JP3914971B2 - 紙葉類支払い装置の金庫の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は紙葉類自動支払い装置の金庫の構造に関し、例えばATM(Automated Teller Machine)或はCD(Cash Dispenser)等の如く紙幣等の紙葉類を自動的に払出す装置に用いられる紙葉類収納用の金庫(紙葉類カセット)の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来から、ATM(Automated Teller Machine)或はCD(Cash Dispenser)等の紙葉類自動支払い装置においては、装置本体内に着脱可能に装着された金庫(紙葉類カセット)内に紙幣等の紙葉類を多枚数予め積層状態で収納しておき、フィードローラ等から成る繰り出し機構によってこの紙葉類束から一枚づつ紙葉類を取り出すことにより、上記装置本体に設けた払出し口から必要枚数の紙葉類を払出すように構成されている。
上記従来の紙葉類自動支払い装置の金庫にあっては、装置本体側のレイアウト上の制限から金庫サイズが制限を受けるため、金庫内に一度に装填できる紙葉類の枚数に限度があり、払出し用の紙葉類が用い尽くされて装置が稼働停止に陥ることを防止する為に、一日の内に何度か紙葉類を補充する作業が必要となっている。
従来の紙葉類支払い装置においては、金庫上面の補充用の開口全体を装置外部に露出させない限り金庫に紙葉類を補充することができなかったため、金庫全体を装置本体から引き出す必要があり、その結果、上記繰り出し機構から残存紙葉類が離間した状態となり、装置の稼働を一時停止せざるを得なかった。
このように従来の紙葉類支払い装置においては、紙葉類補充の度に装置を停止せざるを得ない結果、連続無停止稼働を行うことができず、稼働効率が低くなり、しかも顧客は紙葉類の補充作業が終了するまで待機する、或は別の装置を使用しなければならず、顧客サービスが低下するという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなところから本願出願人は、平成4年特許願第355910号において、上記不具合を解消するための金庫の構造を提案したが、上記出願発明においても未解決の問題があり、その問題点の解決が望まれていた。この問題点とは、具体的には、アウターカセットに対してインナーカセットを出し入れ自在に構成した金庫において、紙葉類を金庫内に補充するためにインナーカセットだけを装置本体から引き出してインナーカセット内に補充を行った後にインナーカセットを装置本体内に戻す過程で、紙葉類がインナーカセットの移動時の勢い(移動初期の勢い)によって倒れ込みを起こすという点である。この問題点は、上記出願発明の基本構造を理解した上で初めて理解が容易となるので、実施例の説明中において、上記問題点を指摘すると共に、その解決手法を開示する。
【0004】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、紙葉類支払い装置の稼働を停止せずに、金庫内に紙葉類の補充を行うことを可能とすることにより、装置の稼働効率及び顧客サービスの向上を図った紙葉類支払い装置の金庫の構造において、発生していた未解決の問題点を解決することを目的としている。
具体的には、顧客に対する払出し枚数の増大により残存枚数が減少した結果、装置の稼働中に紙葉類の補充が必要となった場合に、支払い動作を中断させずに金庫に対する所要枚数の補充を可能とした金庫において、紙葉類補充後、補充された紙葉類が、金庫を装置本体に収納する際の初期移動によって倒れ込みを起こすことを防止することができる金庫の構造を提案するものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
上記目的を達成するため本発明は、装置本体内に装着された紙葉類収納用の金庫内に積層状態で収納された紙葉類を一枚づつ繰り出して前記装置本体の払出し口から払出すようにした紙葉類自動支払い装置であって、上記紙葉類カセットは、アウターカセットと、該アウターカセット内に上記紙葉類の積層方向に沿って内外方向へ進退可能に支持されたインナーカセットと、上記積層状態で収納された紙葉類を繰り出し側に押圧する紙葉類押圧機構とを備え、該紙葉類押圧機構は、上記アウターカセット内の幅方向両端部において上記内外方向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背面両端部を押圧する端部押圧部材と、上記インナーカセットの幅方向内側略中央において該インナーカセットの内底面によって上記内外方向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背面略中央部を押圧する中間部押圧部材と、該中間部押圧部材を内方へ常時弾性付勢するバネと、上記アウターカセットから引き出された状態にある上記インナーカセットの外側端部に上記中間部押圧部材を一時的に係止すると共にインナーカセットをアウターカセット内に戻す過程で該インナーカセットに対する該中間部押圧部材の係止を解除して該中間部押圧部材を上記バネによって内方へ復帰させるためのロック機構を備え、上記インナーカセットの幅方向両側部には、引き出された状態にある上記インナーカセットの外端部に上記中間部押圧部材が係止されている時に該中間部押圧部材の内面に補充された紙葉類の幅方向端縁を保持して倒れ込みを防止する為の倒れ防止片が取付けられている金庫を備えたものにおいて、上記倒れ防止片は、ポリエステル樹脂製の毛を所定のピッチで植毛したものであり、上記インナーカセットの内壁から内側へ10mm程度突出し、上記インナーカセットの内底面には、ループファスナーをファスナー面を上向きにして配置することにより、紙幣の下端縁の滑りを防止するようにしたことを特徴とする。
