JP2004261471A - 作業環境構成什器 - Google Patents

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JP2004261471A JP2003056447A JP2003056447A JP2004261471A JP 2004261471 A JP2004261471 A JP 2004261471A JP 2003056447 A JP2003056447 A JP 2003056447A JP 2003056447 A JP2003056447 A JP 2003056447A JP 2004261471 A JP2004261471 A JP 2004261471A
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Takeshi Teraguchi
豪 寺口
Chikashi Yukimori
史 幸森
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Kokuyo Co Ltd
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Abstract

【課題】オフィス業務に代表される種々の作業を行うための環境を、家庭等の必ずしも作業専用でない空間内に一時的に構成できるようにする。
【課題を解決するための手段】所定の家具機能を具現する家具要素1と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位可能であるように前記家具要素1に支持させた少なくとも一の遮蔽部材2とを具備してなり、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器Cを構築した。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭等、同居人と共に在る生活空間において、必要に応じて一時的な作業環境を構成するために利用可能な什器に関する。
【0002】
【従来の技術】
恒常的なオフィス空間において、ワーカーの作業効率を高める好適な環境を構成できるような、オフィス向けの家具製品が種々開発されている(例えば、下記特許文献を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−345563号公報
【特許文献2】特開2002−248029号公報
【特許文献3】特開2002−199948号公報
【特許文献4】特開2001−340141号公報
【特許文献5】特開2000−102430号公報
【特許文献6】特開2000−001976号公報
【特許文献7】特開平11−127985号公報
【特許文献8】特開平09−299167号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、情報通信関連技術の発達や雇用形態の変化等に伴い、家庭等のオフィス業務を行うための専用空間でない場所で作業を行うワーカーが増えつつある。しかしながら、家庭はくつろぎ、また生活を営むための場であるため、ワーカーの視点に立った環境が整備されてはいない。加えて、家族その他の同居人の存在が、作業効率の維持や機密性の担保の妨げとなることがある。
【0005】
このような事情に対し、現状では、例えば書斎等の自分専用の個室を用意しその中で作業を行うことによってのみ対処可能である。だがそれは、家族の構成人数が多い場合や、アパート等の集合住宅に居住している場合には望めないことである。
【0006】
また、通常のオフィスで使用される各種什器は一物品一機能のものがほとんどで、その占有スペースは大きい。ところが、家庭等はオフィスと比較して一般的に狭小である。従って、家庭等で作業を行うべくオフィス向けの什器を家庭等に導入しようとすると、スペースの欠乏を招来する。
【0007】
以上の問題に鑑みて、本発明は、オフィス業務に代表される種々の作業を行うための環境を、家庭等の必ずしも作業専用でない空間内に一時的に構成できるようにすることを目的とし、そのために好適に利用可能な什器を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決すべく、本発明では、所定の家具機能を具現する家具要素と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置と前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置との間で変位可能であるように前記家具要素に支持させた少なくとも一の遮蔽部材とを具備してなり、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器を構築した。
