JP3913562B2 - スクリーン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天板を有する家具に対して好適に用いられるスクリーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、オフィスには、その環境を整えるために、目的に応じてパーテーション機能を備えたものを適宜箇所に配備してあることが多い。
【0003】
例えば、個人用のデスクを復数並べて複数の者が並んだ状態で仕事を行う場合には、各個人が個人ワークに集中するために、隣接するデスクとの間にパーテーション機能を備えたサイドパネルなどを取り付けておくことがある。そして、このようなサイドパネルは、デスクの側端部に直接的にネジ止めすることで取り付けられたり、専用の取付構造によって取り付けらるなどしている。
【0004】
一方、部署や課といったグループを区別したり、来客用や会議のためのエリアを形成するために、エリアを区切るパーテーションパネルを設置されることも多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記サイドパネルは、個人ワークを行う際には、集中力を高めるため隣接する者との間には配設されるのが望ましいものの、例えば、隣り合った2、3人で打ち合わせなどを行いたい場合や、近隣に着座している者から情報を収集したい場合などには、視野や会話を妨げるものとなってしまう。しかし、取り付けられたサイドパネルを外すためには、工具などを使用して面倒な取り外し作業を行わねばならないため、実質わざわざスクリーンを取り外すようなことはなく、別の場所に移動するなどしなければならない。
【0006】
さらに、近年、同社内の異なるグループや異なる企業と協働してプロジェクトを進めるようなコラボレーションが盛んになっており、会議室などを使用して大人数で行われるようなもののみならず、2、3人といった少人数によってひらめいたことを口々に言い合うようなミニコラボレーションが行われる機会も多くなってきた。ところが、このような場合においても、前記サイドパネルが妨げとなり、また、サイドパネルによって仕切られた一人分のデスクスペースは、複数の者が集まるには小さすぎるため、ミニコラボレーションを行うことは難しく、別の場所に移動するなどしなければならない。
【0007】
一方、エリアを区別するためのパーテーションパネルは、それ専用のものとして使用されるものが多く、必要に応じていつでも簡単にサイドパネルとしても利用できるようなものは考えられていない。
【0008】
そこで、このような不具合を解決すべく、オフィス用のデスクなど天板を有する家具に簡単に取り付け及び取り外しを行うことができて、さらにこの天板を有する家具、さらに、この家具を備えた空間をも、複数の使用態様に対応させ得るフレキシブルなスクリーンを提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明のスクリーンの一つは、天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を設けているものであって、スクリーン本体と、このスクリーン本体を自立可能に支持するベース部とからなるものであり、前記凹部を前記スクリーン本体に設け、前記凹部が、少なくとも一方向に開口を有し、この開口からスクリーン本体を切り欠いて設けられ、前記凹部が天板の奥行き方向に延伸するように前記凹部内に天板の使用縁を挿入した状態でスクリーンが天板の奥行き方向に沿って移動可能にすべくベース部にスクリーンを移動可能にする移動手段を備えていることを特徴とする。
また、本発明のスクリーンの他の一つは、天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を設けているものであって、スクリーン本体と、このスクリーン本体を自立可能に支持するベース部とからなるものであり、前記凹部を前記スクリーン本体に設け、前記凹部が、天板と略同じ高さ位置に設けられ、この天板の厚み幅と略同じ開口幅を有したものであることを特徴とする。
【0010】
このようなスクリーンであれば、この凹部を天板に対して差し込んでことで、天板を有する家具に対して取り付けことができ、差し込み方向に沿ったパーテーションとして機能させることができるようになる。そして、凹部を抜き差しすることで、工具など使用することなく簡単に取り付けることができるとともに取り外すことができるようになる。すなわち、必要な場合に取り付けて不必要な場合に取り外すことが簡単に行えるようになる。また、天板を有する家具に対して取り付けていない状態においては、例えばエリアを区切るパーテーションパネルなどに使用することもできるようになる。すなわち、このように多様な使い方ができる使用者にとって有用なスクリーンを提供することができる。
