JP2002233729A - 悪臭ガスの脱臭方法および脱臭装置 - Google Patents

悪臭ガスの脱臭方法および脱臭装置

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JP2002233729A
JP2002233729A JP2001030529A JP2001030529A JP2002233729A JP 2002233729 A JP2002233729 A JP 2002233729A JP 2001030529 A JP2001030529 A JP 2001030529A JP 2001030529 A JP2001030529 A JP 2001030529A JP 2002233729 A JP2002233729 A JP 2002233729A
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deodorizing
gas
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malodorous gas
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Akira Kojima
昭 小島
Tokuzo Sato
徳三 佐藤
Mitsuyoshi Sato
光芳 佐藤
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト低減を図りつつ通気抵抗を低く押さえ
ることができ、接触時間を従来より大幅に短縮し、処理
能力を向上させ、かつ長期継続使用をしても圧密化が少
なく、目づまりの少ない維持管理の簡単な悪臭ガスの脱
臭方法および脱臭装置を提供する。 【解決手段】 フライアッシュファイバーの造粒物と微
生物含有物質とを必須成分としかつ水分含有率が40〜
80%に調整された脱臭材料に、悪臭ガスを接触させて
脱臭する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理場、し尿
処理場、家畜及び実験動物糞尿処理施設、食品工場、飼
・肥料工場、化学工場等から発生する悪臭ガスを生物化
学的処理により脱臭する脱臭方法および脱臭装置に関す
る。
【0002】
【従来技術】上記した下水処理場等で発生する悪臭ガス
は、脱臭装置を利用して無臭化した後大気中へ放出され
るのが一般的である。従来より、脱臭装置として、よく
知られているものの1つに土壌脱臭装置がある。
【0003】この土壌脱臭装置は、脱臭槽に堆積された
土壌中の微生物の働きを利用して悪臭ガスを分解して無
臭化するものであるため、脱臭効果が高く、管理の仕方
如何では永続的に脱臭できるとされている。
【0004】しかし、脱臭槽内の土壌中に悪臭ガスを通
過させる際の通気抵抗が大きく、土壌堆積高を50cm
程度にしかできず、かつそのときの悪臭ガスが土壌を通
過する速度(見掛けの風速)が5〜10mm/秒と遅
い。そのため、大量の悪臭ガスを処理する場合には、堆
積できない分、横へ広げて脱臭槽面積を拡大しなければ
ならず、この敷地を確保することが実際には困難な場合
が多い。
【0005】そこで、上記した問題を解決するために、
ロックウール等を用いた脱臭方法(特公平3−6052
6)が提案されている。
【0006】かかる脱臭方法は、ロックウール等の無機
質資材と微生物活性物質とを混合した水分50〜70重
量%の脱臭材を用いて悪臭ガスを脱臭する方法である
が、上記した土壌脱臭装置の場合と比べて通気抵抗が低
く、脱臭材を約2.5mと高く堆積することができ、ま
た見掛けの風速も20〜25mm/秒にすることができ
る。そのため、脱臭装置として必要な敷地規模を土壌脱
臭装置に比べ約1/4〜1/5にすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したロッ
クウール等を用いた脱臭方法の場合、土壌脱臭装置に比
べれば通気抵抗が低くなったとはいうものの、満足すべ
き水準ではなく一層の脱臭処理能力の向上が要請されて
いる。
【0008】また、上記脱臭方法は、微生物によって悪
臭を分解したときに出る生成物の洗浄が難しく、運転期
間が長くなると目づまりが生じる。さらに、長期継続使
