JP3911786B2 - Isdn用端末アダプタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線網を使用してデータ通信を行う端末装置間において、この端末装置およびISDN回線間に設けられ、特にコールバックに必要な手順を処理するISDN用端末アダプタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、端末間でISDN回線網を使用してデータ通信を行うことが頻繁に行われるようになってきている。このとき、ISDN回線網に対して呼制御を行うためにISDN用端末アダプタ装置が必要になる。図11は、ISDN端末アダプタ装置4を介してISDN回線網3に接続された2つの端末装置5間の接続状態を示す図である。このように、ISDN用端末アダプタ装置4は、ISDN用回線網3と端末装置5間に設けられて呼制御を行う。
なお、端末装置5間の接続は、通常の呼び出しにより行われるほか、先に着信した相手に対して折り返し発信をすることで接続をおこなうコールバックによる場合もある。
【0003】
図12は、ISDN用端末アダプタ装置の一従来例の構成を示した図である。なお、以下では「ISDN用端末アダプタ装置」のことを単に「端末アダプタ装置」と呼ぶものとする。
図12において、端末アダプタ装置4は、ISDNのBチャネルでのデータの送受信を行うためのBチャネル制御機能42、ISDNのDチャネルに対しDチャネル制御の要求処理およびDチャネル状態の通知を行うDチャネル制御機能44と、このBチャネル制御手段およびDチャネル制御手段に対しATコマンドによる制御を行うことにより呼制御を行うATコマンド制御機能43と、接続される端末装置5に対しBチャネル制御機能42およびATコマンド制御機能43とのインターフェース制御を行うインターフェース制御機能41とを備えている。
一方、端末装置5は、先に着信した相手に対して折り返し発信をするためのコールバック制御機能51が備えられている。
【0004】
次に、図13を用いて、図12のように端末装置5内にコールバック制御機能51が設けられ、端末装置5と端末アダプタ装置4との間でATコマンドが使用された場合のコールバック全体のシーケンスを第1の手順例として説明する。
はじめに、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置4の動作を簡単に説明する。
まず、端末アダプタ装置4は、”コールバックの要求”を示す発信要求のコマンド201を端末装置5より受信すると、呼制御メッセージに”コールバックの要求”を付加して発信202する。なお、このとき網が発信を受け付けたことを通知する呼制御メッセージ203をISDN回線網より受信する。
次に相手より”コールバックの受付”の付加された呼制御メッセージ204により切断される。なお、このとき、切断の完了を知らせる呼制御メッセージ205を送信する。
また、切断の完了において、切断完了のステータス206を端末装置へ送信する。
次に、折り返しの呼207が着信すると着信通知のステータス209を端末装置5へ送信するとともに、呼び出しの開始を通知する呼制御メッセージ208を発信する。
そして、端末装置より着信に対する応答の要求210を受信すると、接続を通知する呼制御メッセージ211を送信する。
Bチャネルの接続の完了212を確認すると、Bチャネルを通して同期パターン213を送信し、Bチャネルを通じて相手からの同期パターン213が確認された時点で、接続完了のステータス214を端末装置へ送信する。
以上のようにして、コールバックを起動する側での接続が完了すると、以下では端末装置5間でのデータの送受信215がBチャネルにて行われる。
【0005】
次に、コールバックを起動される側の端末アダプタ装置4の動作を簡単に説明する。
まず、”コールバックの要求”の付加された呼制御メッセージ221が着信すると、”コールバックの要求”を示し”コールバックを起動した側の番号”を含む着信通知のステータス222を端末装置5へ送信するとともに、呼制御メッセージ223に”コールバックの受付”を付加して切断する。この切断の完了において、切断完了のステータス224を端末装置へ送信する。
次に、”コールバックを起動した側の番号”を含む折り返しの呼の発信要求のコマンド225を端末装置5から受信すると、通常の呼制御メッセージ226による発信を行う。
そして、網が発信を受け付けたことを通知する呼制御メッセージ227および相手の呼出の開始を通知する呼制御メッセージ228を受信する。
そして、Bチャネルの接続が完了229すると、Bチャネルを通して同期パターン213を送信し、相手からの同期パターン213が確認された時点で、接続完了通知のステータス230を端末装置へ送信する。
