JP3678229B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻き取ってなるフィルムロールに関し、さらに詳しくは熱収縮性フィルムロール内での熱収縮率の変動により発生する後加工の工程での収縮不足、収縮斑、シワ、歪み、タテヒケ等の不良の発生が極めて少ない熱収縮性ポリエステル系フィルムロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱収縮性フィルムは加熱により収縮する性質を利用して、収縮包装、収縮ラベル等の用途に広く用いられている。なかでも、塩化ビニル系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタレート(PET)容器、ポリエチレン容器、ガラス容器等の各種容器において、ラベルやキャップシールあるいは集積包装の目的で使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの熱収縮性フィルムは、製造後、一旦ロール状に巻き取られ、このフィルムロールの形態で、各種図柄の印刷工程へ送られ、印刷終了後は、必要に応じて、最終製品に用いられるラベル等のサイズに合わせてスリット加工され、さらに溶剤接着等の手段によりフィルムの左右端部を重ね合わせてシールしてチューブ状体にされ、チューブ状体のものを裁断して、ラベル、袋等の形態に加工される。そして、ラベルや袋状のものを容器に装着し、スチームを吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(スチームトンネル)や、熱風を吹きつけて熱収縮させるタイプの収縮トンネル(熱風トンネル)の内部を、ベルトコンベアー等にのせて通過させ、熱収縮させて容器に密着させている。
【0004】
ところで、この熱収縮工程において、前記のラベルや袋等の単位において1個1個の熱収縮率の変動が大きいと、トンネル内の加熱条件は同じなため、適正な熱収縮率を示さないラベルや袋等が発生することとなり、これらは収縮不足、収縮斑、シワ、図柄の歪み、タテヒケ等による外観不良を起すため、最終製品とすることができなくなる。ここで、タテヒケとは、収縮後のラベルの長さが不揃いになることで、ラベルの上端縁が下向きに湾曲するラインを描いたり、下端縁が上向きに湾曲ラインを描いたりする外観不良をいう。
【0005】
通常は1本のフィルムロールから同一の最終製品用ラベル・袋等を加工するので、1本のフィルムロールに巻かれたフィルムの熱収縮率の変動量が大きい場合には、このような熱収縮工程での不良率が増大する問題があった。これらの不良は、前述の塩化ビニル系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等いずれの素材の熱収縮性フィルムロールを用いても発生する熱収縮性フィルムロールに共通の問題であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−138388号公報(段落0001〜0005)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のようなフィルムロール内での熱収縮率の変動に起因する熱収縮工程での不良、特に約90〜95℃程度の高い温度で熱収縮させて被包装物を収縮包装したときのタテヒケのばらつきを低減でき、しかも収縮包装された被包装物の生産性を高め得た熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻取ってなるフィルムロールであって、この熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムの巻き終わり側の端部を第1端部、巻き始め側の端部を第2端部としたとき、前記第2端部の内側2m以内のところに1番目の試料切り出し部を、また、前記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けたとき、下記要件(1)および(2)を満足する点に要旨を有している。
【0009】
(1)前記各切り出し部から切り出された10cm×10cmの正方形状の試料について、それぞれ95℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、かつ、最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率が7%以下である
(2)前記各試料切り出し部から切り出された10cm×10cmの正方形状の各試料について、上記(1)に記載の方法により最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率を測定し、これらの直交方向熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに、全ての試料の直交方向熱収縮率が、上記平均熱収縮率の±1.5%以内の範囲である
上記の特性を有する熱収縮性フィルムロールは、フィルムの定常領域全長に亘って優れた収縮仕上がり性を有し、熱収縮工程において、個々のラベルや袋等の最大収縮方向に対する直交方向の熱収縮率の変動が少ないため、この方向での収縮斑を低減できる。特に温度90〜95℃程度で熱収縮させたときでもタテヒケのばらつきを低減できる。
【0010】
さらに、上記切り出された各試料について上記方法により測定された最大収縮方向の熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに、全ての試料の最大収縮方向熱収縮率が、前記最大収縮方向の平均熱収縮率の±5%以内の範囲であれば、一層優れた収縮仕上がり性を得ることができる。
【0011】
熱収縮性ポリエステル系フィルムが、2種以上の組成の異なるポリマーの混合物から形成されているものであることが好ましい。このような場合に、フィルムの熱収縮特性の変動が起こり易く、本発明を適用する意義があるからである。さらに、熱収縮性ポリエステル系フィルムが、幅0.2m以上、長さ300m以上である場合も、本発明を適用しないとフィルムの熱収縮特性の変動が起こり易く、本発明を適用する意義があり、また、上記幅および長さを有するフィルムは、前述の印刷から最終製品までの加工工程における加工適性およびハンドリング性において優れているため、本発明の好ましい実施態様である。
【0012】
上記本発明の熱収縮性の変動の小さい熱収縮性フィルムロールを得るための好ましい製造方法は、使用量の最も多いポリマーと、このポリマーとは組成の異なる他のポリマー1種以上を混合して溶融押出ししながら製膜するフィルム化工程と、このフィルム化工程で得られる未延伸フィルムを互いに略直交する方向に異なる延伸倍率で2軸延伸する熱収縮性付与工程と、得られる熱収縮性フィルムを巻き取るロール化工程とで構成されており、
使用される各ポリマーの原料チップの形状を、長径および短径を有する楕円断面を有する楕円柱状とし、使用量の最も多いポリマー以外のポリマーの原料チップを、使用量の最も多いポリマーの原料チップの平均長径(mm)、平均短径(mm)および平均チップ長さ(mm)に対し、それぞれ±20%以内の範囲に含まれる平均長径(mm)、平均短径(mm)および平均チップ長さ(mm)のものとし、
さらに延伸倍率の小さい方向に延伸(サブ延伸)するときの延伸温度を“ポリエステルフィルムのガラス転移温度+50℃”以上に設定するところに要旨を有する。
【0013】
また、原料チップ供給部として漏斗状ホッパを備えた押出機を用いてフィルムを溶融押出する工程を含む熱収縮性フィルムロールの製造方法であって、前記ホッパの傾斜角を65゜以上にすることも好ましい。
【0014】
さらに、前記サブ延伸の延伸速度を20〜1,000倍/分の範囲に設定すること、サブ延伸に先立つ予備加熱工程における予備加熱温度をサブ延伸温度よりも10〜80℃低い温度に設定することなども好ましい実施態様である。また延伸倍率の大きい方向に延伸(主延伸)に先立つ予備加熱工程、主延伸工程および熱処理工程における任意ポイントで測定されるフィルムの表面温度の変動幅を、フィルム全長に亘って平均温度±1℃の範囲内とすることも好ましい実施態様である。なお前記延伸速度は、下記式によって定義されるものである。
【0015】
延伸速度=L1/T1
[式中、L1は延伸倍率を、T1は左記延伸倍率を与えるのに要した時間(分)を示す]
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明者等は、タテヒケのばらつきについて検討した結果、このばらつきは、主としてポリマーブレンドからポリエステル系フィルムロールを製造するような場合に発生し易いことを見出した。すなわち、長尺フィルムにおいてブレンドポリマーの組成変動が発生し、これがタテヒケの変動の一要因になっていると考えられた。そして、本発明に係る熱収縮性ポリエステル系フィルムロールであれば、タテヒケの変動が小さいため、上記の不具合を起し難いことを見出したのである。しかも本発明に係る熱収縮性ポリエステル系フィルムロールであれば、約90〜95℃程度の高い温度で熱収縮させても、タテヒケの変動を小さくできる。従って熱収縮温度を高温に設定でき、熱収縮時間を短時間にできるため、ラベリング工程の生産性が高まることを見出したのである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】
