JP3911069B2 - ポリエステル組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル組成物の製造方法に関し、詳しくは、回収ポリエステルを原料とし、非晶質シートの成形時に採用される静電密着法を効果的に適用し得る工業的に有利なポリエステル組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフイルムは、その優れた機械的特性、電気的特性、耐薬品性、寸法安定性などの点から、情報記録材料、コンデンサー用、包装用、製版用、電絶用、写真フイルム等の多くの分野で基材として使用されている。
【0003】
通常、ポリエステルは、溶融押出し後、急冷固化して非晶質シート、または、当該非晶質シートを延伸して得られるフイルムとして使用される。そして、ポリエステルフイルムの製造方法において、ポリエステルシートの端部は、押出しの際、ネックイン現象により厚くなり、クリップの噛み代として使用される。従って、ポリエステルフイルムの端部は、耳部フイルムとして切断分離される。切断分離された耳部フイルムは、粉砕後、溶融押出しされてペレット状に加工されて再使用される。
【0004】
上記の非晶質シートの成形においては、一般に静電密着法が採用されている。ここで、静電密着法とは、通常、回転冷却ドラム上に押し出された溶融シートの上面側に当該溶融シートの流れと直交する方向に電極を張架し、当該電極に約5〜10kvの直流電圧を印加することにより溶融シートに静電荷を与え、回転冷却ドラムと溶融シートとの密着性を向上させる方法を言う(特公昭37−6124号公報)。
【0005】
静電密着法において、生産性を高めるために回転冷却ドラムの回転速度を高めた場合、回転冷却ドラムに対する溶融シートとの密着力が低下する。その結果、得られるシート表面にクレーター状のいわゆる束縛気泡が形成される。束縛気泡は、原料ポリエステルの溶融時の比抵抗が高いほど発生し易くなる。そこで、比抵抗を低下させるため、原料ポリエステルに金属化合物を含有させる方法が種々提案されている。
【0006】
上記の方法の中で、重合終了後のポリエステルに金属化合物を添加する方法は、例えば、特開昭57−18534号公報に提案されている。斯かる方法においては、ポリエステルに対し、0.01〜1重量%の脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸の金属塩を添加している。そして、金属塩の配合の均一性および操作性の観点から、高濃度に金属塩を含有するマスターバッチを製造し、ポリエステルにブレンドして使用している。ところが、マスターバッチ法の場合は、チップの製造における溶融押出しの際に高濃度の金属塩によるポリエステルの分子量低下が不可避的に生じる。
【0007】
上記の問題を解決するため、特公平4−64328号公報には、金属塩が添加されたポリエステルの溶融温度を制限した方法が提案されている。しかしながら、この方法は、イソフタル酸共重合ポリエステルやポリブチレンテレフタレート等の融点の低いポリエステルに対してのみ適用され、他のポリエステルには適用出来ない欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、回収ポリエステルを原料とし、非晶質シートの成形時に採用される静電密着法を効果的に適用し得るポリエステル組成物の工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく種々検討を重ねた結果、粉砕機とベント孔および粉体添加孔を有する押出機が連結されて成る再生装置を使用し、金属塩の添加量を特定範囲に制限するならば、金属塩によるポリエステル組成物の分子量低下などの問題を解決して上記の目的を達成し得るとの知見を得た。
【0010】
本発明は上記の知見に基づき達成されたものであり、その要旨は、ポリエステルと脂肪族カルボン酸の金属塩から成るポリエステル組成物の製造方法であって、粉砕機と単軸押出機が連結され且つ当該単軸押出機にはベント孔および粉体添加孔がその押出方向に沿って順次に設けられて成る再生装置を使用し、上記の粉砕機に溶融時の比抵抗が1×107Ωcm以上の回収ポリエステルを投入して粉砕し、上記粉体添加孔からポリエステル組成物中の金属原子の濃度が0.5〜1,000ppmの範囲になる量の脂肪族カルボン酸の金属塩および嵩密度が0.05〜1.0の範囲のポリエステルを添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法で使用される粉砕機とベント式単軸押出機が連結されて成る再生装置の一例の側面説明図であり、図2は、図1に示す粉砕機の断面説明図である。図中、(1)は粉砕機、(2)は原料投入口、(3)は加熱シリンダー、(4)はスクリュー、(5)はストランドダイ、(6)はストランド、(7)はストランドバス、(8)はペレタイザー、(9)はベント孔、(10)は粉体添加孔、(D)は切削刃付き円盤、(M)は駆動装置を表す。
