JP4158775B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法 - Google Patents

熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4158775B2
JP4158775B2 JP2005062252A JP2005062252A JP4158775B2 JP 4158775 B2 JP4158775 B2 JP 4158775B2 JP 2005062252 A JP2005062252 A JP 2005062252A JP 2005062252 A JP2005062252 A JP 2005062252A JP 4158775 B2 JP4158775 B2 JP 4158775B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
heat
roll
polyester
stretching
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2005062252A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005178396A (ja
Inventor
聡 早川
多保田  規
善紀 武川
勝也 伊藤
茂 米田
克彦 野瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2005062252A priority Critical patent/JP4158775B2/ja
Publication of JP2005178396A publication Critical patent/JP2005178396A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4158775B2 publication Critical patent/JP4158775B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/03Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
    • B29C48/07Flat, e.g. panels
    • B29C48/08Flat, e.g. panels flexible, e.g. films
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/92Measuring, controlling or regulating
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2948/00Indexing scheme relating to extrusion moulding
    • B29C2948/92Measuring, controlling or regulating
    • B29C2948/92504Controlled parameter
    • B29C2948/92704Temperature
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2948/00Indexing scheme relating to extrusion moulding
    • B29C2948/92Measuring, controlling or regulating
    • B29C2948/92819Location or phase of control
    • B29C2948/92857Extrusion unit
    • B29C2948/92876Feeding, melting, plasticising or pumping zones, e.g. the melt itself
    • B29C2948/92895Barrel or housing

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

本発明は熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法に関し、さらに詳しくはラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法に関するものである。
熱収縮性プラスチックフィルムは、加熱によって収縮する性質を利用して、収縮包装、収縮ラベル、キャップシール等の用途に広く用いられている。なかでも、ポリ塩化ビニル系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリエステル系フィルム等の延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス容器等の各種容器において、ラベルやキャップシールあるいは集積包装の目的で使用されている。
しかしポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となる等の問題を抱えている。一方、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣るため、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない。さらに前記ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルは、PET容器(PETボトルなど)の収縮ラベルとして用いると、容器をリサイクル利用する際に、容器とラベルとを分離しなければならないという問題がある。
ポリエステル系フィルムは、前記問題がないため、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムに代わる収縮ラベルとして非常に期待されており、PET容器の使用量増大に伴って、使用量も増加傾向にある。
しかし熱収縮性ポリエステル系フィルムも、その収縮特性においてはさらなる改良が求められている。特に、PETボトル、ポリエチレンボトル、ガラス瓶などの容器に被覆収縮する時に、収縮斑やシワが発生しやすいため、収縮前のフィルムに印刷した文字や図柄が被覆収縮した後に歪むことがあり、この歪みを可及的に小さくしたいというユーザーサイドの要望がある。また収縮応力が小さく、容器へのフィルムの密着性に劣ることがある。さらに、熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮性ポリスチレン系フィルムなどと比べると、低温での収縮性に劣ることがあり、必要な収縮量を得る為に高温で収縮させることがある。ところが高温で収縮させると、ボトルの変形や白化を生じることがある。
なお熱収縮性フィルムを用いてボトルを被覆加工する場合、従来、熱収縮性フィルムを印刷した後(印刷工程)、前記フィルムを容器に装着可能な形態[ラベル(筒状ラベル)、チューブ、袋などの形態など]に加工している。そして、これら加工フィルムをボトルに装着した後、ベルトコンベアーなどに乗せて加熱用トンネル(収縮トンネル)を通過させ、熱収縮させて容器に密着させている。前記収縮トンネルとしては、スチームを吹きつけて熱収縮させる方式のスチームトンネル、熱風を吹きつけて熱収縮させる方式の熱風トンネルなどが用いられている。
スチームトンネルを用いると、熱風トンネルを用いる場合に比べ伝熱効率に優れており均一に加熱収縮させることが可能であるため、良好な収縮仕上がり外観を得ることができる。しかしスチームトンネルを用いても、熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、ポリ塩化ビニル系フィルムやポリスチレン系フィルムに比べると収縮仕上がり性が余りよくないことがある。
さらに熱風トンネルは、スチームトンネルを用いる場合に比べ熱収縮の際に温度斑が生じやすい特性を有している。そのため、ポリ塩化ビニル系フイルムやポリスチレン系フィルムよりも収縮仕上がり性が劣るポリエステル系フィルムを熱収縮させると、収縮白化、収縮斑、シワ、歪みなどが発生し易くなり、特に収縮白化が製品外観上問題となっている。
さらに熱収縮性フィルムは、安定加工性や印刷性に優れていることも要求される。安定加工性や印刷性を高めるためには、フィルム厚みを略均一にすることが考えられる。フィルム厚みを略均一にすれば、フィルムにシワが入るのを防止でき、フィルム走行中に蛇行が発生し易くなるため、加工性を高めることができる。またフィルム印刷時に、部分的に印刷が抜けてしまうのを防止できる。すなわち熱収縮性フィルムでは、フィルム厚みの均一性を高めることが重要である。
フィルム厚みを均一にする方法としては、溶融押出ししたフィルムをキャスティングロールによって冷却する際に、フィルムとロールとを静電気的に密着させる方法が知られている。フィルムをロールに静電密着させるためには、ロールに接触する前の押出し直後の溶融状フィルムにおいて、その表面にいかに多くの電荷担体を存在させるかが重要である。電荷担体を多くするためには、ポリエステルを改質してその比抵抗を低くすることが有効であり、多大の努力が払われている。例えば、特許文献1には、ポリエチレンテレフタレート(PET)製造時にマグネシウム化合物、ナトリウム又はカリウム化合物、及びリン化合物を添加し、Mg原子の濃度を30〜400ppm、Na原子又はK原子の濃度を3.0〜50ppm、MgとPとの原子数比(Mg/P)を1.2〜20にすることによって、PETフィルムの比抵抗値を低くすることが開示されている。なおこの公報には、さらにエステル化率20〜80%の時点でマグネシウム化合物を添加し、固有粘度が0.2に達するまでの間にナトリウム又はカリウム化合物を添加し、エステル化率が90%以上進行した時点から固有粘度が0.2に達するまでの間にリン化合物を添加することによって不溶性異物の生成を抑制し、フィルムの品質を向上させている。
特公平3−54129号公報
そこで前記PETで開発された方法(特許文献1:特公平3−54129号公報)を熱収縮性ポリエステル系フィルムに適用することとし、熱収縮性フィルムにMgやPを添加して溶融密着性を高めてフィルム厚みの均一性を高めることにより、フィルムの安定加工性や印刷性を高めることが考えられる。しかし、PETと熱収縮性ポリエステル系フィルムとは、ポリマーの原料も性質も異なるため、PETで開発された方法をそのまま適用しても、その有効性は疑わしい。すなわち熱収縮性ポリエステル系フィルム(例えば、CHDMを共重合させたポリエステル系フィルムなど)は、PETに比べて熱的性質(融点・結晶化温度・ガラス転移温度など)が大きく異なり、耐熱性が低い。そのため熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、添加剤を添加すると熱的性質が大きく変化して耐熱性がさらに低下し、フィルムが着色したり、粘度低下(分子量低下)が起こり易くなると考えるのが普通であり、溶融比抵抗値を下げるためにMgやPなどの添加剤を添加する場合も同様な問題は発生すると考えるのが普通である。
しかも長尺の熱収縮性ポリエステル系フィルム(フィルムロールなど)では、一本のロールから複数の容器被覆用フィルムを切り出しているため、フィルムロール全般に亘って安定加工性や印刷性が優れていることが重要である。ところが前記特許文献1(特公平3−54129号公報)の方法に従ってフィルムロールを製造する場合、厚みの均一性が不足する部分が発生することがあり、安定加工性や印刷性が低下する部分が発生することがある。そのためフィルムの歩留まりをさらに高めることが求められる。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、安定加工性や印刷性に優れた容器被覆用フィルムを歩留まりよく切り出すことができる熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法を提供する点にある。
上記目的を達成し得た本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法は、組成の異なる複数の原料ポリエステルを混合して溶融押しし、ロールで冷却した後、直接又は一旦ロールに巻き取った後で再び引き出してから延伸処理することを前提とする。そして、