【0011】
また、このようなスクリーンの取り付け対象である天板を有する家具、さらにこの家具を配した空間をも、種々の目的に対応した態様へと、すばやく変更することができるフレキシブルなものとすることができるようになる。例えば、オフィスにおいて、複数のデスクを隣設して構成したデスクエリアにこのスクリーンを使用するようにすれば、各デスク間にスクリーンを配置することで個人ワークに集中しやすい個人ワークエリアを形成することができるようになり、また、このスクリーンを適宜取り外してパーテーションパネルなどとして使用することで、隣接するデスクに着座する者との情報交換や打ち合わせや少人数で行うミニコラボレーション等に使用可能な共同ワークエリアを形成することができるようになる。
【0012】
なお、天板を有する家具とは、オフィスのみならず、学校の教室や食堂、個人宅の食堂や書斎などに配置されたものであり、これらの場所に本発明のスクリーンを使用するば、勿論フレキシブルな空間にすることができるようになる。
【0013】
また、ここでいうスクリーンは、自立性を有さないもの、すなわち起立のための別部材や起立させるための機構によって起立させるようなものを含むものである。
【0014】
また、スクリーン本体と、自立可能に支持するベース部を具備してなるものであって、前記スクリーン本体に天板を有する家具の天板を挿入することができる凹部を設けるようにしたので、凹部を天板に差し込んだ状態でスクリーン自体が自立するため、天板を有する家具に対して、従来のような取付構造を設けることなく、また取り付けのための作業を施すこともなく簡単に取り付けることができる。そして、同様に取り外す場合においても、工具などを必要とせず簡単に取り外せるようになる。このため、レイアウト変更時などにも極めて扱いやすいものとすることができるようになる。そして、このようなものであれば、上述したエリアを区別するパーテーションパネルとして機能させるためには特に有効である。
【0015】
加えて、請求項1記載の発明の構成では、凹部が、少なくとも一方向に開口を有し、この開口からスクリーン本体を切り欠いて形成され、スクリーン本体が前記凹部を有し、前記凹部が天板の奥行き方向に延伸するように前記凹部内に天板の使用縁を挿入した状態でスクリーンが天板の奥行き方向に沿って移動可能にすべくベース部にスクリーンを移動可能にする移動手段を備えているので、工具などを用いることなくこの切欠部を天板に差し込むだけで、サイドパネルとして機能させることができる。
【0016】
一方、請求項2記載の発明の構成では、前記凹部を、天板と略同じ高さ位置に設け、この天板の厚み幅と略同じ開口幅に設けるようにしているので、家具に備えられた天板に対応させることができる。なお、天板の厚み幅とは、天板の上下方向の寸法のことを指す。
【0017】
また、請求項2記載の発明の構成において、天板を有する家具に対する差し込み時や取り外し時などに、スクリーンの移動を簡単に行うためには、脚部に、スクリーンを移動可能にする移動手段を備えていることが望ましい。請求項1及び3記載の発明における移動手段としては、例えばキャスタや車輪などが挙げられる。また、床面に設け摩擦を小さくしたレールに嵌まり合うスライド片などであってもよい。このようなものであれば、さらに、レイアウト変更時などにも非常に便利なものとなる。
【0018】
そして、このようなスクリーン本体の好適な、具体的な態様としては、スクリーン部と、このスクリーン部を保持する保持部とを具備して構成したものが挙げられる。このようなものであれば、スクリーン本体に強度を付与することができ、スクリーン部として布や紙製など柔らかい素材によるものを採用することも可能にする。
【0019】
また、スクリーンを、種々の家具における天板の高さ位置及び天板の厚み幅に対応可能なものとするためには、凹部の高さが変更可能であることが望ましい。具体的には、凹部の少なくとも上端位置を変更可能に構成したものや、保持部を内部が空洞の筒形状のものを重ねて構成した上下動可能なテレスコープ式にのものにして、この保持部のスクリーン部を保持する高さを変えることによって凹部の高さを変更可能にしたものが挙げられる。
【0020】