用によって、ロックウールを主材料とする脱臭材が圧密
化される傾向があり、上記した目づまりと相俟って、悪
臭ガスが脱臭材を通過しにくくなり、長期運転下の維持
管理が難しい。
【0009】また、従前のような高度経済成長が望めな
い我が国においては、より一層のコスト低減を図れる脱
臭方法および脱臭装置が強く求められている。
【0010】本発明の目的は、上記事情に鑑み、コスト
低減を図りつつ通気抵抗を低く押さえることができ、接
触時間を従来より大幅に短縮し、脱臭処理能力を向上さ
せ、かつ長期継続使用をしても圧密化が少なく、目づま
りの少ない維持管理の簡単な悪臭ガスの脱臭方法および
脱臭装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は以下の手段をとった。
【0012】すなわち、本発明は、フライアッシュファ
イバーの造粒物と微生物含有物質とを必須成分としかつ
水分含有率が40〜80%に調整された脱臭材に、悪臭
ガスを接触させて脱臭することを特徴とする悪臭ガスの
脱臭方法である。
【0013】本発明で処理の対象とする悪臭ガスは、ア
ンモニア、メチルメルカプタン、アセトアルデヒド、硫
化水素等の悪臭防止法で規制されている悪臭ガスであ
る。
【0014】フライアッシュファイバーは、火力発電所
等からの廃棄物である石炭灰を原料にし、1400〜2
200℃の高温下で溶融させ、それを遠心力で繊維状あ
るいは圧縮空気を吹きつけて繊維状あるいは綿状とした
ものである。このファイバーの直径は、3〜20μm程
度で、平均直径は約5〜10μm、繊維長は1〜50m
m程度である。フライアッシュファイバーの造粒物は、
直径1〜70mm程度である。
【0015】このフライアッシュファイバーは、ロック
ウールよりも遥かに耐アルカリ性が優れている。また、
フライアッシュファイバーの機械的強度は、繊維径によ
って異なるが、例えば直径が6μmの場合には、引張り
強度が4120MPa、引張り弾性率200GPaであ
る。したがって、機械的強度の点でも、他の無機質繊維
(ロックウール、ガラス繊維等)や炭素繊維よりも優れ
ている。
【0016】フライアッシュファイバーは造粒したもの
が使用される。造粒する場合には、ロータリーキルンで
フライアッシュファイバーを絡み合わせて造粒する方
法、造粒機を用いた通常の造粒方法等が用いられる。
【0017】フライアッシュファイバーの造粒物は、ロ
ックウールの造粒物や炭素繊維の造粒物に比べて変形し
にくいことを、実験の結果から確認した。
【0018】すなわち、フライアッシュファイバーの造
粒物、ロックウールの造粒物および炭素繊維の造粒物
を、それぞれメスシリンダ(内径65mm)に1リット
ル充填し、各上部に1kgの重りを載せ、10分後の体
積の縮み量をそれぞれ測定した。その結果、表1に示す
ように、フライアッシュファイバーの縮み率が3%と最
も小さかった。
【0019】
【表1】
【0020】同様に、上記各造粒物の量や重りの重量を
変えて実験しても、表2、表3に示すように、フライア
ッシュファイバーの縮み率が、ロックウールの造粒物や
炭素繊維の造粒物の縮み率よりも遥かに小さかった。
【0021】
【表2】
【0022】
【表3】
【0023】このように、フライアッシュファイバーの
造粒物は、ロックウール等に比べて変形しにくいので、
長期継続使用しても圧密化しにくい。
【0024】本発明で用いる微生物含有物質としては、
家畜の糞尿等の微生物を含有した物質が使用される。具
体例としては、家畜のふん尿、活性汚泥、および下水2
次処理水や糞尿の各処理施設から出る微生物を含有した
物質が挙げられる。そして、これらの中では鶏糞が実用
上特に好ましい。
【0025】これら微生物含有物質中の有効微生物は、
上記したフライアッシュファイバーの造粒物に固着して
おり、適切な条件下で増殖された上で利用される。な
お、微生物がフライアッシュファイバーの造粒物に良好
に固着し、かつ増殖される効果は、本発明者らの研究に
よれば、圧密化しにくく目詰まりが少ないなどの理由か
ら、ロックウール等の材料に比べ本発明のフライアッシ
ュファイバーの造粒物の方が極めて顕著であることが確
認されている。
【0026】微生物含有物質の混合割合は乾物重量比で