以上のようにして、コールバックを起動される側での接続が完了し、以下では端末装置5間でのデータの送受信215が行われる。
【0006】
以上は、図12に示すように端末装置5がコールバック制御機能51を備え、端末装置によりコールバックの制御が行われる場合を示すが、次に、端末装置によるコールバック制御が行われない時のシーケンス制御について第2の手順例として以下に簡単に示す。なお、説明において図13を用いるが、手順が異なるため対応信号がない場合もある。
まず、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置4の動作を説明する。
まず、”コールバックの要求”を示す発信要求のコマンド201を端末装置5より受信すると、呼制御メッセージ202に”コールバックの要求”を付加して発信する。ここまでは、前述の例と同じであるが、以下のシーケンスが異なってくる。
そして、一定時間経過後に呼制御メッセージにより切断する。なお、このとき切断の完了において切断完了のステータスを端末装置へ送信しない。
次に、折り返しの呼207が着信すると、着信通知のステータス209を端末装置へ送信することなしに、着信に対応する応答を通知する呼制御メッセージ208を送信する。
そして、Bチャネルの接続が完了212し、Bチャネルを通して同期パターン213を送信するとともに、相手からの同期パターン213が確認された時点で、接続完了の通知のステータス214を端末装置へ送信する。
【0007】
一方、コールバックを起動される側の端末アダプタ装置の動作は、以下のようになる。
まず、”コールバックの要求”の付加された呼制御メッセージ221が着信すると、着信通知のステータス222を端末装置へ送信せずに、相手からの切断をまち、相手の呼制御メッセージにより切断される。ここで、切断完了のステータスを端末装置へ送信しない。
次に、コールバックを要求した相手に対して通常の呼制御メッセージ226により発信し、網が発信を受け付けたことを通知する呼制御メッセージ227を受信する。
Bチャネルの接続が完了229し、着信通知のステータスを端末装置5へ送信する。
端末装置5より着信に対する応答の要求を受信すると、Bチャネルを通して同期パターン213を送信し、相手からの同期パターン213が確認された時点で、接続完了のステータス230を端末装置へ送信する。
以上のようにして、接続が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の第1の手順では、”コールバック要求”を示し”コールバックを起動した側の番号”を含む着信通知のステータス222を端末装置5へ送信すために、標準的ではない手順をコールバック制御機能51として端末装置5が実装しなければならない。さらにコールバックを起動した側への折り返しの発信225は、コールバックを起動された側の端末装置5が行わなければならず、コールバックを起動される側の端末装置5には特別な機能が必要となる。
また、第2の手順では、端末装置5に特別な機能を必要としないが、コールバックを起動する側は、相手がコールバックを受けたがどうか確認をせずに切断するので、相手がコールバックを受けたがどうか確認することができない。また、コールバックを起動された側では、Bチャネルの接続が完了するまでは、端末アダプタ装置4からのステータスが端末装置5に対して通知されないため、端末アダプタ装置4に影響を及ぼすコマンド、例えばリセットコマンド等が、端末装置5から要求される可能性がある。さらに、コールバックを起動された側では、Bチャネルの接続完了後に通知された着信通知のステータスに対する応答のコマンドを端末装置5が端末アダプタ装置4に対して送信するまでは、Bチャネルの接続完了からデータ送受信が可能となるまでの時間が無駄にかかり、コールバックを起動するする側で接続エラーが発生する可能性がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、
1)端末装置には、特別なコールバックのための機能を必要とせず、
2)たとえ、端末装置内に特別なコールバックのための機能が無くても、コールバックの呼制御において、例えば、端末アダプタ装置の動作に影響の及ぼすコマンドが入力された等があっても問題の生じることのない