本発明の対象となるのは、ポリエステル系の熱収縮性フィルムロールである。低温から高温までの幅広い温度域において良好な熱収縮特性を示し、収縮斑、シワ、歪みの少ない優れた収縮仕上がり外観を得られるためである。また、美麗な光沢感や透明性にも優れている。
【0018】
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールに巻回されている熱収縮性ポリエステル系フィルムは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部とし、上記第2端部の内側2m以内のところに1番目の試料切り出し部を、また上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けたとき、この定常領域から得られる各試料につき、下記要件(1)及び(2)を満足するものでなければならない。
【0019】
(1)前記各試料切り出し部から切り出された10cm×10cmの正方形状の各試料について、それぞれ95℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたとき、全ての試料について最大収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、かつ最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率が7%以下である
(2)前記各試料切り出し部からの切り出された10cm×10cmの正方形状の各試料について、上記(1)に記載の方法により最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率を測定し、これらの直交方向熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに、全ての試料の直交方向熱収縮率が、上記平均熱収縮率の±1.5%以内の範囲である
まず、上記試料切り出し部を特定する「フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域」の意味について説明する。「フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域」とは、フィルム製造時に製膜工程や延伸工程が安定して行われてフィルム物性がほぼ均一となる領域である。本発明では、製膜工程や延伸工程が安定した定常状態で運転されているときに得られた長尺フィルムにおいて、最大収縮方向と直交する方向の熱収縮率を高度に均一化することを技術思想としている。実操業上は、フィルム製造中に、フィルム物性が原料供給方法や製膜条件によって変動することがあるが、本発明では、製膜工程や延伸工程が不安定なときに得られたフィルムにまで均一化を要求するものではない。このため、均一化を要求する特性を評価するときのサンプリングは、製膜工程や延伸工程が安定した定常状態で運転されている領域、すなわち「定常領域」においてのみ行うことを前提とした。
【0020】
従って、例えば、巻き始めから10m程度が、定常運転されていない時のフィルムであれば、この部分からはサンプリングせず、巻き始めから10mを前記フィルムの第1端部としてサンプリングする。
【0021】
前記定常領域(定常運転領域)の数は、通常、一本のフィルムロール当たり1カ所(フィルムロール全体に亘って1カ所)である。ただし製造状況によっては複数箇所に存在するような場合もあり得るので、この場合は、定常領域のみからサンプリングする。前記定常領域は、例えば、フィルムの最大収縮方向の最大熱収縮応力値を測定することによって評価できる。すなわち、最大熱収縮応力値が3MPa程度以内の幅(複数のサンプルの最大熱収縮応力値の最大値と最小値との差が3MPa程度以内)となっているところを定常領域であると見ればよい。
【0022】
ここで、最大熱収縮応力値は次のように測定する。
(1)最大収縮方向の長さが200mm、幅20mmの試料を用意する
(2)熱風式加熱炉を備えた引張試験機(例えば、東洋精機製「テンシロン」)の加熱炉内を90℃に加熱する
(3)送風を止め、加熱炉内に試料をセットする。チャック間距離は100mm(一定)とする
(4)加熱炉の扉を速やかに閉めて、加熱炉の奥および左右の吹き出し口から送風(90℃、吹き出し速度5m/s)を再開し、熱収縮応力を検出・測定する。
(5)チャートから最大値を読み取り、これを最大熱収縮応力値(MPa)とする
続いて、サンプリングの方法を説明する。1本のロールに巻かれていたフィルムについて、上記定常領域におけるフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部としたとき、上記第1端部からその内側2m以内に1番目の試料切り出し部を、また上記第1端部からその内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m枚に試料切り出し部を設けることにより、フィルムの定常領域の全長に亘って略等間隔に試料を選択する。なお、「約100m毎」というのは、100m±1m程度のところで試料を切り出しても構わないという意味である。
【0023】
上記サンプリング方法をより詳細に説明する。例えば、フィルム物性がフィルム全長に亘って安定している長さ498mの熱収縮性フィルムがロールに巻回されている場合、フィルムの巻き終わりから2m以内までの間で、最初の試料▲1▼(10cm×10cm)切り取る。なお、正方形の切り取り方向は、便宜上、フィルムの長手方向に沿う辺と、長手方向と直交する方向に沿う辺を有するように切り取る(斜めには切り取らない)こととする。続いて、切り取った部分から約100m離れたところで、2番目の試料▲2▼を切り取る。同様にして、約200m目で3番目の試料▲3▼を、約300m目で4番目の試料▲4▼を、約400m目で5番目の試料▲5▼を切り取る。ここで、残りは100mよりも短くなるため、6番目(最終)の試料▲6▼はフィルムの巻き始めから2m以内のいずれかの部分を切り取る。
【0024】
本発明の前記要件(1)は、このようにして切り取った全ての試料の最大収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率が7%以下であるというものである。フィルムの最大収縮方向の熱収縮率が20%未満であると、フィルムの熱収縮力が不足して、容器等に被覆収縮させたときに、容器に密着せず、外観不良が発生するため好ましくない。より好ましい最大収縮方向の熱収縮率は40%以上、さらに好ましくは60%以上である。直交方向熱収縮率が7%を超えると、後述のようにして直交方向熱収縮率の変動を抑制しても、タテヒケによる外観不良が発生し易くなる。より好ましい直交方向熱収縮率は6%以下、さらに好ましくは5%以下である。
【0025】
ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試料の最も多く収縮した方向での熱収縮率の意味であり、最大収縮方向および直交方向は、正方形の縦方向または横方向の長さで決められる。また、熱収縮率(%)は、10cm×10cmの試料を、95℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸漬した後の、フィルムの縦および横方向の長さを測定し、下記式に従って求めた値である。
【0026】
熱収縮率=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
なお定常領域以外の部分においても、フィルムの製造工程が極端に不安定にならない限り、前記要件(1)で規定する最大収縮方向及び直交方向の熱収縮率の範囲を満足している。このような状況において要件(1)で定常領域における最大収縮方向及び直交方向の熱収縮率を設定したのは、本発明は定常領域において後述する直交方向の熱収縮率の変動を抑制して当該領域のフィルムの使用性を改善することを目的としているため、少なくとも当該領域において最大収縮方向及び直交方向の熱収縮率が所定の範囲に入っていれば十分であるからである。
【0027】
そして本発明では、前記要件(2)において、上記切り出し部から得られる全ての試料に基づいて直交方向熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに、全ての試料の直交方向熱収縮率が前記平均熱収縮率の±1.5%以内(好ましくは±1.3%以内、特に±1%以内)の範囲であることを定めている。この平均熱収縮率±1.5%以内の意味について、より詳細に説明すると、以下の通りである。すなわち切り取られた各試料について、熱収縮率を測定し、最大収縮方向に直交する方向の平均熱収縮率を算出する。この直交方向熱収縮率の平均値がX(%)で、上記試料▲1▼の直交方向熱収縮率をY1(%)とすると、|X−Y1|(X−Y1の絶対値)が1.5(%)よりも小さく、試料▲2▼〜▲6▼についての直交方向熱収縮率Y2〜Y6(%)においても同様に、|X−Yn|がいずれも1.5(%)よりも小さいことが、平均熱収縮率の±1.5%の意味である。換言すれば、Ynの最大値YmaxとXとの差と、最小値YminとXとの差のいずれもが±1.5%以内であれば、本発明の要件を満足する。熱収縮率の測定温度が95℃であることから明らかなように、本発明によれば、温度95℃における直交方向の熱収縮率変動を抑制することができるため、前記フィルムロールから収縮性包装体(ラベル、袋等)を調製し、これを被包装体(ボトルなど)に被覆して約90〜95℃程度で熱収縮させたときでもタテヒケの発生を防止することができる。すなわち熱収縮させる温度を95℃程度にまで高めることができる。そのため、高温で熱収縮させることが可能となり、熱収縮時間を短時間にできるため、被覆収縮工程の生産性を高めることができる。特に本発明は、スチームを熱源として温度約90〜95℃で熱収縮させる場合に有用である。
