JP3914401B2 - 発振器、送受信モジュール、及びレーダ装置 - Google Patents
発振器、送受信モジュール、及びレーダ装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は誘電体共振器を有する発振器、及び送受信モジュールに関するものである。特に、この発振器を局部信号発生器として用いる送受信モジュールに用いて有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マイクロ波やミリ波などの高周波で動作する発振器では、共振器に高誘電率の誘電体ブロックを用いた誘電体共振器がよく用いられる。こうした例は、例えば、アイ・イー・イー・イー、エム・ティー・ティー・エス、1995インターナショナル マイクロウェーブ シンポジウム ダイジェスト 第71頁から第74頁(IEEE MTT−S 1995 International Microwave Symposium Digest、pp.71−74))などに見られる。
【0003】
図5に誘電体共振器を用いた発振器の例を示す。マイクロストリップ線路16の近傍に誘電体ブロック13を置き、このマイクロストリップ線路16と誘電体ブロック13を結合させることで共振器を構成するものである。誘電体ブロックとしては、図5に記載のような円柱形の他、直六方体形の誘電体ブロックがよく用いられる。負性抵抗を発生する能動素子15は、図に記載されているようなFETの他、バイポーラトランジスタなどが用いられ、発振させたい周波数において負性抵抗が発生するように帰還回路17や整合回路18などのパラメータを決定する。帰還回路の形式は、図5に記載の例以外でも様々な形式が用いられる。
【0004】
通常、この誘電体ブロック13の寸法は、誘電体共振器の基本モードの共振周波数と発振させたい周波数が一致し、かつ、それ以外の高次のモードの共振周波数が、発振させたい周波数からなるべく離れるように決められる。例えば、円柱形の誘電体ブロックを使用した場合、基本モードはTE 01δ モードであり、高次モードの共振周波数が、この周波数から十分離れるように底面の半径Rと厚さtは、0.2<t/(2R)<0.4となるように決められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、低位相雑音の発振器を実現するためには、その共振器のQは高いことが望ましい。誘電体共振器のQは、誘電体損や導体損などの損失により低下する。また、ミリ波のような超高周波では、動作周波数に対してデバイス性能が十分でない場合が多いため、誘電体ブロックとマイクロストリップ線路との結合を密にして負荷を軽くする必要がある。この時、誘電体ブロックとマイクロ線路を十分に近づける必要があり、誘電体ブロックの至近距離に導体が存在するため、導体損が増加し、Qが低下することがある。
【0006】
また、共振周波数が高くなるにしたがって、誘電体ブロックの寸法は小さくなるため、ミリ波のような超高周波帯では、その寸法は非常に小さくなる。したがって、誘電体ブロックの加工が困難になり、誘電体ブロックの単価の増加を招く。また、その取り扱いが難しくなり、発振器の組み立てコストの増加を招く。
【0007】
このような問題を回避するため、本来必要な周波数の2分の1や4分の1などn分の1の周波数で発振させ、その信号を逓倍器を用いてn逓倍することで、所望の周波数の信号を得る方法が用いられる。この方法を用いれば、発振器はn分の1の周波数で発振するため上記の問題は回避できる。しかし、発振器の動作周波数がn分の1のため、整合回路などが大きくなることによるチップ面積の増大や、新たに逓倍器が必要になることによるチップ数の増加などが原因で、コスト増加につながるなどの問題があった。
【0008】
上記のようにこれまでは、ミリ波のような超高周波帯の発振器を構成する際、誘電体共振器において十分に高いQが得られず、発振器の位相雑音が十分に低減されないという問題があった。さらに、誘電体ブロックが小さくなることにより、加工が難しくなり、誘電体ブロックの単価の増加が生じる。さらに、取り扱いが難しくなり、発振器の組み立てコストの増加が生じるなどの問題があった。また、逓倍器を用いる場合においては、チップ面積の増大やチップ数の増加により、コストが増加するという問題があった。