上記のように本発明によれば、顧客に対する払出し枚数の増大により残存枚数が減少した結果、装置の稼働中に紙葉類の補充が必要となった場合に、支払い動作を中断させずに金庫に対する所要枚数の補充を可能とした金庫において、紙葉類補充後、補充された紙葉類が、金庫を装置本体に収納する際の初期移動によって倒れ込みを起こすことを防止することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示した形態例により本発明を詳細に説明する。
図1は本発明を適用する紙葉類支払い装置の側面図であり、符号1は紙葉類自動支払い装置であり、装置本体2の内部セット位置には本発明の特徴をなす金庫(紙葉類カセット)3が装置本体内において内・外(奥・外)方向へ進退可能に支持されている。金庫3内に積層状態で収納された紙幣等の紙葉類は後述する紙幣繰り出し機構によって一枚づつ取り出されて、装置本体2の払出し口2aから払出される。なお、説明の便宜上、装置本体の前面、後面の方向とは関係なく、図1に矢印で示すように、「内・外」、「奥・外」という用語を用いる。
【0007】
図2は本発明の一形態例の金庫の構成を示す平面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB−B断面図、図5は図2のC−C断面図である。図2乃至図5はいずれも紙葉類が収納されていない状態を示している。
金庫3は、図1に示した装置本体2の内部セット位置に内外(奥外)方向へ進退(着脱)自在に支持されているアウターカセット4と、該アウターカセット4の内壁に沿って内外方向へ進退可能に支持され且つ内底面上に紙葉類を支持するインナーカセット5と、インナーカセット5により内外方向に進退可能に支持されて紙葉類を奥(内)方向に押圧する紙葉類押圧機構6と、アウターカセット4の奥端部(或は装置本体側)に位置し紙葉類押圧機構との間で内外方向へ積層状態にある紙葉類を挟みつつ一枚づつ取り出して所定方向へ搬送する紙葉類繰り出し機構7とを有する。
【0008】
アウターカセット4は、図3、図4に示すように底面4aと、底面4aの幅方向(積層方向と直交する方向)両側端縁から立設した側壁4b,4cと、紙葉類繰り出し機構7(複数のローラから成る)を収容する空所4A等を有し、上面が開口した平面形状長方形の箱体であり、側壁4b,4cの外側面には装置本体2側に設けた金庫収納用空所の内側壁に設けた図示しないガイドと係合するガイドレール4Bを一体化固定する。該ガイドとガイドレールとの係合によってアウターカセット4は該収納用空所内を内外方向へスライド自在に進退することができる。
インナーカセット5は、アウターカセット4の側壁4b,4cの各内壁に設けたガイドレール等によって内外方向(図2等のJ、K方向)へ進退可能に支持されている。従って、アウターカセットを装置本体のセット位置に残した状態でインナーカセット5だけを外部へ引き出すことが可能となっている。インナーカセット5は、紙葉類を載置する内底面5aと、内底面5aの幅方向両端縁から下方に垂下した側壁5b,5cを有し、各側壁5b,5cの屈曲した下端部5e,5f(図5)はアウターカセット4の底面4aに設けた勾型のガイド部9a,9bに夫々係合して内外方向へスライド可能に支持されている。
【0009】
インナーカセット5は、ガイド部9a,9bに案内されることによってアウターカセット4に対して安定して移動可能となっている。インナーカセット5の外端面には把手10が設けられ、該把手10を把持して内側カセット5を内外方向へ移動させることが可能となっている。インナーカセット5はアウターカセット4に対して最奥部に達した時に図示しないロック手段によって当該位置にロック保持される。そして、インナーカセット5をアウターカセット4の外方に引き出す際に、インナーカセット5の把手10の近傍に位置するロック解除レバー10Aを指にて横方向へ軽く押圧することにより、上記図示しないロック機構が解除されてインナーカセット5をアウターカセット4の外方に引き出せるように構成されている。上記ロック解除機構については、後述する。
紙葉類押圧機構6は、インナーカセット5の内底面5a上の紙葉類の両端部背面を同時に押えるためにいずれのカセット4、5からも独立して内外方向へ進退可能に支持された一対の端部押圧部材(サブプッシャ)11a,11bと、該紙葉類の中央部背面を押えるためにインナーカセット5の内底面によって内外方向へ進退可能に支持された単一の中間部押圧部材(バックアッププレート)12とを有する。
【0010】
端部押圧部材11a,11bは、夫々ブロック体13a,13bによってL−M方向へ回動可能に支持された翼状の部材であり、各ブロック体13a,13bはアウターカセット4の側壁4c,4bの内側面によって内外(奥外)方向へスライド自在に支持された後述するリセット用アーム19a,19bによって支持されている。リセット用アーム19a,19bを外端部(図面右端部)において連結一体化する連結杆21を外側へ引くことにより、2つのブロック体13a,13が連動して同方向へ移動するようになっている。なお、このように構成する代りに、リセット用アームを一本だけ設けると共に、両ブロック体13a,13bの下端部同士を幅方向へ延びる図示しない連結部材で一体化し、該リセット用アームの一端部を外側に突出させて把持部としておけば、この把持部を把持して操作することにより両ブロック体を同時に内外方向へ進退させることが可能となり、また部品点数を減らすことができる。
【0011】
端部押圧部材11a,11bは内底面5a上に積層(内外方向へ積層)されている紙葉類の横方向両端部背面を繰り出し方向(J方向)へ押圧するものであり、後述するように中間部押圧部材12が紙葉類補充の為に外方(K方向)へ退避した時に、一時的に単独で既存の紙葉類の背面端部を押えることにより紙葉類繰り出し機構7の連続稼働を可能とし、更に中間押圧部材12が奥方に戻されて補充紙葉類が端部押圧部材の背面に積層された後で、リセット用アーム19a,19b(ブロック体13a,13b)が外方向へ引き出されることによりM方向へ回動して紙葉類間に挟まれた状態から離脱し、最外部の紙葉類の背面に圧接するものである。
