JP3912733B2 - 乗り物用の燃料配管構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として自動車等の乗り物に用いられる燃料配管構造に関する。より詳細には、燃料の輸送に伴い燃料用配管に発生する静電気を効果的に除去することが可能な乗り物用の燃料配管構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料は、車両の床下部分に設置された燃料タンクに貯蔵され、燃料ポンプによりエンジンまで供給される。この際、燃料からチリ、ゴミ等を取り除くために、燃料供給ライン中にはストレーナが設けられる。従来、ストレーナは、エンジンルームに配置されていたが、近年、ストレーナを燃料タンク付近に配置する傾向が高まっている。
【0003】
ところで、ストレーナを燃料タンク付近に設置したときに、燃料供給ライン中に用いられている樹脂製チューブの耐久性が低下するという問題点が発生した。
本出願人の検討の結果、その原因は、燃料がストレーナで濾過される際に、静電気を帯び、この静電気が樹脂チューブに蓄積し放電を起こすためであることが明らかとなった。
【0004】
本出願人は更に鋭意研究を続け、燃料供給ライン中に用いられている樹脂チューブに導電性を付与し、この樹脂チューブをボディにアースすることにより、樹脂チューブへの電荷の蓄積を回避する燃料配管構造を想到し、特願平11−13574号として提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、市場の要求により自動車には更なる耐久性が求められている。それに伴い、燃料供給ラインの金属配管部分の防錆性を高めるために、金属配管を被覆する樹脂コーティングを従来の数十μmから数百μmへと厚くする試みがなされている。
【0006】
従来は、金属配管を被覆する樹脂コーティングが薄かったために、金属配管の導電性が保たれており、ストレーナで帯電した燃料に由来する静電気は、金属配管をボディに連結する金属製のクランプ等により直ちにボディへと逃がされていた。しかし、樹脂コーティングを数百μm厚とすると金属配管の絶縁性が高くなり、金属配管に静電気が蓄積してしまうという新たな問題が発生した。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みなされたものであり、燃料供給ラインの樹脂コーティングされた金属配管から、静電気を除去することが可能な乗り物用の燃料配管構造を提供することを課題とする。
また、本発明は、乗り物用の燃料配管構造において、導電性樹脂チューブと金属配管との接続部であるコネクタとボディとを容易に電気的に接続することができるアース部材を備えた乗り物用の燃料配管構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記した課題を解決するために次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、表面が樹脂コーティングされた燃料用の金属配管を車体と導電接続した金属製クランプで把持する燃料配管構造において、前記金属製クランプに把持される部分の前記樹脂コーティングを剥離し、剥離により露出した金属配管の露出部と導電接続するように、剥離した部分周りのみを導電性材料カバーにより被覆し、この導電性材料カバーを前記金属製クランプで把持することを特徴とする乗り物用の燃料配管構造である。
請求項1に記載の発明によれば、金属配管の樹脂コーティングを剥離して金属表面を露出し、剥離部分を導電性材料カバーで被覆した。これにより、金属配管が帯電したとしても、剥離部分の金属表面と接触する導電性材料カバーを介してボディ等にアースを取ることができるため、燃料用の金属配管に電荷が蓄積することを防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記導電性材料カバーは、導電性ゴムからなるチューブであることを特徴とする請求項1記載の乗り物用の燃料配管構造である。
請求項2に記載の発明によれば、前記導電性材料カバーとして導電性ゴムからなるチューブを利用した。導電性ゴムは伸縮性に富んでいるために、金属配管と密着するので、樹脂コーティングが剥離された部分を雨水等から保護することが可能となる。また、導電性ゴムの優れた導電性により、金属配管中の電荷をボディ等に逃がしてやることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記導電性材料カバーは、前記樹脂コーティングと同種の樹脂に導電性を付与したものからなり、この導電性材料カバーを前記樹脂コーティングに溶着することを特徴とする請求項1記載の乗り物用の燃料配管構造である。