【0009】
本願発明の目的は、上記の問題を解決し、コストの増加を抑え、低位相雑音の発振器を実現することである。
【0010】
又、本願発明の別の目的は、上記問題を解決し、コストの増加を抑えて実現した低位相雑音の発振器を送受信装置の局部信号発生器として用いることで、低コストで性能の良い送受信モジュールを構成することである。
【0011】
又、本願発明の別の目的は、上記問題を解決し、コストの増加を抑えて実現した低位相雑音の発振器をレーダ装置の局部信号発生器として用ることで、位相雑音によるレーダ性能の劣化を抑えて、高性能なレーダ装置を低コストで実現することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記問題を考慮し、誘電体共振器の基本モードの共振周波数が発振させたい周波数より低く、さらに、一つの高次モードの共振周波数が発振させたい周波数に一致するように、誘電体ブロックの寸法等を設定する。この時、使用するモードの共振周波数以外にも基本モードや使用しない高次モードの共振周波数が存在する。従って、これらの周波数で意図しない不要発振が起きないように、発振させたい周波数近傍の狭い帯域にのみ能動素子が負性抵抗を発生するように、使用しないモードの共振周波数での負性抵抗を十分に小さくする。この小さい負性抵抗の実現は、帰還回路や整合回路のパラメータを調整するか、フィルタ回路を能動素子と共振器の間に付加するなどの方策が用いられる。更には、位相を調整して発振が起こらない位相条件にするなどして、基本モードや使用しない高次モードの共振周波数での不要発振を防止する必要がある。
【0013】
以上のように、装置の発振周波数に、共振器の高次のモードの共振周波数を用いることで、従来の基本モードの共振周波数を利用する場合と比べて、誘電体ブロックの寸法を大きくすることができる。この為、誘電体ブロックをマイクロストリップ線路に対し非常に近い位置に置いた場合、誘電体ブロックの近傍に存在する線路導体の面積に対する誘電体ブロックの体積の比を大きくすることができ、基本モードを利用するものと比較して導体損を低減することができる。その為、共振器のQを高くすることができ、低位相雑音の発振器を構成することが可能となる。
【0014】
又、上記の高次モードを利用した発振器を局部信号発生器として利用することで、高性能な送受信モジュールを低コストで実現することが可能である。
【0015】
また、レーダ装置の局部信号発生器として、上記の高次モードを利用した低位相雑音の発振器を用いることで、位相雑音によるレーダ性能の低下を抑え、高性能なレーダを低コストで実現することが可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本願発明の代表的な実施の形態は、能動素子と、誘電体基板上に形成されたマイクロストリップ線路と、このマイクロストリップ線路に結合するように配置した誘電体ブロックとを少なくとも有し、前記マイクロストリップ線路と前記誘電体ブロックで共振器を形成し、前記能動素子と前記共振器は接続され、前記能動素子は発振させたい周波数帯で負性抵抗を発生し、前記誘電体ブロックの寸法等は、その基本モードの共振周波数が発振させたい周波数より低く、かつ、高次モードの内の一つの共振周波数が発振させたい周波数に一致するようになっていることにより、共振器の高次のモードで発振することを特徴とする発振器である。尚、前記高次モードの内の一つの共振周波数が発振させたい周波数への一致の程度は、共振器のQ値にも依存し、Q値が高い程、そのずれの度合いは小さくなる。勿論、このずれが小さい程好ましいことは云うまでもないが、数MHzから数十MHz程度のずれがあることもある。しかし、その設定は当該装置の諸特性の要求などに応じて設定して十分である。しかし、いずれにしても、本願発明においては、高次モードの内の一つの共振周波数帯が当該装置の発振させたい周波数に一致するよう設定することにある。
【0017】
