JP3911996B2 - 非水系電解液二次電池用正極材料、正極及び二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の表面状態を有する正極材料、正極及びそれを用いた非水系電解液二次電池に関する。
本発明の二次電池は、急速充放電特性が高く、且つサイクル特性、保存特性に優れている。
【0002】
【従来の技術】
近年の電気製品の軽量化、小型化に伴い、高いエネルギー密度を持つリチウム二次電池の需要が高まって来ている。更に、リチウム二次電池の適用分野の拡大に伴い、電池特性の一層の向上も要望されている。
従来、金属リチウムを負極とする二次電池は、高容量化を達成できる電池として古くから盛んに研究が行われているが、金属リチウムが充放電の繰り返しによりデンドライト状に成長し、最終的には正極に達して、電池内部において短絡が生じてしまうことが実用化を阻む最大の技術的な課題となっていた。
【0003】
これに対しては負極に、例えばコークス、人造黒鉛、天然黒鉛等のリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池が提案されている。このような非水系電解液二次電池では、リチウムが金属状態で存在しないためデンドライトの形成が抑制され、電池寿命と安全性を向上することができる。特に人造黒鉛、天然黒鉛等の黒鉛系炭素質材料を用いた非水系電解液二次電池は、高容量化の要求に応えるものとして注目されている。
【0004】
正極については、例えばリチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウムを吸蔵及び放出可能なリチウム遷移金属複合酸化物材料を用いた非水系電解液二次電池が提案されている。これらの正極活物質、上述した負極活物質を組み合わせた非水系電解液二次電池が現在盛んに研究されている。
【0005】
このような非水系電解液二次電池では、限られた空間にどれだけ、それぞれの電極活物質を詰め込むことができるかが更なる高容量化に向けてのポイントとなる。そのため、電極をプレスし単位体積当りの電極活物質重量を増加させる試みや、電極の厚みを増加させ集電体等の電極材料以外の部材が占める体積を減少させる試みがなされている。
【0006】
しかし、これらの手法を用いることによって、電極の有効表面積が減少し、急速充放電等の高負荷使用時に、電極活物質が本来有している性能を発揮できないことが問題である。
極端な例として急速充放電時には、通常使用時の半分以下の容量しか発現できない場合がある。
【0007】
このような問題に対し、非水系電解液の組成最適化(例えば特開平11−283666号公報)や非水系電解液への界面活性剤の添加(例えば特開平10−12273号、特開平10−92436号各公報等)によって電解液側から改善する試みがなされている。しかしながら、これらの手法は、低沸点溶媒を多く混合するため高温での特性が低下したり、界面活性剤が電気化学的に不安定であったりするため、上記の問題を完全に解消するものではない。
【0008】
一方、電極活物質の形状最適化(例えば特開平11−67206号公報等)や電極の厚みの最適化(例えば特開平8−88024号公報等)や電極中バインダー成分の分布制御(例えば特開平11−204097号公報等)等の電極側から改善する試みもなされている。これらの手法は、高容量化という目的に反するものであったり、制御が難しいものであったりするため、やはり安価に課題を解決するものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、公知技術として提案されている手法は、それなりの効果は見られるものの更なる改良が望まれている。本発明は、安価に高容量且つ急速充放電特性を発揮できる非水系電解液二次電池を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる事情に鑑み鋭意検討した結果、非水系電解液二次電池の急速充放電特性の中、特に重要と考えられる急速放電特性については、正極でのリチウムイオンの挿入反応が律速反応であることを突き止めた。この原因として、一般的に正極に用いられている活物質が、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物であることが挙げられる。リチウム遷移金属複合酸化物中の酸素原子はリチウムイオンとの親和性が強く、強固にリチウムイオンを補足してしまうため、急速にリチウムイオンを活物質内に取り込むことは容易ではないと考えられる。そこで正極活物質表面を部分的に、酸素原子よりリチウムイオンとの親和性の低い原子に置換することにより、高容量且つ急速充放電特性を発揮できることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0011】
即ち、本発明の要旨は、
1.負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池に使用される正極であって、該正極が、少なくとも正極活物質と、硫黄と酸素との二重結合を有する化合物とを接触させた後、酸素の存在下、熱処理したものであり、少なくとも電解液と接触する正極表面に硫黄原子が存在し、且つ該正極が20〜350μmol/gの範囲で硫黄原子を含むことを特徴とする非水系電解液二次電池用正極、
2.負極、1項に記載の正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池、にある。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(正極材料)
本発明の正極材料は、少なくとも電解液と接触する正極材料の表面に硫黄原子が存在し、且つ正極材料が20〜350μmol/g、好ましくは22〜300μmol/g、より好ましくは24〜250μmol/g、の範囲で硫黄原子を含むことを特徴とするものである。
【0013】
正極中に存在する硫黄原子が20μmol/gより少ないと本発明の効果が低く、一方350μmol/gを越えると正極活物質としての性能を発揮できず、電池としてセル電圧が低下する。
正極材料としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出し得る正極活物質であれば特に限定はされないが、リチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。
【0014】
