JP3910353B2 - コイル装置およびソレノイドバルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイル装置およびソレノイドバルブに関し、一層詳細には、小型でかつシール性に優れるコイル装置およびソレノイドバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
コイルが巻回されたコイルボビンがモールド部材により囲繞されてなるコイル装置は、例えば、ソレノイドバルブのソレノイドを構成する部品として使用されている。
【0003】
この種のコイル装置の要部概略縦断面を図7に示す。このコイル装置1は、樹脂材料からなるコイルボビン2と、コイル3と、これらを囲繞する樹脂材料製のモールド部材4とを備える。このうち、コイルボビン2は、筒状部5と、該筒状部5の両端部に設けられたフランジ部6a、6bとを有し、コイル3は、筒状部5に巻回されている。また、フランジ部6a、6bの各一端面は、モールド部材4から露呈している。
【0004】
ソレノイドバルブが製造される際には、まず、コイル装置1が作製される。すなわち、筒状部5にコイル3が巻回される。そして、この状態のコイルボビン2と、コイル3に通電するためのターミナル部材(図示せず)とが図示しない型内に配置され、次いで、前記型によって形成されたキャビティ内に溶融された樹脂材料(溶湯)が射出される。この溶湯を冷却固化させてモールド部材4を形成することにより、コイル装置が得られる。
【0005】
さらに、モールド部材4から露呈したフランジ部6a、6bのいずれか一方に、流路が設けられるとともに弁座を有する基体が重ね合わせられ、その一方で、筒状部5内にコイルスプリングおよび弁体が配置される。この状態でモールド部材4から基体に至るまでハウジングが装着されることにより、ソレノイドバルブが完成されるに至る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来技術に係るコイル装置には、使用時間が経過するにつれてコイルボビン2とモールド部材との間のシール性が低下することがあるという不具合がある。この理由は、コイルボビン2とモールド部材4との熱膨張率が互いに相違することによる。すなわち、例えば、付勢された内燃機関の近傍でソレノイドバルブが使用される場合、該内燃機関の温度が上昇するので、内側に位置するコイルボビン2に比して外側に位置するモールド部材4が高温となる。したがって、モールド部材4の方がより大きく膨張し、その結果、該モールド部材4とフランジ部6a、6bとの間に間隙が生じることがあるからである。このような事態が生じると、コイル装置1の内部に水やオイル等が浸入してコイル3まで到達するようになるので、該コイル3が比較的短時間で腐食してしまうという不具合が惹起される。
【0007】
このような観点から、特開平4−257206号公報には、複数のリング状凹部または凸部を鍔部(フランジ部)の端面に設けることが記載されている。すなわち、リング状凹部または凸部を設けることにより鍔部とモールド部材とを互いに堅牢に密着させるようにして、コイル装置のシール性を向上させるようにしている。
【0008】
しかしながら、この場合、複数のリング状凹部または凸部をフランジ部の端面に設けるためには、該フランジ部の直径を大きくしなければならない。換言すれば、該フランジ部の面積を大きくしなければならない。このことから諒解されるように、この技術には、コイルボビン、ひいては、該コイルボビンを有するコイル装置が組み込まれたソレノイドバルブの大型化・重量化を招いてしまうという不具合が顕在化している。また、このコイルボビンを成形するための型内にリング状凹部または凸部を成形するための突起部または溝部を複数設けなければならないので、煩雑でもある。
【0009】
コイル装置のシール性を向上させる別の技術として、特開平7−37718号公報には、フランジ部の先端部(側周壁部)の肉厚を該フランジ部の起端部に比して小さくするとともに、封止部材(モールド部材)が変形する方向に抑止部を設けることが記載されている。この場合、前記先端部は、溶湯の射出成形時に溶融して溶湯と付着し合う。この状態で溶融した先端部と溶湯とがともに冷却固化されることにより、フランジ部とモールド部材とが互いに堅牢に接合される。また、射出された溶湯が冷却固化する際に変形する方向に抑止部が設けられているので、該抑止部にモールド部材を構成する樹脂材料が堅牢に密着する。以上により、コイル装置のシール性を向上させるようにしている。
