JP2001334236A - 有機廃棄物処理方法及び装置 - Google Patents

有機廃棄物処理方法及び装置

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JP2001334236A
JP2001334236A JP2000156758A JP2000156758A JP2001334236A JP 2001334236 A JP2001334236 A JP 2001334236A JP 2000156758 A JP2000156758 A JP 2000156758A JP 2000156758 A JP2000156758 A JP 2000156758A JP 2001334236 A JP2001334236 A JP 2001334236A
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oxygen
treatment
organic waste
ozone
tank
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JP2000156758A
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Mitose Kadowaki
みとせ 門脇
Eiki Nakayama
栄基 中山
Shigeki Hatanaka
茂樹 畠中
Kazuichi Yamashita
和一 山下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
YATSUKA KK
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
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  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生ゴミ等の有機廃棄物の分解処理
効率を高め、排ガスの消臭を効果的に行う。 【解決手段】 この発明は、廃棄物を収容処理す
る処理槽内に有機廃棄物からなる処理物を収容し、処理
物を攪拌しながら分解処理する方法に関するもので、上
記処理槽内において低下する酸素濃度の低下分を補うた
めに、上記処理槽内の酸素濃度が所定値以上となるよう
に、酸素富化装置によって富化された酸素富化空気を供
給する。そして、上記処理物の分解作用を促進する多種
類のミネラルを予め坦持させたホールド材からなる促進
剤を処理槽内で処理物に接触又は撹拌混合させて処理す
る。上記酸素富化装置は大気から選択的に酸素を分離す
る酸素富化膜モジュールと、大気を供給するファンと、
前記酸素富化膜モジュール内部を減圧にする減圧手段と
により構成される。上記酸素富化空気は、処理槽に大気
中より投入される新鮮な空気又は返送される排ガスとと
もに投入される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理槽内に有機廃
棄物からなる処理物とその分解作用を促進する酸素富化
空気とミネラル類からなる促進剤を投入して、処理物を
処理する有機廃棄物処理方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来家庭や食品加工業等の分野で排出さ
れる生ゴミの分解処理又は肥料化処理、あるいは畜糞類
の堆肥化,ペレット化等の肥料化処理、その他焼却以外
の有機廃棄物の処理に際し、処理施設や装置の処理槽内
に処理物とおが屑等の水分調整材、処理物の発酵や分解
を促進するミネラル等の促進剤、あるいはさらに発酵や
分解を行う土壌菌や特殊な菌類(微生物)を投入し、常
温又は一定の加温条件下で、必要に応じて空気や水分を
供給しながら撹拌を行って処理する方法や装置が公知で
ある。
【0003】上記の公知技術の具体例として、分解又は
消滅(減量)処理技術では下記のようなものがある。 (1)特許第2504364号 炭系,畜産廃棄物を安山岩等の造岩物質からミネラル成
分を、腐植土から土壌菌を溶出させて分解する方法。 (2)特開平6−170349号 スラリー化した生ゴミに麦飯石等の土壌菌活性化ミネラ
ル溶出材及び土壌菌と木質細片を投入して、曝気しなが
ら生ゴミを分解消滅させる方法。 (3)特開平8−80481号 生ゴミに天然鉱石やこの鉱石から溶出させたカルシウム
等のミネラル水,水分調整材,食用廃油等を加えて通気
撹拌しながら微生物分解させる方法。 (4)特開平9−1116号 生ゴミに微生物を棲息させた充填材を混合撹拌して微生
物により分解処理する方法であって、使用済充填材を肥
料や土壌改良材として用いることが可能な方法。上記充
填材は、樹脂や植物繊維質材等の有機質材を減容成形し
て固形化したもので、これに火成岩の粒状物又は発砲焼
