JP3911610B2 - 車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置 - Google Patents

Description

本発明は、車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置に関するものである。

通常、車両の操向及び制動は主に機械的システムによって行われている。すなわち、運転者が操向ホイール（ハンドル）を動かしたりブレーキを踏む等の物理的な力を加えると、その力は機械的運動エネルギーに変えられて車両を駆動し、車両に所望の運動を行わせる。

これを代替するための次世代車両技術としてエックスバイワイヤー（Ｘ−Ｂｙ−Ｗｉｒｅ）技術が全世界的に活発に開発されている。本来航空機の調整技術として開発されたエックスバイワイヤーは、ケーブルやロッド、油圧などで伝達して調整したものをワイヤー（電線）に変えてコンピュータ飛行が可能になるようにしたもので、車両分野においては操向システムと制動システム分野において主に適用、開発されつつあり、近い将来の車両製造技術に大きな変革をもたらす要素として登場している。

一方、自動変速機搭載車両において、各レンジ（Ｐ／Ｒ／Ｎ／Ｄ）操作のためのシフトレバーは変速機と機械的構造で連結されている。シフトレバーは、マニュアルコントロールケーブル、マニュアルコントロールレバー、及びマニュアルコントロールシャフトを介してマニュアルバルブに連結される。

しかしながら、従来の機械式システムは次のような短所がある。例えば、特に後輪駆動（Ｆ／Ｒ）車両ではマニュアルケーブルの長さが長くなり操作時に不便で、且つ操作力の問題があった。

さらにシフトレバーの位置は、変速機及びマニュアルケーブルとの機械的な関係上、殆ど固定されており、空間的制約及び設計自由度がないという問題点があった。
特開２００２−１７８７７８号公報

本発明の目的は、ギヤ変速レバーと変速機との機械的な連結を除去し、変速段位置操作の便宜性及び部品サイズ縮小による軽量化を図ることができる、車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置を提供することである。

上記課題を解決するために、本発明の実施例によるシフトバイワイヤーシステムの変速装置は、メーン変速レバーとシフトモードスイッチユニットを含む。メーン変速レバーは、ヘッド部と、前記ヘッド部に結合されてそれぞれの変速レンジ指定位置にシフトされ得る変速部とから構成され、前記変速部が位置する変速レンジに応じて該当する電気的な信号を発生するように構成される。
シフトモードスイッチユニットは、前記メーン変速レバーのヘッド部に結合され、前記メーン変速レバーとの結合状態に応じて変速モードを切換えるであって、前記ヘッド部に備えた突起に対し移動可能に嵌合する第１の凹部を備え、自動及びマニュアルの２種類の変速モードが前記嵌合位置により選択されるシフトモードスイッチユニットである。

さらに、前記シフトモードスイッチユニットにはパークバイワイヤーを実現するように構成されるパーク（駐車）ボタンを備え、前記パークボタンは前記シフトモードスイッチユニットに備えた第２の凹部に嵌合する押しボタン式のパークボタンである。

前記メーン変速レバーの前記ヘッド部にはそれぞれの変速段の変速状態を表示する変速レンジ指示灯が備わることが好ましい。

本発明による車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置は、運転者の間違いによる誤った変速操作を防止して安全性を増大させることができ、さらに、操向ホイールの周辺に装着してあるので操作が便利である。

また、既存の車両のシフトレバー及び機械的な構成を除去し、マルチファンクションスイッチ程度の大きさのレバーで代替するので、装着の便宜性及び部品サイズの縮小を通じて軽量化することができる。

以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。

図１と図２を参照すると、本発明の実施例による車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置は、メーン変速レバー１１０とシフトモードスイッチユニット１２０を含む。

図２に示すように、メーン変速レバー１１０は、車両室内空間の確保及び操作の便宜性のために操向ホイールの後側のマルチファンクション部に装着されることができる。

メーン変速レバー１１０は、ヘッド部１１２と、ヘッド部１１２に結合されてヘッド部１１２に伝達される外力に応じてそれぞれの変速段位置に移動する変速部１１４とを含む。

メーン変速レバー１１０は、変速部１１４の変速段位置移動状態によって該当する電気的な信号を生成するように構成される。例えば、メーン変速レバー１１０は変速部１１４の移動に対応して該当する電気信号を生成する電気回路を含む。

シフトモードスイッチユニット１２０は、図１に示すように、メーン変速レバー１１０のヘッド部１１２に結合され、メーン変速レバー１１０との結合状態によって変速モードを切換える機能をする。