【0009】
このようなものであれば、ワーカーが作業を行うときには遮蔽部材を遮蔽位置に展開して家族その他の同居人の干渉を緩和若しくは防止して作業効率の維持や機密性の担保に貢献し、ワーカーが作業を行わないときには遮蔽部材を待避位置に待避させてワーカーと家族その他の同居人とのコミュニケーションを回復できる。その上で、家具要素による所定の家具機能を提供して、その空間の本来の役割である生活空間を構成する要素としても働く。該作業環境構成什器を利用するならば、家庭等の生活空間に作業空間を持ち込むこと、あるいは作業空間に生活空間を持ち込むことが可能となる。
【0010】
前記作業環境構成什器をより簡便なものとするには、前記遮蔽部材を、前記家具要素の外面に略沿ってスライド可能であるように支持させることが好ましい。
【0011】
前記家具要素は、例えば、前記作業者が着座可能な座及び背もたれを有し椅子としての機能を具現するものとする。
【0012】
前記遮蔽部材が、前記遮蔽位置にあって、前記座に着座している前記作業者の後方からの前記他者の視線を遮蔽し得るものであれば、作業者が着座して好適に作業を行うことができる。
【0013】
より簡便なものとするには、前記遮蔽部材を、前記背もたれに略沿って上下動可能であるように該背もたれに支持させることが好ましい。
【0014】
前記座の下に物品を収納可能な棚を設けてあれば、作業に使用する書類、資料や文具等を収納できワーカーにとって便利となる。
【0015】
加えて、座及びこの座の下に設けた物品を収納可能な棚を有するオットマンを付帯させてもよく、この場合には、ワーカーが作業に使用する書類等の収納庫として、かつ非作業時にくつろぐための家具として機能するものとなる。なお、オットマンとは、足のせ台、または背もたれのない椅子のことを言う。
【0016】
また、前記家具要素は、例えば、物品を収納可能な棚としての機能を具現するものとする。
【0017】
前記遮蔽部材が、前記遮蔽位置にあって、前記家具要素の上方を通過して前記作業者の方に向かう前記他者の視線を遮蔽し得るものであれば、家具要素及び遮蔽部材が一体の衝立として機能し、良好な作業環境の実現に資する。
【0018】
より簡便なものとするには、前記遮蔽部材を、前記家具要素の本体に略沿って上下動可能であるように該本体の後面側に支持させることが好ましい。
【0019】
前記家具要素の本体の高さ寸法を、着座した人の目線の高さに略匹敵する寸法に設定するとともに、前記遮蔽位置の高さ位置を、起立した人の目線の高さに略匹敵する位置に設定してあれば、椅子等に着座して作業を行うワーカーにとって好適な作業環境を構成すると同時に、該ワーカーにとって使い勝手のよい収納家具にもなる。
【0020】
また、前記家具要素は、例えば、室内を仕切るパーティションとしての機能を具現するものとし、あるいは、その本体に支持させた天板を有し天板付家具としての機能を具現するものとする。
【0021】
室内の隅角部を作業空間に設定することが、空間を有効に利用する一つの方法である。そのために、前記遮蔽部材が、前記遮蔽位置にあって、前記家具要素とともに、室内の隅角部を前記作業者が作業を行うための作業空間として区画し得るものであることが望ましい。
【0022】
さらに、前記遮蔽部材を前記遮蔽位置としたとき、遮蔽部材及び前記家具要素が平面視略弧状をなすものであれば、作業者にとってゆとりのある使い易い作業空間を確保できる。
【0023】
加えて、ワーカーが能率的に作業を行うためには、書類、資料や文具等の置き場所を提供する棚が必須であると考えられる。よって、前記家具要素に、物品を載置可能な棚板を設けることが好ましい。このときの作業環境構成什器は一物品多機能のものとなり、通常のオフィス向けの什器と比較してスペース消費効率が高まる。即ち、家庭等において省スペースを図りながら作業空間を構成可能となる。
【0024】
なお、前記遮蔽部材は、該遮蔽部材越しに人の存在の有無を視認し得る半透明なものであることが好ましい。
【0025】
前記家具要素を移動可能に支持するキャスターを該家具要素に設けているならば、移動可能な家具として便利であるだけでなく、ワーカーが作業の際に使用する空間領域を家族その他の同居人の生活時間や生活習慣等に対応してフレキシブルに変更することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1ないし図6に、本発明の一実施形態に係る作業環境構成什器Cを示す。このものは、椅子あるいはソファーとしての機能を具現する家具要素1に、該家具要素1に着座した作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽するための遮蔽部材2を変位可能であるように支持させたものである。