【0028】
本発明では、また最大収縮方向の熱収縮率の変動が小さいことも好ましい要件である。具体的には、前記したサンプリング方法で切り出した各試料を、直交方向の熱収縮率について変動を測定したのと同じ方法で、最大収縮方向の熱収縮率を測定し、これらの熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに(すなわち温度95℃における値を算出したときに)、全ての試料の最大収縮方向の熱収縮率が、上記平均熱収縮率の±5%以内の範囲に入っていることが好ましい。これにより、被覆収縮工程での不良が低減し、一層製品の不良率が低減する。最大収縮方向の熱収縮率の変動度合いは、平均熱収縮率の±4%以内がより好ましく、±3%以内がさらに好ましい。
【0029】
本発明の熱収縮性フィルムは、2種以上の組成の異なるポリマーの混合物から形成されていることが好ましい。このようなポリマーブレンドの場合に、1本のロールに巻かれるフィルムの熱収縮率変動が大きくなるため、本発明を適用する意義があるからである。
【0030】
本発明のフィルムロールに巻回されるポリエステル系熱収縮性フィルムとしては、ポリエステル系フィルムであって熱収縮性を有する限り特に限定されない。例えば、エチレングリコールとテレフタル酸(あるいはジメチルエステル)からなるエチレンテレフタレートユニットを基本ユニット(好ましくは全ユニット中50モル%以上)とし、エチレングリコール以外の多価アルコールとして、1,4−シクロヘキサンジメタノールやネオペンチルグリコール等の熱収縮率を確保するための成分や、1,4−ブタンジオールやプロピレングリコール等の低温での収縮性を発現させるための成分(以下、これら熱収縮率を確保するための成分、低温での収縮性を発現させるための成分を、収縮用成分と称する場合がある)等をさらに含むフィルムが使用できる。基本ユニットと収縮用成分でフィルムを構成し、後述の所定倍率以上で延伸することにより、前記所定値以上の熱収縮率を達成することができる。なお収縮用成分は、上記1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコールに限定されず、後述するポリエステル系樹脂に含まれる種々の成分であってもよく、ジカルボン酸成分を収縮用成分として使用してもよい。
【0031】
また前記ポリエステル系熱収縮性フィルムは、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど、基本ユニットそのものが熱収縮性を有するポリエステルで構成されるフィルムであってもよい。
【0032】
上記要件を満足する熱収縮性フィルムロールを得るための好ましい製造方法を説明する。なお本発明の熱収縮性フィルムロールは、ポリマーを溶融押出ししながら製膜するフィルム化工程と、このフィルム化工程で得られる未延伸フィルムを互いに略直交する方向に異なる延伸倍率で2軸延伸する熱収縮性付与工程と、得られる熱収縮性フィルムを巻き取るロール化工程とを経ることによって製造される。そして延伸倍率の大きい方向への延伸を主延伸、延伸倍率の小さい方向への延伸をサブ延伸と称したとき、主延伸(延伸後の最大収縮方向)をフィルムの横方向(幅方向)とすることが生産効率上実用的であるので、以下、主延伸(延伸後の最大収縮方向)を横方向とする場合について説明する。なお主延伸をフィルムの縦方向(長手方向)とする場合も、下記方法における延伸方向を90°変える等、通常の操作に準じて延伸することができる。
【0033】
基本ユニットと収縮用成分とをフィルム中に含有させる手段としては、共重合を行ってこの共重合ポリマーを単独使用する方式と、異なる種類のホモポリマーあるいは共重合ポリマーをブレンドする方式がある。一般に、熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮特性と強度等を両立させる観点から、2種以上の種類・組成の異なるポリマーをブレンドしたり、共重合モノマー成分を複数にする等して、得られるフィルムの特性を目的に応じて変化させる手法が採用されている。本発明は、共重合ポリマーを単独使用する方式、及びブレンド方式のいずれをも採用できるが、それぞれ、以下に述べるような特徴を有している。すなわち共重合ポリマーを単独使用する方式では、ロールに巻回された長尺フィルムにおいてフィルムの組成変動が起こりにくいという利点があるものの、多品種のフィルムの工業生産に対応するのが困難であるという欠点がある。一方、ブレンド方式は、ブレンド比率を変更するだけでフィルムの特性を容易に変更でき、多品種のフィルムの工業生産にも対応できるため、工業的には広く行われているが、ロールに巻回された長尺フィルムにおいてはフィルムの組成変動が起こりやすくなるため、直交方向の熱収縮率が変動し易いという欠点がある。
【0034】
従って、ブレンド方式を採用する場合には、以下のようなフィルムの組成変動を抑制する方法を採用する。
【0035】
▲1▼チップ形状の均一化
ブレンド方式では、通常、組成の異なる複数の原料ポリマーチップをホッパ内でブレンドした後、溶融混練して押出機から押出して、フィルム化する。例えば、原料となるポリマーが複数種類(例えば、3種類)ある場合、複数個(例えば、3個)のホッパにそれぞれのポリマーチップを連続式あるいは間欠式に供給し、必要に応じて緩衝ホッパを介して、最終的には、押出機直前あるいは直上のホッパ(便宜上「最終ホッパ」という)で複数類のポリマーチップを混ぜながら、押出機の押出量に合わせて原料チップを定量的に押出機に供給してフィルムを形成するのである。ところが、最終ホッパの容量あるいは形状によっては、最終ホッパ内のチップ量が多い場合と残量が少なくなった場合に、最終ホッパから押出機へと供給されるチップの組成が異なってくるという原料偏析の現象が発生していることが本発明者等によって見出された。この問題は、各種ポリマーチップの形状あるいは比重が異なっている場合、特に、顕著に現れる。その結果、長尺フィルムの熱収縮率が変動してしまうのである。
【0036】
従って、使用量の最も多いポリマーと、このポリマーとは組成の異なる他のポリマー1種以上を混合して溶融押出する工程を含む熱収縮性ポリエステル系フィルムロールを製造する際に、組成変動の少ないフィルムを得るためには、使用する複数種のポリマーチップの形状を合わせて、最終ホッパ内での原料偏析現象を抑制することが好ましい。
【0037】
ポリエステルフィルムの原料チップを製造するには、通常、重合後に溶融状態で重合装置よりストランド状で取り出され、直ちに水冷した後、ストランドカッターでカットする方法が採用されている。このため、ポリエステルのチップは、通常、断面が楕円形の楕円柱状となる。このとき、使用量の最も多いポリマーチップに混合される他のポリマーの原料チップとして、使用量の最も多いポリマーの原料チップの断面楕円の平均長径(mm)、平均短径(mm)および平均チップ長さ(mm)に対して、それぞれ±20%以内の範囲であるものを用いれば、上記原料偏析を低減させ得ることを突き止めた。これらの平均値がそれぞれ±15%以内の範囲のものを用いることがより好ましい。
【0038】
チップの大きさに違いがあると、最終ホッパ内をチップの混合物が落下していくときに、小さいチップは先に落下し易いため、最終ホッパ内のチップ残量が少なくなると、大きいチップの比率が多くなって、これが原料偏析の原因になるのである。しかし、上記範囲内のチップを用いることで、これらの原料偏析を低減させることができ、フィルム組成の均一な長尺フィルムを得ることができる。
【0039】
▲2▼ホッパ形状の適正化
フィルムを得るに当たっては押出機が用いられるが、最終ホッパ形状の適正化も、組成が均一な長尺フィルムを得るための好ましい手段である。すなわち、漏斗状ホッパの傾斜角が65°より小さいと、小さいチップのみが先に落下してしまって、原料偏析の原因になるからである。傾斜角が65°以上のホッパを用いることで、大きいチップも小さいチップと同様に落とし易くすることができ、内容物(チップ)の上端部が水平面を保ちつつ下降していくため、原料偏析の低減に効果的である。より好ましい傾斜角は70゜以上である。なお、ホッパの傾斜角とは、漏斗状の斜辺と、水平な線分との間の角度である。最終ホッパの上流に複数のホッパを使用してもよく、この場合、いずれのホッパにおいても、傾斜角を65゜以上、より好ましくは70゜以上とするとよい。
【0040】
▲3▼ホッパ容量の適正化
