JP3910508B2 - レンズ付きフイルムユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の撮影モードを一つの操作部材で選択できるようにしたレンズ付きフイルムユニットに関し、更に詳しくは、操作部材を初期位置に向けてバネ付勢したレンズ付きフイルムユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製造時に写真フイルムが装填されたレンズ付きフイルムユニットが各種販売されている。初期のレンズ付きフイルムユニットは、絞りやシャッタ速度,焦点距離等が固定であった。しかし、適正な露出で撮影を行なうことができる撮影条件が狭かったため、より撮影条件の範囲が広く、高画質な撮影を行なうことのできるレンズ付きフイルムユニットが望まれていた。
【0003】
上記要望に応えて、現在では、ストロボ撮影時に大絞りとなるレンズ付きフイルムユニット(特開2000−305221号)や、絞りとシャッタ速度とストロボ光量とが切り換えられる複数の撮影モードを備えたレンズ付きフイルムユニット(特願2002−151328号明細書)等が発明されている。また、この他にも、一つの操作部材の操作によって、焦点距離とストロボ光量とを切り替えて接写を可能にするレンズ付きフイルムユニット(商品名:「接写もできる写ルンです」)や、プリントサイズとファインダ視野との切り換えが可能なレンズ付きフイルムユニット(特開平10−031249号)等が各種販売されている。
【0004】
上述した複数の撮影モードを備えたレンズ付きフイルムユニットでは、ユーザーの誤使用防止と、切替機構の位置精度確保とのために、操作部材を初期位置にバネで付勢しておくことが一般的に行なわれている。例えば、特開2000−305221号公報記載のレンズ付きフイルムユニットでは、絞り切替部材にバネをかけ、この絞り切替部材を介して、連動している操作部材にバネ付勢を与えている。
【0005】
接写時に焦点距離とストロボ光量とが切り換えられるレンズ付きフイルムユニットでは、操作部材と、焦点距離を切り換える切替板と、ストロボ減光板とを一体に設け、切替板にトグルバネを取り付けることで、操作部材を初期位置に付勢している。また、特開平10−031249号公報記載のレンズ付きフイルムユニットでは、操作部材と、回転式の視野枠切替板とが一体に設けられており、この視野枠切替板にトグルバネを取り付けて操作部材を初期位置に付勢している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−305221号公報記載のレンズ付きフイルムユニットでは、ユーザーが操作部材に指をかけている状態や、操作部材に砂等の異物が挟まったときに、操作部材が切替途中の位置で停止されると、絞り切替板も切替途中で停止されるため、適正な絞りが得られなくなり、撮影画質が悪化してしまう。また、絞り切替板の絞り穴の無い部分が撮影光軸上にある状態で撮影すると、何も写らないことがある。
【0007】
また、接写可能なレンズ付きフイルムユニットや、特開平10−031249号公報記載のレンズ付きフイルムユニットでは、操作部材の操作によって動く部品が大きく、トグルバネの動作スペースも必要となるため、厚み方向の寸法が大きくなってしまう。更に、特願2002−151328号明細書記載のレンズ付きフイルムユニットは、3つの撮影モードを備えるとともに、操作部材の切替動作が、第1撮影モードと第2撮影モードとの間と、第2撮影モードと第3撮影モードとの間とで異なっているため、一定方向への移動によって切り換えを行なう機構は適用することができない。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためのもので、操作部材のバネ付勢を省スペース及びローコストで、信頼性高く行なうことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、本発明のレンズ付きフイルムユニットは、ストロボ光量切替手段を通常発光の状態となるように付勢し、かつ該ストロボ光量切替手段を介して操作部材を初期位置に向けて付勢する付勢手段を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したレンズ付きフイルムユニットの外観形状を示す斜視図である。レンズ付きフイルムユニット2は、各種撮影機構が組み込まれたユニット本体3と、このユニット本体3の製造時に装填されたフイルムパトローネと、ユニット本体3の外周に巻き付けられるようにして貼付されるラベル4とからなる。ラベル4には、ユニット本体3の各部を露呈させるための開口が形成されている。