リチウム遷移金属複合酸化物中に使用される遷移金属としては、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、クロム、バナジウム、チタン、銅等を挙げることができる。好ましくは、マンガン、ニッケル、コバルトであり、特に好ましくはコバルトである。無論、これらを複合使用することもできる。好ましいリチウム遷移金属としては、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム鉄酸化物、リチウムクロム酸化物、リチウムバナジウム酸化物、リチウムチタン酸化物、リチウム銅酸化物等を挙げることができる。
【0015】
具体的な組成式としては、例えば一般式LiMn2 O4 、LiMnO2 、LiNiO2 、LiCoO2 、LiFeO2 、LiCrO2 、Li1+x V3 O8 、LiV2 O4 、LiTi2 O4 、Li2 CuO2 、LiCuO2 で表されるような化合物等を挙げることができる。本発明の効果が顕著である点で、好ましくはリチウムコバルト酸化物である。なお、一般式LiMn2 O4 で表されるようなスピネル構造を有するリチウムマンガン酸化物では、上記の組成において、少量の酸素欠損、不定比性を持っていてもよい。また、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換されていてもよい。更に、リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属が占めるサイトの一部を遷移金属以外の元素で置換してもよい。
【0016】
この際の置換する他元素(以下、置換元素と表記する)としては、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙げられ、好ましくはAl、Cr、Fe、Co、Li、Ni、Mg、Ga、更に好ましくはAlである。なお、遷移金属サイトは二種以上の他元素で置換されていてもよい。
【0017】
本発明で用いるリチウム遷移金属複合酸化物の比表面積は、通常0.01m2 /g以上、好ましくは0.05m2 /g以上、より好ましくは0.1m2 /g以上であり、また通常10m2 /g以下、好ましくは3.0m2 /g以下、より好ましくは2.0m2 /g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積の測定はBET法に従う。
【0018】
本発明で用いるリチウム遷移金属複合酸化物の平均粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、更に好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.5μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは100μm以下、更に好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。平均粒径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
【0019】
(正極)
本発明の正極は、上記正極材料及び結着剤を含有してなるものである。好ましくは、正極は、正極材料及び結着剤を含有する正極層と正極集電体とからなる。正極中には、LiFePO4 等のように、リチウム遷移金属複合酸化物以外のリチウムイオンを吸蔵・放出しうる活物質を更に含有していてもよい。
【0020】
正極中の活物質の割合は、通常10重量%以上、好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上であり、通常99.9重量%以下、好ましくは99重量%以下である。多すぎると電極の機械的強度が劣る傾向にあり、少なすぎると容量等電池性能が劣る傾向にある。
これらの正極材料を用いて正極を製造する方法については、特に限定されない。例えば、正極材料に、必要に応じて結着剤、増粘剤、導電材、溶媒等を加えてスラリー状とし、集電体の基板に塗布し、乾燥することにより正極を製造することができるし、また、該正極材料をそのままロール成形してシート電極としたり、圧縮成形によりペレット電極とすることもできる。
【0021】
電極の製造に用いられる結着剤については、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば、特に限定されない。その具体例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等を挙げることができる。
増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等が挙げられる。
【0022】
導電材としては、銅やニッケル等の金属材料、グラファイト、カーボンブラック等のような炭素材料が挙げられる。
正極用集電体の材質は、アルミニウム、チタン、タンタル等の金属又はその合金が用いられる。これらの中で、特にアルミニウム又はその合金が軽量であるためエネルギー密度の点で望ましい。
【0023】
本発明で用いられる正極の表面に硫黄原子を存在させる方法としては、例えば(1)正極活物質と硫黄と酸素との二重結合を有する化合物(以下、前記硫黄化合物ということがある)とを混合、成形後に、熱処理し正極を作成する方法、(2)成形した正極を前記硫黄化合物もしくはその溶液に浸漬又は正極にこの溶液を噴霧した後、熱処理を行う方法、(3)電解液中に初期充電時に酸化分解しやすい有機硫黄化合物を含有させて、初期充電時に置換する方法等が挙げられる。これらの中、(1)と(2)が好ましく、特に(2)が好ましい。
【0024】
なお、これらの手法は組み合わせて用いてもよい。
(1)の方法は、正極活物質と前記硫黄化合物とを通常の条件で混合し、上述した手法で成形した後、この成形物を、好ましくは酸素の存在下で熱処理するものである。
熱処理温度は80〜300℃、好ましくは90〜280℃が望ましい。80℃より低い温度では添加、混合した硫黄化合物と正極表面の置換が不十分であり、本発明の効果が低くなる。また、300℃を越える温度では、必要に応じて用いた結着剤、増粘剤、導電材等の酸化分解が進行し電池性能が低下する可能性があり、好ましいものではない。
【0025】
(2)の方法は、上述した手法で成形した正極を前記硫黄化合物もしくはその溶液に浸漬するか又は正極にこの溶液を噴霧した後、好ましくは酸素の存在下で、80〜300℃、好ましくは90〜280℃で処理するものである。