変速モードは、自動変速車両の一般的な変速モードである自動モード、手動変速モードであるスポーツモード（＋、−変速制御）、駐車ブレーキが作動するように制御される駐車モードに区分される。

シフトモードスイッチユニット１２０には、パークバイワイヤーを実現するためのパークボタン１３０が備わる。パークボタン１３０が押されると駐車モードが選択される。

前記パークボタン１３０の構成により本発明の実施例による変速装置は、シフトバイワイヤーとパークバイワイヤーを同時に実現することができる。

一方、メーン変速レバー１１０のヘッド部１１２にそれぞれの変速段の変速状態を表示する変速レンジ指示灯１４０を構成する。変速レンジ指示灯１４０はＰ、Ｒ、Ｎ、Ｄに表示され、変速の際にはそれぞれの変速段に該当する段数が表示される。

したがって、運転者はメーン変速レバー１１０及びシフトモードスイッチユニット１２０の操作状態による現在の変速レンジをそれぞれの変速レンジ指示灯１４０の点灯状態で容易に把握することができる。

上記のように本発明の実施例では、既存の機械的リンクで連結された変速レバーによる変速制御とは異なり、メーン変速レバー１１０及びシフトモードスイッチユニット１２０の操作によって発生する電気的な信号によって変速制御されるので、運転者の変速操作の便宜性が向上する。

図１乃至図３を参照して本発明の実施例による車両用シフトバイワイヤーシステムの、変速装置の変速モード別の操作状態を説明する。

先ず、自動モードでの変速装置の操作状態を説明する。
自動モードでは変速レンジ指示灯１４０は自動モードを示す信号（例えば、ＡＵＴＯ ＬＥＤ）を表示し、一般的な自動変速車両の変速レンジであるＲ、Ｎ、Ｄレンジの選択が可能である。

例えば、図１を参照してＮ段からＲ段への変速段位置移動を説明すると、“１”の位置（Ｎ段）でメーン変速レバー１１０を１Ｂ位置に引いた後、“３”の位置（Ｒ段）まで上げる。その後、“３”の位置にあったメーン変速レバー１１０は自動的に“１”の位置にリターンされる。

図１を参照してＮ段からＤ段への変速段位置移動を説明すると、“１”の位置でメーン変速レバー１１０を“１Ｂ”位置に引いた後、“４”の位置（Ｄ段）まで下げる。その後、“４”の位置にあったメーン変速レバー１１０は自動的に“１”の位置にリターンされる。

図１を参照してＲ段及びＤ段からＮ段への変速段位置移動を説明すると、“１”の位置でメーン変速レバー１１０を“１Ｂ”位置に引いた後、約２秒間維持、または“１Ｂ”位置に引いた後、“２”または“２’”の位置（Ｎ段）に上げるか下げる。その後、“２”または“２’”の位置にあったメーン変速レバー１１０は自動的に“１”の位置にリターンされる。

次に、マニュアルモードでの変速装置の操作状態を説明する。
マニュアルモードでは変速レンジ指示灯１４０がマニュアルモードを指示する信号（例えば、ＭＡＮＵＡＬ ＬＥＤ）を表示する。図３に示すように、メーン変速レバー１１０からシフトモードスイッチユニット１２０を右側に引くことによって、マニュアルモードが選択される。

但し、マニュアルモードは自動モードの変速レンジがＤレンジである場合に限って作動可能であるように設定することに留意しなければならない。したがって、マニュアルモードは常にＤレンジのみで作動可能である。

図１を参照してマニュアルモードでアップシフト及びダウンシフトの操作について説明する。
図１を参照すると、低段へ変速（−１段）時にメーン変速レバー１１０を“１”の位置から“１Ｂ”位置に引く。このようなメーン変速レバー１１０の移動に対応してダウンシフト変速信号が生成される。その後、“１Ｂ”の位置にあったメーン変速レバー１１０は自動的に“１”の位置にリターンされる。

そして、高段へ変速（＋１段）時にメーン変速レバー１１０を“１”の位置から“１Ａ”の位置に移動させる。このようなメーン変速レバー１１０の移動に対応してアップシフト変速信号が生成される。その後、“１Ａ”の位置にあったメーン変速レバー１１０は自動的に“１”の位置にリターンされる。

