JP3914692B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機やコイン遊技機あるいはスロットマシンなどで代表される遊技機に関し、詳しくは、可変表示可能な第1の可変表示部と、可変表示可能な第2の可変表示部とを有し、前記第1の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に大当り制御が実行されて所定の遊技価値が付与される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、数字や絵柄などからなる複数種類の識別情報を可変表示して表示状態が変化可能な可変表示装置が設けられ、その可変表示装置が可変開始された後停止制御され、表示状態が予め定められた特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が遊技者に付与されるように構成されていたものがあった。
【0003】
また、このような可変表示装置が設けられた遊技機には、前述のような可変表示装置を2つ有し、一方の可変表示装置の表示結果が特定の表示態様となった場合に所定の遊技価値が遊技者に付与されるようになっているものがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような2つの可変表示装置を有する従来の遊技機においては、他方の可変表示装置に前記一方の可変表示装置と同様の識別情報が可変表示されるために、遊技者がその可変表示を見飽きてしまい、新鮮味がなくなり遊技の興趣が低下してしまうという欠点があった。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、2つの可変表示装置で表示される表示態様を変化に富んだ面白味のあるものとすることにより、可変表示装置で表示される表示状態を遊技者が見飽きてしまうという不都合を極力防止することのできる遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、可変表示可能な第1の可変表示部(たとえば、LED72a〜72m)と、可変表示可能な第2の可変表示部(たとえば、可変表示部5を含むLCD40)とを有し、前記第1の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば、LED72a〜72mの3つのブロックが同一の点灯態様)となった場合に大当り制御が実行されて所定の遊技価値が付与される遊技機であって、
始動入賞口に打玉が始動入賞したことに基づき、前記大当りを発生させるか否かを事前決定する大当り事前決定手段(たとえば、図5(a)の処理ステップ)と、
前記始動入賞に基づき、前記第1の可変表示部において可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで表示状態を変化させ、前記大当り事前決定手段の決定結果に対応する表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう第1の可変表示制御手段(たとえば、基本回路50およびLED回路68)と、
該第1の可変表示制御手段による前記可変表示制御が行われる契機となった始動入賞に基づく前記第1の可変表示部の可変表示中に、前記第2の可変表示部に演出画像としての画像キャラクタの所定の動作(勇者キャラクタ5dとモンスターキャラクタ5eとの間で武器や魔法などを使って相手の生命力を減少させる戦闘のシーン)を表示させた後前記大当り事前決定手段の決定結果に対応する動作結果を導出表示させる制御を行なう第2の可変表示制御手段(たとえば、基本回路50およびLCD回路58)と、
前記大当り制御後に遊技者に有利な特別遊技状態(たとえば、特別な遊技価値が付与される)に制御する特別遊技状態制御手段(たとえば、基本回路50)と、を有し、
前記大当り事前決定手段、前記第1の可変表示制御手段、および前記特別遊技状態制御手段は、遊技制御を行なうメインプロセッサ(たとえば、遊技機制御を行なうメインCPUとしてのマイクロコンピュータ)により構成される一方、
前記第2の可変表示制御手段は、前記メインプロセッサから送信される指令信号に基づいて前記第2の可変表示部の画像を表示制御するサブプロセッサにより構成され(たとえば、LCD回路58のサブCPU)、
前記第2の可変表示制御手段は、
前記特別遊技状態制御手段が前記特別遊技状態に制御するときには、前記大当り制御中に前記第2の可変表示部に画像キャラクタの所定の動作を表示(大当り制御中に、所定の物語に従って、たとえば図7(a)に示されるような勇者キャラクタ5jなどの所定のキャラクタが山や洞窟等を冒険する。)させた後前記特別遊技状態に制御することに対応する動作結果(たとえば、ラッキーリング5n(図7(b)参照)が入っている宝箱5mを見付ける)を事前に表示させるとともに、
