JP3910308B2 - 悪臭ガスの脱臭方法及び脱臭装置 - Google Patents

悪臭ガスの脱臭方法及び脱臭装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理場、し尿処理場、家畜及び実験動物糞尿処理施設、食品工場、飼・肥料工場、化学工場等から発生する悪臭ガスを生物化学的処理により脱臭する方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より知られている脱臭方法のなかで、微生物の働きを利用した生物化学的処理により脱臭する方法は、微生物が一般に活発的に働く温度が10〜40℃であるため、特別なエネルギーの付加を必要とせず、また、悪臭ガスを生分解する過程において有害物質などが副産する可能性が低い上に、維持管理が容易という利点があることが知られている。
【0003】
この生物化学的脱臭法として知られている方法の1つに土壌脱臭方法がある。この方法では微生物の働きを利用しているため、脱臭効果が高く、管理の仕方如何では永続的に脱臭できるとされているが、土壌中に悪臭ガスを通過させる際の通気抵抗が高く、そのため土壌堆積高を50cm程度にしかできないという問題点があった。その上、悪臭ガスが土壌を通過する速度(見掛けの風速)が5〜10mm/秒と遅く、悪臭ガスが土壌と接触している時間が不充分になるため、悪臭ガスの濃度が高く、又発生量の多い場合には、脱臭施設に広い敷地が必要となり、この敷地を確保することが実際には困難な場合が多かった。
【0004】
これらの問題を解決するために、特公平3−60526号公報に開示されているロックウール等を用いた脱臭方法が開発されている。この方法は、ロックウール等の無機質資材と微生物活性物質とを混合した水分50〜70重量%の混合物を用いて悪臭ガスを脱臭する方法であるが、用いられている脱臭材料は確に前記の土壌脱臭装置と比べて通気抵抗が低く、脱臭材料を約2.5mと高く堆積することができ、また、見掛けの風速も20〜25mm/秒にすることができるため、脱臭装置として必要な敷地規模を土壌脱臭装置に比べ約1/4〜1/5にすることができたという効果を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このロックウール等を用いた脱臭方法にも土壌脱臭法に比べ通気抵抗が低くなったというものの、まだ脱臭材料の堆積高が約2.5mと高く、通気抵抗が200mmAq以上になってしまうという問題点があり、改善が望まれていた。そこで、従来よりその点の改善が検討されてきたが、ロックウールを用いた脱臭材料の脱臭能に限界があり、堆積高と、その通気抵抗の点では不満足な水準しか得られていないのが現状である。
【0006】
その上、この方法では微生物により悪臭を分解した時に出る生成物の洗浄が難しく、運転期間が長くなると目づまりが生じるという問題も残っていた。しかも、その見掛けの風速は20〜25mm/秒と土壌脱臭法に比べ速くなったとはいえやはり充分ではなく、悪臭ガスが脱臭材料と接触している時間は、土壌脱臭法とほぼ同じ約100秒程度を要し処理能力は依然として低いままであった。
さらに、長期継続使用により、ロックウールを主材料とする脱臭層が圧密化される傾向があり、上記の目づまりも加わって、送風量の低下が生じやすく、長期運転下の維持管理が難しいという点も改善を必要としていたのである。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解決し、通気抵抗を低く押さえ、接触時間を従来より大巾に短縮し、処理能力を向上させ、且つ長期継続使用をしても圧密化が少なく、目づまりの少ない維持管理の簡単な悪臭ガスの脱臭方法及び脱臭装置を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため脱臭材料について鋭意研究を重ねた結果、炭素繊維と微生物含有物質を主材料とし、水分率を調整した脱臭材料を用いることによって、該課題を一挙に解決できることを見出し本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、炭素繊維の造粒物及び/又は繊維と微生物含有物質を必須成分とし、且つその水分含有率を40〜80%に調整された脱臭材料に悪臭ガスを接触させて、脱臭することを特徴とする悪臭ガスの脱臭方法及びそれを行うための脱臭装置を提供するものである。