また、請求項5記載の発明において、スクリーン本体の具体的態様としては、スクリーン部が、板状のものであり、保持部が、このスクリーン部の周囲の少なくとも一部を保持させるようにしたフレームであるものが挙げられる。なお、スクリーン部の素材としては、木製のもの、金属製のもの、ガラス製のものなど種々挙げられるが、アクリル樹脂など樹脂製のようなものであれば、軽くて比較的コストを抑えたスクリーンを提供することが可能となる。一方、フレームの素材も種々挙げられるが、スクリーン部が軽いものなどであれば、剛性を有するフレームによって保持させることで有効に補強することができるようになる。フレームとしては、剛性を有する素材によるものが望ましく、例えばスチール製のものなどが挙げられる。
このようなものにおいて、凹部としては、板状のスクリーン部に対して貫通させた孔のようなものも、挙げられるが、凹部の好適な具体的な態様としては、スクリーンの一方の側縁側に開口を設け、その開口からスクリーン本体を切り欠いて設けたものが挙げられる。
【0021】
また、凹部に強度を与えるようにするためには、フレームの一部を凹部の開口縁部に渡って設けるようにすることが望ましい。すなわち、天板に対して差し込む際に障害物などに対して当たる可能性がある凹部を、有効に保護することができるようになる。
【0022】
また、本発明のスクリーンのさらに他の一つは、天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を設けているものであって、スクリーンが、スクリーン本体と、このスクリーン本体を自立可能に支持するベース部とからなるものであり、前記凹部を前記スクリーン本体に設け、スクリーン本体が、スクリーン部と、このスクリーン部を保持する保持部とを具備してなるとともに、保持部が、支柱とこの支柱の一部から突出させて設けた支持桿とを備えてなり、スクリーン部が、この支持桿に支持され支柱に沿って伸縮可能なものであり、支持桿を、支柱の上端から支持桿を水平に突出させて保持部をL字形状に構成し、保持部の支柱と開口する側の開口から天板に差し込むことができることを特徴とする。
このようなものであれば、スクリーンは、比較的軽いものが多く、このような構成の保持部であっても、充分支持させることができ、従って、L字形状の開口した部分(支柱と対向した部分)を利用して保持部に何ら加工を施すことなく簡単に天板に対して差し込むことができるようになるまた、上述した多様な使い方ができる使用者にとって有用なスクリーンを提供することができる効果、このようなスクリーンの取り付け対象である天板を有する家具、さらにこの家具を配した空間をも、種々の目的に対応した態様へと、すばやく変更することができるフレキシブルなものとすることができるようになる効果、レイアウト変更時などにも極めて扱いやすいものとすることができるようになる効果、及びスクリーン本体に強度を付与することができ、スクリーン部として布や紙製など柔らかい素材によるものを採用することも可能にすることができる効果ももちろん得ることができる。
【0023】
そしてこのような伸縮可能なスクリーン部としては、蛇腹状のものなどがあるが、より簡素な構成とするには、支持桿に対して又はその近傍で選択的に巻き取り可能なロールクリーンを採用することが望ましい。
【0024】
また、このようなものである場合には、前記支持桿を、取り付けようとする家具の天板よりも上方位置に設けるようにする。
【0025】
そして、凹部を、スクリーンの下端部分とベース部の間に形成させるようにすると、極めて簡単に凹部が形成されることとなる。
【0026】
また、このようなものにおいて、このスクリーンを有用なものにするためには、スクリーンを取り外し可能に構成することが望ましい。このようなものであれば、スクリーン部を取り外し、保持部又はベース部に対して、別のオプション物を取り付けるようにして、様々な物として使用すること可能なスクリーンとすることができるようになる。例えば、電灯を取り付けて照明として使用するようにしたもの、マガジンラックを取り付けるようにしたものが挙げられる。また、付属のテーブルなどを傍に配し、オフィスにおいて支店や支社の者が立ち寄りで利用するタッチダウンの場として構成するようにしてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
以下、本発明の一実施形態を、図1から図7を参照して説明する。
【0028】
このスクリーンS1は、天板D2を有する家具たるデスクDの前記天板D2を挿入可能な凹部たる切欠部Kを備えたものである。
【0029】
まず、デスクDから説明すると、このデスクDは、左右の脚体D1に、天板D2を支持させることにより構成されるものである。天板D2は、メラミン化粧板を具備してなるものであり、本実施形態では、図示例のように平面視略矩形をなし、着座位置に対応させて使用縁D2a側から反使用縁D2b側に向けて窪ませた凹所D2cを設けたものとするが、このような凹所D2cが設けられていないものであってもよい。