ホッパ内での原料偏析を低減する手段として、ホッパの容量を適正化することも好ましい手段である。ホッパの適正な容量は、例えば、押出機の1時間当たりの吐出量の15〜120質量%の範囲内である。この容量が小さすぎるホッパを使用すると原料の安定供給が難しく、また容量が大きすぎるホッパでは、原料チップ混合物が長時間に亘ってホッパ内に留まることとなって、その間にチップの偏析が生じるおそれがあるためである。ホッパの容量は、押出機の1時間当たりの吐出量の20〜100質量%の範囲内がより好ましい。
【0041】
▲4▼微粉体の低減
組成が均一な長尺フィルムを得るためには、使用する原料チップの削れ等により発生する微粉体の比率を低減することも好ましい手段である。微粉体が原料偏析の発生を助長するので、工程内で発生する微粉体を除去して、ホッパ内に含まれる微粉体の比率を低減することが好ましい。含まれる微粉体の比率は、原料チップが押出機に入るまでの全工程を通じて、原料100質量%中、1質量%以内に制御することが好ましく、0.5質量%以内に制御することがさらに好ましい。具体的には、ストランドカッターでチップを製造した後に篩を通す方法、原料チップを空送等する場合にサイクロン式エアフィルタを通す方法等により、微粉体を除去すればよい。
【0042】
長尺フィルムの組成を均一化するだけであれば、上記手段▲1▼〜▲4▼のいずれか(特に上記手段▲1▼)を採用すればよい。4つの手段のうち2つ以上(特に上記手段▲1▼及び▲2▼)を併用することがより好ましく、▲1▼〜▲4▼の全てを採用することがさらに好ましい。
【0043】
上述したように、共重合ポリマーを単独使用する方式、又はブレンド方式において上記▲1▼〜▲4▼のいずれかの手段を採用することにより、又は共重合ポリマーを単独使用する方式により、長尺フィルムの組成変動を抑制でき、直交方向の熱収縮率の変動を抑制し易くなる。
【0044】
さらにフィルムの組成変動の抑制に加えて、延伸条件を改善することで、直交方向の熱収縮率の変動をさらに抑制し易くなる。
【0045】
▲5▼延伸工程におけるフィルムの表面温度の均一化
すなわちフィルムロール内での熱収縮率を変動させる要因には、前述のフィルムを構成するポリマー成分の組成変動の他に、フィルムを延伸する際の工程変動が挙げられる。長尺フィルムの熱収縮率変動を抑制するには、フィルムを延伸する工程での温度変動を抑止して、フィルムの表面温度の変動幅をできるだけ低減することが好ましい。
【0046】
ポリエステルフィルムの場合、例えば、テンターを用いて横方向に延伸することによって熱収縮性をもたせており、この横延伸はより詳細には延伸前の予備加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、再延伸処理工程等によって構成されている。そして横延伸における予備加熱工程、横延伸工程および横延伸後の熱処理工程において、任意ポイントにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅を平均温度±1℃以内、好ましくは平均温度±0.5℃以内に制御すると、フィルム全長に亘って略同一温度で横延伸や熱処理できるため、熱収縮挙動が均一化する。なお緩和処理や再延伸処理工程においても、前記予備加熱工程等と同様に、フィルムの表面温度の変動幅を小さくすることが好ましい。
【0047】
フィルム表面温度の変動を小さくするには、例えば、フィルムを加熱する熱風の風速を制御できるようにインバーターを取り付けた風速変動抑制設備を用いたり、熱源に500kPa以下(5kgf/cm2以下)の低圧蒸気を使用して、熱風の温度変動を抑制できる設備等を用いるとよい。
【0048】
任意ポイントにおいて測定されるフィルムの表面温度の変動幅とは、例えば横延伸工程に入ってから2m経過したところで、フィルム製造中、連続的にフィルム表面温度を、例えば赤外式の非接触表面温度計で測定した場合の変動幅をいう。1ロール分のフィルム製造が終了した時点で、平均温度が算出できるので、フィルム表面温度の変動幅が、平均温度±1℃以内であれば、フィルムの定常領域の全長に亘って同条件で横延伸されていることとなり、熱収縮率の変動も小さくなる。
【0049】
好ましいポリエステルフィルムの製造例を、上記手段▲1▼を採用する場合を例にとって具体的に説明するが、下記具体例は他の手段を採用する場合でも適用できる。まず、前記手段▲1▼を満足する大きさに制御した原料チップをホッパドライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、200〜300℃の温度でフィルム状に押し出す。あるいは、未乾燥のポリエステル原料をベント式押し出し機内で水分を除去しながら同様にフィルム状に押し出す。押出しに際してはTダイ法、チューブラ法等、既存のどの方法を採用しても構わない。押出し後は、キャスティングロールで冷却(特に急冷)して未延伸フィルムを得る。なお、この「未延伸フィルム」には、フィルム送りのために必要な張力が作用したフィルムも含まれるものとする。
【0050】
この未延伸フィルムに対して延伸処理を行う。延伸処理は、上記キャスティングロール等による冷却後、連続して行ってもよいし、冷却後、一旦ロール状に巻き取って、その後行ってもよい。
【0051】
また、熱収縮性ポリエステル系フィルムの厚み分布を均一化させることに着目すれば、テンター等を用いて横方向に延伸する際、延伸工程に先立って予備加熱工程を行うことが好ましく、この予備加熱工程では、熱伝導係数が0.00544J/cm2・sec・℃(0.0013カロリー/cm2・sec・℃)以下となるように、低風速で、フィルム表面温度がTg+0℃〜Tg+60℃の範囲内のある温度になるまで加熱を行うことが好ましい(前記Tgは、フィルムのガラス転移温度を意味する。以下、同じ)。
【0052】
横方向の延伸は、“Tg−20℃”〜“Tg+40℃”の範囲内の所定温度で、2.3〜7.3倍、好ましくは2.5〜6.0倍に延伸する。その後、60℃〜110℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるいは0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じて40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理をして、熱収縮性ポリエステル系フィルムを得る。この横延伸工程においては、前記したようにフィルム表面温度の変動を小さくすることのできる設備を使用することが好ましい。
【0053】
延伸に伴うフィルムの内部発熱を抑制し、フィルムの温度斑を小さくする点に着目すれば、延伸工程の熱伝達係数は、0.00377J/cm2・sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・℃)以上とすることが好ましい。0.00544〜0.00837J/cm2・sec・℃(0.0013〜0.0020カロリー/cm2・sec・℃)がより好ましい。
【0054】
なお本発明では、タテヒケをより高度に防止するため、横方向のみならず縦方向にも延伸するが、縦延伸条件については後述する。
【0055】
ポリエステル系樹脂としては、ジカルボン酸成分として、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、これらのエステル形成誘導体の1種以上を用い、多価アルコール成分と重縮合した公知の(共重合)ポリエステルを用いることができる。芳香族ジカルボン酸として、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等が挙げられる。また脂肪族ジカルボン酸としては、ダイマー酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸等が挙げられる。また、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の多価のカルボン酸を、必要に応じて併用してもよい。中でも、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸が好ましい。これらのエステル誘導体としてはジアルキルエステル、ジアリールエステル、酸ハライド等の誘導体が挙げられる。
【0056】
多価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ダイマージオール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等のアルキレングリコール、ビスフェノール化合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。また、ポリエステルの合成には、ε−カプロラクトンも使用可能である。
【0057】
ポリエステル系熱収縮性フィルムを構成するポリエステル原料は、単独でもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。単独の場合は、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエチレンテレフタレート以外のホモポリエステルが好ましい。ポリエチレンテレフタレート単独では、熱収縮性が発現しないからである。
【0058】
