JP2000309733A - 熱履歴表示インキ組成物 - Google Patents

熱履歴表示インキ組成物

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JP2000309733A JP11985599A JP11985599A JP2000309733A JP 2000309733 A JP2000309733 A JP 2000309733A JP 11985599 A JP11985599 A JP 11985599A JP 11985599 A JP11985599 A JP 11985599A JP 2000309733 A JP2000309733 A JP 2000309733A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被塗布物への密着性、耐水性及び耐薬品性に優
れるとともに変色阻害のない、簡単かつ明確に商品が製
造後に受けた熱履歴及び時間の経過を累積し、不可逆的
に表示することのできる熱履歴表示インキ組成物を提供
する。 【解決手段】揮発性有機アミン、酸塩基変色性染料及び
末端基封鎖エポキシ樹脂を含有させることにより、時間
と温度の経過を累積し不可逆的に表示する熱履歴表示イ
ンキ組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱履歴及び時間の
経過を累積的かつ不可逆的に表示することのできる熱履
歴表示インキ組成物、及び該組成物による表示を有する
包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、缶飲料、レトルト食品や薬品等の
保存又は有効期限等を表示するために、表示物の色調変
化を利用する熱履歴表示インキは種々提案されている。
例えば、特公平6−53868号公報には、耐熱性染料
と感熱性染料を含み、所定の時間高温を受けたときに感
熱性染料が分解されて変色する熱変色性のインク組成物
が記載されているが、このインク組成物は116℃以上
の温度で15〜30分間加温されたときにはじめて変色
するものであり、100℃以下の温度で1〜3月間の時
間経過を明確に表示できるものではない。
【0003】また、特公昭64−2906号公報には、
pHの変化に応じて変色する可変色素と水酸化ナトリウ
ム等の無機アルカリ性物質を共存させ、無機アルカリ性
物質が空気中の炭酸ガスと反応しpHが低下することに
より変色することを利用したタイムインジケーターが記
載されているが、このものではインジケーターを缶等に
付着させる前でも炭酸ガスとの反応が進むために、使用
直前まで空気を遮断して保存する必要があった。また、
温度による変化を反映することはできず、熱履歴を明確
に表示するものではなかった。
【0004】さらに、温度履歴により変色するインクジ
ェットプリンタ用インキ組成物も提案されているが(例
えば特開平8−3494号公報)、商品の熱履歴及び時
間の経過を累積して不可逆的かつ明瞭に表示できるもの
ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、自動販売機やコ
ンビニエンスストアの普及等商品の流通形態の変化に伴
って、缶飲料又はレトルト食品等を自動販売機や店頭で
加温して販売することが広く行われるようになってい
る。このような販売形態をとる商品では、単に製造後の
経過時間だけではなく、商品が製造後どのような熱履歴
を受けたか、すなわち商品の熱履歴及び時間の経過を簡
単な方法で累積的かつ不可逆的に把握し、商品の消費期
限等品質管理を行うことが必要である。そのため先に本
発明者らは、揮発性有機アミン、酸塩基変色性染料及び
バインダー樹脂を含有する、時間と温度の経過を累積し
不可逆的に表示する熱履歴表示インキ組成物を提案し
た。(特願平9−261140号,特願平9−3667
61号)
【0006】しかし、これらの熱履歴表示インキによる
印字を、例えばインクジェットプリンター(IJP)を
用いて飲料缶の外面に設けた場合は、飲料充填ラインに
おいて缶の搬送性を良くするためにコンベア上面に使用
する潤滑液により印字の滲みが生じるという問題があ
る。バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合
は、インキのIJP特性を損なうことなく耐水性や被塗
布物への密着性を向上することができるが、印字皮膜が
室温で変色してしまったり、また過度の導電剤の存在下