【0010】
以下、本発明を説明する。
本発明で処理の対象とする悪臭ガスは、アンモニア、メチルメルカプタン、アセトアルデヒド、硫化水素等の悪臭防止法で規制されている悪臭ガスである。
本発明で用いる炭素繊維は、公知の炭素繊維、すなわち繊維状の有機物質を炭化焼成して作った繊維であればよく、PAN系、ピッチ系、レーヨン系、カイノール系のいずれのものも使用できる。また、耐炎繊維、活性炭繊維も使用でき、それら各種炭素繊維の製造工程で生じる炭素繊維廃棄物、或いは炭素繊維の各種使用済廃棄物も使用できる。
【0011】
炭素繊維は繊維状のもの及び/又は造粒したものが使用される。
繊維状のものは長さが1〜100mmのものが使用されるが、特に3〜10mmのものが好ましく、更に好ましいのはそれを造粒したものである。
造粒する場合には、ロータリーキルンで炭素繊維を絡み合わせて造粒する方法、造粒機を用いた通常の造粒方法等が用いられる。
【0012】
この炭素繊維の造粒物と繊維状のものとを混合してもよく、その場合、炭素繊維の造粒物と繊維の混合割合は、造粒物が増加するに従って、通気抵抗が低下し、圧密化を防げるが、一方、増加し過ぎると脱臭能力が低下するので、好ましい範囲が存在し、その範囲は乾物重量比で . 7:0 . . 3:0 . である。両者を混合するには、一般的にいわれている混合機、例えばモルタルミキサー等を使用して、容易に行うことができる。
【0013】
本発明で用いる微生物含有物質としては、家畜の糞尿等の微生物を含有した物質が使用される。具体例としては、家畜のふん尿、活性汚泥、及び下水2次処理水や糞尿の各処理施設から出る微生物を含有した物質が挙げられる。そして、これらの中では鶏糞が実用上特に好ましい。
これら微生物含有物質中の有効微生物は、上記した炭素繊維に固着しており、適切な条件下で増殖された上で利用される。なお、微生物が炭素繊維に良好に固着し、且つ増殖される効果は本発明者らの研究によればロックウール等の材料に比べ本発明の炭素繊維系の方が極めて顕著であることが確認されている。
【0014】
微生物含有物質の混合割合は乾物重量比で炭素繊維1に対し0.01〜0.5が好ましい。0.01未満では、脱臭のための微生物活性が低く、0.5を超えると加えただけの効果が期待できないからである。より好ましくは0.05〜0.2である。また、微生物含有物質が液状の場合は、他の脱臭材料を脱臭装置の層内に充填させた後散布してもよい。
【0015】
本発明で用いる脱臭材料には、もみ殻、ハイオガ( 廃オガまたは廃おが )、おがくず、いねワラ等の農産物もしくは畜産物又は林産物の残渣である、いわゆる粗大有機物といわれる有機物を混合することが好ましい。また、これらの有機物は2種以上混合して使用してもよい。これらの有機物は脱臭に有効な微生物の栄養源や供給源の一部として働く他、該微生物の繁殖、活動に有利な棲家を提供するという効果を有している。
【0016】
有機物を用いる場合の炭素繊維と上記の有機物と微生物含有物質の混合比は、乾物重量比で1:0.01〜0.5:0.01〜0.5が好ましい。
有機物の混合割合が0.01未満では栄養不足になり、0.5を超えると、有機物の過度の分解により目づまりを引き起こし、圧密化の原因になる。より好ましくは0.03〜0.2である。
【0017】
次に、以上説明した各材料から本発明が必須とする脱臭材料を製造する方法について説明する。
まず、炭素繊維の短繊維をロータリーキルン等を用いて造粒する。その造粒物又はこれと短繊維の混合物に所定量の微生物含有物質、例えば鶏糞を混合する。もみ殻、ハイオガ等の有機物を用いる時は更にこの混合物に所定量の該有機物を1種又は2種以上混合する。次いで、その混合物を水分含有率40〜60重量%になるように調整した後、耐蝕性の耐熱容器に入れ、一定の時間をかけて該混合物中の微生物を培養する。
【0018】
培養期間は環境条件にもよるが、通常は7〜10日間、1日1回以上攪拌を行いながら行う。なお、培養されたか否かは温度上昇によって判断する。
この培養された混合物が本発明の脱臭材料であり、脱臭槽に充填し水分調整した後、使用される。
