JP3310258B2 - 低温炭化処理及び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物処理装置 - Google Patents
低温炭化処理及び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物処理装置Info
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Description
発明の詳細な説明の欄第0007段落の末文に記載した
低温炭化処理と発酵処理とを切り換えて実施可能な兼用
装置についての発明であり、これを分割したものが本出
願である。即ち、本発明は、低温炭化処理及び発酵処理
兼用の生物系有機廃棄物処理装置に関し、特に、著しく
少ない窒素と難分解性の繊維質を含む生物系有機廃棄物
を短期間で、有害物質を発生させることなく低温炭化処
理すると共に、被処理物の種類に応じて発酵処理も可能
な処理装置に関し、また、処理時に発生する蒸気中の塵
埃や臭気成分を効率よく除去し得る処理装置に関する。
尚,本明細書において、生物系有機廃棄物とは、家庭や
飲食店等の厨房から発生する生ごみ、山林や街路地の草
木、刈り草、落葉等生活環境から発生する有機廃棄物、
農林水産業、畜産業及び食品加工業関係その他の有機廃
棄物、汚泥及びそれらの混合物を言うものとする。
物質などが色々と混ざった生ごみは、もともと飼肥料成
分量が少なく、長期間熟成しても利用価値が低い。ま
た、山林や街路地の草木、刈り草、落葉等もコンポスト
化するには、炭素比(C/N比)が高い繊維質の難分解
性物質を多く含むため、20〜180日という長期間の
発酵・熟成を行なっても、肥料や飼料としての有効成分
は少なく、農家等でも歓迎されない。従って、わざわざ
コンポスト化した製品の一部は別途焼却されているのが
現状であり、極めて無駄な再資源化と言わざるを得な
い。また、街路地、公園、道路付近等から発生する落葉
・草木・刈り草等は、焼却時に浮遊粒子状物質(SP
M)等が発生するため、それらの自由な焼却は次第に制
限されつつあり、野焼きなどは全国的に禁止される状況
にある。
は、従来は可燃性ごみと混ぜて焼却されていたが、混ざ
っている含水率の高い有機性廃棄物による不完全燃焼が
原因でダイオキシン類を発生することが問題視されてい
る。また、それらの生物系有機廃棄物には、C/N比
(炭素比)が高い繊維質(セルローズ)等の難分解質が
多く含まれており、人や家畜の糞尿(取扱者制限)や発
酵促進剤と混ぜて発酵分解熟成するにも20日(機械的
処理)〜180日(堆積方式)前後の長期間をかけて微
生物分解させ、熟成しても、有効成分の含有量はバラツ
キが多く、そのため有効成分の保証ができない付加価値
の少ない特殊肥料としてしか取り扱われない。
系有機廃棄物と難分解質の繊維質全体を均一に低温で炭
化して得られる低温炭化物は、コンポスト化製品に比
べ、一定量の燐酸と加里が含有されており、また、土壌
に施用した炭は、多孔質で微生物の増加を促進し、保水
性・通気性が良く、pH調整・土壌改良・濾過・吸着性
等の他、多くの効用があるので有効な資源となることを
見出した。
して熱風やヒーター等の直火を間接的に利用している
が、その加熱温度は300℃〜400℃であり、これは
ダイオキシン類が発生しやすい温度であるばかりでな
く、カドミウム等の有害重金属は溶解し、他方、軽い金
属は気化されて大気中に放散されるという問題がある。
また、高含水率の有機物を300℃〜400℃で炭化す
ると、表面が高温で急速に炭化されるので、表面のみが
炭化膜で覆われて芯部分は不完全炭化物となり、処理済
み炭化物の温度が下っても被処理物は不完全燃焼による
悪臭を発し、ダイオキシン類を含む可能性もある。更に
また、魚の内臓等の如く動物性油脂類を多く含む被処理
物は、炭化処理が困難であり、炭化処理後の形状も大小
ばらばらとなり、再資源化はほとんど不可能である。