端末アダプタ装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、ISDNのBチャネルでのデータの送受信を行うためのBチャネル制御手段と、ISDNのDチャネルに対しDチャネル制御の要求処理およびDチャネルの状態の通知を行うDチャネル制御手段と、該Bチャネル制御手段およびDチャネル制御手段に対しATコマンドによる制御を行うことにより呼制御を行うATコマンド制御手段と、接続される端末装置に対し該Bチャネル制御手段および該ATコマンド制御手段とのインターフェース制御を行うインターフェース制御手段とを備えたISDN用端末アダプタ装置において、前記Dチャネル制御手段およびATコマンド制御手段との間にコールバックに必要となる手順を処理するコールバック制御手段をさらに備え、前記コールバック制御手段は、コールバックの要求のある発信要求を受けた場合には、呼出側からの呼出開始通知を受けると呼の切断要求を行い、呼の切断完了の通知を受けると折り返しの呼の着信を待ち、折り返しの呼の着信後ただちに応答を要求し、Bチャネルの接続通知があると前記ATコマンド制御手段に通知する動作を行い、コールバックを起動する呼の着信を受けた場合には、前記ATコマンド制御手段からの着信の通知に対する呼出開始の要求を呼出開始の要求として送信し、切断通知を受けると折り返し呼の発信を要求し、Bチャネルの接続通知があると前記ATコマンド制御手段に通知する動作を行い、さらに、コールバックを起動する呼の着信を受けた場合において、前記ATコマンド制御手段からの着信の通知に対する呼出開始の要求を受けてから、Bチャネルの接続通知を該ATコマンド制御手段に通知するまでの動作中は、該ATコマンド制御手段からの応答要求の処理を行わないことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による端末アダプタ装置を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるISDN用端末アダプタ装置の構成図である。なお、以下では「ISDN用端末アダプタ装置」のことを単に「端末アダプタ装置」と呼ぶものとする。
図1において、符号1は端末アダプタ装置を、符号2は端末装置を表している。なお、端末装置2内には、コールバックの制御を行うための機能は設けられていない。
【0014】
一方、端末アダプタ装置1には、ISDNのBチャネルでのデータの送受信を行うためのBチャネル制御機能12と、ISDNのDチャネルとのインターフェースとなりDチャネルに対する制御の要求処理およびDチャネルの状態の通知を行うDチャネル制御機能14と、このBチャネル制御機能12およびDチャネル制御機能14に対しATコマンドによる制御を行うことにより呼制御を行うATコマンド制御機能13と、接続される端末装置2対しBチャネル制御機能12およびATコマンド制御機能13とのインターフェースの制御を行うインターフェース制御機能11を備えている。さらに、Dチャネル制御機能14およびATコマンド制御機能13との間にコールバックに必要となる手順を実現するコールバック制御機能15が備えられ、このコールバック制御機能15により、端末装置2内にコールバック制御機能が無くても問題なくコールバック制御を可能としている。
なお、このシリアルインターフェース制御機能11、Bチャネル制御機能12、ATコマンド制御機能13、Dチャネル制御機能14、コールバック制御機能15は、専用のハードウェアにより実現されるものであっても、プログラムとして提供され端末アダプタ装置1内のCPU(中央演算装置:図示せず)により実行されることにより、その機能が実現されるものであってもよい。
【0015】
次にこの端末アダプタ装置1の動作を図を用いて説明する。
なお、以下の説明において、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置1および端末装置2を、それぞれ符号1a(端末アダプタ装置)、2a(端末装置)で表し、コールバックを起動される側の端末アダプタ装置1および端末装置2を、それぞれ符号1b(端末アダプタ装置)、2b(端末装置)で表す。
【0016】
まずはじめに、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置1aの動作を図2に示すフローチャートおよび図4に示す端末装置2と端末アダプタ装置1との間の手順としてATコマンドが使用された場合のコールバック全体のシーケンスを用いて説明する。
まず、端末アダプタ装置1aが端末装置2aから”コールバックの要求”を示す発信要求のコマンド101の受信により、以下の呼制御が開始する(ステップS11)。
このコマンド101を受信すると、端末アダプタ装置1aは、呼制御メッセージ102に”コールバックの要求”を付加して発信する(ステップS12)。
ここで、ISDN回線網が発信の受け付けをすると、それを通知する呼制御メッセージ103が送られる。
【0017】