本発明において上記酸素の存在下の酸素濃度は、上記結着剤、増粘剤等の酸化分解を進行させない範囲で選択できるが、好ましくは空気中の濃度程度又はそれ以下の濃度、例えば5%程度迄が好ましい。
【0026】
(1)又は(2)の方法で用いられる前記硫黄化合物については、特に限定されるものではないが、下記一般式(1)で示される硫黄化合物が好ましい。
【0027】
【化4】
【0028】
(式中、X及びYは、それぞれ独立して、炭素、水素、酸素、硫黄、リチウム及びナトリウム各原子から選ばれた原子によって構成される基を表す。また、XとYは互いに結合して環状構造を形成していてもよい。nは1〜2の整数を表す)
式(I)において、X又はYは少なくとも一個の炭素原子を含むものが好ましく、好ましい化合物としては、例えば少なくとも一個のS=O基を有する、酸素原子を含んでいてもよい炭化水素化合物が挙げられる。
【0029】
このような化合物の中、炭素数が2〜16程度のものが好ましい。
また、分子量が250程度以下のものが好ましい。式(I)で示される化合物は、水、N−メチルピロリドン、等の有機溶媒に溶解するものが好ましい。
そして式(I)で示される化合物の具体例としては、例えば硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸エチルメチル、硫酸メチルプロピル、硫酸エチルプロピル、硫酸メチルフェニル、硫酸エチルフェニル、硫酸フェニルプロピル、硫酸ベンジルメチル、硫酸ベンジルエチル、硫酸ジフェニル等の鎖状硫酸エステル;硫酸リチウム;エチレングリコール硫酸エステル、1,2−プロパンジオール硫酸エステル、1,3−プロパンジオール硫酸エステル、1,2−ブタンジオール硫酸エステル、1,3−ブタンジオール硫酸エステル、2,3−ブタンジオール硫酸エステル、フェニルエチレングリコール硫酸エステル、メチルフェニルエチレングリコール硫酸エステル、エチルフェニルエチレングリコール硫酸エステル等の環状硫酸エステル;メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸プロピル、エタンスルホン酸メチル、エタンスルホン酸エチル、エタンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、1−ナフタレンスルホン酸メチル、1−ナフタレンスルホン酸エチル、1−ナフタレンスルホン酸オクチル、1−ナフタレンスルホン酸フェニル、メタンスルホン酸フェニル、エタンスルホン酸フェニル、プロパンスルホン酸フェニル、ベンジルスルホン酸メチル、ベンジルスルホン酸エチル、ベンジルスルホン酸プロピル、メタンスルホン酸ベンジル、エタンスルホン酸ベンジル、プロパンスルホン酸ベンジル、1,8−ナフタレンジスルホン酸ジメチル等の鎖状スルホン酸エステル;メタンチオスルホン酸メチル、メタンチオスルホン酸エチル、メタンチオスルホン酸プロピル、エタンチオスルホン酸メチル、エタンチオスルホン酸エチル、エタンチオスルホン酸プロピル、ベンゼンチオスルホン酸メチル、ベンゼンチオスルホン酸エチル、ベンゼンチオスルホン酸プロピル、p−トルエンチオスルホン酸メチル、p−トルエンチオスルホン酸エチル、p−トルエンチオスルホン酸オクチル、p−トルエンチオスルホン酸フェニル、1−ナフタレンチオスルホン酸メチル、1−ナフタレンチオスルホン酸エチル、1−ナフタレンチオスルホン酸オクチル、1−ナフタレンチオスルホン酸フェニル、メタンチオスルホン酸フェニル、エタンチオスルホン酸フェニル、プロパンチオスルホン酸フェニル、ベンジルチオスルホン酸メチル、ベンジルチオスルホン酸エチル、ベンジルチオスルホン酸プロピル、メタンチオスルホン酸ベンジル、エタンチオスルホン酸ベンジル、プロパンチオスルホン酸ベンジル等の鎖状チオスルホン酸エステル;1,3−プロパンスルトン、1,4−ブタンスルトン、3−フェニル−1,3−プロパンスルトン、4−フェニル−1,4−ブタンスルトン等の環状スルホン酸エステル;ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン、メチルプロピルスルホン、エチルプロピルスルホン、ジフェニルスルホン、メチルフェニルスルホン、エチルフェニルスルホン、ジベンジルスルホン、ベンジルメチルスルホン、ベンジルエチルスルホン、フェニルスチリルスルホン、ジベンゾチオフェンスルホン、cis−1,2−ビス(フェニルスルホニル)エチレン、trans−1,2−ビス(フェニルスルホニル)エチレン等の鎖状スルホン;スルホラン、2−メチルスルホラン、3−メチルスルホラン、2−エチルスルホラン、3−エチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、1,3−ジチオラン−1,1−ジオキシド、1,3−ジチオラン−1,1,3,3−テトラオキシド、1,4−ジチアン−1,1−ジオキシド、1,4−ジチアン−1,1,4,4−テトラオキシド、スルホレン、3−メチルスルホレン、2−フェニルスルホラン、3−フェニルスルホラン等の環状スルホン;ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト、エチルメチルサルファイト、メチルプロピルサルファイト、エチルプロピルサルファイト、ジフェニルサルファイト、メチルフェニルサルファイト、エチルサルファイト、ジベンジルサルファイト、ベンジルメチルサルファイト、ベンジルエチルサルファイト等の鎖状サルファイト;エチレンサルファイト、プロピレンサルファイト、ブチレンサルファイト、ビニレンサルファイト、フェニルエチレンサルファイト、1−メチル−2−フェニルエチレンサルファイト、1−エチル−2−フェニルエチレンサルファイト、フェニレンサルファイト等の環状サルファイト;メタンスルフィン酸メチル、メタンスルフィン酸エチル、メタンスルフィン酸プロピル、エタンスルフィン酸メチル、エタンスルフィン酸エチル、エタンスルフィン酸プロピル、ベンゼンスルフィン酸メチル、ベンゼンスルフィン酸エチル、ベンゼンスルフィン酸プロピル、p−トルエンスルフィン酸メチル、p−トルエンスルフィン酸エチル、p−トルエンスルフィン酸オクチル、p−トルエンスルフィン酸フェニル、1−ナフタレンスルフィン酸メチル、1−ナフタレンスルフィン酸エチル、1−ナフタレンスルフィン酸オクチル、1−ナフタレンスルフィン酸フェニル、メタンスルフィン酸フェニル、エタンスルフィン酸フェニル、プロパンスルフィン酸