を解決するためなされたものであり、その目的とすると
ころは、炭素比(C/N比)の高い難分解性の繊維質
と、高含水率の生物系有機廃棄物を多く含む被処理物
を、12時間〜24時間という短期間で低温炭化処理す
ると共に、被処理物の種類に応じて発酵処理を行なうこ
とも可能な、ダイオキシン類やその他の有害物質が発生
することのない生物系有機廃棄物処理装置を提供するこ
とにある。また本発明のもう一つの目的は、処理中に発
生する蒸気中の塵埃や臭気成分を効率よく除去でき、運
転コストも最小限で済む処理装置を提供することにあ
る。
媒ジャケットで覆われ、内部に設けた撹拌羽根により被
処理物を緩慢に撹拌する処理槽と;処理槽内を所望の温
度に保つよう上記熱媒ジャケットに熱媒を循環供給する
熱媒供給装置と;処理槽に設けられる温度センサーと;上
記温度センサーの出力に基づき上記熱媒供給装置の作動
を制御する制御装置であって、処理槽内の温度を100
℃以上、250℃以下に保って被処理物を低温炭化処理
するモードと、処理槽内の温度を130℃以下とし、被
処理物接触温度を40℃以上、100℃以下に保って被
処理物を発酵処理するモードとを、被処理物の種類に応
じて切り換え制御する制御装置と;処理槽内で発生する
高温の蒸気を強制的に吸引して槽外に導き、処理槽内を
減圧状態に保つ蒸気吸引装置と;処理槽から導き出され
た高温の蒸気が導入され、当該高温の蒸気に冷却水を撒
布することにより蒸気中に含まれる塵埃やガスを水に吸
収させる冷却吸収槽と;冷却吸収槽内の空気を強制的に
吸引して槽外に導く排気装置と;冷却吸収槽からの排気
が導入され、排気中の臭気成分をバーナーにより燃焼、
脱臭した後、排出する燃焼脱臭装置と;を備えたことを
特徴とする低温炭化処理及び発酵処理兼用の生物系有機
廃棄物処理装置によって達成し得る。
温炭化処理を行なう場合の処理温度は140℃以上、2
00℃以下とすることが最も望ましい。植物細胞膜は、
外側を包んでいる膜はセルローズによって構成され、細
胞が古くなると、一般に細胞膜は硬くなり、植物によっ
ては厚くなる。微生物分解は以下の四段階から成るが、
第四段階が完了するまでには長期間にわたる熟成が必要
である。第一段階:糖類や蛋白質の分解(細菌・糸状菌
等の各種微生物による分解)第二段階:ヘミセルローズ
の分解(放線菌等)第三段階:セルローズ分解(好気性
細菌・放線菌・糸状菌・嫌気性の細菌等)第四段階:リ
グニンの分解(キノコ類菌等による)植物体を構成して
いる有機物を分類すると、リグニン・セルローズ・ヘミ
セルローズ・澱粉・糖類・蛋白質等があり、微生物分解
でこの中の繊維質は最も分解が遅い。微生物は、先ず有
機物に含まれている分解容易な澱粉や蛋白質を分解す
る。その分解の過程で有機物に含まれている窒素や燐酸
を無機物にかえして土壌中に排出するが、動物の糞尿な
どの繊維質に富んだものの分解物には、アンモニア態窒
素や硝酸態窒素が多く含まれており、それらのコンポス
トを長期間熟成しても肥料としての有効成分はバークー
堆肥の基準以下である。本発明に係る生物系有機廃棄物
処理装置において行なわれる低温処理とは、植物細胞膜
を加熱して、主に繊維質を多く含む植物細胞の一部を熱
分解して、短時間で有機質を熱で分解低減した土壌改良
材とし、これを施用して、土中で窒素飢餓が生じないよ
うにする目的で開発されたものである。即ち、植物細胞
壁(膜)の熱分解によって有機質を無機化し、有機質を
低減することによって土中で窒素飢餓状態を防止するよ
うにしたものである。ここで、窒素飢餓とは、炭素率が
著しく高い有機物を施用すると、有機物の中の窒素が少
ないので、微生物は自分の体を作るために土中でアンモ
ニア態や硝酸態の窒素まで体内に取り込むことになるの
で、土中の有効窒素が一時的に減少する。熟成(炭素率
の低い)していない未熟(炭素率の高い)コンポストな
ど施用すると、作物の吸収する窒素は一時的に欠乏す
る。土中で有機物が腐敗するため、土中の酸素を奪い、
作物は根腐れを生じる恐れがある。