【0012】
本発明において使用する回収ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから成るポリエステルを指し、特に、繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位、エチレン−2,6−ナフタレート単位または1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位を有するポリエステルが好適である。なお、ポリエステルは他の第三成分が共重合されていてもよい。
【0013】
上記の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸)などが挙げられる。一方、上記のグリコール成分としては、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外に、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。本発明においては、繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルが好適に使用される。
【0014】
本発明で使用する回収ポリエステルは、フイルム及び/又は無定形のぺレット(以下、ポリエステルと略記)であってもよく、溶融時の比抵抗は、1×107Ωcm以上、好ましくは3×107Ωcm以上、より好ましくは5×107Ωcm以上である。ところで、非晶質シートの成形時における静電密着性は、ポリエステルの比抵抗が高いほど悪化する。しかしながら、本発明によれば、分子量の低下を抑制しつつ比抵抗を低下させることが可能であるから、本発明の効果は、ポリエステルの溶融時の比抵抗は高い場合に顕著である。
【0015】
本発明で使用する脂肪族カルボン酸の金属塩としては、例えば、炭素数4〜30程度の脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸のマグネシウム塩、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などが挙げられる。これらの中では、マグネシウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、カルシウム塩などが好ましい。特に、マグネシウム塩はポリエステルの溶融時の熱安定性に優れ、フィッシュアイの生成も少ないので好ましい。
【0016】
上記の脂肪族カルボン酸の金属塩の具体例としては、デカンジカルボン酸マグネシウム、バルミチン酸マグネシウム、バルミチン酸マンガン、バルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、セバシン酸マグネシウム、セバシン酸マンガン等が挙げられる。
【0017】
上記の脂肪族カルボン酸の金属塩中において、デカンジカルボン酸マグネシウムは、融点が275℃と高く、耐熱性が良好であり、ポリエステルの重合度を維持することが可能であるため、好ましく使用される。また、ステアリン酸マグネシウムは、その安定性と安全性に優れているため、食品包装用フイルム、医薬品包装用フイルム等に好ましく使用される。
【0018】
本発明で使用する粉砕機(1)は、図2に示す様に円筒状粉砕機の底面に配置された切削刃付き円盤(D)によりポリエステルを粉砕する。前記円盤(D)の回転速度は、円筒状粉砕機の大きさにもよるが、通常2,000rpm以下、好ましくは1,800rpm以下とされる。粉砕の際、ポリエステルと切削刃および粉砕機側面の摩擦熱により、粉砕機中のポリエステルの温度は上昇する。ポリエステルの水分を出来る限り除去するため、粉砕機内のポリエステルの温度は、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上とされる。なお、粉砕機(1)の型式は、何れの型式であってもよい。
【0019】