【0030】
本論に戻って、スクリーンS1は、スクリーン本体11と、このスクリーン本体11を自立可能に支持するベース部12とからなる。
【0031】
スクリーン本体11は、スクリーン部13と、これを保持する保持部たる保持フレーム14とを具備してなるものである。
【0032】
スクリーン部13は、樹脂製の素材によって、天板D2の最大の奥行き寸法と略一致した奥行き寸法と、通常このデスクDに着座した者の頭部が少し出る程度(例えば120センチメートル、図4参照)の高さ寸法とを有する側面視略小判型の板状に成形したものである。なお、この側面視の「側面」としているのは、デスクに取り付けた状態において当該デスクの側面に対応する面を指しており、図3に示した面のことである。すなわち、ここでいうスクリーン部13の奥行き寸法とは、この側面視における左右幅に相当する。また、素材としては、軽くて比較的安価に手に入れることができるアクリル樹脂を使用し、半透明のものを採用している。なお、形状は、本実施形態においては、角を有さない側面視小判型のようにすることで安全性を保持し、また、デザイン的にも優しい印象を与えるものとしているが、このような形状に限らず、その側面視を、矩形状や逆三角形をなすものとしてもよい。
【0033】
保持フレーム14は、前記スクリーン部13の周囲の少なくとも一部を保持するように成形したものである。具体的には、前記スクリーン部3の側面視において、その周囲の下半分の左右どちらか略半分を占める部分を、一定幅に覆うように設けたものである。そして、本実施形態においては、この保持フレーム14の素材としてスチールを用いている。
【0034】
ベース部12は、保持フレーム14の下方に連続して設けられこの保持フレーム14と同素材による支基15と、この支基15の下端から放射状に延ばした脚羽根を備えた脚部16とを具備してなり、さらに、この脚羽根61の各下端に移動手段たるキャスタC1を備えたものである。支基15は、角柱状や円柱状などに形成させたものである。なお、スクリーン本体11の高さを調整することで切欠部Kの高さを変更可能にするために、このベース部12と前記保持フレーム14とを別体に設けておいて、保持フレーム14の下端から鉛直下方に延出する柱状の接続部分を設けるとともに、前記支柱15と、前記接続部分とを、どちらか一方を他方に対して上下動可能に挿入したテレスコープ式に構成しておくとよい。このようなものに構成すれば、種々の高さの天板D2に対して差し込むことができるようになる。さらに、このスクリーンS1を、設置場所に対応しやすいように、この支基15を脚部16に対して回転可能なものとしておくと望ましい。
【0035】
そして、本実施形態における凹部たる切欠部Kは、一方向に開口を有し、その開口からスクリーン本体11を切り欠いて設けたものである。具体的には、開口を保持フレーム部14の側面視において左右端のどちらかに位置するように設けて、その開口から奥行き方向に沿って設けられたものである。さらに、この切欠部Kは、デスクDの天板D2と略同じ高さ位置に設けられ、天板D2の厚み幅と、略同じ開口幅を有している。また、この切欠部Kを、スクリーンS1の奥行き方向に沿って略中央位置まで設けて、このスクリーンS1とほぼ同じ奥行き寸法を有する天板D2に対して最も奥まで挿入した場合に、ちょうど天板D2の奥行き寸法に対応できるようにしている。さらに、本実施の形態においては、この切欠部Kの開口縁部Kaに渡って、前記保持フレーム14の一部を設けるようにしている。
【0036】
次に、本実施の形態のスクリーンS1を使用する場合について説明する。
【0037】
まず、キャスタC1によって天板D2の奥行き方向にそって移動させて、切欠部K内にデスクDの天板D2を挿入するようにして差し込み、デスクD間を区切るためのサイドパネルとして使用する。この際、スクリーンS1を、図4に示すように、着座者Pを隠蔽するように天板D2より少し手前側に位置するようにしてもよいし、天板D2の使用縁D2aから反使用縁D2cに渡った領域を、隠蔽するように奥方に配置してもよく、適宜の位置に配置させて使用する。そして、隣接する者と情報交換などしたい場合や、スクリーンS1を必要としない場合には、このスクリーンS2を移動して取り外すようにすればよい。
【0038】
また、デスクDに差し込んだ状態のスクリーンS1を、今度はエリアを区切るパーテーションパネルとして使用したい場合には、キャスタC1によって移動させることでデスクから外して、所望位置まで移動させてそのまま使用する。
【0039】
そして、オフィスにおける図5、6に示したようなデスクDを複数並列させたデスクエリアDAに、本実施形態のスクリーンS1を複数配置させるような場合においては、例えば以下のように使用する。