前記特別遊技状態制御手段が前記特別遊技状態に制御しないときには、前記大当り制御中に前記第2の可変表示部に前記画像キャラクタの所定の動作を表示(大当り制御中に、所定の物語に従って、たとえば図7(a)に示されるような勇者キャラクタ5jなどの所定のキャラクタが山や洞窟等を冒険する。)させた後前記特別遊技状態に制御しないことに対応する動作結果(たとえば、悪魔のリング(図7(b)参照)などの品物が入っている宝箱5mを見付ける)を事前に表示させ、
さらに前記第2の可変表示制御手段は、前記第1の可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様になる前にその旨を識別可能な識別用情報を前記第2の可変表示部に表示すること(たとえば、勇者キャラクタ5dが勝ったことを示すキャラクタの状態の画像とメッセージ)を特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記第1の可変表示部と前記第2の可変表示部とをそれぞれ別個に設けたこと(たとえば、LED72a〜72mと、可変表示部5を含むLCD40)を特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の構成に加えて、前記第2の可変表示制御手段は、遊技機の遊技データ情報(たとえば大当り回数)を前記第2の可変表示部に表示可能であることを特徴とする。
【0012】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、第1の可変表示部の働きにより、可変表示がなされ、第2の可変表示部の働きにより、可変表示がなされ、第1の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に大当り制御が実行されて所定の遊技価値が付与される。大当り事前決定手段の働きにより、始動入賞口に打玉が始動入賞したことに基づいて大当りを発生させるか否かが事前決定される。第1の可変表示制御手段の働きにより、始動入賞に基づいて第1の可変表示部において可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで表示状態を変化させ、大当り事前決定手段の決定結果に対応する表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう。第2の可変表示制御手段の働きにより、第1の可変表示制御手段による可変表示制御が行われる契機となった始動入賞に基づく第1の可変表示部の可変表示中に、前記第2の可変表示部に演出画像としての画像キャラクタの所定の動作を表示させた後前記大当り事前決定手段の決定結果に対応する動作結果を導出表示させる制御を行なう。特別遊技状態制御手段の働きにより、大当り制御後に遊技者に有利な特別遊技状態に制御される。第2の可変表示制御手段の働きにより、特別遊技状態制御手段が特別遊技状態に制御するときには、大当り制御中に第2の可変表示部に画像キャラクタの所定の動作を表示させた後特別遊技状態に制御することに対応する動作結果を事前に表示させるとともに、特別遊技状態制御手段が特別遊技状態に制御しないときには、大当り制御中に第2の可変表示部に画像キャラクタの所定の動作を表示させた後特別遊技状態に制御しないことに対応する動作結果を事前に表示させる制御が行われる。さらに前記第2の可変表示制御手段の働きにより、前記第1の可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様になる前にその旨を識別可能な識別用情報が前記第2の可変表示部に表示される。また、前記大当り事前決定手段、前記第1の可変表示制御手段、および前記特別遊技状態制御手段は、遊技制御を行なうメインプロセッサにより構成される一方、前記第2の可変表示制御手段は、前記メインプロセッサから送信される指令信号に基づいて前記第2の可変表示部の画像を表示制御するサブプロセッサにより構成されている。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、第1の可変表示部と第2の可変表示部とをそれぞれ別個に設けた。
【0014】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の作用に加えて、前記第2の可変表示制御手段の働きにより、遊技機の遊技データ情報が前記第2の可変表示部に表示される。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機等であってもよく、表示状態が変化可能な表示装置を有する遊技機一般に適用可能である。
【0019】