【0027】
家具要素1は、作業者が着座可能な座11及び背もたれ12を少なくとも有する。図示例では、左右一対の側板13の対向面間に座11及び背もたれ12を支持させてある。一対の側板13は、該家具要素1の後面側で連接した一体のものとなっており、その下端部にキャスター14を取り付けてある。これらキャスター14により、家具要素1が移動可能となる。側板13の上端面は、アームレストとして利用可能である。因みに、少なくとも一方(例えば、着座した人から見て右側)の側板13上に、テーブル15を取り付け可能としておくことも好ましい。図示例では、側板13上の前方部位、ちょうど着座した人の手に近接する位置に取り付けてある。作業者は、作業時に使用する書類やパーソナルコンピュータのポインティングデバイス等を、このテーブル15の天板に載せて使用することができる。
【0028】
遮蔽部材2は、家具要素1の外面に略沿ってスライド可能であるように該家具要素1に支持させてあり、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位するものである。より具体的に述べると、遮蔽部材2は、背もたれ12の後面の形状に略対応する形状に成形した後板部21と、該後板部21の側方を湾曲若しくは屈曲させ前方に延伸させた側板部22とを具備する。側板部22は、その上方部位がより長大に伸び出ている。遮蔽部材2は、該遮蔽部材2越しに人の存在の有無を視認し得る半透明なものとしてもよい。
【0029】
そして、遮蔽部材2を、後板部21及び側板部22がそれぞれ背もたれ12の後面、側面と重なりその上端が背もたれ12の上端と略同一高さ位置ないしそれよりも低位置にあるような待避位置Oと、この待避位置Oより上方に変位してその上端が背もたれ12の上端よりも高位置にあるような遮蔽位置Sとの間で、背もたれ12に略沿って上下動可能であるように該背もたれ12に支持させてある。例えば、背もたれ12の外面より遮蔽部材2側に突出するピン121を、遮蔽部材2に切り欠いた上下方向に延伸する溝23に係合させることにより、遮蔽部材2を上下方向に変位可能とすることができる。遮蔽位置Sに位置づけた遮蔽部材2は、家具要素1の座11に着座している作業者の後方から該作業者に向かう他者の視線を遮蔽し得るものとなる。即ち、遮蔽位置Sにあるとき、遮蔽部材2の上端はちょうど着座した作業者の頭頂部の高さに略匹敵する高さ位置に存在し、後板部21が真後ろからの視線を、側板部22が斜め後ろからの視線を遮蔽して、簡易に作業者のプライバシーを防護することが可能となる。この結果、作業者は自身が行うべき作業に集中することができるようになる。逆に、遮蔽部材2を待避位置Oまで下降させると、他者の視線の遮蔽が解除される。つまり、作業者と共に生活する家族その他の同居人とのコミュニケーションが回復される。
【0030】
加えて、家具要素1の座11の下に、物品を収納可能な棚16を設けておくことも好ましい。図示例では、上下に配列した複数段の棚板161を座11の下方領域に設置しており、これら棚板161の上に物品を載置して収納することが可能である。これを利用すれば、例えば、普段より使用する文具や情報処理端末等を予め収納しておいたり、作業を休止する際にそれまでの作業で使用していた書類等を収納したりすることができる。
【0031】
さらに、図6に示すようなオットマン3を付帯させて用いるものとしてもよい。オットマン3は、前記家具要素1の座11と同程度の高さ位置に設けた座31と、座31の下に設けた物品を収納可能な棚32とを有する。図示例では、上下に配列した複数段の棚板321を座31の下方領域に設置しており、これら棚板321の上に物品を載置して収納することが可能である。かつ、このオットマン3は、移動可能であるようにキャスター33に支持させてある。よって、作業者が足をのせてくつろぐことができるだけでなく、書類、資料、文具等の物品を運搬するためにも利用できる。
【0032】
本実施形態によれば、所定の家具機能を具現する家具要素1と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位可能であるように前記家具要素1に支持させた少なくとも一の遮蔽部材2とを具備してなり、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器Cを構築したため、ワーカーが作業を行うときには遮蔽部材2を遮蔽位置Sに展開して家族その他の同居人の干渉を緩和若しくは防止して作業効率の維持や機密性の担保に貢献し、ワーカーが作業を行わないときには遮蔽部材2を待避位置Oに待避させてワーカーと家族その他の同居人とのコミュニケーションを回復できる。本実施形態の作業環境構成什器Cは、作業者のプライバシーまたは機密を簡易に防護できるものであり、家庭等において作業に従事する延べ時間が比較的短い場合、作業の機密性がそれほど高くない場合や、家族その他の同居人とのコミュニケーションを重視する場合等に特に有効である。
