JP3436976B2 - 紙葉類支払い装置の金庫の構造 - Google Patents

紙葉類支払い装置の金庫の構造

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JP3436976B2 JP15653294A JP15653294A JP3436976B2 JP 3436976 B2 JP3436976 B2 JP 3436976B2 JP 15653294 A JP15653294 A JP 15653294A JP 15653294 A JP15653294 A JP 15653294A JP 3436976 B2 JP3436976 B2 JP 3436976B2
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満明 東郷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙葉類自動支払い装置の
金庫の構造に関し、例えばATM(AutomatedTeller Mac
hine)或はCD(Cash Dispenser)等の如く紙幣等の紙葉
類を自動的に払出す装置に用いられる紙葉類収納用の金
庫(紙葉類カセット)の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来から、ATM(Automated Teller Mach
ine)或はCD(Cash Dispenser)等の紙葉類自動支払い装
置においては、装置本体内に着脱可能に装着された金庫
(紙葉類カセット)内に紙幣等の紙葉類を多枚数予め積
層状態で収納しておき、フィードローラ等から成る繰り
出し機構によってこの紙葉類束から一枚づつ紙葉類を取
り出すことにより、上記装置本体に設けた払出し口から
必要枚数の紙葉類を払出すように構成されている。上記
従来の紙葉類自動支払い装置の金庫にあっては、装置本
体側のレイアウト上の制限から金庫サイズが制限を受け
るため、金庫内に一度に装填できる紙葉類の枚数に限度
があり、払出し用の紙葉類が用い尽くされて装置が稼働
停止に陥ることを防止する為に、一日の内に何度か紙葉
類を補充する作業が必要となっている。従来の紙葉類支
払い装置においては、金庫上面の補充用の開口全体を装
置外部に露出させない限り金庫に紙葉類を補充すること
ができなかったため、金庫全体を装置本体から引き出す
必要があり、その結果、上記繰り出し機構から残存紙葉
類が離間した状態となり、装置の稼働を一時停止せざる
を得なかった。
【0003】このように従来の紙葉類支払い装置におい
ては、紙葉類補充の度に装置を停止せざるを得ない結
果、連続無停止稼働を行うことができず、稼働効率が低
くなり、しかも顧客は紙葉類の補充作業が終了するまで
待機する、或は別の装置を使用しなければならず、顧客
サービスが低下するという欠点があった。このようなと
ころから本願出願人は、平成4年特許願第355910
号において、上記不具合を解消するための金庫の構造を
提案したが、上記出願発明においても未解決の問題があ
り、その問題点の解決が望まれていた。この問題点と
は、具体的には、アウターカセットに対してインナーカ
セットを出し入れ自在に構成した金庫において、紙葉類
を金庫内に補充するためにインナーカセットだけを装置
本体から引き出してインナーカセット内に補充を行った
後にインナーカセットを装置本体内に戻す過程で、紙葉
類がインナーカセットの移動時の勢い(移動初期の勢
い)によって倒れ込みを起こすという点である。この問
題点は、上記出願発明の基本構造を理解した上で初めて
理解が容易となるので、実施例の説明中において、上記
問題点を指摘すると共に、その解決手法を開示する。
【0004】
【発明の目的】本発明は上記に鑑みてなされたものであ
り、紙葉類支払い装置の稼働を停止せずに、金庫内に紙
葉類の補充を行うことを可能とすることにより、装置の
稼働効率及び顧客サービスの向上を図った紙葉類支払い
装置の金庫の構造において、発生していた未解決の問題
点を解決することを目的としている。具体的には、顧客
に対する払出し枚数の増大により残存枚数が減少した結
果、装置の稼働中に紙葉類の補充が必要となった場合
に、支払い動作を中断させずに金庫に対する所要枚数の
補充を可能とした金庫において、紙葉類補充後、補充さ
れた紙葉類が、金庫を装置本体に収納する際の初期移動
によって倒れ込みを起こすことを防止することができる
金庫の構造を提案するものである。
【0005】
【発明の概要】上記目的を達成するため本発明は、装置
本体内に装着された紙葉類収納用の金庫内に積層状態で
収納された紙葉類を一枚づつ繰り出して前記装置本体の
払出し口から払出すようにした紙葉類自動支払い装置に
おいて、上記紙葉類カセットは、アウターカセットと、
該アウターカセット内に上記紙葉類の積層方向に沿って
内外方向へ進退可能に支持されたインナーカセットと、
上記積層状態で収納された紙葉類を繰り出し側に押圧す
る紙葉類押圧機構とを備え、該紙葉類押圧機構は、上記
アウターカセット内の幅方向両端部において上記内外方
向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背面両端部を押
圧する端部押圧部材と、上記インナーカセットの幅方向
内側略中央において該インナーカセットの内底面によっ
て上記内外方向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背
面略中央部を押圧する中間部押圧部材と、該中間部押圧
部材を内方へ常時弾性付勢するバネと、上記アウターカ
セットから引き出された状態にある上記インナーカセッ
トの外側端部に上記中間部押圧部材を一時的に係止する