図1は、遊技機の一例のパチンコ遊技機の遊技盤面を示した図である。遊技盤1の前面側の区画レール2で囲まれた部分が遊技領域3である。遊技者が図示しない打球操作ハンドルを操作することにより、パチンコ玉が1つずつ区画レール2を通って遊技領域3内に打込まれる。遊技領域3内には、数値および図柄等からなる複数種類の識別情報を可変表示可能とし、所定のキャラクタを表示可能として可変表示装置4が設けられている。可変表示装置4は、前記キャラクタを表示する領域である可変表示部5を有している。可変表示部5はLCDにより構成される。
【0020】
遊技領域の左端部および右端部にはサイドランプ21が設けられる。左端部のサイドランプ21が設けられた領域内には、4つのLED(発光ダイオード)72a,72b,72c,72dが設けられている。右端部のサイドランプ21が設けられた領域内には、4つのLED72e,72f,72g,72hが設けられている。また、可変表示装置4の左端部には、2つのLED72i,72jが設けられ、可変表示装置4の右端部には、2つのLED72k,72mが設けられている。すなわち、可変表示装置4には、合計4つのLED72i〜72mが設けられていることになる。
【0021】
可変表示装置4の下方には始動入賞口9が配設されており、この始動入賞口9に入賞した始動入賞玉が始動入賞玉検出器10により検出される。この始動入賞玉検出器10の検出信号に基づいて、可変表示装置4における可変表示部5の表示状態およびLED72a〜72mの点灯状態が同時に変化開始される。その際に、LED72a〜72mは、LED72a〜72dを第1のブロック、LED72e〜72hを第2のブロック、LED72i,72j,72k,72mを第3のブロックとして、それぞれのブロック単位で点灯状態が変化させられる。前記変化開始時から所定時間経過後、可変表示部5の表示状態およびLED72a〜72mの点灯状態の変化が停止される。
【0022】
この停止時において、可変表示部5の表示結果が第1のブロックのLED72a〜72dと第2のブロックのLED72e〜72hと第3のブロックのLED72i〜72mとが同一の点灯態様の場合、可変入賞球装置11が開成して遊技者にとって有利な第1の状態とする大当り制御が開始される。ここで、大当り制御が開始される条件は、LED72a〜72mの3つのブロックが同一の点灯態様となることであり、可変表示部5は、LED72a〜72mの点灯状態の変化が停止するまでの演出をキャラクタ表示により行なっている。なお、本発明でいうキャラクタとは、画像表示に登場する人物、動物あるいは宝箱等の物を表わす図柄をいう。
【0023】
可変入賞球装置11には、開閉自在な開閉板12が設けられており、通常時においてはソレノイド13が励磁されていないために開閉板12が閉成状態となっているが、特定遊技状態が発生したことに基づいてソレノイド13が励磁されて開閉板12が開成する。この開閉板12は、所定期間(たとえば30秒間)または所定個数(たとえば10個)のパチンコ玉の入賞のうちいずれか早い方の条件が成立したことにより閉成して遊技者にとって不利な第2の状態となる。この可変入賞球装置11内に入賞した入賞玉の合計個数が入賞個数表示器14により表示される。また、可変入賞球装置11内に形成された特定入賞領域(Vポケット)にパチンコ玉が入賞すれば繰返し継続条件が成立して、その回の可変入賞球装置11の第1の状態が終了するのを待って可変入賞球装置11を再度第1の状態にする繰返し継続制御が行なわれる。
【0024】
可変表示装置4の上方部分には、通過口6a,6b,6cが設けられており、この通過口6a,6b,6cを通過したパチンコ玉は、左右1対の振分装置8にまで誘導される。この振分装置8は、向かって左側の振分装置8が時計回り方向に常時回転し、向かって右側の振分装置8は反時計回り方向に常時回転している。この振分装置8の回転周期はたとえば3.200秒である。この振分装置8により、通過口6a,6b,6cを通過して来たパチンコ玉が始動入賞口9側あるいは始動入賞口9から遠ざかる側に振分けられる。LED72a〜72mの点灯表示状態が変化中に再度パチンコ玉が始動入賞口9に入賞して始動入賞玉検出器10により検出されれば、その始動入賞が記憶される。その始動入賞記憶の上限個数はたとえば「4」と定められている。その始動入賞記憶の個数が始動記憶表示LED7により表示される。そして、LED72a〜72mの点灯表示状態の変化が停止して再度LED72a〜72mが変化開始可能な状態となった場合に、始動入賞記憶に基づいてLED72a〜72mが再度変化開始される。
【0025】
遊技領域3には、さらに、通常入賞口17,19,15,風車ランプ16,肩ランプ18,袖ランプ20,サイドランプ21が設けられている。図中23はレール飾りランプである。
【0026】
