JP3915315B2 - 熱履歴表示インキ組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱履歴及び時間の経過を累積的かつ不可逆的に表示することのできる熱履歴表示インキ組成物、及び該組成物による表示を有する包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、缶飲料、レトルト食品や薬品等の保存又は有効期限等を表示するために、表示物の色調変化を利用する熱履歴表示インキは種々提案されている。
例えば、特公平6−53868号公報には、耐熱性染料と感熱性染料を含み、所定の時間高温を受けたときに感熱性染料が分解されて変色する熱変色性のインク組成物が記載されているが、このインク組成物は116℃以上の温度で15〜30分間加温されたときにはじめて変色するものであり、100℃以下の温度で1〜3月間の時間経過を明確に表示できるものではない。
【0003】
また、特公昭64−2906号公報には、pHの変化に応じて変色する可変色素と水酸化ナトリウム等の無機アルカリ性物質を共存させ、無機アルカリ性物質が空気中の炭酸ガスと反応しpHが低下することにより変色することを利用したタイムインジケーターが記載されているが、このものではインジケーターを缶等に付着させる前でも炭酸ガスとの反応が進むために、使用直前まで空気を遮断して保存する必要があった。また、温度による変化を反映することはできず、熱履歴を明確に表示するものではなかった。
【0004】
さらに、温度履歴により変色するインクジェットプリンタ用インキ組成物も提案されているが(例えば特開平8−3494号公報)、商品の熱履歴及び時間の経過を累積して不可逆的かつ明瞭に表示できるものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、自動販売機やコンビニエンスストアの普及等商品の流通形態の変化に伴って、缶飲料又はレトルト食品等を自動販売機や店頭で加温して販売することが広く行われるようになっている。このような販売形態をとる商品では、単に製造後の経過時間だけではなく、商品が製造後どのような熱履歴を受けたか、すなわち商品の熱履歴及び時間の経過を簡単な方法で累積的かつ不可逆的に把握し、商品の消費期限等品質管理を行うことが必要である。
そのため先に本発明者らは、揮発性有機アミン、酸塩基変色性染料及びバインダー樹脂を含有する、時間と温度の経過を累積し不可逆的に表示する熱履歴表示インキ組成物を提案した。(特願平9−261140号,特願平9−366761号)
【0006】
しかし、これらの熱履歴表示インキによる印字を、例えばインクジェットプリンター(IJP)を用いて飲料缶の外面に設けた場合は、飲料充填ラインにおいて缶の搬送性を良くするためにコンベア上面に使用する潤滑液により印字の滲みが生じるという問題がある。
バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合は、インキのIJP特性を損なうことなく耐水性や被塗布物への密着性を向上することができるが、印字皮膜が室温で変色してしまったり、また過度の導電剤の存在下では、変色速度が遅くなったりするなどの変色阻害が生じる。
【0007】
したがって、本発明は被塗布物への密着性、耐水性及び耐薬品性に優れるとともに変色阻害のない、簡単かつ明確に商品が製造後に受けた熱履歴及び時間の経過を累積し、不可逆的に表示することのできる熱履歴表示インキ組成物を提供することを目的とする。
また本発明は、さらに経時や温度変化によるインキの粘度増加が少なく、速乾性があり、IJPによる高速印字適性を有する熱履歴表示インキ組成物を提供することも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために次のような構成をとる。
1.次の一般式(1)で表される揮発性有機アミン;ラクトン又はスルホフタレイン環構造を有するトリフェニルメタン系染料から選択されたものであり、かつ少なくとも1個のフェノール性水酸基を有する酸塩基変色性染料;及び末端基封鎖エポキシ樹脂を含有する時間と温度の経過を累積し不可逆的に表示する熱履歴表示インキ組成物において、全組成物を基準として0.1〜5重量%の揮発性有機アミン;0.1〜5重量%の染料;及び5〜30重量%の末端基封鎖エポキシ樹脂を含有することを特徴とする熱履歴表示インキ組成物。
【0009】
【化2】
Figure 0003915315