そして、相手の着信に対する呼出の開始を通知する呼制御メッセージ104を受信すと、呼制御メッセージ105により切断を行う(ステップS13)。これにより、相手がコールバックを受けたかどうか確認することができる。なお、これに対する呼制御メッセージ106をISDN回線網から受け、切断の完了を示す呼制御メッセージ107を送る。また、コールバックの制御を端末アダプタ装置1a側で行っていることから、切断の完了において切断完了のステータスを端末装置2aへ送信しない。
次に、相手から折り返しの呼108が着信すると(ステップS14)、着信通知のステータスを端末装置2aへ送信することなしに、この着信により接続を通知する呼制御メッセージ109を送信する(ステップS15)。
そして、Bチャネルの接続が完了110すると、Bチャネルを通して同期パターン111を送信する(ステップS16)。
最後に、Bチャネルを通じて相手からの同期パターン111が確認された時点で、接続完了の通知のステータス112を送信する(ステップS17)。
以上によりコールバック起動側の接続が完了する。
【0018】
次に、コールバックを起動される側の端末アダプタ装置1bの動作を図3に示すフローチャートおよび図4に示すシーケンスを用いて説明する。
まず、”コールバックの要求”の付加された呼制御メッセージ121の着信により以下のように動作する(ステップS21)。
この呼制御メッセージ121の着信があると、着信通知のステータス122を端末装置2bへ送信する(ステップS22)。
また、端末装置2bに対する呼び出しの開始を通知する呼制御メッセージ123を送信する(ステップS23)。
そして、相手からの切断要求を呼制御メッセージ125として受信すると、切断を行い、切断完了を通知する呼制御メッセージ126を送信する(ステップS24)。なお、この切断の完了において切断完了のステータスを端末装置2bへ送信しない。さらに、コマンド124が端末装置2bから要求されても、Bチャネルの接続が完了するまで、端末アダプタ装置1bの動作に影響が及ばないように受け付けないものとする。
【0019】
そして、コールバックを要求した相手に対して通常の呼制御メッセージ127を発信する(ステップS25)。ここで、ISDN回線網が発信の受け付けをすると、それを通知する呼制御メッセージ128を受信する。
そして、Bチャネルの接続を示す呼制御メッセージ129により接続を確認すると、Bチャネルを通して同期パターン111を送信する(ステップS26)。
最後に、Bチャネルを通じて相手からの同期パターン111が確認された時点で、接続完了の通知のステータス130を送信する(ステップS27)。
以上によりコールバック起動側の接続が完了する。
これにより、コールバック起動側、被起動側における接続が完了し、以後Bチャネルを介して端末装置2a、2b間でのデータの送受信が行われる。
【0020】
次に、端末アダプタ装置1内のコールバック制御機能15の動作を図面を用いてより詳細に説明する。
まずはじめに、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置1a内のコールバック制御機能15の動作を図5に示すフローチャートおよび図6に示すシーケンスを用いて詳細に説明する。なお、図6において、図4に対応する信号には、同一の符号を付している。
まず、ATコマンド制御機能13からのコールバックを起動する発信の要求131により、コールバックを要求する発信要求132をDチャネル制御機能14に対して行う(ステップS31)。
次に、発信がISDN回線網により受け付けられると、その発信受付の通知133を受け、ATコマンド制御機能13へ発信受付の通知134を行う(ステップS32)。
そして、呼出開始の通知135により、相手がコールバックを受け付け可能であると判断し、その呼の切断の要求136を行う(ステップS33)。
【0021】
そして、切断完了の通知137を受けると(ステップS34)、折り返しの呼の着信138を待つべく、着信の通知138の有無の判断を行う(ステップS35)。
折り返しの呼の着信の通知138があると、ただちに応答の要求139を行う(ステップS36)。
そして、Bチャネル接続完了の通知140を受けると、この通知141をATコマンド制御機能13に対して行う(ステップS37)。なお、この通知を受けたATコマンド制御機能13は、Bチャネル制御機能12に対してBチャネル起動の要求を行ない、これによりBチャネルを通した同期パターンによるネゴシエーションが行われることになる。
以上が、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置1a内のコールバック制御機能15の動作である。
【0022】