図2および図3は、パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【0027】
パチンコ遊技機の制御回路は、各種機器を制御するためのプログラムに従って、遊技機制御を行なうメインCPUとしてのマイクロコンピュータを含む基本回路50と、電源投入時に基本回路50および後述する基本回路66をリセットするための初期リセット信号PRESETを出力するための初期リセット回路52と、基本回路50から与えられるクロック信号を分周して定期的(たとえば2msec毎)にリセット信号RRESETを基本回路50に与えるための定期リセット回路52と、各スイッチやセンサに接続され、与えられるアドレス信号によって選択されるスイッチからの信号を基本回路50に与えるためのスイッチ回路54と、基本回路50等に接続され、基本回路50から与えられるアドレス信号をデコードして基本回路50等に与えるためのアドレスデコード回路51とを含む。さらに、パチンコ遊技機の制御回路には、基本回路50によって制御されるLED回路55,LCD回路58と、基本回路50によって制御されるモータ回路56およびソレノイド回路57と、大当り情報や可変表示装置の表示状態を変化開始するのに利用される始動入賞個数に関する情報である有効始動情報等を遊技場におけるホストコンピュータであるホール用管理コンピュータに出力する情報出力回路59とを含む。また、制御回路は、基本回路50からの制御信号を受けて図3に示す基本回路66のサブCPUに指令信号を出力するためのサブCPUコマンド出力回路60を含む。
【0028】
LCD回路58は、サブCPU、ROMおよびRAMを含み、可変表示部5を構成するLCD40に画像を表示させる。このLCD回路58は基本回路50と相互通信を行なうようになっている。LCD回路58と基本回路50との間で相互通信を行なうようにしたために、LCD40の画像表示に合わせてLCD回路58から基本回路50へその画像に応じた音を表わす音指令信号(スピーカ等から音を発生させるための信号)を与えれば、基本回路50からサブCPUコマンド回路60および基本回路66を介して音発生増幅回路70に音指令信号が与えられる。その結果、可変表示部5における表示画像と音の同期が簡単にとれる。なお、LCD回路58と基本回路50との間は、基本回路50からLCD回路58への一方向通信にしてもよい。
【0029】
前記初期リセット回路53からの初期リセット信号と定期リセット回路52からのリセット信号やクロック信号が基本回路66のサブCPUに出力される。
【0030】
スイッチ回路54には、始動入賞玉検出器10が接続されており、始動入賞玉の検出信号が入力される。また可変入賞球装置11内に入賞したすべての入賞玉を検出する10カウント検出器62の検出信号がスイッチ回路54に入力される。さらに、可変入賞球装置11内の特定入賞領域に入賞した入賞玉を検出する特定入賞玉検出器61の検出信号がスイッチ回路54に入力される。
【0031】
LED回路55には、LEDにより構成された入賞個数表示器14と始動入賞記憶表示器7とV入賞表示器65とが接続されており、10カウント検出器62の検出信号に基づいて可変入賞球装置11内に入賞した入賞個数が入賞個数表示器14により表示され、始動入賞検出器10による検出信号に基づいて始動入賞記憶の個数が始動入賞記憶表示器7により表示され、特定入賞玉検出器61の検出信号に基づいてV入賞表示器65によりその旨が表示される。モータ回路56には振分装置8を駆動するためのモータ29が接続されている。ソレノイド回路57には可変入賞球装置11の開閉板12を開閉駆動するためのソレノイド13が接続されている。なお、V入賞表示器65は、可変入賞球装置に設けられたLED表示器であるが、特定入賞玉検出器61の検出信号に基づいて可変表示部5でその旨の表示を併用してもよい。
【0032】
サブCPUコマンド出力回路60や定期リセット回路52,初期リセット回路53からの信号が基本回路66に入力される。さらに基本回路66から与えられるアドレス信号をデコードして基本回路66等に与えるためのアドレスデコード回路67が設けられている。基本回路66には、さらにLED回路68とランプ回路69と音発生,増幅回路70とが接続されている。
【0033】
LED回路68は、基本回路66からの指令信号に基づいて、LED72a〜72mおよびその他のLED(たとえばサイドランプ21のLED)を点灯または点滅制御する。LED回路68によるLED72a〜72mの点灯・点滅制御は、基本回路66からの一方向通信による指令信号に基づいて行なわれるが、LED72a〜72mの点灯・点滅制御は、大当りの発生表示に関係するものであるので、基本回路50から直接的に与えられる指令信号に基づいて行なうようにしてもよい。
【0034】