結体等を添加してミネラル成分を溶出させる構造にした
ものが含まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の有機廃棄物の処
理方法はいずれも空気の供給等の好気性条件下で分解や
発酵の促進剤としてミネラルを使用しており、ミネラル
の使用は不可欠の技術的要素と解される。しかし上記方
法のうち(1)〜(4)はいずれもミネラル溶出材とし
て特定の天然鉱石を使用しており、天然鉱石は材料の採
取場所や流通等の関係で入手方法やコスト面で難点があ
るほか、天然鉱石はミネラルの種類や含有量が微量で且
つ不均一であるために、期待する効果が得られなかった
り、作用の安定性に欠ける欠点がある。またこれらの鉱
石からミネラル水を溶出させるためには、処理に際して
溶出のための作業や装置が必要であるという欠点があ
る。
【0005】さらに上記方法以外にミネラルとして海水
から抽出した塩化マグネシウムや木灰が使用される例も
あるが、いずれもミネラルの種類や量が限られていて処
理対象によって分解促進作用にバラつきが生じるほか、
ミネラル成分の分解促進作用の持続性に乏しく且つ繰り
返し反復使用できないという欠点がある。
【0006】また上記処理方法において、分解開始期や
分解が活発に行われている時又は分解が不十分な時等に
は分解途中のガスを含む場合があるため、処理槽からの
排出ガス中にはアンモニアガス,硫化水素,硫化メチ
ル,アミン類等を含む強い発酵臭を伴う場合があり、脱
臭用触媒や紫外線ランプ等を用いて脱臭を行う例もある
が、十分な脱臭効果を得ていないのが現状である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来の問題点を解消
するために本発明による有機廃棄物処理方法は、第1
に、廃棄物を収容処理する処理槽内に有機廃棄物からな
る処理物を収容し、処理物を攪拌しながら分解処理する
方法において、上記処理槽内において低下する酸素濃度
の低下分を補うために、上記処理槽内の酸素濃度が所定
値以上となるように、酸素富化装置によって富化された
酸素富化空気を供給するとともに、上記処理物の分解作
用を促進する促進剤を処理槽内で処理物に接触又は撹拌
混合させて処理することを特徴としている。
【0008】第2に、促進剤が多種類のミネラルを予め
坦持させたホールド材からなることを特徴としている。
【0009】第3に、処理槽から排出される排ガスをオ
ゾン処理装置で脱臭し、該オゾン処理装置に対しオゾン
発生器によりオゾンを供給するとともに、上記オゾン発
生器に前記酸素富化空気を供給することを特徴としてい
る。
【0010】第4に、処理槽から排出される排ガスをオ
ゾン処理装置で脱臭し、該オゾン処理装置装置に酸素富
化装置によって分離された水分を供給することを特徴と
している。
【0011】第5に、処理槽から排出された排ガスを触
媒を用いた脱臭装置で脱臭し、該脱臭装置に酸素富化空
気を供給することを特徴としている。
【0012】第6に、ホールド材が生物から抽出した生
物ミネラルをセラミックに含有せしめたホールド材であ
ることを特徴としている。
【0013】また、本発明の装置は第1に、大気中から
選択的に酸素を分離する酸素富化膜モジュールと、大気
を供給するファンと、前記酸素富化膜モジュール内部を
減圧する減圧手段とを備えた酸素富化装置と、有機廃棄
物を収容して撹拌しながら分解処理する処理槽と、上記
酸素富化装置から得られる酸素富化空気を、上記処理槽
に投入する投入手段とを設けてなることを特徴としてい
る。
【0014】第2に、投入手段を処理槽から排出される
空気を処理槽に戻す返送手段とし、前記酸素富化装置か
ら発生する酸素富化空気と前記排気空気を混合して前記
処理槽に投入する構成としたことを特徴としている。
【0015】第3に、投入手段を大気中より投入される
新鮮な空気とともに、上記酸素富化装置から得られる酸
素富化空気を処理槽に投入する構成としたことを特徴と
している。
【0016】第4に、処理槽から排出される排ガスをオ
ゾン浴処理するためのオゾンを供給するオゾン発生器を
設け、上記酸素富化空気をオゾン発生器に供給する構成
としたことを特徴としている。
【0017】第5に、処理槽から排出される排ガスを触
媒によって酸化処理する脱臭装置を設け、上記酸素富化
空気を脱臭装置に供給する構成としたことを特徴として
いる。
【0018】第6に、処理槽から排出される排ガスをオ
ゾン浴処理するオゾン処理装置を設け、該オゾン処理装
置に酸素富化装置より排出される水分を供給する構成と
したことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明装置における、主と
して有機廃棄物の処理によって発生する分解ガスの脱臭
システムの全体構成図を示している。
【0020】本発明に使用する生ゴミ等の処理物は、後
