JP3577184B2 - ポリエステルシートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルシートの製造方法に関するものであり、詳しくは、静電密着法を適用したポリエステルシートの工業的有利な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートに代表される二軸配向ポリエステルフィルムは、その優れた機械的特性、電気的特性、耐薬品性、寸法安定性などの点から、情報記録材料、コンデンサー、包装、製版、電絶、写真フィルム等の多くの分野で基材として使用されている。
【0003】
ポリエステルフイルムは、先ず、押出機から回転冷却ドラム上に押し出された溶融ポリエステルシートを上記の回転冷却ドラムの表面に密着させてポリエステルシートを製造し、次いで、ポリエステルシートを延伸して得られる。従って、ポリエステルフイルムの製造においては、表面欠陥のないポリエステルシートを効率的に製造することが重要である。
【0004】
従来、ポリエステルシートの製造においては、溶融ポリエステルシートの回転冷却ドラム表面への密着性を高めるため、静電密着法が採用されている。ここに、静電密着法とは、通常、回転冷却ドラム上に押し出されたシートの上面側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、当該電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することによりシートに静電荷を与え、回転冷却ドラムとシートとの密着性を向上させる方法を言う(特公昭37−6124号公報)。
【0005】
しかしながら、静電密着法において、生産性を高める目的で回転冷却ドラムの速度を高めるとシートと回転冷却ドラムとの間の密着力が減少する。その結果、製品にシートにクレーター状の品質欠陥を惹起させる所謂束縛気泡が生じるようになる。
【0006】
上記の束縛気泡は、原料ポリエステルの溶融時の比抵抗が高いほど発生し易くなることが知られている。そこで、従来より、原料ポリエステルの溶融時の比抵抗を低下させるため、ポリエステルに金属化合物を含有させる方法が種々提案されている。これら中で、重合終了後のポリエステルに金属化合物を添加する方法は、例えば、特開昭57−18534号公報に提案されている。
【0007】
上記の方法は、脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸の金属塩をポリエステルに対して0.01〜1重量%添加する方法である。そして、上記の方法においては、金属塩の配合の均一性および操作性の観点から、高濃度に金属塩を含有する所謂マスターバッチを製造し、そのチップをポリエステルとブレンドする方法が好ましく採用される。ところが、マスターバッチ法による場合は、高濃度の金属塩によりポリエステルの分子量の低下などの問題がある。
【0008】
上記の問題を解決するため、特公平4−64328号公報には金属塩が添加されたポリエステルの溶融温度を制限した方法が提案されている。しかしながら、この方法は、イソフタル酸共重合ポリエステルやポリブチレンテレフタレート等の融点の低いポリエステルに対してのみ適用され、他のポリエステルには適用出来ない欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、押出機から回転冷却ドラム上に押し出された溶融ポリエステルシートを静電密着法により上記の回転冷却ドラムの表面に密着させるポリエステルシートの製造方法であって、重合終了後のポリエステルに金属塩を添加することにより、回転冷却ドラムの表面に対するポリエステルシートの密着性を高め、しかも、ポリエステルシートの固有粘度の低下を抑制した工業的に有利なポリエステルシートの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく種々検討を重ねた結果、特開平6−91635号公報に記載されている通り、ポリエステルに粒子スラリーを配合する際の様に特殊な場合にしか採用されていないベント式二軸押出機を使用し、しかも、ポリエステルに対する金属塩の添加量を一定の範囲に制限するならば、金属塩によるポリエステルの分子量低下などの問題を回避して上記の目的を容易に達成し得るとの知見を得た。
【0011】
本発明は、上記の知見に基づき達成されたものであり、その要旨は、押出機から回転冷却ドラム上に押し出された溶融ポリエステルシートを静電密着法により上記の回転冷却ドラムの表面に密着させるポリエステルシートの製造方法において、押出機としてベント式二軸押出機を使用し、原料ポリエステルとして溶融時の比抵抗が1×10Ωcm以上のポリエステルを使用し、当該ポリエステルと共にポリエステル中の金属原子の濃度が0.5〜1,000ppmになる量の脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸の金属塩を押出機に直接供給することを特徴とするポリエステルシートの製造方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明の製造方法で使用されるベント式二軸押出機の一例の側面説明図であり、図中、(1)は成形機(押出機)、(2)は加熱シリンダー、(3)はスクリュー、(4)は押出口、Mはスクリューの駆動装置、(6)はベント孔、(8)は逆ネジ、(9)は原料投入口を表す。
【0013】