理装置は、被処理物の種類に応じて、上記低温炭化処理
のほか発酵処理をも行ない得るように構成したものであ
り、加熱温度を130℃以下、処理物接触温度を40℃
以上、100℃以下に制御すると発酵処理装置となり、
温度設定をこれより上昇させることにより低温炭化装置
となる兼用装置として構成されたものである。
物系有機廃棄物処理装置においては、処理槽内の高温の
蒸気を強制的に吸引して槽外に導く上記蒸気吸引装置
と、冷却吸収槽内の空気を強制的に吸引して槽外に導く
排気装置とが同一の吸気装置によって兼用するよう構成
してもよい。
から導き出された高温の蒸気中に含まれる塵埃を除去す
るサイクロンもしくは集塵装置を設けることも推奨され
る。
け、当該貯水槽内に貯留される塵埃やガスを含む汚水を
エアレーション処理する装置を設けることが推奨され
る。
内の水の一部を取り出して、冷却吸収槽へ再度撒布する
よう構成するのがよい。
補充すると共に、冷却吸収槽の底部の貯水槽内の汚染濃
度の高い汚水を当該貯水槽から汚水槽へ排出するよう構
成するのがよい。
ットを設け、当該空冷用ジャケット内で加熱された空気
を前記処理槽内へ導入するよう構成することが推奨され
る。
の燃焼熱によって加熱される通気孔を有するセラミック
板を設けることが望ましい。
350℃以上、直接温度で850℃以上とすることが望
ましい。
却炉の煙道を通じて大気中へ放出するよう構成すること
が推奨される。
設けた熱媒ジャケット中に循環、供給される熱媒によっ
て処理槽内が均一に100℃以上、250℃以下、望ま
しくは140℃以上、200℃以下に保たれ(被処理物
との接触温度は、天婦羅を揚げる温度以下)、被処理物
は槽内で緩慢に撹拌されながら低温炭化せしめられるも
のである。また、制御装置により、熱媒供給装置の作動
を制御することにより、処理槽内の温度を130℃以下
とし、被処理物接触温度を40℃以上、100℃以下に
保って被処理物を発酵処理することも可能である。
化処理がなされるため、被処理物に含まれる塩分の熱分
解による処理槽の腐蝕もなく、ダイオキシン類の発生も
ない。また、処理槽内は減圧状態にあるため、処理槽と
して圧力容器を用いる必要がなく、そのため、ボイラー
無資格者でも操作でき、自動或いは手動でも安全で単純
な操作で運転できる。通常、5t/日(24時間以下)
の処理が可能である。また、熱媒ジャケットを用いて、
温度を均一に維持するため、熱媒の蓄熱作用による省エ
ネ効果も、従来の熱風炭化装置に比べ2/3以下のエネ
ルギー消費で済むものである。本発明によれば、肥料成
分の少ない繊維質を多く含む生物系有機廃棄物を、1日
(24時間以内)の短期間で、付加価値の高い低温炭化物
に変えることができる。
水率の有機性廃棄物を特殊撹拌羽根で破砕、液化し、均
一撹拌、均一加熱、発生蒸気の均一吸引を行なうと共
に、吸引排出した蒸気と同量の乾燥加熱空気を供給す
る。これにより、高含水率(85%前後)の有機物の水分
を徐々に脱水(65%前後)すると、有機物の間に隙間が
生じて、加熱された空気が被処理物と接触し、処理物は
徐々に乾燥され、有機質に含まれる蛋白質や繊維質は熱
分解して粒状に炭化される。
N比)の高い繊維質を炭化すると、この炭化物が作物の
成長を促進し、収量を上げ、更にまた、病原菌の侵入を
阻止する効果もあることが確認されている。炭の水素イ
オン濃度は7〜8.6前後のアルカリ性であるため、酸性
土壌の調整剤としての効果もあり、土中の根粒菌を繁殖
させ、土中の通気性と保水性・保肥力を向上させる。ま
た、炭は活性炭と同様に多孔質であるため、微生物の棲
かとなり微生物の繁殖を促す効果もある。難分解性の繊
維質の炭化肥料効果としては、過剰窒素を無くし、燐酸
や加里の流亡が防止され、燐酸は根と茎を丈夫にし、加
里は花や実の成長を促す。
低温炭化処理を行なうと、ダイオキシン類の発生や有害
重金属の溶融を防止でき、環境破壊を引き起こすことが
ない。即ち、生物系有機廃棄物類からダイオキシン類が
