉄筋がその凹状部に引っ掛かりスムーズに解除できないこともある。またその問題をなくすために把持機構の移動を複雑にする必要がある。
【0016】
また、本発明の自動溶接装置は、コンベア装置上でパネル補強体が走行中であっても適用可能であるが、パネル補強体をストッパーによって一旦停止させる停止機構を備えていることがより望ましい。
すなわち、このような溶接装置において、パネル補強体をコンベア装置により溶接工程位置へ搬入し、そのパネル補強体の溶接対象となる補強鉄筋のみを把持機構により把持・固定する前にパネル補強体を停止機構で停止させることにより、溶接対象となる補強鉄筋の位置を把持機構の位置またはその近傍に位置させることができるため、把持が確実かつ容易になり、さらに鉄筋把持のために把持装置を移動させる機構も省略することもできる。
【0017】
さらに、補強鉄筋の停止位置が把持機構の位置と一致しなくとも、その位置から大きく離れることがないため、停止位置と溶接対象となる補強鉄筋との距離を制御装置により計算で算出することにより、把持機構と溶接対象となる補強鉄筋との位置を合致させることができるようになる。
【0018】
また、アンカー金具の位置精度を上げるためには、溶接機構は、アンカー金具を一本の補強鉄筋に線溶接する方式とすることがより望ましい。すなわち、複数の補強鉄筋にアンカー金具を溶接する場合は、把持機構や溶接機構が複雑になるばかりでなく、クランプ等の把持機構によりその補強鉄筋の間隔を強制的に固定して溶接するようになるので、溶接後クランプ等を解放すると補強鉄筋が変形する可能性が高く、アンカー金具の位置精度が落ちる可能性もある。これに対し、一本の補強鉄筋にアンカー金具を溶接する方式とすれば、このような問題はなく、装置全体も簡素化できるとともに、さらに一本の補強鉄筋に溶接するのでアンカー金具自体の大きさも小さくすることができる。なお、一本の補強鉄筋に溶接する場合は、複数のスポット溶接(抵抗溶接)やアーク溶接による点溶接でもアンカー金具の溶接固定は可能であるが、ほぼ一直線でしか溶接することができないという欠点を補うために、アーク溶接による線溶接とすることがより望ましい。
【0019】
本発明においては、パネル補強体の自動溶接装置への供給払出しは、生産ライン、すなわちコンベア装置で行うので、供給払出し作業においても省力化が可能になるが、そのコンベア装置としては、ローラーコンベア,ベルトコンベア,チェーンコンベアなどが適用できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は本発明のパネル補強体6へのアンカー金具7の自動溶接装置全体を示す斜視図であり、補強鉄筋の把持機構1、アンカー金具供給機構2、溶接機構3、パネル補強体の停止機構4、コンベア装置5からなる。
そして、図1に示すように、溶接機構3及び把持機構1は一つの上部移動フレーム8に取付けられており、その上部移動フレーム8は上下方向に駆動シリンダー8aで動くようになっている。また、コンベア装置5の下側には、溶接対象となる補強鉄筋6aにアンカー金具7を供給して当接するアンカー金具供給機構2が設置されている。
【0021】
把持機構1は、図2に示すように、パネル補強体6のアンカー金具7の溶接対象となる補強鉄筋6aを把持するための相対する一対の凹状部1aaと、前部アーム1abおよび後部アーム1acとから成るクランプ1aと、クランプ用シリンダー1bと、アーム1ab,1acを支持するロッド1cと、ピニオン1dから構成されている。
この凹状部1aaは、底端の曲率半径が補強鉄筋6aの径と同じかそれより小さくなったV字状となっており、その入口が拡がっている。そのため補強鉄筋6aの位置が上下に多少ずれていても凹状部1aaがガイドとなって補強鉄筋6aを一定の位置に強制することができ、補強鉄筋6aを掴んだとき、それを上下前後いずれの方向にも動かなくすることができる。
【0022】