【0033】
前記遮蔽部材2を、前記家具要素1の外面に略沿ってスライド可能であるように支持させているため、作業環境構成什器Cの構造が簡単なものとなり、使い勝手がよく、また製造コストを徒に高騰させることがない。
【0034】
前記家具要素1が、前記作業者が着座可能な座11及び背もたれ12を有し椅子としての機能を具現するものであるため、作業者が着座して所要の作業を行うことができ、かつ作業を行っていないときには通常の椅子として用いることができる。
【0035】
前記遮蔽部材2が、前記遮蔽位置Sにあって、前記座11に着座している前記作業者の後方からの前記他者の視線を遮蔽し得るものであるため、着座している作業者が後方から覗き見されるようなことを気にしなくともよい、好適な作業環境を構成できる。
【0036】
前記遮蔽部材2を、前記背もたれ12に略沿って上下動可能であるように該背もたれ12に支持させてあるため、より簡便なものとなっている。
【0037】
前記座11の下に物品を収納可能な棚16を設けてあるため、作業に使用する書類、資料や文具等を収納できワーカーにとって便利となる。
【0038】
前記家具要素1に物品を載置可能な棚板161を設けているため、ワーカーが能率的に作業を行うために必須な書類、資料や文具等の置き場所を提供することができる。このときの作業環境構成什器Cは一物品多機能のものとなり、通常のオフィス向けの什器と比較してスペース消費効率が高まる。即ち、家庭等において省スペースを図りながら作業空間を構成可能となる。
【0039】
加えて、座31及びこの座31の下に設けた物品を収納可能な棚32を有するオットマン3を付帯させており、ワーカーが作業に使用する書類等の収納庫として、かつ非作業時にくつろぐための家具としても機能し得る。
【0040】
前記家具要素1を移動可能に支持するキャスター14を該家具要素1に設けているため、移動可能な家具として便利であるだけでなく、ワーカーが作業の際に使用する空間領域をフレキシブルに変更可能である。
【0041】
<第2実施形態>図7ないし図10に、本発明の一実施形態に係る作業環境構成什器Rを示す。このものは、物品を収納可能な棚としての機能を具現する家具要素4に、該家具要素4の上方を通過して作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽するための遮蔽部材5を変位可能であるように支持させたものである。
【0042】
家具要素4は、一枚若しくは複数枚の棚板42を本体41に支持させてなるものである。図示例では、本体41が、左右一対の側板411並びにこれら両側板411の上下端に架け渡した横架板412が前後に開口する枠体状をなしており、その側板411の対向面間に上下に配列した複数の棚板42を支持させている。本体41の下面には、キャスター43を取り付けてある。これらキャスター43により、家具要素4が移動可能となる。また、棚板42の前端が、本体41の前端よりも前方に突き出ている。本実施形態では、該家具要素4の高さ寸法を、椅子等に着座した人の目線の高さに略匹敵する寸法に設定する。そうすることで、着座して作業を行う作業者が着座したままで物品を出し入れでき、同時に該作業者にとって衝立としても機能するため、良好な作業環境を構成可能なものとなる。
【0043】
遮蔽部材5は、家具要素4の外面に略沿ってスライド可能であるように該家具要素4に支持させてあり、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位するものである。より具体的に述べると、遮蔽部材5は、家具要素4の後面視外形に略対応する矩形状に成形した薄板体である。遮蔽部材5は、該遮蔽部材5越しに人の存在の有無を視認し得る程度に半透明なものであることが好ましい。
【0044】
そして、遮蔽部材5を、家具要素4の後面と重なりその上端が家具要素4の上端と略同一高さ位置ないしそれよりも低位置にあるような待避位置Oと、この待避位置Oより上方に変位してその上端が家具要素4の上端よりも高位置にあるような遮蔽位置Sとの間で、家具要素4の後面側に略沿って上下動可能であるように該家具要素4に支持させてある。例えば、家具要素4の後面の両側端部に、互いに対向する方向に開口している図示しない溝を設け、これらの溝に遮蔽部材5の両側縁を係合させることにより、遮蔽部材5を上下方向に変位可能とすることができる。遮蔽位置Sに位置づけた遮蔽部材5は、家具要素4の上方を通過して作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽し得るものとなる。即ち、遮蔽位置Sにあるとき、後面視家具要素4の上端よりも上方に飛び出している遮蔽部材5の上方部位がちょうど起立した人の目線に立ち塞がるような高さ位置に存在し、家具要素4(あるいは、作業環境構成什器R)の向こう側にいる他者の視線を遮蔽して作業者のプライバシーを防護することが可能となる。この結果、作業者は自身が行うべき作業に集中することができるようになる。逆に、遮蔽部材5を待避位置Oまで下降させると、他者の視線の遮蔽が解除される。つまり、家具要素4の向こう側にいる家族その他の同居人と、家具要素4のこちら側にいる作業者とのコミュニケーションが回復される。
