JP2010195961A - 再生ポリエステルペレットの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色調が改善された再生ポリエステルペレットを提供する。
【解決手段】 塗布層を少なくとも片面に有するポリエステルフィルムの再生ポリエステルペレットの製造方法であって、塗布層を少なくとも片面に有するポリエステルフィルムを押出機に直接連結された粉砕機に投入して粉砕して得られる粉砕物に対し、濃度が100〜1000ppmとなるように、押出機の原料投入口においてリン系酸化防止剤を添加することを特徴とする再生ポリエステルペレットの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、再生ポリエステルペレットの製造方法に関するものであり、詳しくは、塗布層を有するポリエステルフィルムの再生ペレットの製造方法に関するものである。
ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、その優れた機械的特性、耐熱性、透明性、耐薬品性、寸法安定性などの点から、磁気テープなどの情報記録材料、包装材料、製版材料、電気絶縁材料、転写材料、金属ラミネート材料として広く用いられている。特に最近では、透明タッチパネル用、液晶表示装置に用いられる拡散板用、プリズムシート用のベースフィルムやLCD、PDP等のいわゆるフラットディスプレイ材料、帯電防止、反射防止、防曇、電磁波防止等の機能層を設けた保護フィルムなどの各種光学用途に広く用いられている。
特にフラットパネルディスプレイにおいては、明るく鮮明な画像を得るために、光学フィルムとして透明性や色調(黄色味が少ない)が良好で、かつ画像に影響を与える異物やキズ等の光学的欠点が極力少ないことが望まれ、この傾向は画像表示装置の高精細化に伴い、近年ますます強まっている。
上記のような光学用途に使用するため、ポリエステルフィルムの表面に接着性、帯電性、離型性、防曇性、耐熱性等を付与した塗布膜を設けることで、ポリエステルフィルムの特性を高めることが広く行われている。
通常、ポリエステルフィルムの製造方法において、製品にならないフィルムのスクラップを粉砕した粉砕物、あるいは粉砕物を溶融押出ししたペレットを、再利用している。しかし、フィルム製造時に製品とならなかった塗布層を有するスクラップフィルムは、再利用時に着色(黄色味)が強くなるため、廃棄されるか、あるいは用途やフィルムへの混合量を限定して使用されているのが現状である。そのため、製造コストが高く、かつ廃棄に伴う環境負荷の観点からも問題となっている。
すなわち、回収されたスクラップフィルムに前記のような塗布層が含まれていた場合、特にその中のポリウレタン樹脂、メラミン樹脂等が溶融時に熱劣化し、再生ペレットが着色する問題が起き、実用性に欠けるものとなる。このため、塗膜に含まれる成分が制限され、フィルムに機能を付与しながら、かつ回収性に優れたフィルムを得ることは難しい状況である。
特開平10−323832号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その目的は、色調が改善された再生ポリエステルペレットを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、粉砕機と二軸押出機が直接連結されて成る再生装置を使用し、リン系酸化防止剤添加量を特定範囲内に制限するならば、塗布層の設けられたポリエステルフィルムから再生ペレットをつくる際の上記課題が容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、塗布層を少なくとも片面に有するポリエステルフィルムの再生ポリエステルペレットの製造方法であって、塗布層を少なくとも片面に有するポリエステルフィルムを押出機に直接連結された粉砕機に投入して粉砕して得られる粉砕物に対し、濃度が100〜1000ppmとなるように、押出機の原料投入口においてリン系酸化防止剤を添加することを特徴とする再生ポリエステルペレットの製造方法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルフィルムとは、いわゆる押出法により押出口金から溶融押出された未延伸シートを延伸したフィルムである。
上記のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸とジオールとから、あるいはヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。例示したポリエステルの中でもポリエチレンテレフタレートが透明性、耐水性、耐薬品性、機械的強度、寸法安定性などに優れており、好適に用いられる。
本発明におけるポリエステルは、従来公知の方法で、例えばジカルボン酸とジオールとの反応で直接低重合度ポリエステルを得る方法や、ジカルボン酸の低級アルキルエステルとジオールとを従来公知のエステル交換触媒で反応させた後、重合触媒の存在下で重合反応を行う方法で得ることができる。
なお、本発明で用いるポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中で必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。
本発明におけるポリエステルフィルムには、ブロッキングを防止して取り扱いを容易にするために、透明性を損なわない条件で粒子を含有させてもよい。本発明で用いる粒子の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また粒子を添加する方法としては、原料とするポリエステル中に粒子を含有させて添加する方法、押出機に直接添加する方法等を挙げることができ、このうちいずれか一方の方法を採用してもよく、2つの方法を併用してもよい。