次に、駐車モードでの変速装置の操作状態を説明する。
図３に示すように、シフトモードスイッチユニット１２０に装着されるパークボタン１３０がプッシュされると、駐車モードが選択される。駐車モードでは、変速レンジ指示灯１４０は駐車モードを指示する信号（例えば、Ｐ ＬＥＤ）を表示する。そして、駐車モードでは、駐車ブレーキが作動するように制御される。

駐車指示灯は既存クラスタの駐車ブレーキ表示灯を用いることができる。

シフトモードスイッチユニット１２０のパークボタン１３０は駐車ブレーキつまり、パークバイワイヤー実現のためのボタンである。つまり、既存の駐車ブレーキの機能をパークバイワイヤーで実現しながらボタン化したものである。

参考的に、本発明の実施例による変速モードの最初開始位置は“５”の位置（Ｐ段）であり、Ｐ段は変速機で作動するＰ−ｌｏｃｋである。Ｐ段は既存の変速レバーのＰ、Ｒ、Ｎ、ＤのＰに当該する。

メーン変速レバー１１０が“５”の位置から“３”の位置へ移されると、ここからメーン変速レバー１１０が自動的に“１”の位置にリターンされる。メーン変速レバー１１０は、ブレーキペダルが踏まれた場合に限って“５”の位置から“１”の位置へ移動できるようにすることが好ましい。したがって、シフトロックが実現される。

もし、ブレーキペダルが踏まれた状態でメーン変速レバー１１０が“５”の位置から“１”の位置に移動される場合には、変速レンジ指示灯１４０はＮを表示する。反面、ブレーキペダルが踏まれていない状態でメーン変速レバー１１０が“５”の位置から“１”の位置に移動される場合には、変速レンジ指示灯１４０はＰを表示するように点滅する。

他の変速段（Ｎ、Ｒ、Ｄ）ではブレーキペダルが踏まれていない状態でメーン変速レバー１１０が移動されると、当該変速操作は無視され、変速レンジ指示灯１４０は継続してＰを表示するように点滅する。

これとは異なり、他の変速段（Ｎ、Ｒ、Ｄ）でブレーキペダルが踏まれた状態でメーン変速レバー１１０が移動されると、変速レンジ指示灯１４０は該当する変速レンジを表示する。

変速段位置指示灯１４０でＰを表示するように点滅する状態でメーン変速レバー１１０が“５”の位置に移動されると、変速レンジ指示灯１４０は点滅状態を止める。

図１を参照してメーン変速レバー１１０を“１”位置から“１Ｂ”位置と“３”位置を経由して“５”位置に移動させることによって、Ｄ段、Ｒ段及びＮ段からＰ段へ変速レンジが変換されることができる。但し、これは車両が停止時にだけ可能であり、プログラムロジックで実現可能である。メーン変速レバー１１０は“５”の位置に固定される。

以上で本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって、本発明の実施例から容易に変更されると認められるすべての範囲を含む。

本発明の実施例に係る車両用シフトバイワイヤーシステムの、変速装置構成を示した図である。 本発明の実施例に係る車両用シフトバイワイヤーシステムの、変速装置装着位置を示した図である。 本発明の実施例に係る車両用シフトバイワイヤーシステムの、変速装置のシフトモード別の操作状態を示した図である。

符号の説明

１１０ メーン変速レバー
１１２ ヘッド部
１１４ 変速部
１２０ シフトモードスイッチユニット
１３０ パークボタン
１４０ 変速レンジ指示灯

Claims (2)

1. ヘッド部と、前記ヘッド部に結合されてそれぞれの変速レンジ位置にシフトされ得る変速部とから構成され、前記変速部が位置する変速レンジに応じて該当する電気的な信号を発生するように構成されるメーン変速レバーと、
   前記メーン変速レバーのヘッド部に結合され、前記メーン変速レバーとの結合状態に応じて変速モードを切換えるシフトモードスイッチユニットであって、前記ヘッド部に備えた突起に対し移動可能に嵌合する第１の凹部を備え、自動及びマニュアルの２種類の変速モードが前記嵌合位置により選択されるシフトモードスイッチユニットと、
   前記シフトモードスイッチユニットに備えた、パークバイワイヤーを実現するように構成される、シフトモードスイッチの第２の凹部に嵌合する押しボタン式のパークボタンと、
   を含むことを特徴とする車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置。
2. 前記メーン変速レバーの前記ヘッド部にはそれぞれの変速段の変速状態を表示する変速レンジ指示灯を備えることを特徴とする請求項１に記載の車両用シフトバイワイヤーシステムの変速装置。

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