本発明で使用されるポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分とから成るポリエステルを指し、特に、繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位または1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート単位を有するポリエステルが好適である。なお、ポリエステルは他の第三成分が共重合されていてもよい。
【0014】
上記の芳香族ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等が挙げられる。一方、上記のグリコール成分としては、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外に、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。本発明においては、繰り返し単位の80%以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレート単位であるポリエステルが好適に使用される。
【0015】
本発明で使用するポリエステルは、重合時に金属塩を添加して比抵抗を低減させる必要がない。従って、本発明で使用するポリエステルの溶融時の比抵抗は1×10Ωcm以上、好ましくは3×10Ωcm以上、更に好ましくは5×10Ωcm以上である。また、本発明で使用するポリエステルには、公知の方法に従って無機および/または有機の微粒子を含有させてもよく、また、重合時の触媒残渣に基づく微細粒子を含有させてもよい。
【0016】
本発明で使用する脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸の金属塩としては、例えば、炭素数4〜30程度の脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マンガン塩、亜鉛塩、カルシウム塩、アルミニウム塩などが挙げられる。これらの金属塩の中では、マグネシウム塩、マンガン塩、亜鉛塩およびカルシウム塩が好ましい。特に、マグネシウム塩は、ポリエステルの溶融時の熱安定性に優れ、フィッシュアイの生成も少ないので好ましい。
【0017】
上記の金属塩の具体例としては、デカンジカルボン酸マグネシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸マンガン、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸亜鉛、セバシン酸マグネシウム、セバシン酸マンガン等が挙げられる。特に、デカンジカルボン酸マグネシウムは、その融点が275℃と高いため、耐熱性が良好であり、ポリエステルの重合度を高度に維持することが出来る。
【0018】
本発明で使用するベント式二軸押出機(以下、単に押出機と略記する)は、そのスクリュー回転方向が異方向であっても同方向であってもよい。シリンダー長(L)とシリンダー内径(直径D)の比(L/D)は、通常20〜60、好ましくは22〜50である。L/Dが60を超える場合は、押出機中での滞留時間が増大し、押出機中のポリエステルの温度上昇が避けられずにポリエステルの重合度が低下する傾向にある。また、L/Dが20未満の場合は、ポリエステルの溶融およびベント下での脱気が不十分となる傾向にある。
【0019】
本発明においては、押出機の原料投入口(9)からポリエステルとを金属塩とを供給する。原料ポリエステルは、乾燥されたものであってもよいが、敢えて乾燥されたポリエステルを使用する必要がないため、未乾燥のポリエステルを使用するのが好ましい。未乾燥のポリエステルの使用は、乾燥工程およびその前の結晶化工程を省略し得る利点がある。なお、金属塩は、予めポリエステル中に配合し、ポリエステルと金属塩の混合物として添加してもよい。
【0020】
金属塩の供給量は、ポリエステル中の金属原子の濃度として、0.5〜1,000ppm、好ましくは10〜800ppm、更に好ましくは15〜500ppmの範囲でなければならない。ポリエステル中の金属原子の濃度が0.5ppm未満の場合は、ポリエステルの溶融時の比抵抗が十分に低下せず、静電密着法で得られたシートに多量の束縛気泡が生じる。また、ポリエステル中の金属原子の濃度が1,000ppmを超える場合は、金属塩の作用によりポリエステルの分解が起こり、固有粘度(IV)が低下する。
【0021】
すなわち、本発明においては、押出機内における混練作用と水分の脱気作用により、ポリエステルの表面が逐次更新され、金属塩の局部的な存在を回避してポリエステルの分解を抑制し得るが、ポリエステル中の金属原子の濃度が1,000ppmを超える場合は、上記の作用によるポリエステルの分解防止効果は十分発現されない。
【0022】
原料投入口(9)から供給されたポリエステルと金属塩とは、加熱シリンダー(2)中においてスクリュー(3)により押出口(4)に向かって移送される。そして、逆ネジ(8)部からベント孔(6)部に移送されたポリエステルの表面から水分の拡散脱気(以下、単に脱気と略記する)が起こり水分が除去される。斯かる脱気を効率的に行うため、ベント孔(6)部の減圧度は、通常40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘクトパスカル以下、更に好ましくは20ヘクトパスカル以下とされる。
【0023】