【0010】
しかしながら、起端部に比して肉厚の小さい先端部をフランジ部に形成するためには、フランジ部の直径を大きくしなければならない。結局、この技術にも、コイルボビン、ひいてはソレノイドバルブの大型化・重量化を招いてしまうという不具合が顕在化している。
【0011】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、小型ながらもシール性に優れるコイル装置およびソレノイドバルブを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、筒状部および前記筒状部の両端部に形成されたフランジ部を有するコイルボビンと、前記筒状部に巻回されたコイルと、前記フランジ部の両側周壁部およびコイルを囲繞したモールド部材とを備えるコイル装置において、
前記フランジ部の端面には前記筒状部の軸線方向に沿って突出した第1の環状リブ、第2の環状リブおよび1個の環状凸部が内側からこの順序で設けられており、
前記環状凸部に比して高さが大きく設定された前記第1の環状リブおよび前記第2の環状リブによって、シール材を挿入するための環状凹部が形成され、
かつ前記環状凸部の先端部の肉厚が該環状凸部の起端部の肉厚に比して小さいことを特徴とする。
【0013】
前記環状凸部の先端部は、モールド部材となる溶湯が射出された際に該溶湯から熱を受けて溶融し、その結果、該溶湯と互いに良好に溶着し合うようになる。また、環状凸部全体は、溶湯が冷却固化する際に生じる変形を堰き止める作用を営むので、該溶湯により確実に囲繞される。これにより、前記溶湯および環状凸部の先端部が冷却固化した際にモールド部材と環状凸部とが互いに堅牢に接合するので、シール性に優れるコイル装置となる。このため、該コイル装置の内部に水やオイル、ダスト等が侵入し難くなり、結局、コイルが腐食することを回避することができるので、コイル装置の長寿命化を図ることができる。
【0014】
しかも、この場合、環状凸部は少なくとも1個設ければよいので、フランジ部の直径を大きくする必要がない。すなわち、コイルボビンを小型化することができるので、コイル装置自体も小型化を図ることができる。
【0015】
このコイル装置には、環状凸部に比して高さの大きい第1の環状リブおよび第2の環状リブを前記フランジ部の同一端面上に内側からこの順序で突出形成することが好ましい。これにより第1の環状リブと第2の環状リブとの間に環状凹部が形成されるので、該環状凹部をOリング等のシール部材の係合部とすることができるからである。
【0016】
さらに、第2の環状リブの位置がコイルの外周部よりも内側であることが好ましい。この場合、第2の環状リブがコイルの外周部よりも外側に位置する場合に比してフランジ部の直径を小さくすることができるからである。すなわち、コイルボビン、ひいては、コイル装置や該コイル装置が組み込まれるソレノイドバルブ等の一層の小型化を図ることができるからである。
【0017】
また、本発明は、流路が設けられた基体と、
筒状部および前記筒状部の両端部に形成されたフランジ部を有するコイルボビンと、前記筒状部に巻回されたコイルと、前記フランジ部の両側周壁部およびコイルを囲繞したモールド部材とを備えるコイル装置と、
前記基体および前記コイル装置に装着されたハウジングと、
前記コイルへの通電または通電停止に伴って前記コイルボビンの前記筒状部内で変位することにより前記流路を開閉する弁体と、
を具備し、
コイル装置とハウジングとの間にシール部材が介装されていることを特徴とする。
【0018】
このような構成とすることにより、コイル装置とハウジングとの間のシール性を向上させることができる。したがって、ソレノイドバルブの内部を流通する流体、例えば、オイル等がハウジングの外部へと漏出することを回避することができるので、流体の流量を確実に所望の範囲とすることができる。
【0019】