【0045】
本実施形態によれば、所定の家具機能を具現する家具要素4と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位可能であるように前記家具要素4に支持させた少なくとも一の遮蔽部材5とを具備してなり、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器Rを構築したため、ワーカーが作業を行うときには遮蔽部材5を遮蔽位置Sに展開して家族その他の同居人の干渉を緩和若しくは防止して作業効率の維持や機密性の担保に貢献し、ワーカーが作業を行わないときには遮蔽部材5を待避位置Oに待避させてワーカーと家族その他の同居人とのコミュニケーションを回復できる。本実施形態の作業環境構成什器Rは、上記第1実施形態における作業環境構成什器Cと比較してより高度に作業者のプライバシーまたは機密を防護できるものであり、家庭等において作業に従事する延べ時間がある程度長い場合や、家族その他の同居人の目を気にすることなく集中して、あるいはリラックスして作業を行いたい場合等に特に有効である。さらに、作業を行うための空間領域の周囲に本実施形態の作業環境構成什器Rを複数配置してパーティションのように用いてもよく、このときには独占的な作業空間を確保可能となる。勿論、非作業時には作業環境構成什器Rを適宜に移動させ、専有していた作業空間を解放して生活空間に還元することができる。
【0046】
前記遮蔽部材5を、前記家具要素4の外面に略沿ってスライド可能であるように支持させているため、作業環境構成什器Rの構造が簡単なものとなり、使い勝手がよく、また製造コストを徒に高騰させることがない。
【0047】
前記家具要素4が、物品を収納可能な棚としての機能を具現するものであるため、作業者が作業の際に必要とする各種物品を納めることができ、かつ作業を行っていないときにも通常の棚として用いることができる。
【0048】
前記家具要素4に物品を載置可能な棚板42を設けているため、ワーカーが能率的に作業を行うために必須な書類、資料や文具等の置き場所を提供することができる。このときの作業環境構成什器Rは一物品多機能のものとなり、通常のオフィス向けの什器と比較してスペース消費効率が高まる。即ち、家庭等において省スペースを図りながら作業空間を構成可能となる。
【0049】
前記遮蔽部材5が、前記遮蔽位置Sにあって、前記家具要素4の上方を通過して前記作業者の方に向かう前記他者の視線を遮蔽し得るものであるため、家具要素4及び遮蔽部材5が一体の衝立として機能し、良好な作業環境の実現に資する。
【0050】
前記遮蔽部材5を、前記家具要素4の本体41に略沿って上下動可能であるように該本体41の後面側に支持させてあるため、より簡便なものとなっている。
【0051】
前記家具要素4の本体41の高さ寸法を、着座した人の目線の高さに略匹敵する寸法に設定するとともに、前記遮蔽位置Sの高さ位置を、起立した人の目線の高さに略匹敵する位置に設定しているため、椅子等に着座して作業を行うワーカーにとって好適な作業環境を構成すると同時に、該ワーカーにとって使い勝手のよい収納家具にもなる。
【0052】
前記遮蔽部材5を、該遮蔽部材5越しに人の存在の有無を視認し得る半透明なものとしているため、ワーカーと家族その他の同居人とのつながりを寸断してしまうほどではなく、また室内に狭苦しい感じを与えにくい。よって、家庭等で用いるものとして好適となる。
【0053】
前記家具要素4を移動可能に支持するキャスター43を該家具要素4に設けているならば、移動可能な家具として便利であるだけでなく、ワーカーが作業の際に使用する空間領域を家族その他の同居人の生活時間や生活習慣等に対応してフレキシブルに変更することが可能となる。
【0054】
<第3実施形態>図11ないし図15に、本発明の一実施形態に係る作業環境構成什器Pを示す。このものは、室内を仕切るパーティションとしての機能を具現する家具要素6に、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽するための遮蔽部材7を変位可能であるように支持させたものである。
【0055】