ところで、押出機における一定の押出量に対し、スクリュー回転数を増大させるとスクリュー表面に存在するポリエステルの表面を強制的に更新することが出来るため、その分、溶融ポリエステルからの脱気効率が増大することになる。すなわち、脱気効率は、一定の押出量に対しスクリュー回転数の高い方がよいと言える。しかしながら、本発明者の検討の結果、一定の押出量に対してスクリュー回転数を増大させるとIV保持率が改善または保持される現象に引き続き、IV保持率が低下するという現象が見い出された。
【0024】
IV保持率が低下する上記の現象は、樹脂温度の上昇による樹脂の加熱劣化の促進によるものである。従って、本発明においては、ポリエステルの押出量とスクリュー回転数とは、ポリエスイルのIV保持率を確保するために適切に選択するのが好ましい。
【0025】
すなわち、本発明においては、二軸押出機のシリンダー内径(直径)をD(mm)とした際、単位時間当たりの押出量Q(kg/hr.)とスクリュー回転数N(rpm)とが次の式(1)、好ましくは式(II)、更に好ましくは式(III) を満足する条件が溶融押出を行うのがよい。
【0026】
【数1】
5.2×10−6×D2.8 ≦Q/N≦15.8×10−6×D2.8 ・・・(I)
6.0×10−6×D2.8 Q/N≦15.0×10−6×D2.8 ・・・(II)
6.3×10−6×D2.8 ≦Q/N≦14.7×10−6×D2.8 ・・・(III)
【0027】
5.2×10−6×D2.8 >Q/Nの条件下では、回転数が押出量に対して高すぎるため、スクリューの剪断による発熱が過多となりIV保持率が悪化するので好ましくない。また、Q/N>15.8×10−6×D2.8 の条件下では、回転数が押出量に対して低すぎるため、真空下での溶融樹脂表面の更新度が低下して十分な脱気が行えずにIV保持率が悪化するので好ましくない。
【0028】
本発明においては、押出機で溶融せしめたポリエステルを押出口(4)から金口を通して回転冷却ドラム上にシート状に押し出して静電密着法により密着保持して実質的な非晶質シートとする(なお、金口、回転冷却ドラム及びその周辺の設備は図示を省略してある)。この際、シートの長手方向(回転冷却ドラムの回転方向)の厚み均一性を向上させるため、必要であれば、押出機と口金の間に、定量ポンプ(所謂ギアポンプ)を配置し、口金に導入される溶融ポリエステルの流量を均一化してもよい。
【0029】
静電密着法における電極は、ワイヤー電極またはブレード電極の何れであってもよい。そして、電極に印加される直流電圧は、通常、約5〜10kVの範囲とされる。なお、本発明においては、回転冷却ドラム表面に水膜などを形成させて静電密着法を適用してもよい。
【0030】
回転冷却ドラムの表面は、金属であっても非金属であってもよいが、静電気による密着力を高める観点から導電体であるのがよい。回転冷却ドラムの表面温度は、通常0〜80℃、好ましくは10〜70℃、更に好ましくは15〜60℃とされる。回転冷却ドラムの表面温度が0℃未満の場合は、シート端部と回転冷却ドラムとの密着性が悪化して得られるシートの平面性が悪化する。一方、回転冷却ドラムの表面温度が80℃を超える場合は、シートと回転冷却ドラムとの密着性が増大し過ぎてシートの剥離が困難となる。回転冷却ドラムの表面速度は、特に制限されないが、30m/min.以上であるのが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、単に「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0032】
(1)溶融比抵抗:
ポリエステル12gを枝付き試験管に入れ、285℃のオイルバスに浸して完全に溶融させた後、減圧と窒素ガス置換の処理を繰り返して完全に気泡を抜き出す。次いで、溶融ポリエステル中にステンレス製電極を挿入して10分間保持した後、3kVの直流電圧を印加し、印加直後の電流値を読み取り、次式に従って比抵抗を計算する。式中ρvは比抵抗(Ωcm)、Iは電流値(A)、Sは電極の断面積(cm)、Lは電極間の距離(cm)である。
【数1】
ρv=(3,000/I)×(S/L)(Ωcm)
【0033】
(2)ポリエステルのIV(dl/g):
ポリエステルに非相溶は他のポリマー成分および粒子を除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テトラクロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒100mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0034】
(3)総合評価:
溶融押出後のポリエステルシートのIV低下率が10%未満であり、そして、回転冷却ドラムの速度30m/min.未満の条件で束縛気泡による欠陥が無くシート品質が良好な場合を○、回転冷却ドラムの速度が30m/min.以上の条件で束縛気泡による欠陥がなくシート品質が良好な場合を◎、IV低下率が10%以上であり、しかも、シートに束縛気泡が存在したり安定な静電密着力が得られなかった場合を×とした。
【0035】
実施例1
