JPH10296838A - ポリエステルシートの製造方法 - Google Patents

ポリエステルシートの製造方法

Info

Publication number
JPH10296838A
JPH10296838A JP9120167A JP12016797A JPH10296838A JP H10296838 A JPH10296838 A JP H10296838A JP 9120167 A JP9120167 A JP 9120167A JP 12016797 A JP12016797 A JP 12016797A JP H10296838 A JPH10296838 A JP H10296838A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester
sheet
cooling drum
extruder
magnesium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9120167A
Other languages
English (en)
Inventor
Takatoshi Miki
崇利 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Diafoil Co Ltd filed Critical Diafoil Co Ltd
Priority to JP9120167A priority Critical patent/JPH10296838A/ja
Priority to EP97114950A priority patent/EP0826478B2/en
Priority to DE69722531T priority patent/DE69722531T3/de
Priority to EP02004973A priority patent/EP1213123B1/en
Priority to DE69734688T priority patent/DE69734688T2/de
Priority to US08/920,007 priority patent/US5833905A/en
Priority to US08/990,523 priority patent/US5958659A/en
Priority to EP98107167A priority patent/EP0873844B1/en
Priority to DE1998617063 priority patent/DE69817063T2/de
Priority to US09/063,355 priority patent/US6361734B1/en
Priority to KR10-1998-0014301A priority patent/KR100450143B1/ko
Publication of JPH10296838A publication Critical patent/JPH10296838A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/50Details of extruders
    • B29C48/505Screws
    • B29C48/55Screws having reverse-feeding elements
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】押出機から回転冷却ドラム上に押し出された溶
融ポリエステルシートを静電密着法により上記の回転冷
却ドラムの表面に密着させるポリエステルシートの製造
方法であって、重合終了後のポリエステルにマグネシウ
ム塩を添加することにより、回転冷却ドラムの表面に対
するポリエステルシートの密着性を高め、しかも、ポリ
エステルシートの固有粘度の低下を抑制した工業的に有
利なポリエステルシートの製造方法を提供する。 【解決手段】押出機としてベント式二軸押出機を使用
し、原料として溶融の際の比抵抗が1×107Ωcm以
上のポリエステルを使用し、当該ポリエステルと共にポ
リエステル中のマグネシウム原子の濃度が0.5〜1,
000ppmの範囲になる量の脂肪族モノカルボン酸の
マグネシウム塩を押出機に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルシー
トの製造方法に関し、詳しくは、静電密着法を適用した
ポリエステルシートの工業的有利な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートに代表され
る二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れた機械的
特性、電気的特性、耐薬品性、寸法安定性などの点か
ら、情報記録材料、コンデンサー用、包装用、製版用、
電絶用、写真フイルム等の多くの分野で基材として使用
されている。
【0003】ポリエステルフイルムは、先ず、押出機か
ら回転冷却ドラム上に押し出された溶融ポリエステルシ
ートを上記の回転冷却ドラムの表面に密着させて非晶質