使用量のもっとも多いポリエステルチップと他のポリステルチップの形状を、横断面が楕円形となる楕円柱状とし、この他のポリエステルチップとしては、横断面楕円の平均長さ(mm)及び平均短径(mm)、並びに平均チップ長さ(mm)が、使用量のもっとも多いポリエステルチップのそれらに対して、それぞれ±20%以内の範囲になるものを使用すること、
押出機直前又は直上の最終ホッパとして側壁の傾斜角度が65°以上であり、かつ押出機の1時間当たりの吐出量の15〜120質量%の範囲の容量を有する漏斗状ホッパを使用すると共に、この最終ホッパから前記原料チップを押出機に供給すること、
押出機から溶融押し出ししたフィルムを導電性冷却ロールで冷却するに際して、押出機とキャスティングロールの間に電極を配設し、電極とキャスティングロールとの間に電圧を印加し、静電気的にフィルムをロールに密着させること、及び
前記延伸処理の予備加熱工程、延伸工程、及び延伸後の熱処理工程において、フィルム表面の温度の変動幅を、平均温度±1℃以内にすることなどにその特徴がある。
なお原料ポリエステルチップの微粉体の比率を1質量%以内に制御すること、前記電極として、汚染面の退避手段と非汚染面の供給手段とを備えたものを使用することなどは本発明のより好ましい態様である。
上記製法によって得られた熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、(1)フィルムの流れ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムの巻き終り側の端部を始端、巻き始め側の端部を終端としたとき、前記始端の内側2m以内のところに1箇所目の試料切り出し部を設け、前記終端の内側2m以内のところに最終の切り出し部を設け、1箇所目の切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けると共に、切り出された試料の形状をフィルムの最大収縮方向の長さが20cm、幅が5cmである長方形状とし、各箇所の試料について前記最大収縮方向の厚みの変位を測定したとき、各箇所の試料において下記式で表される厚み分布値が7%以下になっている。
厚み分布値=(最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100
上記のような熱収縮性ポリエステル系フィルムロールを製造すると、安定加工性や印刷性に優れた容器被覆用フィルムを歩留まりよく切り出すことができる。
また(2)前記(1)で指定する切り出し部から10cm×10cmの正方形状に切り取った各試料について、85℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率を測定してその平均値を求めたときに、各試料の熱収縮率の測定値を、前記平均値の±3%以内にすることもできる。このように1本の熱収縮性フィルムロールにおける熱収縮率の変動を小さくすると、1個、1個の容器装着体(ラベル、袋など)の熱収縮変動を小さくできるため、被覆収縮させる工程での不良が低減し、製品の不良率を激減させることができる。
なお本発明で製造される熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、通常、
長さが1000〜6000mであり、
10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、
エチレンテレフタレートをベースユニットとするものであって、さらに第2のアルコール成分として1,4−シクロヘキサンジメタノール成分及び/又は炭素数が3〜6のジオール成分を含有するものであり、
温度275℃における溶融比抵抗値が0.70×108Ω・cm以下である。
なお本明細書において、用語「未延伸フィルム」には、フィルム送りの為に必要な張力が作用したフィルムも含まれる。
本発明によれば、ロール状に巻回されたフィルム全体(定常領域)に亘って厚みの均一性を高めることができ、安定加工性や印刷性に優れた容器被覆用フィルムを歩留まりよく切り出すことができる。
熱収縮性ポリエステル系フィルムロールとは、熱収縮性ポリエステル系フィルム(以下、単にフィルムと称する場合がある)を巻き取ったものである。前記熱収縮性ポリエステル系フィルムは、一般には、以下のようにして得ることができる。
(1)ジカルボン酸成分と多価アルコール成分とで構成されるポリエステルを、押出し機から溶融押出しし、導電性冷却ロール(キャスティングロールなど)で冷却してフィルム化する(未延伸フィルム)。
なお前記押出しに際しては、共重合ポリエステルを単独で押し出すか、又は複数のポリエステル(共重合ポリエステル、ホモポリエステルなど)を混合して押し出す。このため前記フィルムは、ベースユニット(ポリエチレンテレフタレートなどの結晶性ユニットなど)と、前記ベースユニットを構成する多価アルコール成分(エチレングリコール成分など)とは異なる第2のアルコール成分を含有している。
(2)第2のアルコール成分を含有するポリエステル系フィルムを延伸すると、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得ることができる。
延伸は1軸延伸であるのが好ましいが、この1軸延伸の方向(主方向)とは異なる方向に小さく延伸する2軸延伸であってもよい。延伸方向(主方向)は特に限定されず、フィルムの流れ方向であってもよく、前記流れ方向と直交する方向(以下、幅方向と称する)であってもよい。好ましくは、生産効率上の観点から、フィルムの幅方向に延伸する。
上記熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られたロールは、ロールからフィルムを引き出し、印刷を施し、適当な形状に裁断することにより、容器被覆用フィルムが得られる。この容器被覆用フィルムは、容器に装着可能な形態[ラベル状(筒状ラベル状)、チューブ状、袋状]に加工した後、この加工フィルムを容器に装着し、加熱手段(スチームトンネル、熱風トンネルなど)を用いてフィルムを加熱収縮することにより、容器を被覆できる。
[熱収縮率]そして本発明で製造する熱収縮性ポリエステル系フィルムは、10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、直ちに25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が20%以上である。フィルムの熱収縮率が20%未満であると、容器等に被覆収縮させたときにフィルムの熱収縮量が不足して、外観不良が発生するため好ましくない。より好ましい熱収縮率は30%以上、さらに好ましくは40%以上である。熱収縮率の上限値は80%(特に75%)が好ましい。
ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、最大収縮方向は、正方形の縦方向または横方向(または斜め方向)の長さで決められる。また、熱収縮率(%)は、10cm×10cmの試料を、85℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸漬した後の、フィルムの縦および横方向(または斜め方向)の長さを測定し、下記式に従って求めた値である。
熱収縮率=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
熱収縮率を上記範囲にする手段としては特に限定されないが、例えば、前記第2のアルコール成分を適当量含有するポリエステルを延伸することなくフィルム化し、この未延伸フィルムを適当な倍率で延伸する方法が挙げられる。
前記第2のアルコール成分は、ジオール成分であってもよく、三価以上のアルコール成分であってもよい。ジオール成分を形成するジオールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等のアルキレングリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環状アルコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノール化合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物などのエーテルグリコール類;ダイマージオールなどが含まれる。三価以上のアルコールには、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどが含まれる。
前記第2のアルコール成分の割合は、例えば、多価アルコール成分100モル%中、3〜80モル%程度、好ましくは5〜75モル%程度、さらに好ましくは10〜70モル%程度である。
好ましい第2のアルコール成分は、環状アルコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール成分)、炭素数が3〜6程度のジオール成分(プロパンジオール成分、ブタンジオール成分、ヘキサンジオール成分など)などが含まれる。
環状アルコール成分を用いれば、フィルムの非晶化度合いを高めることができるため、熱収縮率をさらに高めることができる。さらには収縮仕上がり性(収縮白化の抑制、収縮斑の抑制、シワの抑制、歪み抑制、及び/又はタテヒケの抑制など)も高めることができる。なお熱収縮性フィルムロールから切り出された被覆用フィルムは、溶剤(テトラヒドロフランや1,3−ジオキソランなど)を用いて接着することにより、容器に装着可能な形態[ラベル(筒状ラベル)状、チューブ状、袋状などの形態]に加工することが多いが、環状アルコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール成分など)を用いると、溶剤接着性も高めることができる。
環状アルコール成分の割合は、多価アルコール成分100モル%中、例えば、5モル%以上である。
ところで熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいては、熱収縮工程でフィルムが加熱されてある温度まで到達した場合、フィルムを構成するポリエステルの組成によっては熱収縮率が飽和してしまい、それ以上高温に加熱しても、それ以上の収縮が得られないことがある。このようなフィルムは、比較的低温で熱収縮することができる利点があるが、前記熱風トンネルで熱収縮させた場合や、熱収縮前に30℃以上の雰囲気下で長期間保管した後で熱収縮させた場合に、収縮白化現象が起こり易い。この収縮白化現象の原因は、ポリエステルの分子鎖が部分的に結晶化し、結晶部分の光の屈折率が非晶部分と異なるためと考えられる。
しかし本発明者等は、多価アルコール成分100モル%中、環状アルコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール成分など)の割合を10モル%以上とすることで、上記収縮白化を著しく抑制し得ることを見出した。さらに収縮斑も著しく抑制できる。
環状アルコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール成分など)の量は12モル%以上がより好ましく、14モル%以上がさらに好ましい。
なお環状アルコール成分の量は、多価アルコール成分100モル%中、80モル%以下に抑制することが望まれる。環状アルコール成分が多すぎると、フィルムの収縮率が必要以上に高くなり過ぎて、熱収縮工程でラベルの位置ずれや図柄の歪みが発生する恐れがある。また、フィルムの耐溶剤性が低下するため、印刷工程でインキの溶媒(酢酸エチル等)によってフィルムの白化が起きたり、フィルムの耐破れ性が低下するため好ましくない。従って、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分は70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、30モル%以下が特に好ましい。
一方、炭素数が3〜6程度のジオール(C3-6ジオール)を含有させると、ポリエステル系フィルムのガラス転移温度(Tg)を下げることができ、フィルムの低温収縮性を高めることができる。C3-6ジオールを含有させる場合、フィルムのガラス転移温度(Tg)を、例えば、60〜75℃程度に調節することができる。
3-6ジオール成分の割合は、多価アルコール成分100モル%中、例えば、2〜40モル%程度、好ましくは3〜35モル%程度、さらに好ましくは5〜30モル%程度である。
前記環状アルコール(1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)及びC3-6ジオールは、併用するのが望ましい。併用する場合、環状アルコール成分とC3-6ジオール成分との合計量は、多価アルコール成分100モル%中、例えば、10〜80モル%程度、好ましくは15〜70モル%程度、さらに好ましくは20〜60モル%程度である。なおC3-6ジオール成分の割合は、環状アルコール成分100モルに対して、例えば、2.5〜150モル程度、好ましくは4〜120モル程度、さらに好ましくは7〜100モル程度である。