本願発明の具体的な形態として、能動素子と共振器とは、相互に別異の基板を用いる形態、あるいは同一の基板に搭載する形態などを取り得る。一般にミリ波帯の発振器としてはIII−V族化合物半導体材料による半導体素子が用いられる。わけても、GaAs系素子が代表例である。従って、これに対する基板はGaAs基板が代表的な例である。誘電体ブロック自体は通例の材料によって十分である。その代表例は、例えば、強誘電体材料のBa(Mg、Ta)O3等である。当該誘電体ブロックやマイクロストリップ線路を搭載する基板は、例えば、GaAs、アルミナ(Al2O3)、あるいは有機樹脂、例えばテフロンなどを挙げることが出来る。勿論、前述したように、同一基板で両者の各部材を搭載することも可能である。
【0018】
尚、能動素子と共振器との間に、可変リアクタンス素子と、この可変リアクタンス素子に制御電圧を供給するための制御端子を備え、前記制御端子に制御電圧を印可することにより、発振周波数の制御を可能とすることは極めて有用である。
【0019】
本願発明の発振器はマイクロ波発振器、ミリ波発振器に用いて有用であり、例えば、レーダモジュール、例えば移動体用のフロントエンド・モジュールなどに有用である。
【0020】
以下、本願発明の諸実施例を説明する。
【0021】
図1は77GHz帯発振器を構成した実施例の斜視図である。図2にこの発振器の等価回路図を示す。
【0022】
本例は共振器と能動素子とが別異の基板に搭載された例である。負性抵抗を発生するための能動素子6は、バッファアンプを構成する能動素子5と共に、GaAs基板4上にMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)として集積されている。又、共振器はアルミナ基板2上に形成されたマイクロストリップ線路3とこのマイクロストリップ線路3に結合するように配置した円柱形の誘電体ブロック1で構成されている。発振器は、MMICとアルミナ基板2上の例えばマイクロストリップ線路3をボンディングワイヤ9で接続することで構成されている。
【0023】
誘電体ブロック1は、基本モードであるTE 01δ モードの共振周波数が38GHz程度にあり、77GHz近傍に発生する高次モードを利用する。この時、基本モードの共振周波数や使用しない高次モードの共振周波数において、意図しない不要発振が起こらないように、能動素子6は77GHz帯近傍の狭い帯域でのみ負性抵抗が発生するように帰還回路7や整合回路8のパラメータを調整する。
【0024】
図6は、誘電体ブロックに対して、GaAs基板上に形成されたマイクロストリップ線路との場合の、反射特性を示す。いずれも、横軸は周波数で70GHzより85GHzまでが示されている。縦軸は反射でdBで示される。図6の(a)は、共振器が基本モード(TE01 δ)の共振周波数で共振するようになされている。一方、図6の(b)は基本モード以外の高次モードを利用した共振器の例の特性である。この例では、基本モードの共振周波数は、38GHz程度であり、76GHzに現れる高次モードの共振周波数を用いるようになされている。これらの反射特性からは、特性曲線のピークが急峻な程、共振に関するQ値が高いことを示している。そして、Q値が高い程、より低い位相雑音の共振器を実現することが出来る。又、同特性のピークが0dBに近い程、結合が強いことを示している。図6(a)及び(b)を参酌すれば、本願発明の高次モードで76GHzの共振周波数を実現するほうが、この周波数の近傍での特性曲線のピークは急峻で、より大きなQ値を得ることが出来ることが理解されよう。
【0025】
本実施例のように、ミリ波帯発振器の共振器に、高次モードを利用した誘電体共振器を用いることで、導体損失を低減し、共振器のQを高めることができる。したがって、低位相雑音の発振器を構成することが可能となる。
【0026】
尚、本実施例では、帰還回路7や整合回路8のパラメータを調整することにより、負性抵抗が必要な帯域だけに発生するように設定したが、別な形態も勿論取り得る。図3はこうした例を示す等価回路図である。図3に示す実施例のように、能動素子が比較的広い帯域で負性抵抗を発生しても、共振器と能動素子の間にフィルタ回路10を設けることで、負性抵抗が発生する帯域を制限しても、同等な効果を得ることができる。本例の他の要素は図2の例と同等である。
【0027】