用いる粒子の粒径は、通常0.05〜5.0μm、好ましくは0.1〜4.0μmである。平均粒径が5.0μmより大きいとフィルムのヘーズが大きくなり、フィルムの透明性が低下することがある。平均粒径が0.1μmより小さいと、表面粗度が小さくなりすぎてフィルムの取り扱いが困難になる場合がある。
粒子含有量は、ポリエステルに対し、通常0.001〜30.0重量%であり、好ましくは0.01〜10.0重量%である。粒子含有量が多いとヘーズが大きくなってフィルムの透明性が低下し、粒子含有量が少ないとフィルムの取り扱いが困難になる場合がある。
ポリエステルに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、粒子を添加して重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混錬押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混錬押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明では、必要に応じて上記粒子の他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。本発明に用いるポリエステルフィルムとしては、層の構成としては、単層構成、A原料とB原料を用いたA/B構成、またはA/B/A構成、さらにC原料を用いてA/B/C構成またはそれ以外の構成のフィルムを用いることもできる。
本発明で使用する押出機は、一軸、二軸押出機どちらでも構わないが、一軸押出機の場合、酸化防止剤の分散性が悪いため、二軸押出機が良い。本発明では、フィルムが粉砕され、その剪断発熱で、あらかじめ水分が除去されたポリエステルフレークを押出すため、ベント式であっても、非ベント式であってもよいが、より水分を除去する目的でベント式であることが好ましい。
本発明で使用する押出機、特に二軸押出機の場合、そのスクリュー回転方向が異方向であっても同方向であってもよい。二軸押出機を使用する場合には、L/Dの値が大きい二軸押出機が好ましく使用される。ここで言うL/Dとは、スクリュー長さLを、スクリュー直径Dで割った値のことである。スクリュー長さとは、スクリュー根元の原料が供給される位置から、スクリュー先端部までの長さを指す。
また、シリンダー長(L)とシリンダー内径(直径D)の比(L/D)の小さい押出機で滞留時間を長くする場合、吐出量を落としたり、ポリマーの充填率を高くしたりする等の手法があるが、これらの手法もポリマーの熱劣化による色調、及び機械特性が低下するなどのリスクを負うため、L/Dの大きい押出機で製造する、若しくはL/Dの小さい押出機を2台使用し、タンデム式にして滞留時間を長くすることが好ましい。
本発明で使用する粉砕機は、円筒状粉砕機の底面に配置された切削刃付き円盤によりポリエステルを粉砕する。前記円盤の回転速度は、円筒状粉砕機の大きさにもよるが、通常2000rpm以下、好ましくは1800rpm以下とされる。粉砕の際、ポリエステルと切削刃および粉砕機側面の摩擦熱により、粉砕機中のポリエステル温度は上昇する。ポリエステルの水分を出来る限り除去するため、粉砕機内のポリエステルの温度は、通常90℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは105℃以上である。なお、粉砕機の型式は何れの型式であってもよい。
ポリエステルフレークの含水率が0.01重量%以上であると、後述するように、添加されたリン系酸化防止剤が加水分解を起こして、酸化防止剤としての本来の機能を消失することがある。
すなわち、一般的に、リン系酸化防止剤は、含水率の高い樹脂に添加されて、高温で過熱溶融された樹脂と混練されると、樹脂中の水分により加水分解を起こして酸化防止剤としての機能を消失する。しかし、本発明においては、粉砕機と押出機が直接つながっているので、水分にさらされる機会が従来の方法より少なく、含水率が0.01重量%未満の状態でポリエステルフレークを用いるので、添加されたリン系酸化防止剤は、加水分解を起こすことがなく、酸化防止剤としての本来の機能を効率的かつ持続的に発揮する。
本発明において、粉砕機と押出機が直接連結とは、粉砕機から押出機にフレークが移送される際に、空気中の水分と極力接しない環境を指し、物理的な直接連結に限らない。
再生ペレットを作製する際には、その含水率が0.01重量%以下、さらには0.005%重量以下で成型されることが好ましい。通常の雰囲気下にポリエステル組成物を長時間放置すると、吸水もしくは吸湿して含水率が0.01重量%を超え、ポリエステル組成物中においてリン系酸化防止剤の加水分解が促進されて、リン系酸化防止剤を添加することによる効果を十分に得られなくなることがある。したがって、スクラップフィルム粉砕物からのペレット化は、可及的速やかに行うことが好ましい。
ポリエステル組成物の常温での飽和吸水率は通常0.4重量%である。つまり、従来の方法では、使用前にポリエステルフレークを一度乾燥して、その含水率を0.01重量%未満とした状態で使用しなければならなかった。上記ポリエステルフレークの乾燥方法は、樹脂の乾燥に一般的に用いられる公知の乾燥方法でよく、例えば、150℃で3時間程度、160℃で2時間程度の乾燥が適当である。十分に乾燥させたペレットでも、数分後には0.05重量%以上吸水する。乾燥ペレットの再吸湿を防止するためには、140℃以上で保温することが好ましい。
しかし、本発明では、粉砕機と軸押出機が直接つながった方式を採っているので、ポリエステルフレークから再生チップを成型する過程において、用いられるポリエステルフレークの含水率は0.01重量%未満に保たれたまま成型できる。