ポリエステルの基本ユニットとしては、フィルムの耐破れ性、強度、耐熱性等を考慮すれば、エチレンテレフタレートユニットが好ましい。ただし、エチレンテレフタレートユニットを基本ユニットとすると、このユニットは上述したように熱収縮性がないため、エチレングリコール及びテレフタル酸以外の成分(他の成分)を併存させる必要がある。これら他の成分は、エチレンテレフタレートユニットの結晶性を下げ、フィルムに熱収縮性をもたせるのに有用である。好ましい他の成分(熱収縮性成分)には、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコールなどが含まれる。
【0059】
エチレンテレフタレートユニットを基本ユニットとする場合、熱収縮特性の点からは、Tgの異なる2種以上のポリエステルをブレンドして使用することが好ましい。ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル(2種以上であってもよい)を混合して使用することが好ましいが、共重合ポリエステル同士の組み合わせであってもよい。いずれの場合も、エチレンテレフタレートユニットは、フィルムの耐熱性・強度等の発現のために、50モル%以上存在していることが好ましい。55モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。
【0060】
また、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、ポリエチレンナフタレート同士を組み合わせたり、これらと他の共重合ポリエステルを組み合わせて用いることもできる。
【0061】
最も熱収縮特性的に好ましいのは、(i)ポリエチレンテレフタレート、(ii)ポリブチレンテレフタレート、及び(iii)エチレングリコールとネオペンチルグリコールとの混合ジオール成分とテレフタル酸とからなる共重合ポリエステルの3種類のポリマーのブレンドタイプである。ネオペンチルグリコールはポリエステルを非晶化する作用を有し、熱収縮性を高めることができ、1,4−ブタンジオールはフィルムのガラス転移温度を低下させて、低温での熱収縮性の発現に役立つからである。これらのエチレングリコール以外の多価アルコール成分や、テレフタル酸以外の多価カルボン酸成分を用いる場合は、それぞれの成分100モル%中、5モル%以上使用することが好ましい。7モル%以上がより好ましく、9モル%以上がさらに好ましい。なお、2種以上のポリエステルを併用する場合は、前記したように、それぞれのポリマーのチップをホッパ内でブレンドすることが、生産効率の点からは好ましい。
【0062】
ポリエステルは常法により溶融重合することによって製造できるが、ジカルボン酸類とグリコール類とを直接反応させ得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、ジカルボン酸のジメチルエステル体とグリコールとをエステル交換反応させたのちに重縮合する、いわゆるエステル交換法等が挙げられ、任意の製造法を適用することができる。また、その他の重合方法によって得られるポリエステルであってもよい。ポリエステルの重合度は、固有粘度にして0.3〜1.3dl/gのものが好ましい。
【0063】
ポリエステルには、着色やゲル発生等の不都合を起こさないようにするため、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、チタン化合物等の重合触媒以外に、酢酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のMg塩、酢酸カルシウム、塩化カルシウム等のCa塩、酢酸マンガン、塩化マンガン等のMn塩、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等のZn塩、塩化コバルト、酢酸コバルト等のCo塩を、ポリエステルに対して、各々金属イオンとして300ppm(質量基準、以下同じ)以下、リン酸またはリン酸トリメチルエステル、リン酸トリエチルエステル等のリン酸エステル誘導体を燐(P)換算で200ppm以下、添加してもよい。
【0064】
上記重合触媒以外の金属イオンの総量がポリエステルに対し300ppm、またP量が200ppmを超えるとポリマーの着色が顕著になるのみならず、ポリマーの耐熱性や耐加水分解性が著しく低下するため好ましくない。
【0065】
このとき、耐熱性、耐加水分解性等の点で、総P量(P)と総金属イオン量(M)との質量比(P/M)は、0.4〜1.0であることが好ましい。質量比(P/M)が0.4未満または1.0を超える場合には、フィルムが着色したり、フィルム中に粗大粒子が混入することがあるため好ましくない。
【0066】
上記金属イオンおよびリン酸及びその誘導体の添加時期は特に限定しないが、一般的には、金属イオン類は原料仕込み時、すなわちエステル交換前またはエステル化前に、リン酸類は重縮合反応前に添加するのが好ましい。
【0067】
また、必要に応じて、シリカ、二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム等の微粒子を添加してもよく、さらに酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、抗菌剤等を添加することもできる。
【0068】
上述のようにしてフィルムの組成変動を抑制し、かつ熱収縮率の変動を抑制することによって、例えば、温度85〜90℃程度で熱収縮させる場合には、直交方向の熱収縮率の変動を抑制することができる。しかし温度90〜95℃で熱収縮させる場合、直交方向の熱収縮率の変動を本発明の範囲内に抑制するためには、該直交方向においても必ず延伸を行うこととし、該直交方向の延伸において所定の延伸温度を採用する必要がある。
【0069】
以下、最大収縮方向をフィルムの横方向(幅方向)とする場合[従って、最大収縮方向と直交する方向をフィルムの縦方向(長手方向)とする場合]について説明する。
【0070】
すなわち、上述したように横方向の延伸を“Tg−20℃”〜“Tg+40℃”の範囲内の所定温度で行うのに対して、縦方向の延伸は“Tg+50℃”以上の温度で行う。このような比較的高い温度で縦延伸すると、直交方向の熱収縮率の変動を高度に抑制できるため、温度90〜95℃で熱収縮させた場合でもタテヒケを防止でき、収縮後の外観を良好にできる。好ましい縦延伸温度は、例えば、“Tg+55℃”以上程度(特に、“Tg+60℃”以上程度)である。縦延伸温度の上限は、例えば、融点を示すポリエステルフィルムの場合には“融点−15℃”以下程度であり、融点を示さないポリエステルフィルムの場合には“Tg+130℃”以下程度である。なお前記縦延伸温度とは、縦延伸区間内にあるフィルム表面の最高到達温度を意味する。
【0071】
縦方向の延伸倍率は横延伸のものよりも小さく、例えば、1.05〜1.5倍程度、好ましくは1.07倍〜1.5倍程度である。延伸倍率を大きくし過ぎると、縦方向(最大収縮方向と直交する方向)の熱収縮率が大きくなり過ぎる。
【0072】
すなわち本発明のフィルムロールは、横方向及び縦方向の両方に延伸(2軸延伸)を行うこととし、縦延伸を所定の温度で行うことによって製造されるものである。2軸延伸としては、逐次2軸延伸を採用する。逐次2軸延伸を採用することによって、横延伸と縦延伸とを異なる温度で行うことができる。逐次2軸延伸においては、横方向及び縦方向に延伸した後、再度、横方向及び/又は縦方向に延伸(再延伸)をしてもよい。延伸の順序は特に限定されず、縦横、横縦、縦横縦、横縦横等のいずれの方式でもよい。さらに前記横延伸及び縦延伸は、1段延伸であってもよく、2段以上の多段延伸であってもよい。縦延伸した後は、横延伸の場合と同様に、緩和処理及び/又は熱処理を施すのが好ましい。
【0073】
縦延伸に際しては、延伸速度を、例えば、20倍/分以上(好ましくは25倍/分以上、さらに好ましくは30倍/分以上)、1,000倍/分以下(好ましくは900倍/分以下、さらに好ましくは800倍/分以下)の範囲に制御するのが望ましい。延伸速度が速すぎるとフィルムの加熱不足が生じやすく、延伸速度が遅すぎると生産性が低下する。
【0074】
なお前記延伸速度は、下記式に従って算出することができる。
【0075】
延伸速度=L1/T1
[式中、L1は延伸倍率を、T1は左記延伸倍率を与えるのに要した時間(分)を示す]
縦延伸したフィルムは、Tg以下に冷却することなく、上記縦延伸温度(例えば、Tg+50℃以上)と同様の温度区間を通過させ、緩和処理を行うのが好ましい。縦延伸フィルムを一旦冷却した後、緩和処理のために再加熱すると、結晶性フィルムの場合には熱結晶化が進行してしまう。そのため、その後に横延伸すると、横延伸時の延伸応力が増大して延伸性が悪化し、破断しやすくなる。
【0076】
緩和処理における前記所定温度区間の通過時間は、例えば、0.1秒以上、好ましくは0.2秒以上である。緩和時間が短すぎると、緩和効果を得ることができない。また緩和率は、例えば、20%以下、好ましくは15%以下である。緩和率が大きすぎると、縦方向にフィルムが緩んでしまい、蛇行などのようにフィルム走行が不安定となり、擦り傷を誘発する虞がある。
【0077】
なお前記緩和率は、下記式に従って算出される値である。
【0078】
緩和率(%)=(1−S2/S1)×100
(式中、S1はフィルムの走行速度を変えて延伸するときにおける下流側のフィルムの走行速度を示す。S2は延伸後のフィルムの走行速度を示す)
