JP3910748B2 - 容器回転型混合乾燥機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体等を混合・乾燥等させるための容器回転型混合乾燥機に関し、詳しくは容器回転型混合乾燥機における摺動部近傍の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、容器回転型混合乾燥機としては、例えば、図4および図5に示すような構成のものが知られている。図5は、図4のB部拡大図を示したものである。以下、図4および図5を用いて従来技術に係る容器回転型混合乾燥機について説明する。
【0003】
図4および図5に示された容器回転型混合乾燥機においては、容器41内に吸引管42の一端部が挿入され、吸引管42を固定した状態で、容器41が回転可能であるように構成されている。そして、容器41と吸引管42との間に設けられた摺動部には、摺動部の機密性を保持するためにドライメカニカルシールが設けられている。ここで、ドライメカニカルシールは、例えば、スリーブ43と、容器41と共に吸引管42の外周面を回転するフッ素樹脂製のシールリング44と、内周面が吸引管42に当接し外周面が容器41側に当接するセラミックリング45等とから構成されている。
【0004】
なお、この容器回転型混合乾燥機においては、上記ドライメカニカルシールのみでは、粉粒体やスラリー等に対する適用は難しいので、摺動部の機密性をより一層高めるために、ドライメカニカルシールの前段、いわゆるスリーブ43における容器41内側の端部近傍に、粉粒体やスラリー等の侵入を防止するための(摺動部の機密性をより一層高めるための)シール部46が設けられている。ここで、シール部46は、例えば、コードシール、Vリング、Xリング、グランドパッキン等のシールパッキンで構成されている。
【0005】
以上のように構成された従来技術に係る容器回転型混合乾燥機を用いて粉粒体等の混合・乾燥等を行う場合には、容器41内に粉粒体等を投入した後に、吸引管42で気体を吸引して容器41内を真空状態としながら、容器41を回転駆動させる。このようにして、容器41内の粉粒体等が、適当に混合・乾燥されることとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係る容器回転型混合乾燥機は、以下のような問題点を有していた。
【0007】
まず、上記容器回転型混合乾燥機においては、摺動部に対する粉粒体等の侵入を防止するためにシール部46を設けているわけであるが、粉粒体等の粒径によっては、シール部46と、吸引管42あるいはスリーブ43との間における粉粒体等の噛み込みは如何ともし難く、この噛み込みによって、シール部46等が摩耗したり、腐食されたりするケースが少なくなかった。
このような摩耗等が発生すると、粉粒体等が摺動部に侵入して摺動部等(延いては容器回転型混合乾燥機)の故障原因等になると共に、シール部46等の摩耗粉が容器41内の製品に混入して、製品が汚染されるという問題があった。さらに、シール部46等に摩耗等が発生すると、一つの容器41を用いて複数種の粉粒体等の混合・乾燥を行う場合において、一の粉粒体等の処理を終えた後に、容器41内を清掃しても、シール部46等の摩耗等した部分に一の粉粒体等が残留していることがあるため、次に、他の粉粒体等の処理を行う際に、残留していた一の粉粒体等が他の粉粒体等に混入して交叉汚染が発生するという問題があった。
【0008】
また、上記従来技術に係る容器回転型混合乾燥機においては、粉粒体等の混合・乾燥処理を行う際に、吸引管42を用いて容器41内が真空引きされているので、結果的に、ドライメカニカルシールを含んだ摺動部近傍をも真空状態またはそれに近い状態となる。上記容器回転型混合乾燥機によれば、このような状態(真空状態)で粉粒体等の混合・乾燥処理が終了した後には、容器41内から復圧処理が開始される。したがって、一時的に、容器41内部よりも摺動部近傍が低圧状態となるため、この復圧処理時に、容器41内の粉粒体等が摺動部近傍に引き込まれて、シール部46と、吸引管42あるいはスリーブ43との間において粉粒体等の噛み込みが発生するという問題があった。このような噛み込みが発生すると、上述したように、摺動部の故障、汚染、あるいは交叉汚染等の種々の問題が発生する。
【0009】