ポリエステルシートを製造し、次いで、当該ポリエステ
ルシートを延伸して得られる。従って、ポリエステルフ
イルムの製造においては、表面欠陥のないポリエステル
シートを効率的に製造することが重要である。
【0004】従来、ポリエステルシートの製造において
は、溶融ポリエステルシートの回転冷却ドラム表面への
密着性を高めるため、静電密着法が採用されている。こ
こに、静電密着法とは、通常、回転冷却ドラム上に押し
出されたシートの上面側にシートの流れに直交する方向
に電極を張り、当該電極に約5〜10kVの直流電圧を
印加することによりシートに静電荷を与え、回転冷却ド
ラムに対するシートの密着性を向上させる方法を言う
(特公昭37ー6124号公報)。
【0005】しかしながら、静電密着法において、生産
性を高める目的で回転冷却ドラムの速度を高める場合
は、回転冷却ドラムに対するシートの密着力が減少す
る。その結果、製品シートにクレーター状の品質欠陥を
惹起させる所謂束縛気泡が生じる様になる。
【0006】上記の束縛気泡は、原料ポリエステルの溶
融の際の比抵抗が高いほど発生し易くなることが知られ
ている。そこで、従来より、原料ポリエステルの溶融の
際の比抵抗を低下させるため、ポリエステルに金属化合
物を含有させる方法が種々提案されている。これらの中
で、重合終了後のポリエステルに金属化合物を添加する
方法は、例えば、特開昭57ー18534号公報に提案
されている。
【0007】上記の方法は、ポリエステルに対し、通常
0.01〜1重量%の脂肪族モノカルボン酸またはジカ
ルボン酸の金属塩を添加する方法である。そして、上記
の方法においては、金属塩の配合の均一性および操作性
の観点から、高濃度に金属塩を含有する所謂マスターバ
ッチを製造し、そのチップをポリエステルにブレンドす
る方法が好ましく採用される。ところが、マスターバッ
チ法による場合は、高濃度の金属塩によりポリエステル
の分子量低下などの問題がある。
【0008】上記の問題を解決するため、特公平4ー6
4328号公報には、金属塩が添加されたポリエステル
の溶融温度を制限した方法が提案されている。しかしな
がら、上記の方法は、イソフタル酸共重合ポリエステル
やポリブチレンテレフタレート等の融点の低いポリエス
テルに対してのみ適用され、他のポリエステルには適用
出来ない欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みなされたものであり、その目的は、押出機から回転
冷却ドラム上に押し出された溶融ポリエステルシートを
静電密着法により上記の回転冷却ドラムの表面に密着さ
せるポリエステルシートの製造方法であって、重合終了
後のポリエステルにマグネシウム塩を添加することによ
り、回転冷却ドラムの表面に対するポリエステルシート
の密着性を高め、しかも、ポリエステルシートの固有粘
度の低下を抑制した工業的に有利なポリエステルシート
の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成すべく種々検討を重ねた結果、特開平6−916
35号公報に記載されている通り、ポリエステルに粒子
スラリーを配合する際の様に特殊な場合にしか採用され
ていないベント式二軸押出機を使用し、しかも、ポリエ
ステルに対するマグネシウム塩の添加量を一定の範囲に
制限するならば、マグネシウム塩によるポリエステルの
分子量低下などの問題を回避して上記の目的を容易に達
成し得るとの知見を得た。
【0011】本発明は、上記の知見に基づき達成された
ものであり、その要旨は、押出機から回転冷却ドラム上
に押し出された溶融ポリエステルシートを静電密着法に
より上記の回転冷却ドラムの表面に密着させるポリエス
テルシートの製造方法において、押出機としてベント式
二軸押出機を使用し、原料ポリエステルとして溶融の際
の比抵抗が1×107Ωcm以上のポリエステルを使用
し、当該ポリエステルと共にポリエステル中のマグネシ
ウム原子の濃度が0.5〜1,000ppmの範囲にな
る量の脂肪族モノカルボン酸のマグネシウム塩を押出機
に供給することを特徴とするポリエステルシートの製造
方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は本発明の製造方法で使用される
ベント式二軸押出機の一例の側面説明図であり、図中、
(1)はベント式二軸押出機、(2)は加熱シリンダ
ー、(3)はスクリュー、(4)は押出口、Mはスクリ
ューの駆動装置、(6)はベント孔、(8)は逆ネジ、
(9)は原料投入口を表す。
【0013】本発明において使用するポリエステルと
は、芳香族ジカルボン酸成分とグリコール成分からなる
ポリエステルを指し、特に、繰り返し単位の80%以上
がエチレンテレフタレ−ト単位、エチレン−2,6−ナ
フタレ−ト単位または1,4−シクロヘキシレンジメチ
レンテレフタレ−ト単位を有するポリエステルが好適で
ある。なお、ポリエステルは他の第三成分が共重合され
ていてもよい。
【0014】上記の芳香族ジカルボン酸成分としては、
テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸以