【0011】
ユニット本体3の前面には、撮影レンズ5,ファインダ6,ストロボ発光部7,撮影モード選択部8等が設けられている。ユニット本体3の上面には、シャッタボタン9,カウンタ表示窓10,シグナル用開口11等が設けられている。ユニット本体3の背面からは、撮影後のフイルム巻き上げに用いられる巻上げノブ12の一部が露呈されている。
【0012】
撮影モード選択部8は、ユニット本体3の前面に形成された操作開口14と、この操作開口14内で移動自在とされた略小判形状の操作部材15とからなる。操作部材15は、操作開口14内の下方に位置する第1操作位置と、図2に示すように、第1操作位置から上方に向けてスライドされた第2操作位置と、図3に示すように、第2操作位置から図中時計方向に回動される第3操作位置との間で移動自在とされている。
【0013】
レンズ付きフイルムユニット2は、操作部材15が第1操作位置にある際に、ストロボOFF及び小絞り及び高速シャッタの日中撮影モード(第1撮影モード)となる。また、操作部材15が第2操作位置にある際には、ストロボON及び小絞り及び高速シャッタの日中シンクロ撮影モード(第2撮影モード)となる。この第2撮影モードでは、レンズ付きフイルムユニット2の上面からシグナル部材17が突出される。このシグナル部材17はライトガイドであり、ストロボ充電の完了時に発光する発光素子の光をユニット本体3外にガイドして、撮影準備が完了したことを知らせる。
【0014】
操作部材15が第3操作位置にある際には、ストロボON及び大絞り及び低速シャッタの夜間シンクロ撮影モード(第3撮影モード)となる。この第3撮影モードでは、ストロボ発光部7の前方に減光部材19が配置され、ストロボ光量の減光が図られる。また、ファインダ6の前方には、円板状の指標板20が配置される。この指標板20は、ファインダ6内で視認されることにより、レンズ付きフイルムユニット2が第3撮影モードにあることを撮影者に知らせる。
【0015】
図4は、ユニット本体3の構成を示す分解斜視図である。ユニット本体3は、135タイプのフイルムパトローネ22が装填される本体基部23と、この本体基部23の前面側に取り付けられるストロボユニット24と、撮影モードの切り替えを行う撮影モード切替機構25と、本体基部23の前面側及び背面側に取り付けられる前カバー26及び後カバー27とからなる。
【0016】
ストロボユニット24は、各種電気部品が取り付けられてストロボ回路が形成されたプリント基板29と、放電管やリフレクタ,拡散板等からなるストロボ発光部7とから構成されている。また、プリント基板29には、シャッタレリーズに連動してオンし、ストロボ発光を行わせるシンクロスイッチ30と、撮影モード選択部8の操作部材15の移動によってオン/オフされる充電スイッチを構成する金属接片31と、電池32をストロボ回路に接続する電池接片33等が取り付けられている。
【0017】
本体基部23の前面中央には、遮光筒35が設けられている。この遮光筒35の周囲には、シャッタチャージ機構,シャッタレリーズ機構,フイルム巻上げ機構,フイルム巻止機構,フイルムカウント機構,絞り切替機構,シャッタ速度切替機構,撮影光学系,ファインダ光学系等が組み込まれている。
【0018】
図5は、遮光筒35の周囲に組み込まれたシャッタレリーズ機構,絞り切替機構,シャッタ速度切替機構,撮影光学系のうち、絞り切替機構とシャッタ速度切替機構とに関連する部品の構成を示した分解斜視図である。符号37は、シャッタ羽根である。シャッタ羽根37は、ピンに挿通されて揺動自在に保持される穴37aと、露光開口38の前方に配置されて開閉を行う開閉部37bと、バネ39が掛けられるピン37cと、シャッタ駆動レバーによって蹴飛ばされる突出部37dと、ストロボユニット24のシンクロスイッチ30を動作させるシンクロ突起37eとが設けられている。
【0019】
シャッタ羽根37は、バネ39に付勢されて露光開口38を塞ぐ閉じ位置に保持されている。シャッタボタン9が押下されると、図示しないシャッタ駆動レバーによって突出部37dが図中左方から右方へと蹴飛ばされ、バネ39の付勢に抗してシャッタ羽根37が図中時計方向に回動する。これにより、露光開口38が開放されて写真フイルムに撮影が行なわれる。
【0020】