と共にインナーカセットをアウターカセット内に戻す過
程で該インナーカセットに対する該中間部押圧部材の係
止を解除して該中間部押圧部材を上記バネによって内方
へ復帰させるためのロック機構を備え、上記インナーカ
セットの幅方向両側部には、引き出された状態にある上
記インナーカセットの外端部に上記中間部押圧部材が係
止されている時に該中間部押圧部材の内面に補充された
紙葉類の幅方向端縁を保持して内方への倒れ込みを防止
する為の倒れ防止片が取付けられていること、上記倒れ
防止片は、薄いフィルム状の弾性材料から構成されてお
り、上記中間押圧部材の内面に補充された紙葉類の少な
くとも最内面を押えて倒れを防止するよう構成されてい
ること、上記倒れ防止片は、コイルバネによって構成さ
れていること、上記倒れ防止片は、植毛によって構成さ
れていることを特徴とする。
【0006】上記のように本発明によれば、顧客に対す
る払出し枚数の増大により残存枚数が減少した結果、装
置の稼働中に紙葉類の補充が必要となった場合に、支払
い動作を中断させずに金庫に対する所要枚数の補充を可
能とした金庫において、紙葉類補充後、補充された紙葉
類が、金庫を装置本体に収納する際の初期移動によって
倒れ込みを起こすことを防止することができる。
【0007】
【発明の実施例】以下、添付図面に示した実施例により
本発明を詳細に説明する。図1は本発明に係る紙葉類支
払い装置の側面図であり、符号1は紙葉類自動支払い装
置であり、装置本体2の内部セット位置には本発明の特
徴をなす金庫(紙葉類カセット)3が装置本体内におい
て内・外(奥・外)方向へ進退可能に支持されている。
金庫3内に積層状態で収納された紙幣等の紙葉類は後述
する紙幣繰り出し機構によって一枚づつ取り出されて、
装置本体2の払出し口2aから払出される。なお、説明
の便宜上、装置本体の前面、後面の方向とは関係なく、
図1に矢印で示すように、「内・外」、「奥・外」とい
う用語を用いる。
【0008】図2は本発明の一実施例の金庫の構成を示
す平面図、図3は図2のA−A断面図、図4は図2のB
−B断面図、図5は図2のC−C断面図である。図2乃
至図5はいずれも紙葉類が収納されていない状態を示し
ている。金庫3は、図1に示した装置本体2の内部セッ
ト位置に内外(奥外)方向へ進退(着脱)自在に支持さ
れているアウターカセット4と、該アウターカセット4
の内壁に沿って内外方向へ進退可能に支持され且つ内底
面上に紙葉類を支持するインナーカセット5と、インナ
ーカセット5により内外方向に進退可能に支持されて紙
葉類を奥(内)方向に押圧する紙葉類押圧機構6と、ア
ウターカセット4の奥端部(或は装置本体側)に位置し
紙葉類押圧機構との間で内外方向へ積層状態にある紙葉
類を挟みつつ一枚づつ取り出して所定方向へ搬送する紙
葉類繰り出し機構7とを有する。
【0009】アウターカセット4は、図3、図4に示す
ように底面4aと、底面4aの幅方向(積層方向と直交
する方向)両側端縁から立設した側壁4b,4cと、紙
葉類繰り出し機構7(複数のローラから成る)を収容す
る空所4A等を有し、上面が開口した平面形状長方形の
箱体であり、側壁4b,4cの外側面には装置本体2側
に設けた金庫収納用空所の内側壁に設けた図示しないガ
イドと係合するガイドレール4Bを一体化固定する。該
ガイドとガイドレールとの係合によってアウターカセッ
ト4は該収納用空所内を内外方向へスライド自在に進退
することができる。
【0010】インナーカセット5は、アウターカセット
4の側壁4b,4cの各内壁に設けたガイドレール等に
よって内外方向(図2等のJ、K方向)へ進退可能に支
持されている。従って、アウターカセットを装置本体の
セット位置に残した状態でインナーカセット5だけを外
部へ引き出すことが可能となっている。インナーカセッ
ト5は、紙葉類を載置する内底面5aと、内底面5aの
幅方向両端縁から下方に垂下した側壁5b,5cを有
し、各側壁5b,5cの屈曲した下端部5e,5f(図
5)はアウターカセット4の底面4aに設けた勾型のガ
イド部9a,9bに夫々係合して内外方向へスライド可
能に支持されている。
【0011】インナーカセット5は、ガイド部9a,9
bに案内されることによってアウターカセット4に対し
て安定して移動可能となっている。インナーカセット5
の外端面には把手10が設けられ、該把手10を把持し
て内側カセット5を内外方向へ移動させることが可能と
なっている。インナーカセット5はアウターカセット4
に対して最奥部に達した時に図示しないロック手段によ
って当該位置にロック保持される。そして、インナーカ
セット5をアウターカセット4の外方に引き出す際に、
インナーカセット5の把手10の近傍に位置するロック
解除レバー10Aを指にて横方向へ軽く押圧することに
より、上記図示しないロック機構が解除されてインナー
カセット5をアウターカセット4の外方に引き出せるよ
うに構成されている。上記ロック解除機構については、
後述する。
【0012】紙葉類押圧機構6は、インナーカセット5
の内底面5a上の紙葉類の両端部背面を同時に押えるた
めにいずれのカセット4、5からも独立して内外方向へ
進退可能に支持された一対の端部押圧部材(サブプッシ
ャ)11a,11bと、該紙葉類の中央部背面を押える
ためにインナーカセット5の内底面によって内外方向へ
進退可能に支持された単一の中間部押圧部材(バックア
ッププレート)12とを有する。
【0013】端部押圧部材11a,11bは、夫々ブロ
ック体13a,13bによってL−M方向へ回動可能に
支持された翼状の部材であり、各ブロック体13a,1
3bはアウターカセット4の側壁4c,4bの内側面に
よって内外(奥外)方向へスライド自在に支持された後
述するリセット用アーム19a,19bによって支持さ