さらに、従来技術に係る容器回転型混合乾燥機においては、吸引管42とシール部46とが接触しているので、容器41が回転する際に、スリーブ43とシール部46との間、およびシール部46と吸引管42との間で、摩擦熱が発生する。このような摩擦熱が発生すると、容器41を回転させて粉粒体等の混合・乾燥処理を行う際に、粉粒体等がシール部46等の近傍に接触して、粉粒体等が余計な加熱を受け、製品等の品質を所定値に維持することが困難であるという問題があった。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来技術に係る容器回転型混合乾燥機の問題点を解決するためになされたものであって、摺動部の機密性を維持するために設けられたシール部に対する粉粒体等の噛み込みおよびこれに起因する摩耗等を無くし、容器内の復圧時における摺動部近傍への粉粒体等の引き込みおよびこれに起因するシール部に対する粉粒体等の噛み込みを無くすことができると共に、シール部近傍の発熱を防止することが可能である容器回転型混合乾燥機を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、上記課題を解決するための本発明は、容器1と、該容器1内に一端部が挿入された吸引管13と、前記容器1と前記吸引管13との間に設けられた摺動部とを備え、吸引管13にて容器1内を真空状態にする真空工程と、前記吸引管13を固定した状態で吸引管13の外周面に沿って容器1を回転駆動させる回転工程とによって、容器1内の被収容物を混合乾燥処理する容器回転型混合乾燥機において、前記吸引管13内部を通して、前記摺動部から前記容器1内に気体が噴出されることを特徴とする。ここで、本発明に係る容器回転型混合乾燥機とは、容器内の粉粒体等(被収容物)に対する混合処理および乾燥処理の少なくとも一方の処理を行うことができる装置である。
【0012】
本発明に係る容器回転型混合乾燥機によれば、前記吸引管13内部を通して、前記摺動部から前記容器1内に気体が噴出されているので、前記容器1内で処理されている粉粒体等が摺動部近傍に接近、接触等しても、摺動部近傍からの気体の噴出によって粉粒体等が吹き飛ばされて除去される。したがって、本発明によれば、前記摺動部近傍に対する前記粉粒体等の噛み込み、および前記摺動部内に対する前記粉粒体等の侵入等を防止することができる。また、本発明によれば、前記摺動部近傍に対する粉粒体等の噛み込み等を防止することができるので、従来技術において前記粉粒体等の噛み込みに起因して発生していた、摺動部近傍等の摩耗、およびこれらの噛み込み、摩耗等に起因した製品の汚染および交叉汚染等をも防ぐことが可能となる。
【0013】
また、本発明に係る容器回転型混合乾燥機においては、前記真空工程と前記回転工程とによって前記混合乾燥処理をしたのちに、容器1内の圧力を真空状態から大気圧状態にまで復帰させる復圧工程を具備し、少なくとも該復圧工程時に、前記摺動部から前記容器1内に気体が噴出されることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る容器回転型混合乾燥機においては、前記吸引管13内には、その一端部20aが前記摺動部近傍に開口し、他端部20bが前記吸引管13の外部に開口した内装管20が設けられており、前記摺動部には、前記内装管20の他端部20bから一端部20aへ向けて供給される気体を、前記摺動部から前記容器1内に噴出するための気体噴出部が設けられており、該気体噴出部は、前記内装管20の一端部20aに接続された気体分散室22と、該気体分散室22の後流側に位置するスリーブ21とを備え、前記内装管20の一端部20aが、気体分散室22の気体導入部22aに接続され、この気体分散室22の気体噴出口22bの後流側であって且つ気体分散室外周面22cの外側に、所定の間隔を有してスリーブ21のラビリンス部21aが設けられていることが好ましい
【0019】
また、本発明に係る容器回転型混合乾燥機においては、前記容器1内の圧力変動に応じて、前記摺動部から前記容器1内に前記気体が噴出される構成であることが好ましい。例えば、前記摺動部近傍と前記容器1内との間における圧力変動を検知し、この検知値に基づいて、前記摺動部の方が前記容器1内よりも低圧力値である場合において、前記前記摺動部から前記容器1内に前記気体が噴出される構成であることが好ましい。
【0020】
この好ましい例によれば、前記容器1内の圧力変動に応じて前記気体を噴出させることによって、前記摺動部近傍と前記容器1との圧力差に起因した、摺動部近傍に対する粉粒体等の引き込みを防止することが可能となる。したがって、この好ましい例によれば、前記粉粒体等の引き込みを防止すると共に、これに起因した粉粒体等の噛み込み等の種々の問題を防止することが可能となる。