クランプ1aの前部アーム1abは、クランプ用シリンダー1bに直接つながっているが、後部アーム1acは、前部アーム1abの移動に同調してその反対方向に動く機構となっている。すなわち、前部アーム1abと後部アーム1acの支持用ロッド1cには、複数の横溝が互いに向き合うように掘られてラック状となっており、その間に軸が固定されたピニオン1dが歯合している。この機構により凹状部1aaを形成したクランプ1aが相互にほぼ同調して動くようになる。
【0023】
アンカー金具供給機構2は、図3に示すように、振動によりアンカー金具7を整列、搬送するボウルフィーダー(図示せず)から、同様に振動によりアンカー金具7を搬送するリニアフィーダー2gに供給されたアンカー金具7をその筒状部を覆い囲むように把持するエアー駆動型のチャック2aと、そのチャックを数十cm程昇降させる昇降シリンダー2bおよびそのガイドロッドと、その昇降シリンダー2bを水平方向から垂直方向に回動させる回動アーム2cと、その回動シリンダー2d及びこれらを取付けた下部移動フレーム2eとから成る。また下部移動フレーム2eはサーボモーター2f及びボールネジとそのガイドロッドによりパネル補強体6の幅方向に動く構造となっている。
【0024】
溶接機構3は、図1に示すように、JIS Z 3312に規定するガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤー(YGW12)を使用し、炭酸ガスをシールドガスとして用いるアーク溶接機構であり、一対の溶接用トーチ3aと、トーチ用シリンダー3bとから成る。そのトーチ3aはその中心間がパネル補強体6の補強鉄筋6b(横筋)の方向に数十mm離れて設けられており、パネル補強体6の前方から見て数度傾けて設けられている、また、パネル補強体6の横方向から見てそれぞれ逆方向に数度傾けて設けられている。このトーチ3aは通常は両者が一体となって左右(補強鉄筋の長さ方向)に1cm程トーチ用シリンダー3bにより動く構造となっている。
【0025】
パネル補強体6の停止機構4は、図4に示すように、平板状のストッパー4aと、停止機構フレーム4bと、サーボモーター4eと、昇降シリンダー4fなどから成っている。そして、図5に示すように、コンベア装置5上部両側には、この機構の停止機構フレーム4b部分がパネル補強体6のほぼ全長分だけ移動できるように、ラックレール4cが敷かれている。また、コンベア装置5上部にはパネル補強体6に押し当ててパネル補強体6を停止させる平板状のストッパー4aが設けられており、その停止機構フレーム4b部分にはそのラックレール4cに噛み合う歯車4dが設けられ、サーボモーター4eにより移動できるようになっている。
【0026】
また、フレーム4b部分は多数のカムフォロア4hにより、上下方向及び横方向にずれないようにガイドされている。さらに、ストッパー4aは昇降シリンダー4f及びパネル補強体6を停止させた後ストッパー4aを前方に逃がすための薄型シリンダー4gを介してその停止機構フレーム4bに取り付けられている。
【0027】
コンベア装置5は、図1に示すように、ローラーコンベアであり、そのローラー5aには補強鉄筋6の縦筋6cの通り道となる溝5bが刻まれている。またローラー5aは磁石となっており、このため、ローラー5aが急作動してもパネル補強体6の縦筋6cがその溝5bからはみ出すことはない。この溝5bによりパネル補強体6はその幅方向にはずれないようになっている。
【0028】
カゴ状のパネル補強体6は、図6に示すように、直径5mm程度の補強鉄筋(縦筋)6cを縦に等間隔で4本並べ、この縦筋6cの上に横筋6bを重ねその上下から電極で挟み込み高圧電流を流し、縦筋6c及び横筋6b同士を互いに抵抗溶接することによりマット状に形成されている。横筋6bは縦筋6cの両端に溶接され、またその間にもほぼ60cm間隔で横筋6bが溶接されている。このようにマット状に形成されたパネル補強体6が6cm間隔で上下に並列に並べられ直径3mm程度の連結部材6dで連結されカゴ状に形成されている。ただし、このパネル補強体6の上側のマットにはその両端から27cmの所にもアンカー金具7の溶接対象となる補強鉄筋(横筋)6aが縦筋に抵抗溶接されているが、下側のマットにはその位置には横筋は溶接されていない。