図4の実施例は、共振器と能動素子の間にバラクタダイオード11を接続することで、77GHz帯電圧制御発振器を構成した実施例である。バラクタダイオード11は、GaAs基板4上にMMICとして他の素子と共に集積されおり、制御端子12から制御電圧を加えることで、バラクタダイオード11の接合容量を制御する。これにより、能動素子から共振器側を見込んだインピーダンス(共振器とバラクタダイオードによるインピーダンス)が変化する。このことで、発振周波数を制御することが可能になる。以上のように、共振器にバラクタダイオードを付加することで、制御電圧により発振周波数を制御することが可能な、電圧制御発振器を構成することができる。
【0028】
図7は、本願発明の別基板を用いないで、MMICを一つの基板に集積化した例である。負性抵抗を発生するための能動素子6とバッファアンプを構成する能動素子5は、GaAs基板4上にMMICとして集積されている。誘電体ブロック1は、MMIC上のマイクロストリップ線路21と結合するように配置される。誘電体ブロック1は、基本モードであるTE 01δ モードの共振周波数が38GHz程度にあり、77GHz近傍に発生する高次モードを利用する。但し、アルミナ基板とGaAs基板の厚さがほぼ等しく、アルミナ基板の誘電率9.6に対し、GaAs基板の誘電率は12と大きいため、共振器の共振周波数はわずかに高くなる。このため、誘電体ブロック1はアルミナ基板上に置いた場合に比べ、大きい寸法のものを用いる。又、基本モードの共振周波数や使用しない高次のモードの共振周波数において、意図しない不要発振が起こらないように、能動素子6は77GHz帯近傍の狭い帯域でのみ負性抵抗が発生するように帰還回路や整合回路を調整する。以上のように、別基板を用いず、共振器を構成するマイクロストリップ線路と能動素子を一つのMMIC上に形成することで、共振器と能動素子をボンディングワイヤなどで接続する作業を省略でき、組立の工程を簡略化できる。さらに、組み立てによるバラツキを低減することができる。
【0029】
図8は、本願発明による高次モードを利用した誘電体共振器を用いた発振器を、局部信号発生器に利用したレーダ装置の実施例である。図はその平面図を示す。
【0030】
本レーダ装置は、局部信号発生器28と混合器22と電力増幅器23が、実装基板25上に実装されている。局部信号発生器28はこれまで各種実施例をもって説明してきた発振器を用いて実現することが出来る。基本的にはアルミナ基板2に誘電体ブロック1とマイクロストリップ線路が搭載される。他方、GaAs基板4には所望の能動素子が搭載されている。そして、両者はボンディングワイヤで接続されている。更に、この能動素子部は導体43によって、混合器22と電力増幅器23とに接続される。そして、これらは導体44、及び45よりアンテナに接続される。
【0031】
こうした、レーダ装置のブロック図を図9に示す。局部信号発生器28で生成された信号は送信側と受信側に分配される。送信側に分配された信号は、電力増幅器23で増幅されたのち、送信アンテナ26から放射される。この送信信号は、目標物に反射されるが、このとき、目標物とレーダ装置の間に相対速度が存在すると、ドップラー効果により反射信号の周波数はわずかに変化する。この反射信号を受信アンテナ27で受信し、混合器22で元の信号と混合することで、ドップラー周波数の低周波信号が得られる。更に、この低周波信号を信号処理することで相対速度などの情報を得る。こうした、ドップラー効果を用いた送受信モジュール、あるいはミリ波送受信モジュール自体はこれまで知られた方法によって構成することが出来る。又、本例以外の構成も当然可能であり、こうした構成に、本願発明を適用出来ることは云うまでもない。
【0032】
図10より図12に、信号発生器部分とアンテナの実装形態の例を示す。図10は裏面アンテナを有するモジュールの断面図、図11はこれに用いられたアンテナの例を示す平面図である。図12は信号発生器部とアンテナとを平面に配置した例を示す平面図である。
【0033】