【0021】
さらに、本発明に係る容器回転型混合乾燥機においては、上述したように、前記摺動部近傍から前記気体を噴出させると共に、従来技術において用いられていたシール部46(図5参照)を使用することなく、容器回転型混合乾燥機の摺動部近傍における気密性保持部を構成することができるので、従来発生していたシール部46等についての粉粒体等の噛み込み、およびシール部46等の摩耗、ならびにこれらの噛み込み、摩耗等に起因した製品の汚染および交叉汚染等を防ぐことが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る容器回転型混合乾燥機においては、前記摺動部近傍から前記気体を噴出させているので、前記摺動部近傍で発生する摩擦熱等が緩和される。したがって、本発明によれば、前記粉粒体等の混合・乾燥処理を行う際に、粉粒体等が前記摺動部近傍に接近、接触等した場合であっても、前記摺動部近傍は前記気体(例えば、窒素ガス等)よって冷却されているので、前記粉粒体等が余計な加熱等を受けず、比較的容易に製品等の品質を所定値に維持することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る容器回転型混合乾燥機を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る容器回転型混合乾燥機の概略側面図を示したものである。また、図2は、図1の容器回転型混合乾燥機の要部断面図を示したものである。ここで、本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機は、容器内の被収容物(粉粒体等)に対する混合処理および乾燥処理の少なくとも一方の処理を行うことができる装置である。
【0025】
図1および図2に示された容器回転型混合乾燥機によれば、ダブルコーン型の容器1の上端部には、蓋体2が開閉自在に設けられた投入口3を有し、容器1の下端部には、バタフライ弁(図示省略)等が設けられた排出口4を有している。
【0026】
また、容器1の各側面中央には、軸状体5が水平に突設されている。基台6上の左右には、取り付け台7が立設されており、この取り付け台7の上端に固定された軸受け台8により軸状体5が回転支持されている。
【0027】
容器1を回転させるためのモータ9にはスプロケット10が設けられており、、このモータ9からの動力が、スプロケット10、チェーン11、およびスプロケット12を設けた一方の軸状体5を介して容器1に伝達され、これにより、容器1が回転駆動される。
【0028】
吸引管13は、他方の軸状体5に挿通され、その一端部が容器1内に挿入されており、この吸引管13の一端部には、フィルタ14が取り付けられている。このフィルタ14は、ステンレス鋼製金網等を用いて形成されており、容器1内の粉粒体等が真空側(吸引管13内)へ混入することを防止している。
【0029】
また、容器1内には、吸引管13を介して鞘管15が設けられている。この鞘管15は、温度計を装着したり、容器1内を加湿等するために設けられている。
【0030】
また、吸引管13内には、内装管20が設けられている。この内装管20の一端部20aは、吸引管13を介して、容器1と吸引管13との摺動部近傍に開口されている。さらに、内装管20の他端部20bは、吸引管13を介して、吸引管13の外部に開口されている。
そして、本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機によれば、内装管20の他端部20bから供給された気体が、内装管20の一端部20aを介して摺動部近傍に噴出されるように構成されている。以下、摺動部近傍の構成について、図3を用いて説明する。
【0031】
図3は、図2のA部(いわゆる摺動部近傍)の拡大図を示したものである。図3によれば、容器1と吸引管13との間における摺動部には、この摺動部の機密性を保持する(換言すれば、容器1内部と吸引管13内部との遮断状体を保持する)ように構成された機密性保持部と、摺動部近傍から容器1側に対して気体を噴出するように構成された気体噴出部等とが設けられている。
【0032】