【0040】
まず、デスクエリアDAを、各個人を個人ワークに専念させるような態様としたい場合には、図5に示したように、個人ワークエリア(図中W1)を作るべくスクリーンS1を各個人それぞれのデスクDの間に位置するように配置する。さらに、このデスクエリアDAを他のエリアから区別するためや、さらに集中度を向上させるために、これらデスクエリアDAの後位置などにもパーテーションパネルとして配置してもよい。
【0041】
また、このデスクエリアDAを、利用して打ち合わせやミニコラボレーションを行えるような態様としたい場合には、各デスクD間を仕切るように配置させたスクリーンS1を、図6に示したように必要位置にのみ配置させるように取り外して、例えば2つのデスクDを使用して、2、3人による打ち合わせやミニコラボレーションなどを行う共同エリア(図中W2)を作り出す。そして、周囲とある程度隔離することで、このような打ち合わせやコラボレーションを行いやすくするために、デスクエリアDAの後位置には、取り外したスクリーンS1や別場所に保管していたスクリーンS1などを配置させる。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態におけるスクリーンS1は、デスクDの天板D2を挿入可能な凹部たる切欠部Kを設けたので、工具などを用いることなくこの切欠部Kを天板D2に差し込むだけで、デスクD2間のサイドパネルとして機能させることができる。また、当該スクリーンS1が不必要な場合や無い方が望ましい場合にも同様に、工具などを用いることなく簡単に取り外すことができる。
【0043】
しかも、ベース部12に移動手段たるキャスタC1を取り付けたので、スクリーンS1の移動を簡単にし、デスクDに対する取り付け作業及び取り外し作業を極めて簡単化することができる。
【0044】
また、アクリル樹脂製のスクリーン部13の周囲の一部(略4分の1部分)を、保持フレーム14によって保持させたので、このスクリーンS1を補強することができる。しかも、この保持フレーム14をスチール製としているので、有効に強度を与えることができる上、比較的安価で手に入るためコストを抑えることも期待できる。
【0045】
また、この保持フレーム14の一部を切欠部Kの開口縁部Kaに渡って設けているので、天板D2に対して差し込む際に障害物などに対して当たる可能性があるこの切欠部Kを、有効に保護することができる。
【0046】
本実施形態の各部の具体的構成については、上記実施形態に限られるものではなく、特に、スクリーン部11の形状は、パーテンション機能を有するような形状であれば適宜のものであってよい。また、その他、ベース部12に、キャスタC1のような移動手段を具備しないようなものであってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0047】
<第2実施形態>
次に、本発明の別の実施形態を、図7から図13を参照して説明する。
【0048】
このスクリーンS2は、上記第1実施形態において説明したデスクDの天板D2を挿入可能な凹部Oを備えたものである。
【0049】
このデスクDは、第1実施形態において説明したものと同じ構造を有するものであるので、ここでは説明を省略する。なお、図中においても、第1実施形態におけるデスクDの各部構成に用いた符号をそのまま使用している。
【0050】
スクリーンS2は、スクリーン本体21と、このスクリーン本体21を自立可能に支持するベース部22とからなる。
【0051】
スクリーン本体21は、スクリーン部たるロールスクリーン23と、これを保持する保持体たる保持フレーム24とを具備してなるものである。
【0052】
先に保持フレーム24から説明すると、この保持フレーム24は、例えばスチールなどを素材とした支柱241とこの支柱の一部から突出させて設けた支持桿たる水平桿242とを備えてなるものである。支柱241は、ベース部22の中央から差し込み方向に偏位させた場所より起立させたもので、本実施形態においては、1本のものである。水平桿は、前記支柱の上端から、水平方向に突出させたもので、この水平桿242と、支柱241とによってL字形状を形成しているものである。この水平桿242は、その長手方向の長さ寸方を、天板D2の奥行き寸法で最も長い天板D2の両端部分の奥行き寸法と略一致かまたは若干大きく設定している。なお、この保持フレーム24は、図示例では、角柱状のものであるが、円柱状のものなどであっても構わない。
【0053】