(式中、R、R及びRは、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル基もしくはR−OHで表されるヒドロキシアルキル基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。)
【0010】
2.さらに、全組成物を基準として2〜15重量%のアクリル樹脂、共重合アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂及び塩化ビニル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする1に記載の熱履歴表示インキ組成物。
3.さらに、全組成物を基準として0.01〜1重量%の導電性物質を含有することを特徴とする1又は2に記載の熱履歴表示インキ組成物。
4.1〜3のいずれかに記載された熱履歴表示インキ組成物による表示を有する包装体。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明で使用する揮発性有機アミンとしては、沸点が100〜360℃の有機アミンであればいずれも使用することができる。好ましい有機アミンとしては、次の一般式(1)で示される脂肪族有機アミンが挙げられる。
【0012】
【化3】
Figure 0003915315
(式中、R、R及びRは、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル基もしくはR−OHで表されるヒドロキシアルキル基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキレン基を表す。)
【0013】
本発明で使用される脂肪族アミンとしては、具体的には例えばn−ジブチルアミン、n−トリブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、n−ヘプチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
脂肪族アミンのなかでも、上記一般式(1)においてR、R、Rの少なくとも1つがR−OHであるアルカノールアミン類を使用した場合には、該アミンの臭いが少ないので特に好ましい。好適なアルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、n−ブチルモノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチルジエタノールアミン、ジ−n−ブチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。
これらの揮発性アミンは、時間の経過及び熱履歴の程度に応じて熱履歴表示インキ組成物から揮発し、該組成物の染料に対する濃度が低下することになる。揮発性有機アミンの熱履歴表示インキ組成物への配合量は、全組成物を基準として約0.1〜5重量%であり、使用する染料の濃度や要求される変色時間に応じてこの範囲内で適宜選択する。アミンがこれより多いと皮膜の乾燥性が充分とならず、また少ないと発色が充分ではなくなる。
【0014】
本発明で使用する酸塩基変色染料としては、pH3〜10の範囲で変色するものはいずれも使用することができるが、好ましいものとしては、pH9以下で変色し、初期色相と変色完了後の色差△Eが20以上であるもので、且つ加温して保存及び販売されるときに、そのときの熱で昇華しない染料が挙げられる。このような染料を使用した場合には、組成物の変色を目視により簡単に判定することができるとともに、単一染料で3色の色相変化が可能であることから、例えば1〜2か月経過時等、中間時点の経過を識別することが可能となる。
【0015】
このような染料としては、ラクトン又はスルホフタレイン環構造を有するトリフェニルメタン系染料から選択されたものであり、かつ少なくとも1個のフェノール性水酸基を有するものが挙げられる。
トリフェニルメタン系染料は一般に空気で酸化され易いが、ラクトン又はスルホフタレイン環を有する上記特定構造のものは熱酸化に対して安定であり、単一染料で3色の色相変化が可能である。また染料は、融点が130℃以上、好ましくは170℃以上のものから選択されるのが望ましい。これより融点が低いと加温経時中に昇華し易くなったり、酸化等化学的変化を受けやすくなる。このような染料の具体例としては、例えばブロモクレゾールグリーン、ブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノールブルー、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブルー、クレゾールレッド、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド、キシレノールオレンジ、p−キシレノールブルー、フェノールスルホフタレイン、キシレノールオレンジ、キシレノールブルー、チモールブルー、m−クレゾールパープル等のトリフェニルメタン系染料が挙げられる。これらは単独または2種以上を混合使用してもさしつかえない。