機密性保持部は、ドライメカニカルシールを用いて構成されており、具体的には、ラビリンス部21aを有したスリーブ21と、内装管20からの気体を適当に分散させるための気体分散室22と、容器1と共に吸引管13の外周面を回転するフッ素樹脂製のシールリング23と、内周面が吸引管13に当接しているセラミックリング24等とを用いて構成されている。ここで、スリーブ21とシールリング23とは、容器1と共に吸引管13の外周面を回転するように構成されており、スリーブ21のラビリンス部21aは、気体分散室の外周面(気体分散室外周面)22cと所定の距離を有するように設けられている(ラビリンス部21aと気体分散室外周面22cとは非接触状態となるように設けられている)。
【0033】
気体噴出部は、内装管20の一端部20aに接続された気体分散室22と、この気体分散室22の後流側に位置するスリーブ21等とを用いて構成されている。具体的には、気体を供給する部位である内装管20の一端部20aが、気体分散室22の気体導入部22aに接続され、この気体分散室22の気体噴出口22bの後流側であって且つ気体分散室外周面22cの外側に、所定の間隔を有してスリーブ21のラビリンス部21aが設けられている(ラビリンス部21aと気体分散室外周面22cとは非接触状態となるように設けられている)。
そして、この気体噴出部においては、内装管20の他端部20b(図2参照)から供給された気体が、内装管20の一端部20a、気体導入部22a、気体噴出口22b、および気体分散室外周面22cとラビリンス部21aとの間を介して、容器1内に噴出される。
【0034】
本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機は以上のように構成されており、各構成要素は、以下のように作動する。
【0035】
まず、本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機においては、処理(混合、乾燥等)されるべき粉粒体等が、投入口3から容器1内に投入される。ここで、粉粒体等としては、例えば、化学・医薬品業界等の分野における医薬原体または中間体等があげられる。
【0036】
次に、容器1内に粉粒体等が投入された後、吸引管13で気体を吸引して容器1内を真空状態としながら、モータ9を始動させて、スプロケット10、チェーン11、スプロケット12、軸状体5等を介して、容器1を回転駆動させる。本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機においては、この容器1内を真空状態とする工程(以下、「真空工程」ともいう。)と、容器1を回転駆動させる工程(以下、「回転工程」ともいう。)とによって、容器1内の粉粒体等が適当に処理(混合・乾燥等)されることとなる。
【0037】
そして、本実施形態においては、上述した処理(混合・乾燥等)が行われる際に、吸引管13の外周面に設けられた気体分散室22とスリーブ21との間から、窒素ガス等の気体が噴出される。具体的には、吸引管13の内部に設けられた内装管20の他端部20bから供給された気体が、内装管20、内装管の一端部20a、気体分散室22の気体導入部22a、気体噴出口22b、および気体分散室外周面22cとスリーブ21のラビリンス部21aとの間隙を介して、容器1内に噴出される。
この際、噴出される気体の量は、例えば、1〜2Nl/min程度に設定されるが、この値は特に限定されるものではなく、噴出される気体の圧力が、容器1内の圧力よりも若干、例えば0.1〜1.9kgf/cm2 程度、高めであるように設定されておればよい。すなわち、噴出される気体の量あるいは圧力については、気体が適当に(後述する本実施形態の効果を得られるように)容器1内に噴出されるような設定値(流量値、圧力値等)となっておればよい。
【0038】
また、上記気体の噴出は、容器1内の復圧工程(容器1内の圧力を真空状態から大気圧状態にまで復帰させる工程)が終了するまで行われる。この際、気体の圧力値は、容器1内の圧力に応じて、上述したように、少なくとも容器1内圧力よりも高い値になるように設定する。したがって、この圧力設定は、あらかじめ、復圧時の状態(いわゆる大気圧状態)を考慮した値(大気圧以上の値)としても、または、真空工程時と復圧工程時とを異なる値(真空工程時の方が復圧工程時よりも小さな値)として設定してもよい。
【0039】