請求項3に記載の発明によれば、金属配管の樹脂コーティングを剥離した部分に、この樹脂コーティングと同種の樹脂に導電性を付与したものを溶着するので、樹脂コーティングと導電性材料カバーとが一体となり、樹脂コーティング剥離部分の防水性をより一層確実とすることができる。また、導電性材料カバーにより金属配管とボディとの電気的導電を確保することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を適宜図面を参照しながら説明する。
[燃料配管構造]
まず、本発明を利用した自動車の燃料配管構造について概説する。
図1は、本発明を利用した自動車の燃料配管構造の模式図である。ボディaの床下には不図示の固定具により燃料タンク1が固定されている。この燃料タンク1の中には、燃料ポンプ2が設けられており、燃料ポンプ2で吸引された燃料は、ストレーナ5、導電性樹脂チューブ3及び樹脂コーティングされた金属配管4を介して不図示のエンジンに供給される。ストレーナ5と導電性樹脂チューブ3及び樹脂チューブ3と金属配管4との接続には導電性樹脂のコネクタ6a,6bがそれぞれ用いられる。
【0014】
ストレーナ5には、濾紙が封入されており、燃料中のチリ、ゴミ等が漉されるが、この際に静電気が発生して燃料が帯電し、下流の導電性樹脂チューブ3及び金属配管4を帯電する。
詳細は後記するが金属配管4は、所定の位置で樹脂コーティングが剥離され、この剥離部には導電性ゴムチューブ13(図2(a))及び導電性を有するインシュレータ14(図2(a))が巻回(装着)され、さらに金属製クランプ7により把持されボディaと連結されている。これにより、金属配管4はボディaと電気的に接続するとともに、ボディaに固定されている。このように、金属配管4とボディaとが電気的に接続しているので、金属配管4は、燃料の有する静電気により帯電することはない。尚、金属製クランプ7付近の構造は、本発明の請求項1〜3に記載の発明に対応するものである。
【0015】
同様に、コネクタ6bには、導電性樹脂からなるヒモ状のアース部材9が取り付けられており、その他端側の取付部は、ボディaに設けられたフック8bに係合されている。これにより、コネクタ6bとボディaとは電気的に接続され、導電性樹脂チューブ3の内部の余剰電荷をボディaにアースしている。
【0016】
本発明について実施の形態を詳細に説明する。
図2(a)は、本発明の第1の実施形態を示す断面図であり、図1の燃料配管構造の前記したクランプ7付近を拡大したものである。
表面に樹脂コーティング10が施された金属配管4には、所定箇所が拡径したバルジ11が形成されている。ここで、所定箇所は金属配管4をクランプする位置である。このバルジ11の部分において樹脂コーティング10が金属配管4の全周に渡り剥離され、この金属配管4の金属が露出した露出部12が形成されている。この露出部12を含んで、金属配管4の所定幅に渡り、導電性ゴムチューブ13が金属配管4に巻回されている。本実施の形態では導電性ゴムチューブ13はインシュレータ14の幅よりも若干広く形成されている。この導電性ゴムチューブ13は、さらに、導電性材料からなるインシュレータ14で巻回され、このインシュレータ14は、金属製クランプ7で把持されてボディaと接続されている。
【0017】
樹脂コーティング10は、ナイロン等の樹脂からなり、金属配管4の防水性、防錆性を高めるために数百μmの厚さを有する。
金属配管4においては、外側に凸となったバルジ11の頂上付近に露出部12が形成されているので、露出部12と導電性ゴムチューブ13との密着性は、バルジ11が設けられていない場合に比べて高くなり、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との電気的接続が保証される。また、金属配管4の全周に渡り凸となったバルジ11の存在により、金属配管4を巻回する導電性ゴムチューブ13の金属配管4の軸方向へのズレが防止される。また、バルジ11を設けることにより、樹脂コーティング10の剥離も容易に行われる。バルジ11は、金属配管4を両側から圧縮することにより容易に形成できる。尚、図においては、樹脂コーティング10の存在を明確に示すために、樹脂コーティング10の厚みを実際よりも強調して描いている。これは図2(b)〜図4(b)についても同様である。
【0018】