ランプ回路69は、基本回路66からの指令信号に基づいて各種ランプを点灯または点滅制御する。音発生,増幅回路70は、基本回路66からの指令信号に基づいてスピーカ等から効果音などを発生させるための制御信号を出力する。なお、図2,図3の制御回路には、電源回路71からの所定の直流電流が与えられる。
【0035】
基本回路50内には、CPUを動作させるためのプログラムが記憶されたROMやRAMを有しており、基本回路50は、遊技制御、可変表示装置4の可変表示部5およびLED72a〜72mを制御するための種々のランダムカウンタの機能を有している。ランダムカウンタは、ランダム1カウンタ、ランダム2カウンタおよびランダム3カウンタを含む。
【0036】
ランダム1カウンタは、パチンコ玉の始動入賞時における当りはずれを決定するためのランダムカウンタである。ランダム1カウンタは、「0」〜「255」のカウント値をランダムにとり得るものであり、始動入賞時におけるカウント値がたとえば「1」である場合に大当りの発生が事前決定され、その決定に従って、可変表示装置4の可変表示部5の変化停止時の表示結果が特定の表示態様となるように制御される。このランダム1カウンタでの大当りが発生する確率は1/256である。
【0037】
ランダム2カウンタは、大当りが発生する際のLED72a〜72mの点灯表示態様の図柄(以下図柄と略する)を決定するためのランダムカウンタである。ランダム2カウンタは、「0」〜「15」のカウント値をランダムにとり得るものであり、始動入賞時におけるカウント値に基づいて、大当りとなるLED72a〜72mの図柄(以下大当り図柄と呼ぶ)を決定する。
【0038】
ランダム3カウンタは、大当りが発生しない場合のLED72a〜72mの図柄を決定するためのランダムカウンタである。ランダム3カウンタは、「0」〜「4095」のカウント値をランダムにとり得るものであり、始動入賞時におけるカウント値に基づいて、LED72a〜72mの大当り図柄以外の図柄(以下はずれ図柄と呼ぶ)を決定する。
【0039】
以上のような制御回路では、LED72a〜72mにより第1の可変表示装置が構成され、可変表示部5を含む可変表示装置4により第2の可変表示装置が構成される。また、基本回路50およびLED回路68により、LED72a〜72mの点灯・点滅制御を行なう第1の可変表示制御手段が構成され、基本回路50およびLCD回路58により、キャラクタ表示の制御を行なう第2の可変表示制御手段が構成されている。
【0040】
図4は、LED72a〜72mの各ブロックにおける変化停止時の図柄の態様が示されている。図4を参照して、最も左側に示された数字は、ランダム2カウンタのカウント値である。それぞれのカウント値の右側には、そのカウント値に対応するLED72a〜72mの1つのブロック(72a〜72d、72e〜72hまたは72i〜72mの各ブロック)の図柄が、点灯表示を○、消灯表示を●として表わされる。
【0041】
1つのブロックのLEDにおいては、図4に示されるように「0」〜「15」の16パターンの図柄が生じる。このため、3つのブロックのLEDにおいては、それぞれのブロックの図柄を組合わせれば、16×16×16=4096のパターンの図柄が生じることになる。この4096パターンの図柄のうち、3つのブロックとも同一の図柄になる場合は、16パターンあるので、LED72a〜72mにおいて大当りが生じる確率は、16/4096=1/256となる。このために、ランダム1カウンタがとり得るカウント値は、「0」〜「255」の256に定められている。
【0042】
図5は、LED72a〜72mに表示される図柄の決定手順のフローチャートを、各ランダムカウンタについてのカウント値のとり得る範囲および用途をまとめた表を含めて示す図である。図5(a)には、LED72a〜72mの図柄の決定手順のフローチャートが示され、図5(b)には、各ランダムカウンタについての前記表が示される。
【0043】
図5(a),(b)を参照して、LED72a〜72mの図柄の決定手順について説明する。まず、ステップS1により、パチンコ玉の始動入賞時のランダム1カウンタ(0〜255)のカウント値が抽出される。この際には、ランダム2カウンタおよびランダム3カウンタのそれぞれのカウント値もランダム1カウンタと同時に抽出される。
【0044】
ステップS1で、ランダム1カウンタのカウント値が「1」のときは、ステップS2に進む。ステップS2においては、ランダム2カウンタ(0〜15)のカウント値(データ)により、大当り図柄を決定する。
【0045】
ステップS1で、ランダム1カウンタのカウント値が「1」以外のときは、ステップS3に進む。ステップS3においては、ランダム3カウンタ(0〜4095)のカウント値(データ)によりはずれ図柄を決定する。この際に、ランダム3カウンタのカウント値によっては、決定された図柄が大当り図柄と一致する場合がある。この場合には、ランダム3カウンタのカウント値から「1」を減算し、その減算結果のデータにより、大当り図柄をはずれ図柄に変更し、そのはずれ図柄をLED72a〜72mに表示する。