では、変色速度が遅くなったりするなどの変色阻害が生
じる。
【0007】したがって、本発明は被塗布物への密着
性、耐水性及び耐薬品性に優れるとともに変色阻害のな
い、簡単かつ明確に商品が製造後に受けた熱履歴及び時
間の経過を累積し、不可逆的に表示することのできる熱
履歴表示インキ組成物を提供することを目的とする。ま
た本発明は、さらに経時や温度変化によるインキの粘度
増加が少なく、速乾性があり、IJPによる高速印字適
性を有する熱履歴表示インキ組成物を提供することも目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決するために次のような構成をとる。 1.揮発性有機アミン、酸塩基変色性染料及び末端基封
鎖エポキシ樹脂を含有することを特徴とする、時間と温
度の経過を累積し不可逆的に表示する熱履歴表示インキ
組成物。 2.揮発性有機アミンが次の一般式(1)で表されるも
のであることを特徴とする1に記載の熱履歴表示インキ
組成物。
【0009】
【化2】 (式中、R、R及びRは、それぞれ水素、炭素数
1〜8のアルキル基もしくはR−OHで表されるヒド
ロキシアルキル基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキ
レン基を表す。)
【0010】3.染料がラクトン又はスルホフタレイン
環構造を有するトリフェニルメタン系染料から選択され
たものであり、かつ少なくとも1個のフェノール性水酸
基を有するものであることを特徴とする1又は2に記載
の熱履歴表示インキ組成物。 4.末端基封鎖エポキシ樹脂が、エポキシ等量(グラム
等量)が300〜2500、好ましくは400〜150
0のエポキシ樹脂であることを特徴とする1〜3のいず
れか1項に記載の熱履歴表示インキ組成物。 5.さらに、アクリル樹脂、共重合アクリル樹脂、塩ビ
酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、
酢酸ビニル樹脂及び塩化ビニル樹脂からなる群から選ば
れた少なくとも1種の樹脂を含有することを特徴とする
1〜4のいずれか1項に記載の熱履歴表示インキ組成
物。 6.全組成物を基準として0.1〜5重量%の揮発性有
機アミン、0.1〜5重量%の染料、及び5〜30重量
%の末端基封鎖エポキシ樹脂を含有することを特徴とす
る1〜5のいずれか1項に記載の熱履歴表示インキ組成
物。 7.さらに、導電性物質を含有することを特徴とする1
〜6のいずれか1項に記載の熱履歴表示インキ組成物。 8.全組成物を基準として0.1〜5重量%の揮発性有
機アミン、0.1〜5重量%の染料、5〜30重量%の
末端基封鎖エポキシ樹脂、及び0.01〜1重量%好ま
しくは0.05〜0.5重量%の導電性物質を含有する
ことを特徴とする7に記載の熱履歴表示インキ組成物。 9.1〜8のいずれか1項に記載された熱履歴表示イン
キ組成物による表示を有する包装体。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明で使用する揮発性有機アミ
ンとしては、沸点が100〜360℃の有機アミンであ
ればいずれも使用することができる。好ましい有機アミ
ンとしては、次の一般式(1)で示される脂肪族有機ア
ミンが挙げられる。
【0012】
【化3】 (式中、R、R及びRは、それぞれ水素、炭素数
1〜8のアルキル基もしくはR−OHで表されるヒド
ロキシアルキル基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキ
レン基を表す。)
【0013】本発明で使用される脂肪族アミンとして
は、具体的には例えばn−ジブチルアミン、n−トリブ
チルアミン、ジイソブチルアミン、ジアミルアミン、ト
リアミルアミン、n−ヘプチルアミン、2−エチルヘキ
シルアミン、ジオクチルアミン、ジエチレントリアミ
ン、テトラエチレンペンタミン、シクロヘキシルアミン
等が挙げられる。脂肪族アミンのなかでも、上記一般式
(1)においてR、R、Rの少なくとも1つ
がR−OHであるアルカノールアミン類を使用した場
合には、該アミンの臭いが少ないので特に好ましい。好
適なアルカノールアミンとしては、例えばモノエタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、エチルモノエタノールアミン、n−ブチルモノエタ
ノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエ
タノールアミン、エチルジエタノールアミン、n−ブチ
ルジエタノールアミン、ジ−n−ブチルエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン等が挙げられる。これ
らの揮発性アミンは、時間の経過及び熱履歴の程度に応
じて熱履歴表示インキ組成物から揮発し、該組成物の染
料に対する濃度が低下することになる。揮発性有機アミ
ンの熱履歴表示インキ組成物への配合量は、全組成物を
基準として約0.1〜5重量%であり、使用する染料の
濃度や要求される変色時間に応じてこの範囲内で適宜選
択する。アミンがこれより多いと皮膜の乾燥性が充分と
ならず、また少ないと発色が充分ではなくなる。
【0014】本発明で使用する酸塩基変色染料として
は、pH3〜10の範囲で変色するものはいずれも使用
することができるが、好ましいものとしては、pH9以
下で変色し、初期色相と変色完了後の色差△Eが20以
上であるもので、且つ加温して保存及び販売されるとき
に、そのときの熱で昇華しない染料が挙げられる。この
ような染料を使用した場合には、組成物の変色を目視に
より簡単に判定することができるとともに、単一染料で
3色の色相変化が可能であることから、例えば1〜2か
月経過時等、中間時点の経過を識別することが可能とな
る。
【0015】このような染料としては、ラクトン又はス
ルホフタレイン環構造を有するトリフェニルメタン系染
料から選択されたものであり、かつ少なくとも1個のフ
ェノール性水酸基を有するものが挙げられる。トリフェ
ニルメタン系染料は一般に空気で酸化され易いが、ラク
トン又はスルホフタレイン環を有する上記特定構造のも
のは熱酸化に対して安定であり、単一染料で3色の色相
変化が可能である。また染料は、融点が130℃以上、
好ましくは170℃以上のものから選択されるのが望ま
しい。これより融点が低いと加温経時中に昇華し易くな
ったり、酸化等化学的変化を受けやすくなる。このよう
な染料の具体例としては、例えばブロモクレゾールグリ
ーン、ブロモフェノールブルー、ブロモクロロフェノー
ルブルー、ブロモフェノールレッド、ブロモチモールブ
ルー、クレゾールレッド、ブロモクレゾールパープル、
クロロフェノールレッド、キシレノールオレンジ、p−
キシレノールブルー、フェノールスルホフタレイン、キ
シレノールオレンジ、キシレノールブルー、チモールブ
ルー、m−クレゾールパープル等のトリフェニルメタン
系染料が挙げられる。これらは単独または2種以上を混
合使用してもさしつかえない。これらの染料の熱履歴表
示インキ組成物への配合量は、全組成物を基準として約
0.1〜5重量%、好ましくは約0.5〜3重量%であ
る。また、これらの色調を補う目的で、他の染料を本発
明の染料の特徴を損なわない範囲で添加することができ
る。例えばメチルレッド、アシッドレッド2、モルダン
レッド3、メチルオレンジ、モルダンブルー29等があ
げられる。
【0016】本発明では、末端基封鎖エポキシ樹脂を含
有させて熱履歴表示インキ組成物を構成する。末端基封
鎖エポキシ樹脂を用いることにより、熱履歴表示インキ
の被塗布物への密着性、耐水性及び耐薬品性が向上する
とともに、室温下での変色や変色速度の遅れなどの変色
阻害が少なくなる。末端基封鎖エポキシ樹脂は、エポキ
シ樹脂の末端にあるエポキシ基に、常法により各種の封
鎖剤を加熱下、あるいはアルカリ金属塩やルイス酸等の
触媒存在下で、反応させることによって調製することが
できる。
【0017】エポキシ樹脂としては特に制限はなく、例
えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化
エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂等はいずれも使
用することができるが、通常はビスフェノールA型エポ
キシ樹脂を使用する。封鎖剤としては、例えばフェノー
ル、P−アルキルフェノール等のフェノール類や、ビス
フェノール及び有機酸類類を使用することができ、好ま
しい封鎖剤としてはフェノール、P−クレゾール、ビス
フェノールA等が挙げられる。
【0018】本発明で使用する末端基封鎖エポキシ樹脂
としては、エポキシ等量(グラム等量)が300〜25
00のエポキシ樹脂が好ましく、特にエポキシ等量が4
00〜1500のエポキシ樹脂を使用することが好まし
い。エポキシ等量が300未満のエポキシ樹脂を使用し