端部押圧部材11a,11bは、中間押圧部材12の移動経路と干渉しない位置に配置された細長板体から成り、各押圧部材11a,11bの外側端縁はブロック体13a,13bに設けた軸14a,14bによって矢印L、M方向に回動自在に支持されている。この端部押圧部材の板面は後述する図16、図18に示すように内底面5a上において紙葉類8を所定の傾斜を持って積層させるように奥部下方から外部上方へ向けて傾斜している。従って、上記各軸14a,14bも同様の傾斜を有している。
【0012】
ブロック体13a,13bは、図2、図4に示すように、アウターカセット4の底面4a上において内外方向へ向けて平行に配設された2本のガイド15a,15bによって下端部(ベアリング16a,16b)をスライド自在に支持されている。また、このブロック体13a,13bは図示しないバネ(例えば、コンストンバネ)によって矢印Jで示す奥方向に付勢されている。従って、端部押圧部材11a,11bはこのブロック体13a,13bと一体となって内外方向へ移動する。
図示しないバネによって奥方向に付勢されているブロック体13a,13bは、リセット用アーム19a,19bを矢印Kで示す外方向へ引き出した時に、該バネの付勢力に抗して同方向へ移動する。リセット用アーム19a,19bは、図5に示すようにアウターカセット4の幅方向両側壁4b,4cの内側面に固定された内外方向に延びるガイド20a,20bによってスライド自在に支持されている。
【0013】
両リセット用アーム19a,19bの外端部(図4の右端部)はアウターカセット4の外端面よりも外方に突出しており、該突出端部は連結杆21により一体化されている。この為、連結杆21を外側へ引き出すと、各リセット用アーム19a,19bとともにブロック体13a,13bも外方へスライドする。なお、上述のようにリセット用アームを一本だけにし、両ブロック体同士を幅方向(リセット用アームのスライド方向と直交する方向)に延びる連結部材で直結すれば、連結杆も不要となり、構成の簡潔化に好都合である。
【0014】
図2、図3に示す状態では、リセット用アーム19a,19bの奥端部(図面左端部)がブロック体13a,13bに当接係合し、リセット用アーム19a,19bを矢印K方向に移動させることにより、これと一体的にブロック体13a,13bを上記バネに抗して同方向に移動させることが可能となる。また、矢印J方向に対しては、ブロック体13a,13bはリセット用アームに対して独立して移動可能となっている。
各端部押圧部材11a,11bの先端縁には斜め上下方向へ延びる縦軸が設けられ、該縦軸を中心として回転するガイドローラ17a,17bが軸支されている。また端部押圧部材11a,11bの略中央部には横方向へ延びる横軸が設けられ、この横軸を中心として回転するガイドローラ18a,18bが軸支されている。
基端部をブロック体によって内外方向に回動可能に枢支された端部押圧部材11a,11bは、夫々図示しないバネにより、積層状態に収納されている紙葉類8と平行状態になるように矢印L方向(図2)へ常時付勢されている。端部押圧部材11a,11bが紙葉類8と略平行姿勢にあるときが押圧状態であり、この状態にある時に前記各ガイドローラ17a,17b,18a,18bが紙葉類の背面に圧接した状態にある。
【0015】
端部押圧部材11a,11bは、装置本体2の稼働中は、インナーカセット5の内底面5a上の紙葉類の背面両端部を押圧して紙葉類繰り出し機構7の動作を可能としているが、リセット用アーム19a,19bが外方へ引き出された時だけ一時的にM方向へ回動して紙葉類積載位置から退避しつつ、外方へ移動し、L方向へ戻ってから新たに補充された紙葉類の背面端部を押圧する。即ち、紙葉類8を補充する時に、リセット用アーム19a,19bによってブロック体13a,13bと一体的に端部押圧部材11a,11bを上記バネの付勢力に抗して外方(K方向)へ移動させることにより、端部押圧部材11a,11bはこれをL方向へ付勢するバネに抗して矢印M方向に回動し、リセット用アーム19a,19bとほぼ平行状態に移行して、紙葉類8の背面位置から外方へ抜け出る。
【0016】
端部押圧部材11a,11bの矢印J、K方向及びL、M方向への移動限界位置は、図示しないストッパによって、夫々定められている。
中間部押圧部材12(ブロック体22)は、インナーカセット5の紙葉類載置用の内底面5aの幅方向略中間部上方に位置しており、インナーカセット5に対して内外方向へ相対移動可能に支持されている。中間部押圧部材12は、積層状態に収納されている紙葉類8の略中央部を繰り出し方向であるJ方向に押圧するものである。中間部押圧部材12は、例えば方形板体より構成し、ブロック体22の傾斜した奥面に固定されている。このブロック体22の下端部は、内底面5aの幅方向中央部に形成された内外方向へ延びるスリット状開口部23内に同方向へスライド可能に入り込み、底板5d上に内外方向に沿って設けられたガイド軸24にベアリング25を介して矢印J、K方向にスライド自在に支持されている。
【0017】
中間押圧部材12はブロック体22を介して図示しないバネによって、紙葉類8を押圧する方向、即ち、J方向に付勢されており、該矢印J方向への移動限界位置である奥端位置は、図示しないストッパにより規制されている。そして、所定時において中間押圧部材12はブロック体22とともに前記バネに抗して矢印K方向への移動限界位置まで移動できると共に、該K方向への移動限界位置まで達した時に、後述するロック機構(中間押圧部材ロック機構)によりその位置でインナーカセット5に対して固定される。また、符号22Aはブロック体22から外方へ向かって一体的に突設されたレバーであり、操作者がこのレバーを把持してブロック体22と一体の中間押圧部材12を外方へ引き出すことが可能となる。なお、図面の複雑化を避ける為、このレバー22Aは一点鎖線で示してある。