発生する要因として次の条件が満たされていることが挙
げられる。 (1) ベンゼン核を持つ有機物が存在すること。 (2) ベンゼン核と結合する反応性の塩素原子を含む「塩
化水素」が存在すること。 (3) ベンゼン核を結ぶ「酸素」が存在すること。 高含水率の生物系有機廃棄物や水産系廃棄物に多く含ま
れる塩化ナトリウムや硫黄等を300°前後で焼却若し
くは炭化すると、高含水率による不完全燃焼によりダイ
オキシン類が発生したり、塩化水素や硫黄酸化物、窒素
酸化物が発生して大気中に排出される。然しながら、本
発明においては、250℃以下の低温で炭化処理を行な
うため、ダイオキシン類は発生はしない。また、水産系
廃棄物、特に軟体動物等の内臓に多く含まれる有害重金
属カドミウムの溶融点は320℃であり、沸点は766
℃であるため、従来の炭化処理装置に如く350℃程度
で加熱すると、これらの有害重金属が溶融し、一部は気
化して、環境破壊を引き起こすおそれが強い。
有機物を含む被処理物を350℃前後で加熱するため、
被処理物は表面部分のみが急速に炭化され、高含水率の
中心部まで炭化が進行しないうちに、表面に多孔質の炭
化層膜が形成され、周囲の溶融した有害物質を吸着する
ため、炭化処理物を再利用することができないという問
題もある。
処理装置を用いた低温炭化処理によるときは、次に示す
ようにダイオキシン類等の有害物質の発生を回避でき、
得られた炭化処理物を有効に再利用できる。 (1) 被処理物との間接接触温度が200℃以下の低温処
理(天婦羅を揚げる温度)であるため、ダイオキシン類
が発生しない。 (2) 低温処理であるため、軟体動物や魚介類に含まれる
有害重金属類を溶解或いは気化させない。 (3) 難分解性の繊維質を炭化して有機質を無機質に変換
し、有用な資源とすることができる。 (4) 低温炭化処理或いはそれにより得られた炭化物は有
害物質を発生しない。 (5) 多少残る窒素類も土壌微生物で分解され、土壌改良
効果と、作物に養分を供給する効果を有する。 (6) 酸性土壌の水素イオン濃度pHを弱アルカリ側に調
整する。 (7) 炭の施用は、土壌の通気性・保水性・保肥力を高
め、植物育成に有益な燐酸と加里の流亡を防ぐ。 (8) 作物成長促進や土壌及び微生物環境を阻害しない。 (9) 微粉末に加工し、葉面散布することにより防虫剤と
して利用できる。 (10)畜舎の床に敷き詰めることにより、悪臭防止や敷草
としての効果を奏する。 (11)住宅等の床下に敷き詰めることにより、臭気及び湿
気を防止し、通気性を高めると共に、白アリや害虫等の
忌避剤としての効果を奏する。 (12)減反地の土壌の砂漠化の防止と、土壌微生物の活性
化(水の浄化等含む)に効果がある。
具体的に説明する。図1は、本発明に係る低温炭化処理
及び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物処理装置の一実施
例の概略を示す説明図である。図中、1は処理槽、11
は処理槽の周囲に取り付けられた熱媒ジャケット、12
は撹拌羽根、13は回転シャフト、14は蒸気吸引管、
2は前記熱媒ジャケット11に加熱した熱媒油を循環供
給する熱媒供給装置、21は熱媒ボイラー、22及び2
3は循環ポンプ、24及び25は熱媒流通管、3はブロ
ワー、4は冷却吸収槽、41は冷却水スプレー、42は
貯水槽、43は仕切り板、44は排水管、45は冷却水
循環ポンプ、46は冷却水供給管、47は冷却水補給
管、5は燃焼脱臭装置、51は空冷用ジャケット、52
はバーナー、53は燃焼脱臭装置5内に設けた通気孔付
きのセラミック板、6は空冷用ジャケット51を通過し
た加熱された空気を処理槽1へ導く予熱空気供給管であ
る。
1で覆われ、投入口から投入された被処理物(生物系有
機廃棄物)を、槽内に設けた撹拌羽根12で緩慢に撹拌
し、液状化させるようになっている。低温炭化処理を行
なう場合、処理槽1内は、熱媒ジャケット11に供給さ
れる加熱された熱媒油と、後述する燃焼脱臭装置5の空