本発明で用いられるリン系酸化防止剤として、例えば、ホスファイト系酸化防止剤やホスフォナイト系酸化防止剤が挙げられ、その具体例としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(例えば、チバススペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガフォス168」、旭電化工業社製の商品名「アデカスタブ2112」、共同薬品社製の商品名「スミライザーP−16」、吉富ファインケミカル社製の商品名「トミホス202」等)、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト(例えば、旭電化工業社製の商品名「アデカスタブPEP−45」等)、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト(例えば、旭電化社製の商品名「亜デカスタブPEP−36」等)、テトラキス(2,4−t−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4‘−ジイルビスホスファイト(例えば、サンド社製の商品名「サンドスタブP−EPQ」、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガフォスP−EPQ」等)、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸(例えば、チバスペシャルティケミカルズ社製の商品名「イルガフォス126」、旭電化工業社製の商品名「アデカスタブPEP−24」等)等が挙げられる。
本発明における酸化防止剤添加量は、ポリエステルフィルムの粉砕物に対し、100〜1000ppm、好ましくは200〜800ppm、さらに好ましくは300〜600ppmの範囲である。添加量が100ppm未満では、酸化防止の効果が十分に発揮されず、逆に添加量が1000ppmを超えると、未反応の酸化防止剤がフィルムに残存し、フィルムの品質低下を引き起こす。
本発明において、塗布層としては、ポリウレタン、メラミン樹脂等が挙げられる。ウレタン樹脂は、通常、ポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長剤、架橋剤等で構成される。それらの成分を以下に例示する。
ポリオールの例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエ−テル類、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなどを含むグリコールとジカルボン酸との脱水反応により製造されるポリエステル類、カ−ボネート結合を有するポリカ−ボネート類、アクリル系ポリオール、ひまし油等がある。
ポリイソシアネートの例としては、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
鎖延長剤あるいは架橋剤の例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等が挙げられる。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、環境汚染や防爆性の点から水溶性もしくは水分散性を有することが好ましい。また、本発明の要旨を越えない範囲内で、水溶性または水分散性樹脂の助剤として有機溶剤を含有しても水を媒体とする場合は、界面活性剤などによって強制的に水分散化したポリウレタン樹脂であってもよいが、好ましくはポリエーテル類のような親水性のノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカチオン性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好ましくは、アニオン性基を有する水溶性または水分散性のウレタン樹脂とは、アニオン性基を有する化合物を共重合やグラフトなどにより樹脂に結合させたものであり、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基およびそれらの塩等から、適宜選択される。
本発明において、メラミン樹脂は、表面機能層積層後、高温・高湿度条件下でも密着性が低下しないように塗膜の強度を上げる等に使用するもので、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことである。メラミン、メラミンとホルムアルデヒドを縮合して得られるメチロール化メラミン誘導体、メチロール化メラミンに低級アルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。また、メラミン系樹脂としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体からなる縮合物のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できるし、メラミン化合物の反応性を上げるために触媒を使用することも可能である。
上記エーテル化に用いる低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノールなどを好ましく使用することができる。官能基としては、イミノ基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキシメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有するもので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂などを用いることができる。それらの中でもメチロール化メラミン樹脂が最も好ましい。さらに、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進するため、例えばp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いることもできる。