【0046】
なお、図5(b)には、各ランダムカウンタについてのカウント値がとり得る範囲および用途が示されるが、その説明は、前述の説明においてなされているので、ここでは省略する。
【0047】
図6(a),(b)は、可変表示装置4における可変表示部5の表示状態の変化時および停止時の1つの態様が示されている。可変表示部5において、始動入賞がある前の通常時には、図6(a),(b)に示されるような勇者5dが冒険している所定の冒険シーンが表示される。また、遊技店からのメッセージ情報や本日、前日等の遊技台の遊技データ情報(たとえば大当り回数)等の表示を行なってもよい。
【0048】
始動入賞があると、可変表示部5において、前記冒険シーンから、図6(a)に示されるような画面に切換わり、戦闘シーンが表示される。図6(a)を参照して、その画面右側には、勇者を示す勇者キャラクタ5dが表示され、その画面左側には、モンスターを示すモンスターキャラクタ5eが表示される。また、勇者キャラクタ5d,モンスターキャラクタ5eのそれぞれの上方には、各々のキャラクタ5d,5eの生命力を棒グラフで示す生命力グラフ5f,5gが表示される。
【0049】
このように、可変表示部5の表示画像において、勇者キャラクタ5dとモンスターキャラクタ5eとの間で武器や魔法などを使って相手の生命力を減少させる戦闘のシーンが表示される。この戦闘においては、先に相手の生命力を無くした方のキャラクタが勝ちとなる。そして、この戦闘で勇者キャラクタ5dが勝った場合は、図6(b)に示されるように、モンスターキャラクタ5eが倒れた態様と、「モンスターは倒れた!」というメッセージとが表示され、それと同時にまたは少し遅れてLED72a〜72mが大当り図柄となり、大当りが発生する。一方、勇者キャラクタ5dが負けた場合は、勇者キャラクタ5dが負けたことを示すキャラクタの状態とメッセージとが表示され、それと同時にまたは少し遅れてLED72a〜72mがはずれ図柄となる。
【0050】
このように、始動入賞後、LED72a〜72mにおいて大当り図柄またははずれ図柄が表示されるまでに、可変表示部5においてキャラクタ画面が現われて所定のゲームが行なわれるので、遊技者は、可変表示装置4およびLED72a〜72mを含めた可変表示装置全体の表示を見飽きることなく楽しく遊技を行なうことができる。また、本実施の形態は、勇者キャラクタは必ず勝つか負けるかのどちらかであるが、これには限らず、引分けとなり、第2の可変表示装置では第1の可変表示装置が当りになるか否かがわからないときがあってもよい。
【0051】
なお、この実施の形態においては、キャラクタ画面を、勇者対モンスターの戦闘シーンとしたが、これに限らず、その他のキャラクタを用いた自動車等のレースおよび冒険物語を代表例とするその他のゲームを実行するようにしてもよい。また、前述の勇者対モンスターの戦闘シーンにおいて出現するモンスターは、1種類であるが、これに限らず、その強さ(たとえば生命力)の異なる複数種類のものを予め用意しておき、これらのモンスターのうちの1つを適宜選択的に出現させるようにしてもよい。このようにすると、遊技者は、弱いモンスターが出現した場合に、その際の大当りの発生確率が高いことを認識することができるので、遊技の興趣が盛上がる。さらに、前述のキャラクタ画面においては、各キャラクタの生命力を表示するようにしたが、これに限らず、各キャラクタの生命力は表示させなくてもよい。
【0052】
次に、大当り制御中の可変表示部5の表示状態について説明する。図7(a),(b)は、大当り制御中の可変表示装置4における可変表示部5の表示態様の1つの態様が示されている。
【0053】
大当りが発生した後の大当り制御中には、可変表示装置4の可変表示部5に以下に示すような表示がなされる。
【0054】
大当り制御中に、所定の物語に従って、たとえば図7(a)に示されるような勇者キャラクタ5jなどの所定のキャラクタが山や洞窟等を冒険する。この冒険中には、図7(a)に示されるようなモンスターキャラクタ5k、川および岩などの様々な障害が出現する。勇者キャラクタ5jは、これらの障害を克服して冒険を続ける。たとえば、モンスターキャラクタ5kが現われた場合は、たとえば第1実施の形態に示されるような戦闘シーンと同様の戦闘シーンが繰り広げられる。
【0055】