なお、前記フランジ部の端面には、前記筒状部の軸線方向に沿って突出した第1の環状リブ、第2の環状リブ、先端部の肉厚が起端部の肉厚に比して小さい環状凸部が内側からこの順序で設けられている。すなわち、ソレノイドバルブに採用されるコイル装置は、前記コイル装置である上記したように、このコイル装置は、モールド部材と環状凸部とが互いに堅牢に接合しているのでシール性に優れ、しかも、小型であるため、流体制御を長期間に亘って精度よく行い、しかも、小型のソレノイドバルブを構成することができる
【0020】
コイル装置とハウジングとの間のシール部材の介装は、前記第1の環状リブおよび前記第2の環状リブ間に形成された環状凹部にシール部材を係合することで行うようにすればよい。
【0021】
さらに、前記第2の環状リブの位置が前記コイルの外周部よりも内側であることが好ましい。上記したように、第2の環状リブがコイルの外周部よりも外側に位置する場合に比してフランジ部の直径を小さくすることができるので、コイルボビン、ひいてはソレノイドバルブ全体を小型化することができるからである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコイル装置につきそれを備えるソレノイドバルブとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
本実施の形態に係るソレノイドバルブの全体概略縦断面を図1に示す。このソレノイドバルブ10は、流路としての入ポート12および出ポート14が設けられた基体16と、入ポート12の開口部を開閉する弁体18と、該弁体18を図1における上下方向に変位させるコイル装置20と、基体16の円環部22からコイル装置20の円柱部24に亘って装着されたハウジング26とを備える。そして、基体16の円環部22とコイル装置20の円柱部24との間には、大径部28および小径部30を有する断面略逆T字型で磁性体製のディスク状部材32が介装されている。また、該ディスク状部材32と基体16との間は、Oリング34によりシールがなされている。
【0024】
基体16の入ポート12および出ポート14近傍に設けられた溝部36には、基体16の入ポート12または出ポート14にそれぞれ連結される図示しない流体流路との間をシールする共通シール部材38が係合されている。また、基体16には、ディスク状部材32により閉塞された開口端部を有する室40が設けられており、入ポート12と出ポート14はこの室40にそれぞれ通じている。そして、入ポート12の室40側の開口部には、該開口部を囲繞するように弁座42が設置されている。
【0025】
ソレノイドバルブ10が閉状態にある場合、この弁座42には弁体18の先端部44が着座する(図1参照)。この着座に伴って入ポート12の室40側の開口部が閉塞されることにより、流体の流通が阻止される。一方、弁体18の先端部44が弁座42から離間すると、入ポート12と出ポート14とが室40を介して連通する。このように、弁座42に対する弁体18の先端部44の着座・離間により入ポート12と出ポート14とが互いに遮断・連通され、流体の流通制御が行われる。
【0026】
ディスク状部材32には、大径部28から小径部30に亘って貫通孔が形成されている。そして、小径部30の開口部近傍には環状段部が設けられており、この環状段部にはカラー部材50の開口端部の湾曲された縁部が載置されている。この縁部がコイル装置20を構成するコイルボビン52と小径部30の環状段部とで挟持されている。
【0027】
カラー部材50の底部には貫通孔が設けられており、弁体18の先端部44はこの貫通孔を通って弁座42に着座している。なお、弁体18の本体部56の直径は、カラー部材50の内径に略等しい。すなわち、弁体18が変位する際、該弁体18の本体部56はカラー部材50の内周壁部に摺接する。
【0028】
コイル装置20は、図2に拡大して示すように、コイルボビン52と、コイル58と、これらを囲繞するモールド部材60とを備える。このうち、コイルボビン52は、図3、図4および図5に示すように、筒状部62と、該筒状部62の両端部に設けられた第1および第2フランジ部64a、64bとを有し、コイル58は筒状部62に巻回されている(図1および図2参照)。
【0029】
第1フランジ部64aの下端面にはテーパ部66が設けられており(図3および図4参照)、該テーパ部66の底部に形成された水平面には、ディスク状部材32が当接している(図1参照)。一方、カラー部材50は、この水平面とディスク状部材32の小径部30の環状段部とで挟持されている。そして、テーパ部66のテーパ面と小径部30の側周壁部との間には、Oリング68が介装されている。