また、シャッタ羽根37は、開き位置への回動時にシンクロ突起37eでシンクロスイッチ30の上部金属接片30aを押圧し、下部金属接片30bに接触させる。一対の金属接片30a,30bが接触してシンクロスイッチ30がONすると、ストロボユニット24の発光部7においてストロボ発光が行われる。
【0021】
符号41は、撮影レンズ5等を保持するレンズホルダである。レンズホルダ41の前面には、撮影レンズ5や、大絞り開口が形成された絞り板等が収納される円筒形状の鏡筒42と、くの字形状の絞り切替板43を揺動自在に支持するピン44とが設けられている。絞り切替板43は、穴43aにピン44が挿入されることにより、レンズホルダ41の前面に揺動自在に保持され、鏡筒42に形成された切欠部分から鏡筒42内に挿脱される。そして、小絞り開口43bを撮影光軸上に挿脱することで、絞りを切り替える。
【0022】
レンズホルダ41の上部には、シャッタ速度切替レバー46を揺動自在に支持する軸47が形成されている。シャッタ速度切替レバー46は、軸47に支持されるボス48と、このボス48の側面から突出されたアーム49及び突出片50と、アーム49の先端に形成されたパッド51とからなる。なお、図示していないが、レンズホルダ41の前面には、撮影レンズ5や絞り切替板43等を押さえるレンズ押さえ板が取り付けられる。
【0023】
レンズホルダ41の軸47の先端には、一対の係止片53が対称に形成されている。シャッタ速度切替レバー46のボス48には、係止片53が挿入される一対の溝54がやはり対称に形成されている。シャッタ速度切替レバー46を軸47に取り付ける際には、係止片53と溝54とが合致するように軸47をボス48に挿入し、係止片53がボス48の上部に達するまで挿入してからシャッタ速度切替レバー46を僅かに回動させる。これにより、ボス48の上面が係止片53に押さえられるため、シャッタ速度切替レバー46がレンズホルダ41から不用意に外れることはない。
【0024】
図6(A)に示すように、シャッタ速度切替レバー46は、パッド51がシンクロスイッチ30の下部金属接片30bの自由端側の下方に挿入されて当接する高速シャッタ位置と、同図(B)に示すように、パッド51を下部金属接片30bの下方から退避させる低速シャッタ位置との間で回動される。
【0025】
シャッタ速度切替レバー46のパッド51が高速シャッタ位置にある際にシャッタレリーズが行われると、シャッタ羽根37のシンクロ突起37eに押圧されたシンクロスイッチ30の上部金属接片30aが下部金属接片30bに接触し、ストロボ発光が行われる。下部金属接片30bはパッド51に当接するため、シャッタ羽根37は途中で回動が阻止される。これにより、短時間でシャッタ羽根37が閉じ位置に復帰する。この高速シャッタでは、例えば1/120秒のシャッタ速度を得ることができる。
【0026】
上記とは逆に、シャッタ速度切替レバー46のパッド51が低速シャッタ位置にある際には、シャッタ羽根37の開き位置への回動が大きくなる。これは、金属接片30bの弾性変形が自由になるためである。その結果、シャッタ羽根37が閉じ位置に復帰するまでの時間が長くなって、シャッタ速度が遅くなる。この低速シャッタでは、例えば1/45秒のシャッタ速度を得ることができる。
【0027】
レンズホルダ41の鏡筒42の外周には、切替リング56が回動自在に嵌入される。切替リング56には、バネ57の一端が掛けられるバネ掛けピン56aと、シャッタ速度切替レバー46の突出片50が間に挟み込まれる一対の挟持ピン56b,56cと、背面側に突出され、撮影モード切替機構25によって押圧される従動ピン56dとが設けられている。符号56eは、絞り切替板43の屈曲されたスリット43cに挿入されるリンクピンである。
【0028】
バネ57の他端は、レンズホルダ41の前面下部に形成されたピン59に掛けられ、切替リング56を図中時計方向に付勢する。なお、バネ57によって付勢された切替リング56は、絞り切替板43によって初期位置に保持される。
【0029】
符号61は、操作部材15が一体に形成された切替板である。この切替板61には、水平方向に突出された押圧レバー62が一体に形成されている。押圧レバー62の先端には、押圧カム63が設けられている。操作部材15が第2操作位置から第3操作位置に回動すると、押圧カム63が切替リング56の従動ピン56dを下方から押圧する。これにより、切替リング56は図中反時計方向に回動される。
【0030】
図7(A)は、第2撮影モードにある際の切替リング56の状態を示している。操作部材15が第1操作位置及び第2操作位置にある際には、押圧レバー62の押圧カム63は切替リング56の従動ピン56dに接触しない。そのため、切替リング56は初期位置に保持されている。