ロールスクリーン23は、前記水平桿242に支持され、この近傍で選択的に巻き取り可能なものである。具体的には、布など曲げ折り可能な柔軟な素材によって、L字形状をなす前記支柱241と水平桿242とよって囲まれる内部空間を略覆うような略矩形状を成すように成形されたもので、水平桿242に備えた図示しない適宜の取付手段によって取り付けられ、支柱241に沿って伸縮するようになっている。なお、このロールスクリーン23を、前記水平桿242に対して、直接巻き取るように構成したものであってもよい。
【0054】
ベース部22は、スチール製のベース板25と、その下端に設けられた移動手段たるキャスタC2とを備えたものである。ベース板25は、少なくとも前記スクリーン本体21を支持させることが可能な大きさ有した板状のもので、図示例においては平面視略楕円形状をなすものである。
【0055】
しかして、本実施の形態においては、前記水平桿242を少なくとも天板Dより上方位置となるように設定して、デスクDの天板D2を挿入可能な凹部Oが、前記ロールスクリーン23を巻き取った場合においてこのロールスクリーン23の下端23aとベース部24との間の空間部分に形成されるようにしている。そして、天板Dに差し込む際には、上記L字形状をなす保持フレームの支柱と対向する側の開口した部分から、差し込んでいくようにしている。
【0056】
次に、本実施の形態のスクリーンS2を使用する場合について説明する。
【0057】
まず、デスクD間を区切るためのサイドパネルとして使用する場合には、ロールスクリーン23を取り付けた状態で、このロールスクリーン23を巻き取っていき、その下端23aがデスクDの天板D2より上方位置に配置されるようにする。そして、キャスタC2によってスクリーンS2移動させて、L字形状をなす保持フレーム24の開口した部分から、凹部Oを形成するローススクリーン23の下端23aとベース部22との間の空間部分に対してデスクDの天板D2に差し込んでいく。この際、必要に応じて支柱241の高さ調整をするようにする。そして、隣接する者と情報交換などしたい場合や、スクリーンS2を必要としない場合には、このスクリーンS2を移動させたり、ロールスクリーン23を巻き取るなどするようにすればよい。
【0058】
また、デスクDに差し込んだ状態のスクリーンS2を、今度はエリアを区切るパーテーションパネルとして使用したい場合には、まず、キャスタC2によって移動させることで、デスクDから離す。そして、所定高さ位置に巻き取った状態にしていたロールスクリーン23を、引っ張って適宜の長さとなるようにする。
【0059】
さらに、本実施の形態においては、ロールスクリーン23を取り外して種々オプション物を取り付けて別の機能を有する様なものに構成して使用するようにしている。
【0060】
例えば、図9に示したように蛍光灯FLなどの電灯を取り付けて照明として機能するように構成する。(以下この仕様態様を、B態様とする)
また、図10に示したように、ロールスクリーン23を取り外して、このロールスクリーン23の半分程度の幅を有するロールスクリーン23’を水平支柱241と離反する側に付け替え、空いたスペースに支柱241を利用して雑誌などを差し込み可能なラックケースRCを複数取り付けて、マガジンラックとして機能するように構成する。(以下この仕様態様を、C態様とする)
さらに、図11に示したように、別体の簡易テーブルTなどを傍らに配置して、支店や支社の人が立ち寄れるいわゆる「タッチダウン」として機能するスペースを作り出すものとして構成する。この場合、例えば、図示例のようにタッチダウンスペースであることを周囲の者に知らしめるライトLなどを取り付けておくと望ましい。(以下この仕様態様を、D態様とする)
そして、オフィスにおいて、図12、図13に示したようなデスクDを並列させたデスクエリアDAに、本実施形態のスクリーンS2を複数配置させるような場合においては、例えば以下のように使用する。
【0061】
まず、デスクエリアを、各個人を個人ワークに専念させるような態様としたい場合には、図12に示したように、個人ワークエリア(図中W1’)を作るべくスクリーンS2を各個人それぞれのデスクDの間に位置するように配置する。この際、図示例のように、所定箇所に手元を照らす照明として機能させる上記B態様に構成したスクリーンを配置するようにしてもよい。一方、ロールスクリーン23を下ろした状態のスクリーンS2を、このデスクエリアDAを他のエリアから区別するために又は個人ワークへの集中度をさらに向上させるために、これらデスクエリアDAの後位置などにも配置する。
【0062】