【0030】
また、第1フランジ部64aの側周壁部には、突出部70が突出形成されている(図4参照)。この突出部70には2箇所の挿入口72a、72bが設けられており、これら挿入口72a、72bには、略直角に屈曲されたターミナル部材74a、74bの一端部がそれぞれ挿入されている(図1および図2参照)。そして、第1フランジ部64aの側周壁部には、突出部70の一端面にまで延在する溝部75a、75bがそれぞれ設けられており(図4参照)、コイル58の各端部は、この溝部75a、75bに係止されて各ターミナル部材74a、74bに接触している(図示せず)。これらターミナル部材74a、74bにより、コイル58と図示しない外部電源とが互いに電気的に接続される。
【0031】
さらに、第1フランジ部64aの下端面において、テーパ部66の外周側には、筒状部62の軸線方向に沿って第1環状凸部76が突出形成されている(図3および図4参照)。この第1環状凸部76の高さは、テーパ部66の頂部に比して小さく設定されている。
【0032】
その一方で、第2フランジ部64bの上端面には、内側から第1および第2環状リブ78a、78bが互いに同一高さで突出形成されている(図3および図5参照)。すなわち、該上端面には、第1および第2環状リブ78a、78bの間に環状凹部80が設けられた形態となっており、該環状凹部80には、シール部材であるOリング82が係合されている(図1および図2参照)。
【0033】
さらに、第2フランジ部64bの側周壁部には、筒状部62の軸線方向に沿って立ち上がった第2環状凸部86が設けられている。後述するように、この第2環状凸部86および上記第1環状凸部76によってコイル装置20のシール性が向上する。なお、この第2環状凸部86の高さも、第1および第2環状リブ78a、78bに比して小さく設定されている。
【0034】
ここで、第1環状凸部76および第2環状凸部86は、コイルボビン52の縦断面である図3から諒解されるように、起端部の肉厚に比して先端部の肉厚が小さくなっている。すなわち、第1環状凸部76においては、図3における下端部の肉厚が第1フランジ部64a側(起端部)に比して小さく、一方、第2環状凸部86においては、図3における上端部の肉厚が第2フランジ部64b側(起端部)に比して小さく設定されている。後述するように、モールド部材60を成形する際にこれら第1および第2環状凸部76、86の先端部が溶融するので、第1および第2フランジ部64a、64bとモールド部材60とを互いに堅牢に接合させることができる。
【0035】
コイル58は、その外周部が第2環状リブ78bと第2環状凸部86との間に位置するようにコイルボビン52の筒状部62に巻回されている。換言すれば、コイル58が巻回された状態では、第2環状リブ78bは、コイル58の外周部よりも内側に位置する。このような構成とすることにより、第2環状リブ78bがコイル58の外周部よりも外側に位置する場合に比して第2フランジ部64bの直径を小さくすることができる。すなわち、コイルボビン52、ひいてはソレノイドバルブ10の一層の小型化を図ることができる。
【0036】
上記したコイルボビン52とコイル58とを囲繞するモールド部材60(図1および図2参照)には、ターミナル部材74a、74bの形状に対応して、垂直に立ち上がった立ち上がり部88が設けられている。この立ち上がり部88に形成された挿入口90の内部では、ターミナル部材74a、74bの一端部が露呈している。
【0037】
以上の構成において、基体16の円環部22、ディスク状部材32およびコイル装置20の円柱部24は、ハウジング26の内部に圧入されている。この場合、基体16の抜け止めは、基体16の円環部22に当接したハウジング26の開口端部がその直径方向に沿って内側に屈曲されることによってなされている。そして、この状態では、弁体18の本体部56の略上半分がコイルボビン52の筒状部62内に挿入される。
【0038】
ハウジング26の側周壁部には切欠部92が設けられており、該切欠部92からは、コイル装置20を構成するモールド部材60の立ち上がり部88が突出している。
【0039】