そして、このような冒険の最中に、図7(b)に示されるように勇者キャラクタ5jは、所定の確率で宝箱5mを見付けることが可能となっている。この宝箱5mは、勇者キャラクタ5jがモンスターキャラクタ5kとの戦闘で勝った場合および勇者キャラクタ5jが冒険物語中の所定の場所に到着した場合に得られる。このようにして得られた宝箱5mの中には特別な遊技価値が付与されるラッキーリング5n(図7(b)参照)および特別な遊技価値の付与が中止される悪魔のリングなどの品物が入っており、その品物が以後の遊技状態に影響を与えるようになっている。
【0056】
ラッキーリング5nを得たことにより付与される前記特別な遊技価値とは以下のようなものである。
【0057】
(1) その大当り終了後に、大当りが発生する確率が高くなる。
(2) 図1に示されるようなパチンコ遊技機に、パチンコ玉が通過する通過口と、その通過口をパチンコ玉が通過したことに応答して普通図柄(たとえば複数種類の数値)の可変表示を行なう普通図柄可変表示部と、その普通図柄可変表示部が停止した場合の図柄が所定の態様となった場合に所定時間開放する電役である普通電役とを付加的に備えたパチンコ遊技機において、前記普通図柄が所定の表示態様となる確率を向上させる。
【0058】
(3) 前記(2)に示される特別な遊技価値において、普通図柄が所定の停止態様になる確率を変更せずに、前記普通電役の開放時間を通常の開放時間よりも長くする。
【0059】
(4) 大当り後に、その遊技者がそのパチンコ遊技機で継続して遊技できるようにする。この場合の遊技の継続の実行の判断は、パチンコ遊技機が自動的に行なってもよく、また、パチンコ遊技機が、遊技者がラッキーリングを得たことのみを表示して遊技場側の判断で継続遊技させるようにしてもよい。
【0060】
このように、大当り制御中に、キャラクタ画面が現われて所定のゲームが行なわれ、そのゲームの結果がそれ以後の遊技状態に大きな影響を与えるので、遊技者は、大当り中も可変表示装置4における可変表示部5の表示を見飽きることなく楽しく遊技を行なうことができる。
【0061】
なお、本実施の形態においては、大当り制御中の可変表示部5の表示状態として冒険物語を実行することとしたが、これに限らず、競馬および競輪などのその他のゲームにしてもよい。このようなゲームを実行させる場合、そのゲーム結果が予め定められた結果となった場合に、前記特別な遊技価値が付与されるようにする。
【0062】
また、本実施の形態においては、第1の可変表示装置としてLED72a〜72mを用いたが、その代わりに、7セグメント、ドットマトリックスまたは回転ドラム等の表示装置からなるものを用いてもよい。さらに、本実施の形態においては、第2の可変表示装置としてLCDを用いた可変表示部5を含む可変表示装置4を用いたが、その代わりに、プラズマ、CRT等の表示装置からなるものを用いてもよい。さらに、第1および第2の可変表示装置は、たとえば前面ガラス、幕板、島等の遊技機以外に設けてもよい。
【0063】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明によれば、遊技者が大当りが発生するか否かを判断する際に用いられる第1の可変表示部の他に、第2の可変表示部を設け、その第2の可変表示部に第1の可変表示部で表示される表示結果と同一の大当りが発生するか否かの動作結果を画像キャラクタの動きにより表示するので、画像キャラクタの動きで大当りが発生するか否かを判断させることにより、遊技者の遊技におもしろみを持たせることができ、遊技者が大当りが発生するか否かを判断することについて、第2の可変表示部に表示される画像キャラクタの動きによる「ワクワク感」やその後の動作結果に対する大きな期待感を抱き、大当りになるまでの遊技者の気持ちの高揚と遊技者の大当りに対する大きな期待感とにより、遊技者の遊技に対する意欲を維持向上させることができる。さらに、所定の動作を行なう画像キャラクタを第2の可変表示部に表示し、特別遊技状態に制御する場合と制御しない場合とで画像キャラクタの動作結果を異ならせて表示することで、特別遊技状態に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、さらに、第1の可変表示部の表示結果が特定の表示態様になる前にその旨を識別可能な識別用情報が第2の可変表示部に表示されるため、表示結果が導出表示される瞬間を2度確認できるチャンスが遊技者に与えられることになり、1度目の導出表示タイミングを見逃しても2度目の導出表示タイミングで表示結果が導出表示される状態を確認可能となる。さらにまた、特定の表示態様になることについての予告機能を第2の可変表示部が備えるようになり、遊技の面白みが増す。また、大当り事前決定手段、第1の可変表示制御手段、および特別遊技状態制御手段は、遊技制御を行なうメインプロセッサにより構成される一方、第2の可変表示制御手段は、メインプロセッサから送信される指令信号に基づいて第2の可変表示部の画像を表示制御するサブプロセッサにより構成されているため、プロセッサの制御負担を軽減できる。