フェニル、ベンジルスルフィン酸メチル、ベンジルスルフィン酸エチル、ベンジルスルフィン酸プロピル、メタンスルフィン酸ベンジル、エタンスルフィン酸ベンジル、プロパンスルフィン酸ベンジル等の鎖状スルフィン酸エステル;ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、エチルメチルスルホキシド、メチルプロピルスルホキシド、エチルプロピルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、メチルp−トリルスルホキシド、エチルフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド、ベンジルメチルスルホキシド、ベンジルエチルスルホキシド等の鎖状スルホキシド;エチレンスルホキシド、トリメチレンスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ペンタメチレンスルホキシド、ヘキサメチレンスルホキシド等の環状スルホキシド;ジエチルスルフィド、メチルプロピルスルフィド、エチルプロピルスルフィド、ジフェニルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、ジベンジルスルフィド、ベンジルメチルスルフィド、ベンジルエチルスルフィド、ベンジルフェニルスルフィド、アリルフェニルスルフィド、2,2′−フルフリルスルフィド、メトキシメチルフェニルスルフィド、メトキシメチルベンジルスルフィド、メトキシメチル2−フェニルエチルスルフィド、フェニルチオ酢酸メチル、フェニルチオ酢酸エチル、2−フェニルチオプロピオン酸メチル、3−フェニルチオプロピオン酸メチル、メチルチオ酢酸メチル、メチルチオ酢酸エチル、2−メチルチオプロピオン酸メチル、3−メチルチオプロピオン酸メチル、ビスメチルチオメタン、ビスエチルチオメタン、ビスプロピルチオメタン、ビスブチルチオメタン、ビスフェニルチオメタン、ビスベンジルチオメタン、1,2−ビスメチルチオエタン、1,2−ビスエチルチオエタン、1,2−ビスプロピルチオエタン、1,2−ビスブチルチオエタン、1,2−ビスフェニルチオエタン、1,2−ビスベンジルチオエタン、1,3−ビスメチルチオプロパン、1,3−ビスエチルチオプロパン、1,3−ビスプロピルチオプロパン、1,3−ビスブチルチオプロパン、1,3−ビスフェニルチオプロパン、1,3−ビスベンジルチオプロパン、トリスメチルチオメタン、トリスエチルチオメタン、トリスプロピルチオメタン、トリスブチルチオメタン、トリスフェニルチオメタン、トリスベンジルチオメタン、チオジグリコール酸ジメチル等の鎖状スルフィド;ジエチルスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、エチルプロピルジスルフィド、ジフェニルジスルフィド、メチルフェニルジスルフィド、エチルフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、ベンジルメチルジスルフィド、ベンジルエチルジスルフィド、ベンジルフェニルジスルフィド、アリルフェニルジスルフィド等の鎖状ジスルフィド;ジエチルトリスルフィド、メチルプロピルトリスルフィド、エチルプロピルトリスルフィド、ジフェニルトリスルフィド、メチルフェニルトリスルフィド、エチルフェニルトリスルフィド、ジベンジルトリスルフィド、ベンジルメチルトリスルフィド、ベンジルエチルトリスルフィド、ベンジルフェニルトリスルフィド、アリルフェニルトリスルフィド等の鎖状トリスルフィド;テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン−3−オン、テトラヒドロチオピラン−3−オン、テトラヒドロチオピラン−4−オン、1,3−ジチオラン、1,3−ベンゾジチオラン、1,3−ジチアン、1,4−ジチアン、2−フェニル−1,3−ジチアン、1,3,5−トリチアン、2,2′−ビチオフェン、3,3′−ビチオフェン、テトラチアフルバレン、ベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、1,4,7,10−テトラチアシクロデカン、チオジグリコール酸無水物、チオインディゴ等の環状スルフィド;ブタンチオール、ヘキサンチオール、オクタンチオール、ドデカンチオール、ベンゼンチオール、p−トルエンチオール、α−トルエンチオール、ドデシルベンゼンチオール、2−ヒドロキシエタンチオール、p−ヒドロキシベンゼンチオール、1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2−ヒドロキシエタンチオール、チオグリコール酸メチル等のチオール;チオ酢酸S−エチル、チオ酢酸S−プロピル、チオ酢酸S−ブチル、チオ酢酸S−ヘキシル、チオ酢酸S−デシル、チオ酢酸S−フェニル、チオ酢酸S−トリル、チオ酢酸S−ベンジル、チオプロピオン酸S−メチル、チオプロピオン酸S−エチル、チオプロピオン酸S−プロピル、チオプロピオン酸S−ブチル、チオプロピオン酸S−ヘキシル、チオプロピオン酸S−デシル、チオプロピオン酸S−フェニル、チオプロピオン酸S−トリル、チオプロピオン酸S−ベンジル、チオ酪酸S−メチル、チオ酪酸S−エチル、チオ酪酸S−プロピル、チオ酪酸S−ブチル、チオ酪酸S−ヘキシル、チオ酪酸S−デシル、チオ酪酸S−フェニル、チオ酪酸S−トリル、チオ酪酸S−ベンジル、チオ安息香酸S−メチル、チオ安息香酸S−エチル、チオ安息香酸S−プロピル、チオ安息香酸S−ブチル、チオ安息香酸S−ヘキシル、チオ安息香酸S−デシル、チオ安息香酸S−フェニル、チオ安息香酸S−トリル、チオ安息香酸S−ベンジル等の鎖状チオカルボン酸エステル;β−チオプロピオラクトン、β−チオブチロラクトン、γ−チオブチロラクトン、γ−チオバレロラクトン、δ−チオバレロラクトン、ε−チオカプロラクトン等の環状チオラクトン;β−ジチオプロピオラクトン、β−ジチオブチロラクトン、γ−ジチオブチロラクトン、γ−ジチオバレロラクトン、δ−ジチオバレロラクトン、ε−ジチオカプロラクトン等の環状ジチオラクトン;ジチオ酢酸S−エチル、ジチオ酢酸S−プロピル、ジチオ酢酸S−ブチル、ジチオ酢酸S−ヘキシル、ジチオ酢酸S−デシル、ジチオ酢酸S−フェニル、ジチオ酢酸S−トリル、ジチオ酢酸S−ベンジル、ジチオプロピオン酸S−メチル、ジチオプロピオン酸S−エチル、ジチオプロピオン酸S−プロピル、ジチオプロピオン酸S−ブチル、ジチオプロピオン酸S−ヘキシル、ジチオプロピオン酸S−デシル、ジチオプロピオン酸S−フェニル、ジチオプロピオン酸S−トリル、ジチオプロピオン酸S−ベンジル、ジチオ酪酸S−メチル、ジチオ酪酸S−エチル、ジチオ酪酸S−プロピル、ジチオ酪酸S−ブチル、ジチオ酪酸S−ヘキシル、ジチオ酪酸S−デシル、ジチオ酪酸S−フェニル、ジチオ酪酸S−トリル、ジチオ酪酸S−ベンジル、ジチオ安息香酸S−メチル、ジチオ安息香酸S−エチル、ジチオ安息香酸S−プロピル、ジチオ安息香酸S−ブチル、ジチオ安息香酸S−ヘキシル、ジチオ安息香酸S−デシル、ジチオ安息香酸S−フェニル、ジチオ安息香酸S−トリル、ジチオ安息香酸S−ベンジル等の鎖状のジチオカルボン酸エステル;チオ炭酸S−メチルO−メチル、チオ炭酸S−エチルO−エチル、チオ炭酸S−メチルO−エチル、チオ炭酸S−エチルO−メチル、チオ炭酸S−プロピルO−プロピル、チオ炭酸S−メチルO−プロピル、チオ炭酸S−プロピルO−メチル、チオ炭酸S−ブチルO−ブチル、チオ炭酸S−フェニルO−メチル、チオ炭酸S−メチルO−フェニル等の鎖状チオ炭酸エステル;ジチオ炭酸S−メチルO−メチル、ジチオ炭酸S−エチルO−エチル、ジチオ炭酸S−メチルO−エチル、ジチオ炭酸S−エチルO−メチル、ジチオ炭酸S−プロピルO−プロピル、ジチオ炭酸S−メチルO−プロピル、ジチオ炭酸S−プロピルO−メチル、ジチオ炭酸S−ブチルO−ブチル、ジチオ炭酸S−フェニルO−メチル、ジチオ炭酸S−メチルO−フェニル等の鎖状ジチオ炭酸エステル;トリチオ炭酸ジメチル、トリチオ炭酸ジエチル、トリチオ炭酸エチルメチル、トリチオ炭酸ジエチル、トリチオ炭酸ジプロピル、トリチオ炭酸メチルプロピル、トリチオ炭酸ジフェニル、トリチオ炭酸メチルフェニル等の鎖状トリチオ炭酸エステル;1,3−ジチオラン−2−チオン、4−メチル−1,3−ジチオラン−2−チオン、4−エチル−1,3−ジチオラン−2−チオン、4−フェニル−1,3−ジチオラン−2−チオン、4,4−ジメチル−1,3−ジチオラン−2−チオン、4,5−ジメチル−1,3−ジチオラン−2−チオン、4−ビニル−1,3−ジチオラン−2−チオン、1,3−ジチオール−2−チオン、4−フェニル−1,3−ジチオール−2−チオン、4−メチル−1,3−ジチオール−2−チオン、1,3−ジチアン−2−チオン、4−メチル−1,3−ジチアン−2−チオン、5,5−ジメチル−1,3−ジチアン−2−チオン、4,6−ジメチル−1,3−ジチアン−2−チオン等の環状トリチオ炭酸エステル;1,3−オキサチオラン−2−チオン、4−メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−メチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4−エチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4−フェニル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、5−フェニル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4,4−ジメチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4,5−ジメチル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、4−ビニル−1,3−オキサチオラン−2−チオン、1,3−オキサチオール−2−チオン、4−フェニル−1,3−オキサチオ−ル−2−チオン、4−メチル−1,3−オキサチオ−ル−2−チオン、1,3−オキサチアン−2−チオン、4−メチル−1,3−オキサチアン−2−チオン、6−メチル−1,3−オキサチアン−2−チオン、5,5−ジメチル−1,3−オキサチアン−2−チオン、4,6−ジメチル−1,3−オキサチアン−2−チオン、1,3−ジチオラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジチオラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジチオラン−2−オン、4−フェニル−1,3−ジチオラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジチオラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジチオラン−2−オン、4−ビニル−1,3−ジチオラン−2−オン、1,3−ジチオール−2−オン、4−フェニル−1,3−ジチオール−2−オン、4−メチル−1,3−ジチオール−2−オン、1,3−ジチアン−2−オン、4−メチル−1,3−ジチアン−2−オン、5,5−ジメチル−1,3−ジチアン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジチアン−2−オン等の環状ジチオ炭酸エステル;1,3−オキサチオラン−2−オン、4−メチル−1,3−オキサチオラン−2−オン、5−メチル−1,3−オキサチオラン−2−オン、4−エチル−1,3−オキサチオラン−2−オン、4−フェニル−1,3−オキサチオラン−2−オン、5−フェニル−1,3−オキサチオラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−オキサチオラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−オキサチオラン−2−オン、4−ビニル−1,3−オキサチオラン−2−オン、1,3−オキサチオール−2−オン、4−フェニル−1,3−オキサチオール−2−オン、4−メチル−1,3−オキサチオール−2−オン、1,3−オキサチアン−2−オン、4−メチル−1,3−オキサチアン−2−オン、6−メチル−1,3−オキサチアン−2−オン、5,5−ジメチル−1,3−オキサチアン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−オキサチアン−2−オン等の環状チオ炭酸エステル等が挙げられる。
【0030】