【0031】
切替リング56が初期位置にある際には、絞り切替板43は鏡筒42内に挿入されており、小絞り開口43bが撮影光軸上に配置されて小絞り状態となる。この小絞り状態でのF値は、例えばF14となる。また、一対の挟持ピン56b,56cは、シャッタ速度切替レバー46を高速シャッタ位置に保持している。
【0032】
図7(B)に示すように、操作部材15が第2操作位置から第3操作位置へと回動されると、押圧カム63が従動ピン56dを下方から押圧して切替リング56を図中反時計方向に回動させる。この切替リング56の回動により、リンクピン56eにスリット43cが押圧された絞り切替板43は、図中時計方向に回動し、光軸上から退避して大絞り開口64を光軸上に配置する。大絞り状態でのF値は、例えばF5.6となる。また、一対の挟持ピン56b,56cはシャッタ速度切替レバー46を回動させ、パッド51を低速シャッタ位置にセットする。
【0033】
絞り切替板43のスリット43cは、絞り切替板43が小絞り位置にあるときに切替リング56と同心となる円弧と、絞り切替板43が大絞り位置にあるときに切替リング56と同心となる円弧とが組み合わされた形状となっている。これにより、振動や衝撃,撮影者の操作ミス等によって切替リング56が僅かに回動しても、絞り切替板43は揺動することはないため、絞り切替板43が中途半端な位置に停止されて撮影が行なわれることはない。
【0034】
図8は、撮影モード切替機構25の構成を示す分解斜視図である。撮影モード切替機構25は、切替板61と、軸受板67と、スライド板66と、受け板65と、減光レバー68と、減光板69と、表示レバー70とから構成されている。受け板65は、ストロボユニット24のプリント基板29の前面に取り付けられ、スライド板66と軸受板67とを上下方向でスライド自在となるように保持する。
【0035】
切替板61の背面には、円環形状の回動ガイド61aと、スライド板66をスライドさせる2本のスライドピン61b,61cと、操作部材15の回動時にクリック動作を行うクリックピン61dと、操作部材15の移動方向をガイドするガイドピン61eと、減光レバー68を動作させる減光用突起75とが設けられている。2本のスライドピン61b,61cは、回動ガイド61aの中に配置されている。
【0036】
切替板61は、回動ガイド61aが軸受板67に形成された軸受開口67aに挿入されて回動自在に保持される。切替板61とスライド板66との間では、切替板61のスライドピン61b,61cが軸受板67を貫通してスライド板66のスリット66b,66cに挿入されて連係している。
【0037】
操作部材15が第1操作位置から第2操作位置へとスライドされると、切替板61と軸受板67、切替板61とスライド板66との間の連係とによって、切替板61と軸受板67とスライド板66とが一緒に上方にスライドする。操作部材15が第2操作位置から第3操作位置へと回動されると、切替板61のスライドピン61cがスライド板66を更に上方にスライドさせる。切替板61のスライド及び回動軌跡は、ガイドピン61eが受け板65のガイドカム65bに沿って移動することで安定する。
【0038】
受け板65と軸受板67とには、上方にスライドされた軸受板67をその位置で保持するクリックストップ機構が設けられている。このクリックストップ機構は、受け板65に設けられた係止突起65aと、軸受板67に設けられた弾性突起67cとからなる。
【0039】
切替板61と軸受板67とには、操作部材15が第3操作位置に回動された際に切替板61をその位置で保持し、かつ第2操作位置よりも上方にスライドされたスライド板66をも保持するクリックストップ機構が設けられている。このクリックストップ機構は、切替板61のクリックピン61dと、軸受板67の弾性突起67dとからなる。
【0040】
スライド板66には、シグナル部材17の係合ピン17aに係合する係合部66eが設けられている。操作部材15が第1操作位置にある際には、シグナル部材17はユニット本体3内に収納されている。操作部材15が第2操作位置に操作されると、シグナル部材17はスライド板66のスライドに連動してユニット本体3の上面から突出される。また、操作部材15が第3操作位置に回動されると、スライド板66が更に上方にスライドするため、同様にシグナル部材17の突出量も大きくなる。
【0041】