導電性ゴムチューブ13は、内径が金属配管4の外径よりも小さく形成されている。そのため導電性ゴムチューブ13を金属配管4に嵌め込んだ際に、両者は固く密着し、接触部から雨水等が侵入することはなく、防錆性が保持される。導電性ゴムチューブ13は、環境の変化(雨水、温度変化等)に曝されて部分的に劣化したとしても長期に渡り露出部12を保護することが可能であるとともに、導電性が確保されるような厚さとすることが望ましい。
【0019】
ゴムに導電性を付与する方法としては、公知の手法を用いることが可能であり、例えば、ゴム中にカーボン粉末、金属粉末、カーボンファイバ等の導電性フィラーを添加する方法が挙げられる。
【0020】
インシュレータ14は、導電性ゴムチューブ13と金属製クランプ7との間に介在して、金属配管4から導電性ゴムチューブ13に流入する電荷を金属製クランプ7を介してボディに逃がすための部材であるので、導電性を有する材料で形成されることが望ましい。また、インシュレータ14には、自動車の稼動時に発生する振動を吸収したり、部材間の微妙な寸法のズレを吸収するための機能が要求されるので、可撓性を有する材料からなることが望ましい。これらのことを勘案すると、インシュレータ14は導電性を賦与したゴム等から形成されることが望ましい。尚、インシュレータ14は、絶縁体としての「インシュレータ」とは異なるものである。
尚、本実施の形態においては、金属配管4の全周に渡り樹脂コーティング10を剥離して露出部12を形成しているが、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との間に充分な電気的接触が保たれるのであれば、後記する第3実施形態と同様に、露出部12は、金属配管4の表面の一部分のみを剥離するものであっても構わない。
【0021】
図2(b)に本発明の第2の実施形態の断面図を示した。尚、図2(b)においては図面が煩雑となることを防ぐために、図2(a)で示したインシュレータ14、金属製クランプ7、ボディaは図示していない。
第2の実施形態では、樹脂コーティング10が施された金属配管4はボディaとのクランプ位置である所定箇所において金属配管4の全周に渡り樹脂コーティング10が剥離され露出部12が形成されている。尚、第2の実施形態においては、第1の実施形態とは異なり金属配管4にバルジ11(図2(a))は形成されていない。
【0022】
第2の実施形態においては、露出部12を含んで本実施の形態では、インシュレータ14の幅よりも若干広い所定幅に渡って金属配管4に、加硫剤を添加した導電性ゴム材料を巻回(装着)する。この状態で導電性ゴム材料を金属配管4ごと加硫炉中で加熱することにより導電性ゴム材料の加硫反応を進め、露出部12及び樹脂コーティング10と密着した導電性ゴム15を得る。
【0023】
本実施の形態においては、未加硫の導電性ゴム材料を露出部12に巻回した後に加硫を行うので、第1の実施形態よりも導電性ゴム15と露出部12及び導電性ゴム15と樹脂コーティング10との密着性が優れている。つまり、第2の実施形態の燃料配管構造は防水性及び導電性に優れている。
尚、本実施の形態においても、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との間に充分な電気的接触が保たれるのであれば、後記する第3実施形態と同様に、露出部12は、金属配管4の表面の一部分のみを剥離(皮むき)するものであっても構わない。
【0024】
図3(a)に本発明の第3の実施形態の断面図を示した。尚、図3(a)においても、図2(a)で示したインシュレータ14、金属製クランプ7、ボディaは図示していない。
【0025】
第3の実施形態は請求項3に記載の発明に対応するものである。樹脂コーティング10が施された金属配管4は、所定箇所において樹脂コーティング10が剥離され露出部12が形成されている。この露出部12を覆うように、樹脂コーティング10と同種類の樹脂に導電性を賦与した導電性皮膜16が溶着されている。より具体的に言うと、例えば樹脂コーティング10としてナイロンが用いられている場合には、導電性皮膜16としてカーボン粉末、金属粉末、カーボンファイバを添加することにより導電性が賦与されたナイロンを用いる。
【0026】
導電性皮膜16には、導電性が賦与されているので、金属配管4から効果的に電荷を除去することが可能となる。また、導電性皮膜16と樹脂コーティング10とは同種の樹脂であるために互いに溶け合い硬く結合するために、両者の接合部分には間隙が生ぜず、溶着部分は高い防水性を有する。
尚、本実施の形態では、露出部12を金属配管4の一部分のみに形成したが、第1、第2の実施形態と同様に、金属配管4の全周に渡り露出部12を形成しても構わない。この場合には導電性皮膜16は、露出部12全てを被覆するように設けられる。
【0027】