た場合は、樹脂自体が液状であり印字皮膜を形成するこ
とができない。また、エポキシ等量が2500を超える
エポキシ樹脂を使用した場合は、インキ粘度が高くなり
IJPを使用して印字することができなくなるという不
都合が生じる。末端基封鎖エポキシ樹脂の熱履歴表示イ
ンキ組成物への配合量は、全組成物を基準として5〜3
0重量%とするのが好ましく、7〜20重量%とするの
が特に好ましい。
【0019】本発明の熱履歴表示インキ組成物には、上
記末端基封鎖エポキシ樹脂に加えて他の樹脂、例えばア
クリル樹脂、共重合アクリル樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、酢酸ビニル樹
脂及び塩化ビニル樹脂を配合することができる。このよ
うな樹脂を配合させて熱履歴表示インキ組成物を調製し
た場合には、インキの成膜性が向上し、擦られた場合な
どに対する機械的強度が改善されるので好ましい。これ
らの樹脂は単独で又は2種以上を適宜組合わせて使用す
ることができる。これらの樹脂の熱履歴表示インキ組成
物への配合量は、インキの粘度を適当なものとするた
め、全組成物を基準として2〜15重量%とすることが
好ましい。また、本発明の熱履歴表示インキ組成物は、
目的に応じてさらにフェノール樹脂、アミノ樹脂、ノボ
ラック樹脂、アルキッド樹脂、ロジン樹脂等を全組成物
を基準として7重量%を超えない範囲で配合することも
できる。さらに、これらの樹脂皮膜の特性、塗布適性を
補うため、シリコーン、あるいは変性シリコーン、ワッ
クス等のレベリング剤、界面活性剤、滑剤等の添加剤
や、ロジン酸、脂肪酸、天然油脂等の変性剤等を添加し
てもよい。特にインクジェットプリンターにて印字する
場合には、シリコーンあるいは変性シリコーンを添加す
ることは、被塗物の表面状態に左右されることなくきれ
いな印字をできることから好ましい。
【0020】本発明の熱履歴表示インキ組成物には、電
荷方式のIJPによる印字を安定的に行うため導電性物
質を配合することが好ましい。導電性物質としては、リ
チウム塩類、カリウム塩類、ナトリウム塩類などのアル
カリ金属塩類、チオシアン酸塩類、有機酸及びその塩類
等、通常のIJP用インキに用いられるものはいずれも
使用することができるが、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナト
リウム等のアルカリ金属ヨウ化物を使用することが好ま
しい。これらは単独で又は2種以上混合して使用しても
よい。導電性物質の熱履歴表示インキ組成物への配合量
は、全組成物を基準として0.01〜1重量%とするこ
とが好ましく、なかでも0.05〜0.5%とすること
が特に好ましい。導電性物質の配合量が1%を超える場
合は、インキの変色に支障をきたすという不都合が生じ
る。
【0021】本発明の熱履歴表示インキ組成物は、通常
は上記の各成分や必要に応じ添加される他の成分を各種
の溶剤に溶解又は分散させた溶液又は分散液として調製
される。得られた組成物は、飲料やレトルト食品、薬品
等を収納した缶やプラスチックボトル、プラスチック製
パウチ、紙容器等の容器の表面、あるいはその他流通及
び販売時の熱履歴の管理を必要とする種々包装体等の表
面に、インクジェットプリンター、スタンプ、コーター
等通常のマーキング方法によって適用される。本発明の
インキ組成物は、これを印刷又は塗付したラベルの形で
食品あるいは包装体に貼着使用することもできる。溶剤
としては、例えば、アルコール類、エステル類、ケトン
類、アルキレングリコールエーテル類、エーテル類、フ
ラン類、芳香族炭化水素、塩素系、水等通常のものが使
用される。これらは単独または混合して用いることがで
きる。本発明の熱履歴表示インキ組成物には、上記各成
分のほかに、可塑剤、助色剤等他の配合剤を適宜配合す
ることも可能である。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが、以下
の実施例は本発明を限定するものではない。 (実施例1)末端基封鎖エポキシ樹脂として、エピコー
ト1001(商品名:シェル社製)の末端エポキシ基に
ビスフェノールAを付加反応させて得られた樹脂を使用
した。この末端基封鎖エポキシ樹脂200gを、メチル
エチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤500g
に溶解させ、ついで酸塩基変色性染料としてブロムクレ
ゾールグリーン20gを添加して充分攪拌溶解させた後