また、ハウジング26の天井面には円柱状突出部94が突出形成されており、該円柱状突出部94は筒状部62内に嵌合されている。この円柱状突出部94には穴部96が設けられており、該穴部96の内部には、その一端部が弁体18に着座するとともに他端部が穴部96の天井面に着座するコイルスプリング98が配置されている。弁体18は、このコイルスプリング98によって、弁座42に指向して常時弾発付勢されている。
【0040】
本実施の形態に係るソレノイドバルブ10は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその作用効果について説明する。
【0041】
ソレノイドバルブ10を製造する際には、まず、射出成形等によりコイルボビン52を作製する。第1および第2環状凸部76、86は、この際にコイルボビン52の第1および第2フランジ部64a、64bにそれぞれ形成される。
【0042】
ここで、第1および第2環状凸部76、86は、それぞれ、少なくとも1個を第1および第2フランジ部64a、64bに形成すればよい。すなわち、複数個を設ける必要は特にない。また、この場合、第1および第2環状凸部76、86の先端部が柔軟化するので、第1および第2フランジ部64a、64bの側周壁部を溶融させる必要がない。したがって、該側周壁部の肉厚を起端部に比して小さくする必要がない。このような理由から、第1および第2フランジ部64a、64bの直径を小さくすることができる。したがって、コイルボビン52の大きさを、上記した従来技術に係るコイル装置20が備えるコイルボビン2(図7参照)以下にすることができる。すなわち、ソレノイドバルブ10の小型化を図ることができる。
【0043】
次いで、コイルボビン52の筒状部62に、外周部が第2環状リブ78bと第1および第2環状凸部76、86との間に位置するように、コイル58を巻回する。この状態のコイルボビン52と、コイル58に通電するためのターミナル部材74a、74bとを型内に配置した後、前記型によって形成されたキャビティ内に溶湯を射出する。この溶湯を冷却固化させてモールド部材60を形成することにより、コイル装置20が得られる。
【0044】
溶湯が射出された際、第1および第2環状凸部76、86の先端部は、該溶湯から熱を受けることによって溶融し、その結果、溶湯に良好に溶着する。
【0045】
しかも、この場合、溶湯が冷却固化する際に生じる変形は、第1および第2環状凸部76、86により堰き止められる。このため、第1および第2環状凸部76、86が確実に溶湯で囲繞される。
【0046】
このようなことから、溶湯の冷却固化が進行するにつれて第1および第2環状凸部76、86の先端部が再び硬質化した際には、該第1および第2環状凸部76、86の先端部とモールド部材60とが互いに堅牢に接合する。したがって、両者の間に間隙が生じることが著しく抑制され、結局、第1および第2フランジ部64a、64bの直径が小さいコイルボビン52を使用する場合であっても、シール性に著しく優れたコイル装置20を構成することができる。
【0047】
次いで、小径部30の側周壁部にOリング68が装着されるとともに環状段部にカラー部材50の縁部が載置された状態のディスク状部材32を、Oリング68がコイルボビン52のテーパ部66のテーパ面に接触するように第1フランジ部64aと重ね合わせる。この際、カラー部材50の縁部がテーパ部66の水平面と環状段部との間に介装される。
【0048】
次いで、Oリング34が係合された基体16の円環部22をディスク状部材32の大径部28に重ね合わせた後、コイルボビン52の筒状部62内に弁体18を挿入する。
【0049】
次いで、コイルボビン52の環状凹部80にOリング82を係合した後、コイル装置20の円柱部24から基体16の円環部22に至るまでの箇所に、円柱状突出部94の穴部96にコイルスプリング98が予め挿入されたハウジング26を装着する。勿論、ハウジング26は、切欠部92からコイル装置20の立ち上がり部88が突出するように装着される。
【0050】
そして、ハウジング26の開口端部を、その直径方向に沿って内側に指向して屈曲する。これにより基体16の円環部22からコイル装置20の円柱部24に至るまでが圧接した状態でハウジング26の内部に収容され、ソレノイドバルブ10が完成されるに至る。コイルボビン52が小型化されているので、このソレノイドバルブ10も小型なものとして構成することができる。
【0051】
