JP3915141B2 - 車両用灯具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個のランプ機能を有する例えばリヤーコンビネーションランプやフロントコンビネーションランプ等の車両用灯具であって、その複数個のランプ機能のうちの一のランプ機能が目に付きやすい位置に配設され、かつ他のランプ機能側からの光が一のランプ機能側に漏洩することが無い車両用灯具に係り、特に目に付きやすい位置に配設された一のランプ機能の消灯時における見栄えが向上するように改良された車両用灯具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の例えばリヤーコンビネーションランプ等の車両用灯具は、一般に、ランプハウジングとレンズとにより灯室が画成されており、この灯室内には複数個の光源バルブ及び複数個の反射面がそれぞれ配設されており、この複数個の光源バルブを点灯すると、この複数個の光源バルブからの光がそれぞれ前記複数個の反射面で反射されて前記レンズを経て所定の配光パターンで外部に照射される複数個のランプ機能(例えばバックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、リヤーフォグランプ等)を有する。
この車両用灯具においては、目に付きやすい位置に配設された一のランプ機能(例えばバックアップランプ)と他のランプ機能(例えばストップランプ、テールランプ、リヤーフォグランプ等)との間を光遮蔽し、他のランプ機能側からの光が一のランプ機能側に漏洩するのを防ぐために、灯室内にシェードが配設されており、かつこのシェードには前記一のランプ機能の反射面からの反射光をそのまま前記レンズに到達させるための開口部が設けられている。また、この車両用灯具において、一のランプ機能の反射面は複数の反射面から成る反射素子群(所謂マルチリフレクター)、例えば拡散反射系の複数の反射面から成る反射素子群によって構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の従来の車両用灯具においては、一のランプ機能と他のランプ機能との間を光遮蔽するために、灯室内にシェードが配設されている。このため、当該車両用灯具が消灯しているとき、外部からレンズを経てシェードの開口部を通して一のランプ機能の反射面を見ると、この反射面にシェードの裏側(一のランプ機能の反射面対向する側)が反射して見え、見栄え上問題が有る。特に、一のランプ機能が目に付きやすい位置に配設されている場合、上述の見栄えの問題が顕著化する。
【0004】
本発明の目的は、特に目に付きやすい位置に配設された一のランプ機能の、消灯時における見栄えが向上された車両用灯具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するために、シェードの、一のランプ機能の反射面に対向する側の面には複数の反射面から成る反射素子群が構成されている。
【0006】
この結果、本発明の車両用灯具においては、外部からレンズを経てシェードの開口部を通して一のランプ機能の反射面を見ると、複数の反射面から成る反射素子群が設けられたこの一のランプ機能の反射面にシェードの反射素子群が反射して見え、シェードの裏側がほぼそのままに近い形で見える従来の車両用灯具と比較して、特に目に付きやすい位置に配設された一のランプ機能の見栄えが向上される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の車両用灯具の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。この例は、車両用灯具がリヤーコンビネーションランプである例について説明する。
図において、Aは車両用灯具としてのリヤーコンビネーションランプである。このリヤーコンビネーションランプAは、例えば合成樹脂製のランプハウジング1と例えば同じく合成樹脂製のレンズ(アウターレンズ)2とにより灯室12が画成されており、この灯室12内には複数個の光源バルブ3(図1〜3においては、後述するバックアップランプBの光源バルブのみを図示)及び複数個の反射面から成る反射素子群(図2,3に、後述するバックアップランプBの反射面のみを図示)がそれぞれ配設されており、この複数個の光源バルブ3からの光がそれぞれ前記複数個の反射面から成る反射素子群4で反射されて前記レンズ2を経て所定の配光パターンで外部に照射される複数個のランプ機能、例えばバックアップランプ、ストップランプ、テールランプ、リヤーフォグランプ等を有する。
【0008】
上述のリヤーコンビネーションランプAは、特に目に付きやすい位置(灯具の中央)に配設された一のランプ機能としてのバックアップランプBと、その他のランプ機能としてのストップランプ、テールランプ、リヤーフォグランプ等C(以下単に他のランプ機能Cと称する)とから構成されている。
【0009】
上述の灯室12内には、一のランプ機能としてのバックアップランプBとその他のランプ機能Cとの間を光遮蔽するシェード5が配設されている。このシェード5は、例えば合成樹脂からなり、(図2参照)ランプハウジング1側が開口されかつレンズ2側が閉塞された中空のボックス形状をなす。このシェード5のレンズ2と対向する閉塞部には上述のバックアップランプBの反射素子群4からの反射光をそのままレンズ2に到達させるための開口部50が設けられている。
【0010】
上述のバックアップランプBの反射面4は、複数の反射面から成る反射素子群(所謂マルチリフレクター)によって構成されている。すなわち、ランプハウジング1の例えば回転放物面の基準面10(図2参照)に、上述のバックアップランプBの光源バルブ3からの光を水平方向に拡散反射させ又は平行反射させる縦長の反射素子群が複数本横方向に連設されてなるものである。
【0011】
上述のシェード5の上述のバックアップランプBの反射面4と対向する側の面(裏側)には、上述の反射面4と同様に、縦長の反射素子を複数本横方向に連設してなる反射素子群51が構成されている。すなわち、合成樹脂製のシェード5の裏面にアルミ蒸着を施して複数の反射面から成る反射素子群51を形成してなるものである。本実施形態においては、このシェード5の反射素子群51のピッチと上述のバックアップランプBの反射素子群4のピッチとを同一にする。
【0012】