フライアッシュファイバーの造粒物1に対し0.01〜
0.5が好ましい。0.01未満では、脱臭のための微
生物活性が低く、0.5を超えると加えただけの効果が
期待できないからである。より好ましくは0.05〜
0.2である。また、微生物含有物質が液状の場合は、
他の脱臭材を脱臭装置の充填層内に充填させた後散布し
てもよい。
【0027】本発明で用いる脱臭材には、もみ殻、ハイ
オガ、おがくず、いねワラ等の農産物もしくは畜産物又
は林産物の残渣である、いわゆる粗大有機物といわれる
有機物を混合することが好ましい。また、これらの有機
物は2種以上混合して使用してもよい。これらの有機物
は脱臭に有効な微生物の栄養源や供給源の一部として働
く他、該微生物の繁殖、活動に有利な棲家を提供すると
いう効果を有している。
【0028】有機物を用いる場合のフライアッシュファ
イバーの造粒物と上記の有機物と微生物含有物質との混
合比は、乾物重量比で1:0.01〜0.5:0.01
〜0.5が好ましい。有機物の混合割合が0.01未満
では栄養不足になり、0.5を超えると、有機物の過度
の分解により目づまりを引き起こし、圧密化の原因にな
る。より好ましくは0.03〜0.2である。
【0029】次に、以上説明した各材料から本発明が必
須とする脱臭材を製造する方法について説明する。
【0030】まず、フライアッシュファイバーをロータ
リーキルン等を用いて造粒する。この際、フライアッシ
ュファイバーは短繊維であるので、切断することなく造
粒が可能である。すなわち、加工しやすく、この点もフ
ライアッシュファイバーを用いた利点の一つである。
【0031】フライアッシュファイバーの造粒物に所定
量の微生物含有物質、例えば鶏糞を混合する。もみ殻、
ハイオガ等の有機物を用いる時は更にこの混合物に所定
量の該有機物を1種又は2種以上混合する。次いで、そ
の混合物を水分含有率40〜60重量%になるように調
整した後、耐蝕性の耐熱容器に入れ、一定の時間をかけ
て該混合物中の微生物を培養する。
【0032】培養期間は環境条件にもよるが、通常は5
〜10日間、1日1回以上攪拌を行いながら行う。な
お、培養されたか否かは温度上昇によって判断する。こ
の培養された混合物が本発明の脱臭材であり、脱臭槽に
充填し水分調整した後、使用される。
【0033】次に、本発明の悪臭ガスの脱臭装置を、図
1に基づいて説明する。本脱臭装置は、上記した脱臭材
が充填された充填層2を有する脱臭槽1を備え、この脱
臭槽1に取り込んだ悪臭ガスを充填層2を通過させて脱
臭処理し外部へ放出するものである。そして、脱臭槽1
には、脱臭材の水分を調節する水分量調節手段(散水装
置3、水分検出器4、ポンプ7等)と、温度を調節する
温度調節手段(温度検出器5等)と、pHを調整するp
H調節手段(pH検出器6等)とが設けられており、当
該各調節手段によって充填層2中の微生物の最適環境を
自動的にコントロール可能に構成されている。
【0034】すなわち、微生物の最適環境は、本発明に
おいては水分40〜80wt%、温度10〜50℃、p
H6〜9であることが研究の結果、確認されているの
で、この範囲内になるように上記4、5、6の検出器を
用いて自動的にコントロールしている。具体的にはこの
最適範囲外、例えば水分が40%未満になると水分検出
器4から信号が出てポンプ7が作動して散水装置3より
散水を行い、温度が10℃未満になると、温度検出器5
から信号が出て加温装置8が作動して加温した悪臭ガス
が2内に送入される。
【0035】またpH値が6未満もしくは9を超える
と、pH検出器6からの信号によって、消石灰や緩衝溶
液を散水装置3によって適量散布して充填層2内のpH
を調整する。なお、図1において、9は流量計である。
【0036】本発明における微生物の脱臭材中の最適水
分率は上記の通り40〜80wt%である。水分が40
wt%未満になると微生物の活動が低下し、80wt%
を超えると通気抵抗が高くなり過ぎ、好ましくない。
【0037】この水分量における通気抵抗と見掛けの風
速との関係を図2に示す。すなわち、図2は直径35c
mの筒体の脱臭装置の充填層に本発明の脱臭材を堆積高
1mにして充填した時の水分量と通気抵抗と見掛けの風
速との関係を示した図である。 なお、図中Aは水分8