上記の回収ポリエステルは、図2に示す様に粉砕機(1)の原料投入口(2)から供給され、粉砕機(1)の底面に配置された切削刃付き円盤(D)により粉砕される。得られた粉砕物は、連結された押出機に供給される。図2に示す原料投入口(2)から供給されるポリエステルの量は、円筒状粉砕機の底面に配置された切削刃付き円盤(D)の回転動力を一定に保つ様に調節するのが好ましい。原料投入口(2)から供給されるポリエステルは、実質的に未乾燥のものであってもよく、乾燥したものであってもよいが、結晶化および乾燥工程を省略出来ることから未乾燥のものが好ましい。
【0020】
本発明で使用する押出機は、ベント式単軸押出機が使用される。押出機のシリンダー長(L)とシリンダー内径(D、直径)との比であるL/Dは、通常18〜60、好ましくは20〜50の範囲とされる。L/Dが18未満の場合は、溶融が不十分となり、ベントによる脱気が不十分となる傾向にある。L/Dが60を超える場合は、ポリエステルの滞留時間が増大し、温度上昇が避けられず、重合度低下が増大する傾向にある。
【0021】
押出機に添加されたポリエステルは、図1に示す加熱シリンダー(3)中においてスクリュー(4)によりベント孔(9)部、粉体添加孔(10)部、ベント孔(9)部を順次通過してストランドダイ(5)に向かって移送される。以後、便宜上、最初のベント孔を第1ベント孔(9)、次のベント孔を第2ベント孔(9)と称する。そして、第1ベント孔(9)部に移送されたポリエステル表面から水分の拡散脱気(以下、単に脱気と略記)が起こり残存水分が除去される。斯かる脱気を効率的に行なうため、第1ベント孔(9)部の減圧度は、通常40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、より好ましくは20ヘクトパスカル以下とされる。なお、ベント孔(9)は、必要に応じて第1ベント孔(9)のみであってもよい。
【0022】
ポリエステルが溶融する場合、残存水分により直ちに加水分解が始まり固有粘度(以下、IVと略記)の低下が問題となるため、ポリエステルが押出機に移送されて溶融開始直後に減圧下で脱気するのが好ましい。従って、第1ベント孔(9)部の位置は、押出機の入り口部から、通常20D以内、好ましくは17D以内、より好ましくは15D以内に設けられる。
【0023】
図1に示す第1ベント孔(9)の開口面積は、溶融ポリエステルが加熱シリンダー(3)から溢流しない限り特に限定されないが、溶融ポリエステル表面からの脱気を促進するため、開口面積は大きい方が好ましい。開口方向は、上向きでも横向きでもよく、特に限定されない。
【0024】
金属塩と共に添加されるポリエステル(以下、ポリエステルBと略記)の嵩密度は、0.05〜1.0、好ましくは0.08〜0.9、より好ましくは0.1以上であることが重要である。嵩密度が0.05 未満の場合は、移送量が低下するために好ましくなく、1.0を超える場合は、金属塩に対するポリエステルBの容積が減少し、移送装置の先端で溶融した金属塩をシリンダー中に移送することが困難となるために好ましくない。ポリエステルBの溶融時の比抵抗は、1×107Ωcm以下であってもよく、また、無機及び/又は有機の粒子、重合時の触媒残渣に基づく微粒子を含有していてもよい。ポリエステルBの形状は、ペレット状であってもフラフ状であってもよい。
【0025】
上記の金属塩およびポリエステルBは、粉砕機内のポリエステルが押出機へ移送されて押出機の第1ベント孔(9)部を通過した後、粉体添加孔(10)から添加される。金属塩およびポリエステルBを共に添加するため、溶融金属塩が粉体添加孔(10)周辺に付着する問題が起きない。金属塩およびポリエステルBの添加は、通常、重量式または容量式供給装置(図示せず)を使用する。前記の供給装置内の粉体面レベルにより粉体の嵩密度が変動する場合は、重量式供給装置の使用が好ましい。粉体添加孔(10)は、大気開放であってもよいが、酸化劣化、異物混入、吸湿などを防止するため、例えば、不活性ガス、窒素ガス等でシールされていてもよい。
【0026】
図1に示す粉体添加孔(10)の面積および形状は、金属塩およびポリエステルBが一定量供給されるならば特に限定されず、開口方向は上向きであっても横向きであってもよい。上向きの場合は、例えば、粉体添加孔(10)から重力により金属塩およびポリエステルBを添加することが出来、好ましく使用される。金属塩およびポリエステルBの嵩密度が低く、分散度が大きく、重力による添加が困難の場合は、スクリュー又はコイル状スクリュー等の粉体移送装置(図示せず)により、強制的に押出機の加熱シリンダー(3)中へ添加するのが好ましい。金属塩が液体の場合は、公知の各種ポンプを使用して添加することが出来る。