外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジピン酸、
セバシン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、オキ
シカルボン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸)
などが挙げられる。一方、上記のグリコ−ル成分として
は、エチレングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール以外に、例えば、ジエチレングリコ−ル、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等が挙げられる。本発
明においては、繰り返し単位の80%以上がエチレンテ
レフタレート単位またはエチレン−2,6−ナフタレン
単位を有するポリエステルが好適に使用される。
【0015】本発明で使用するポリエステルは、重合の
際にマグネシウム塩を添加して比抵抗を低減させる必要
がない。本発明で使用するポリエステルの溶融の際の比
抵抗は、1×107Ωcm以上、好ましくは3×107Ω
cm以上、より好ましくは5×107Ωcm以上であ
る。ポリエステルの比抵抗が高いほど静電密着性は悪化
するが、本発明によって、分子量の低下を抑制しつつ比
抵抗を低下させることが可能であるから、ポリエステル
の溶融の際の比抵抗は高い方が効果的である。本発明で
使用するポリエステルは、公知の方法によって無機およ
び/または有機の粒子を含有したものであってもよい。
また、重合の際の触媒残渣に基づく微細粒子を含有して
いてもよい。
【0016】本発明で使用する脂肪族モノカルボン酸の
金属塩としては、マグネシウム塩が好適である。脂肪族
モノカルボン酸のマグネシウム塩としては、例えば、炭
素数4〜30程度の脂肪族モノカルボン酸のマグネシウ
ム塩が挙げられる。その具体例としては、パルミチン酸
マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、オレイン酸
マグネシウム、セバシン酸マグネシウム等が挙げられ
る。特に、ステアリン酸マグネシウムは、安価でかつ安
全な化合物であるため、食品包装用、化粧品包装用、医
薬品包装用など広範囲の用途に使用可能である。
【0017】本発明で使用するベント式二軸押出機(以
下、二軸押出機と略記)は、そのスクリューの回転方向
が同方向回転のものが好ましい。異方向回転のものは、
ベント部の減圧を得るのが困難であり、従って、ポリエ
ステルの固有粘度の低下が大きくなるので好ましくな
い。二軸押出機のシリンダー長(L)とシリンダー内径
(D、直径)の比(L/D)は、通常20〜60、好ま
しくは22〜50の範囲とされる。L/Dが20未満の
場合は、溶融およびベントによる脱気が不十分となる傾
向にある。L/Dが60を超える場合は、押出機中での
ポリエステルの滞留時間が増大し、押出機中のポリエス
テルの温度上昇が避けられずに重合度の低下も増大する
傾向にある。
【0018】本発明においては、押出機の原料投入口
(9)からポリエステルと脂肪族モノカルボン酸のマグ
ネシウム塩(以下、金属塩と略記)とを供給する。原料
ポリエステルは、乾燥されたものであってもよいが、敢
えて乾燥されたポリエステルを使用する必要がないた
め、未乾燥のポリエステルを使用するのが好ましい。未
乾燥のポリエステルの使用は、乾燥工程およびその前の
結晶化工程を省略し得る利点がある。なお、金属塩は、
予めポリエステル中に配合し、ポリエステルと金属塩の
混合物として添加してもよい。
【0019】金属塩の供給量は、ポリエステル中のマグ
ネシウム原子の濃度として、0.5〜1,000pp
m、好ましくは10〜800ppm、より好ましくは1
5〜500ppmの範囲でなければならない。ポリエス
テル中のマグネシウム原子の濃度が0.5ppm未満の
場合は、ポリエステルの溶融の際、比抵抗が十分に低下
せず、静電密着法で得られたシートに多量の束縛気泡が
生じる。また、ポリエステル中のマグネシウム原子の濃
度が1,000ppmを超える場合は、マグネシウム塩
の作用によりポリエステルの加水分解が生じ、固有粘度
(IV)が低下する。
【0020】すなわち、本発明においては、押出機内に
おける混練作用と水分の脱気作用により、ポリエステル
の表面が逐次更新され、金属塩の局部的な存在を回避し
てポリエステルの分解を抑制し得るが、ポリエステル中
のマグネシウム原子の濃度が1,000ppmを超える
場合は、上記の作用によるポリエステルの分解防止効果
は十分発現されない。
【0021】原料投入口(9)から供給されたポリエス
テルと金属塩とは、加熱シリンダー(2)中においてス
クリュー(3)により押出口(4)に向かって移送され
る。そして、逆ネジ(8)部からベント孔(6)部に移
送されたポリエステルの表面から水分の拡散脱気(以
下、単に脱気と略記)が起こり水分が除去される。斯か
る脱気を効率的に行うため、ベント孔(6)部の減圧度
は、通常40ヘクトパスカル以下、好ましくは30ヘク