図3(b)に本発明の第4の実施形態の断面図を示した。尚、図3(b)においても、図2(a)で示したインシュレータ14、金属製クランプ7、ボディaは図示していない。
第4の実施形態は第1の実施形態と類似しているが、金属配管4にバルジ11(図2(a))が設けられていない点、及び、導電性ゴムチューブ13を金属製バンド17,17で補助的に固定している点が異なっている。
【0028】
第4の実施形態においては、導電性ゴムチューブ13の両端部付近を積極的に金属製バンド17,17により締め付けて固定しているので、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との接触部から雨水等が侵入する可能性を小さくすることができる。また、導電性ゴムチューブ13が金属配管4の軸方向にズレることを防止することが可能となる。
さらに、長期に渡る使用により、導電性チューブ13の変形等により露出部12と導電性チューブ13との接触性が低下することを防ぐために、2点鎖線で示した金属製バンド17aを露出部12の外周に追加して用いても良い。
尚、本実施の形態においても、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との間に充分な電気的接触が保たれるのであれば、前記した第3の実施形態同様に、露出部12は、金属配管4の表面の一部分のみを剥離するものであっても構わない。
【0029】
図4(a)に本発明の第5の実施形態の断面図を示した。尚、図4(a)においても、図2(a)で示したインシュレータ14、金属製クランプ7、ボディaは図示していない。
第5の実施形態は第1の実施形態と類似しているが、バルジ11が2箇所に設けられている点、露出部12が前記した2つのバルジ11,11の中間部に設けられている点が異なっている。
【0030】
本実施の形態ではバルジ11,11を2箇所に設けているので、第1の実施形態に比較して、導電性ゴムチューブ13の金属配管4の軸方向におけるズレがより一層抑制される。また、バルジ11,11の部分で導電性ゴムチューブ13と金属配管4との密着度が高くなるので、バルジ11,11間に設けられた露出部12の防水性が第1の実施形態に比べて高くなる。
尚、本実施の形態においても、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との間に充分な電気的接触が保たれるのであれば、前記した第3の実施形態同様に、露出部12は、金属配管4の表面の一部分のみを剥離するものであっても構わない。また、第1実施形態同様に、露出部12はバルジ11の部分を剥離するものであってもよい。
【0031】
図4(b)に本発明の第6の実施形態の断面図を示した。尚、図4(a)においては図面が煩雑となることを防ぐために、図2(a)で示したインシュレータ14、金属製クランプ7、ボディaは図示していない。
第6の実施形態は第5の実施形態と類似しているが、バルジ11が3箇所に設けられており、中央に設けられたバルジ11に露出部12が設けられている点が異なっている。
【0032】
本実施の形態においては、バルジ11,11,11を3箇所に設けているので、第5の実施形態と比較して、導電性ゴムチューブ13の金属配管4の軸方向へのズレがより一層抑制される。また、第5の実施形態同様に防水性に優れている。さらに、金属配管4のバルジ11の頂上付近に露出部12が設けられているので、露出部12と導電性ゴムチューブ13との密着性が優れており、金属配管4中の余剰電荷を導電性ゴムチューブ13を介して直ちに逃がしてやることが可能となる。
尚、本実施の形態においても、金属配管4と導電性ゴムチューブ13との間に充分な電気的接触が保たれるのであれば、前記した第3の実施形態同様に、露出部12は、金属配管4の表面の一部分のみを剥離するものであっても構わない。
【0033】
次に、参考形態を説明する。図5(a)は、図1の前記したコネクタ6b及びフック8b付近を拡大したものである。導電性樹脂チューブ3と金属配管4との間は導電性樹脂製のコネクタ6bにより接続されている。導電性樹脂からなるアース部材9の一端はコネクタ6bに挿通されており、他端はボディaに取り付けられたフック8bに接続されている。これによりコネクタ6bとボディaとが電気的に接続され、導電性樹脂チューブ3の電荷をボディaに逃がすことが可能となる。
【0034】