【0027】
上記の金属塩の添加割合は、ポリエステル、金属塩およびポリエステルBから成るポリエステル組成物中の金属原子濃度として、0.5〜1,000ppm、好ましくは10〜800ppm、より好ましくは15〜500ppmの範囲であることが重要である。金属原子濃度が0.5ppm未満の場合は、溶融時の比抵抗を減少させる効果が少なく、本発明のポリエステル組成物から得られるシートには多量の束縛気泡が発生するため、好ましくなく、金属原子濃度が1,000ppmを超える場合は、IVが低下するため、好ましくない。
【0028】
上記のポリエステルBは、ポリエステル組成物中の金属原子濃度が0.5〜1,000ppmの範囲となる様に添加される。粉砕機から移送されるポリエステルに対するポリエステルBの添加割合は、金属塩の加熱シリンダー(3)への添加が安定に行われる様に設定すればよく、特に限定されない。また、金属塩およびポリエステルBは、予め混合されていてもよく、それぞれ単独で計量した後、粉体移送装置に供給し、粉体添加孔(10)に添加してもよい。
【0029】
金属塩およびポリエステルBの添加後、ポリエステルB中の水分、金属塩中の水分および低分子量成分を脱気除去するため、さらに、図1に示す粉体添加孔(10)に続いて第2ベント孔(9)を設ける。特に、金属塩が多量の水分を含有する場合は、ポリエステルの分子量低下を防止するために有効であり、また、ポリエステル中の気泡を排除するために有効である。上記の第2ベント孔(9)の減圧度は、通常40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、より好ましくは20ヘクトパスカル以下とされる。
【0030】
そして、ポリエステル中の異物を除去するため、単軸押出機とストランドダイ(5)の間にメッシュフィルター、焼結金属フィルター等を組み込んでもよい。フィルター濾過の際の圧力損失が大きく押出量が低下する場合は、単軸押出機とフィルターの間にギアポンプ等の昇圧用ポンプを設置してもよい。
【0031】
図1に示すストランドダイ(5)から溶融押出しされたストランド(6)は、ストランドバス(7)で冷却固化された後、ペレタイザー(8)にてペレット化される。
【0032】
本発明においては、金属塩と共にポリエステルBを添加するため、金属塩が粉体添加孔(10)周辺に溶融して付着することがなく、しかも、粉砕機(1)内における特定温度による脱水およびベント孔(9)部における脱気を組み合わせることによりポリエステル組成物の加水分解によるIV低下を効率よく抑えることが出来る。従って、本発明における溶融押出し後のポリエステル組成物の固有粘度の低下率は、通常10%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは6%以下とされる。固有粘度の低下率が大きい場合は、得られた再生ペレットを配合したポリエステルフイルムの強度が低下し、フイルム加工の際にフイルム破断などのトラブルが発生する傾向にある。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されない。なお、実施例および比較例中、単に「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0034】
(1)溶融比抵抗:
ポリエステル12gを枝付き試験管に入れ、285℃のオイルバスに浸漬し、完全に溶融後、減圧および窒素ガス置換の処理を繰り返して完全に気泡を抜き出す。次いで、溶融ポリエステル中にステンレス製の電極を挿入して10分間保持した後、3kVの直流電圧を印加し、印加直後の電流値を読み取り、次式に従って比抵抗を計算する。式中、ρvは比抵抗(Ωcm)、Iは電流値(A)、Sは電極の断面積(cm2)及びLは電極間の距離(cm)を表す。
【0035】
【数1】
ρv=(3,000/I)×(S/L)(Ωcm)
【0036】
(2)ポリエステルのIV(dl/g):
ポリエステルのIVは、他のポリマー成分および粒子を除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0037】
(3)総合評価:
溶融押出し後のポリエステル組成物のIV低下率が10%未満と良好でポリエステル組成物の溶融比抵抗が溶融押出し以前の溶融比抵抗の50%以下へ低減することが出来た場合を○、IV低下率が10%以上、または、溶融比抵抗の低下率が50%より小さい場合を×とした。
【0038】
実施例1