【0019】
次に、本発明の悪臭ガスの脱臭装置を図1に基づいて説明する。
図1は悪臭ガスをファンによって前記の脱臭材料が充填されている層の下から送り込み、該脱臭材料と接触させ、無臭化させた後、上部から放出する本発明の脱臭装置の一例を示す概略説明図である。
図中の1は脱臭槽であり、2は脱臭材料充填層である。3は散水装置であり、4は水分検出器、5は温度検出器、6はpH検出器である。この4、5及び6によって2中の微生物の最適環境を自動的にコントロールできる。
【0020】
すなわち、微生物の最適環境は、本発明においては水分40〜80wt%、温度10〜50℃、pH6〜9であることが研究の結果、確認されているので、この範囲内になるように上記4、5、6の検出器を用いて自動的にコントロールしているのである。具体的にはこの最適範囲外、例えば水分が40%未満になると水分検出器4から信号が出てポンプ7が作動して散水装置3より散水を行い、温度が10℃未満になると、温度検出器5から信号が出て加温装置8が作動して加温した悪臭ガスが2内に送入される。
【0021】
またpH値が6未満もしくは9を超えると、pH検検出器6からの信号によって、消石灰や緩衝溶液を散水装置3によって適量散布して2内のpHを調整する。なお、図1の9は流量計である。
本発明における微生物の脱臭材料中の最適水分率は上記の通り40〜80wt%である。水分が40wt%未満になると微生物の活動が低下し、80wt%を超えると通気抵抗が高くなり過ぎ、好ましくない。
【0022】
この水分量における通気抵抗と見掛けの風速との関係を図2に示す。
すなわち、図2は直径35cmの筒体の脱臭装置の充填層に本発明の脱臭材料を堆積高1mにして充填した時の水分量と通気抵抗と見掛けの風速との関係を示した図である。図中Aは水分80wt%、Bは水分40wt%、Cはロックウール脱臭材料の水分65wt%の通気抵抗値である。図2からわかるように、本発明の脱臭材料は、Cのロックウール脱臭材料の通気抵抗値である約100mAq(脱臭堆積高1m、水分65wt%時の測定値)に比べて低い範囲の水分量で通気抵抗が約1/2になり、悪臭ガスを容易に通し、且つ目づまりがなく、微生物による生分解時の生成物の洗浄が容易になる。
【0023】
図3は、図2と同じ脱臭装置の充填層で測定した脱臭充填層の水分率の経時変化を示す。
図3に示す通り、本発明では散水直後の水分量は約80wt%であり、1時間以内に約70%に達し、以後1日間約60%の水分を保持される。このように、本発明の脱臭材料は高水分量を保持できる優れた吸水性を有し、以後長時間に亘り微生物の最適環境の水分量を維持することができるという効果を有している。そして、本発明の脱臭材料を充填槽に充填し、そこに悪臭ガスを通過させると、悪臭ガスは微生物の栄養源となり生分解され、無臭化されて大気に放出することができるのである。
【0024】
本発明における脱臭のメカニズムは、上記の通り悪臭ガスが適度な水分を保持した脱臭材料の中の微生物と接触して生分解され無臭化されるという仕組みをとっている。例えば、微生物によりアンモニアは硝酸イオン、メチルメルカプタンは硫酸イオン、アセトアルデヒド等の悪臭ガスは、最終的には炭酸ガスと水にまで生分解され、無臭化される。そして、上部からの散水により、微生物により生分解された上記の生成物は水で溶出され系外に排出される。このようにして本発明の脱臭材料は、再び悪臭ガスを生分解することのできる脱臭能力を回復し、使用されるのである。従って、本発明においては、悪臭ガスの分解量と送入量がほぼ等しくなるようにコントロールすれば脱臭効果はほぼ永続的に行うことが可能になる。
【0025】
また、本発明で用いる炭素繊維は比表面積が大きいという特徴があり、通常は450m2/kg程度あるので、ロックウールの通常190m2/kg程度に比べ約2倍以上の表面積がある。なお、これらの比表面積の数値は島津マイクロメテリックス アサップ2010(定容法、Kr吸着、多点BET法)で実際に測定した数値である。このため炭素繊維の方が表面積の点からしても微生物の付着面積が約2倍以上となりその付着に有利なことがわかるが、驚くべきことは微生物の付着保持量が2倍にとどまらず3倍以上となることである。
【0026】