れている。リセット用アーム19a,19bを外端部
(図面右端部)において連結一体化する連結杆21を外
側へ引くことにより、2つのブロック体13a,13が
連動して同方向へ移動するようになっている。なお、こ
のように構成する代りに、リセット用アームを一本だけ
設けると共に、両ブロック体13a,13bの下端部同
士を幅方向へ延びる図示しない連結部材で一体化し、該
リセット用アームの一端部を外側に突出させて把持部と
しておけば、この把持部を把持して操作することにより
両ブロック体を同時に内外方向へ進退させることが可能
となり、また部品点数を減らすことができる。
【0014】端部押圧部材11a,11bは内底面5a
上に積層(内外方向へ積層)されている紙葉類の横方向
両端部背面を繰り出し方向(J方向)へ押圧するもので
あり、後述するように中間部押圧部材12が紙葉類補充
の為に外方(K方向)へ退避した時に、一時的に単独で
既存の紙葉類の背面端部を押えることにより紙葉類繰り
出し機構7の連続稼働を可能とし、更に中間押圧部材1
2が奥方に戻されて補充紙葉類が端部押圧部材の背面に
積層された後で、リセット用アーム19a,19b(ブ
ロック体13a,13b)が外方向へ引き出されること
によりM方向へ回動して紙葉類間に挟まれた状態から離
脱し、最外部の紙葉類の背面に圧接するものである。
【0015】端部押圧部材11a,11bは、中間押圧
部材12の移動経路と干渉しない位置に配置された細長
板体から成り、各押圧部材11a,11bの外側端縁は
ブロック体13a,13bに設けた軸14a,14bに
よって矢印L、M方向に回動自在に支持されている。こ
の端部押圧部材の板面は後述する図16、図18に示す
ように内底面5a上において紙葉類8を所定の傾斜を持
って積層させるように奥部下方から外部上方へ向けて傾
斜している。従って、上記各軸14a,14bも同様の
傾斜を有している。
【0016】ブロック体13a,13bは、図2、図4
に示すように、アウターカセット4の底面4a上におい
て内外方向へ向けて平行に配設された2本のガイド15
a,15bによって下端部(ベアリング16a,16
b)をスライド自在に支持されている。また、このブロ
ック体13a,13bは図示しないバネ(例えば、コン
ストンバネ)によって矢印Jで示す奥方向に付勢されて
いる。従って、端部押圧部材11a,11bはこのブロ
ック体13a,13bと一体となって内外方向へ移動す
る。図示しないバネによって奥方向に付勢されているブ
ロック体13a,13bは、リセット用アーム19a,
19bを矢印Kで示す外方向へ引き出した時に、該バネ
の付勢力に抗して同方向へ移動する。リセット用アーム
19a,19bは、図5に示すようにアウターカセット
4の幅方向両側壁4b,4cの内側面に固定された内外
方向に延びるガイド20a,20bによってスライド自
在に支持されている。
【0017】両リセット用アーム19a,19bの外端
部(図4の右端部)はアウターカセット4の外端面より
も外方に突出しており、該突出端部は連結杆21により
一体化されている。この為、連結杆21を外側へ引き出
すと、各リセット用アーム19a,19bとともにブロ
ック体13a,13bも外方へスライドする。なお、上
述のようにリセット用アームを一本だけにし、両ブロッ
ク体同士を幅方向(リセット用アームのスライド方向と
直交する方向)に延びる連結部材で直結すれば、連結杆
も不要となり、構成の簡潔化に好都合である。
【0018】図2、図3に示す状態では、リセット用ア
ーム19a,19bの奥端部(図面左端部)がブロック
体13a,13bに当接係合し、リセット用アーム19
a,19bを矢印K方向に移動させることにより、これ
と一体的にブロック体13a,13bを上記バネに抗し
て同方向に移動させることが可能となる。また、矢印J
方向に対しては、ブロック体13a,13bはリセット
用アームに対して独立して移動可能となっている。各端
部押圧部材11a,11bの先端縁には斜め上下方向へ
延びる縦軸が設けられ、該縦軸を中心として回転するガ
イドローラ17a,17bが軸支されている。また端部
押圧部材11a,11bの略中央部には横方向へ延びる
横軸が設けられ、この横軸を中心として回転するガイド
ローラ18a,18bが軸支されている。
【0019】基端部をブロック体によって内外方向に回
動可能に枢支された端部押圧部材11a,11bは、夫
々図示しないバネにより、積層状態に収納されている紙
葉類8と平行状態になるように矢印L方向(図2)へ常
時付勢されている。端部押圧部材11a,11bが紙葉
類8と略平行姿勢にあるときが押圧状態であり、この状
態にある時に前記各ガイドローラ17a,17b,18
a,18bが紙葉類の背面に圧接した状態にある。
【0020】端部押圧部材11a,11bは、装置本体
2の稼働中は、インナーカセット5の内底面5a上の紙
葉類の背面両端部を押圧して紙葉類繰り出し機構7の動
作を可能としているが、リセット用アーム19a,19
bが外方へ引き出された時だけ一時的にM方向へ回動し
て紙葉類積載位置から退避しつつ、外方へ移動し、L方
向へ戻ってから新たに補充された紙葉類の背面端部を押
圧する。即ち、紙葉類8を補充する時に、リセット用ア
ーム19a,19bによってブロック体13a,13b
と一体的に端部押圧部材11a,11bを上記バネの付
勢力に抗して外方(K方向)へ移動させることにより、
端部押圧部材11a,11bはこれをL方向へ付勢する
バネに抗して矢印M方向に回動し、リセット用アーム1
9a,19bとほぼ平行状態に移行して、紙葉類8の背
面位置から外方へ抜け出る。
【0021】端部押圧部材11a,11bの矢印J、K
方向及びL、M方向への移動限界位置は、図示しないス
トッパによって、夫々定められている。
【0022】中間部押圧部材12(ブロック体22)
は、インナーカセット5の紙葉類載置用の内底面5aの
幅方向略中間部上方に位置しており、インナーカセット
5に対して内外方向へ相対移動可能に支持されている。
中間部押圧部材12は、積層状態に収納されている紙葉
類8の略中央部を繰り出し方向であるJ方向に押圧する
ものである。中間部押圧部材12は、例えば方形板体よ
り構成し、ブロック体22の傾斜した奥面に固定されて
いる。このブロック体22の下端部は、内底面5aの幅
方向中央部に形成された内外方向へ延びるスリット状開
口部23内に同方向へスライド可能に入り込み、底板5
d上に内外方向に沿って設けられたガイド軸24にベア
リング25を介して矢印J、K方向にスライド自在に支
持されている。
【0023】中間押圧部材12はブロック体22を介し
て図示しないバネによって、紙葉類8を押圧する方向、
即ち、J方向に付勢されており、該矢印J方向への移動
限界位置である奥端位置は、図示しないストッパにより
規制されている。そして、所定時において中間押圧部材
12はブロック体22とともに前記バネに抗して矢印K
方向への移動限界位置まで移動できると共に、該K方向
への移動限界位置まで達した時に、後述するロック機構
(中間押圧部材ロック機構)によりその位置でインナー
カセット5に対して固定される。また、符号22Aはブ
ロック体22から外方へ向かって一体的に突設されたレ
バーであり、操作者がこのレバーを把持してブロック体
22と一体の中間押圧部材12を外方へ引き出すことが
可能となる。なお、図面の複雑化を避ける為、このレバ
ー22Aは一点鎖線で示してある。
【0024】ブロック体22にはこれを貫通するように
横軸が設けられ、この横軸を中心に回転するガイドロー
ラ26が中間押圧部材12の幅方向中央部のスリットか
ら奥方へ一部突出している。このガイドローラ26と両
端部押圧部材11a,11bの中央部に設けたガイドロ
ーラ18a,18bとは、紙葉類繰り出し機構7の所定
のローラ7aと紙葉類8を介して摺接するようになって
いる。
【0025】次に、上記構成を備えた紙葉類自動支払い
装置1の動作を説明する。図2乃至図5は、紙葉類8が
全く収納されていない空の状態にある金庫(紙葉類カセ
ット)3を示している。また、図17、図18は、紙葉
類繰り出し機構7と紙葉類押圧機構6との間に所定枚数
の紙葉類8が積層状態で収納された満杯状態にある初期
状態の金庫3を示している。始業時において空の状態に
ある金庫3を紙葉類によって満杯にする為には、金庫全
体を装置本体2から引き出してインナーカセット4及び
アウターカセット5の上面開口全体を外部に露出させ
る。この時、紙葉類を載置する内底面5aを露出させる
ために、中間部押圧部材を支持するブロック体22を最
外端部に引き出しておく必要があるが、この最外端部で
ブロック体22をロックする機構については後述する。
【0026】この満杯状態においては、端部押圧部材1
1a,11b及び中間部押圧部材12は、いずれも最外
部の紙葉類8の背面に当接して、積層状態の紙葉類8全
体を紙葉類繰り出し機構7側、即ち矢印J方向に押圧し
ている。このように紙葉類8が満杯状態にある金庫3
を、図1に示したように装置本体2の内部所定位置にセ
ットすると、アウターカセット4の奥部に設けた紙葉類
繰り出し機構7の駆動軸が装置本体2側の駆動機構に接
続されて、駆動力の伝達が可能な状態となる。この状態
で顧客が装置本体2の前面にある図示しないデータ入力
装置によって紙葉類8の払出し枚数、その他、紙葉類8
の払出しに必要なデータを入力する。すると、紙葉類繰
り出し機構7が駆動して、金庫3内に積層状態に収納さ
れている紙葉類が、その最奥部のものから順次一枚づつ
繰り出されて前記データ入力装置から入力されたデータ
に基づく払出し枚数の紙葉類が装置本体2の払出し口2
aから払出される。
【0027】このようにして、紙葉類8が払出し口2a
から払出されることにより、金庫3内における紙葉類8
の残存枚数が減少する。この減少にともない、端部押圧
部材11a,11b及び中間部押圧部材12(ブロック
体22)は、夫々を奥方へ付勢するバネの付勢力によっ
て矢印J方向に移動し、常に紙葉類8を繰り出し側に押
圧する。そして、金庫3内の紙葉類8の残存枚数が所定
設定値以下になった場合に、図17及び図18に示す初
期状態から減少した分の紙葉類8を金庫3内に補充し
て、再び満杯状態とするものであるが、この場合の補充
操作について、以下に説明する。
【0028】図6、図7及び図8は、金庫3内の紙葉類
8の残存枚数が所定設定値になり、紙葉類8を補充する
必要がある状態の金庫3を示す平面図、D−D断面図及
びE−E断面図である。図6乃至図8の状態において、
アウターカセット4を装置本体2内の所定セット位置に
残したまま、把手10を把持してインナーカセット5を
矢印K方向に移動させることにより、インナーカセット
が装置本体2の外方へ引き出されて図9及び図10に示
した状態に移行する。なお、図6乃至図18の図中で
は、ブロック体22から延びるレバー22Aは図示を省
略してある。
【0029】図9及び図10の引出し状態においては、
インナーカセット5に支持された中間押圧部材12(ブ
ロック体22)が、アウターカセット4の奥側に位置し
ている紙葉類8から離間した状態にあるが、該紙葉類8
は端部押圧部材11a,11bにより奥方向に押圧され
ているので、紙葉類繰り出し機構7による紙葉類8の払
出しは正常に行うことができる。
【0030】図9、図10に示した引出し状態において
は、ブロック体22は図示しないバネによってインナー
カセット5の奥端部に位置させられているが、レバー2
2Aを把持して外方向へ引き出すと、後述するロック機
構(インナーカセットの外側端部に位置する)が作動し