次に、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置1b内のコールバック制御機能15の動作を図7に示すフローチャートおよび図8に示すシーケンス図を用いて詳細に説明する。なお、図8において、図4に対応する信号には、同一の符号を付している。
Dチャネル制御機能14からコールバックを起動する呼の着信の通知151を受けると、ATコマンド制御機能13に、この着信の通知152を行う(ステップS41)。
次にATコマンド制御機能13から呼出開始の要求153を受けたならば、その呼は受け付け可能なコールバックを起動する呼であると判断し、呼出開始を相手に通知するために、Dチャネル制御機能14に呼出開始の要求154をし、切断の完了を待つ(ステップS42)。
【0023】
そして、Dチャネル制御機能14から切断完了の通知156を受けると、折り返しの発信の要求157を行う(ステップS43)。ここで、コールバック制御機能15がコールバックの制御をすることから、この切断完了のステータスが端末装置2bに送られないようにするため、切断の通知をATコマンド制御機能13に対して行わない。
折り返しの呼がISDN回線網により受け付けられ、Dチャネル制御機能14から発信受付の通知158を受けると(ステップS44)、Bチャネル接続完了の通知159を待つべく、Dチャネル制御機能14からのBチャネル接続完了の通知159の有無を判断する(ステップS45)。
Bチャネル接続完了の通知159を受けると、ATコマンド制御機能13にBチャネル接続完了の通知160を行う(ステップS46)。なお、この通知を受けたATコマンド制御機能13は、Bチャネル制御機能12に対してBチャネル起動の要求を行ない、これによりBチャネルを通した同期パターンによるネゴシエーションが行われることになる。
なお、コールバック制御機能15は、ステップS42からステップS46を実施している間に、ATコマンド機能124から端末装置2bによる応答の要求が送られてきても、端末アダプタ装置1bの動作に影響が及ばないように受け付けないものとする。
以上が、コールバックを起動される側の端末アダプタ装置1b内のコールバック制御機能15の動作である。
【0024】
図9および図10は、通常の発信側および着信側の端末アダプタ装置1内におけるシーケンスを示す図である。図6のコールバックを起動する側の端末アダプタ装置1a内におけるシーケンスと、図9の通常の発信側の端末アダプタ装置1a内におけるシーケンスとを比較すると、これらの処理の間におけるATコマンド制御機能13の動作は、コールバックを起動する際に、”コールバックの要求”が発信の要求131としてある以外は全く同じである。
また図8のコールバックを起動される側の端末アダプタ装置1b内におけるシーケンスと、図10の通常の発信側の端末アダプタ装置1b内におけるシーケンスとを比較すると、これらの処理の間におけるATコマンド制御機能13の動作は、全く同じである。
これより、コールバック制御機能15がコールバックのための制御を他に影響が生じないように担っていることが分かる。
【0025】
このように、端末アダプタ装置1内にコールバック制御機能15を設けることにより、コールバックを行うための複雑な手順は端末装置2に対して通知されることなく行われるため、端末装置2にとっては、コールバックの有無にかかわらず同一の動作により接続を行うことが可能となる。
また、コールバックを起動する側の端末アダプタ装置1aは、図4において、呼出開始の通知104により、相手がコールバックを受付可能であると判断し、接続することなくその呼の切断104を行い、相手からの折り返しの呼の着信108を待って接続を開始するので、通常の接続時と課金される側が入れ替わるだけで、一切無駄な課金が発生しない。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によるISDN用端末アダプタ装置によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、ISDN用端末アダプタ装置が、コールバックに必要となる手順を処理するコールバック制御手段をさらに備えている。これにより、コールバックを行うための複雑な手順は端末装置に対して通知されることなく行われ、接続される端末装置にとっては、コールバックの有無にかかわらず同一の動作により接続を行うことが可能となる。
【0027】