に、トリエタノールアミン20gを添加した。この混合
溶液に、メチルエチルケトン:メタノールが6:4の混
合溶剤を加えて1kgとなるようにし、青色に発色した
熱履歴表示用インキ組成物を得た。
【0023】(実施例2)末端基封鎖エポキシ樹脂とし
て、エピコート1001の末端エポキシ基をフェノール
で封鎖した樹脂を使用した。この末端基封鎖エポキシ樹
脂200gを、メチルエチルケトン:メタノールが6:
4の混合溶剤500gに溶解させ、ついで酸塩基変色染
料としてブロムクレゾールグリーン20gを添加して充
分攪拌溶解させた後に、トリエタノールアミン20gを
添加した。この混合溶液に、メチルエチルケトン:メタ
ノールが6:4の混合溶剤を加えて1kgとなるように
し、実施例1と同様の青色に発色した熱履歴表示用イン
キ組成物を得た。
【0024】(比較例1)末端基封鎖エポキシ樹脂に代
えて、エピコート1001をそのまま用いたほかは実施
例1と同様にして、青色に発色したインキ組成物を得
た。
【0025】実施例1、2及び比較例1のインキ組成物
をJIS規格#10のバーコーターにて白色板上に塗布
乾燥後、そのまま常温にて保管した。この塗布板を所定
期間保管後、ミノルタ社製色差計にてb値を測定した。
結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1によれば、実施例1及び2の熱履歴表
示用インキ組成物による塗布膜のb値は、室温では長期
保管後もほとんど変化せず安定であった。これに対し
て、エポキシ樹脂をそのまま用いた比較例1のインキ組
成物では、室温においてもb値が変化し、初期には青色
であったものが2ケ月後には黄緑色に変化してしまい、
熱履歴表示用インキとしての機能を果たすものではなか
った。
【0028】(実施例3)実施例1で使用した末端基封
鎖エポキシ樹脂90g、塩ビ酢ビ共重合樹脂VYES−
4(商品名:UCC社製)70g、及びアクロイドB−
72(商品名:ローム&ハース社製)20gを、メチル
エチルケトン:メタノールが6:4の混合溶剤500g
に溶解させ、ついで酸塩基変色性染料としてブロムクレ
ゾールグリーン20gを添加して充分攪拌溶解させた後
に、トリエタノールアミン(TEA)20g及びエーテ
ル変性シリコーン5gを添加した。この混合溶液に上記
混合溶剤を加えて1kgとなるようにし、青色に発色し
た熱履歴表示用インキ組成物を得た。さらに、この組成
物に沃化カリウム(KI)3gを混合溶解させてIJP
用熱履歴表示用インキ組成物を作製した。このインキ組
成物を使用して、IJPにより缶詰の蓋に任意の文字を
印字し、印字後の水シミ耐性、色調、変色性を評価した
結果を表2に示した。
【0029】また、印字した缶詰を室温で所定期間保管
した後に、それぞれ85℃の恒温装置で12時間加熱保
管後、ミノルタ社製色差計によりb値を測定し、次式
(1)によりb値変化率を算出した。結果を表3に示
す。 b値変化率=100×(A−b)/(A−B) (1) 式(1)において、Aは加熱開始直前のb値、Bは完全
変色後(黄色)のb値、そしてbは変色途中のb値を表
す。
【0030】(比較例2)エポキシ樹脂として比較例1
で使用した樹脂を使用したほかは、実施例3と同様にし
てIJP用熱履歴表示用インキ組成物を作製し、実施例
3と同様にして評価した結果を表2及び表3に示す。
【0031】(実施例4〜6、及び比較例3〜6)実施
例3と同様にして、表2に記載された組成を有するIJ
P用熱履歴表示用インキ組成物を作製し、実施例3と同
様にして評価した結果を表2及び表3に示す。表2にお
いては、組成物を構成する各成分の配合量は重量%で表
し、またBDEAはブチルジエタノールアミン、TEA
はトリエタノールアミンを示す。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】上記表2及び表3によれば、実施例3〜6
のインキ組成物では、印字後の水シミ耐性、色調、変色
性はいずれも良好であり、室温保管及び加熱保管時のb
値変化率も安定しており、熱履歴表示用インキとして優
れたものであった。これに対して、比較例3〜6のイン
キ組成物では、印字後の水シミ耐性、色調、変色性が全
て良好なものは無く、またb値変化率も比較例3以外は
安定しておらず、熱履歴表示用インキとしては不適当な
ものであった。なお、比較例4のインキ組成物では染料