比抵抗が200×10Ωcm、IVが0.640のポリエステルにポリエステル中のMg原子濃度が60ppmとなる様にデカンジカルボン酸マグネシウムを添加し、シリンダー径120mmのベント式二軸押出機内で溶融させ、引き続き、ギアポンプを介して口金からシート状に押し出し、直径0.04mmのワイヤー電極により、30℃の回転冷却ドラム(金属製)表面に静電密着せしめ、厚さ230μmのシートを得た。二軸押出機のスクリュー回転数は167rpm、押出量は1,000kg/h、電極に付与した電圧は5.0kV、電極に流れた電流は1.2mA、冷却ロールの表面速度は20m/min.であった。得られたシートは、溶融時の比抵抗が5.7×10Ωcm、IVが0.627であり、束縛気泡などの欠陥がなく、厚み均一性も良好であった。
【0036】
実施例2
実施例1において、金属塩としてセバシン酸マンガンを使用し、そのポリエステル中の濃度が400ppmとなる様に添加した以外は、実施例1と同様の方法により非晶質シートを得た。得られたシートは、溶融時の比抵抗が7.0×10Ωcm、IVが0.620であり、品質も良好であった。
【0037】
実施例3
実施例1において、ポリエステル中のMg原子濃度が30ppmとなる様にデカンジカルボン酸マグネシウムを添加した以外は、実施例1と同様の方法によって非晶質シートを得た。5.0kVの電圧を印加した際に電極に流れた電流は1.3mAであった。得られたシートは、溶融時の比抵抗は3.7×10Ωcm、IVが0.623であり、品質も実施例1と同様に良好であった。
【0038】
実施例4
実施例1において、ポリエステル中のMg原子濃度が120ppmとなる様にデカンジカルボン酸マグネシウムを添加した以外は、実施例1と同様の方法によって非晶質シートを得た。7.0kVの電圧を印加した際に電極に流れた電流は2.6mAであった。得られたシートは、溶融時の比抵抗が2.4×10Ωcm、IVが0.619であり、品質も実施例1と同様に良好であった。
【0039】
実施例5〜7
実施例1において、回転冷却ドラムの速度をそれぞれ30m/min.、70m/min.、80m/min.とする以外は、実施例1と同様の方法により非晶質シートを得た。得られたシートの溶融時の比抵抗およびIVを表1に示す。シートの品質は、表2に示す通り実施例1と同様に良好であった。
【0040】
比較例1
実施例1において、金属塩を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして非晶質シートを得た。得られたシートは、得られたシートは、溶融時の比抵抗が168×10Ωcm、IVが0.629であり、束縛気泡によるクレーター状の品質欠陥を多数有し、品質的に不合格であった。
【0041】
比較例2
実施例1において、金属塩を添加せずに回転冷却ドラムの速度を70m/min.に変更した以外は、実施例1と同様にして非晶質シートを得ようとしたが、静電密着力が不十分のためシートが回転冷却ドラムに密着せず、電極に溶融したポリエステルが巻き付いて非晶質シートを得ることが出来なかった。電極に溶融したポリエステルの溶融時の比抵抗は168×10Ωcm、IVは0.629であった。
【0042】
比較例3
実施例1において、シリンダー径が200mmの単軸押出機を使用した以外は、実施例1と同様にして非晶質シートを得た。得られたシートは、溶融時の比抵抗が4.0×10(Ωcm)であり、IVが0.495と大きく低下して実用に供することが出来なかった。
【0043】
比較例4
実施例1において、ポリエステル中のMg原子濃度が2,000ppmとなる様にデカンジカルボン酸マグネシウムを添加した以外は、実施例1と同様の方法により非晶質シートを得ようとしたが、溶融粘度が著しく低下し、安定して非晶質シートを得ることが出来なかった。また、口金から押し出しされたポリエステの溶融時の比抵抗は0.5×10Ωcm、IVは0.400であった。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、溶融押出後のポリエステルの重合度低下を最小限に抑制した上でその比抵抗を低減することにより、高品質なポリエステルシートを生産性良く製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で使用されるベント式二軸押出機の一例の側面説明図
【符号の説明】
1:ベント式二軸押出機
2:加熱シリンダー
3:スクリュー
4:押出口
6:ベント孔
9:原料投入口
8:逆ネジ
M:スクリュー駆動装置

Claims (4)

  1. 押出機から回転冷却ドラム上に押し出された溶融ポリエステルシートを静電密着法により上記の回転冷却ドラムの表面に密着させるポリエステルシートの製造方法において、押出機としてベント式二軸押出機を使用し、原料ポリエステルとして溶融時の比抵抗が1×10Ωcm以上のポリエステルを使用し、当該ポリエステルと共にポリエステル中の金属原子の濃度が0.5〜1,000ppmになる量の脂肪族モノカルボン酸またはジカルボン酸の金属塩を押出機に直接供給することを特徴とするポリエステルシートの製造方法。
  2. 金属塩としてデカンジカルボン酸マグネシウムを使用する請求項1に記載の製造方法。
  3. ベント式二軸押出機のシリンダー内径(直径)をD(mm)とした際、単位時間当たりの押出量Q(kg/hr.)とスクリュー回転数N(rpm)とが次の式(1)を満足する条件に溶融押出を行う請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 回転冷却ドラムの表面速度が40m/min.以上である請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
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