ブロック体22にはこれを貫通するように横軸が設けられ、この横軸を中心に回転するガイドローラ26が中間押圧部材12の幅方向中央部のスリットから奥方へ一部突出している。このガイドローラ26と両端部押圧部材11a,11bの中央部に設けたガイドローラ18a,18bとは、紙葉類繰り出し機構7の所定のローラ7aと紙葉類8を介して摺接するようになっている。
【0018】
次に、上記構成を備えた紙葉類自動支払い装置1の動作を説明する。
図2乃至図5は、紙葉類8が全く収納されていない空の状態にある金庫(紙葉類カセット)3を示している。また、図17、図18は、紙葉類繰り出し機構7と紙葉類押圧機構6との間に所定枚数の紙葉類8が積層状態で収納された満杯状態にある初期状態の金庫3を示している。
始業時において空の状態にある金庫3を紙葉類によって満杯にする為には、金庫全体を装置本体2から引き出してインナーカセット4及びアウターカセット5の上面開口全体を外部に露出させる。この時、紙葉類を載置する内底面5aを露出させるために、中間部押圧部材を支持するブロック体22を最外端部に引き出しておく必要があるが、この最外端部でブロック体22をロックする機構については後述する。
この満杯状態においては、端部押圧部材11a,11b及び中間部押圧部材12は、いずれも最外部の紙葉類8の背面に当接して、積層状態の紙葉類8全体を紙葉類繰り出し機構7側、即ち矢印J方向に押圧している。
このように紙葉類8が満杯状態にある金庫3を、図1に示したように装置本体2の内部所定位置にセットすると、アウターカセット4の奥部に設けた紙葉類繰り出し機構7の駆動軸が装置本体2側の駆動機構に接続されて、駆動力の伝達が可能な状態となる。
この状態で顧客が装置本体2の前面にある図示しないデータ入力装置によって紙葉類8の払出し枚数、その他、紙葉類8の払出しに必要なデータを入力する。すると、紙葉類繰り出し機構7が駆動して、金庫3内に積層状態に収納されている紙葉類が、その最奥部のものから順次一枚づつ繰り出されて前記データ入力装置から入力されたデータに基づく払出し枚数の紙葉類が装置本体2の払出し口2aから払出される。
【0019】
このようにして、紙葉類8が払出し口2aから払出されることにより、金庫3内における紙葉類8の残存枚数が減少する。この減少にともない、端部押圧部材11a,11b及び中間部押圧部材12(ブロック体22)は、夫々を奥方へ付勢するバネの付勢力によって矢印J方向に移動し、常に紙葉類8を繰り出し側に押圧する。
そして、金庫3内の紙葉類8の残存枚数が所定設定値以下になった場合に、図17及び図18に示す初期状態から減少した分の紙葉類8を金庫3内に補充して、再び満杯状態とするものであるが、この場合の補充操作について、以下に説明する。
【0020】
図6、図7及び図8は、金庫3内の紙葉類8の残存枚数が所定設定値になり、紙葉類8を補充する必要がある状態の金庫3を示す平面図、D−D断面図及びE−E断面図である。図6乃至図8の状態において、アウターカセット4を装置本体2内の所定セット位置に残したまま、把手10を把持してインナーカセット5を矢印K方向に移動させることにより、インナーカセットが装置本体2の外方へ引き出されて図9及び図10に示した状態に移行する。なお、図6乃至図18の図中では、ブロック体22から延びるレバー22Aは図示を省略してある。
図9及び図10の引出し状態においては、インナーカセット5に支持された中間押圧部材12(ブロック体22)が、アウターカセット4の奥側に位置している紙葉類8から離間した状態にあるが、該紙葉類8は端部押圧部材11a,11bにより奥方向に押圧されているので、紙葉類繰り出し機構7による紙葉類8の払出しは正常に行うことができる。
【0021】
図9、図10に示した引出し状態においては、ブロック体22は図示しないバネによってインナーカセット5の奥端部に位置させられているが、レバー22Aを把持して外方向へ引き出すと、後述するロック機構(インナーカセットの外側端部に位置する)が作動してブロック体22はインナーカセット5の外端部に係止される。この結果、インナーカセットの内底面5a上面(係止されたブロック体22の奥側)が開放されるので、この上に補充すべき紙葉類を所定枚数積層状態で装填して図11、図12の状態にする。
記録紙の補充を終えて図11、図12の状態にした後、把手10をもってインナーカセット5を奥方向に移動させてアウターカセット4の内部に押し込むと、、上記ロック機構の下面に突出した後述する突起(軸の下端部)が、アウターカセットの外側端部上面に設けたテーパー突起に乗り上げることによって押し上げられて、上記ロック機構によるブロック体22の係止が解除され、ブロック体22は図示しないバネの作用によって奥方へ移動し、補充された紙葉類を既存の紙葉類(両端部を端部押圧部材により押えられている)の背面に押し付ける。更に続いてインナーカセット5を奥方へ移動させると、インナーカセット5がアウターカセット4内の所定位置に達して、当該位置にロック保持されて、図13、図14に示した状態になる。
【0022】
この状態では端部押圧部材13a,13bは、新旧の紙葉類束の境界面に介在しているので、これを抜き取る必要がある。この為、連結杆21を把持してリセット用アーム19a,19bをバネの付勢力に抗して外方向へ引き出すと、リセット用アームの奥端部がブロック体13a,13bに当接し、そのまま同方向に引出し続けると、端部押圧部材11a,11bが軸14a,14bを中心としてM方向に夫々回動する。このM方向への回動動作は、外方向への移動とともに行われるので、端部押圧部材は紙葉類束間から容易に抜け出すことができる。