家具要素6は、平面視部分円弧状をなす曲げ板形の本体61に天板62を取り付け得るようにしたもので、自立性を有し、デスクの如き天板付家具としての機能をも営む。図示例では、本体61の内面側に取り付けるべき天板62の平面視形状が、本体61の曲率に略対応するように湾曲しており、また天板62の一方の側端が本体61の同一方の側端よりも側方に膨出している。因みに、本体61の内面側に、照明器具63や、映像を投影するディスプレイ64等のオプション品を取り付け可能としてもよい。ディスプレイ64は、パーソナルコンピュータによる画面出力や放送番組の視聴のために使用することができる。家具要素6の本体61は、該家具要素6越しに人の存在の有無を視認し得る程度に半透明なものであることが好ましい。
【0056】
遮蔽部材7は、家具要素6の外面に略沿ってスライド可能であるように該家具要素6に支持させてあり、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位するものである。本実施形態における遮蔽部材7は複数枚(図示例では、2枚)の要素71、72からなり、これら要素71、72の各々が家具要素6の本体61の曲率に略対応するように平面視部分円弧状をなす曲げ板形となっている。遮蔽部材7もまた、該遮蔽部材7越しに人の存在の有無を視認し得る程度に半透明なものであることが好ましい。
【0057】
本実施形態の作業環境構成什器Pは、室内の隅角部を他の部分と隔てて作業者が作業を行う作業空間とするために用いられる。従って、隅角部において交わる壁面W1、W2の一方W1に家具要素6の(天板62が膨出していない側の)側端を密接若しくは近接させるようにして該家具要素6を配置する。しかして、遮蔽部材7を、家具要素6の外面と略重なり室内の隅角部を他の部分に対して完全に開成するような待避位置Oと、この待避位置Oより他方の壁面W2に向けて変位して最外方の側端が他方の壁面W2に密接若しくは近接するような遮蔽位置Sとの間で、家具要素6の外面に略沿ってスライド移動可能であるように該家具要素6に支持させてある。図示例では、家具要素6と、家具要素6の外側にある中間の遮蔽部材71と、中間の遮蔽部材71の外側にある外方の遮蔽部材72とにより一の作業環境構成什器Pを構築している。そして、例えば、家具要素6の外面側と中間の遮蔽部材71の内面側とを相対的にスライド可能に係合する図示しないレール機構を設け、中間の遮蔽部材71を家具要素6の外面に略沿って曲線的にスライド移動可能とするとともに、中間の遮蔽部材71の外面側と外方の遮蔽部材72の内面側とを相対的にスライド可能に係合する図示しないレール機構を設けて、外方の遮蔽部材72を中間の遮蔽部材71の外面に略沿って曲線的にスライド移動可能とする。このとき、図13ないし図15に示すように、中間の遮蔽部材71及び外方の遮蔽部材72が平面視弧を描くように二重にスライドするものとなる。
【0058】
最外方の側端、即ち外方の遮蔽部材72の(家具要素6が隣接している壁面W1から遠い側の)側端が他方の壁面W2に密接若しくは近接するように遮蔽部材7を遮蔽位置Sに位置づけると、室内の隅角部が他の部位と隔てられる。この結果、外からの視線や雑音を気にすることなく集中して作業を行うことができる作業空間が該隅角部に構成される。即ち、家具要素6(あるいは、作業環境構成什器P)の向こう側にいる他者の視線を遮蔽して作業者のプライバシーを防護することが可能となる。これは、作業空間の外にいる家族その他の同居人への、現在作業中であり邪魔をしないで欲しい旨のサインにもなる。逆に、遮蔽部材7を待避位置Oまでスライドさせると、他者の視線の遮蔽が解除される。つまり、室内の隅角部が他の部分に対して完全に開成され、作業者と家族その他の同居人とのコミュニケーションが回復される。なお、図14に示すように、作業の進行状況等に応じて遮蔽部材7の位置を変更し、隅角部の開成の度合いを調整するようにしてもよい。
【0059】
本実施形態によれば、所定の家具機能を具現する家具要素6と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置Sと前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置Oとの間で変位可能であるように前記家具要素6に支持させた複数の遮蔽部材7とを具備してなり、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器Pを構築したため、ワーカーが作業を行うときには遮蔽部材7を遮蔽位置Sに展開して家族その他の同居人の干渉を緩和若しくは防止して作業効率の維持や機密性の担保に貢献し、ワーカーが作業を行わないときには遮蔽部材7を待避位置Oに待避させてワーカーと家族その他の同居人とのコミュニケーションを回復できる。本実施形態の作業環境構成什器Pは、上記第2実施形態における作業環境構成什器Rと比較してより高度に作業者のプライバシーまたは機密を防護できるものであり、在宅勤務者のように家庭等において作業に従事する延べ時間が長い場合や、作業の機密性が高く家族等に対しても秘匿することが求められる場合等に特に有効である。