これらの染料の熱履歴表示インキ組成物への配合量は、全組成物を基準として約0.1〜5重量%、好ましくは約0.5〜3重量%である。また、これらの色調を補う目的で、他の染料を本発明の染料の特徴を損なわない範囲で添加することができる。例えばメチルレッド、アシッドレッド2、モルダンレッド3、メチルオレンジ、モルダンブルー29等があげられる。
【0016】
本発明では、末端基封鎖エポキシ樹脂を含有させて熱履歴表示インキ組成物を構成する。末端基封鎖エポキシ樹脂を用いることにより、熱履歴表示インキの被塗布物への密着性、耐水性及び耐薬品性が向上するとともに、室温下での変色や変色速度の遅れなどの変色阻害が少なくなる。
末端基封鎖エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂の末端にあるエポキシ基に、常法により各種の封鎖剤を加熱下、あるいはアルカリ金属塩やルイス酸等の触媒存在下で、反応させることによって調製することができる。
【0017】
エポキシ樹脂としては特に制限はなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等はいずれも使用することができるが、通常はビスフェノールA型エポキシ樹脂を使用する。
封鎖剤としては、例えばフェノール、P−アルキルフェノール等のフェノール類や、ビスフェノール及び有機酸類類を使用することができ、好ましい封鎖剤としてはフェノール、P−クレゾール、ビスフェノールA等が挙げられる。
【0018】
本発明で使用する末端基封鎖エポキシ樹脂としては、エポキシ当量(グラム当量)が300〜2500のエポキシ樹脂が好ましく、特にエポキシ当量が400〜1500のエポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキシ当量が300未満のエポキシ樹脂を使用した場合は、樹脂自体が液状であり印字皮膜を形成することができない。また、エポキシ当量が2500を超えるエポキシ樹脂を使用した場合は、インキ粘度が高くなりIJPを使用して印字することができなくなるという不都合が生じる。
末端基封鎖エポキシ樹脂の熱履歴表示インキ組成物への配合量は、全組成物を基準として5〜30重量%とするのが好ましく、7〜20重量%とするのが特に好ましい。
【0019】
本発明の熱履歴表示インキ組成物には、上記末端基封鎖エポキシ樹脂に加えて他の樹脂、例えばアクリル樹脂、共重合アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂及び塩化ビニル樹脂を配合することができる。このような樹脂を配合させて熱履歴表示インキ組成物を調製した場合には、インキの成膜性が向上し、擦られた場合などに対する機械的強度が改善されるので好ましい。これらの樹脂は単独で又は2種以上を適宜組合わせて使用することができる。これらの樹脂の熱履歴表示インキ組成物への配合量は、インキの粘度を適当なものとするため、全組成物を基準として2〜15重量%とすることが好ましい。
また、本発明の熱履歴表示インキ組成物は、目的に応じてさらにフェノール樹脂、アミノ樹脂、ノボラック樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂等を全組成物を基準として7重量%を超えない範囲で配合することもできる。
さらに、これらの樹脂皮膜の特性、塗布適性を補うため、シリコーン、あるいは変性シリコーン、ワックス等のレベリング剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤や、ロジン酸、脂肪酸、天然油脂等の変性剤等を添加してもよい。特にインクジェットプリンターにて印字する場合には、シリコーンあるいは変性シリコーンを添加することは、被塗物の表面状態に左右されることなくきれいな印字をできることから好ましい。
【0020】