これらの中、鎖状硫酸エステル、硫酸リチウム、環状硫酸エステル、鎖状スルホン酸エステル、鎖状チオスルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル、鎖状スルホン、環状スルホン、鎖状サルファイト、環状サルファイト、鎖状スルホキシド、環状スルホキシド、鎖状スルフィド、鎖状ジスルフィド、鎖状トリスルフィド、環状スルフィド、鎖状チオ炭酸エステル、鎖状ジチオ炭酸エステル、鎖状トリチオ炭酸エステル、環状トリチオ炭酸エステル、環状ジチオ炭酸エステル、環状チオ炭酸エステルが好ましく、特に、鎖状硫酸エステル、硫酸リチウム、鎖状スルホン酸エステル、環状スルホン酸エステル、環状スルホン、環状サルファイト、鎖状スルホキシド、鎖状スルフィド、鎖状ジスルフィド、環状スルフィド、環状トリチオ炭酸エステルが好ましい。
【0031】
なお、これらの硫黄化合物は二種以上用いてもよい。
浸漬液は、式(1)の硫黄化合物が液体であればそのまま用いても問題はないが、固体である場合には溶媒に溶解した状態で用いることが好ましい。用いる溶媒は、特に限定されないが、式(1)の硫黄化合物及び成形した正極と反応せず、熱処理条件で悪影響を与えないように低沸点の溶媒が好ましい。例えば、一般的に非水電解液に用いられている低沸点溶媒である、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のジアルキル(炭素数1〜4のものが好ましい)カーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状エステル等が好ましい。また、電極成形時に用いられている溶媒である、N−メチルピロリドン、水等も使用可能であり、好ましいものである。
【0032】
熱処理温度は80〜300℃、好ましくは90〜280℃が望ましい。80℃より低い温度では添加、混合した硫黄化合物と正極表面の置換が不十分であり、本発明の効果が小さくなる。また、300℃を越える温度では、必要に応じて用いた結着剤、増粘剤、導電材等の酸化分解が進行し電池性能が低下する可能性があり、好ましいものではない。
【0033】
(二次電池)
本発明で使用する電解液には、非水溶媒を用いる。非水溶媒としては、特に限定されないがエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の鎖状カーボネート類、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル類、酢酸メチル、プロピオン酸メチル等の鎖状エステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル類、ジメトキシエタン、ジメトキシメタン等の鎖状エーテル類、スルホラン、ジエチルスルフィン等の含硫黄有機溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は二種類以上混合して用いてもよい。
【0034】
ここで非水溶媒が、アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートからなる群から選ばれた環状カーボネートと、アルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートよりなる群から選ばれた鎖状カーボネートとをそれぞれ20容量%以上含有し、且つこれらのカーボネートが全体の70容量%以上を占める混合溶媒であるものが好ましい。
【0035】
アルキレン基の炭素数が2〜4のアルキレンカーボネートの具体例としては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等を挙げることができ、これらの中、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが好ましい。
アルキル基の炭素数が1〜4であるジアルキルカーボネートの具体例としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート等を挙げることができる。これらの中、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートが好ましい。なお混合非水溶媒中には、カーボネート以外の溶媒を含有してもよい。
【0036】
更に、非水溶媒には、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートを20重量%以上含有する組成であるものが好ましい。
またエチレンカーボネートは多量に含有させると、低温特性が低下するので、非水溶媒中70重量%以下、好ましくは、50重量%以下にするのが好ましい。本発明で使用する電解液には、溶質としてリチウム塩を用いる。使用し得るリチウム塩は、電解液の溶質として使用し得るものであればその種類は特に制限されない。例えばLiClO4 、LiPF6 、LiBF4 から選ばれる無機リチウム塩やLiCF3 SO3 、LiN(CF3 SO2 )2 、LiN(CF3 CF2 SO2 )2 、LiN(CF3 SO2 )(C4 F9 SO2 )、LiC(CF3 SO2 )3 等の含フッ素有機リチウム塩を用いることができる。中でもLiPF6 、LiBF4 を用いることが好ましい。これらのリチウム塩は二種類以上混合して用いてもよい。
【0037】
電解液中の溶質のリチウム塩モル濃度は、0.5〜3.0モル/リットルであることが望ましい。0.5モル/リットル未満もしくは3.0モル/リットルを超えると、電解液の電気伝導率が低くなって、電池の性能が低下する傾向にある。
本発明の電池を構成する負極の材料としては、リチウムを吸蔵及び放出し得る炭素質物を含有するものが好ましい。該炭素質物の具体例としては、例えば様々な熱分解条件での有機物の熱分解物や、人造黒鉛、天然黒鉛等が挙げられる。好適には種々の原料から得た易黒鉛性ピッチの高温熱処理によって製造された人造黒鉛並びに黒鉛化メソフェーズ小球体、黒鉛化メソフェーズピッチ系炭素繊維等の他の人造黒鉛及び精製天然黒鉛、或いはこれらの黒鉛にピッチを含む種々の表面処理を施した材料が使用される。
【0038】
これらの黒鉛系炭素材料は、学振法によるX線回折で求めた格子面(002面)のd値(層間距離)は0.335〜0.34nmであるものが好ましく、0.335〜0.337nmであるものがより好ましい。灰分は1重量%以下であるのが好ましく、0.5重量%以下であるのがより好ましく、0.1重量%以下であるのが特に好ましい。また、学振法によるX線回折で求めた結晶子サイズ(Lc)は30nm以上であるのが好ましく、50nm以上であるのがより好ましく、100nm以上であるのが特に好ましい。
【0039】