なお上述したように、前記第2のアルコール成分以外の多価アルコール成分は、結晶性ユニット(エチレンテレフタレートユニットなど)を構成するアルコール成分(エチレングリコールなど)である。結晶性ユニット用アルコール成分が多い程、フィルムの耐破れ性、強度、耐熱性などを高くできる。
なおフィルムのジカルボン酸成分を形成するジカルボン酸類としては、前記ベースユニット(結晶性ユニット)を形成するジカルボン酸類(テレフタル酸、そのエステル形成誘導体など)に加えて種々のジカルボン酸類が使用でき、種々の芳香族ジカルボン酸、そのエステル形成誘導体、種々の脂肪族ジカルボン酸等が利用可能である。芳香族ジカルボン酸としては、前記テレフタル酸の他に、例えば、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。またエステル誘導体としてはジアルキルエステル、ジアリールエステル等の誘導体が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、ダイマー酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等が挙げられる。
前記フィルムの延伸倍率(主方向の延伸倍率)は、第2のアルコール成分の種類や割合に応じて適宜選択できるが、例えば、3.0〜5.5倍程度、好ましくは3.2〜5.4倍程度、さらに好ましくは3.4〜5.3倍程度である。また第2のアルコール成分が環状アルコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール成分)である場合、C3-6ジオール成分である場合、又はこれらを組合わせる場合、延伸倍率は、例えば、2.3〜7.3倍程度、好ましくは2.5〜6.0倍程度である。
[溶融比抵抗値]
本発明で製造する熱収縮性ポリエステル系フィルムは、温度275℃における溶融比抵抗値が0.70×108Ω・cm以下である。このようなフィルムを用いると、以下に詳細に説明するように、フィルム厚みの均一性を高めることができ、フィルムへの印刷性や、フィルムを容器に装着可能な形態に加工する際の加工性(安定加工性)を高めることができる。
すなわち本発明では、押出機から溶融押し出ししたフィルムを導電性冷却ロール(キャスティングロールなど)で冷却するに際して、前記押出機とキャスティングロールの間に電極を配設し、電極とキャスティングロールとの間に電圧を印加し(すなわち、前記電極からフィルムに電気を与え)、静電気的にフィルムをロールに密着させている。溶融比抵抗値が小さいと、フィルムとロールとの密着性(静電密着性)を高めることができる。ロールへの静電密着性が低いと、キャスティングした未延伸フィルム原反の厚みが不均一化し、この未延伸フィルムを延伸した延伸フィルムにおいては厚みの不均一性がより拡大されてしまうのに対して、静電密着性が十分に高い場合には、延伸フィルムにおいても厚みを均一化できる。
フィルム厚みの均一性を高めると、複数の色を重ね合わせる多色印刷をフィルムに施す際に、色ズレを防止でき印刷性を高めることができる。
加えてフィルム厚みの均一性を高めると、溶剤接着によってフィルムをチューブ等に加工する際にも、接着部分の重ね合わせが容易である。しかもフィルムに多色印刷する際には、フィルムにシワが入り易くなるのを防止でき、また走行中にフィルムが蛇行するのを防止でき、加工性(安定加工性)を高めることができる。
さらにフィルム厚みの均一性を高めると、フィルムをロール状に巻いた状態で部分的な巻き硬度の差が発生するのを防止でき、フィルムに弛みや皺が発生し、フィルムの外観を大きく損なうのを防止できる。
なお溶融比抵抗値を下げて静電密着性を高めると、前記フィルム厚みの均一性を高めることができるだけでなく、フィルムの生産性を高めることができ、フィルムの外観も向上できる。すなわち静電密着性が高いと、フィルムの冷却固化の安定性を高めることができ、キャスティング速度(生産速度)を高めることができる。また静電密着性が高いと、フィルムの冷却固化が不完全となって、ロールとフィルムとの間に局部的にエアーが入り込み、フィルム表面にピンナーバブル(スジ状の欠陥)が発生するのを防止でき、フィルム外観を高めることができる。
前記溶融比抵抗値は、好ましくは0.65×108Ω・cm以下、さらに好ましくは0.60×108Ω・cm以下である。
溶融比抵抗値を上記範囲に制御するためには、フィルム中にアルカリ土類金属化合物と、リン含有化合物とを含有させるのが望ましい。アルカリ土類金属化合物だけでも溶融比抵抗値を下げることができるが、リン含有化合物を共存させると溶融比抵抗値を著しく下げることができる。アルカリ土類金属化合物とリン含有化合物とを組合わせることによって溶融比抵抗値を著しく下げることができる理由は明らかではないが、リン含有化合物を含有させることによって、異物の量を減少でき、電荷担体の量を増大できるためと推定される。
フィルム中のアルカリ土類金属化合物の含有量は、アルカリ土類金属原子M2を基準にして、例えば、20ppm(質量基準)以上、好ましくは40ppm(質量基準)以上、さらに好ましくは50ppm(質量基準)以上、特に60ppm(質量基準)以上である。アルカリ土類金属化合物の量が少なすぎると溶融比抵抗値を下げることができない。なおアルカリ土類金属化合物の含有量を多くし過ぎても、溶融比抵抗値の低減効果が飽和してしまい、むしろ異物生成や着色などの弊害が大きくなる。そのためアルカリ土類金属化合物の含有量は、アルカリ土類金属原子M2を基準にして、例えば、400ppm(質量基準)以下、好ましくは350ppm(質量基準)以下、さらに好ましくは300ppm(質量基準)以下である。
フィルム中のリン化合物の含有量は、リン原子Pを基準にして、例えば、5ppm(質量基準)以上、好ましくは20ppm(質量基準)以上、さらに好ましくは40ppm(質量基準)以上、特に60ppm(質量基準)以上である。リン化合物の量が少なすぎると、溶融比抵抗値を下げることが充分にできず、異物の生成量を低減することもできない。なおリン化合物の含有量を多くしすぎても、溶融比抵抗値の低減効果が飽和してしまう。さらにはジエチレングリコールの生成を促進してしまい、しかもその生成量をコントロールすることが困難であるため、フィルムの物性が予定していたものと異なる虞がある。そのためリン化合物の含有量は、リン原子Pを基準にして、例えば、500ppm(質量基準)以下、好ましくは450ppm(質量基準)以下、さらに好ましくは400ppm(質量基準)以下、特に350ppm(質量基準)以下である。
アルカリ土類金属化合物及びリン化合物でフィルムの溶融比抵抗値を下げる場合、フィルム中のアルカリ土類金属原子M2とリン原子Pとの質量比(M2/P)は、1.2以上(好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.4以上)であることが望ましい。質量比(M2/P)を1.2以上にすることによって、溶融比抵抗値を著しく低減できる。なお質量比(M2/P)が5.0を超えると、異物の生成量が増大したり、フィルムが着色したりする。そのため質量比(M2/P)は、5.0以下、好ましくは4.5以下、さらに好ましくは4.0以下である。
フィルムの溶融比抵抗値をさらに下げるためには、前記アルカリ土類金属化合物及びリン含有化合物に加えて、フィルム中にアルカリ金属化合物を含有させるのが望ましい。アルカリ金属化合物は、単独でフィルムに含有させても溶融比抵抗値を下げることはできないが、アルカリ土類金属化合物及びリン含有化合物の共存系に追加することで、溶融比抵抗値を著しく下げることができる。その理由については明確ではないが、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、及びリン含有化合物の三者で錯体を形成することによって、溶融比抵抗値を下げているものと推定される。
フィルム中のアルカリ金属化合物の含有量は、アルカリ金属原子M1を基準にして、例えば、0ppm(質量基準)以上、好ましくは5ppm(質量基準)以上、さらに好ましくは6ppm(質量基準)以上、特に7ppm(質量基準)以上である。なおアルカリ金属化合物の含有量を多くしすぎても、溶融比抵抗値の低減効果が飽和してしまい、さらには異物の生成量が増大する。そのためアルカリ金属化合物の含有量は、アルカリ金属原子M1を基準にして、例えば、100ppm(質量基準)以下、好ましくは90ppm(質量基準)以下、さらに好ましくは80ppm(質量基準)以下である。
前記アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド、脂肪族カルボン酸塩(酢酸塩、酪酸塩など、好ましくは酢酸塩)、芳香族カルボン酸塩(安息香酸塩)、フェノール性水酸基を有する化合物との塩(フェノールとの塩など)などが挙げられる。またアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど(好ましくはマグネシウム)が挙げられる。好ましいアルカリ土類金属化合物には、水酸化マグネシウム、マグネシウムメトキシド、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロンチウム、酢酸バリウムなど、特に酢酸マグネシウムが含まれる。前記アルカリ土類金属化合物は、単独で又は2種以上組合わせて使用できる。
前記リン化合物としては、リン酸類(リン酸、亜リン酸、次亜リン酸など)、及びそのエステル(アルキルエステル、アリールエステルなど)、並びにアルキルホスホン酸、アリールホスホン酸及びそれらのエステル(アルキルエステル、アリールエステルなど)が挙げられる。好ましいリン化合物としては、リン酸、リン酸の脂肪族エステル(リン酸のアルキルエステルなど;例えば、リン酸モノメチルエステル、リン酸モノエチルエステル、リン酸モノブチルエステルなどのリン酸モノC1-6アルキルエステル、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジエチルエステル、リン酸ジブチルエステルなどのリン酸ジC1-6アルキルエステル、リン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸トリブチルエステルなどのリン酸トリC1-6アルキルエステルなど)、リン酸の芳香族エステル(リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジルなどのリン酸のモノ、ジ、又はトリC6-9アリールエステルなど)、亜リン酸の脂肪族エステル(亜リン酸のアルキルエステルなど;例えば、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリブチルなどの亜リン酸のモノ、ジ、又はトリC1-6アルキルエステルなど)、アルキルホスホン酸(メチルホスホン酸、エチルホスホン酸などのC1-6アルキルホスホン酸)、アルキルホスホン酸アルキルエステル(メチルホスホン酸ジメチル、エチルホスホン酸ジメチルなどのC1-6アルキルホスホン酸のモノ又はジC1-6アルキルエステルなど)、アリールホスホン酸アルキルエステル(フェニルホスホン酸ジメチル、フェニルホスホン酸ジエチルなどのC6-9アリールホスホン酸のモノ又はジC1-6アルキルエステルなど)、アリールホスホン酸アリールエステル(フェニルホスホン酸ジフェニルなどのC6-9アリールホスホン酸のモノ又はジC6-9アリールエステルなど)などが例示できる。特に好ましいリン化合物には、リン酸、リン酸トリアルキル(リン酸トリメチルなど)が含まれる。これらリン化合物は単独で、又は2種以上組合わせて使用できる。
前記アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、脂肪族カルボン酸塩(酢酸塩、酪酸塩など、好ましくは酢酸塩)、芳香族カルボン酸塩(安息香酸塩)、フェノール性水酸基を有する化合物との塩(フェノールとの塩など)などが挙げられる。またアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなど(好ましくはナトリウム)が挙げられる。好ましいアルカリ土類金属化合物には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなど、特に酢酸ナトリウムが含まれる。