0wt%、Bは水分40wt%、Cはロックウール脱臭
材の水分65wt%の通気抵抗値である。
【0038】図2に示すように、本発明の脱臭材は、C
のロックウール脱臭材の通気抵抗値である約980Pa
(脱臭堆積高1m、水分65wt%時の測定値)に比べ
て低い範囲の水分量で通気抵抗が約1/2になり、悪臭
ガスを容易に通し、かつ目づまりがなく、微生物による
生分解時の生成物の洗浄が容易になる。
【0039】図3は、図2と同じ脱臭装置の充填層で測
定した水分率の経時変化を示す。図3に示すように、本
発明では散水直後の水分量は約80wt%であり、1時
間以内に約70%に達し、以後1日間約60%の水分を
保持される。このように、本発明の脱臭材は高水分量を
保持できる優れた吸水性を有し、以後長時間に亘り微生
物の最適環境の水分量を維持することができるという効
果を有している。そして、本発明の脱臭材を充填槽に充
填し、そこに悪臭ガスを通過させると、悪臭ガスは微生
物の栄養源となり生分解され、無臭化されて大気に放出
することができる。
【0040】本発明における脱臭のメカニズムは、上記
の通り悪臭ガスが適度な水分を保持した脱臭材の中の微
生物と接触して生分解され無臭化されるという仕組みを
とるものである。
【0041】例えば、微生物によりアンモニアは硝酸イ
オン、メチルメルカプタンは硫酸イオン、アセトアルデ
ヒド等の悪臭ガスは、最終的には炭酸ガスと水にまで生
分解され、無臭化される。そして、上部からの散水によ
り、微生物により生分解された上記の生成物は水で溶出
され系外に排出される。
【0042】このようにして、本発明の脱臭材は、再び
悪臭ガスを生分解することのできる脱臭能力を回復し、
使用されるのである。従って、本発明においては、悪臭
ガスの分解量と送入量がほぼ等しくなるようにコントロ
ールすれば、脱臭効果はほぼ永続的に奏されることにな
る。
【0043】また、本発明で用いるフライアッシュファ
イバーは、耐アルカリ性が優れているので、アルカリ性
の悪臭ガスと長期にわたって接触しても形態が崩れるよ
うなことはなく、また目詰まりも起きないので、微生物
は常に好適な環境下で活動できる。
【0044】また、フライアッシュファイバーは、比表
面積が大きいという特徴があり、500〜800m2
kg程度あるので、ロックウールの通常190m2/k
g程度に比べ最大4倍以上の表面積がある。このためフ
ライアッシュファイバーの方が表面積の点からしても微
生物の付着面積がロックウールに比べて遥かに大きくな
りその付着に有利である。
【0045】そのため、本発明では悪臭ガスと脱臭材の
接触時間を従来の方法に比べ約1/2に短縮しても脱臭
ができ、かつこの接触時間の短縮により、見掛けの風速
も速くなり、悪臭ガスの処理能力も一段と向上したので
ある。さらに、フライアッシュファイバーは、上記した
ように引張強度や引張弾性率の高い材料であるため、圧
密充填しても元の状態に復元しやすく、長期使用しても
圧密化が防止できるという特徴を有している。
【0046】
【作用】本発明の脱臭材は、微生物が繁殖するために必
須とされる最適環境を構成する適切な水分及び栄養源
(運転中は悪臭ガスが主たる栄養源となる)を保持して
おり、酸素(空気)が充分に供給されやすく、温度、p
Hのコントロールも適正に調整できるため、悪臭ガスを
分解する微生物の活動にとって極めて好適な環境を提供
している。
【0047】また本発明の脱臭材は、微生物が活動する
のに最適な水分を維持できる充分な吸水性を有し、しか
も長時間に亘りその最適水分を保持できる能力を有して
いる上、広い範囲の水分量にわたって通気抵抗が低く、
また耐アルカリ性に優れているため長期間にわたってア
ルカリ性の悪臭ガスと接触しても形態が崩れることがな
く、常に一定の形状と空隙を確保・保持することができ
る。そのため、微生物は、常に好適な環境下で活動でき
るので、接触時間もロックウール等の脱臭材に比べ格段
に短くでき、悪臭ガスの無臭化が達成される。
【0048】而して、本発明で悪臭ガスの分解に使われ
る微生物は、上記のような最適環境を維持さえすれば増
殖が繰り返され、更に生分解能を上昇させることができ
るので、脱臭施設面積を従来に比べ大巾にコンパクト化
することができるのである。さらには、フライアッシュ