【0060】
前記遮蔽部材7を、前記家具要素6の外面に略沿ってスライド可能であるように支持させているため、作業環境構成什器Pの構造が簡単なものとなり、使い勝手がよく、また製造コストを徒に高騰させることがない。
【0061】
前記家具要素6が、室内を仕切るパーティションとしての機能を具現するものであるため、作業者が作業のための空間領域を必要とするときにこれを室内に構成することができ、かつ作業を行っていないときにも通常の間仕切りとして用いることができる。
【0062】
前記家具要素6が、その本体61に支持させた天板62を有し天板付家具としての機能を具現するものであるため、作業者が作業を行う際にこれを利用でき、かつ作業を行っていないときにも通常のデスクとして用いることができる。
【0063】
前記家具要素6に物品を載置可能な棚板たる天板62を設けているため、ワーカーが能率的に作業を行うために必須な書類、資料や文具等の置き場所を提供することができる。このときの作業環境構成什器Pは一物品多機能のものとなり、通常のオフィス向けの什器と比較してスペース消費効率が高まる。即ち、家庭等において省スペースを図りながら作業空間を構成可能となる。
【0064】
前記遮蔽部材7が、前記遮蔽位置Sにあって、前記家具要素6とともに、室内の隅角部を前記作業者が作業を行うための作業空間として区画し得るものであるため、室内の隅角部を作業空間に設定して、空間を有効に利用することができる。
【0065】
前記遮蔽部材7を前記遮蔽位置Sとしたとき、遮蔽部材7及び前記家具要素6が平面視略弧状をなすため、作業者の周囲の全方位にスペースを設けることができ、ゆとりのある使い易い作業空間となる。
【0066】
前記遮蔽部材7を、前記家具要素6の本体61に略沿って上下動可能であるように該本体61の後面側に支持させてあるため、より簡便なものとなっている。
【0067】
前記遮蔽部材7を、該遮蔽部材7越しに人の存在の有無を視認し得る半透明なものとしているため、ワーカーと家族その他の同居人とのつながりを寸断してしまうほどではなく、また室内に狭苦しい感じを与えにくい。加えて、本実施形態では、家具要素6の本体61もまた、該家具要素6越しに人の存在の有無を視認し得る半透明なものとしている。よって、家庭等で用いるものとして好適となる。
【0068】
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。また、上記各実施形態において述べた各々の作業環境構成什器C、R、Pのうち複数を同一の室内で用いてもよいことは言うまでもない。各部の具体的構成は上記実施形態には限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0069】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明によれば、作業者が所要の作業を行うための一時的な作業環境を、家庭等の必ずしも作業専用でない空間内に構成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における作業環境構成什器の斜視図。
【図2】同正面図。
【図3】同側面図。
【図4】同後面図。
【図5】同実施形態における作業環境構成什器の使用態様を示す側面図。
【図6】同実施形態におけるオットマンを示す側面図。
【図7】本発明の一実施形態における作業環境構成什器を示す斜視図。
【図8】同正面図。
【図9】同側面図。
【図10】同実施形態における作業環境構成什器の使用態様を示す側面図。
【図11】同部分断面図。
【図12】本発明の一実施形態における作業環境構成什器を模式的に示す図。
【図13】同実施形態における作業環境構成什器の使用態様を示す平面図。
【図14】同実施形態における作業環境構成什器の使用態様を示す平面図。
【図15】同実施形態における作業環境構成什器の使用態様を示す平面図。
【符号の説明】
C、R、P…作業環境構成什器
1、4、6…天板
2、5、7…遮蔽部材
S…遮蔽位置
O…待避位置
3…オットマン

Claims (9)

  1. 所定の家具機能を具現する家具要素と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置と前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置との間で変位可能であるように前記家具要素に支持させた遮蔽部材とを具備し、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器であって、前記家具要素は、前記作業者が着座可能な座及び背もたれを有し椅子としての機能を具現するものであり、