また、レーザー回折・散乱法による炭素質物のメジアン径は、1〜100μmであるのが好ましく、3〜50μm以下であるのがより好ましく、5〜40μmであるのが更に好ましく、7〜30μmであるのが特に好ましい。BET法比表面積は、0.3〜25.0m2 /gであるのが好ましく、0.5〜20.0m2 /gであるのがより好ましく、0.7〜15.0m2 /gであるのが更に好ましく、0.8〜10.0m2 /gであるのが特に好ましい。また、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、1580〜1620cm-1の範囲のピークPA (ピーク強度IA )及び1350〜1370cm-1の範囲のピークPB (ピーク強度IB )の強度比R=IB /IA は0〜1.2が好ましく、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅は26cm-1以下、特に25cm-1以下であるのが好ましい。
【0040】
これらの炭素質物にリチウムを吸蔵・放出可能な負極材を更に混合して用いることもできる。炭素質物以外のリチウムを吸蔵・放出可能な負極材としては、酸化錫、酸化珪素等の金属酸化物材料、更にはリチウム金属並びに種々のリチウム合金を例示することができる。これらの負極材料は二種類以上混合して用いてもよい。
【0041】
負極の製造方法については、特に限定されず、上記の正極の製造方法に準じて製造することができる。また、その形状については、負極材料に必要に応じて結着剤、導電材、溶媒等を加えて混合後、集電体の基板に塗布してシート電極としたり、プレス成形を施してペレット電極とすることができる。
負極用集電体の材質は、銅、ニッケル、ステンレス等の金属が使用され、これらの中で薄膜に加工しやすいという点とコストの点から銅箔が好ましい。
【0042】
本発明の電池に使用するセパレーターの材質や形状については、特に限定されない。但し、電解液に対して安定で、保液性の優れた材料の中から選ぶのが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを原料とする多孔性シート又は不織布等を用いるのが好ましい。
負極、正極及び非水系電解液を少なくとも有する本発明の電池を製造する方法については、特に限定されず、通常採用されている方法の中から適宜選択することができる。
【0043】
また、電池の形状については特に限定されず、シート電極及びセパレータをスパイラル状にしたシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを組み合わせたインサイドアウト構造のシリンダータイプ、ペレット電極及びセパレータを積層したコインタイプ等が使用可能である。
【0044】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、正極の表面に存在する硫黄原子については、アルバックファイ社製XPS(X線光電子スペクトロスコピー)法により、正極最表面に硫黄原子の存在することを確認した。
【0045】
また、硫黄含有量(正極中S分析値)は、テフロン製容器に正極試料及び特級硝酸3ml、過酸化水素水(過酸化水素含量30重量%)1mlを入れ、マイクロウェーブ分解装置(マイルストーンゼネラル社製 MLS−1200MEGA)を用い、最大500Wで加熱分解操作を実施し、得られた溶液を用い、日本ジャーレルアッシュ社製 ICP−AES分析装置(高周波誘導結合プラズマ−原子発光分析)IRIS−APで硫黄の定量を行った。尚、アルゴンICPのRfパワーは、1.1kwとした。
【0046】
(実施例1)
正極活物質としてLiCoO2 に表1に記載の化合物を混合したもの85重量部にカーボンブラック6重量部、ポリフッ化ビニリデンKF−1000(呉羽化学社製、商品名)9重量部を加え混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散し、スラリー状としたものを正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一に塗布し、空気中120℃で熱処理後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて正極とした。
【0047】
負極活物質として、X線回折における格子面(002面)のd値が0.336nm、晶子サイズ(Lc)が、100nm以上(652nm)、灰分が0.07重量%、レーザー回折・散乱法によるメジアン径が12μm、BET法比表面積が7.5m2 /g、アルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において1580〜1620cm-1の範囲のピークPA (ピーク強度IA )及び1350〜1370cm-1の範囲のピークPB (ピーク強度IB )の強度比R=IB /IA が0.12、1580〜1620cm-1の範囲のピークの半値幅が19.9cm-1である天然黒鉛粉末NG−7(関西熱化学社製、商品名)95重量部にポリフッ化ビニリデン5重量部を混合し、N−メチル−2−ピロリドンで分散させスラリー状としたものを負極集電体である厚さ18μmの銅箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いて負極とした。
【0048】
電解液については、乾燥アルゴン雰囲気下で、十分に乾燥を行った六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )を溶質として用い、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの混合物(3:7容量比)にLiPF6 を1モル/リットルの割合で溶解して調製した。
これらの正極、負極、電解液を用いて、正極導電体を兼ねるステンレス鋼製の缶体に正極を収容し、その上に電解液を含浸させたポリエチレン製のセパレーターを介して負極を載置した。この缶体と負極導電体を兼ねる封口板とを、絶縁用のガスケットを介してかしめて密封し、コイン型電池を作製した。
【0049】
(比較例1)
正極活物質としてLiCoO2 をそのまま用いたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
(比較例2)
電解液の重量に対し2重量%の1,3−プロパンスルトンを添加した電解液を用いた以外は比較例1と同様にしてコイン型電池を作成した。
【0050】