また、この回動時、端部押圧部材11a,11bの上下端部に支持されているガイドローラ17a,17bが紙葉類8に摺接して回転するため、端部押圧部材は紙葉類を傷付けることなく、M方向に円滑に回動し、図13中の2点鎖線で示す如く、アウターカセット4内に残存していた紙葉類8と、新たに補充された紙葉類8との間から外方へ抜け出た状態となる。該抜け出しが完了すると、新たに補充された紙葉類束の最奥部が、既存の紙葉類束の背面に密着して両者は連続した積層状態となる。
【0023】
この後、続いて、リセット用アーム19a,19bを外方向へ引き出すと、これと一体的に端部押圧部材11a,11b(ブロック体13a,13b)がガイド軸15a,15bに沿って移動し、図15、図16中、2点鎖線で示す如く、補充紙葉類8の最外部より外方に達すると、端部押圧部材11a,11bは、バネの付勢力によって矢印L方向に回動復帰して、実線で示すように紙葉類8と略平行な姿勢に戻る。なお、ブロック体13a,13bも他のバネによって常時奥方向へ付勢されている。
この端部押圧部材11a,11bがアウターカセット5内に残存していた紙葉類8とインナーカセット5内に補充された紙葉類8との間から抜け出てから、補充された紙葉類の外方に達するまでの間においては、端部押圧部材11a,11bのガイドローラ17a,17bが紙葉類の両端部に転動しつつ移動するので、端部押圧部材の移動が円滑化し、紙葉類を損傷することがなくなることは上述の通りである。
端部押圧部材11a,11bが図15、図16に実線で示す平行姿勢に移行した後で、リセット用アーム19a,19bを奥方(図面左方)へ押し込むと、その過程で端部押圧部材11a,11bが紙葉類の背面に当接する。この時点で、ブロック体22を奥方へ付勢する図示しないバネの力によって、端部押圧部材は紙葉類背面を適正な力で押圧することとなる。更に、リセット用アームを奥方に押し込み続けると、リセット用アームは図17、図18に示す初期位置に達する。
【0024】
上記操作により、金庫3全体を装置本体から引き出すことなく、インナーカセット5を外側カセット4から引き出して紙葉類8を補充することにより、継目無く連続して紙葉類8を1枚づつ繰り出して、装置本体2の払出し口2aから払出すことが可能となり、紙葉類自動支払い装置1の連続無停止稼働が可能となる。次に、中間部押圧部材12を保持するブロック22をインナーカセット5の外側端部に着脱自在に係止するための上記ロック機構は、図19以降に示した如き構成をとる。このロック機構は、図2乃至図18に示した本発明の金庫に装備するものであるが、図面内容の複雑化を避ける為に前記各図中には記載しなかったものである。
【0025】
図19(a) (b) 及び(c) は中間部押圧部材に設けた爪部材の構成を示す斜視図、側面図及び正面図であり、図20は上記ロック部材の構成を示す斜視図であり、図21(a) (b) はロック部材に対する爪部材の着脱動作を示す図である。図19に示すように第1及び第2の爪部材30、31はブロック体22の背面から外方へ向けて突出した状態で支持されると共に、第2の爪部材31は弾性付勢手段32によって常時は下方に付勢されているが解除レバー33によって任意に上方に移動させられる。
このロック機構35は、中間部押圧部材12の外側面に設けられ、外側方向に突出する第1及び第2の爪部材30、31と、インナーカセット5の外側端部に設けられたロック部材36とから構成されている。上向きのフック部30aを有した第1の爪部材30は、中間部押圧部材12がインナーカセット5の外側端部に達した時にロック部材36の下向きの第1のロック片37aに下側から係合可能であり、下向きのフック部31aを有した第2の爪部材31は、第1のロック片30の横方向に設けた上向きの第2のロック片37bに上側から係合可能である。第1の爪部材30がロック部材36に係合するのは、インナーカセット5がアウターカセット4から外側へ引き出されている時に中間部押圧部材12を該インナーカセット5の外側端部に係止する場合である。また、第2の爪部材31がロック部材36に係合するのは、インナーカセット5がアウターカセット4内に収納された状態において、両カセットが同時に装置本体2から引き出された時に、中間押圧部材12をインナーカセット5の外側端部に係止する時である。
【0026】
図19(a) (b) (c) に示すように第1の爪部材30は、ブロック体22の背面(外側面)に対して固定的に突設されている。これに対して第2の爪部材31は、第1の爪部材30の基部から延びる逆U字状の連結片38の他側面(回動軸38a)により上下動可能に支持され、更に第2の爪部材31の基端部は上方へ延びて解除レバー33と一体化している。回動軸38aは連結片38を貫通し、回動軸38aに巻き掛けられた弾性付勢手段(コイルバネ)32は一端を第2の爪部材31の適所(特に図示しない)に係合することにより第2の爪部材のフック部31aを降下させる方向に付勢する。解除レバー33は、これを奥方へ押圧することにより、弾性付勢手段32に抗してフック部31aは上方へ回動する。
【0027】
ロック部材35は図20、図21(a) (b) に示すようにインナーカセット5の内底面5aに設けた穴40によって上下動可能に支持された2本の軸41の上端部に一体化された天井部42と、該天井部42の奥側端縁から垂下した下向きの第1のロック片37aと、第1のロック片の側方に位置する上向きの第2のロック片37bとを有する。軸41の外周にはコイルバネ44が嵌挿され、ロック部材36を内底面5aから所定の高さに維持している。換言すれば、コイルバネ44は、ロック部材36を下方に押し下げており、図21(a) の状態で軸41の下端部が所定長下方に突出するようにしている。また、インナーカセット5がアウターカセット4から引き出された状態においては、軸41の下端部は上記穴40から下方へ所定長突出しているので、ロック部材36は最下降位置にあるが、インナーカセット5がアウターカセット4内に収納されて軸41の下端部が該アウターカセット4の底面4aによって上方へ押し上げられると、ロック部材36は全体として上方へ浮き上がる(図21(b) )。