本発明の熱履歴表示インキ組成物には、電荷方式のIJPによる印字を安定的に行うため導電性物質を配合することが好ましい。導電性物質としては、リチウム塩類、カリウム塩類、ナトリウム塩類などのアルカリ金属塩類、チオシアン酸塩類、有機酸及びその塩類等、通常のIJP用インキに用いられるものはいずれも使用することができるが、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム等のアルカリ金属ヨウ化物を使用することが好ましい。これらは単独で又は2種以上混合して使用してもよい。
導電性物質の熱履歴表示インキ組成物への配合量は、全組成物を基準として0.01〜1重量%とすることが好ましく、なかでも0.05〜0.5%とすることが特に好ましい。導電性物質の配合量が1%を超える場合は、インキの変色に支障をきたすという不都合が生じる。
【0021】
本発明の熱履歴表示インキ組成物は、通常は上記の各成分や必要に応じ添加される他の成分を各種の溶剤に溶解又は分散させた溶液又は分散液として調製される。得られた組成物は、飲料やレトルト食品、薬品等を収納した缶やプラスチックボトル、プラスチック製パウチ、紙容器等の容器の表面、あるいはその他流通及び販売時の熱履歴の管理を必要とする種々包装体等の表面に、インクジェットプリンター、スタンプ、コーター等通常のマーキング方法によって適用される。本発明のインキ組成物は、これを印刷又は塗付したラベルの形で食品あるいは包装体に貼着使用することもできる。
溶剤としては、例えば、アルコール類、エステル類、ケトン類、アルキレングリコールエーテル類、エーテル類、フラン類、芳香族炭化水素、塩素系、水等通常のものが使用される。これらは単独または混合して用いることができる。
本発明の熱履歴表示インキ組成物には、上記各成分のほかに、可塑剤、助色剤等他の配合剤を適宜配合することも可能である。
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、以下の実施例は本発明を限定するものではない。
(実施例1)
末端基封鎖エポキシ樹脂として、エピコート1001(商品名:シェル社製)の末端エポキシ基にビスフェノールAを付加反応させて得られた樹脂を使用した。この末端基封鎖エポキシ樹脂200gを、メチルエチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤500gに溶解させ、ついで酸塩基変色性染料としてブロムクレゾールグリーン20gを添加して充分攪拌溶解させた後に、トリエタノールアミン20gを添加した。この混合溶液に、メチルエチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤を加えて1kgとなるようにし、青色に発色した熱履歴表示用インキ組成物を得た。
【0023】
(実施例2)
末端基封鎖エポキシ樹脂として、エピコート1001の末端エポキシ基をフェノールで封鎖した樹脂を使用した。この末端基封鎖エポキシ樹脂200gを、メチルエチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤500gに溶解させ、ついで酸塩基変色染料としてブロムクレゾールグリーン20gを添加して充分攪拌溶解させた後に、トリエタノールアミン20gを添加した。この混合溶液に、メチルエチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤を加えて1kgとなるようにし、実施例1と同様の青色に発色した熱履歴表示用インキ組成物を得た。
【0024】
(比較例1)
末端基封鎖エポキシ樹脂に代えて、エピコート1001をそのまま用いたほかは実施例1と同様にして、青色に発色したインキ組成物を得た。
【0025】
実施例1、2及び比較例1のインキ組成物をJIS規格#10のバーコーターにて白色板上に塗布乾燥後、そのまま常温にて保管した。この塗布板を所定期間保管後、ミノルタ社製色差計にてb値を測定した。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003915315
【0027】
表1によれば、実施例1及び2の熱履歴表示用インキ組成物による塗布膜のb値は、室温では長期保管後もほとんど変化せず安定であった。これに対して、エポキシ樹脂をそのまま用いた比較例1のインキ組成物では、室温においてもb値が変化し、初期には青色であったものが2ケ月後には黄緑色に変化してしまい、熱履歴表示用インキとしての機能を果たすものではなかった。
【0028】
(実施例3)