冷用ジャケット51を通過し予熱空気供給管6を通じて
送り込まれる熱風によって、100℃以上、250℃以
下、一層望ましくは140℃以上、200℃以下に保た
れ、これにより、液状化した被処理物は徐々に乾燥し、
更には低温炭化せしめられる。処理槽1の適宜の箇所に
は、温度センサー(図では省略)が取り付けられ、その
出力データに基づき、図では省略した制御装置が熱媒供
給装置2の循環ポンプ22,23等を制御し、熱媒ジャ
ケット11に供給される熱媒油の量や温度を自動的に調
整して、処理槽1内の温度を100℃以上、250℃以
下に保つようになっている。撹拌羽根12は、回転シャ
フト13に取り付けられ、回転シャフト13は、槽外に
設けたモーター等の回転駆動装置によりゆっくりと回転
せしめられる。
吸収槽4の排気口に設けたブロワー3の作用で、処理槽
1から蒸気吸引管14を経て冷却吸収槽4へ強制的に導
かれ、これにより、処理槽1内は減圧状態に保たれる。
このように、処理槽1内が減圧状態に保たれることによ
り、予熱空気供給管6からの熱風が処理槽1内へ円滑に
導入されると共に、被処理物の槽内での低温炭化処理が
順調に進行する。
は、処理槽1内の高温の蒸気を強制的に吸引して槽外に
導く蒸気吸引装置としての役割と、冷却吸収槽4内の空
気を強制的に吸引して槽外に導く排気装置としての役割
を兼用している。ブロワー3は、図示する如く冷却吸収
槽4の排気口に設ける代わりに、蒸気吸引管14の側へ
設けるようにしてもよく、或いはまた、両方に設けるよ
うにしてもよい。
に、処理槽1から導き出された高温の蒸気中に含まれる
塵埃を除去するサイクロンもしくは集塵装置を設けるこ
とも推奨される。
れた高温の蒸気が導入され、当該高温の蒸気にスプレー
41から冷却水を撒布して蒸気中に含まれる塵埃やガス
を水に吸収させる。冷却吸収槽4内は、仕切り板43に
よって仕切られると共に、底部には貯水槽42が設けら
れ、当該貯水槽内に貯留される塵埃やガスを含む汚水を
エアレーションによって浄化処理する装置(図では省
略)が設けられる。また、冷却水循環ポンプ45によっ
て、貯水槽42内の水の一部を取り出し、冷却水供給管
46を通じて冷却吸収槽4へ再度撒布するよう構成する
と共に、貯水槽42内の水温上昇によって冷却効果が低
下するのを防止するため、冷却水補給管47を通じて新
たな冷却水を補充するようにする。また、冷却吸収槽4
の底部の貯水槽42内の汚染濃度の高い汚水は、排水管
44を通じて当該貯水槽42から汚水槽へ排出するよう
構成する。
り強制的に槽外に吸引され、燃焼脱臭装置5に送られ
て、バーナー52によってその臭気成分が燃焼、脱臭さ
れる。燃焼脱臭装置5の周囲には、空冷用ジャケット5
1を設け、当該空冷用ジャケット内で加熱された空気を
予熱空気供給管6を通じて前記処理槽1内へするよう構
成してある。このように、処理槽1内の被処理物から発
生した蒸気は蒸気吸引管14を通じて吸引、排出される
と共に、予熱空気供給管6から乾燥した予熱空気が導入
されるため、被処理物は短時間で低温炭化される。な
お、燃焼脱臭装置5の内部には、前記バーナー52の燃
焼熱によって加熱される通気孔を有するセラミック板5
3(図2にその正面図を示す。図2中、53a,53b
は通気孔を示す。)を設け、脱臭効果を向上させるよう
に構成する。
1内の温度は130℃以下とされ、被処理物接触温度が
40℃以上、100℃以下に保たれる。この場合も、処
理槽1の適宜の箇所に設けた温度センサーの出力データ
に基づき、図では省略した制御装置が熱媒供給装置2の
循環ポンプ22,23等を制御し、熱媒ジャケット11
に供給される熱媒油の量や温度を自動的に調整して、被
処理物接触温度を40℃以上、100℃以下に保つもの
である。
る生物系有機廃棄物処理装置を用いて低温炭化処理を行
なった実験例を以下に示す。
の炭化処理を行なった。このカット野菜屑の具体的な内
容物は下記の表1に示す通りである。