トパスカル以下、より好ましくは20ヘクトパスカル以
下とされる。
【0022】ポリエステルの加水分解による重合度の低
下を防止するため、二軸押出機内においてはポリエステ
ルが溶融を開始する部分にて、直ちに水分の脱気を行う
ことが肝要である。従って、ベント孔(6)の位置は、
原料供給口(9)位置から、通常40D以内、好ましく
は30D以内、よりに好ましくは25D以内とされる。
【0023】ところで、押出機における一定の押出量に
対し、スクリュー回転数を増大させるとスクリュー表面
に存在するポリエステルの表面を強制的に更新すること
が出来るため、その分、溶融ポリエステルからの脱気効
率が増大することになる。すなわち、脱気効率は、一定
の押出量に対しスクリュー回転数の高い方がよいと言え
る。しかしながら、本発明者の検討の結果、一定の押出
量に対してスクリュー回転数を増大させるとIV保持率
が改善または保持される現象に引き続き、IV保持率が
低下するという現象が見い出された。
【0024】IV保持率が低下する上記の現象は、樹脂
温度の上昇による樹脂の加熱劣化の促進によるものであ
る。従って、本発明においては、ポリエステルの押出量
とスクリュー回転数とは、ポリエスイルのIV保持率を
確保するために適切に選択するのが好ましい。
【0025】すなわち、本発明においては、二軸押出機
のシリンダー内径(直径)をD(mm)とした際、単位
時間当たりの押出量Q(kg/hr.)とスクリュー回
転数N(rpm)とが次の式(1)、好ましくは式(I
I)、更に好ましくは式(III)を満足する条件が溶融押出
を行うのがよい。
【0026】
【数1】 5.2×10-6×D2.8 ≦Q/N≦15.8×10-6×D2.8 ・・・(I) 6.0×10-6×D2.8≦Q/N≦15.0×10-6×D2.8 ・・・(II) 6.3×10-6×D2.8 ≦Q/N≦14.7×10-6×D2.8 ・・・ (III)
【0027】5.2×10-6×D2.8>Q/Nの条件下
では、回転数が押出量に対して高すぎるため、スクリュ
ーの剪断による発熱が過多となりIV保持率が悪化する
ので好ましくない。また、Q/N>15.8×10-6×
2.8の条件下では、回転数が押出量に対して低すぎる
ため、真空下での溶融樹脂表面の更新度が低下して十分
な脱気が行えずにIV保持率が悪化するので好ましくな
い。
【0028】本発明においては、押出機で溶融せしめた
ポリエステルを押出口(4)から口金を通して回転冷却
ドラム上にシート状に押し出して静電密着法により密着
保持して実質的な非晶質シートとする(なお、口金、回
転冷却ドラム及びその周辺の設備は図示を省略してあ
る)。この際、シートの長手方向(回転冷却ドラムの回
転方向)の厚さの均一性を向上させるため、必要であれ
ば、押出機と口金の間に、定量ポンプ(所謂ギアポン
プ)を配置し、口金に導入される溶融ポリエステルの流
量を均一化してもよい。
【0029】静電密着法における電極は、ワイヤー電極
またはブレード電極の何れであってもよい。そして、電
極に印加される直流電圧は、通常、約5〜10kVの範
囲とされる。なお、本発明においては、回転冷却ドラム
表面に水膜などを形成させて静電密着法を適用してもよ
い。
【0030】回転冷却ドラムの表面は、金属であっても
非金属であってもよいが、静電気による密着力を高める
観点から導電体であるのがよい。回転冷却ドラムの表面
温度は、通常0〜80℃、好ましくは10〜70℃、よ
りに好ましくは15〜60℃とされる。回転冷却ドラム
の表面温度が0℃未満の場合は、シート端部と回転冷却
ドラムとの密着性が悪化して得られるシートの平面性が
悪化する。一方、回転冷却ドラムの表面温度が80℃を
超える場合は、シートと回転冷却ドラムとの密着性が増
大し過ぎてシートの剥離が困難となる。回転冷却ドラム
の表面速度は、特に制限されないが、通常30m/mi
n.以上、好ましくは40m/min.以上とされる。
【0031】本発明におけるIV低下率は、通常20%
以下、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下
とされる。IV低下が大きい場合は、非晶質シートの強
度が低下し、更に、引き続いて行われる2軸延伸工程で
フイルムの破断が多発し、フイルムの強度が低下する傾
向にある。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されない。なお、実施例および比較例中、単
に「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0033】(1)溶融比抵抗:ポリエステル12gを
枝付き試験管に入れ、285℃のオイルバスに浸漬し、
完全に溶融後、減圧と窒素ガス置換の処理を繰り返して
完全に気泡を抜き出す。次いで、溶融ポリエステル中に
ステンレス製の電極を挿入して10分間保持した後、3
kVの直流電圧を印加し、印加直後の電流値を読み取
り、次式に従って比抵抗を計算する。式中、ρvは比抵
抗(Ωcm)、Iは電流値(A)、Sは電極の断面積
(cm2)及びLは電極間の距離(cm)する。