そのため、本発明では悪臭ガスと脱臭材料の接触時間を従来の方法に比べ約1/2に短縮しても脱臭ができ、且つこの接触時間の短縮により、見掛けの風速も速くなり、悪臭ガスの処理能力も一段と向上したのである。
さらに、炭素繊維は引張強度や引張弾性率の高い材料であるため、圧密充填しても元の状態に復元しやすく、長期使用しても圧密化が防止できるという特徴を有している。
【0027】
【作用】
本発明の脱臭材料は、微生物が繁殖するために必須とされる最適環境を構成する適切な水分及び栄養源(運転中は悪臭ガスが主たる栄養源となる)を保持しており、酸素(空気)が充分に供給されやすく、温度、pHのコントロールも適正に調整できるため、悪臭ガスを分解する微生物の活動にとって極めて好適な環境を提供している。
【0028】
また本発明の脱臭材料は、微生物が活動するのに最適な水分を維持できる充分な吸水性を有し、しかも長時間に亘りその最適水分を保持できる能力を有している上、広い範囲の水分量にわたって通気抵抗が低く、表面積も従来のロックウール等の脱臭材料に比べ著しく大きいので、悪臭ガスと微生物との接触が増え、そのため短時間で生分解でき、悪臭ガスの無臭化が達成される。
而して、本発明で悪臭ガスの分解に使われる微生物は、上記のような最適環境を維持さえすれば増殖が繰り返され、更に生分解能を上昇させることができるので、脱臭施設面積を従来に比べ大巾にコンパクト化することができるのである。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例で具体的に説明する。
【0030】
参考例
アクリル系炭素繊維を3mmにカットし袋にいれる。その袋をロータリーキルン中に入れ5時間回転させて造粒した。得られた造粒物21kgに、鶏糞を2.1kg(乾物重量)混合した後、水を加えて水分含率60重量%に調整し、断熱、耐蝕性容器に入れた。容器内の上記混合物は、1日1回攪拌し、空気と充分に接触させながら10日間培養し、脱臭材料を製造した。この脱臭材料を図1の脱臭装置の脱臭槽1(断面積0.096m2、高さ1.5m)に高さ1mになるまで入れ、水分含有率60重量%になるよう水を加えて調整し、脱臭材料充填層2とした。
【0031】
アンモニア180ppmを含む悪臭ガスを、ファン10により毎分0.08m3の送入量で脱臭層1の下部より送入し、上記脱臭材料充填層2内を通過せしめた。該充填層2を通過する悪臭ガスの見掛けの風速は20mm/秒であり、脱臭材料との接触時間は50秒であり、この時の空気抵抗は50mmAqであった。そして、脱臭層上部からは1日に2回約0.4リットル/回の水を散水させた。悪臭ガス中のアンモニア濃度を北川式ガス検知管で測定したところ、上記脱臭操作の1日目は1日中0ppmであり、続いて2日〜7日間同様に脱臭操作を続けた全ての日においてアンモニア濃度は0ppmを示し、完全に悪臭ガスは脱臭されていることが確認された。
【0032】
[実施例]
実験動物施設内から排出される糞尿を堆肥化処理する機械(ヂー・エヌ・エス・テクノセールス社製のNS式処理機)に入れ、堆肥化処理を行っている時に発生する悪臭ガス(表1に示す通りアンモニア180ppm、メチルメルカプタン0.068ppm、アセトアルデヒド0.25ppmが含まれている)を本発明の図1に示す脱臭装置に送入して脱臭した。即ち、参考例と同様に図1の脱臭装置の脱臭槽1(断面積0.096m2、高さ1.5m)内に下記の本発明の脱臭材料を充填した脱臭材料充填層2中にファン10によって悪臭ガスを送入した。
【0033】
なお、前記の通り図中4、5、6は水分、温度、pHの各検出器であり、7はポンプ、8は加温装置、9は流量計、3は散水装置である。充填層2内の脱臭材料は、参考例と同じPAN系炭素繊維造粒物14kg、PAN系炭素繊維で長さが3〜10mmの短繊維6kg、鶏糞(乾物重量)2kg、ハイオガ(乾物重量)2kg、もみ殻(乾物重量)1kgを混合し、水分55%に調整した混合物を10日間、1日1回攪拌しながら培養し、脱臭材料を得た。この脱臭材料を上記脱臭槽1に堆積高1mに充填した。
【特記事項】 本手続補正書は意見書の提出に代わるものであり、審査官殿の示唆に従い、本願発明をより明確にするために「発明の詳細な説明」の記載を変更する補正を行った。
この補正により、指摘された拒絶理由はすべて解消したものと思料する。