[最大収縮方向の厚み分布値]
なお前記のようにして溶融比抵抗値を下げて、フィルムの厚みの均一性を高めても、それだけでは不十分である。すなわちフィルムロールを形成する場合、前記フィルムは長尺(例えば、300m〜6000m程度)であるため、測定箇所によっては厚みの均一性が低下する虞がある。
ところが本発明によって得られるフィルムロールでは、フィルム厚みがフィルムの流れ方向に高いレベルで均一化されている。そのため本発明によって得られるフィルムロールによれば、フィルムロールから切り出した容器被覆用フィルムの歩留まりが低下する虞がない。
また通常は、1本の熱収縮性フィルムロールから複数個の同一種の容器装着体(最終製品ラベル、袋など)を製造するため、各箇所間での厚みが異なると、容器装着体単位で厚み差が大きくなり、容器に装着する際に剛性(腰)の差が発生し、装着ミスにより製品不良率が増大する虞がある。ところが本発明によれば、各切り出し部からの試料が均一性に優れているため、製品不良率を低減でき、歩留まりを高めることができる。
前記フィルム厚みは、必ずしも、フィルムロールに巻回された熱収縮性フィルムの全領域に亘って高いレベルで均一化されている必要はなく、少なくともフィルムの流れ方向にフィルム物性がある程度安定している定常領域において高いレベルで均一化されていればよい。すなわち熱収縮性フィルムは、溶融状プラスチックを押出して製膜した後、延伸することによって製造されているものの、前記製膜工程や延伸工程が安定するまでは(定常状態に達するまでは)、フィルムの物性が大きく変動する。また製膜工程や延伸工程が定常状態に達した後でも、製膜条件や延伸条件を変更するとフィルムの物性が大きく変動する。本発明は、製膜工程や延伸工程が定常状態に達していないときに得られたフィルムの厚みを均一化するものではなく、製膜工程や延伸工程が定常状態で運転されているときに得られたフィルムにおいて、フィルム厚みを従来レベルよりも高度に均一化するものである。
なお前記定常領域(定常運転)の数は特に限定されず、一本のフィルムロール当たり、1箇所(フィルムロール全体に亘って1箇所の場合も含む)だけ存在していてもよく、複数箇所に存在していてもよい。前記定常領域は、例えば、フィルムの熱収縮率を測定することによって評価してもよい。定常領域では、熱収縮率は、例えば、20%程度(好ましくは16%程度)以内の幅で安定している。
そして定常領域におけるフィルム厚みの均一性は、前記定常領域のうちフィルムの巻き終り側の端部を始端とし、巻き始め側の端部を終端とし、前記始端の内側2m以内のところに1箇所目の試料切り出し部を設け、前記終端の内側2m以内のところに最終の切り出し部を設け、1箇所目の切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、各箇所から切り出された試料のフィルム厚みを測定することによって評価できる。なお「約100m毎」とは、100m±1m程度のところで試料を切り出しても構わないという意味である(以下、同じ)。
前記厚みの均一性については、下記式で表される厚み分布値に基づいて定めることができる。
厚み分布値=(最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100
前記最大厚み、最小厚み、及び平均厚みは、前記最大収縮方向の長さが20cm、幅が5cmとなるようにロールから試験片を切り取り、接触式厚み計を用いて最大収縮方向に対する厚みの変位を測定することによって求めることができる。
そして本発明によって得られるフィルムロールによれば、各切り出し部から切り出した各箇所の試料について前記最大収縮方向の厚みの変位を測定したとき、各箇所の試料において前記式で表される厚み分布値が7%以下、好ましくは6%以下、さらに好ましくは5%以下である。
各箇所の試料が前記所定の厚み分布値を有するためには、製膜工程や延伸工程が定常状態に達しているだけでは不十分であり、溶融ポリエステルを押出して冷却用ロールで冷却する際のフィルムの静電密着性をも、フィルム製造の初期から終期に亘って安定化する必要がある。そこで本発明では、前記冷却の際に使用する電極として、電極汚染面の退避手段と、電極非汚染面の供給手段とを備えている電極を使用する。すなわち溶融ポリエステルの製膜中に電極から電気を与えて、フィルムを静電密着させる場合、前記ポリエステルは複数種のポリマー(ホモポリマー、共重合ポリマーなど)やモノマーを含有しており、種々の低分子量成分を含有していることが多いため、溶融押し出し時に前記低分子量成分が揮発し、電極を徐々に汚染する。そのためフィルムの生産を続けると、徐々に電極の汚染が激しくなり、フィルムに十分な電気を与えることができなくなり、フィルムの静電密着性が低下してくる虞がある。ところが本発明では、前記特定の電極を用いることによって、電極汚染面を退避させ、代わりに非汚染面を供給することができ、電極面を汚れの少ないフレッシュな状態に維持できる。そのためフィルムの生産を続けても、静電密着性が低下してくる虞がなく、各箇所の試料が前記所定の厚み分布を有するようにすることができる。
前記特定の電極としては、例えば、下記(1)〜(3)の電極が例示できる。
(1)前記フィルム面と対面可能なワイヤー状の電極であって、ワイヤーの送り出し装置(供給手段)と、ワイヤーの巻取装置などの収納装置(退避手段)とを備えた電極
(2)円筒状の電極であって、モーターなどの前記円筒電極を回転させるための回転手段(この場合、回転手段が供給手段と退避手段の双方を兼ねる)を備えた電極
(3)複数の電極ユニット(ワイヤー状電極ユニット、ブラシ状電極ユニットなど)を備え、各電極ユニットを独立してフィルムに近接させる近接手段(供給手段)と、各電極ユニットを独立してフィルムから遠ざける手段(退避手段)を備えた電極
なお前記電極(1)及び電極(2)を用いる場合、送り出し装置からのワイヤー状電極の送り出しや、回転手段による円筒状電極の回転は、連続的に行ってもよく、断続的に行ってもよいが、連続的に行うのが好ましい。
電極の材質は、特には限定されないが、タングステン製の電極を用いることが静電密着の安定性及び電極の強度の観点から好ましい。
またワイヤー状の電極を用いる場合、ワイヤー径は、0.15〜0.35mm程度の範囲にあることが静電密着の安定性及び電極の強度の観点から好ましい。
一方冷却用ロールは、導電性を有する限り特に限定されないが、表面が金属で被覆されているのが好ましく、特に表面がクロムメッキされているのが好ましい。また冷却用ロールは、表面温度が25〜50℃の範囲で制御されているのが好ましい。
印加電圧は、静電密着の安定性の観点から、例えば、6.5kV以上、好ましくは7.5kV以上、さらに好ましくは8.5kV以上であり、通常、10kV以下である。
電流値は、例えば、3.0mA以上、好ましくは3.5mA以上、さらに好ましくは4.0mA以上であり、通常、5.0mA以下である。
各箇所の試料が上記所定の厚み分布を有するためには、フィルム製造の初期から終期に亘って静電密着性を安定化する上記方法と共に、(A)フィルム製造中のポリエステル原料を均質化する方法、(B)製膜工程を安定化する方法、及び/又は(C)フィルムの延伸工程を安定化する方法を採用するのが望ましい。
(A)フィルム製造中のポリエステル原料を均質化する方法
すなわち本発明では、上述したようにポリエステルをフィルム化する際に、組成の異なる複数の原料ポリエステルを混合(ブレンド)して押し出す場合がある。前記混合及び押出しの方法としては、具体的には、下記(1)〜(3)で示す方法を採用することが多い。(1)組成の異なる複数のポリエステル(ポリエステルチップ)を各ポリエステル用の複数のホッパに連続式又は間欠式に供給し、必要に応じて緩衝ホッパを介し、最終的に押出機直前又は直上のホッパ(最終ホッパ)に供給する。(2)この最終ホッパで各ポリエステルチップを混合し、押出機の押出量に合わせて前記混合チップを定量的に押出機に供給し、製膜する。
ところが最終ホッパ内のチップ残量が多い場合と少ない場合とでは、最終ホッパから押出機へと供給される混合チップの組成が異なってくるという原料偏析(原料偏在)の現象が発生していることを本発明者等は見出した。この現象は最終ホッパの容量や形状が不適切な場合に発生し易く、特に各種ポリエステルチップの形状や比重が互いに異なる場合に顕著に現れる。その結果、静電密着性を高めるためのアルカリ土類金属化合物やリン化合物の含有率がフィルムの製造中に変動してしまい、厚み分布値が変動してしまう虞がある。
アルカリ土類金属化合物やリン化合物の含有率の変動が少ないフィルムを得る方法としては、最終ホッパ内での原料偏析(原料偏在)を抑止する方法、例えば、(1)各ポリエステルチップの形状を合わせる方法、(2)微粉状ポリエステルチップを低減する方法、(3)最終ホッパの形状を適正化する方法、(4)最終ホッパの容量を適正化する方法などが挙げられる。
(1)各ポリエステルチップの形状を合わせる方法
各ポリエステルチップの形状を合わせると、前記原料偏析を低減できる。すなわちチップの大きさに違いがあると、最終ホッパ内を混合チップが落下していくときに、小さいチップは先に落下し易いため、最終ホッパ内のチップ残量が少なくなると、大きいチップの比率が多くなって、原料偏析が現われる。これに対して、各ポリエステルチップの形状を合わせると、小さいチップが先に落下するのを防止でき、原料偏析を低減できる。
各ポリエステルチップは、通常、重合後の溶融状態で重合装置よりストランド状で取り出され、直ちに水冷した後、ストランドカッターでカットして形成される。このためポリエステルチップは、通常、横断面が楕円形の楕円柱状となる。従って各ポリエステルチップの形状を合わせる場合、各ポリエステルチップの横断面楕円の平均長径(mm)及び平均短径(mm)、並びに平均チップ長さ(mm)を合わせるのが望ましい。
好ましくは使用量の最も多いポリエステルチップ(最多ポリエステルチップ)に混合する他のポリエステルチップとして、その横断面楕円の平均長径(mm)及び平均短径(mm)、並びに平均チップ長さ(mm)が最多ポリエステルチップのそれらに対して、それぞれ±20%以内の範囲となるポリエステルチップ、好ましくはそれぞれ±15%以内の範囲となるポリエステルチップを使用する。
最多ポリエステルチップと他のポリエステルチップとの組合わせは、特に限定されないが、最多ポリエステルチップとして共重合ポリエステルチップを用い、他のポリエステルチップとして、ホモポリエステルチップ(ポリエチレンテレフタレートチップ、ポリブチレンテレフタレートチップなど)を用いるのが好ましい。
(2)微粉状ポリエステルチップを低減する方法
使用する原料チップの削れ等により発生する微粉体(微粉状ポリエステルチップ)は、原料偏析の発生を助長するので、前記微粉体の比率を低減することによっても、原料偏析を抑制できる。
ポリエステルチップ中の微粉体の比率は、原料チップが押出機に入るまでの全工程を通じて、1質量%以内に制御することが好ましく、0.5質量%以内に制御することがさらに好ましい。
微粉体を低減する方法としては、例えば、工程内で発生する微粉体を除去(分級除去など)する方法が採用できる。例えば、ストランドカッターによるチップ形成時に篩を通す方法、原料チップを空送する場合にサイクロン式エアフィルタを通す方法などが採用できる。
(3)最終ホッパの形状を適正化する方法
例えば、最終ホッパとして、漏斗状ホッパを用い、その斜辺(側壁)を垂直に近づける方法が挙げられる。斜辺(側壁)を垂直に近づければ、大きいチップも小さいチップと同様に落とし易くすることができ、内容物の上端部が水平面を保ちつつ下降していくため、原料偏析の低減に効果的である。
前記斜辺(側壁)の傾斜角は、例えば、65゜以上、好ましくは70°以上である。なお、斜辺(側壁)の傾斜角とは、漏斗状の斜辺(側壁)と、水平な線分との間の角度である。
最終ホッパの上流に複数のホッパ(各チップ供給用のホッパなど)を使用する場合、これら複数のホッパにおいても、傾斜角を65゜以上、好ましくは70゜以上とするのが好ましい。
(4)最終ホッパの容量を適正化する方法
最終ホッパで混合した混合チップを、時間をかけて前記最終ホッパから押出機へ吐出すると、フィード中に混合チップの偏析(偏在)が発生する場合がある。
従ってホッパ内の混合チップの存在時間を短くするようにすれば、すなわち比較的短時間で混合チップを排出できる程度にホッパの容量を小さくすれば、原料偏析を抑制できる。
ホッパの適正な容量としては、例えば、(押出機の1時間当たりの吐出量)の15〜120質量%の範囲内、好ましくは(押出機の1時間当たりの吐出量)の20〜100質量%の範囲内程度である。