塗布剤の塗布方法としては、例えば、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合に顕著に現れる。
本発明は、塗布層が設けられているフィルムから、色調に優れた再生ペレットを製造することができるものであり、LCD、PDP等に用いる各種光学用部材として用いるフィルムに活用できた場合に、コスト面・環境面での貢献度が高く、工業的価値は極めて高い
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。
(1)色調y値
JIS−Z−5722に準じたミノルタ製分光測色計「CM−3700d」により、フィルムの色調y値を測定した。
(2)光学フィルムとしての評価
(1)で測定したy値から、下記基準で評価した
◎:色調が良好で、光学用フィルムとして適している
○:やや色調が黄味を帯びているが、光学用としては問題なく使用できる
×:黄味が強く、光学用フィルムとして適さない
実施例1:
(再生ポリエステルペレットの作成)
カルボン酸塩基を有する水分散性ポリウレタンであるAP−40(大日本インキ化学工業社製)65部、スルホン酸塩基を有する水分散性ポリエステルであるES−650(大日本工業社製)20部、粒子、界面活性剤等からなる塗布層を片面に有するポリエステルフィルムを粉砕機で粉砕してポリエステルフレークを作成した後、粉砕機に直接連結された二軸押出機の原料投入口からポリエステルフレークと、ポリエステルフレークに対して500ppmの酸化防止剤GSY−P101を投入し、295℃で押し出した後、急冷固化してペレット化して再生ポリエステルペレットを作成した。
(ポリエステルチップの製造方法)
ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール70部、および酢酸カルシウム一水塩0.07部を反応器にとり、加熱昇温する共にメタノール留去させエステル交換反応を行ない、反応開始後、約4時間後、反応を終了し、常法に従い、チップ化してポリエステル(A)を得た。得られたポリエステルチップの溶液粘度IVは、0.66であった。
(粒子マスターバッチの製造方法)
上記ポリエステル(A)を製造する際、平均粒径2μmの非晶質シリカを1000ppm添加し、ポリエステル(B)を得た。
上記再生ポリエステルペレットを50%、ポリエステル(A)および(B)をそれぞれ30%、20%の割合で配合した混合原料を285℃で溶融押し出しし、30℃の冷却ドラムにキャストして急冷することにより厚さ750μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを90℃で縦方向に3.6倍延伸した後、さらにテンター内で90℃の予熱ゾーンで予熱し、延伸温度100℃、延伸比4.0で横延伸した後、220℃の熱固定ゾーンで熱処理し、150℃の冷却ゾーンで冷却して、厚さ100μmのポリエステルフィルムを得た。
実施例2:
実施例1において、再生ポリエステルペレットを作成するのに用いるポリエステルフィルムの塗布層がヘキサメトキシメチルメラミン65部、スルホン酸塩基を有する水分散性ポリエステルであるES−650(大日本工業社製)20部である以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例3:
実施例1において、GSY−P101の添加量を150ppmとした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例4:
実施例1において、GSY−P101の添加量を350ppmとした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例5:
実施例1において、GSY−P101の添加量を700ppmとした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
実施例6:
実施例1において、GSY−P101の添加量を950ppmとした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
比較例1:
実施例1において、GSY−P101の添加量を50ppmとした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
比較例2:
実施例1において、GSY−P101の添加量を1200ppmとした以外は実施例1と同様にしてポリエステルフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および表2に示す。
Figure 2010195961
Figure 2010195961
本発明により得られる再生ペレットは、例えば、光学フィルム用の原料として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 塗布層を少なくとも片面に有するポリエステルフィルムの再生ポリエステルペレットの製造方法であって、塗布層を少なくとも片面に有するポリエステルフィルムを押出機に直接連結された粉砕機に投入して粉砕して得られる粉砕物に対し、濃度が100〜1000ppmとなるように、押出機の原料投入口においてリン系酸化防止剤を添加することを特徴とする再生ポリエステルペレットの製造方法。
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