てブロック体22はインナーカセット5の外端部に係止
される。この結果、インナーカセットの内底面5a上面
(係止されたブロック体22の奥側)が開放されるの
で、この上に補充すべき紙葉類を所定枚数積層状態で装
填して図11、図12の状態にする。
【0031】記録紙の補充を終えて図11、図12の状
態にした後、把手10をもってインナーカセット5を奥
方向に移動させてアウターカセット4の内部に押し込む
と、、上記ロック機構の下面に突出した後述する突起
(軸の下端部)が、アウターカセットの外側端部上面に
設けたテーパー突起に乗り上げることによって押し上げ
られて、上記ロック機構によるブロック体22の係止が
解除され、ブロック体22は図示しないバネの作用によ
って奥方へ移動し、補充された紙葉類を既存の紙葉類
(両端部を端部押圧部材により押えられている)の背面
に押し付ける。更に続いてインナーカセット5を奥方へ
移動させると、インナーカセット5がアウターカセット
4内の所定位置に達して、当該位置にロック保持され
て、図13、図14に示した状態になる。
【0032】この状態では端部押圧部材13a,13b
は、新旧の紙葉類束の境界面に介在しているので、これ
を抜き取る必要がある。この為、連結杆21を把持して
リセット用アーム19a,19bをバネの付勢力に抗し
て外方向へ引き出すと、リセット用アームの奥端部がブ
ロック体13a,13bに当接し、そのまま同方向に引
出し続けると、端部押圧部材11a,11bが軸14
a,14bを中心としてM方向に夫々回動する。このM
方向への回動動作は、外方向への移動とともに行われる
ので、端部押圧部材は紙葉類束間から容易に抜け出すこ
とができる。
【0033】また、この回動時、端部押圧部材11a,
11bの上下端部に支持されているガイドローラ17
a,17bが紙葉類8に摺接して回転するため、端部押
圧部材は紙葉類を傷付けることなく、M方向に円滑に回
動し、図13中の2点鎖線で示す如く、アウターカセッ
ト4内に残存していた紙葉類8と、新たに補充された紙
葉類8との間から外方へ抜け出た状態となる。該抜け出
しが完了すると、新たに補充された紙葉類束の最奥部
が、既存の紙葉類束の背面に密着して両者は連続した積
層状態となる。
【0034】この後、続いて、リセット用アーム19
a,19bを外方向へ引き出すと、これと一体的に端部
押圧部材11a,11b(ブロック体13a,13b)
がガイド軸15a,15bに沿って移動し、図15、図
16中、2点鎖線で示す如く、補充紙葉類8の最外部よ
り外方に達すると、端部押圧部材11a,11bは、バ
ネの付勢力によって矢印L方向に回動復帰して、実線で
示すように紙葉類8と略平行な姿勢に戻る。なお、ブロ
ック体13a,13bも他のバネによって常時奥方向へ
付勢されている。
【0035】この端部押圧部材11a,11bがアウタ
ーカセット5内に残存していた紙葉類8とインナーカセ
ット5内に補充された紙葉類8との間から抜け出てか
ら、補充された紙葉類の外方に達するまでの間において
は、端部押圧部材11a,11bのガイドローラ17
a,17bが紙葉類の両端部に転動しつつ移動するの
で、端部押圧部材の移動が円滑化し、紙葉類を損傷する
ことがなくなることは上述の通りである。端部押圧部材
11a,11bが図15、図16に実線で示す平行姿勢
に移行した後で、リセット用アーム19a,19bを奥
方(図面左方)へ押し込むと、その過程で端部押圧部材
11a,11bが紙葉類の背面に当接する。この時点
で、ブロック体22を奥方へ付勢する図示しないバネの
力によって、端部押圧部材は紙葉類背面を適正な力で押
圧することとなる。更に、リセット用アームを奥方に押
し込み続けると、リセット用アームは図17、図18に
示す初期位置に達する。
【0036】上記操作により、金庫3全体を装置本体か
ら引き出すことなく、インナーカセット5を外側カセッ
ト4から引き出して紙葉類8を補充することにより、継
目無く連続して紙葉類8を1枚づつ繰り出して、装置本
体2の払出し口2aから払出すことが可能となり、紙葉
類自動支払い装置1の連続無停止稼働が可能となる。次
に、中間部押圧部材12を保持するブロック22をイン
ナーカセット5の外側端部に着脱自在に係止するための
上記ロック機構は、図19以降に示した如き構成をと
る。このロック機構は、図2乃至図18に示した本発明
の金庫に装備するものであるが、図面内容の複雑化を避
ける為に前記各図中には記載しなかったものである。
【0037】図19(a) (b) 及び(c) は中間部押圧部材
に設けた爪部材の構成を示す斜視図、側面図及び正面図
であり、図20は上記ロック部材の構成を示す斜視図で
あり、図21(a) (b) はロック部材に対する爪部材の着
脱動作を示す図である。図19に示すように第1及び第
2の爪部材30、31はブロック体22の背面から外方
へ向けて突出した状態で支持されると共に、第2の爪部
材31は弾性付勢手段32によって常時は下方に付勢さ
れているが解除レバー33によって任意に上方に移動さ
せられる。
【0038】このロック機構35は、中間部押圧部材1
2の外側面に設けられ、外側方向に突出する第1及び第
2の爪部材30、31と、インナーカセット5の外側端
部に設けられたロック部材36とから構成されている。
上向きのフック部30aを有した第1の爪部材30は、
中間部押圧部材12がインナーカセット5の外側端部に
達した時にロック部材36の下向きの第1のロック片3
7aに下側から係合可能であり、下向きのフック部31
aを有した第2の爪部材31は、第1のロック片30の
横方向に設けた上向きの第2のロック片37bに上側か
ら係合可能である。第1の爪部材30がロック部材36
に係合するのは、インナーカセット5がアウターカセッ