なお、モールド部材60の立ち上がり部88の挿入口90には、図示しない外部電源の端子が嵌合される。勿論、この端子はターミナル部材74a、74bと接触し、その結果、コイル装置20のコイル58が前記外部電源と電気的に接続される。また、入ポート12および出ポート14には、図示しない流体流路が連結される。
【0052】
このソレノイドバルブ10は、以下のように動作する。
【0053】
まず、コイル58に通電がなされない場合、弁体18がコイルスプリング98によって図1における下方に弾発付勢されているので、該弁体18の先端部44は弁座42に着座している。すなわち、入ポート12は室40側の開口部にて閉塞されており、したがって、入ポート12から室40への流体の流通が阻止される。要するに、ソレノイドバルブ10は閉状態となる。
【0054】
一方、コイル58に通電がなされると、該コイル58の周囲には磁界が発生する。この磁界の磁力は磁性体からなるディスク状部材32を介して弁体18に伝達され、その結果、図6に示すように、弁体18がコイルスプリング98を圧縮して上方に変位する。すなわち、該弁体18の先端部44が弁座42から離間する。
【0055】
これにより、入ポート12と出ポート14とが室40を介して連通する。すなわち、ソレノイドバルブ10が開状態となり、入ポート12に連結された流体流路から導入された流体、例えば、オイルは、室40を経由した後に出ポート14に連結された流体流路から導出される。
【0056】
この際、オイルの一部は、室40からディスク状部材32の貫通孔を介してコイルボビン52の筒状部62内に浸入することがある。しかしながら、上記したように、基体16とディスク状部材32との間、ディスク状部材32とコイルボビン52の第1フランジ部64aとの間、およびコイルボビン52の第2フランジ部64bとハウジング26の間はOリング34、68、82によってそれぞれシールがなされており、このため、ソレノイドバルブ10はシール性に優れている。すなわち、筒状部62内に浸入したオイルが外部へと漏出することは著しく抑制される。
【0057】
このように、ソレノイドバルブ10がシール性に優れたものであるので、ソレノイドバルブ10の内部を流通するオイルの流量を確実に所望の範囲とすることができる。したがって、例えば、該ソレノイドバルブ10が図示しないスプール弁等に連結されてパイロット弁として使用される際、前記スプール弁に導入されるオイルの量を精度よく制御することができる。
【0058】
また、上記したように第1および第2環状凸部76、86とモールド部材60とが互いに堅牢に接合しているので、ソレノイドバルブ10が高温環境下で使用される場合であっても、第1および第2環状凸部76、86とモールド部材60との間に間隙が生じることが著しく抑制される。したがって、ソレノイドバルブ10の外部に存在する水やオイル、ダスト等がハウジング26の切欠部92等から該ハウジング26の内部に侵入した場合でも、これらは第1および第2環状凸部76、86とモールド部材60との接合部で堰き止められるので、コイル58まで到達することが著しく抑制される。これにより、コイル58が腐食することを回避することができる。
【0059】
コイル58への通電が停止されると、前記磁界が消失する。これに伴ってコイルスプリング98が弁体18を弾発付勢し、その結果、該弁体18が図2における下方へと変位して弁体18に再び着座する。すなわち、ソレノイドバルブ10は、図1に示される閉状態に復帰する。
【0060】
なお、上記した実施の形態においては、コイル装置20をソレノイドバルブ10に適用した例を説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、センサやサーミスタ等に適用するようにしてもよい。
【0061】
また、ソレノイドバルブ10においては、ハウジング26に環状凹部を設け、この環状凹部にOリングを係合することによってハウジング26とコイルボビン52の第2フランジ部64bとの間をシールするようにしてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るコイル装置によれば、先端部の肉厚が起端部の肉厚に比して小さい環状凸部をコイルボビンのフランジ部に設けるようにしている。この環状凸部の先端部は、モールド部材となる溶湯が射出された際に溶融して該溶湯に溶着する。また、環状凸部全体は、前記溶湯が冷却固化する際に生じる変形を堰き止めるので、該溶湯で囲繞される。このため、前記溶湯および環状凸部の先端部が冷却固化した際に両者が互いに堅牢に接合するので、シール性に優れるようになる。すなわち、内部に水やオイル、ダスト等が侵入し難くなるのでコイルが腐食することを回避することができ、結局、コイル装置の長寿命化を図ることができるという効果が達成される。