ある。 処理槽容積: 120 〜200 リットル 熱媒設定温度: 180 〜250 ℃ 槽内の被処理物の接触温度: 120 〜200 ℃
含水率等の時間的変化は、下記の表2に示す通りであっ
た。
実施例1の場合と同様の条件で炭化処理した。
含水率等の時間的変化は、下記の表4に示す通りであっ
た。
装置と本発明に係る生物系有機廃棄物処理装置とで炭化
処理した。その比較結果を表6に示す。
来の発酵によるコンポスト化処理を行なった場合の製品
の成分分析結果を下記の表7に示す。同様の農業棄物
を、本発明の生物系有機廃棄物処理装置による低温炭化
処理を行なった場合の製品の成分分析結果を下記の表8
に示す。
物について、本発明の生物系有機廃棄物処理装置による
低温炭化処理を施して得られた製品の成分分析結果を下
記の表9に示す。
機廃棄物について、本発明の生ごみ処理装置による低温
炭化処理を施して得られた製品の成分分析結果を下記の
表10に示す。
化処理を施して得られた製品の肥料分析法(農林水産省
農業環境技術研究所)による成分分析結果を下記の表1
1に示す。分析は財団法人日本食品分析センターに依頼
して行なった。
後、本発明の生物系有機廃棄物処理装置による低温炭化
処理を行なって得られた試料Aの特徴を表12に示す。
の結果を図3に示す。使用した用土の配合比は以下の通
りである。 ビートモス・・・・・・・・50 vol% パーライト・・・・・・・・10 vol% バーミキュライト・・・・・10 vol% 異物をふるい別けた試料・・30 vol% 合 計・・・・・・・・・ 100 vol%
有機廃棄物について従来からのメタン発酵後乾燥処理を
施して得られた試料Bの特徴を表13に示す。
の結果を図4に示す。使用した用土の配合比は以下の通
りである。 ビートモス・・・・・・・・50 vol% パーライト・・・・・・・・10 vol% バーミキュライト・・・・・10 vol% 異物をふるい別けた試料・・30 vol% 合 計・・・・・ ・・・・100 vol%
よる低温炭化処理を行なって得られた試料Cの特徴を表
14に示す。
の結果を図5に示す。使用した用土の配合比は以下の通
りである。 ビートモス・・・・・・・・50 vol% パーライト・・・・・・・・10 vol% バーミキュライト・・・・・10 vol% 異物をふるい別けた試料・・30 vol% 合 計・・・・・・・・・ 100 vol%
得た試料Dの特徴を表15に示す。
の結果を図6に示す。使用した用土の配合比は以下の通
りである。 ビートモス・・・・・・・・50 vol% パーライト・・・・・・・・10 vol% バーミキュライト・・・・・10 vol% 異物をふるい別けた試料・・30 vol% 合 計・・・・ ・・・・・100 vol%
発明によるときは、炭素比(C/N比)の高い難分解性
の繊維質と、高含水率の生物系有機廃棄物を多く含む被
処理物を、12時間〜24時間という短期間で低温炭化
処理すると共に、被処理物の種類に応じて発酵処理を行
なうことも可能な、ダイオキシン類やその他の有害物質
が発生することのない生物系有機廃棄物処理装置を提供
し得るものである。また、本発明に係る生物系有機廃棄
物処理装置によるときは、処理中に発生する蒸気中の塵
埃や臭気成分を効率よく除去でき、運転コストも最小限
で済む。
生物系有機廃棄物処理装置の一実施例の概略を示す説明
図である。
れるセラミックス板の一例を示す説明図である。
タン発酵後、本発明による低温炭化処理を行なって得ら
れた試料を用いて小松菜の育苗試験を行なった結果を示
すグラフである。
からのメタン発酵後乾燥処理を施して得られた試料を用
いて小松菜の育苗試験を行なった結果を示すグラフであ
る。
よる低温炭化処理を行なって得られた試料を用いて小松
菜の育苗試験を行なった結果を示すグラフである。
の育苗試験を行なった結果を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】周囲が熱媒ジャケット(11)で覆われ、