【0034】
【数2】 ρv=(3,000/I)×(S/L)(Ωcm)
【0035】(2)ポリエステルのIV(dl/g):
ポリエステルのIVは、他のポリマー成分および粒子を
除去したポリエステル1gに対し、フェノール/テトラ
クロロエタン:50/50(重量比)の混合溶媒100
mlを加えて溶解させ、30℃で測定した。
【0036】(3)総合評価:回転冷却ドラムの速度が
30m/min.以上の条件で束縛気泡による欠陥がな
くシート品質が良好な場合を◎、溶融押出後のポリエス
テルシートのIV低下率が10%未満であり、そして、
回転冷却ドラムの速度30m/min.未満の条件で束
縛気泡による欠陥が無くシート品質が良好な場合を○、
IV低下率が10%以上であり、しかも、シートに束縛
気泡が存在したり安定な静電密着力が得られなかった場
合を×とした。
【0037】実施例1 比抵抗が167×107Ωcm、IVが0.649のポ
リエステルにポリエステル中のマグネシウム原子濃度が
45ppmになる様にステアリン酸マグネシウムを添加
し、シリンダー直径120mmのベント式二軸押出機内
で溶融させ、引き続き、ギアポンプを介して口金からシ
ート状に押し出し、直径0.04mmのワイヤー電極に
より、30℃の回転冷却ドラム(金属製)表面に静電密
着せしめ、厚さ220μmのシートを得た。二軸押出機
のスクリュー回転数は167rpm、押出量は1,00
0kg/h、電極に付与した電圧は5.0kV、電極に
流れた電流は1.2mA、回転冷却ドラムの表面速度は
20m/min.であった。得られたシートは、溶融の
際の比抵抗が1.7×107Ωcm、IVが0.629
であり、束縛気泡などの欠陥がなく、厚さの均一性も良
好であった。得られたシートの比抵抗、IV及び総合評
価の結果を表1に示す。
【0038】実施例2 実施例1において、ポリエステル中のマグネシウム原子
濃度が24ppmになる様にステアリン酸マグネシウム
を添加した以外は、実施例1と同様の方法によって非晶
質シートを得た。得られたシートは、溶融の際の比抵抗
が2.8×107Ωcm、IVが0.632であり、束
縛気泡などの欠陥がなく、厚さの均一性も良好であっ
た。得られたシートの比抵抗、IV及び総合評価の結果
を表1に示す。
【0039】実施例3 実施例1において、ポリエステル中のマグネシウム原子
濃度が120ppmになる様にステアリン酸マグネシウ
ムを添加した以外は、実施例1と同様の方法によって非
晶質シートを得た。7.0kVの電圧を印加した際に電
極に流れた電流は2.6mAであった。得られたシート
は、溶融の際の比抵抗が3.7×107Ωcm、IVが
0.619であり、シートの品質は実施例1と同様に良
好であった。得られたシートの比抵抗、IV及び総合評
価の結果を表1に示す。
【0040】実施例4〜6 実施例1において、回転冷却ドラムの表面速度をそれぞ
れ40m/min.、70m/min.、80m/mi
n.とした以外は、実施例1と同様の方法により非晶質
シートを得た。シートの品質は実施例1と同様に良好で
あった。得られたシートの比抵抗、IV及び総合評価の
結果を表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1において、ステアリン酸マグネシウムを添加し
なかった以外は、実施例1と同様にして非晶質シートを
得た。得られたシートには、束縛気泡によるクレーター
状の品質欠陥が多数存在し、品質的に不合格であった。
得られたシートの比抵抗、IV及び総合評価の結果を表
1に示す。
【0042】比較例2 実施例1において、ステアリン酸マグネシウムを添加せ
ず回転冷却ドラムの速度を80m/min.とした以外
は、実施例1と同様にして非晶質シートを得ようとした
が、静電密着力が不十分で、シートが冷却ドラムに密着
せず、良好な非晶質シートを得ることが出来なかった。
得られたシートの比抵抗、IV及び総合評価の結果を表
1に示す。
【0043】比較例3 実施例1において、シリンダー直径200mmのベント
式でない単軸押出機を使用した以外は、実施例1と同様
にして非晶質シートを得た。得られたシートは、溶融の
際の比抵抗が2.0×107Ωcm、IVが0.495
であり、シートのIV低下が大きく、実用に供すること
が出来なかった。得られたシートの比抵抗、IV及び総
合評価の結果を表1に示す。
【0044】比較例4 実施例1において、ポリエステル中のマグネシウム原子
濃度が2、000ppmになる様にステアリン酸マグネ
シウムを添加した以外は、実施例1と同様にして非晶質
シートを得ようとしたが、溶融粘度が著しく低下し、安
定して非晶質シートを得ることが出来なかった。得られ
たシートは、IVが0.400と極めて低く、ポリエス
テルシートとして採用不可能であった。得られたシート
の比抵抗、IV及び総合評価の結果を表1に示す。
【0045】比較例5 実施例1において、セバシン酸マンガンのポリエステル
中の濃度が200ppmになる様に添加して回転冷却ド
ラムの表面速度を70m/min.とした以外は、実施
例1と同様の方法により非晶質シートを得ようとした