ファイバーは、火力発電所等から発生する石炭灰(廃棄
物)を原料とするものであるので、これを使用すること
は資源を再利用することにつながり非常に意義のあるも
のである。
【0049】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例で具
体的に説明する。
【0050】(実施例1)
【0051】フライアッシュファイバーを直接ロータリ
ーキルン中に入れて4時間撹拌して造粒した。ここで、
フライアッシュファイバーは、20〜40%のAl
23、35〜50%のSiO2、15〜35%のCa
O、3〜12%のFe23および2〜5%のMgOを含
有するものである。なお、20〜45%のAl23、2
5〜50%のSiO2、15〜35%のCaO、3〜1
2%のFe23、0〜5%のMgOおよび3〜10%の
ZrO2を含有するものを使用してもよい。
【0052】得られた造粒物21kgに、鶏糞を2.1
kg(乾物重量)、もみ殻を1.1kg(乾物重量)混
合した後、水を加えて水分含率50重量%に調整し、断
熱、耐蝕性容器に入れた。容器内の上記混合物は、1日
1回攪拌し、空気と充分に接触させながら7日間培養
し、脱臭材を製造した。この脱臭材を図1の脱臭装置の
脱臭槽1(断面積0.096m2、高さ1.5m)に高
さ1mになるまで入れ、水分含有率60重量%になるよ
う水を加えて調整し、充填層2とした。
【0053】アンモニア300ppmを含む悪臭ガス
を、ファン10により毎分0.12m 3の送入量で脱臭
槽1の下部より送入し、上記充填層2内を通過せしめ
た。この充填層2を通過する悪臭ガスの見掛けの風速は
20mm/秒であり、脱臭材との接触時間は50秒であ
り、この時の空気抵抗は490Paであった。そして、
脱臭槽1の上部からは1日に2回約0.5リットル/回
の水を散水させた。悪臭ガス中のアンモニア濃度を北川
式ガス検知管で測定したところ、上記脱臭操作の1日目
は1日中0ppmであり、続いて2日〜30日間同様に
脱臭操作を続けた全ての日においてアンモニア濃度は0
ppmを示し、完全に悪臭ガスは脱臭されていることが
確認された。
【0054】(実施例2)
【0055】養豚施設内から排出される糞尿を堆肥化処
理する密閉型醗酵機に入れ、堆肥化処理を行っている時
に発生する悪臭ガス(表1に示す通りアンモニア300
ppm)を本発明の図1に示す脱臭装置に送入して脱臭
した。
【0056】すなわち、実施例1と同様に図1の脱臭装
置の脱臭槽1(断面積0.096m 2、高さ1.5m)
内に下記の本発明の脱臭材を充填した充填層2中にファ
ン10によって悪臭ガスを送入した。
【0057】なお、前記の通り図中4、5、6は水分、
温度、pHの各検出器であり、7はポンプ、8は加温装
置、9は流量計、3は散水装置である。充填層2内の脱
臭材は、実施例1と同じフライアッシュファイバーの造
粒物21kg、鶏糞(乾物重量)2.1kg、もみ殻
(乾物重量)1.1kgを混合し、水分50%に調整し
た混合物を7日間、1日1回攪拌しながら培養し、脱臭
材を得た。この脱臭材を上記脱臭槽1に堆積高1mに充
填した。
【0058】上記装置で脱臭を行った条件は下記の通り
である。
【0059】悪臭ガス送入量 0.12m3/分脱臭材内
を通過する悪臭ガスの見掛けの風速20mm/秒、悪臭
ガス接触時間 50秒、通気抵抗 490Pa、散水 2
回/日 約0.5リットル/回である。
【0060】上記条件で脱臭した結果を表4に示す。な
お、脱臭操作の各経過日数における悪臭物質の濃度(p
pm)は北川式ガス検知管を用いて測定した。表4の結
果にみるとおり、アンモニアも検出されず、脱臭効果は
極めて良好であった。また、180日を過ぎても充填層
の目づまり、圧密化は一切起っていなかった。
【0061】
【表4】
【0062】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ライアッシュファイバーの造粒物と微生物含有物質と必
要により有機物とから調製された脱臭材を使用すること
によって、通気抵抗が従来のロックウール脱臭装置の1
/2と低くなり、微生物による分解生成物が洗浄されや
すく、目づまりの心配もなくなる。
【0063】そして、本発明においては、フライアッシ
ュファイバーが微生物が活動するのに最適な水分を維持