内部に設けた撹拌羽根(12)により被処理物を緩慢に
撹拌する処理槽(1)と; 処理槽(1)内を所望の温度に保つよう上記熱媒ジャケ
ット(11)に熱媒を循環供給する熱媒供給装置(2)
と; 処理槽(1)に設けられる温度センサーと; 上記温度センサーの出力に基づき上記熱媒供給装置
(2)の作動を制御する制御装置であって、処理槽
(1)内の温度を100℃以上、250℃以下に保って
被処理物を低温炭化処理するモードと、処理槽(1)内
の温度を130℃以下とし、被処理物接触温度を40℃
以上、100℃以下に保って被処理物を発酵処理するモ
ードとを、被処理物の種類に応じて切り換え制御する制
御装置と; 処理槽(1)内で発生する高温の蒸気を強制的に吸引し
て槽外に導き、処理槽内を減圧状態に保つ蒸気吸引装置
(3)と; 処理槽(1)から導き出された高温の蒸気が導入され、
当該高温の蒸気に冷却水を撒布することにより蒸気中に
含まれる塵埃やガスを水に吸収させる冷却吸収槽(4)
と; 冷却吸収槽(4)内の空気を強制的に吸引して槽外に導
く排気装置(3)と; 冷却吸収槽(4)からの排気が導入され、排気中の臭気
成分をバーナー(52)により燃焼、脱臭した後、排出
する燃焼脱臭装置(5)と; を備えたことを特徴とする低温炭化処理及び発酵処理兼
用の生物系有機廃棄物処理装置。 - 【請求項2】処理槽(1)内の高温の蒸気を強制的に吸
引して槽外に導く上記蒸気吸引装置(3)と、冷却吸収
槽(4)内の空気を強制的に吸引して槽外に導く排気装
置(3)とが同一の吸気装置(3)によって兼用するよ
う構成したことを特徴とする請求項1に記載の低温炭化
処理及び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物処理装置。 - 【請求項3】上記処理槽(1)と冷却吸収槽(4)との
間に、処理槽(1)から導き出された高温の蒸気中に含
まれる塵埃を除去するサイクロンもしくは集塵装置を設
けたことを特徴とする請求項1に記載の低温炭化処理及
び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物処理装置。 - 【請求項4】上記冷却吸収槽(4)の底部に貯水槽(4
2)を設け、当該貯水槽内に貯留される塵埃やガスを含
む汚水をエアレーション処理する装置を設けたことを特
徴とする請求項1に記載の低温炭化処理及び発酵処理兼
用の生物系有機廃棄物処理装置。 - 【請求項5】上記冷却吸収槽(4)の底部の貯水槽(4
2)内の水の一部を取り出して、冷却吸収槽(4)へ再
度撒布するよう構成したことを特徴とする請求項1に記
載の低温炭化処理及び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物
処理装置。 - 【請求項6】上記冷却吸収槽(4)内へ新たな冷却水を
補充すると共に、冷却吸収槽(4)の底部の貯水槽(4
2)内の汚染濃度の高い汚水を当該貯水槽(42)から
汚水槽へ排出するよう構成したことを特徴とする請求項
1に記載の低温炭化処理及び発酵処理兼用の生物系有機
廃棄物処理装置。 - 【請求項7】前記燃焼脱臭装置(5)の周囲に、空冷用
ジャケット(51)を設け、当該空冷用ジャケット内で
加熱された空気を前記処理槽(1)内へ導入するよう構
成したことを特徴とする請求項1に記載の低温炭化処理
及び発酵処理兼用の生物系有機廃棄物処理装置。 - 【請求項8】前記燃焼脱臭装置(5)の内部に、前記バ
ーナー(52)の燃焼熱によって加熱される通気孔を有
するセラミック板(53)を設けたことを特徴とする請
求項1に記載の低温炭化処理及び発酵処理兼用の生物系
有機廃棄物処理装置。 - 【請求項9】前記燃焼脱臭装置(5)の温度を触媒接触
温度で350℃、直接温度で850℃とすることを特徴
とする請求項1に記載の低温炭化処理及び発酵処理兼用
の生物系有機廃棄物処理装置。
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