が、静電密着力が不十分であり、得られたシートは、束
縛気泡が多数存在し、品質的に不合格であった。得られ
たシートの比抵抗、IV及び総合評価の結果を表1に示
す。
【0046】
【表1】 (1)押出前 比抵抗 167×107 Ωcm (2)押出前 IV 0.649 dl/g
【0047】
【発明の効果】以上、説明した本発明によれば、溶融押
出し後のポリエステルの重合度低下を最小限に抑制した
上でその比抵抗を低減することにより、高品質なポリエ
ステルシートを生産性よく製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で使用されるベント式二軸押
出機の一例の側面説明図
【符号の説明】
1:ベント式二軸押出機 2:加熱シリンダー 3:スクリュー 4:押出口 6:ベント孔 8:逆ネジ 9:原料投入口 M:スクリュー駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機から回転冷却ドラム上に押し出さ
    れた溶融ポリエステルシートを静電密着法により上記の
    回転冷却ドラムの表面に密着させるポリエステルシート
    の製造方法において、押出機としてベント式二軸押出機
    を使用し、原料ポリエステルとして溶融の際の比抵抗が
    1×107Ωcm以上のポリエステルを使用し、当該ポ
    リエステルと共にポリエステル中のマグネシウム原子の
    濃度が0.5〜1,000ppmの範囲になる量の脂肪
    族モノカルボン酸のマグネシウム塩を押出機に供給する
    ことを特徴とするポリエステルシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族モノカルボン酸のマグネシウム塩
    としてステアリン酸マグネシウムを使用する請求項1に
    記載のポリエステルシートの製造方法。
  3. 【請求項3】 同方向回転型ベント式二軸押出機を使用
    する請求項1又は2に記載のポリエステルシートの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 ベント式二軸押出機のシリンダー内径
    (直径)をD(mm)とした際、単位時間当たりの押出
    量Q(kg/hr.)とスクリュー回転数N(rpm)
    とが次の式(1)を満足する条件に溶融押出を行う請求
    項1〜3の何れかに記載のポリエステルシートの製造方
    法。 【数1】 5.2×10-6×D2.8≦Q/N≦15.8×10-6×D2.8 ・・・(I)
  5. 【請求項5】 回転冷却ドラムの表面速度が30m/m
    in.以上である請求項1〜4の何れかに記載のポリエ
    ステルシートの製造方法。
JP9120167A 1996-08-30 1997-04-23 ポリエステルシートの製造方法 Pending JPH10296838A (ja)

Priority Applications (11)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9120167A JPH10296838A (ja) 1997-04-23 1997-04-23 ポリエステルシートの製造方法
EP97114950A EP0826478B2 (en) 1996-08-30 1997-08-28 Process for producing polyester composition
DE69722531T DE69722531T3 (de) 1996-08-30 1997-08-28 Verfahren zur Herstellung einer Polyesterzusammensetzung
EP02004973A EP1213123B1 (en) 1996-08-30 1997-08-28 Process for producing polyester composition
DE69734688T DE69734688T2 (de) 1996-08-30 1997-08-28 Verfahren zur Herstellung einer Polyesterzusammensetzung
US08/920,007 US5833905A (en) 1996-08-30 1997-08-29 Process for producing polyester composition
US08/990,523 US5958659A (en) 1996-12-17 1997-12-15 Polyester-based photographic support and process for producing the same
EP98107167A EP0873844B1 (en) 1997-04-23 1998-04-20 Process for producing polyester composition
DE1998617063 DE69817063T2 (de) 1997-04-23 1998-04-20 Verfahren zur Herstellung einer Polyesterzusammensetzung