縦延伸において上記所定温度まで加熱するに際しては、必要に応じて、予め上記所定温度以下の温度まで加熱(予備加熱)してもよい。予備加熱温度は、例えば、前記所定温度よりも10〜80℃程度低い温度である。
【0079】
予備加熱、縦延伸(本加熱)、及び緩和処理などの際に所定温度まで昇温するためには種々の加熱手段が採用できるが、好ましくは、加熱ロール及び又は加熱ヒータ(赤外線ヒータなど)を使用する。
【0080】
加熱ロールとしては、例えば、表面ハードクロムメッキを施した金属素材からなる加熱ロール(以下、クロムメッキロールと称する)、セラミックス系素材からなる加熱ロール(以下、セラミックスロールと称する)、フッ素樹脂系素材からなる加熱ロール(以下、フッ素樹脂ロールと称する)、シリコンゴム素材からなる加熱ロール(以下、シリコンゴムロールと称する)などが選択できる。特にクロムメッキロール、フッ素樹脂ロールなどは予備加熱の際に使用するのが望ましく、セラミックスロール、シリコンゴムロールなどは予備加熱後に所定温度まで加熱(本加熱)する際に、又は緩和処理の際に使用するのが望ましい。クロムメッキロールやフッ素樹脂ロールは、フィルムに熱を伝達するのに優れており、効率よくフィルムを予備加熱することができる。一方、セラミックスロールやシリコンゴムロールは、剥離性に優れており、本加熱や緩和処理の際にフィルムが軟化して粘着しやすくなっても良好な剥離性を維持できる。例えば、クロムメッキロール及び/又はフッ素樹脂ロールからなる予備加熱用のロール群を用いてフィルムを予備加熱した後、セラミックスロール及び/又はシリコンゴムロールからなる1本又は複数本の本加熱用ロールを用いてフィルムを所定温度まで昇温するのが望ましい。なお前記予備加熱用ロールはフリー回転式であってもよく、駆動式であってもよい。前記本加熱用ロールは、通常、駆動式である。なおこのようにして所定温度まで加熱されたフィルムは、前記本加熱ロールとその下流に設置された延伸ロールとの間の速度差を利用することによって縦延伸することができる。また緩和処理工程においても、セラミックスロール及び/又はシリコンゴムロールからなる1本又は複数本の加熱ロールを用いてフィルムを所定温度に維持するのが望ましく、所定温度に維持したフィルムは、前記加熱ロールとその下流に設置された延伸ロールとの間の速度差を利用することによって緩和処理することができる。
【0081】
赤外線ヒータとしては、遠赤外線ヒータ、近赤外線ヒータ(特に、集光型の近赤外線ヒータ)などが使用でき、これらヒータは単独で又は組み合わせて使用できる。
【0082】
上記加熱ロールによる加熱及び加熱ヒータによる加熱は、いずれか一方のみを採用してもよく両方を組み合わせてもよい。例えば、加熱ロールを用いて予備加熱を行い、加熱ヒータを用いて本加熱(縦延伸)や緩和処理を行ってもよい。この場合には、加熱ロール群を構成する最も下流側のロールに駆動式ロールを採用し、その下流に設置された延伸ロールとの間の速度差を利用することによって縦延伸及びその後の緩和処理をすることができる。また加熱ロールを用いて予備加熱又は本加熱を行う際に、加熱ヒータを補助的に使用してもよい。
【0083】
また縦延伸のときのフィルムの進行方向は上下方向であることが好ましい。フィルムの進行方向は水平方向であるのが常法であるが、本発明では縦延伸を高温で行うため、フィルムの剛性が低下する。そのため水平方向にフィルムを進行させると、フィルムが下方向に垂れ下がり、ロールに粘着し易くなり、フィルムの安定製膜が困難となる。
【0084】
本発明における熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、幅0.2m以上の熱収縮性フィルムを巻き取りコア(芯)に長さ300m以上巻取ったものであることが好ましい。幅が0.2mに満たないフィルムのロールは、工業的に利用価値の低いものであり、また、長さ300mに満たないフィルムロールは、フィルムの巻長が少ないために、フィルムの全長に亘る熱収縮率変動が小さくなるので、本発明の効果が発現しにくくなる。熱収縮性フィルムロールの幅は0.3m以上がより好ましく、0.4m以上がさらに好ましい。また、ロールに巻回される熱収縮性フィルムの長さは400m以上がより好ましく、500m以上がさらに好ましい。
【0085】
フィルムロールの幅および巻長の上限は特に制限されるものではないが、取扱いのしやすさから、一般的には幅1.5m以下、巻長はフィルム厚み45μmの場合に6000m以下が好ましい。また、巻取りコアとしては、通常、3インチ、6インチ、8インチ等のプラスチックコアや金属製コアを使用することができる。
【0086】
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールを構成するフィルムの厚みは特に限定するものではないが、例えばラベル用熱収縮性フィルムとしては、10〜200μmが好ましく、20〜100μmがさらに好ましい。
【0087】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合は、本発明に含まれる。なお、実施例および比較例で得られたフィルムロールの物性の測定方法は、以下の通りである。
【0088】
(1)定常領域の確認と試料切り出し部の設定
後述する実施例および比較例で得られた長さ1000mのフィルムが巻回されたフィルムロールについて、フィルムの第2端部(巻き終り部)から20m間隔で5点試料を切出し、フィルムの第1端部(巻き始め部)から200m内側の部分から前記第1端部に向けて20m間隔で5点の試料を切出し、これら試料の最大収縮方向の最大熱収縮応力値を測定した(後述)。各試料の最大熱収縮応力値は、3MPa以内の幅に収まっていた。しかもフィルムの製造中、製造・延伸工程は安定していた。従って各フィルムロールは、フィルムの全長に亘って定常領域に該当していることが確認された。
【0089】
このようなフィルムロールにおいて、定常領域から試料を切り出し、下記各物性(2)〜(9)を測定した。なお下記物性(3)「溶剤接着強度」、並びに(8)及び(9)「収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率」以外の測定においては、1番目の試料切り出し部をフィルムの第2端部(巻き終わりから0m)とし、最終の試料切り出し部は、フィルムの第1端部(巻き始めから0m)とし、全部で11箇所の試料切り出し部から試料を採取した。そして各試料切り出し部から10個の試料を切り出し、各試料切り出し部における10個の試料の物性の平均値を、その切り出し部における試料の物性値とした[なお、(3)「溶剤接着強度」、(8)及び(9)「収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率」の場合については、各測定項目のところで詳述する]。
【0090】
(2)成分組成
各試料を、クロロホルムD(ユーリソップ社製)とトリフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調製し、NMR(「GEMINI−200」;Varian社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定条件で試料溶液のプロトンのNMRを測定した。NMR測定では、所定のプロトンのピーク強度を算出して、多価アルコール成分100モル%中のエチレングリコール量、ネオペンチルグリコール量、または1,4−ブタンジオール量を測定した。下記実施例及び比較例において最も多いアルコール成分はエチレングリコールであった。このエチレングリコール以外の成分のうち、最も多いアルコール成分(最多副次的アルコール成分)、及び2番目に多いアルコール成分(第2副次的アルコール成分)の含有率の試料間の変動(平均値、最大値、最小値)を調べた。
【0091】
(3)溶剤接着強度
フィルムロールのフィルムを全長に亘って幅273mmにスリットして、再びロール状に巻回し、温度30±1℃、相対湿度85±2%に制御した環境内に250時間保管した。続いて、これに東洋インキ製造社製の草色、金色、白色のインキで3色印刷した後、チューブ成形装置を用い、フィルムの両スリット端のうち片端に、端縁部分には付着しないようにして1,3−ジオキソランを2±1mm幅で片面塗布し(塗布量:3.0±0.3g/mm2)、直ちにフィルムを丸めて両スリット端部を重ね合わせて接着し、チューブに加工した。このチューブを平らに潰した状態で巻き取ってロール状とした。
【0092】
上記のチューブロールから、約100m間隔で試料を切り出す。1番目の試料切り出し部は、チューブの巻き終わり部分(巻き終わりから0m)とする。また、最終の切り出し部は、チューブの巻き始め部分(巻き始めから0m)とし、全部で11の試料を採取した。各試料切り出し部から得たチューブ状試料を、接着箇所が中央になるように切り開いて、フィルム状試料とした。このフィルム状試料から、長さ100mm、幅15mmのフィルム状試験片(n=10)を切り出して、このフィルム状試験片を、チャック間距離を50mmにセットした引張試験機(ボールドウイン社製「STM−T」)に、溶剤接着部がチャック同士の中央に位置するようにセットして、温度23℃、引張速度200mm/分の条件で引張試験を行い、接着部分の剥離強度を測定し、これを溶剤接着強度とする。