このアース部材9の斜視図を図5(b)に示した。アース部材9は、導電性及び可撓性を有する樹脂(ゴム等)からなる。アース部材9は、コネクタ側取付部9a、ボディ側取付部9b、と両者を連結する連結部9cとからなる、いわばストラップである。コネクタ側取付部9aは略円環状に形成され、コネクタ側取付部9aの円形開口部にコネクタ6bが挿通されるように形成されている。ボディ側取付部9bは略楕円形状に形成されており、ボディ側取付部9bの中央部に長手方向に沿ってスリットが設けられている。このスリットはボディaに設けられたフック8bに嵌め込まれる。また、ボディ側取付部9bには、突起9dが設けられている。この突起9dは、ボディ側取付部9bをフック8bに人力で嵌め込む際の力点となる。
【0035】
このように、参考形態においては、従来、通常の導線が用いられていたアースとして導電性と可撓性を兼ね備えた樹脂製のアース部材9を用いた。これにより、ボディaとコネクタ6bとの間のアース設置作業で、従来銅線を固定するために用いられていたボルトやナット等を使用する必要が無くなり、アース設置作業が大幅に省力化される。また、アース部材9は樹脂製であるので、導線のように錆びることが無く、アースの信頼性が大幅に向上した。
【0036】
以上、本発明の燃料配管構造の実施形態を自動車を例にして説明したが、本発明の燃料配管構造は自動車に限定されず、陸、海、空、宇宙のあらゆる乗り物に適応可能である。また、燃料としては、一般に自動車に用いられるガソリン、軽油に限らずメタノール、水素等を使用することも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したので次に示すような顕著な効果を奏する。
表面が樹脂コーティングされて防錆性が高められた金属配管を車体と導電接続した金属製クランプで把持する燃料配管構造において、金属製クランプに把持される部分の樹脂コーティングを剥離して、剥離により露出した金属配管の露出部と導電接続するように、剥離した部分周りのみを導電性カバーで被覆し、この導電性カバーを金属製クランプで把持したので、導電性カバーを介して、帯電した燃料から金属配管に供給される余剰電荷をボディにアースすることが可能となった(請求項1)。
【0038】
導電性カバーとして伸縮性に富んだ導電性ゴムチューブを用いているので、金属配管樹脂コーティングを剥離した部分の防水性を保つことが可能となる。また、導電性カバーを介して、金属配管中の余剰電荷をボディ等にアースすることが可能となる(請求項2)。
【0039】
樹脂コーティングを剥離した部分に樹脂コーティングと同種の樹脂に導電性を付与したものを溶着するので、樹脂コーティングを剥離した部分の防水性をより確実とすることが可能となる。また、導電性カバーを介して、金属配管中の余剰電荷をボディ等にアースすることが可能となる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を利用した自動車の燃料配管構造の模式図である。
【図2】図1の燃料配管構造のクランプ7付近を拡大した図面(a)と第2の実施形態(b)を示す側面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態(a)と第3の実施形態(b)を示す側面図である。
【図4】本発明の第4の実施形態(a)と第5の実施形態(b)を示す側面図である。
【図5】図1の燃料配管構造のアース部材9付近を拡大した図面(a)とアース部材の側面図(b)である。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 燃料ポンプ
3 導電性樹脂チューブ
4 金属配管
5 ストレーナ
6a,6b コネクタ
7 クランプ
8b フック
9 アース部材
9a コネクタ側取付部
9b ボディ側取付部
9c 連結部
9d 突起
10 樹脂コーティング
11 バルジ
12 露出部
13 導電性ゴムチューブ
14 インシュレータ
15 導電性ゴム
16 導電性皮膜
17 バンド
Claims (3)
- 表面が樹脂コーティングされた燃料用の金属配管を車体と導電接続した金属製クランプで把持する燃料配管構造において、
前記金属製クランプに把持される部分の前記樹脂コーティングを剥離し、
剥離により露出した金属配管の露出部と導電接続するように、剥離した部分周りのみを導電性材料カバーにより被覆し、この導電性材料カバーを前記金属製クランプで把持することを特徴とする乗り物用の燃料配管構造。 - 前記導電性材料カバーは、導電性ゴムからなるチューブであることを特徴とする請求項1記載の乗り物用の燃料配管構造。
- 前記導電性材料カバーは、前記樹脂コーティングと同種の樹脂に導電性を付与したものからなり、この導電性材料カバーを前記樹脂コーティングに溶着することを特徴とする請求項1記載の乗り物用の燃料配管構造。
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