【0063】
しかも、この場合、環状凸部は少なくとも1個設ければよいので、フランジ部の直径を大きくする必要がない。すなわち、コイルボビン、ひいてはコイル装置の小型化を図ることもできる。
【0064】
また、本発明に係るソレノイドバルブによれば、上記したようなコイル装置と該コイル装置に装着されるハウジングとの間にシール部材を介装するようにしている。このため、ソレノイドバルブの内部を流れる流体、例えば、オイルが漏出することを著しく抑制することができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るソレノイドバルブが閉状態にある際の全体概略縦断面図である。
【図2】図1のソレノイドバルブが備えるコイル装置の全体概略縦断面図である。
【図3】図2のコイル装置が備えるコイルボビンの概略縦断面図である。
【図4】図3のコイルボビンの全体概略斜視図である。
【図5】図3のコイルボビンを図4とは別方向から示す全体概略斜視図である。
【図6】図1のソレノイドバルブが開いた状態を示す全体概略縦断面図である。
【図7】従来技術に係るコイル装置の要部概略縦断面図である。
【符号の説明】
10…ソレノイドバルブ 12…入ポート
14…出ポート 16…基体
18…弁体 20…コイル装置
26…ハウジング 32…ディスク状部材
34、68、82…Oリング 40…室
42…弁座 52…コイルボビン
58…コイル 60…モールド部材
62…筒状部 64a、64b…フランジ部
74a、74b…ターミナル部材 76、86…環状凸部
78a、78b…環状リブ 80…環状凹部
94…円柱状突出部 98…コイルスプリング

Claims (4)

  1. 筒状部および前記筒状部の両端部に形成されたフランジ部を有するコイルボビンと、前記筒状部に巻回されたコイルと、前記フランジ部の両側周壁部およびコイルを囲繞したモールド部材とを備えるコイル装置において、
    前記フランジ部の端面には前記筒状部の軸線方向に沿って突出した第1の環状リブ、第2の環状リブおよび1個の環状凸部が内側からこの順序で設けられており、
    前記環状凸部に比して高さが大きく設定された前記第1の環状リブおよび前記第2の環状リブによって、シール材を挿入するための環状凹部が形成され、
    かつ前記環状凸部の先端部の肉厚が該環状凸部の起端部の肉厚に比して小さいことを特徴とするコイル装置。
  2. 請求項1記載のコイル装置において、
    前記第2の環状リブの位置が前記コイルの外周部よりも内側であることを特徴とするコイル装置。
  3. 流路が設けられた基体と、
    筒状部および前記筒状部の両端部に形成されたフランジ部を有するコイルボビンと、前記筒状部に巻回されたコイルと、前記フランジ部の両側周壁部およびコイルを囲繞したモールド部材とを備えるコイル装置と、
    前記基体および前記コイル装置に装着されたハウジングと、
    前記コイルへの通電または通電停止に伴って前記コイルボビンの前記筒状部内で変位することにより前記流路を開閉する弁体と、
    を具備し、
    コイル装置とハウジングとの間にシール部材が介装され
    かつ前記フランジ部の端面には、前記筒状部の軸線方向に沿って突出した第1の環状リブ、第2の環状リブおよび1個の環状凸部が内側からこの順序で設けられており、
    前記環状凸部に比して高さが大きく設定された前記第1の環状リブおよび前記第2の環状リブによって、前記シール材を挿入するための環状凹部が形成され、
    前記環状凸部の先端部の肉厚が該環状凸部の起端部の肉厚に比して小さいことを特徴とするソレノイドバルブ。
  4. 請求項記載のソレノイドバルブにおいて、
    前記第2の環状リブの位置が前記コイルの外周部よりも内側であることを特徴とするソレノイドバルブ。
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