【0093】
上記溶剤接着強度の試料間の変動(平均値、最大値、最小値)を調べた。
【0094】
(4)ガラス転移温度
試料10±1mgを温度300℃で2分間加熱し、直ちに液体窒素に入れて急冷した後、セイコー電子工業(株)製のDSC装置(型式:DSC220)を用いて、温度−40℃から300℃まで速度20℃/分で昇温し、DSC曲線を測定し、ガラス転移温度(℃)を求めた。ガラス転移温度(Tg)は、前記DSC曲線における吸熱開始カーブの前後に引いた接線の交点とした。
【0095】
上記ガラス転移温度の試料間の変動(平均値、最大値、最小値)を調べた。
【0096】
(5)各温水温度(85℃又は95℃)における最大収縮方向の熱収縮率
フィルムを長手方向およびその直交方向に沿うように10cm×10cmの正方形に裁断し、85℃±0.5℃又は95℃±0.5℃の温水中に、無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の水中に10秒浸漬した後、試料の縦および横方向の長さを測定し、下記式に従って求めた。
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とした。
【0097】
上記最大収縮方向の熱収縮率の試料間の変動(平均値、最大値、最小値)を調べた。
【0098】
(6)各温水温度(85℃又は95℃)における最大収縮方向と直交する方向における熱収縮率
前記(5)の最大収縮方向の熱収縮率の測定において、最大収縮方向に直交する方向においても熱収縮率を求めた。
【0099】
上記直交方向の熱収縮率の試料間の変動(平均値、最大値、最小値)を調べた。
【0100】
(7)最大熱収縮応力値
最大収縮方向の長さが200mm、幅20mmの試料を用意し、熱風式加熱炉を備えた引張試験機(東洋精機製「テンシロン」)の加熱炉内を90℃に加熱しておき、送風を止め、加熱炉内に試料をセットする。チャック間距離は100mm(一定)とする。加熱炉の扉を速やかに閉めて、送風(90℃、吹き出し速度5m/s)を再開し、熱収縮応力を検出・測定する。チャートから最大値を読み取り、これを最大熱収縮応力値(MPa)とした。
【0101】
上記最大熱収縮応力値の試料間の変動(平均値、最大値、最小値)を調べた。
【0102】
(8)収縮温度=80〜90℃に設定したときの収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率
前記(3)で作成したチューブのうち、溶剤接着強度測定に用いなかった部分のチューブを全量裁断して、熱収縮性フィルムラベルを作成した。この熱収縮性フィルムラベルのうち、約1/2量をボトルに熱収縮させることにより、収縮温度=80〜90℃に設定したときの収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率を判定した。
【0103】
すなわち0.9L角形ペットボトルに熱収縮性フィルムラベルを装着して、フジ・アステック社製のスチームトンネル(型式:SH−1500−L)に、トンネル通過時間10秒、1ゾーン温度/2ゾーン温度=80℃/90℃の条件で前記ラベル(約1/2量)を通過させ、収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率を下記のようにして判定した。
【0104】
[収縮仕上がり性]
収縮仕上がり性は5段階で評価した。
5:仕上がり性最良
4:仕上がり性良
3:欠点少し有り(2ヶ所以内)
2:欠点有り(3〜5ヶ所)
1:欠点多い(6ヶ所以上)
ここで欠点とは、シワ、ラベル端部折れ込み、色斑、収縮不足である。
4以上を合格レベル、3以下のものを不良とし、下記式に従って収縮仕上がり不良率(%)を求めた。結果を表7に併記した。
収縮仕上がり不良率=100×不良サンプル数÷全サンプル数
[タテヒケ不良率]
タテヒケ不良率は次のようにして求めた。
▲1▼まず、ラベル装着ボトルの全量について、収縮後のラベルの縦方向の長さを測定し、ボトル毎に、縦方向の最長部分の長さ(Lmax)と最短部分の長さ(Lmin)の差(Lmax−Lmin)、すなわちタテヒケ(L)を測る。なお、ほとんどのラベルのLmaxは、収縮前のラベルの長さ110mmと一致する(収縮しない)。
▲2▼ラベル装着ボトル全量のタテヒケ(L)の平均値(La)を算出する。
▲3▼タテヒケの平均値(La)と、各ラベルのタテヒケ(L)の差が±1.0mm以内を合格とする。すなわち、|La−L|が1.0mm以下のものを合格、1.0mmを超えるものを不良とする。
▲4▼以下の式からタテヒケ不良率(%)を求める。
タテヒケ不良率=100×不良サンプル数÷全サンプル数
(9)収縮温度=90〜95℃に設定したときの収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率
前記(8)で得られた熱収縮性フィルムラベルのうち残り全量(約1/2量)を用い、トンネル通過時間=6秒、1ゾーン温度/2ゾーン温度=90℃/95℃に設定する以外は前記(8)と同様にして、収縮温度=90〜95℃に設定したときの収縮仕上がり性及びタテヒケ不良率を判定した。
【0105】
合成例1(ポリエステルの合成)
撹拌機、温度計および部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、ジカルボン酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、ジオール成分として、エチレングリコール(EG)68モル%とネオペンチルグリコール(NPG)32モル%を、多価アルコールがモル比でメチルエステルの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)と、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)添加し、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、280℃で26.7Paの減圧条件下で重縮合反応を行った。得られたポリエステルを溶融状態で重合装置からストランド状で取り出し、直ちに水冷し、その後、ストランドカッターでカットして、原料チップAを得た。またカット条件を変えて、比較例用の少し小さいチップを作成した。これを原料チップBとした。チップAおよびチップBの極限粘度は、0.70dl/gであった。
【0106】
なお、極限粘度は、チップ0.1gを精秤し、25mlのフェノール/テトラクロロエタン=3/2(質量比)の混合溶媒に溶解した後、オストワルド粘度計で30±0.1℃で測定した。極限粘度[η]は、下式(Huggins式)によって求められる。
【0107】
【数1】
Figure 0003678229
【0108】
ここで、ηsp :比粘度、t0:オストワルド粘度計を用いた溶媒の落下時間、t:オスワルド粘度計を用いたチップ溶液の落下時間、C:チップ溶液の濃度である。なお、実際の測定では、Huggins式においてk=0.375とした下記近似式で極限粘度を算出した。
【0109】
【数2】
Figure 0003678229
【0110】
ここで、ηr:相対粘度である。
【0111】
合成例2
合成例1と同様な方法により、表1に示す仕込み組成で、ポリエステル原料チップC〜Dを得た。表中、BDは1,4−ブタンジオールの略記である。各ポリエステルチップの極限粘度は、チップCが1.20dl/g、チップDが1.20dl/gであった。
【0112】
比較例1
原料チップが400kg入る容量を有しており、ホッパの傾斜角が60゜である同一の形状のホッパを4個直列に並べた。一方、上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥した。チップB,C,Dを表1に示す割合(チップB=60質量%、チップC=25質量%、チップE=15質量%)で一番上流のホッパに供給し、2個目、3個目、4個目(最終ホッパ;押出機直上のホッパ)の各ホッパへと移動させた。280℃で単軸式押出機(吐出量=450kg/時間)で溶融押出しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。
【0113】
上記未延伸フィルムを温度105℃で10秒間予熱した後、テンターで横方向に78℃(Tg+13℃)で4.0倍延伸し、続いて80℃で10秒間熱処理を行って、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを1000m以上に亘って連続的に製膜した。なおフィルム表面温度の変動幅は、予熱工程で平均温度±1.0℃、延伸工程で平均温度±2.5℃、熱処理工程で平均温度±2.0℃の範囲内であった。
【0114】
得られた各フィルムを幅0.4m、長さ1000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、熱収縮性フィルムロールを得た。なおフィルムの表面温度は、赤外式の非接触表面温度計を用いて測定した(以下の実施例、比較例でも同じ)。
【0115】
比較例2〜3