また、請求項1に記載の発明によれば、コールバック制御手段が、コールバックの要求のある発信要求を受けた場合には、呼出側からの呼出開始通知を受けると呼の切断要求を行い、呼の切断完了の通知を受けると折り返しの呼の着信を待ち、折り返しの呼の着信後ただちに応答を要求し、Bチャネルの接続通知があると前記ATコマンド制御手段に通知する動作を行を行う。一方、コールバックを起動する呼の着信を受けた場合には、前記ATコマンド制御手段からの着信の通知に対する呼出開始の要求を呼出開始の要求として送信し、切断通知を受けると折り返し呼の発信を要求し、Bチャネルの接続通知があると前記ATコマンド制御手段に通知する動作を行う。このように、コールバック制御手段が動作することによりコールバックを行うための複雑な手順は端末装置に対して通知されることなく行われ、結果として、端末装置はコールバックの有無にかかわらず同一の動作により接続を行うことが可能となる。
【0028】
また、請求項1に記載の発明によれば、コールバック制御手段は、コールバックを起動する呼の着信を受けた場合において、ATコマンド制御手段からの呼出開始の要求受けてから、Bチャネルの接続通知をATコマンド制御手段に通知するまでの動作中は、ATコマンド制御手段からの応答要求の処理を行わない。これにより、コールバックのための処理を行っている間で、ISDN用端末アダプタ装置の動作に影響が及ぶことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるISDN用端末アダプタ装置の構成図である。
【図2】 コールバックを起動する側の端末アダプタ装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】 コールバックを起動される側の端末アダプタ装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】 端末装置と端末アダプタ装置との間の手順としてATコマンドが使用された場合のコールバック全体のシーケンスを示す図である。
【図5】 コールバックを起動する側におけるコールバック制御機能の動作を示すフローチャートである。
【図6】 コールバックを起動する側の端末アダプタ装置内におけるシーケンスを示す図である。
【図7】 コールバックを起動される側におけるコールバック制御機能の動作を示すフローチャートである。
【図8】 コールバックを起動される側の端末アダプタ装置内におけるシーケンスを示す図である。
【図9】 通常の発信側の端末アダプタ装置内におけるシーケンスを示す図である。
【図10】 通常の着信側の端末アダプタ装置内におけるシーケンスを示す図である。
【図11】 ISDN端末アダプタ装置を介してISDN回線に接続された2端末間の接続状態を示す図である。
【図12】 ISDN用端末アダプタ装置の一従来例の構成図である。
【図13】 端末装置と端末アダプタ装置との間の手順としてATコマンドが使用された場合のコールバック全体のシーケンスの一従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 (ISDN用)端末アダプタ装置
2 端末装置
11 シリアルインターフェース制御機能
12 Bチャネル制御機能
13 ATコマンド制御機能
14 Dチャネル制御機能
15 コールバック制御機能
Claims (1)
- ISDNのBチャネルでのデータの送受信を行うためのBチャネル制御手段と、ISDNのDチャネルに対しDチャネル制御の要求処理およびDチャネルの状態の通知を行うDチャネル制御手段と、該Bチャネル制御手段およびDチャネル制御手段に対しATコマンドによる制御を行うことにより呼制御を行うATコマンド制御手段と、接続される端末装置に対し該Bチャネル制御手段および該ATコマンド制御手段とのインターフェース制御を行うインターフェース制御手段とを備えたISDN用端末アダプタ装置において、前記Dチャネル制御手段およびATコマンド制御手段との間にコールバックに必要となる手順を処理するコールバック制御手段をさらに備え、
前記コールバック制御手段は、
コールバックの要求のある発信要求を受けた場合には、呼出側からの呼出開始通知を受けると呼の切断要求を行い、呼の切断完了の通知を受けると折り返しの呼の着信を待ち、折り返しの呼の着信後ただちに応答を要求し、Bチャネルの接続通知があると前記ATコマンド制御手段に通知する動作を行い、コールバックを起動する呼の着信を受けた場合には、前記ATコマンド制御手段からの着信の通知に対する呼出開始の要求を呼出開始の要求として送信し、切断通知を受けると折り返し呼の発信を要求し、Bチャネルの接続通知があると前記ATコマンド制御手段に通知する動作を行い、さらに、コールバックを起動する呼の着信を受けた場合において、前記ATコマンド制御手段からの着信の通知に対する呼出開始の要求を受けてから、Bチャネルの接続通知を該ATコマンド制御手段に通知するまでの動作中は、該ATコマンド制御手段からの応答要求の処理を行わない
ことを特徴とするISDN用端末アダプタ装置。
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