    前記遮蔽部材は、前記家具要素の背もたれに略沿って上下動可能であるように該背もたれに支持させてあり、前記遮蔽位置にあって前記座に着座している前記作業者の後方からの前記他者の視線を遮蔽し得るものである作業環境構成什器。
  2. 前記座の下に物品を収納可能な棚を設けている請求項1記載の作業環境構成什器。
  3. さらに、座及びこの座の下に設けた物品を収納可能な棚を有するオットマンを付帯させてなる請求項1又は2記載の作業環境構成什器。
  4. 所定の家具機能を具現する家具要素と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置と前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置との間で変位可能であるように前記家具要素に支持させた遮蔽部材とを具備し、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器であって、前記家具要素は、物品を収納可能な棚としての機能を具現するものであり、
    前記遮蔽部材は、前記家具要素の本体に略沿って上下動可能であるように該本体の後面側に支持させてあり、前記遮蔽位置にあって前記家具要素の上方を通過して前記作業者の方に向かう前記他者の視線を遮蔽し得るものであり、
    前記家具要素の本体の高さ寸法を着座した人の目線の高さに略匹敵する寸法に設定するとともに、前記遮蔽位置の高さ位置を起立した人の目線の高さに略匹敵する位置に設定している作業環境構成什器。
  5. 所定の家具機能を具現する家具要素と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置と前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置との間で変位可能であるように前記家具要素に支持させた遮蔽部材とを具備し、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器であって、前記家具要素は、室内を仕切るパーティションとしての機能を具現するものであり、
    前記遮蔽部材は、前記家具要素の外面に略沿ってスライド可能であるように支持させてあり、前記遮蔽位置にあって前記家具要素とともに室内の隅角部を前記作業者が作業を行うための作業空間として区画し得るものであり、
    前記遮蔽部材を前記遮蔽位置としたとき、遮蔽部材及び前記家具要素が平面視略弧状をなす作業環境構成什器。
  6. 所定の家具機能を具現する家具要素と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置と前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置との間で変位可能であるように前記家具要素に支持させた遮蔽部材とを具備し、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器であって、前記家具要素は、その本体に支持させた天板を有し天板付家具としての機能を具現するものであり、
    前記遮蔽部材は、前記家具要素の外面に略沿ってスライド可能であるように支持させてあり、前記遮蔽位置にあって前記家具要素とともに室内の隅角部を前記作業者が作業を行うための作業空間として区画し得るものであり、
    前記遮蔽部材を前記遮蔽位置としたとき、遮蔽部材及び前記家具要素が平面視略弧状をなす作業環境構成什器。
  7. 所定の家具機能を具現する家具要素と、作業者の方に向かう他者の視線を遮蔽する遮蔽位置と前記他者の視線の遮蔽を解除する待避位置との間で変位可能であるように前記家具要素に支持させた遮蔽部材とを具備し、作業者が所要の作業を行うための環境を一時的に構成できる作業環境構成什器であって、前記家具要素に、物品を載置可能な棚板を設けている作業環境構成什器。
  8. 前記遮蔽部材は、該遮蔽部材越しに人の存在の有無を視認し得る半透明なものである請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の作業環境構成什器。
  9. 前記家具要素を移動可能に支持するキャスターを該家具要素に設けている請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の作業環境構成什器。
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