できる充分な吸水性を有し、しかも長時間に亘りその最
適水分を保持できる能力を有している上、広い範囲の水
分量にわたって通気抵抗が低く、また耐アルカリ性に優
れているため、長期間にわたってアルカリ性の悪臭ガス
と接触しても形態が崩れることがなく、常に一定の形状
と空隙を確保・保持することができる。これにより、微
生物は、常に好適な環境下で活動できる。そのため、悪
臭ガスと脱臭材の接触時間を1/2と短縮でき、かつ見
掛けの風速が速くなり、悪臭ガスの処理能力も向上する
ため、一段と装置のコンパクト化を達成できる。
【0064】そのうえ、本発明で用いる脱臭材は、機械
的強度が他の無機質繊維(ロックウール等)に比べて優
れているので、長期継続使用しても圧密化が起らないた
め、悪臭ガスの送風量の低下がなく維持管理が簡単にな
るとともに、脱臭材の主原料であるフライアッシュファ
イバーが安価であるので、大幅なコスト低減も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱臭装置を説明するための図である。
【図2】本発明で用いる脱臭材を充填したときの水分量
と見掛けの風速と通気抵抗との関係を示す図である。
【図3】本発明で用いる脱臭材の水分率の経時変化を示
す図である。
【符号の説明】
1 脱臭槽 2 充填層 3 散水装置(水分量調節手段) 4 水分検出器(水分量調節手段) 5 温度検出器(温度調節手段) 6 pH検出器(pH調節手段) 7 ポンプ(水分量調節手段) 8 加温装置(温度調節手段) 9 流量計 10 ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 53/72 B01D 53/34 ZAB 53/48 120D 53/52 121C 53/58 126 C12M 1/00 131 C12N 1/00 (72)発明者 佐藤 徳三 群馬県渋川市石原138番地4 (72)発明者 佐藤 光芳 群馬県渋川市石原138番地4 Fターム(参考) 4B029 AA03 AA21 BB01 BB02 BB06 CC02 CC13 EA13 EA14 EA20 4B065 AA01X AA57X AA58X AA72X AC20 BB23 BC34 BC35 BC41 CA56 4C080 AA05 AA07 BB02 CC02 CC05 CC08 CC13 CC14 HH05 JJ04 KK08 LL10 MM31 MM33 NN01 QQ17 4D002 AA03 AA06 AA13 AA32 AB02 AC07 AC10 BA17 CA07 DA59 GA01 GA02 GA03 GB09 GB11 HA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライアッシュファイバーの造粒物と微
    生物含有物質とを必須成分としかつ水分含有率が40〜
    80%に調整された脱臭材に、悪臭ガスを接触させて脱
    臭することを特徴とする悪臭ガスの脱臭方法。
  2. 【請求項2】 前記脱臭材が、もみ殻、ハイオガ、おが
    くず、いねワラから選ばれた1種又は2種以上の有機物
    を含有した請求項1記載の脱臭方法。
  3. 【請求項3】 前記微生物含有物質が、家畜の糞尿、活
    性汚泥、または下水もしくは糞尿の処理施設から出る微
    生物を含有した物質である請求項1又は2記載の脱臭方
    法。
  4. 【請求項4】 脱臭材が充填された充填層を有する脱臭
    槽を備え、この脱臭槽に取り込んだ悪臭ガスを充填層を
    通過させて脱臭処理し外部へ放出する悪臭ガスの脱臭装
    置において、 前記脱臭材が、フライアッシュファイバーの造粒物と微
    生物含有物質とを必須成分としかつ水分含有率が40〜
    80%に調整されたものであることを特徴とする悪臭ガ
    スの脱臭装置。
  5. 【請求項5】 前記脱臭槽に、前記脱臭材の水分を調節
    する水分量調節手段と、温度を調節する温度調節手段
    と、pHを調整するpH調節手段とを設けた請求項4記
    載の悪臭ガスの脱臭装置。
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