そして、例えばブレーキペダルを踏込んで、リヤーコンビネーションランプAのうちのバックアップランプBの光源バルブが点灯すると、この光源バルブからの光が複数の反射面から成る反射素子群4において水平方向に拡散反射され(又は平行に反射され)、この反射光がシェード5の開口部50を過して、レンズ2を経て所定の配光パターンで外部に照射される。なお、上述の反射素子群4による反射光は、上述のレンズ2で更に拡散、屈折される場合もある。
このとき、バックアップランプBはリヤーコンビネーションランプAのほぼ中央に位置するので、他のランプ機能Cよりも目に付きやすい。また、バックアップランプBはシェード5により他のランプ機能Cと光遮蔽されているので、他のランプ機能Cからの光がバックアップランプB側に漏洩することが無い。
【0013】
この実施の形態における本発明の車両用灯具は、シェード5の、バックアップランプBの反射面4対向する側の面に、縦長の複数の反射面から成る反射素子群51が構成されているので、外部から(図2中のアイポイントE.Pから)レンズ2を経てシェード5の開口部50を通してバックアップランプBの反射面4を見ると、この反射素子群が設けられた反射面4にシェード5の反射素子群51が反射して見える。特に、この実施の形態においては、シェード5の複数の反射面から成る反射素子群51のピッチとバックアップランプBの複数の反射面から成る反射素子群4のピッチとを同一になしたので、シェード5の反射素子群51とバックアップランプBの反射素子群4とが重なって、細かいピッチの縦の縞模様が見える。
この結果、シェードの裏側がほぼそのままに近い形で見える従来の車両用灯具と比較して、特に目に付きやすい位置に配設されたバックアップランプBの見栄えが向上される。
【0014】
なお、上述の実施の形態においては、リヤーコンビネーションランプAのバックアップランプBを目に付きやすい位置に配設された一のランプ機能として例示したがバックアップランプB以外に、ストップランプ、テールランプ、リヤーフォグランプ等を一のランプ機能として本発明を適用することもできる。
また、上述の実施の形態においては、複数個のランプ機能を有する車両用灯具として、リヤーコンビネーションランプAを例示したが、リヤーコンビネーションランプ以外に、例えばフロントコンビネーションランプ、の他のランプ機能に本発明を適用することもできる。
【0015】
また、上述の実施の形態においては、バックアップランプBの縦の複数の反射面から成る反射素子群4に対して、シェード5の縦の複数の反射面から成る反射素子群51を設けたものであるが、シェード5の複数の反射面から成る反射素子群を横方向に設けても良い。この場合、外部E.Pから見ると、バックアップランプBの縦の複数の反射面から成る反射素子群4にシェード5の横の複数の反射面から成る反射素子群が重なって格子模様に見える。
さらに、バックアップランプBの複数の反射面から成る反射素子群4を横方向に設け、これに対して、シェード5の複数の反射面から成る反射素子群51を縦方向に又は横方向に設けても良い。
さらにまた、上述の実施の形態においては、シェード5の裏側前面に亘って複数の反射面から成る反射素子群51が設けられているが、このシェード5の裏側の全面でなく、特に外部E.P(アイポイント)からシェード5の開口部50を通してバックアップランプBの複数の反射面から成る反射素子群4に反射して良く見える部分(例えば下側の部分)にのみ複数の反射素子群51を設けても良い。
【0016】
なお、上述の実施の形態においては、レンズ2が1枚ものであるが、このレンズを、バックアップランプBに対応する部分とその他のランプ機能Cに対応する部分とに、2分割しても良い。
また、このレンズ2の内面に屈折系及び又は拡散系のプリズム素子群を設けても良い。
【0017】
なお、上述の実施の形態において、シェード5の開口部50にインナーレンズを配設しても良い。
また、上述の実施の形態において、バックアップランプBの反射面4は、ランプハウジング1と一体となすものであるが、このランプハウジング1と別個のリフレクタに設けても良い。
さらに、上述の実施の形態において、シェード5の前面側に例えば疑似プリズム素子群を設けても良い
【0018】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の車両用灯具は、シェードの両面のうち、ランプ機能の反射面と対向する側の面に複数の反射面から成る反射素子群が構成されているので、外部からレンズを経てシェードの開口部を通して一のランプ機能の反射面を見ると、反射素子群から構成された該一のランプ機能の反射面にシェードの反射素子群が反射して見え、シェードの裏側がほぼそのままの形に見える従来の車両用灯具と比較して、特に目に付きやすい位置に配設された一のランプ機能の見栄えが向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用灯具の一実施の形態を示し、一のランプ機能としてバックアップランプが使用されたリヤーコンビネーションランプの正面図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】図1におけるIII−III線断面図である。
【符号の説明】
A…リヤーコンビネーションランプのバックランプ(車両用灯具)、B…バックアップランプ(一のランプ機能)、C…他のランプ機能、1…ランプハウジング、2…レンズ(アウターレンズ)、3…光源バルブ、4…反射面(複数の反射面から成る反射素子群)、5…シェード、50…開口部、51…複数の反射面から成る反射素子群。

Claims (1)

  1. ランプハウジングとレンズとにより灯室が画成されており、この灯室内には複数個の光源バルブ及び複数個の反射面がそれぞれ配設されており、この複数個の光源バルブからの光がそれぞれ前記複数個の反射面で反射されて前記レンズを経て所定の配光パターンで外部に照射される複数個のランプ機能を有する車両用灯具において、
    前記灯室内には一のランプ機能と他のランプ機能との間を光遮蔽するシェードが配設されており、このシェードには前記一のランプ機能の反射面からの反射光を前記レンズに到達させるための、調光部材で覆われない開口部が設けられており、前記一のランプ機能の反射面は複数の反射面から成る反射素子群が設けられており、
    かつ前記シェードの開口部周辺に位置せしめて、前記一のランプ機能の反射面対向する側の面に複数の反射面から成る反射素子群が設けられていることを特徴とする車両用灯具。
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