軸受板67の背面には、操作部材15が第2操作位置または第3操作位置にある時に、スライド板66と受け板65とを貫通して、ストロボユニット24の充電スイッチの金属接片31を押圧する押圧片67eが設けられている。
【0042】
受け板65には、減光レバー68と表示レバー70とが回動自在に取り付けられるピン65c,65dが設けられている。ピン65cに取り付けられる減光レバー68のボス68dの外周には、捩じりバネ72が取り付けられる。この捩じりバネ72は、一端が減光レバー68に他端が固定板65に取り付けられて、減光レバー68を図中時計方向、すなわち減光部材19をユニット本体3内に収納する方向に付勢する。
【0043】
減光板69は、減光部材19の下方に縦方向の長穴69aと横方向の長穴69bとが形成されている。縦方向の長穴69aには、前カバー26の前面内壁でストロボ発光部の下方に形成された複数本のピン26bが挿入される。これにより、減光板69は前カバー26の内側において上下方向でスライド自在となる。横方向の長穴69bには、減光レバー68の先端に形成されたリンクピン68bが挿入される。
【0044】
図9に示すように、操作部材15が第2操作位置にあるときには、減光用突起75と、減光レバー68のリフト片77とが当接する。これにより、操作部材15は、捩じりバネ72の付勢によって第2操作位置に保持される。また、この第2操作位置では、リフト片77の円形の当接部77aと、減光用突起75の平坦なカム部75aとが当接しており、その圧力角αは小さい。そのため、操作部材15を第3操作位置に向けて回動する際に必要な回動力も小さくなる。
【0045】
図10に示すように、減光レバー68は、操作部材15が第3操作位置に操作された時に、減光用突起75でリフト片77が押圧され、捩じりバネ72の付勢に抗して図中反時計方向に回動する。その際に、リンクピン68bで減光板69を持ち上げ、減光部材19をストロボ発光部7の前方に挿入する。表示レバー70は、突起70aが減光レバー68のリンク開口68eに押圧されて時計方向に回動し、ファインダ6の前方に指標板20を挿入する。
【0046】
第2操作位置と第3操作位置との間では、絞りとシャッタ速度とが切り換えられる。そのため、振動や衝撃、操作ミスや異物等の詰まりによって、操作部材15が第2操作位置と第3操作位置との間で停止してしまうと、適正な絞りが得られなくなり、撮影画質が悪化してしまう。また、絞り切替板43の絞り穴の無い部分が撮影光上にある状態で撮影すると何も写らないことがある。同様に、シャッタ速度が不安定になったり、ストロボのシンクロミスが発生することもある。
【0047】
そのため、本実施形態では、減光レバー68を介して、捩じりバネ72で切替板61を第3操作位置から第2操作位置へと付勢している。これにより、操作部材15の操作を第2操作位置と第3操作位置との間で取りやめても、減光レバー68の押圧によって操作部材15を第2操作位置に移動させることができる。
【0048】
また、図11に示すように、切替板61と切替リング56との連係は、操作部材15が第2操作位置と第3操作位置との中間程度に達してから行なわれる。そのため、第2操作位置にある操作部材15に指かかりが発生して切替板61が僅かに回動しても、切替リング56は回動しないので、絞りやシャッタ速度が変化することはない。減光レバー68は、操作部材15の第2操作位置への移動とともに切替板61に連係するが、減光部材19の位置が多少ずれてもストロボ発光部7の下方が僅かに隠れるだけなので、撮影画像に大きな悪影響はない。
【0049】
更に、操作部材15が第3操作位置に回動された後に、操作部材15が僅かに回動しても、絞り切替板43は、切替リング56の僅かな回動に連動しないようにスリット43cの形状が工夫されているので、絞りが変化することはない。また、減光部材19の位置が多少ずれても、やはり撮影画像に大きな悪影響は及ぼさない。
【0050】
また、上面からシグナル部材が突出される従来のレンズ付きフイルムユニットでは、シグナル部材をユニット本体内に押し込むことで、ストロボ充電スイッチをオフさせることができた。この操作は、減光レバー68にバネ付勢を行なったことで、本実施形態のレンズ付きフイルムユニットにおいても可能となっている。
【0051】