【0028】
図21(a) に示すようにインナーカセット5がアウターカセット4から引き出されてロック部材36が降下している時に、第1のロック片37aは第1の爪部材30の上向きのフック部30aと係合する。このとき、第2のロック片37bは第2の爪部材31の下向きのフック部31aの移動経路から下方へ十分に退避しているので、両者が係合することはない。或は、図示するようにフック部31aの位置をフック部30aよりも奥側に引っ込めておけば、尚更第2のロック片37bとの係合が回避できる。
インナーカセット5がアウターカセット4から引き出された状態にあって、中間部押圧部材12(ブロック体22)をインナーカセット5の外側端部にロックする場合には、上向きのフック部30a先端のテーパー部30a’が下方に下がった位置にある第1のロック片37aを押し上げつつ、これを通過し、通過後に第1のロック片37a(ロック部材36全体)が降下して、フック部30aと係合する。
【0029】
このロックを解除する操作は、インナーカセット5をアウターカセット4内に押し込むことにより実現される。即ち、アウターカセット4の底面4aの奥側端部上には図示の如きテーパー部4a’があるので、インナーカセット5を押し込む過程で、それまで突出していた軸41の下端部がテーパー部4a’に乗り上げると、軸41はバネ44に抗して上方へ移動し、第1のロック片37aも上昇するので、第1の爪部材のフック部30aが第1のロック片37aからはずれて、その結果中間部押圧部材12は図示しないコンストンバネによって奥方向へ戻される。なお、上述のように第2の爪部材のフック部31aは第1の爪部材のフック部30aよりも少し奥側に位置している為、第1の爪部材が第1のロック片に係止した時点で、第2の爪部材は第2のロック片には係止していないこととなる。
【0030】
紙葉類を補充する為にインナーカセット5だけを装置本体2から引き出した時には、中間部押圧部材12をノブ22Aを引くことによって外側へ引き出してインナーカセットの外側端部にロックする必要があることは上述の通りであるが、紙葉類の補充後は、中間部押圧部材12だけのロックを解除する操作を行うことなく、インナーカセット5をアウターカセット4内に押し込めば、上記ロック部材の軸41の下端部がアウターカセットの底面のテーパー部4a’に乗り上げてロック部材36が上昇することにより、第1の爪部材30のロックが解除されて上記コンストンバネによって中間部押圧部材12は奥方へ移動し、補充された紙葉類を既存の紙葉類の背面に圧接する。
【0031】
また、インナーカセット5がアウターカセット4内に収納されてロック部材36が浮き上がっている時に、第2の爪部材の下向きのフック部31aは第2のロック片37bと係合する。このとき、第1のロック片は第1の爪部材の上向きのフック部の移動経路から上方へ十分に退避しているので、第1のロック片に係止することはない。始業時等に金庫全体を装置本体2から引き出して最大収納可能な紙葉類を金庫内に収納する場合には、上記第2の爪部材を第2のロック片37bに係止することによって中間部押圧部材12をインナーカセットの外側端部に係止する必要があるが、紙葉類の収納作業の終了後に中間部押圧部材12を奥方に戻す為には、上記解除レバー33を奥方へ押圧すればよい。
なお、中間押圧部材12が補充された紙葉類の背面に当接した時に、既存の紙葉類と補充紙葉類との間に端部押圧部材13a,13bが挟まれた状態にある時には、上記リセット用アーム19a,19bを引き出す操作を行えば良い。
【0032】
次に、図11、図12に示したように、中間押圧部材12の内面に新たな紙幣を積層補充した後で、図13、図14の如くロックが解除された中間部押圧部材が内方へ移動するまでの過程において、中間部押圧部材12の内面に接する補充紙葉類がフリーの状態にあると、上記ロック機構の作動によって中間部押圧部材のロックが解除されてコンストンバネの力によって該紙葉類8を内方へ移動させるまでの間に、該補充紙葉類が内方へ倒れ込む事態が多発する。換言すれば、図11、図12の状態にあるインナーカセット5を内方へ押し込むと、中間押圧部材12の内面上に積層された紙葉類は該内面からの反力によって内方へ倒れ込み易くなり、上記ロック機構解除による中間押圧部材の内方への移動前に紙葉類が倒れると、倒れた状態にある紙葉類が中間押圧部材と端部押圧部材との間で挟まれて折れ曲がり、正常でない積層状態となり、人手によって紙葉類を整列し直す必要が生じる。
そこで、本実施例では、アウターカセット4から引き出された状態にあるインナーカセット5の幅方向両側壁に、中間押圧部材の内面上に補充された紙葉類の倒れ込みを防止するための倒れ防止片を配置して、該補充紙葉類を仮止め状態に保持するようにしている。
【0033】
図22は倒れ防止片を備えた金庫の一例の構成を示す平面図、図23は正面図、図24は側面図である。この金庫は上記各図において示したものとは、中間押圧部材等の形状が若干異なっているが、機能的には全く同様である。この実施例では、インナーカセットに2つの側壁50を設け、この両側壁50の内壁適所に弾性を有したフィルム状の樹脂等から成る倒れ防止片(ビルホルダ)51を配置することによって、紙葉類の幅方向両端を保持してインナーカセットが奥方へ移動する際の紙葉類の倒れ込みを防止している。
側壁50は、例えばインナーカセット5の外側端部の上面と、奥側端部の適所との間に両端部を固定された板金により構成し、この側壁50をアウターカセット4の外壁内部によってスライド自在に支持することにより、インナーカセットの進退時の安定性を確保することができる。