上記合成例で得られた各チップを別個に予備乾燥した。表1に示した割合(チップA=60質量%、チップ=25質量%、チップ=15質量%)で各チップを、押出機直上のホッパに、定量スクリューフィーダーで連続的に別々に供給しながら、このホッパ内で混合し、280℃で単軸式押出機で溶融押出しし、その後急冷して、厚さ180μmの未延伸フィルムを得た。ホッパは、原料チップが150kg入る容量を有しており、押出機の吐出量は、1時間あたり450kgであった。また、ホッパの傾斜角は70゜であった。
【0116】
上記未延伸フィルムを長さ方向に2等分することで、2本の未延伸フィルムロールを得た。各未延伸フィルムについて、105℃で10秒間予熱した後、テンターで横方向に78℃で4.0倍延伸し、続いて80℃で10秒間熱処理を行って、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムをそれぞれ1000m以上に亘って連続的に製膜した。ここで、比較例2においては、フィルムを連続製造したときのフィルム表面温度の変動幅は、予熱工程で平均温度±1.0℃、延伸工程で平均温度±2.5℃、熱処理工程で平均温度±2.0℃の範囲内であった。また、比較例3においては、フィルム表面温度の変動幅を、予熱工程で平均温度±0.5℃、延伸工程で平均温度±0.4℃、熱処理工程で平均温度±0.5℃の範囲内に制御した。
【0117】
得られた各フィルムを幅0.4m、長さ1000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、熱収縮性フィルムロールを得た。
【0118】
実施例1
前記比較例3と同様にして、未延伸フィルムロールを得た。
【0119】
該未延伸フィルムを縦延伸機内でロール加熱によって温度85℃(下記縦延伸温度よりも55℃低い温度)に予備加熱した後、集光型赤外線ヒーターを用いてさらにフィルム温度140℃(Tg+75℃)まで加熱した。この加熱フィルムを縦方向に延伸倍率1.2、延伸速度90倍/分で延伸し、直ちに加熱ロール上でフィルム温度150℃で2秒間熱処理しながら5%緩和させ、さらに冷却ロール上でフィルム温度30℃まで冷却した。なお集光型赤外線ヒーターで加熱する際にフィルムと接触しているロールとしてシリコンゴムロールを使用し、延伸後の熱処理ロールとしてセラミックスロールを使用し、冷却ロールとしてクロムメッキロールを使用した。延伸前後のニップロールは使用しなかった。
【0120】
次いで比較例3と同様にして横延伸及び熱処理を行うことにより、厚さ45μmの熱収縮性ポリエステル系フィルムを1000m以上に亘って連続的に製膜した。横延伸時のフィルム表面温度の変動幅も比較例3と同様である。
【0121】
得られたフィルムを幅0.4m、長さ1000mにスリットして、3インチ紙管に巻き取り、熱収縮性フィルムロールを得た。
【0122】
各実施例及び比較例で得られた熱収縮性フィルムロールの物性を下記表2〜10に示す。
【0123】
【表1】
Figure 0003678229
【0124】
【表2】
Figure 0003678229
【0125】
【表3】
Figure 0003678229
【0126】
【表4】
Figure 0003678229
【0127】
【表5】
Figure 0003678229
【0128】
【表6】
Figure 0003678229
【0129】
【表7】
Figure 0003678229
【0130】
【表8】
Figure 0003678229
【0131】
【表9】
Figure 0003678229
【0132】
【表10】
Figure 0003678229
【0133】
表1〜8より明らかなように、チップ形状及びホッパ容量等が不適切であって原料偏析が生じやすい比較例1に比べ、比較例2〜3及び実施例1では、フィルムの組成変動(最多副次的アルコール成分の変動、第2副次的アルコール成分の変動など)を抑制でき、溶剤接着強度の変動を抑制でき、ガラス転移温度の変動を抑制できる。その結果、収縮温度=80〜90℃のときの収縮仕上がり性を高めることができる(表7参照)。
【0134】
特に比較例3及び実施例1では、横延伸工程におけるフィルムの表面温度を精密に制御しているため、最大熱収縮応力値の変動、温度85℃のときの最大収縮方向の熱収縮率の変動、温度85℃のときの直交方向の熱収縮率の変動を抑制できる。その結果、収縮温度=80〜90℃のときの収縮仕上がり性を高めることができ、タテヒケの発生を抑制することができる(表8参照)。
【0135】
ところが表9〜10より明らかなように、前記比較例3では、温度95℃で測定すると直交方向の熱収縮率が変動してしまい、収縮温度=90〜95℃にしたのではタテヒケの抑制が不十分となる。これに対して実施例1では、所定の条件で縦延伸を行っているため、温度95℃で測定しても直交方向の熱収縮率変動が抑制されており、収縮温度=90〜95℃としてもタテヒケの抑制が可能となる。そのため、熱収縮におけるトンネル通過時間を約10秒程度(収縮温度=80〜90℃程度の場合)から約6秒程度(収縮温度=90〜95℃程度の場合)にまで短縮でき、生産性を高めることができる。
【0136】
【発明の効果】
本発明の熱収縮性フィルムロールは、フィルムロールに巻回された長尺のフィルムの最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率の変動が少ない。特に熱収縮温度を95℃としても、直交方向の熱収縮率の変動が少ない。そのため90〜95℃程度の比較的高い温度で熱収縮させて被包装体(ボトルなど)を包装したときでも、タテヒケのばらつきによる外観不良の発生を低減することができる。そのため、より高速での熱収縮が可能となり、生産性を高めることができる。
【0137】
また、本発明の熱収縮性フィルムロールの製造方法は、容易に長尺フィルムの熱収縮率(最大収縮方向に直交する方向における温度95℃のときの熱収縮率)の変動を小さくすることができ、工業生産上において非常に有用なものである。

Claims (5)

  1. 長さ1000〜6000mの熱収縮性ポリエステル系フィルムを巻取ってなるフィルムロールであって、
    この熱収縮性ポリエステル系フィルムは、エチレンテレフタレートを基本ユニットとし、且つ1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール及びプロピレングリコールから選択される少なくとも1種の多価アルコールを含有するものであり、
    さらに上記熱収縮性ポリエステル系フィルムロールは、フィルムの長さ方向にフィルム物性が安定している定常領域におけるフィルムの巻き始め側の端部を第1端部、巻き終わり側の端部を第2端部とし、上記第2端部の内側2m以内のところに1番目の試料切り出し部を、また上記第1端部の内側2m以内に最終の切り出し部を設けると共に、1番目の試料切り出し部から約100m毎に試料切り出し部を設けたとき、下記要件(1)、(2)および(3)を満足することを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
    (1)前記各試料切り出し部から切り出された10cm×10cmの正方形状の各試料について、それぞれ95℃の温水中に10秒浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒浸漬して引き上げたとき、全ての試料について最大収縮方向の熱収縮率が20%以上であり、かつ最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率が7%以下である
    (2)前記各試料切り出し部から切り出された10cm×10cmの正方形状の各試料について、上記(1)に記載の方法により最大収縮方向の熱収縮率を測定し、これら最大収縮方向熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに、全ての試料の最大収縮方向熱収縮率が、上記平均熱収縮率の±%以内の範囲である
    (3)前記各試料切り出し部から切り出された10cm×10cmの正方形状の各試料について、上記(1)に記載の方法により最大収縮方向に直交する方向の熱収縮率を測定し、これらの直交方向熱収縮率の平均熱収縮率を算出したときに、全ての試料の直交方向熱収縮率が、上記平均熱収縮率の±%以内の範囲である
  2. 熱収縮性フィルムが、2種以上の組成の異なるポリマーの混合物から形成されているものである請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
  3. 熱収縮性ポリエステル系フィルムが、幅0.2m以上である請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロール。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールを用いることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系ラベルの製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムロールに印刷し、スリット加工した後、左右端部を重ね合わせてシールしてチューブ状体にし、次いで裁断する熱収縮性ポリエステル系ラベルの製造方法。
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