【0029】
アンカー金具7は、図7に示すように、外部の部材にボルトを介して繋ぎとめるためのナット7aとそのナット7aの外周を包むように構成している筒状部7bと、その筒状部7bの両端から翼状に張り出した平板部7cとその平板部7cの前記ナット7aと反対側に略U字状に形成された係止部7dとからなる。前記ナット7aはM12のねじがきられており、U字状の係止部7dは5mmの太さの鉄筋に外嵌する大きさとなっている。
【0030】
以下、本実施形態の自動溶接装置の動作について説明する。
溶接機構3及び把持機構1は、予め溶接機構3がパネル補強体6の幅方向ほぼ中央にくるように上部移動フレーム8の位置が設定されている。自動溶接装置のアンカー金具溶接位置より前方27cmの位置に平板状のストッパー4aを設定しておき、パネル補強体6の製造装置から自動溶接装置にローラー5aによるコンベア装置で前記パネル補強体6が運ばれてくると、パネル補強体6はその前端がストッパー4aにあたって停止する。また、パネル補強体6がその反動で跳ね返ってもローラー5aをパネル補強体6の進行方向に向けて回転したままにしておけば、パネル補強体6は再びストッパー4aにあたって停止する。パネル補強体6がほぼ停止するとローラー5aが停止し、ストッパー4aは薄型シリンダー4gにより前方に逃げて昇降シリンダー4fにより上昇する。
【0031】
次に上部移動フレーム8が下降し、クランプ1aが閉じることにより、パネル補強体6の金具溶接対象となる一本の補強鉄筋6aの溶接位置の両側を把持機構1が掴み固定する。このとき、補強鉄筋6aは常に同じ位置にしかも正確な位置に固定される。その後、下部移動フレーム2eが前進し、横向けに倒された昇降シリンダー2bの先端に取付けられたチャック2aがリニアフィーダー2gの最前部に供給されたアンカー金具7をその筒状部7bを覆い囲むように把持し、回動シリンダー2dが作動することにより昇降シリンダー2bが回動して起立する。
【0032】
回動シリンダー2dの作動と同時にサーボモーター2fが作動し昇降シリンダー2bをパネル補強体6の幅方向中央下に移動させる。両方の動作が終わると、昇降シリンダー2bが作動することによりチャック2aが上昇し、アンカー金具7の係止部7dを補強鉄筋6aに当接する。このとき、補強鉄筋6aが常に同じ位置にしかも正確な位置に固定されているので、アンカー金具7の係止部7dは正確に補強鉄筋6aに当接する。
【0033】
また、補強鉄筋6a及びアンカー金具の係止部7dのすぐ上には、溶接機構3のトーチ3aが来ておりアーク溶接用ワイヤーとパネル補強体6との間に高電圧をかけることにより、アーク溶接をする。同時に、溶接をしながらトーチ用シリンダー3bによりトーチ3aを左右(補強鉄筋の長さ方向)に1cm程動かすと、アンカー金具7のU字状の係止部7dは補強鉄筋6aに線溶接される。結果、係止部7dの一対の係止片は互いにその逆側が残るように半分ずつ溶接されるが、これで十分な強度が得られる。
【0034】
このようにして溶接が終了すると、把持機構1のクランプ1aが解放し、前記上部移動フレーム8が上昇する。また、供給機構2のチャック2aも解放され、昇降シリンダー2bは下降する。この一連の動作によりパネル補強体6の前側のアンカー金具7が正確に溶接されたが、次にパネル補強体6の進行方向後端から27cmの位置の溶接対象となる補強鉄筋6aに自動溶接装置の金具溶接位置がくるように、前記停止機構4の平板状のストッパー4aを設定しておき、以後今までと同様の工程をたどることにより、パネル補強体6の後側のアンカー金具7も同じく正確に溶接される。
【0035】