【0034】
倒れ防止片51は、例えばポリエステルフィルム等の毛から成り、毛自体が弾性を有すると共に斜め下方へ傾斜して突出しているので、インナーカセット5の外側端部にロックされた状態にある中間押圧部材12の奥方面に紙葉類8を補充した時には、紙葉類の両端縁(側壁50と対面する端縁)と接する毛の部分だけが、紙葉類の両端縁によって幅方向外側へ押し広げられて弾性変形するが、該紙葉類8の奥面8aよりも奥側に位置する毛は幅方向外側に突出した姿勢を維持するので、突出した毛により紙葉類の奥面8aを押えることができる(図25(a) (b) )。この状態で、インナーカセット5を奥側に押し込んだとしても、該紙葉類の奥面は倒れ防止片51の何れかの毛51aによって押えられているので、中間押圧部材12のロックが解除されてコンストンバネによって奥方へ飛び出すまでは紙葉類の奥方への倒れ込みを防止している。中間押圧部材12のロックが解除されて奥方へ飛び出す時は、コンストンバネの奥方への引張り力が倒れ防止片51の毛51aによる紙葉類保持力を大幅に上回るので、それまで紙葉類の奥面を保持していた毛51aが幅方向外方へ弾性変形して紙葉類の奥方への移動を許容する。
【0035】
図26は植毛から成る倒れ防止片51の例を示す図であり、この倒れ片51は、紙葉類を補充した時に一部が弾性変形して紙葉類の補充の障害となることなく、しかも他の部分で紙葉類の奥面を保持することができ、更に中間押圧部材が奥方へ飛び出すときには紙葉類の保持を容易に解除できる程度の弾性保持力を有するように構成する。
ところで、従来の倒れ防止片(ビルホルダ)は、図27に示す様にインナーカセット5の2つの側壁50に止着肉厚0.1mm程度の板状のポリエステルフィルムであり、両側壁間に位置する紙幣の端縁よりも内側に約3〜4mm程度突出している。つまり紙幣のストック領域内に干渉している。また、インナーカセット5の底面5a上には、紙幣下端縁の滑りを止める為のゴム板60を配置している。
【0036】
しかし、このような倒れ防止片51とゴム板60との協働による倒れ防止機構にあっては、折れ癖のついた紙幣等8を支持する際に、4mm程度の入り込み長では、不足している一方で、4mm以上突出させると紙幣の積層状態に悪影響を与える結果をもたらす。また、上記の如きポリエステルフィルム製の倒れ防止片51にあっては、柔軟性がなく、紙幣を挟み込む突部51a間のピッチが広過ぎる為に、少数枚数を保持する時からが不足しており、倒れ込みを防止できなかった。更に、滑り止め様に使用しているゴム板60は、表面が滑面であるため、滑り止めの効果が低く、少数枚を保持する際に紙幣束の下縁部が位置ずれを起こして倒れを起こす。また、ポリエステルフィルムは、一旦変形すると、原形に復帰させることが難しいので、耐久性が悪く、交換間隔が増大する為、装置の稼働率の低下をもたらし易い。
【0037】
図28は、このような不具合を解消する為の倒れ防止機構の例を示す図であり、本形態例では倒れ防止片51として図26に示した如きブラシ状のものを用いるとともに、紙幣束の下縁部の滑り止め60として、フックループファスナー(マジックテープ(登録商標)のメス側)を用いるようにした点が特徴的である。この倒れ防止片51は、図29に示す様にインナーカセット5の2つの側壁50に夫々止着され斜め下向きに突出した状態で止着されたものであり、板状の保持部51Aに一端縁に所定のピッチでポリエステル製の毛51Bを植毛したブラシである。この例の倒れ防止片51は、ブラシ保持部51Aをアルミ板金とし、毛51Bをポリエステル樹脂(硬度 750D/6f,植え込みピッチ9.5束/cm)とした。
【0038】
また、滑り止め60は、図30に示す様にループファスナー(住友スリーエム株式会社.SJ−3527)を図のような帯状に切断したものを、インナーカセット5の内底面の適所に適当な個数配置し、ファスナー面が上向きとなって紙幣の下縁部の滑りを防止する様に構成する。ファスナー面には、細い樹脂線材を環状に成形した小突起が多数突出しており、これが紙幣の下縁部の滑り対する抵抗となり、確実に滑りを防止する。
但し、倒れ防止片51、滑り止め60の各材質は、上記のものに限らず、同等の機能を発揮する材料であれば、何を使用してもよい。
この倒れ防止片51は、そのブラシ部分51Bの内壁50の内側への突出長を10mm程度とする一方で、個々の毛51Bに十分な柔軟性を持たせたので、変形が容易でありながら、折れ癖のある紙幣や、少数枚の紙幣を夫々十分に保持して倒れを防止することができる。逆に言えば、内側への突出長を、折れ癖のある紙幣や少数枚の紙幣の倒れを防止するのに十分な程度に長くしておきながらも、個々の毛に柔軟性があるので、突出長が長いことによって補充された紙幣の整列状態を乱すことがなくなる。
このような構成を有した倒れ防止機構によれば、無停止補充運用において、多枚数時は勿論、少数枚時であっても、安定した補充を行うことが可能となる。
なお、上記倒れ防止片を適用する金庫のタイプとしては、アウターカセットからインナーカセットを引出し自在に構成され、かつインナーカセットに対して中間押圧部材を内外方向へ進退可能に支持した構成を備えたものであれば、いずれのタイプにも適用が可能であり、上記において図示したタイプの金庫に適用対象が限られる訳ではない。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、装置本体の払出し動作を停止することなく、金庫への紙葉類の補充を行うことができるので、紙葉類払出し装置の連続無停止運用が可能となり、稼働効率及び顧客サービスを向上できる。また、補充作業時に紙葉類を押える中間押圧部材を人手によって押えておく手間を必要としないので操作性を高めることができる。
また、引き出したインナーカセットの外端部にロックされた中間押圧部材の奥面に紙葉類を補充した時に、該紙葉類の両端縁を弾性的に保持する倒れ防止片を設けたので、インナーカセットをアウターカセット内に押し込む過程で紙葉類が倒れ込みを起こすことを防止することができる。