が表面にブリードしたために、評価は行わなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明では、上記構成をとることによ
り、被塗布物への密着性、耐水性及び耐薬品性に優れる
とともに変色阻害のない、簡単且つ明確に商品が製造後
に受けた熱履歴及び時間の経過を累積し、不可逆的に表
示することにできる熱履歴表示インキ組成物を得ること
ができる。本発明の熱履歴表示インキ組成物は、経時や
温度変化によるインキの粘度増加が少なく、速乾性があ
り、IJPによる高速印字適性に優れ、実用的価値の高
いものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 3E035 AA03 AA20 AB10 BA06 BC03 BD02 BD04 BD06 CA05 3E056 AA15 BA01 CA09 DA03 FA02 GA10 4J039 AD05 AD08 AD09 AD10 AE05 AE06 AE08 BA29 BC20 BC29 BC31 BC33 BC35 BC54 BC65 BE02 EA10 EA29 EA38 EA40 EA43 EA44 FA01 FA02 GA07 GA24

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揮発性有機アミン、酸塩基変色性染料及
    び末端基封鎖エポキシ樹脂を含有することを特徴とす
    る、時間と温度の経過を累積し不可逆的に表示する熱履
    歴表示インキ組成物。
  2. 【請求項2】 揮発性有機アミンが次の一般式(1)で
    表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の
    熱履歴表示インキ組成物。 【化1】 (式中、R、R及びRは、それぞれ水素、炭素数
    1〜8のアルキル基もしくはR−OHで表されるヒド
    ロキシアルキル基を表し、Rは炭素数1〜5のアルキ
    レン基を表す。)
  3. 【請求項3】 染料がラクトン又はスルホフタレイン環
    構造を有するトリフェニルメタン系染料から選択された
    ものであり、かつ少なくとも1個のフェノール性水酸基
    を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の熱履歴表示インキ組成物。
  4. 【請求項4】 末端基封鎖エポキシ樹脂が、エポキシ等
    量(グラム等量)が300〜2500、好ましくは40
    0〜1500のエポキシ樹脂であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の熱履歴表示インキ組
    成物。
  5. 【請求項5】 さらに、アクリル樹脂、共重合アクリル
    樹脂、塩ビ酢ビ共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリア
    ミド樹脂、酢酸ビニル樹脂及び塩化ビニル樹脂からなる
    群から選ばれた少なくとも1種の樹脂を含有することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱履歴
    表示インキ組成物。
  6. 【請求項6】 全組成物を基準として0.1〜5重量%
    の揮発性有機アミン、0.1〜5重量%の染料、及び5
    〜30重量%の末端基封鎖エポキシ樹脂を含有すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱履
    歴表示インキ組成物。
  7. 【請求項7】 さらに、導電性物質を含有することを特
    徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱履歴表
    示インキ組成物。
  8. 【請求項8】 全組成物を基準として0.1〜5重量%
    の揮発性有機アミン、0.1〜5重量%の染料、5〜3
    0重量%の末端基封鎖エポキシ樹脂、及び0.01〜1
    重量%好ましくは0.05〜0.5重量%の導電性物質
    を含有することを特徴とする請求項7に記載の熱履歴表
    示インキ組成物。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載され
    た熱履歴表示インキ組成物による表示を有する包装体。
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