実施例1で使用した末端基封鎖エポキシ樹脂90g、塩ビ酢ビ共重合樹脂VYES−4(商品名:UCC社製)70g、及びアクロイドB−72(商品名:ローム&ハース社製)20gを、メチルエチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤500gに溶解させ、ついで酸塩基変色性染料としてブロムクレゾールグリーン20gを添加して充分攪拌溶解させた後に、トリエタノールアミン(TEA)20g及びエーテル変性シリコーン5gを添加した。この混合溶液に上記混合溶剤を加えて1kgとなるようにし、青色に発色した熱履歴表示用インキ組成物を得た。さらに、この組成物に沃化カリウム(KI)3gを混合溶解させてIJP用熱履歴表示用インキ組成物を作製した。
このインキ組成物を使用して、IJPにより缶詰の蓋に任意の文字を印字し、印字後の水シミ耐性、色調、変色性を評価した結果を表2に示した。
【0029】
また、印字した缶詰を室温で所定期間保管した後に、それぞれ85℃の恒温装置で12時間加熱保管後、ミノルタ社製色差計によりb値を測定し、次式(1)によりb値変化率を算出した。結果を表3に示す。
b値変化率=100×(A−b)/(A−B) (1)
式(1)において、Aは加熱開始直前のb値、Bは完全変色後(黄色)のb値、そしてbは変色途中のb値を表す。
【0030】
(比較例2)
エポキシ樹脂として比較例1で使用した樹脂を使用したほかは、実施例3と同様にしてIJP用熱履歴表示用インキ組成物を作製し、実施例3と同様にして評価した結果を表2及び表3に示す。
【0031】
(実施例4〜6、及び比較例3〜6)
実施例3と同様にして、表2に記載された組成を有するIJP用熱履歴表示用インキ組成物を作製し、実施例3と同様にして評価した結果を表2及び表3に示す。表2においては、組成物を構成する各成分の配合量は重量%で表し、またBDEAはブチルジエタノールアミン、TEAはトリエタノールアミンを示す。
【0032】
【表2】
Figure 0003915315
【0033】
【表3】
Figure 0003915315
【0034】
上記表2及び表3によれば、実施例3〜6のインキ組成物では、印字後の水シミ耐性、色調、変色性はいずれも良好であり、室温保管及び加熱保管時のb値変化率も安定しており、熱履歴表示用インキとして優れたものであった。
これに対して、比較例3〜6のインキ組成物では、印字後の水シミ耐性、色調、変色性が全て良好なものは無く、またb値変化率も比較例3以外は安定しておらず、熱履歴表示用インキとしては不適当なものであった。
なお、比較例4のインキ組成物では染料が表面にブリードしたために、評価は行わなかった。
【0035】
【発明の効果】
本発明では、上記構成をとることにより、被塗布物への密着性、耐水性及び耐薬品性に優れるとともに変色阻害のない、簡単且つ明確に商品が製造後に受けた熱履歴及び時間の経過を累積し、不可逆的に表示することにできる熱履歴表示インキ組成物を得ることができる。
本発明の熱履歴表示インキ組成物は、経時や温度変化によるインキの粘度増加が少なく、速乾性があり、IJPによる高速印字適性に優れ、実用的価値の高いものである。

Claims (4)

  1. 次の一般式(1)で表される揮発性有機アミン;ラクトン又はスルホフタレイン環構造を有するトリフェニルメタン系染料から選択されたものであり、かつ少なくとも1個のフェノール性水酸基を有する酸塩基変色性染料;及び末端基封鎖エポキシ樹脂を含有する時間と温度の経過を累積し不可逆的に表示する熱履歴表示インキ組成物において、全組成物を基準として0.1〜5重量%の揮発性有機アミン;0.1〜5重量%の染料;及び5〜30重量%の末端基封鎖エポキシ樹脂を含有することを特徴とする熱履歴表示インキ組成物。
    Figure 0003915315
    (式中、R 、R 及びR は、それぞれ水素、炭素数1〜8のアルキル基もしくはR −OHで表されるヒドロキシアルキル基を表し、R は炭素数1〜5のアルキレン基を表す。)
  2. さらに、全組成物を基準として2〜15重量%のアクリル樹脂、共重合アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹脂及び塩化ビニル樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の熱履歴表示インキ組成物。
  3. さらに、全組成物を基準として0.01〜1重量%の導電性物質を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱履歴表示インキ組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載された熱履歴表示インキ組成物による表示を有する包装体。
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