尚、作成したコイン型電池において、電解液に含まれる1,3−プロパンスルトンの正極活物質に対する割合は、5〜6重量%と推定される。5〜6重量%と幅をもった値になるのは、電池を作成する際にかしめるが、電解液量としては一定にすることができないためである。
(実施例2)
正極活物質としてLiCoO2 85重量部にカーボンブラック6重量部、ポリ四フッ化エチレン水性ディスパージョンを固形分として9重量部を加え混合したものを正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔上に均一に塗布し、乾燥後、直径12.5mmの円盤状に打ち抜いた。これを、表2に記載の溶液に浸漬した後、空気中250℃で熱処理したものを正極としたこと以外は実施例1と同様にしてコイン型電池を作製した。
【0051】
(比較例3)
正極として、塗布、乾燥を行ったものを、そのまま空気中250℃で熱処理したこと以外は実施例2と同様にしてコイン型電池を作製した。
上記実施例1〜2及び比較例1〜3で作製した電池を、25℃において、0.2Cの定電流で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.5Vで充放電試験を行った。放電容量が安定した10サイクル以降、高負荷放電試験を行った。尚、正極中の硫黄含有量の測定は、この放電容量が安定した電池(高負荷放電試験前のもの)を用いて、正極を取り出し正極試料とした。ここで、1Cとは1時間で満充電できる電流値を表し、0.2Cとはその1/5の電流値、2Cとは1Cの2倍の電流値を表す。
【0052】
それぞれの電池における高負荷放電維持率を表1、2に示す。ここで、高負荷放電維持率は以下の式から求めたものである。
【0053】
【数1】
高負荷放電維持率(%)=[(2C放電容量)/
(0.2C放電容量)]×100
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
表1、2より比較例の場合、正極でのリチウム挿入反応が阻害されているために、急速放電時には本来の容量、性能が十分に発揮できていないが、本実施例の場合は正極表面が改質されており、リチウム挿入反応がスムーズに進行するため、急速放電時の容量が維持されている。
また既に報告のある、1,3−プロパンスルトンを含む電解液を用いた比較例2の場合、急速放電時の容量維持率は充分ではない。これは電解液に1,3−プロパンスルトンを添加した場合では、効率よく正極表面を改質できていないためと考えられる。
【0057】
【発明の効果】
リチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質材料からなる負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、少なくとも正極表面に硫黄原子を存在させ、且つ、正極としたときに20〜350μmol/gの範囲で硫黄原子を含むことによって、安価に高容量且つ急速充放電特性を発揮できる非水系電解液二次電池の提供することができる。
Claims (13)
- 負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池に使用される正極であって、該正極が、少なくとも正極活物質と、硫黄と酸素との二重結合を有する化合物とを接触させた後、酸素の存在下、熱処理したものであり、少なくとも電解液と接触する正極表面に硫黄原子が存在し、且つ該正極が20〜350μmol/gの範囲で硫黄原子を含むことを特徴とする非水系電解液二次電池用正極。
- 負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池に使用される正極であって、該正極が、正極活物質と、硫黄と酸素との二重結合を有する化合物とを混合、成形後に、熱処理したものである請求項1に記載の正極。
- 負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池に使用される正極であって、該正極が硫黄と酸素との二重結合を有する化合物もしくはその溶液に浸漬又はその溶液を噴霧した後、熱処理したものである請求項1に記載の正極。
- 硫黄と酸素との二重結合を有する化合物が下記一般式(I)で示される硫黄化合物である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の正極。
- 前記熱処理が酸素の存在下、80〜300℃で行われる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の正極。
- 負極、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成されることを特徴とする非水系電解液二次電池。
- 負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、該正極が、少なくとも正極活物質と、硫黄と酸素との二重結合を有する化合物とを接触させた後、酸素の存在下、熱処理したものであり、少なくとも電解液と接触する正極表面に硫黄原子が存在し、且つ該正極が20〜350μmol/gの範囲で硫黄原子を含むことを特徴とする非水系電解液二次電池。
- 負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、該正極が、正極活物質と、硫黄と酸素との二重結合を有する化合物とを混合、成形後に、熱処理したものである請求項7に記載の二次電池。
- 負極、正極及び非水溶媒にリチウム塩を溶解してなる電解液から少なくとも構成される非水系電解液二次電池において、該正極が、硫黄と酸素との二重結合を有する化合物もしくはその溶液に浸漬又は溶液を噴霧した後、熱処理したものである請求項7に記載の二次電池。
- 硫黄と酸素との二重結合を有する化合物が下記一般式(I)で示される硫黄化合物である請求項7乃至9のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記熱処理が酸素の存在下、80〜300℃で行われる請求項7乃至9のいずれか一項に記載の二次電池。
- 負極がリチウムを吸蔵・放出することが可能な炭素質材料からなる請求項7乃至11のいずれか一項に記載の二次電池。
- 前記炭素質材料がX線回折における格子面(002面)のd値が0.335〜0.34nmである黒鉛系炭素質材料である請求項12に記載の二次電池。
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