比抵抗が110×107Ωcm、IVが0.610のポリエステルを図2に示す粉砕機(1)中に添加した。円筒状粉砕機(1)の内径は800mm、粉砕機(1)内のポリエステルの温度は190℃、切削刃付き円盤(D)の回転数は1,100rpmとした。粉砕機(1)から粉砕機に連結したベント式単軸押出機に移送されたポリエステルは、単軸押出機中で溶融され、図1に示す押出機の加熱シリンダー(3)に設けられた第1ベント孔(9)部で脱気された。続いて、粉体添加孔(10)からポリエステル組成物中のマグネシウム原子濃度が40ppmとなる様にステアリン酸マグネシウム及び嵩密度0.7、比抵抗110×107Ωcm、IV0.610のポリエステルBを添加した後、さらに、第2ベント孔(9)部で脱気し、押出機先端に設けたストランドダイ(5)から押し出した。得られたストランド(6)は、40℃のストランドバス(7)で冷却固化し、ペレタイザー(8)にてペレット化した。粉砕機(1)に連結したベント式単軸押出機の口径は80mm、L/Dは36、各々のベント孔(9)部の減圧度は5ヘクトパスカルとした。得られたポリエステル組成物の固有粘度と比抵抗を表1に示す。固有粘度の低下率は2.5%と小さく、また、比抵抗は5×107Ωcmで良好な結果を得た。
【0039】
実施例2
実施例1において、マグネシウム原子濃度が200ppmとなる様にステアリン酸マグネシウムを添加した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。評価結果を表1に示す。
【0040】
比較例1
実施例1において、ステアリン酸マグネシウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。溶融時の比抵抗はわずかに低下しただけであり、再利用することが出来なかった。評価結果を表1に示す。
【0041】
比較例2
実施例1において、マグネシウム原子濃度が1,100ppmとなる様にステアリン酸マグネシウムを添加した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル組成物を得た。得られたポリエステル組成物のIV値は0.460と低く、再利用することが出来なかった。評価結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003911069
【0043】
【発明の効果】
以上、説明した本発明によれば、ポリエステルに対する金属塩の添加性を改善し、固有粘度の低下を抑制し且つ比抵抗を低減して静電密着性の良好なポリエステルフイルムの製造に好適なポリエステル組成物の製造方法が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で使用される粉砕機とベント式単軸押出機が連結されて成る再生装置の一例の側面説明図
【図2】図1に示す粉砕機の断面説明図
【符号の説明】
1:粉砕機
2:原料投入口
3:加熱シリンダー
4:スクリュー
5:ストランドダイ
6:ストランド
7:ストランドバス
8:ペレタイザー
9:ベント孔
10:粉体添加孔
D:切削刃付き円盤
M:駆動装置

Claims (5)

  1. ポリエステルと脂肪族カルボン酸の金属塩から成るポリエステル組成物の製造方法であって、粉砕機と単軸押出機が連結され且つ当該単軸押出機にはベント孔および粉体添加孔がその押出方向に沿って順次に設けられて成る再生装置を使用し、上記の粉砕機に溶融時の比抵抗が1×107Ωcm以上の回収ポリエステルを投入して粉砕し、上記粉体添加孔からポリエステル組成物中の金属原子の濃度が0.5〜1,000ppmの範囲になる量の脂肪族カルボン酸の金属塩および嵩密度が0.05〜1.0の範囲のポリエステルを添加することを特徴とするポリエステル組成物の製造方法。
  2. 金属塩がマグネシウム塩である請求項1に記載の製造方法。
  3. 脂肪族カルボン酸の金属塩がデカンジカルボン酸マグネシウム又はステアリン酸マグネシウムである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. ベント孔、粉体添加孔およびベント孔を順次に有する単軸押出機を使用する請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
  5. 固有粘度の低下率が10%以下である請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
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