本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機によれば、容器1内の粉粒体等の処理が行われる際に、容器1と吸引管13との間に設けられた摺動部近傍から窒素ガス等の気体が噴出される。したがって、本実施形態によれば、容器1内で処理されている粉粒体等が摺動部近傍に接近、接触等しても、摺動部近傍からの気体の噴出によって粉粒体等が吹き飛ばされ、吸引管13の外周面に設けられた気体分散室22の外周面22cとスリーブ21との間における粉粒体等の噛み込みを防止することが可能となる。よって、当然のことながら、摺動部内に対する粉粒体等の侵入をも防止することができる。
すなわち、本実施形態によれば、上述したように、摺動部近傍から気体を噴出させると共に、従来技術において用いられていたシール部46(図5参照)を使用することなく、容器回転型混合乾燥機の摺動部近傍における気密性保持部を構成しているので、従来発生していたシール部46等についての粉粒体等の噛み込み、およびシール部46等の摩耗、ならびにこれらの噛み込み、摩耗等に起因した製品の汚染および交叉汚染等を防ぐことが可能となる。
【0040】
また、本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機によれば、摺動部近傍から気体を噴出させることによって、摺動部近傍が、少なくとも容器1内圧力よりも高い値になるように構成されている。したがって、本実施形態によれば、真空工程、回転工程、および復圧工程のどの工程においても、摺動部近傍と容器1との圧力差に起因した、摺動部近傍に対する粉粒体等の引き込みを防止することが可能となる。よって、本実施形態によれば、上記粉粒体等の引き込みに起因した粉粒体等の噛み込み等の種々の問題を防ぐことができる。
【0041】
さらに、本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機によれば、従来技術のようなシール部46を必要とせず(図5参照)、また、容器1を回転させる場合の摺動部における接触部(吸引管13の外周面に設けられた気体分散室22とスリーブ21との間)から窒素ガス等の気体を噴出させている。したがって、上記接触部の摩擦熱は、窒素ガス等の噴出によって冷却されることとなる。よって、本実施形態によれば、粉粒体等の混合・乾燥処理を行う際に、粉粒体等が摺動部近傍に接触した場合であっても、気体分散室外周面22cとスリーブ21との接触部分等の摺動部近傍は窒素ガス等によって冷却されているので、粉粒体等が余計な加熱等を受けず、比較的容易に製品等の品質を所定値に維持することが可能となる。
【0042】
なお、以上に説明した本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機においては、噴出される気体が窒素ガス等である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、清浄な乾燥空気、不活性ガス等であってもよい。
【0043】
また、本実施形態においては、気体を常に噴出する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、特定のタイミングで気体を噴出するように構成してもよい。例えば、摺動部に対する粉粒体等の引き込みが特に問題となる復圧工程時にのみ気体を噴出させたり、また例えば、摺動部近傍と容器1内とに何らかの圧力センサを設け、摺動部近傍と容器1内との圧力差を検知し、その圧力変動値に応じて、例えば、摺動部近傍の圧力が容器1内の圧力よりも低下した場合に、気体を噴出させるように構成してもよい。
【0044】
また、本実施形態においては、噴出口22aが複数設けられた場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。したがって、例えば、吸引管13の周囲に一つの噴出口が形成されており、その形状(例えば断面形状)が気体を均一に噴出可能であるように形成されていればよい。
【0045】
また、本実施形態においては、容器1がダブルコーン型である場合について説明したが、本発明に係る容器1の形状は、これに限定されるものではない。したがって、例えば、容器1が、球型、直方体型、円筒型、V型等であってもよい。
【0046】