ト4から外側へ引き出されている時に中間部押圧部材1
2を該インナーカセット5の外側端部に係止する場合で
ある。また、第2の爪部材31がロック部材36に係合
するのは、インナーカセット5がアウターカセット4内
に収納された状態において、両カセットが同時に装置本
体2から引き出された時に、中間押圧部材12をインナ
ーカセット5の外側端部に係止する時である。
【0039】図19(a) (b) (c) に示すように第1の爪
部材30は、ブロック体22の背面(外側面)に対して
固定的に突設されている。これに対して第2の爪部材3
1は、第1の爪部材30の基部から延びる逆U字状の連
結片38の他側面(回動軸38a)により上下動可能に
支持され、更に第2の爪部材31の基端部は上方へ延び
て解除レバー33と一体化している。回動軸38aは連
結片38を貫通し、回動軸38aに巻き掛けられた弾性
付勢手段(コイルバネ)32は一端を第2の爪部材31
の適所(特に図示しない)に係合することにより第2の
爪部材のフック部31aを降下させる方向に付勢する。
解除レバー33は、これを奥方へ押圧することにより、
弾性付勢手段32に抗してフック部31aは上方へ回動
する。
【0040】ロック部材35は図20、図21(a) (b)
に示すようにインナーカセット5の内底面5aに設けた
穴40によって上下動可能に支持された2本の軸41の
上端部に一体化された天井部42と、該天井部42の奥
側端縁から垂下した下向きの第1のロック片37aと、
第1のロック片の側方に位置する上向きの第2のロック
片37bとを有する。軸41の外周にはコイルバネ44
が嵌挿され、ロック部材36を内底面5aから所定の高
さに維持している。換言すれば、コイルバネ44は、ロ
ック部材36を下方に押し下げており、図21(a) の状
態で軸41の下端部が所定長下方に突出するようにして
いる。また、インナーカセット5がアウターカセット4
から引き出された状態においては、軸41の下端部は上
記穴40から下方へ所定長突出しているので、ロック部
材36は最下降位置にあるが、インナーカセット5がア
ウターカセット4内に収納されて軸41の下端部が該ア
ウターカセット4の底面4aによって上方へ押し上げら
れると、ロック部材36は全体として上方へ浮き上がる
(図21(b) )。
【0041】図21(a) に示すようにインナーカセット
5がアウターカセット4から引き出されてロック部材3
6が降下している時に、第1のロック片37aは第1の
爪部材30の上向きのフック部30aと係合する。この
とき、第2のロック片37bは第2の爪部材31の下向
きのフック部31aの移動経路から下方へ十分に退避し
ているので、両者が係合することはない。或は、図示す
るようにフック部31aの位置をフック部30aよりも
奥側に引っ込めておけば、尚更第2のロック片37bと
の係合が回避できる。
【0042】インナーカセット5がアウターカセット4
から引き出された状態にあって、中間部押圧部材12
(ブロック体22)をインナーカセット5の外側端部に
ロックする場合には、上向きのフック部30a先端のテ
ーパー部30a’が下方に下がった位置にある第1のロ
ック片37aを押し上げつつ、これを通過し、通過後に
第1のロック片37a(ロック部材36全体)が降下し
て、フック部30aと係合する。
【0043】このロックを解除する操作は、インナーカ
セット5をアウターカセット4内に押し込むことにより
実現される。即ち、アウターカセット4の底面4aの奥
側端部上には図示の如きテーパー部4a’があるので、
インナーカセット5を押し込む過程で、それまで突出し
ていた軸41の下端部がテーパー部4a’に乗り上げる
と、軸41はバネ44に抗して上方へ移動し、第1のロ
ック片37aも上昇するので、第1の爪部材のフック部
30aが第1のロック片37aからはずれて、その結果
中間部押圧部材12は図示しないコンストンバネによっ
て奥方向へ戻される。なお、上述のように第2の爪部材
のフック部31aは第1の爪部材のフック部30aより
も少し奥側に位置している為、第1の爪部材が第1のロ
ック片に係止した時点で、第2の爪部材は第2のロック
片には係止していないこととなる。
【0044】紙葉類を補充する為にインナーカセット5
だけを装置本体2から引き出した時には、中間部押圧部
材12をノブ22Aを引くことによって外側へ引き出し
てインナーカセットの外側端部にロックする必要がある
ことは上述の通りであるが、紙葉類の補充後は、中間部
押圧部材12だけのロックを解除する操作を行うことな
く、インナーカセット5をアウターカセット4内に押し
込めば、上記ロック部材の軸41の下端部がアウターカ
セットの底面のテーパー部4a’に乗り上げてロック部
材36が上昇することにより、第1の爪部材30のロッ
クが解除されて上記コンストンバネによって中間部押圧
部材12は奥方へ移動し、補充された紙葉類を既存の紙
葉類の背面に圧接する。
【0045】また、インナーカセット5がアウターカセ
ット4内に収納されてロック部材36が浮き上がってい
る時に、第2の爪部材の下向きのフック部31aは第2
のロック片37bと係合する。このとき、第1のロック
片は第1の爪部材の上向きのフック部の移動経路から上
方へ十分に退避しているので、第1のロック片に係止す
ることはない。始業時等に金庫全体を装置本体2から引
き出して最大収納可能な紙葉類を金庫内に収納する場合
には、上記第2の爪部材を第2のロック片37bに係止
することによって中間部押圧部材12をインナーカセッ
トの外側端部に係止する必要があるが、紙葉類の収納作
業の終了後に中間部押圧部材12を奥方に戻す為には、
上記解除レバー33を奥方へ押圧すればよい。なお、中
間押圧部材12が補充された紙葉類の背面に当接した時