また、上記倒れ防止片としてポリエステルの植毛からなるブラシを用いて、10mm程度、内側へ突出させると共に、補充された紙幣の下縁部が接する位置にループファスナー等の抵抗の大きな材料から成る滑り止めを配置したので、インナーカセット押し込み時に、折れ癖のついた紙幣や、少枚数の紙幣の倒れを確実に防止でき、且つ滑りを防止できる。フィルムからなる倒れ防止片の場合には、フィルムに一旦癖が形成されると、原形に戻すことが困難であるが、本発明のポリエステル植毛であれば、原形復帰力が良好である為、耐久性が上がり、コスト、保守性、性能において有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の紙葉類自動支払い装置の側面図。
【図2】図1の装置の金庫が空の状態を示す平面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】図2のB−B断面図。
【図5】図2のC−C断面図。
【図6】本発明の金庫奥方の紙葉類が減少した状態を示す平面図。
【図7】図6のD−D断面図。
【図8】図6のE−E断面図。
【図9】図6の状態からインナーカセットを引き出した状態を示す平面図。
【図10】図9のF−F断面図。
【図11】補充用の紙葉類を装填した状態の平面図。
【図12】図11のG−G断面図。
【図13】図11の状態からインナーカセットをアウターカセット奥方に押し込んだ状態の平面図。
【図14】図13のH−H断面図。
【図15】図13の状態から端部押圧部材を外方向へ移動させた状態を示す平面図。
【図16】図15のI−I断面図。
【図17】紙葉類の補充が完了した状態(初期状態)の金庫の平面図。
【図18】図17のJ−J断面図。
【図19】 (a) (b) 及び(c) は中間部押圧部材側に設けた爪部材の構成を示す斜視図、側面図及び正面図。
【図20】ロック部材の斜視図。
【図21】 (a) 及び(b) はロック機構の動作を示す図。
【図22】倒れ防止片を備えた金庫の一例の構成を示す平面図。
【図23】図22の正面図。
【図24】図22の側面図。
【図25】 (a) 及び(b) は動作説明図。
【図26】倒れ防止片の構成例を示す図。
【図27】図26の倒れ防止片の欠点を説明する図。
【図28】本発明の形態例の倒れ防止機構の構成図。
【図29】倒れ防止片の一例の構成図。
【図30】滑り止めの一例の構成図。
【符号の説明】
1 紙葉類自動支払い装置、2 装置本体、3 金庫(紙葉類カセット)、4アウターカセット、4a 底面、4b,4c 側壁、4A 空所、4B ガイドレール、5 インナーカセット、5a 奥方底面、5b,5c 側壁、5e,5f 下端部、6 紙葉類押圧機構、7 紙葉類繰り出し機構、9a,9b ガイド部、10 把手、10A ロック解除レバー、11a,11b 端部押圧部材(サブプッシャ),12 中間部押圧部材(バックアッププレート),13a,13b ブロック体,14a,14b 軸、17a,17b,18a,18bガイドローラ、19a,19b リセット用アーム,20a,20b ガイド、21 連結杆,22 ブロック体、26 ガイドローラ、30、31 第1及び第2の爪部材、30a、31a フック部、32 弾性付勢手段、33 解除レバー、35 ロック機構、36 ロック部材 37a 第1のロック片、37b 第2のロック片、38 連結片、38a 回動軸、40 41 軸、42天井部、44 コイルバネ、50 側壁、51 倒れ防止片、60 滑り止め。

Claims (1)

  1. 装置本体内に装着された紙葉類収納用の金庫内に積層状態で収納された紙葉類を一枚づつ繰り出して前記装置本体の払出し口から払出すようにした紙葉類自動支払い装置であって、
    上記紙葉類カセットは、アウターカセットと、該アウターカセット内に上記紙葉類の積層方向に沿って内外方向へ進退可能に支持されたインナーカセットと、上記積層状態で収納された紙葉類を繰り出し側に押圧する紙葉類押圧機構とを備え、該紙葉類押圧機構は、上記アウターカセット内の幅方向両端部において上記内外方向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背面両端部を押圧する端部押圧部材と、上記インナーカセットの幅方向内側略中央において該インナーカセットの内底面によって上記内外方向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背面略中央部を押圧する中間部押圧部材と、該中間部押圧部材を内方へ常時弾性付勢するバネと、上記アウターカセットから引き出された状態にある上記インナーカセットの外側端部に上記中間部押圧部材を一時的に係止すると共にインナーカセットをアウターカセット内に戻す過程で該インナーカセットに対する該中間部押圧部材の係止を解除して該中間部押圧部材を上記バネによって内方へ復帰させるためのロック機構を備え、
    上記インナーカセットの幅方向両側部には、引き出された状態にある上記インナーカセットの外端部に上記中間部押圧部材が係止されている時に該中間部押圧部材の内面に補充された紙葉類の幅方向端縁を保持して倒れ込みを防止する為の倒れ防止片が取付けられている金庫を備えたものにおいて、
    上記倒れ防止片は、ポリエステル樹脂製の毛を所定のピッチで植毛したものであり、上記インナーカセットの内壁から内側へ10mm程度突出し、
    上記インナーカセットの内底面には、ループファスナーをファスナー面を上向きにして配置することにより、紙幣の下端縁の滑りを防止するようにしたことを特徴とする紙葉類支払い装置の金庫の構造。
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