2種以上の組成の異なるポリエステルチップを混合する方法としては、押出機直上のホッパ(最終ホッパ)で各原料を連続的に押出機へ定量供給しながら、混合する方法が最も好ましい。また、原料チップサイズを前述の範囲内に制御したものを予め混合した後、いくつかの中間(緩衝)ホッパを介して、最終ホッパおよび押出機に供給してもよい。複数種の原料を混合する際には、原料チップを連続的に定量供給する装置から、ホッパ内に複数種の原料を定量的に供給しながら混合する方法、あるいは、ブレンダー等を使用して事前に混合する方法等があるが、後者の場合には、混合物の排出時に原料偏析が発生しないように、原料チップサイズ等に留意することが好ましい。
(B)製膜工程を安定化する方法
製膜工程を安定化する方法としては、押出機からの吐出量変動を抑制する方法、冷却用ロール(キャスティングロールなど)の回転速度変動を抑制する方法などが挙げられる。
吐出量変動を抑制する場合、例えば、吐出量を平均吐出量の±2%以内の範囲に安定化するのが好ましい。吐出量変動を抑制する場合、例えば、吐出手段としてギアポンプを用いるのが好ましい。
回転速度変動を抑制する場合、例えば、回転速度を平均回転速度の±2%以内の範囲に安定化するのが好ましい。回転速度変動を抑制する場合、例えば、ロール駆動系の回転制度を制御する手段、例えば、回転速度制御用のインバーターを用いるのが好ましい。
(C)フィルムの延伸工程を安定化する方法
フィルムに熱収縮性を付与するためには、未延伸フィルムに対して延伸処理を施す必要がある。フィルムの延伸工程を安定化する場合、一般の延伸方法に対して安定化のための種々の工夫を施す。
まず前記一般の延伸方法について説明すると、延伸処理のタイミングは特に限定されず、例えば、前記冷却ロール(キャスティングロールなど)による冷却後、一旦ロール状に巻き取り、このロールからフィルムを引き出して延伸処理してもよく、該冷却後、ロール状に巻き取ることなく連続的に延伸処理してもよい。
延伸方向(フィルムの最大収縮方向)は、フィルムの横(幅)方向であってもよく、フィルムの縦方向(流れ方向)であってもよいが、延伸方向をフィルムの横(幅)方向にすることが生産効率の点で実用的であるため、以下、延伸方向(最大収縮方向)を横方向とする場合の延伸法を例にとって説明する。なお、延伸方向(フィルムの最大収縮方向)をフィルム縦(長手)方向とする場合は、下記方法における延伸方向を90゜変える等、通常の操作に準じて延伸すればよい。
横方向に延伸する場合、テンターなどの慣用の延伸手段を用いて延伸処理することができる。
延伸倍率は、上記[熱収縮率]の欄で記載した程度(例えば、2.3〜7.3倍程度、好ましくは2.5〜6.0倍程度)である。
なお横方向に延伸する場合、テンターなどによる横方向への1軸延伸のみに限定されず、縦方向にも延伸する2軸延伸を行ってもよい。縦方向への延伸倍率は、前記横方向への延伸倍率以下、例えば、1.0倍〜4.0倍程度、好ましくは1.1倍〜2.0倍程度である。縦方向への延伸倍率が大き過ぎると、上記熱収縮率の測定方法に従って測定したしたときの最大収縮方向と直交する方向の熱収縮率が大きくなり過ぎ(例えば、10%を超えてしまい)、好ましくない。2軸延伸のタイミングは特に限定されず、例えば、逐次2軸延伸、同時2軸延伸のいずれでもよく、必要に応じて、再延伸を行ってもよい。また、逐次2軸延伸を行う場合、延伸順序も特に限定されず、縦横、横縦、縦横縦、横縦横など、いずれの順序で延伸してもよい。
延伸処理後は、50℃〜110℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるいは0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じて40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理をするのが望ましい。
なお前記延伸処理に先立ってフィルムを予備加熱しておいてもよい。
そして、フィルムの延伸工程を安定化する場合、前記一般の延伸方法に対して安定化のための種々の工夫を施す。例えば、(1)延伸温度の制御、(2)延伸に伴う内部発熱の抑制、(3)予備加熱(予熱)条件の制御、(4)延伸の際のフィルム表面温度の均温化などが挙げられる。
(1)延伸温度の制御
延伸温度を制御する場合、延伸温度が高くなり過ぎないように制御する。延伸温度が高すぎると、フィルム厚み分布値が大きくなり過ぎる場合がある。なお延伸温度が高すぎると、得られた熱収縮性フィルムを容器(ボトルなど)に高速装着する際にフィルムの腰の強さが不足する場合もある。
延伸温度は、例えば、ガラス転移温度(Tg)+40℃以下(好ましくはTg+15℃以下)に制御するのが望ましい。
なお厚み分布値との関連性は小さいが、前記延伸温度は、ガラス転移温度(Tg)−20℃以上(好ましくはTg−5℃以上)、Tg+40℃以下(好ましくはTg+15℃未満)とするのが望ましい。延伸温度が低すぎると、フィルムの熱収縮率が不足する場合があり、さらにはフィルムの透明性が低下する場合がある。
(2)延伸に伴う内部発熱の抑制
延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制すると、延伸方向(幅方向など)のフィルム温度斑を小さくでき、延伸後のフィルム(熱収縮性フィルム)の厚みの均一性を高めることができる。
前記内部発熱を抑制するためには、加熱条件を適宜制御して(例えば、熱風の供給速度を速くして)フィルムを加熱し易くするのが望ましい。加熱不足の部分があると延伸配向に伴う内部発熱が発生するのに対して、フィルムが十分に加熱されていると延伸時に分子鎖が滑りやすくなるため、内部発熱が発生しにくくなる。
前記加熱条件は熱伝達係数で示すと、例えば、熱伝達係数を0.0038J/cm2・sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・℃)以上、好ましくは0.0046〜0.0071J/cm2・sec・℃(0.0011〜0.0017カロリー/cm2・sec・℃)程度である。
(3)予備加熱(予熱)条件の制御
予備加熱条件を制御する場合、フィルムを徐々に加熱するように制御するのが望ましい。予備加熱工程でフィルムを徐々に加熱すると、フィルムの温度分布を略均一にできるため、延伸後のフィルム(熱収縮性フィルム)の厚みの均一性を高めることができる。
前記加熱条件は熱伝達係数で示すと、例えば、0.00544J/cm2・sec・℃(0.0013カロリー/cm2・sec・℃)以下程度である。また予備加熱では、フィルム表面温度がTg+0℃〜Tg+60℃の範囲内の温度になるまで加熱するのが好ましく、熱風の温度はTg+10℃〜Tg+90℃程度であるのが好ましい。
前記熱伝達係数を達成する方法としては、例えば、熱風の供給速度を遅くする方法などが挙げられる。
(4)延伸の際のフィルム表面温度の均温化
フィルムを延伸するに際してフィルムの表面温度の変動幅を小さくする(均温化する)と、フィルム全長に亘って同一温度で延伸や熱処理することができ、厚み分布値や熱収縮挙動を均一化することができる。
前記表面温度の変動幅は、任意のポイントにおいてフィルムの表面温度を測定したときの各ポイントの温度が、例えば、フィルムの平均温度±1℃以内程度であることが好ましく、平均温度±0.5℃以内であることがさらに好ましい。
フィルムを延伸する際には、延伸前の予備加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、再延伸処理工程などの種々の工程を経てフィルムを延伸するためこれらの工程の一部又は全部で、フィルムの表面温度の変動幅を小さくできる(均質化する)設備を用いるのが好ましい。特に、フィルム全長に亘って厚み分布値を均一化するためには、予備加熱工程及び延伸工程において(さらに、必要に応じて延伸後の熱処理工程において)、フィルムの表面温度の変動幅を小さくできる設備を用いるのが好ましい。なお熱収縮率挙動を均一化する場合には、延伸工程において、フィルムの表面温度の変動幅を小さくできる設備を用いるのが好ましい。
前記フィルム表面温度の変動を小さくできる設備としては、例えば、フィルムを加熱するための熱風の供給速度を制御するための風速制御手段(インバーターなど)を備えた設備、空気を安定的に加熱して前記熱風を調製するための加熱手段[500kPa以下(5kgf/cm2以下)の低圧蒸気を熱源とする加熱手段など]を備えた設備などが挙げられる。
[フィルムの流れ方向の厚み分布値]
前記最大収縮方向は、フィルムの延伸方向(主延伸方向)と略一致しており、この延伸方向(主延伸方向)は上述したようにフィルムの縦方向(流れ方向)であってもよく、幅方向であってもよい。従って前記最大収縮方向の厚み分布値とは、フィルムの流れ方向の厚み分布値を意味する場合もあり、フィルムの幅方向の厚み分布値を意味する場合もある。
前記最大収縮方向の厚み分布値がフィルムの幅方向の厚み分布値を意味する場合、この最大収縮方向(幅方向)の厚み分布値とは別に、フィルムの流れ方向の厚み分布値を規定できる。この場合の厚み分布値は、以下の通りであるのが望ましい。
フィルムの流れ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムの巻き終り側の端部を始端、巻き始め側の端部を終端としたとき、前記始端の内側2m以内のところに1箇所目の試料切り出し部を設け、前記終端の内側2m以内のところに最終の切り出し部を設け、1箇所目の切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、各切り出し部からフィルムの流れ方向の長さ=50m、幅=5cmの試料を切り出し、各箇所の試料についてフィルムの流れ方向の厚みの変位を測定したとき、各箇所の試料において前記式で表される厚み分布値が10%以下、好ましくは9%以下、さらに好ましくは8%以下である。
流れ方向の厚み分布値を小さくすると、フィルムを印刷加工する場合に、及びセンタシールなどによって溶剤接着加工する際に、フィルムにシワが入るのを防止できる。またフィルムに印刷を施した後、容器に装着可能な形態に加工する際に、フィルムの張力変動を防止でき、印刷の抜けや破断トラブルを防止できる。
各箇所の流れ方向の厚み分布値を均一化する方法としては、前述の各箇所の最大収縮方向の厚み分布値を均一化する場合と同様の方法、すなわち溶融比抵抗値を下げる方法、特定の電極の使用する方法、フィルム製造中のポリエステル原料を均質化する方法(原料偏析を低減する方法)、製膜工程を安定化する方法、フィルムの延伸工程を安定化する方法などが挙げられる。
[熱収縮率変動]
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、フィルムの流れ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムの巻き終り側の端部を始端、巻き始め側の端部を終端としたとき、前記始端の内側2m以内のところに1箇所目の試料切り出し部を設け、前記終端の内側2m以内のところに最終の切り出し部を設け、1箇所目の切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設け、該切り出し部から10cm×10cmの正方形状に切り取った各試料について、85℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率を測定してその平均値を求めたときに(平均熱収縮率)、各試料の熱収縮率の測定値が、前記平均値(平均熱収縮率)の±3%以内(好ましくは±2%以内)の範囲であるのが望ましい。
すなわち、上記切り出し部から切り出した各試料の熱収縮率Yn(%)と全試料の平均熱収縮率X(%)との差の絶対値(|X−Yn|)が3(%)以下[好ましくは2(%)以下]であるのが好ましい。換言すれば、Ynの最大値YmaxとXとの差と、最小値YminとXとの差のいずれもが±3%以内(又は±2%以内)であれば、前記要件を満足する。
上記のように1本の熱収縮性フィルムロールにおける熱収縮率の変動を小さくすると、1個、1個の容器装着体(ラベル、袋など)の熱収縮変動を小さくできるため、被覆収縮させる工程での不良が低減し、製品の不良率を激減させることができる。
各試料間における熱収縮率の変動を小さくする方法としては、前述の各試料間における最大収縮方向の厚み分布値の変動を小さくする場合と同様の方法、すなわち溶融比抵抗値を下げる方法、特定の電極の使用する方法、フィルム製造中のポリエステル原料を均質化する方法(原料偏析を低減する方法)、製膜工程を安定化する方法、フィルムの延伸工程を安定化する方法などが挙げられる。
[極限粘度]