また、このデスクエリアDAを、利用して打ち合わせやミニコラボレーションを行えるような態様としたい場合には、図13に示したように、各個人間を仕切るように配置させたスクリーンS2を、必要位置にのみ配置させるようにして、例えば2つのデスクを使用して、2、3人による打ち合わせやミニコラボレーションなどを行う共同エリアを作り出す(図中W2’)。そして、周囲とある程度隔離することで、このような打ち合わせやコラボレーションを行いやすくするために、デスクエリアの後位置には、取り外したスクリーンや別場所に保管していたスクリーンS2をロールスクリーンを下ろした状態にして配置させる。その他、取り外したスクリーンや別場所に保管していたスクリーンなどを、マガジンラックとして機能する上述したC態様やタッチダウンスペース用のD態様に構成した上で、それらを適宜場所に配置させる。
【0063】
以上詳述したように、本実施形態におけるスクリーンS2は、デスクDの天板D2を挿入可能な凹部Oが形成されるように構成したので、工具などを用いることなく当該凹部Oに天板D2を挿入するように差し込むだけで、デスクD間のサイドパネルとして機能させることができる。また、当該スクリーンS2が不必要な場合や無い方が望ましい場合にも同様に、工具などを用いることなく簡単に取り去ることができる。
【0064】
しかも、ベース部に移動手段たるキャスタを取り付けたので、デスクに対する取り付け及び取り外しを極めて簡単化することができる。
【0065】
また、ロールスクリーン23を保持させる保持部たる保持フレーム24を、支柱241と、この支柱241の上端から突出する水平桿242とによってL字形状をなすように構成したので、保持フレーム24に天板D2を差し込むための加工を施すことなく、このL字形状の開口した部分(支柱241と対向する部分)から簡単に天板D2に対して差し込むことができる。
【0066】
スクリーン本体21を、ロールスクリーン23を用いて構成したので、このロールスクリーン23の下端23aとベース部24との間に、天板D2を挿入するための凹部Oを簡単に形成することができる。さらに、ロールスクリーン23を巻き取ることで、スクリーンS2を配置させたままパーテーションとしての機能を除外することができる。また、微妙な長さ調整も可能である。さらに、ロールスクリーン23の巻き取りを調整することで凹部Oの上端位置を簡単に変更することができるため、天板の高さ位値や厚み幅が異なる家具に対しても、好適に対応させることができる。
【0067】
また、ロールスクリーン23を取り外し可能なものにしたので、これを取り外し種々のオプション物を付け替えるようにすることで、上述した照明、マガジンラック、タッチダウン用スペースなど、オフィスにとって必要な多種多様なものに構成することができ、さらに、これらを複数組み合わせることによって、オフィスにおけるデスクエリアDAを目的に応じて変化する極めてフレキシブルなものとすることができる。
【0068】
本実施形態は、以上説明したものに限られない。
【0069】
例えば、ロールスクリーン23を、紫外線や可視光線を吸収するような樹脂製の素材を保ちして構成し、ブラインドとしての有効な機能を持たせてたものとしてもよい。
【0070】
また、スクリーン部としては、蛇腹状の伸縮可能なスクリーンを採用しても良い。
【0071】
また、ベース部を構成するベース板25としては、その形状を本実施形態のような平板状のものに限らず物置として機能するような形状にするなど、別機能を付与させるようなものであってもよい。
【0072】
また、保持フレーム24の形状も、上述したようなL字形状のものに限らず、さらに水平桿242の他方の縁部側にも支柱を設けて、コ字形状をなすように形成したようなものであってもよい。
【0073】
また、本発明は上記第1実施形態、第2実施形態に限られるものではない。例えば、天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を有し、ベース部を備えず凹部を天板に対して差し込み、その凹部の面を天板に当てることによって、起立させて使用するようなスクリーンものであってもよい。また、このスクリーンを起立させるための別部材によって天板に立て掛けるようにしたようなものでもよい。
【0074】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0076】
すなわち、本発明のスクリーンは、凹部を天板に対して差し込むことで、天板を有する家具に対して取り付けて、差し込み方向に沿ったパーテーションとして機能させることができる。そして、凹部を抜き差しすることで、工具などを使用することなくまた家具に対して取り付けのための加工を施すことなく、簡単に取り付け及び取り外すこともできる。すなわち、必要な場合に取り付けて不必要な場合に取り外すことが簡単に行うことができる。また、天板を有する家具に対して取り付けていない状態においても使用可能なものとして構成することもでき、多様な使い方ができる。