に、既存の紙葉類と補充紙葉類との間に端部押圧部材1
3a,13bが挟まれた状態にある時には、上記リセッ
ト用アーム19a,19bを引き出す操作を行えば良
い。
【0046】次に、図11、図12に示したように、中
間押圧部材12の内面に新たな紙幣を積層補充した後
で、図13、図14の如くロックが解除された中間部押
圧部材が内方へ移動するまでの過程において、中間部押
圧部材12の内面に接する補充紙葉類がフリーの状態に
あると、上記ロック機構の作動によって中間部押圧部材
のロックが解除されてコンストンバネの力によって該紙
葉類8を内方へ移動させるまでの間に、該補充紙葉類が
内方へ倒れ込む事態が多発する。換言すれば、図11、
図12の状態にあるインナーカセット5を内方へ押し込
むと、中間押圧部材12の内面上に積層された紙葉類は
該内面からの反力によって内方へ倒れ込み易くなり、上
記ロック機構解除による中間押圧部材の内方への移動前
に紙葉類が倒れると、倒れた状態にある紙葉類が中間押
圧部材と端部押圧部材との間で挟まれて折れ曲がり、正
常でない積層状態となり、人手によって紙葉類を整列し
直す必要が生じる。
【0047】そこで、本実施例では、アウターカセット
4から引き出された状態にあるインナーカセット5の幅
方向両側壁に、中間押圧部材の内面上に補充された紙葉
類の倒れ込みを防止するための倒れ防止片を配置して、
該補充紙葉類を仮止め状態に保持するようにしている。
【0048】図22は倒れ防止片を備えた金庫の一例の
構成を示す平面図、図23は正面図、図24は側面図で
ある。この金庫は上記各図において示したものとは、中
間押圧部材等の形状が若干異なっているが、機能的には
全く同様である。この実施例では、インナーカセットに
2つの側壁50を設け、この両側壁50の内壁適所に弾
性を有したフィルム状の樹脂等から成る倒れ防止片51
を配置することによって、紙葉類の幅方向両端を保持し
てインナーカセットが奥方へ移動する際の紙葉類の倒れ
込みを防止している。側壁50は、例えばインナーカセ
ット5の外側端部の上面と、奥側端部の適所との間に両
端部を固定された板金により構成し、この側壁50をア
ウターカセット4の外壁内部によってスライド自在に支
持することにより、インナーカセットの進退時の安定性
を確保することができる。
【0049】倒れ防止片51は、例えばプラスチックフ
ィルムを帯状に構成すると共にその一端縁に凹凸状の切
込みを形成したものであり、フィルム自体が弾性を有す
ると共に斜め下方へ傾斜して突出しているので、インナ
ーカセット5の外側端部にロックされた状態にある中間
押圧部材12の奥方面に紙葉類8を補充した時には、紙
葉類の両端縁(側壁50と対面する端縁)と接する凸部
51aだけが、紙葉類の両端縁によって幅方向外側へ押
し広げられて弾性変形するが、該紙葉類8の奥面8aよ
りも奥側に位置する凸部は幅方向外側に突出した姿勢を
維持するので、突出した凸部により紙葉類の奥面8aを
押えることができる(図25(a) (b) )。この状態で、
インナーカセット5を奥側に押し込んだとしても、該紙
葉類の奥面は倒れ防止片51の何れかの凸部51aによ
って押えられているので、中間押圧部材12のロックが
解除されてコンストンバネによって奥方へ飛び出すまで
は紙葉類の奥方への倒れ込みを防止している。中間押圧
部材12のロックが解除されて奥方へ飛び出す時は、コ
ンストンバネの奥方への引張り力が倒れ防止片51の凸
部51aによる紙葉類保持力を大幅に上回るので、それ
まで紙葉類の奥面を保持していた凸部51aが幅方向外
方へ弾性変形して紙葉類の奥方への移動を許容する。
【0050】図26(a) 乃至(d) は倒れ防止片51の例
を示す図であり、この倒れ片51は(a) に示すように対
称型であってもよいし、(b) のように被対称型であって
もよい。或は(c) のようにコイルスプリングによって構
成してもよいし、(d) のように植毛によって構成しても
よい。いずれにしても、紙葉類を補充した時に一部が弾
性変形して紙葉類の補充の障害となることなく、しかも
他の部分で紙葉類の奥面を保持することができ、更に中
間押圧部材が奥方へ飛び出すときには紙葉類の保持を容
易に解除できる程度の弾性保持力を有するように構成す
る。なお、上記倒れ防止片を適用する金庫のタイプとし
ては、アウターカセットからインナーカセットを引出し
自在に構成され、かつインナーカセットに対して中間押
圧部材を内外方向へ進退可能に支持した構成を備えたも
のであれば、いずれのタイプにも適用が可能であり、上
記において図示したタイプの金庫に適用対象が限られる
訳ではない。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、装置本体
の払出し動作を停止することなく、金庫への紙葉類の補
充を行うことができるので、紙葉類払出し装置の連続無
停止運用が可能となり、稼働効率及び顧客サービスを向
上できる。また、補充作業時に紙葉類を押える中間押圧
部材を人手によって押えておく手間を必要としないので
操作性を高めることができる。また、引き出したインナ
ーカセットの外端部にロックされた中間押圧部材の奥面
に紙葉類を補充した時に、該紙葉類の両端縁を弾性的に
保持する倒れ防止部材を設けたので、インナーカセット
をアウターカセット内に押し込む過程で紙葉類が倒れ込
みを起こすことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の紙葉類自動支払い装置の側
面図。
【図2】図1の装置の金庫が空の状態を示す平面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】図2のB−B断面図。
【図5】図2のC−C断面図。
【図6】本発明の金庫奥方の紙葉類が減少した状態を示