本発明で製造されるフィルムロールは、極限粘度が0.66dl/g以上であるのが望ましい。熱収縮フィルムの極限粘度が小さ過ぎると、フィルムを構成するポリエステルの分子量が低くなるために、熱収縮する際の収縮応力の持続性が低下し、収縮白化や収縮斑等の欠点が発生しやすくなり、収縮仕上がり性や、外観性に劣るものになる。また、ポリエステルの分子量が低下すると、フィルムの機械的強度や耐破れ性を低下させる。
前記極限粘度は、好ましくは0.67dl/g以上、さらに好ましくは0.68dl/g以上である。なお、前記極限粘度は、通常、1.30dl/g程度である。
フィルムの極限粘度を高める方法としては、例えば、(1)フィルムの原料であるポリエステルに高分子量のポリエステルを使用する方法(例えば、極限粘度が0.7dl/g以上、好ましくは0.76dl/g以上、さらに好ましくは0.80dl/g以上のポリエステルを使用する方法)、(2)ポリエステルを押出し加工してフィルム化する際の熱分解や加水分解を抑制する方法(例えば、原料ポリエステルを予備乾燥して水分率を100ppm以下、好ましくは50ppm以下程度にしてから押出し加工する方法)、(3)前記ポリエステルとして耐加水分解性のポリエステルを使用する方法(例えば、酸価が25eq/ton以下のポリエステルを使用する方法)、(4)ポリエステルに酸化防止剤を含有(例えば、0.01〜1質量%程度含有)させる方法などが挙げられる。
[熱収縮応力値]
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、最大収縮方向の熱収縮応力値(最大熱収縮応力値)が高い程好ましい。熱収縮応力値が高いと、容器を被覆した後でフィルム(ラベルなど)の緩みを防止でき、フィルムの機械的強度不足による耐破れ性の悪化を防止できる。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの最大熱収縮応力値は、90℃の熱空気中、試験片幅20mm、チャック間距離100mmの条件で熱収縮試験を行ったとき、通常、3MPa以上、好ましくは3.5MPa以上、さらに好ましくは4MPa以上である。
なお前記最大熱収縮応力値は、以下のようにして測定する。
(1)熱収縮性フィルムロールから、最大収縮方向の長さが200mm、幅20mmの試験片を切り出す
(2)熱風式加熱炉を備えた引張試験機(例えば、東洋精機製「テンシロン」)の加熱炉内において、奥、左、及び右の三方向からそれぞれ熱風(風速=5m/秒)を供給し、加熱炉を90℃に加熱する
(3)送風を止め、加熱炉内に試験片をセットする。チャック間距離は100mm(一定)とする
(4)加熱炉の扉を速やかに閉めて、前記(2)と同様の送風を再開し、熱収縮応力を検出・測定する
(5)チャートから最大値を読み取り、これを最大熱収縮応力値(MPa)とする
最大熱収縮応力値を前記所定の範囲に制御する場合、ポリエステル系フィルムの組成を調整するのが有効である。例えば、多価アルコール成分として、前記[熱収縮率]の欄に記載の好ましい第2のアルコール成分、すなわち環状アルコール成分(1,4−シクロヘキサンジメタノール成分)、炭素数が3〜6程度のジオール成分(プロパンジオール成分、ブタンジオール成分、ヘキサンジオール成分など)などをフィルムに含有させればよい。これら好ましい第2のアルコール成分の割合は、前記[熱収縮率]の欄に記載の通りであってもよい。
本発明で使用するポリエステルは、溶融重合法、その他の重合法などによって得ることができる。溶融重合法としては、例えば、ジカルボン酸とグリコール類との直接反応から得られるオリゴマーを重縮合する方法(直接重合法)、ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコールとをエステル交換反応させたのちに重縮合する方法(エステル交換法)、その他の任意の製造法を適用できる。ポリエステルの重合度は、極限粘度にして0.5〜1.3dl/g程度のものが好ましい。
重合触媒としては、慣用の種々の触媒が使用でき、例えば、チタン系触媒、アンチモン系触媒、ゲルマニウム系触媒、スズ系触媒、コバルト系触媒、マンガン系触媒など、好ましくはチタン系触媒(チタニウムテトラブトキシドなど)、アンチモン系触媒(三酸化アンチモンなど)、ゲルマニウム系触媒(二酸化ゲルマニウムなど)、コバルト系触媒(酢酸コバルトなど)などが挙げられる。
上述の溶融比抵抗値を下げるための化合物(アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、リン含有化合物など)の添加時期は特に限定されず、エステル化反応前、エステル化中、エステル化終了から重合工程開始までの間、重合中、及び重合後のいずれの段階であってもよい。好ましくはエステル化工程の後の任意の段階、さらに好ましくはエステル化終了から重合工程開始までの間である。エステル化工程の後にアルカリ土類金属化合物、リン含有化合物(及び必要に応じてアルカリ金属化合物)を添加すると、それ以前に添加する場合に比べて異物の生成量を低減できる。
また、必要に応じて、シリカ、二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子をフィルム原料に添加してもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤等を添加することもできる。
熱収縮性ポリエステル系フィルムは、慣用の方法に従って製造できる。特に熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、第2のアルコール成分を特定の範囲に調製する場合、調製方法としては、共重合ポリエステル(コポリエステル)を単独で使用する方法、複数のポリエステルをブレンドする方法[例えば、互いに異なる複数のホモポリエステルをブレンドする方式;ホモポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)と共重合ポリエステルとをブレンドする方法;互いに異なる複数の共重合ポリエステルをブレンドする方法など]が挙げられる。
共重合ポリエステルを単独で使用する方式では、特定組成の多価アルコール成分(第2のアルコール成分など)を含む共重合ポリエステルを用いればよい。一方、複数のポリエステルをブレンドする方式は、ブレンド比率を変更するだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種のフィルムの工業生産にも対応できるため、好ましく採用できる。
フィルムの製造方法としては、具体的には、原料ポリエステルチップを乾燥機(ホッパドライヤー、パドルドライヤー、真空乾燥機など)を用いて乾燥し、押出機を用いて200〜300℃の温度でフィルム状に押し出す方法が挙げられる。あるいは、未乾燥のポリエステル原料チップをベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィルム状に押し出す方法であってもよい。押出しに際してはTダイ法、チューブラ法など、既存の種々の方法が採用できる。押出し後は、キャスティングロールなどの冷却用ロールで急冷することによって、未延伸フィルムを得るのが望ましい。
熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば、ラベル用途に使用する場合、10〜200μm程度、好ましくは20〜100μm程度である。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、前記熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻取りコア(芯)に巻き取ることにより得られる。フィルムロールに巻き取るフィルムは、幅200mm以上、長さ300m以上であるのが好ましい。幅が200mm以上とするのは、フィルムロールの工業的な利用価値を高めるためである。また長さが300m以上とするのは、フィルムの巻長が長い程フィルムの全長に亘る厚み分布値が変動しやすくなるためであり、このような場合に、厚み分布値の変動を抑制する本発明を有効性を高めることができる。
ロールに巻回される熱収縮性フィルムの幅は、好ましくは300mm以上、さらに好ましくは400mm以上である。またロールに巻回される熱収縮性フィルムの長さは、好ましくは400m以上、さらに好ましくは500m以上である。
前記フィルムの幅の上限は特に制限されないが、取扱いのしやすさから、一般的には幅1500mm以下である。また前記フィルムの長さの上限も特に制限されないが、取り扱いのしやすさから、フィルム厚みに応じて上限を定めてもよく、例えばフィルム厚み45μmの場合、フィルム長さは6000m以下が好ましい。
巻取りコアとしては、通常、プラスチックコアや金属製コアを使用できる。これらコアの径は、例えば、2〜10インチ程度(例えば、3インチ、6インチ、8インチなど)である。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合は、本発明に含まれる。なお実施例及び比較例で使用するポリエステル、実施例及び比較例で得られたフィルムの組成及び物性の測定方法は、以下の通りである。
(1)組成
(i)ジカルボン酸成分、多価アルコール成分
試料(チップ又はフィルム)を、クロロホルムD(ユーリソップ社製)とトリフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調製し、NMR(「GEMINI−200」;Varian社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定条件で試料溶液のプロトンのNMRを測定した。NMR測定によるプロトンのピーク強度に基づいて、試料を構成するモノマーの構成比率を算出した。
(ii)金属成分
試料(チップ又はフィルム)に含まれるNa、Mg、及びPの含有量は、以下に示す方法に従って測定した。
[Na]
試料2gを白金ルツボに入れ、温度500〜800℃で灰化分解した後、塩酸(濃度:6mol/L)を5ml加えて蒸発乾固した。残渣を1.2mol/Lの塩酸10mlに溶解し、Na濃度を原子吸光分析装置[「AA−640−12」;(株)島津製作所製]を用いて測定(検量線法)した。
[Mg]
試料2gを白金ルツボに入れ、温度500〜800℃で灰化分解した後、塩酸(濃度:6mol/L)を5ml加えて蒸発乾固した。残渣を1.2mol/Lの塩酸10mlに溶解し、Mg濃度をICP発光分析装置[「ICPS−200」;(株)島津製作所製]を用いて測定(検量線法)した。
[P]
試料を用いて下記(A)〜(C)のいずれかの方法により、試料中のリン成分を正リン酸にした。この正リン酸と、モリブデン酸塩とを硫酸(濃度:1mol/L)中で反応させて、リンモリブデン酸とした後、硫酸ヒドラジンを加えて還元した。生じたヘテロポリ青の濃度を、吸光光度計[「UV−150−02」;(株)島津製作所製]を用いて830nmの吸光度を測定することによって求めた(検量線法)。
(A)試料と炭酸ソーダとを白金ルツボに入れ、乾式灰化分解する。
(B)硫酸・硝酸・過塩素酸系における湿式分解
(C)硫酸・過塩素酸系における湿式分解
(2)極限粘度
試料(フィルム又はチップ)0.1gを精秤し、25mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合溶媒に溶解した後、オストワルド粘度計で30±0.1℃で測定した。極限粘度[η]は、下式(Huggins式)によって求められる。
Figure 0004158775
ηsp :比粘度
0:オストワルド粘度計を用いた溶媒の落下時間
t:オスワルド粘度計を用いた試料溶液の落下時間
C:試料溶液の濃度。
尚、実際の測定では、Huggins式においてk=0.375とした下記近似式で極限粘度を算出した。
Figure 0004158775
ηr:相対粘度
(3)固形物(異物)残存量
試料(チップ又はフィルム)2gをフェノールとテトラクロロエタンの混合液[容量100ml;フェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)]に溶解した後、この溶液をテフロン(登録商標)製のメンブランフィルター(孔径0.1μm)でろ過することにより、固形物を採取し、下記基準に基づいて固形物残存量を評価した。
無:ろ過後のメンブランフルター上に残存する異物を目視で確認できない
微小:ろ過後のメンブランフィルター上に残存する異物を目視で確認したところ、異物が局部的に存在する
多:ろ過後のメンブランフィルター上に残存する遺物を目視で確認したところ、フィルター全面に異物が確認される
(4)溶融比抵抗値