【0077】
さらに、このようなスクリーンの使用対象となる天板を有する家具及びこの家具を配した空間をも、種々の使用態様に応じたフレキシブルなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の使用状態を示す全体図。
【図2】同実施形態を示す全体斜視図。
【図3】図2における側面図。
【図4】同実施形態を示す説明図。
【図5】同実施形態をの使用例を示す図。
【図6】同実施形態の別の使用例を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態の使用状態を示す全体図。
【図8】同実施形態を示す全体斜視図。
【図9】同変形例を示す斜視図。
【図10】同別の変形例を示す斜視図。
【図11】同別の変形例を示す斜視図。
【図12】同実施形態の使用例を示す図。
【図13】同実施形態の使用例を示す図。
【符号の説明】
11・・・スクリーン本体
12・・・ベース部
13・・・スクリーン部
14・・・フレーム(保持フレーム)
C1・・・キャスタ
K・・・凹部(切欠部)
21・・・スクリーン本体
22・・・ベース(ベース部)
23・・・スクリーン部(ロールスクリーン)
23a・・・下端
24・・・フレーム(保持フレーム)
241・・・支柱
242・・・水平桿
C2・・・キャスタ
O・・・凹部
Claims (13)
- 天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を設けているものであって、
スクリーン本体と、このスクリーン本体を自立可能に支持するベース部とからなるものであり、前記凹部を前記スクリーン本体に設け、
前記凹部が、少なくとも一方向に開口を有し、この開口からスクリーン本体を切り欠いて設けられ、
前記凹部が天板の奥行き方向に延伸するように前記凹部内に天板の使用縁を挿入した状態でスクリーンが天板の奥行き方向に沿って移動可能にすべくベース部にスクリーンを移動可能にする移動手段を備えていることを特徴とするスクリーン。 - 天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を設けているものであって、
スクリーン本体と、このスクリーン本体を自立可能に支持するベース部とからなるものであり、前記凹部を前記スクリーン本体に設け、
前記凹部が、天板と略同じ高さ位置に設けられ、この天板の厚み幅と略同じ開口幅を有したものであることを特徴とするスクリーン。 - ベース部に、スクリーンを移動可能にする移動手段を備えている請求項2記載のスクリーン。
- 凹部の高さを変更可能に構成した請求項1、2又は3記載のスクリーン。
- スクリーン本体が、スクリーン部と、このスクリーン部を保持する保持部とを具備してなる請求項1、2、3又は4記載のスクリーン。
- スクリーン部が、板状のものであり、保持部が、このスクリーン部の周囲の少なくとも一部を保持するフレームである請求項5記載のスクリーン。
- 凹部が、少なくとも一方向に開口を有し、この開口からスクリーン部を切り欠いて形成されたものである請求項6記載のスクリーン。
- フレームの一部を、凹部の開口縁部に渡って設けている請求項6又は7記載のスクリーン。
- 天板を有する家具の天板を挿入可能な凹部を設けているものであって、
スクリーン本体と、このスクリーン本体を自立可能に支持するベース部とからなるものであり、前記凹部を前記スクリーン本体に設け、
スクリーン本体が、スクリーン部と、このスクリーン部を保持する保持部とを具備してなるとともに、
保持部が、支柱とこの支柱の一部から突出させて設けた支持桿とを備えてなり、スクリーン部が、この支持桿に支持され支柱に沿って伸縮可能なものであり、
支持桿を、支柱の上端から支持桿を水平に突出させて保持部をL字形状に構成し、
保持部の支柱と対向する側の開口した部分から天板に差し込むことができることを特徴とするスクリーン。 - スクリーン部が、支持桿に対して又はその近傍で選択的に巻き取り可能なロールスクリーンである請求項9記載のスクリーン。
- 支持桿を、天板より上方位置に設けた請求項9又は10記載のスクリーン。
- 凹部が、スクリーン部の下端とベース部の間に形成されるものである請求項9、10又は11記載のスクリーン。
- スクリーン部が、取り外し可能なものである請求項9、10、11又は12記載のスクリーン。
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