以上、本発明の一実施形態を詳細に説明したが、本発明はその根本的技術思想を踏襲して発明の効果を著しく損なうことがない限度において実施態様を変更することができる。例えば、本実施形態においてはアンカー金具の溶接位置はパネル補強体の幅方向中央に固定されているが、使用時の要望から幅方向にオフセットして取付けることもできる。次に、パネル補強体には、その4隅にアンカー金具を溶接することもでき、その次に、パネル補強体を一定位置に固定しておき、自動溶接装置をパネル補強体の前後方向にも移動させることにより、パネル補強体の必要な位置にアンカー金具を溶接することもできる。さらに、自動溶接装置を2組設けることにより、パネル補強体の両端部に同時にアンカー金具を溶接することもできる。そして、本実施形態においては停止機構はパネル補強体6に平板状のストッパー4aを押し当ててパネル補強体6を停止させる機構としたがパネル補強体6を両側面から挟み込むようにして停止させる機構としてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置によれば、マット状あるいはカゴ状のパネル補強体をその生産ライン上、すなわちコンベア装置などにより搬送する途中で、パネル補強体にアンカー金具の溶接を精度良くかつ完全に自動的に行うことができる。従って、パネル補強体の装置への供給払出しを含め、大幅な省人化、省力化を行うことができる。しかもその際にアンカー金具の形状や大きさなどに限定されず、また溶接工程も1工程で可能になる。さらに、アンカー金具に溶接位置のずれを吸収するための平板部などを設ける必要もないので、その平板部の分だけアンカー金具を小さくでき、アンカー金具の単価を低減できるとともに、アンカー金具の強度をも上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動溶接装置の溶接機構及び把持機構を示す斜視図。
【図2】本発明の自動溶接装置の把持機構を示す側面図。
【図3】本発明の自動溶接装置のアンカー金具供給機を示す斜視図。
【図4】本発明の自動溶接装置の停止機構を示す斜視図。
【図5】本発明の自動溶接装置の全体を示す側面図。
【図6】本発明に使用するパネル補強体の一例を示す斜視図。
【図7】本発明に使用するアンカー金具の一例を示す斜視図。
【図8】従来の溶接装置を示す斜視図。
【符号の説明】
1 把持機構
1aa 一対の補強鉄筋把持用の凹状部
2 アンカー金具供給機構
3 溶接機構
4 停止機構
4a ストッパー
5 コンベア装置
6 パネル補強体
6a 溶接対象となる補強鉄筋
7 アンカー金具

Claims (5)

  1. コンクリート系パネル内に埋設する、複数本の補強鉄筋から成るマット状あるいはカゴ状のパネル補強体(6)をコンベア装置(5)により搬送する途中で、そのパネル補強体(6)にアンカー金具(7)を自動的に溶接する装置であって、
    前記アンカー金具(7)の溶接対象となる補強鉄筋(6a)を把持して、予め設定された位置に固定する把持機構(1)と、前記補強鉄筋(6a)に前記アンカー金具(7)を供給して当接するアンカー金具供給機構(2)と、前記補強鉄筋(6a)と前記アンカー金具(7)とを溶接する溶接機構(3)とを備えたことを特徴とするパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置。
  2. 前記把持機構(1)は、前記溶接対象となる補強鉄筋(6a)のアンカー金具を溶接する位置の両側を把持する機構である請求項1記載のパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置。
  3. 前記把持機構(1)は、相対する一対の補強鉄筋把持用の凹状部(1aa)を有し、その凹状部(1aa)は相互に同調して移動するものである請求項1又は請求項2記載のパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置。
  4. 前記パネル補強体(6)をストッパー(4a)によって停止させる停止機構(4)を備えた請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置。
  5. 前記溶接機構(3)は前記アンカー金具(7)を一本の補強鉄筋(6a)に線溶接するものである請求項1〜請求項4のいずれか1項記載のパネル補強体へのアンカー金具の自動溶接装置。
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