温度275℃で溶融した試料(チップ又はフィルム)中に一対の電極板を挿入し、120Vの電圧を印加した。電流を測定し、下記式に基づいて溶融比抵抗値(Si;単位Ω・cm)を求めた。
Si(Ω・cm)=(A/I)×(V/io)
[式中、Aは電極の面積(cm2)を示し、Iは電極間距離(cm)を示し、Vは電圧(V)を示し、ioは電流(A)を示す]
(5)キャスト性
押出し機のTダイと、表面温度を30℃に制御したキャスティングロールとの間に、タングステンワイヤー製の電極を配設し、電極とキャスティングロール間に7〜10kVの電圧を印加した。前記Tダイから樹脂を温度280℃で溶融押出しした後、キャスティングロールで冷却することにより、厚さ180μmのフィルムを製造した(キャスティング速度=30m/分)。得られたフィルムの表面に発生したピンナーバブルを目視にて観察し、下記基準に従って評価した。
○:ピンナーバブルの発生なし
△:ピンナーバブルの発生が部分的に認められる
×:ピンナーバブルの発生大
(6)熱収縮率
本実験例及び比較例で得られたフィルムロールは、フィルムの巻き始めから巻き終りまでの全領域に亘って、製膜工程及び延伸工程が定常状態で運転されていた。従ってフィルム全体が定常領域に対応する。
そしてフィルムの巻き終わり部分(巻き終わりから0m)から1番目の試料を切り出し、1番目の切出し部分から約100m毎に2番目以降の試料を切り出し、フィルムの巻き始め部分(巻き始めから0m)から最終の試料を切り出した。各試料の形状は、10cm×10cmの正方形である。後述するようにフィルムの長さは1000mであるため、試料の数は全部で11箇である。
各試料を85℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に10秒浸漬した後、試料の縦および横方向の長さを測定し、下記式に従って求める。
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
後述する表2において、平均値(X)は測定した11試料の全ての熱収縮率の平均値を、最大値(Ymax)は11試料のうちの熱収縮率の最大値を、最小値(Ymin)は11試料のうち最小の熱収縮率をそれぞれ示し、平均値との差も示した。
(7)耐破れ性(破断率)
JIS K 7127に準じ、熱収縮前のフィルムの最大収縮方向と直交する方向についての引張試験を行う。試験片数は20とする。試験片長さ200mm、チャック間距離100mm、試験片幅15mm、温度23℃、引張速度200mm/分の条件で行う。伸度5%以下で破断した試験片数を数え、全試験片数(20個)に対する百分率を求め、破断率(%)とする。
(8)最大熱収縮応力値
加熱炉付引張試験機(東洋精機(株)製「テンシロン」)を用い、熱収縮性フィルムロールから、最大収縮方向の長さ200mm、幅20mmのサンプルを切り出し、予め90℃に加熱した加熱炉中の送風を止めて、サンプルの両端からそれぞれ50mmの位置でサンプルをチャックに取り付けてチャック間距離が100mmとなるようにし、その後速やかに加熱炉の扉を閉め、奥、左、及び右の三方向からの送風(風速=5m/秒)を再開し検出される収縮応力を測定し、チャートから求まる最大値を最大熱収縮応力値(MPa)とした。
(9)最大収縮方向の厚み分布値
フィルムロールから、フィルムの幅方向(下記実施例及び比較例では、最大収縮方向に相当)の長さが20cm、幅5cmの試料1を切り出した。
なお、上記試料1の切り出しに際しては、フィルムの巻き終わり部分(巻き終わりから0m)から1箇所目の試料を切り出し、1箇所目の切出し部分から約100m毎に2箇所目以降の試料を切り出し、フィルムの巻き始め部分(巻き始めから0m)から最終箇所の試料を切り出す。後述するようにフィルムの長さは1000mであるため、試料1の切り出し箇所の数は全部で11箇所であり、各切り出し箇所について、それぞれ10枚の試料1を切り出した。
各箇所の試料について接触式厚み計[「KG60/A」;アンリツ(株)製]を用いて試料の長手方向(すなわち最大収縮方向)に厚みを測定し、下記式に基づいて厚み分布値を求め、その平均値をその箇所の厚み分布値とした。
厚み分布=(最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100
(10)流れ方向の厚み分布値
試料1に代えて、フィルムロールから、フィルムの流れ方向の長さが20cm、幅5cmの試料2を切り出す以外は、前記最大収縮方向の厚み分布値の測定と同様にした。
(11)印刷加工性
熱収縮フィルムロールからフィルムを引き出し、東洋インキ社製の草色インキをベタ印刷した後、格子模様(1cm角格子)のグラビア版を使い、金色、白色の順で印刷した。フィルム1000mを印刷するに当たって発生したシワの発生箇所を計数し、下記基準に従って評価した。
○:シワの発生箇所が2箇所以内(印刷加工性良)
△:シワの発生箇所が3〜6箇所
×:シワの発生箇所が7箇所以上
(12)収縮仕上がり性
フィルムロールからフィルムを引き出し、このフィルムを溶剤によって接着してチューブを製造した。なお溶剤接着できなかったものについては、ヒートシールを行ってチューブを製造した。このチューブを裁断して熱収縮性ポリエステル系フィルムラベルを作成した。なお同一のフィルムロールからチューブ状ラベルを作成した。
次いで、容量300mlのガラス瓶にラベルを装着した後、160℃(風速10m/秒)の熱風式熱収縮トンネルの中を13秒間通過させて、ラベルを収縮させた。収縮白化と収縮斑の程度を目視で判断し、収縮仕上がり性を5段階で評価した。基準は、5:仕上がり性最良、4:仕上がり性良、3:収縮白化または収縮斑少し有り(2ヶ所以内)、2:収縮白化または収縮斑有り(3〜5ヶ所)、1:収縮白化または収縮斑多い(6ヶ所以上)として、4以上を合格レベル、3以下のものを不良とした。
同一のフィルムロールから得られた全てのラベルについて前記収縮仕上がり性を評価し、合格レベルのチューブ状ラベルの数と、不良レベルのチューブ状ラベルの数を計数し、下記式に基づいて収縮仕上がり性を評価した。
収縮仕上がり性=(不良レベルのチューブ状ラベルの数)÷(全チューブ状ラベルの数)×100 (%)
合成例1(ポリエステルの合成)
エステル化反応缶に、57036質量部のテレフタル酸(TPA)、35801質量部のエチレングリコール(EG)、及び15843質量部の1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を仕込み、0.25MPaに調圧し、温度220〜240℃で120分間攪拌することによりエステル化反応を行った。反応缶を常圧に復圧し、6.34質量部の酢酸コバルト・4水塩(重合触媒)、8質量部のチタニウムテトラブトキシド(重合触媒)、及び132.39質量部の酢酸マグネシウム・4水塩(アルカリ土類金属化合物)、5.35質量部の酢酸ナトリウム(アルカリ金属化合物)、及び61.5質量部のトリメチルホスフェート(リン化合物)を加え、温度240℃で10分攪拌した後、75分間かけて圧力0.5hPaまで減圧すると共に、温度280℃まで昇温した。温度280℃で溶融粘度が7000ポイズになるまで攪拌を継続(約40分間)した後、ストランド状で水中へ吐出した。吐出物をストランドカッターで切断することにより、ポリエステルチップAを得た。
合成例2〜6
合成例1と同様な方法により、表1に示すポリエステルチップB〜Fを得た。
各ポリエステルチップの組成及び物性を表1に示す。
Figure 0004158775
なお表中、無機成分(Na、Mg、P、Ti、Co、Sb)の含有量は、各原子の濃度(単位:ppm;質量基準)で示す。また各無機成分の由来は下記の通りである。
Na:主に酢酸ナトリウムに由来する
Mg:主に酢酸マグネシウム・4水塩に由来する
P:主にトリメチルホスフェートに由来する
Ti:主にチタニウムテトラブトキシドに由来する
Co:主に酢酸コバルト・4水塩に由来する
Sb:主に三酸化アンチモンに由来する
さらに表中、略記号の意味は以下の通りである。
TPA:テレフタル酸
EG:エチレングリコール
CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
BD:1,4−ブタンジオール
DEG:ジエチレングリコール
実施例1
上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥した。チップA、チップD、及びチップEを押出機直上のホッパーに定量スクリューフィーダーを用いて連続的に別々に供給しながら、このホッパー内で混合した(チップA:52質量%、チップD:38質量%、チップE:10質量%)。この混合チップを押出機を用いて温度280℃で溶融押出しし、表面温度を30℃±1℃に制御したキャスティングロール(クロムメッキロール)で急冷して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。
なお前記押出しの際には、押出された未固化のフィルムと対面するようにタングステン製ワイヤー(直径0.25mm)を配設し、このワイヤーからフィルムに電気を与え(印加電圧9.5kV、電流値4mmA)、フィルムをキャスティングロールに静電気的に密着させた。また前記ワイヤーは、速度1.8m/hrの速度で片側から連続的に供給し、他方の側で巻き取った。
また前記で使用したホッパは、チップが150kg入る容量を有しており、押出機の吐出量は1時間当たり450kgである。また、ホッパー側壁の傾斜角は70°である。
この未延伸フィルムを1000m以上に亘って連続的に延伸した。延伸では、91℃で10秒間予熱した後、テンターを用いて温度72℃で横方向に4.0倍延伸し、続いて温度79℃で10秒間熱処理を行うことにより、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。熱収縮性フィルムを1000m連続製造したときのフィルム表面温度の変動幅は、予熱工程で平均温度±0.8℃、延伸工程で平均温度±0.6℃、熱処理工程で平均温度±0.5℃の範囲内であった。得られたフィルムを幅400mm、長さ1000mにスリットして、3インチの紙管に巻き取り、熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールの組成と物性値を表2に示す。
実施例2
混合チップとして、チップA(71質量%)、チップD(4質量%)、チップE(25質量%)からなるチップを用い、未延伸フィルムを温度78℃で10秒間予熱した後、テンターを用いて温度73℃で横方向に4.0倍延伸し、続いて温度80℃で10秒間熱処理を行う以外は、実施例1と同様にして熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールの組成と物性値を表2に示す。
比較例1
混合チップとして、チップB(71質量%)、チップD(4質量%)、チップE(25質量%)からなるチップを用いる以外は、実施例2と同様にして熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールの組成と物性値を表2に示す。
比較例2
混合チップとして、チップC(71質量%)、チップD(4質量%)、チップE(25質量%)からなるチップを用いる以外は、実施例2と同様にして熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールの組成と物性値を表2に示す。
実施例3
混合チップとして、チップA(10質量%)、チップD(64質量%)、チップE(26質量%)からなるチップを用い、未延伸フィルムを温度78℃で10秒間予熱した後、テンターを用いて温度73℃で横方向に4.0倍延伸し、続いて温度80℃で10秒間熱処理を行う以外は、実施例2と同様にして熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールの組成と物性値を表2に示す。
比較例3
上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥した。チップF、チップD、及びチップEを押出機直上のホッパーに定量スクリューフィーダーを用いて連続的に別々に供給しながら、このホッパー内で混合した(チップF:71質量%、チップD:4質量%、チップE:25質量%)。この混合チップを押出機を用いて温度280℃で溶融押出しし、キャスティングロールで急冷して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。なお前記で使用したホッパは、チップが400kg入る容量を有しており、押出機の吐出量は1時間当たり450kgである。また、ホッパー側壁の傾斜角は60°である。