【0034】
上記装置で脱臭を行った条件は下記の通りである。
悪臭ガス送入量 0.08m3/分
脱臭材料内を通過する悪臭ガスの見掛けの風速 20mm/秒
悪臭ガス接触時間 50秒
通気抵抗 50mmAq
散水 2回/日 約0.4リットル/回
【0035】
上記条件で脱臭した結果を表1に示す。なお、脱臭操作の各経過日数における悪臭物質の濃度(ppm)は北川式ガス検知管を用いて測定した。
表1の結果にみるとおり、メチルメルカプタン、アセトアルデヒドは勿論、一番濃度が高いアンモニアも検出されず、脱臭効果は極めて良好であった。また、35日を過ぎても充填層の目づまり、圧密化は一切起っていなかった。
【0036】
【表1】
Figure 0003910308
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明には、炭素繊維の造粒物及び又は繊維と微生物含有物質と必要により有機物とから調製された脱臭材料を使用することによって、通気抵抗がロックウール脱臭装置の1/2と低くなり、微生物による分解生成物が洗浄されやすく、目づまりの心配もなくなるという効果がある。そして、本発明においては比表面積が大きく、微生物に対し特有の固着作用が認められている炭素繊維を使用しているので、微生物の固着保持量がロックウール等に比べ多くなり、悪臭ガスの接触面積も大きくなるので、悪臭ガスと脱臭材料の接触時間を1/2と短縮でき、且つ見掛けの風速が速くなり、悪臭ガスの処理能力も向上するため、装置のコンパクト化ができたという効果がある。そのうえ、本発明で用いる脱臭材料は長期継続使用しても圧密化が起らないため、本発明には、送風量の低下がなく、維持管理が簡単になるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭装置の概略説明図である。
【図2】本発明で用いる脱臭材料を充填した時の水分量と見掛けの風速と通気抵抗の関係を示す図である。
【図3】本発明で用いる脱臭材料の水分率の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1 脱臭槽
2 脱臭材料充填層
3 散水装置
4 水分検出器
5 温度検出器
6 pH検出器
7 ポンプ
8 加温装置
9 流量計
10 ファン

Claims (4)

  1. 炭素繊維の造粒物及繊維と、微生物含有物質とを必須成分とし、且つその水分含有率を40〜80%に調整された脱臭材料を用い、
    前記脱臭材料に処理される悪臭ガスを接触させて脱臭する悪臭ガスの脱臭方法であって、
    前記炭素繊維の造粒物と繊維との混合割合は、乾物重量比で0 . 7:0 . . 3:0 . 7とし、
    前記炭素繊維と微生物含有物質との混合割合は、乾物重量比で炭素繊維1に対し0 . 01〜0 . とする、ことを特徴とする脱臭方法。
  2. 請求項1記載の脱臭方法において、
    前記脱臭材料が、もみ殻、ハイオガ、おがくず、いねワラから選ばれた1種又は2種以上の有機物を含有していることを特徴とする脱臭方法。
  3. 請求項1または2記載の脱臭方法において、
    前記微生物含有物質が、家畜の糞尿、活性汚泥、又は下水もしくは糞尿の処理施設から出る微生物を含有した物質であることを特徴とする脱臭方法。
  4. 槽内の充填層に脱臭材料を配設し、この脱臭材料に処理される悪臭ガスを接触させて脱臭するための悪臭ガスの脱臭装置であって、
    前記脱臭材料は、
    炭素繊維の造粒物及繊維と、微生物含有物質との混合物からなるか、
    または、炭素繊維の造粒物及繊維と、微生物含有物質と、有機物との混合物からなり、
    前記脱臭装置は、
    前記脱臭材料の水分含有率の調整手段、温度・水分及びpHの検出器、槽内の上部に散水装置、下部に悪臭ガス挿入口が設けられ
    前記炭素繊維の造粒物と繊維との混合割合は、乾物重量比で0 . 7:0 . . 3:0 . 7とし、
    前記炭素繊維と微生物含有物質との混合割合は、乾物重量比で炭素繊維1に対し0 . 01〜0 . とする、ことを特徴とすることを特徴とする悪臭ガスの脱臭装置。
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