裏面アンテナを有するモジュールでは、ベースプレート29の一方の主面に信号発生器部の実装基板25が、他方の主面(この面を裏面と称する)に、実装基板を介して送信アンテナ26及び受信アンテナ27が搭載される。信号発生器部の実装基板25には誘電体ブロック1のみ図示され、他の部材は省略されるが、全体的な基本構成は例えば図8に例示したものと同様である。そして、信号発生器部と両アンテナ26、27とは、ベースプレート29、実装基板25とを貫通する開口を通して、同軸線路31によって接続される。更に、信号発生器部には蓋30が設けられる。これによって、外部雑音が除去される。図11はこの裏面に配されるアンテナの例を示す。ベースプレート29に搭載された実装基板に、送信アンテナ26及び受信アンテナ27が搭載されている。符号40がアンテナ部、符号41がこれらのアンテナ部を接続し一体のアンテナを構成するための導体部である。実際には、これら両者は一体にパターニングして形成されるのが、一般的である。
【0034】
図12は信号発生器部とアンテナとを平面に配置した例である。各部分の詳細構成は前述の図10、図11に示した例と同様である。ベースプレート29、実装基板25とが平面的に配置され、両者は所望の電気的接続がなされる。
【0035】
本実施例のように、レーダ装置の局部信号発生器として、高次モードを利用した誘電体共振器を用いた発振器を用いることで、位相雑音によるレーダ性能の低下を抑え、高性能なレーダ装置を低コストで実現することが可能である。
【0036】
以上、諸実施例に基づき本願発明を説明してきたが、本願発明によれば、誘電体共振器の共振周波数に高次モードを利用するため、誘電体ブロックの寸法を大きくすることができ、導体損失を低減することが可能となる。そのため、共振器のQを高くすることが可能となり、これを用いて低位相雑音の発振器を低コストで実現することが可能である。
【0037】
また、誘電体ブロックの寸法が大きくなることから、誘電体ブロックの製造コストや発振器の組み立てコストの低減につながる。
【0038】
また、この発振器をレーダ装置の局部信号発生器に用いることで、高性能なレーダ装置を低コストで実現することが可能となる。
【0039】
【発明の効果】
本願発明によれば、共振器のQ値の高い、低位相雑音の発振器を提供することが出来る。
【0040】
本願発明によれば、共振器のQ値の高い、低位相雑音の発振器を、低コストで提供することが出来る。
【0041】
又、本願発明によれば、レーダ装置を低コストで提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本願発明の別基板を用いる実施例の斜視図である。
【図2】図2は本願発明の別基板を用いる実施例の等価回路図である。
【図3】図3は本願発明のフィルタ回路を用いた実施例の等価回路図である。
【図4】図4は本願発明のバラクタダイオードを用いた電圧制御発振器の実施例の等価回路図である。
【図5】図5は従来の誘電体共振器を用いた発振器の例を示す図である。
【図6】図6は誘電体共振器をマイクロストリップ線路に結合させた時の反射特性を示す図である。
【図7】図7は本願発明の一つの基板を用いた実施例の斜視図である。
【図8】図8は本願発明の発振器を局部信号発生器に持つレーダ装置の平面図である。
【図9】図9はレーダ装置のブロック図である。
【図10】図10は裏面アンテナ構成の送受信モジュールの例を示す断面図である。
【図11】図11は送受信アンテナの例を示す平面図である。
【図12】図12は信号発生器及びアンテナを平面配置した例を示す平面図である。
【符号の説明】
1.誘電体ブロック、2.アルミナ基板、3.マイクロストリップ線路、4.GaAs基板、5.増幅器を構成する能動素子、6.負性抵抗を発生するための能動素子、7.帰還回路、8.整合回路及びバイアス回路、9.ボンディングワイヤ、10.フィルタ回路、11.バラクタダイオード、12.制御端子、13.誘電体ブロック、15.負性抵抗を発生するための能動素子、16.マイクロストリップ線路、17.帰還回路、18.整合回路及びバイアス回路、21.マイクロストリップ線路、22.混合器、23.電力増幅器、25.実装基板、26.送信アンテナ、27.受信アンテナ、28.局部信号発生器、29.ベースプレート、30.蓋、31.同軸線路、40.アンテナ部、41.一体アンテナを構成するための導体、43.マイクロストリップ線路、44.送信アンテナへの給電用導体、45.受信アンテナへの供給用導体。
Claims (12)