【0064】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、第1の可変表示部と第2の可変表示部とをそれぞれ別個に設けているので、第1の可変表示部と第2の可変表示部が遊技者の視界の中で混在することがなく、遊技者は第2の可変表示部に集中することができ、上記遊技者の遊技に対するワクワク感や期待感をさらに高めることができる。
【0065】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1または請求項2に記載の発明の効果に加えて、第2の可変表示部には、遊技機の遊技データ情報が表示されるために、遊技者などに遊技データ情報を提供する情報提供部としての機能を第2の可変表示部に付加でき、利便性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機の遊技盤面を示す正面図である。
【図2】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図3】パチンコ遊技機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
【図4】LEDの各ブロックにおける変化停止時の図柄の態様を示す模式図である。
【図5】LEDにおける図柄の決定手順のフローチャートを、各ランダムカウンタについてのカウント値のとり得る範囲および用途をまとめた表を含めて示す図である。
【図6】可変表示装置における可変表示部の表示の態様を示す模式図である。
【図7】大当り制御中の可変表示装置における可変表示部の表示の態様を示す模式図である。
【符号の説明】
4は可変表示装置、5は可変表示部、50,60は基本回路、58はLCD回路、68はLED回路、72a〜72mはLEDである。

Claims (3)

  1. 可変表示可能な第1の可変表示部と、可変表示可能な第2の可変表示部とを有し、前記第1の可変表示部の表示結果が予め定められた特定の表示態様となった場合に大当り制御が実行されて所定の遊技価値が付与される遊技機であって、
    始動入賞口に打玉が始動入賞したことに基づき、前記大当りを発生させるか否かを事前決定する大当り事前決定手段と、
    前記始動入賞に基づき、前記第1の可変表示部において可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで表示状態を変化させ、前記大当り事前決定手段の決定結果に対応する表示結果を導出表示させる可変表示制御を行なう第1の可変表示制御手段と、
    該第1の可変表示制御手段による前記可変表示制御が行われる契機となった始動入賞に基づく前記第1の可変表示部の可変表示中に、前記第2の可変表示部に演出画像としての画像キャラクタの所定の動作を表示させた後前記大当り事前決定手段の決定結果に対応する動作結果を導出表示させる制御を行なう第2の可変表示制御手段と、
    前記大当り制御後に遊技者に有利な特別遊技状態に制御する特別遊技状態制御手段と、を有し、
    前記大当り事前決定手段、前記第1の可変表示制御手段、および前記特別遊技状態制御手段は、遊技制御を行なうメインプロセッサにより構成される一方、
    前記第2の可変表示制御手段は、前記メインプロセッサから送信される指令信号に基づいて前記第2の可変表示部の画像を表示制御するサブプロセッサにより構成され、
    前記第2の可変表示制御手段は、
    前記特別遊技状態制御手段が前記特別遊技状態に制御するときには、前記大当り制御中に前記第2の可変表示部に画像キャラクタの所定の動作を表示させた後前記特別遊技状態に制御することに対応する動作結果を事前に表示させるとともに、
    前記特別遊技状態制御手段が前記特別遊技状態に制御しないときには、前記大当り制御中に前記第2の可変表示部に前記画像キャラクタの所定の動作を表示させた後前記特別遊技状態に制御しないことに対応する動作結果を事前に表示させ、
    さらに前記第2の可変表示制御手段は、前記第1の可変表示部の表示結果が前記特定の表示態様になる前にその旨を識別可能な識別用情報を前記第2の可変表示部に表示することを特徴とする、遊技機。
  2. 前記第1の可変表示部と前記第2の可変表示部とをそれぞれ別個に設けたことを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記第2の可変表示制御手段は、遊技機の遊技データ情報を前記第2の可変表示部に表示可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
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