この未延伸フィルムを1000m以上に亘って連続的に延伸した。延伸では、78℃で10秒間予熱した後、テンターを用いて温度73℃で横方向に4.0倍延伸し、続いて温度80℃で10秒間熱処理を行うことにより、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを得た。熱収縮性フィルムを1000m連続製造したときのフィルム表面温度の変動幅は、予熱工程で平均温度±1.0℃、延伸工程で平均温度±2.5℃、熱処理工程で平均温度±2.0℃の範囲内であった。得られたフィルムを幅400mm、長さ1000mにスリットして、3インチの紙管に巻き取り、熱収縮性フィルムロールを得た。得られたフィルムロールの組成と物性値を表2に示す。
Figure 0004158775

Claims (2)

  1. 組成の異なる複数の原料ポリエステルチップを混合して溶融押し出しし、ロールで冷却した後、直接又は一旦ロールに巻き取った後で再び引き出してから延伸処理する熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法であって、
    (a)使用量のもっとも多いポリエステルチップと他のポリエステルチップの形状を、横断面が楕円形となる楕円柱状とし、この他のポリエステルチップとしては、横断面楕円の平均長さ(mm)及び平均短径(mm)、並びに平均チップ長さ(mm)が、使用量のもっとも多いポリエステルチップのそれらに対して、それぞれ±20%以内の範囲になるものを使用すること、
    (b1)押出機直前又は直上の最終ホッパとして側壁の傾斜角度が65°以上であり、かつ(b2)押出機の1時間当たりの吐出量の15〜120質量%の範囲の容量を有する漏斗状ホッパを使用すると共に、この最終ホッパから前記原料チップを押出機に供給すること、
    (c)押出機から溶融押し出ししたフィルムを導電性冷却ロールで冷却するに際して、押出機とキャスティングロールの間に電極を配設し、電極とキャスティングロールとの間に電圧を印加し、静電気的にフィルムをロールに密着させること、
    (d)前記延伸処理の予備加熱工程、延伸工程、及び延伸後の熱処理工程において、フィルム表面の温度の変動幅を、任意のポイントで測定し、平均温度±1℃以内にすること、及び
    (e)延伸温度をガラス転移温度+40℃以下にすることを特徴とし、
    得られる熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、
    (1)10cm×10cmの正方形状に切り出した試料を85℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、直ちに25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、
    (2)温度275℃における溶融比抵抗値が0.70×108Ω・cm以下であり、
    (3)フィルムの流れ方向にフィルム物性が安定している定常領域においてフィルムの巻き終り側の端部を始端、巻き始め側の端部を終端とし、前記始端の内側2m以内のところに1箇所目の試料切り出し部を設け、前記終端の内側2m以内のところに最終の切り出し部を設け、1箇所目の切り出し部から100m±1m毎に試料切り出し部を設け、切り出された試料の形状をフィルムの最大収縮方向の長さが20cm、幅が5cmとなる長方形状とし、各箇所の試料について前記最大収縮方向の厚みの変位を測定したとき、各箇所の試料において下記式で表される厚み分布値が7%以下であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法。
    厚み分布値=(最大厚み−最小厚み)/平均厚み×100
  2. 前記電極は、汚染面の退避手段と非汚染面の供給手段とを備えるものである請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法。
JP2005062252A 2001-08-01 2005-03-07 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法 Expired - Lifetime JP4158775B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005062252A JP4158775B2 (ja) 2001-08-01 2005-03-07 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001233971 2001-08-01
JP2005062252A JP4158775B2 (ja) 2001-08-01 2005-03-07 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001300424A Division JP3678186B2 (ja) 2001-08-01 2001-09-28 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005178396A JP2005178396A (ja) 2005-07-07
JP4158775B2 true JP4158775B2 (ja) 2008-10-01

Family

ID=34797032

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005062252A Expired - Lifetime JP4158775B2 (ja) 2001-08-01 2005-03-07 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4158775B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008195061A (ja) * 2007-01-17 2008-08-28 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ポリエステル系熱収縮性フィルムロール
JP5092450B2 (ja) * 2007-02-27 2012-12-05 東洋紡株式会社 熱収縮性ポリエステル系フィルム、およびその製造方法
US20090045544A1 (en) * 2007-08-14 2009-02-19 General Electric Company Method for manufacturing ultra-thin polymeric films
EP2263939B1 (en) * 2008-03-13 2016-07-13 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method of filling a particulate water-absorbing agent composed principally of a water-absorbing resin
JP6651398B2 (ja) * 2016-03-31 2020-02-19 株式会社カネカ 光学フィルムの製造方法及び製造装置
JP7243151B2 (ja) * 2018-11-30 2023-03-22 三菱ケミカル株式会社 ポリエステルフィルムの製造方法
CN115943033A (zh) * 2020-07-09 2023-04-07 东洋纺株式会社 热收缩性聚酯系薄膜卷

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005178396A (ja) 2005-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3678186B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール
JP3692976B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
EP1698461B1 (en) Heat shrinkable polyester film and heat shrinkable label
JP4158775B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法
EP1500489B1 (en) Heat-shrinkable polyester film and label
JP3678229B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール
JP3678221B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール及びラベルの製造方法
JP2007083734A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびポリエステル系樹脂の製造方法
JP4272369B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP3678226B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール
JP3678220B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール
JP3599010B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム及びその製造方法
JP3692979B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP4577009B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP4911871B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法
JP4599839B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP2005126492A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法
JP2005097490A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよび熱収縮性ラベル
JP3685100B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2005126526A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム、熱収縮性ラベルおよび熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法。
JP2003041023A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2003041024A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびキャップシール用チューブ状ラベル
JP2006249193A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造方法
JP2006199908A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2003041026A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびポリエステル系樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080401

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080624

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080707

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4158775

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725

Year of fee payment: 5