- 能動素子と、基板と、該基板上に形成されたマイクロストリップ線路と、該マイクロストリップ線路に結合するように配置した柱状の誘電体ブロックであって、その底面が基板のマイクロストリップ線路が形成された面とほぼ平行である柱状の誘電体ブロックとを少なくとも有し、
前記マイクロストリップ線路と前記柱状の誘電体ブロックとで共振器を形成し、前記能動素子と前記共振器とは電気的に接続され、前記能動素子は発振させたい周波数帯で負性抵抗を発生し、前記柱状の誘電体ブロックの基本モードの共振周波数は前記発振させたい周波数より低く、前記柱状の誘電体ブロックの高次モードの内の一つの共振周波数帯は前記発振させたい周波数になっており、前記柱状の誘電体ブロックは少なくとも前記高次モードの内の一つの共振周波数で共振することを特徴とする発振器。 - 前記基板は誘電体基板であることを特徴とする、請求項1に記載の発振器。
- 少なくとも前記能動素子と前記柱状の誘電体ブロックとが、前記基板上に搭載されることを特徴とする請求項1または2に記載の発振器。
- 前記能動素子は、前記基板とは別の基板上に搭載されたことを特徴とする請求項1または2に記載の発振器。
- 局部信号発生器と、前記局部信号発生器に電気的に接続されたアンテナ部とを少なくとも有し、
前記局部信号発生器は発振器を有し、
前記発振器は、能動素子と、基板と、該基板上に形成されたマイクロストリップ線路と、該マイクロストリップ線路に結合するように配置した柱状の誘電体ブロックであって、その底面が基板のマイクロストリップ線路が形成された面とほぼ平行である柱状の誘電体ブロックとを少なくとも有し、
前記マイクロストリップ線路と前記柱状の誘電体ブロックとで共振器を形成し、前記能動素子と前記共振器とは電気的に接続され、前記能動素子は発振させたい周波数帯で負性抵抗を発生し、前記柱状の誘電体ブロックの基本モードの共振周波数は前記発振させたい周波数より低く、前記柱状の誘電体ブロックの高次モードの内の一つの共振周波数帯は前記発振させたい周波数になっており、前記柱状の誘電体ブロックは少なくとも前記高次モードの内の一つの共振周波数帯で共振することを特徴とする送受信モジュール。 - 前記基板は誘電体基板であることを特徴とする、請求項5に記載の送受信モジュール。
- 少なくとも前記能動素子と前記柱状の誘電体ブロックとが、前記基板上に搭載されることを特徴とする請求項5または6に記載の送受信モジュール。
- 前記能動素子は、前記基板とは別の基板上に搭載されたことを特徴とする請求項5または6に記載の送受信モジュール。
- 局部信号発生器と、前記局部信号発生器に電気的に接続された送信アンテナと、前記局部信号発生器に電気的に接続された混合器と、前記局部混合器に電気的に接続された受信アンテナとを少なくとも有し、
前記局部信号発生器は発振器を有し、
前記発振器は、能動素子と、基板と、該基板上に形成されたマイクロストリップ線路と、該マイクロストリップ線路に結合するように配置した柱状の誘電体ブロックであって、その底面が基板のマイクロストリップ線路が形成された面とほぼ平行である柱状の誘電体ブロックとを少なくとも有し、
前記マイクロストリップ線路と前記柱状の誘電体ブロックとで共振器を形成し、前記能動素子と前記共振器とは電気的に接続され、前記能動素子は発振させたい周波数帯で負性抵抗を発生し、前記柱状の誘電体ブロックの基本モードの共振周波数は前記発振させたい周波数より低く、前記柱状の誘電体ブロックの高次モードの内の一つの共振周波数帯は前記発振させたい周波数になっており、前記柱状の誘電体ブロックは少なくとも前記高次モードの内の一つの共振周波数帯で共振し、
前記局部信号発生器により生成される信号は前記送信アンテナから送信信号として放射され、前記送信信号が目標物により反射された反射信号を前記受信アンテナより受信し、前記混合器は前記反射信号と前記局部信号発生器により生成される信号とを混合することを特徴とするレーダ装置。 - 前記基板は誘電体基板であることを特徴とする、請求項9に記載のレーダ装置。
- 少なくとも前記能動素子と前記柱状の誘電体ブロックとが、前記基板上に搭載されることを特徴とする請求項9または10に記載のレーダ装置。
- 前記能動素子は、前記基板とは別の基板上に搭載されたことを特徴とする請求項9または10に記載のレーダ装置。
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