また、本実施形態においては、内装管20に供給された気体が、気体分散室22およびラビリンス部21aを介して(すなわち、何らかの圧損部を介して)、容器1側に噴出される場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、気体が容器1側に均一に噴出されるのであれば、いかなる構成であってもよい。したがって、例えば、圧損部として気体分散室22、あるいはラビリンス部21aのいずれか一方のみを設けてもよい。また、さらには、気体分散室22およびラビリンス部21a以外の気体を均一に噴出させるための圧損部としての他の構成要素を付加してもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る容器回転型混合乾燥機の摺動部近傍で噴出される気体には、キャリアガスとしての機能を持たせることも可能である。そうすれば、容器1における混合・乾燥処理等の効率をあげることができる。ここで、キャリアガスとは、容器1内に吹き込むことによって、粉粒体等内に含まれる蒸発成分を同伴、分離しやすくさせ、操作圧力の一部を分圧として担わせて溶媒の蒸気圧を低くさせることで蒸気効率を上昇させる等の機能を有するガスである。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、必要に応じて、摺動部近傍から容器側に対して窒素ガス等の気体が噴出される。したがって、本発明によれば、摺動部の機密性を維持するために設けられた機密性保持部等に対する粉粒体等の噛み込みおよびこれに起因する摩耗等を無くし、容器内の復圧工程時における摺動部近傍への粉粒体等の引き込みおよびこれに起因する摺動部近傍(機密性保持部等)に対する粉粒体等の噛み込みを無くすことができると共に、摺動部近傍(機密性保持部等)の発熱を防止することが可能である容器回転型混合乾燥機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る容器回転型混合乾燥機の概略側面図
【図2】図1に示された容器回転型混合乾燥機の要部断面図
【図3】図2のA部拡大図
【図4】従来技術に係る容器回転型混合乾燥機の要部断面図
【図5】図4のB部拡大図
【符号の説明】
1…容器、2…蓋体、3…投入口、4…排出口、5…軸状体、6…基台、7…取り付け台、8…軸受け台、9…モータ、10,12…スプロケット、11…チェーン、13…吸引管、14…フィルタ、15…鞘管、20…内装管、20a…内装管の一端部、20b…内装管の他端部、21…スリーブ、21a…ラビリンス部、22…気体分散室、22a…気体導入部、22b…気体噴出口、22c…気体分散室外周面、23…シールリング、24…セラミックリング

Claims (4)

  1. 容器(1)と、該容器(1)内に一端部が挿入された吸引管(13)と、前記容器(1)と前記吸引管(13)との間に設けられた摺動部とを備え、吸引管(13)にて容器(1)内を真空状態にする真空工程と、前記吸引管(13)を固定した状態で吸引管(13)の外周面に沿って容器(1)を回転駆動させる回転工程とによって、容器(1)内の被収容物を混合乾燥処理する容器回転型混合乾燥機において、前記吸引管(13)内部を通して、前記摺動部から前記容器(1)内に気体が噴出されることを特徴とする容器回転型混合乾燥機。
  2. 前記真空工程と前記回転工程とによって前記混合乾燥処理をしたのちに、容器(1)内の圧力を真空状態から大気圧状態にまで復帰させる復圧工程を具備し、少なくとも該復圧工程時に、前記摺動部から前記容器(1)内に気体が噴出される請求項1に記載の容器回転型混合乾燥機。
  3. 前記吸引管(13)内には、その一端部(20a)が前記摺動部近傍に開口し、他端部(20b)が前記吸引管(13)の外部に開口した内装管(20)が設けられており、前記摺動部には、前記内装管(20)の他端部(20b)から一端部(20a)へ向けて供給される気体を、前記摺動部から前記容器(1)内に噴出するための気体噴出部が設けられており、該気体噴出部は、前記内装管(20)の一端部(20a)に接続された気体分散室(22)と、該気体分散室(22)の後流側に位置するスリーブ(21)とを備え、前記内装管(20)の一端部(20a)が、気体分散室(22)の気体導入部(22a)に接続され、この気体分散室(22)の気体噴出口(22b)の後流側であって且つ気体分散室外周面(22c)の外側に、所定の間隔を有してスリーブ(21)のラビリンス部(21a)が設けられている請求項1又は2の何れかに記載の容器回転型混合乾燥機。
  4. 前記容器(1)内の圧力変動に応じて、前記摺動部から前記容器(1)内に前記気体が噴出される請求項1から3のいずれか1項に記載の容器回転型混合乾燥機。
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