US09/063,355 US6361734B1 (en) 1997-04-23 1998-04-21 Process for producing polyester composition
KR10-1998-0014301A KR100450143B1 (ko) 1997-04-23 1998-04-22 폴리에스테르조성물의제조방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9120167A JPH10296838A (ja) 1997-04-23 1997-04-23 ポリエステルシートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10296838A true JPH10296838A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14779609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9120167A Pending JPH10296838A (ja) 1996-08-30 1997-04-23 ポリエステルシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10296838A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116330616A (zh) * 2023-05-30 2023-06-27 河北凯力华维包装科技有限公司 一种改性pet材料及其制备方法与应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116330616A (zh) * 2023-05-30 2023-06-27 河北凯力华维包装科技有限公司 一种改性pet材料及其制备方法与应用
CN116330616B (zh) * 2023-05-30 2023-08-29 河北凯力华维包装科技有限公司 一种改性pet材料及其制备方法与应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1213123B1 (en) Process for producing polyester composition
JP3678186B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロール
JP4158775B2 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールの製造方法
KR100450143B1 (ko) 폴리에스테르조성물의제조방법
US6361734B1 (en) Process for producing polyester composition
JP2004027229A (ja) ポリエステルフィルム及びその製造方法ならびにポリエステル
JPH10296838A (ja) ポリエステルシートの製造方法
JP5027406B2 (ja) 改質ポリエチレンナフタレート樹脂組成物の製造方法
JPH10329188A (ja) ポリエステル組成物およびシート、フイルムの製造方法
JP3577184B2 (ja) ポリエステルシートの製造方法
JP4552633B2 (ja) 低誘電性樹脂フィルム
JP6854121B2 (ja) フィルム又はラミネート用ポリブチレンテレフタレート系樹脂
JP3911069B2 (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JP2004175067A (ja) 熱収縮性ポリエステルフィルム及びその製造方法
JP5492569B2 (ja) ポリエステル樹脂、その製造方法およびそれを用いた二軸配向ポリエステルフィルム
JP4951156B2 (ja) ポリエステルフィルム
JP5069434B2 (ja) ポリエステル組成物およびその製造方法
JPH1095042A (ja) ポリエステルシートの製造方法
JP3770420B2 (ja) 導電性エンボスキャリヤテープ用積層ポリエステルシート
JPH0721099B2 (ja) フイルム用ポリエステル組成物
JP3617735B2 (ja) 金属板貼合せ加工用ポリエステルフィルム
JPH1077393A (ja) ポリエステル組成物の製造方法
JP2003335849A (ja) 成形用原料熱可塑性樹脂およびその製造方法ならびに当該樹脂から成るフィルムの製造方法
JP2002308971A (ja) ポリエステルフィルム
JPH10323831A (ja) ポリエステル組成物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051026

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051108

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060301