操作部材15が第3操作位置にある状態で、シグナル部材17をユニット本体に押し込むと、スライド板66が下方にスライドされる。その際に、スライド板66がスライドピン61cを押圧して、切替板61を第2操作位置に向けて僅かに回動させる。これにより、切替板61と軸受板67との間のクリックストップが解除され、切替板61は減光レバー68の付勢により、第2操作位置に回動する。その後、シグナル部材17を更にユニット本体内に押し込むと、スライド板66が軸受板67と切替板61とを下方にスライドさせ、操作部材15を第1操作位置に移動させる。
【0052】
なお、上記実施形態は、レンズ付きフイルムユニットを例に説明したが、レンズ付きフイルムユニットと類似した機構を有するカメラ等にも適用することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ付きフイルムユニットによれば、操作部材が切り換え途中の位置で停止されることがないため、絞りやシャッタ速度の不安定による画質の悪化等の撮影ミスが発生することはない。また、ストロボ光量切替機構を付勢する付勢手段を用いて、操作部材を付勢するようにしたので、部品点数や組立工数を削減してコストダウンを図ることができる。更に、付勢手段の取付スペースや動作スペースも一つで済むため、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いたレンズ付きフイルムユニットの日中撮影モードの状態を示す外観斜視図である。
【図2】レンズ付きフイルムユニットの日中シンクロ撮影モードの状態を示す外観斜視図である。
【図3】レンズ付きフイルムユニットの夜間シンクロ撮影モードの状態を示す外観斜視図である。
【図4】ユニット本体の構成を示す分解斜視図である。
【図5】絞り切替機構及びシャッタ速度切替機構の構成を示す分解斜視図である。
【図6】シャッタ速度切替レバーの切替位置を示す説明図である。
【図7】絞り及びシャッタ速度切替機構の日中シンクロ撮影モードと夜間シンクロ撮影モードとを示す説明図である。
【図8】撮影モード切替機構の構成を示す分解斜視図である。
【図9】撮影モード切替機構の日中シンクロ撮影モードを示す説明図である。
【図10】撮影モード切替機構の夜間シンクロ撮影モードを示す説明図である。
【図11】絞り及びシャッタ速度切替機構の日中シンクロ撮影モードと夜間シンクロ撮影モードとの中間状態を示す説明図である。
【符号の説明】
2 レンズ付きフイルムユニット
8 撮影モード選択部
15 操作部材
19 減光部材
25 撮影モード切替機構
43 絞り切替板
46 シャッタ速度切替レバー
56 切替リング
61 切替板
68 減光レバー
72 捩じりバネ
Claims (2)
- 撮影光路への挿入により絞りを大絞りから小絞りに切り替える絞り切替板と、ストロボ発光部の前面への挿入によりストロボ光を通常発光から減光発光に切り替える減光部材と、日中シンクロ位置と夜間シンクロ位置との間で回動操作され、この回動操作に連動して前記絞り切り替え板と減光部材とをそれぞれの挿入位置と退避位置との間で移動させる操作部材とを備えたレンズ付きフイルムユニットにおいて、
前記操作部材に一体に設けられたカム及び突起と、
撮影レンズを保持する鏡筒の外周で回動自在に支持され、前記絞り切替板を撮影光路に挿入する小絞り位置と前記絞り切替板を撮影光路から退避させる大絞り位置との間で回動自在であり、前記大絞り位置から小絞り位置に向けてバネ付勢されるとともに、前記操作部材を回動操作したときの前記カムの移動軌跡に入り込むように従動ピンが一体に設けられた切替リングと、
自由端側が前記減光部材に連結され、減光部材をストロボ発光部の前面に挿入する減光発光位置と減光部材をストロボ発光部の前面から退避させる通常発光位置との間で揺動自在であり、前記減光発光位置から通常発光位置に向けてバネ付勢されるとともに、前記操作部材を回動操作したときの前記突起の移動軌跡に入り込むように当接部が一体に設けられた減光レバーとを備え、
前記操作部材を日中シンクロ位置から夜間シンクロ位置に向けて回動操作することにより、操作部材と一体の前記カムが前記従動ピンを介して前記切替リングをバネ付勢に抗して大絞り位置に回動させた後にその位置で保持し、かつ操作部材と一体の前記突起が前記当接部を介して前記減光レバーをバネ付勢に抗して減光位置に揺動させた後にその位置で保持するようにしたことを特徴とするレンズ付きフイルムユニット。 - 前記切替リングが小絞り位置から大絞り位置に回動する間に、シャッタスピードを高速から低速に切り替えるシャッタスピード切替手段を有することを特徴とする請求項1記載のレンズ付きフイルムユニット。
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