す平面図。
【図7】図6のD−D断面図。
【図8】図6のE−E断面図。
【図9】図6の状態からインナーカセットを引き出した
状態を示す平面図。
【図10】図9のF−F断面図。
【図11】補充用の紙葉類を装填した状態の平面図。
【図12】図11のG−G断面図。
【図13】図11の状態からインナーカセットをアウタ
ーカセット奥方に押し込んだ状態の平面図。
【図14】図13のH−H断面図。
【図15】図13の状態から端部押圧部材を外方向へ移
動させた状態を示す平面図。
【図16】図15のI−I断面図。
【図17】紙葉類の補充が完了した状態(初期状態)の
金庫の平面図。
【図18】図17のJ−J断面図。
【図19】(a) (b) 及び(c) は中間部押圧部材側に設け
た爪部材の構成を示す斜視図、側面図及び正面図。
【図20】ロック部材の斜視図。
【図21】(a) 及び(b) はロック機構の動作を示す図。
【図22】倒れ防止片を備えた金庫の一例の構成を示す
平面図。
【図23】図22の正面図。
【図24】図22の側面図。
【図25】(a) 及び(b) は動作説明図。
【図26】(a) (b) (c) 及び(d) は夫々倒れ防止片の構
成例を示す図。
【符号の説明】
1 紙葉類自動支払い装置、2 装置本体、3 金庫
(紙葉類カセット)、4アウターカセット、4a 底
面、4b,4c 側壁、4A 空所、4B ガイドレー
ル、5 インナーカセット、5a 奥方底面、5b,5
c 側壁、5e,5f 下端部、6 紙葉類押圧機構、
7 紙葉類繰り出し機構、9a,9b ガイド部、10
把手、10A ロック解除レバー、11a,11b
端部押圧部材(サブプッシャ),12 中間部押圧部材
(バックアッププレート),13a,13b ブロック
体,14a,14b 軸、17a,17b,18a,1
8bガイドローラ、19a,19b リセット用アー
ム,20a,20b ガイド、21 連結杆,22 ブ
ロック体、26 ガイドローラ、30、31 第1及び
第2の爪部材、30a、31a フック部、32 弾性
付勢手段、33 解除レバー、35 ロック機構、36
ロック部材 37a 第1のロック片、37b 第
2のロック片、38 連結片、38a 回動軸、40
41 軸、42天井部、44 コイルバネ、50 側
壁、51 倒れ防止片。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−60823(JP,A) 特開 昭61−277522(JP,A) 特開 昭60−244720(JP,A) 特開 平7−320119(JP,A) 特開 平6−183577(JP,A) 特開 平3−238237(JP,A) 実開 平1−174366(JP,U) 特表 平7−502720(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 1/26 310 B65H 1/26 330 G07D 9/00 408

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 装置本体内に装着された紙葉類収納用の
    金庫内に積層状態で収納された紙葉類を一枚づつ繰り出
    して前記装置本体の払出し口から払出すようにした紙葉
    類自動支払い装置において、 上記紙葉類カセットは、アウターカセットと、該アウタ
    ーカセット内に上記紙葉類の積層方向に沿って内外方向
    へ進退可能に支持されたインナーカセットと、上記積層
    状態で収納された紙葉類を繰り出し側に押圧する紙葉類
    押圧機構とを備え、該紙葉類押圧機構は、上記アウター
    カセット内の幅方向両端部において上記内外方向へ進退
    可能に支持されて上記紙葉類の背面両端部を押圧する端
    部押圧部材と、上記インナーカセットの幅方向内側略中
    央において該インナーカセットの内底面によって上記内
    外方向へ進退可能に支持されて上記紙葉類の背面略中央
    部を押圧する中間部押圧部材と、該中間部押圧部材を内
    方へ常時弾性付勢するバネと、上記アウターカセットか
    ら引き出された状態にある上記インナーカセットの外側
    端部に上記中間部押圧部材を一時的に係止すると共にイ
    ンナーカセットをアウターカセット内に戻す過程で該イ
    ンナーカセットに対する該中間部押圧部材の係止を解除
    して該中間部押圧部材を上記バネによって内方へ復帰さ
    せるためのロック機構を備え、 上記インナーカセットの幅方向両側部には、引き出され
    た状態にある上記インナーカセットの外端部に上記中間
    部押圧部材が係止されている時に該中間部押圧部材の内
    面に補充された紙葉類の幅方向端縁を保持して倒れ込み
    を防止する為の倒れ防止片が取付けられていることを特
    徴とする紙葉類支払い装置の金庫の構造。
  2. 【請求項2】 上記倒れ防止片は、薄いフィルム状の弾
    性材料から構成されており、上記中間押圧部材の内面に
    補充された紙葉類の少なくとも最内面を押えて倒れを防
    止するよう構成されていることを特徴とする請求項1記
    載の紙葉類支払い装置の金庫の構造。
  3. 【請求項3】 上記倒れ防止片は、コイルバネによって
    構成されていることを特徴とする請求項1記載の紙葉類
    支払い装置の金庫の構造。
  4. 【請求項4】 上記倒れ防止片は、植毛によって構成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の紙葉類支払い
    装置の金庫の構造。
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