述する廃棄物処理装置の処理槽1に投入された後、送風
機2によって供給される空気による好気性の環境下で、
最終的に水分と水分に含まれる分解生成物及び分解ガス
とに分解される。
【0021】これらは図示するように処理槽1からは排
ガス排水の形で排出され、このうち排ガスはオゾン水を
用いたオゾン処理装置3による殺菌及び脱臭処理と光触
媒等を用いた触媒脱臭装置4による処理を経て脱臭浄化
され、大気中に排気され又は排気の一部又は全部が処理
槽1に再度戻される。
【0022】処理済みの排気を処理槽1へ返送すること
により、排ガスの再利用のほか、仮に処理が十分な場合
でも外部環境への悪影響を防止することができ、図示す
る例ではオゾン処理装置3に供給される補給水と排ガス
の供給路中にそれぞれオゾンを供給するオゾン発生器6
が設けられている。
【0023】この発明においてはさらに、処理槽1の分
解処理自体の分解性を高めることにより、処理槽1から
排出される排ガスの発酵臭を抑制又は除去しようとする
方法を含むもので、酸素富化装置によって酸素が富化
(高濃度化)された富化酸素を処理槽1内に供給するこ
とを特徴としている。
【0024】図示するようにこの有機廃棄物処理装置に
は、大気中の酸素を富化して約30%の酸素濃度の空気
を生成する酸素富化装置7が設けられ、これで酸素富化
された空気は処理槽1への排気返送と空気供給の各経路
の一方又は両方に供給し、又は直接処理槽1に供給する
ものである。
【0025】また上記酸素富化空気はオゾン発生効率を
高めるためにオゾン発生器6に供給するほか、光触媒等
による脱臭効果を高めるために脱臭装置4にも供給して
いる。また酸素富化装置7は、後述するように酸素富化
作用に伴って空気中より分離される水蒸気(水分)が排
出されるので、その水分はオゾン処理装置3の補給水と
して利用でき、オゾン処理装置の給水配管が不要化が実
現できる。
【0026】上記酸素富化装置7は、特公平5−238
09号公報、使用富化膜については特公平7−7760
2号公報等によって公知であり、いずれも出願人(松下
電器産業株式会社)において「Pana O2」(登録第
2281526号)等の商品名で市販されているものを
使用した。
【0027】したがって上記装置7の詳細な説明は割愛
するが、大気から選択的に酸素を分離する酸素富化膜モ
ジュールと、大気を供給するファンと、前記酸素富化膜
モジュール内部を減圧にする減圧手段により構成される
(いずれも図示しない)。そしてこの装置7によれば分
離膜の両面に圧力差を設けることにより、大気側の酸素
が膜表面に「溶解」し膜内を「拡散」移動し、減圧側の
膜表面から「離脱」するという原理で酸素富化空気が得
られるもので、この場合、窒素も同じように移動する
が、「溶解」と「拡散」のスピードが、酸素の場合は窒
素に比べて2.5倍あるために結果として酸素富化空気
が得られ、高流量で酸素濃度が安定しており安全性が高
い等の特徴を備えている。
【0028】また図2の温度特性に示すように図示する
条件下では富化膜に供給する空気(一次空気)の温度が
40℃における富化酸素の供給効率(酸素濃度×流量)
が最も高いのと、使用する富化膜の耐久性維持の点でも
上記40℃以下の条件を保つことが望ましい。特に空気
は真空ポンプにより富化膜を通過する過程でエネルギー
を与えられて排出富化空気は約20℃前後上昇するの
で、常温下でも約40℃前後の温度となり、富化空気自
体でも処理槽1内の加温を行う効果があり、それに応じ
て処理槽1内の加温のためのエネルギーコストの低減が
できる。
【0029】また上記装置は窒素に対して水蒸気は22
倍の分離性能を備えており、例えば酸素濃度30%に富
化された空気を20リットル/minの流量で供給した場
合、50〜100cc/Hの水分が同時に排出される。
したがってこれらの酸素富化空気をガス状で供給するに
は、上記水分を分離除去して行うことが望ましい。
【0030】そして上記装置によれば、酸素濃度32%
の富化空気の供給が可能であり、小型の装置でも少なく
とも20リットル/minの流量で処理槽1その他に対し
30%濃度の富化空気の供給が可能である。
【0031】したがって上記方法で富化空気を供給する
ことにより、処理槽1内その他に常に大気中の酸素濃度
より高い21%〜32%の高酸素濃度の空気が供給さ
れ、処理槽1内における後述する分解に際し、バクテリ
ア等の活動を活性化させ、分解能力の上昇、未分解成分
の排出量の減少等によってそれ自体で排ガス臭の大幅な
除去が可能となる。その他既述のようにオゾン発生器6
や脱臭装置4に上記富化空気を供給することにより排気
途中の脱臭作用を高めることが可能となる。
【0032】ここでオゾン発生器6に酸素濃度30〜3
2%の酸素富化空気を供給した場合について説明する。
出願人の実験ではオゾン発生器(オゾナイザー)6とし
て、大気(酸素濃度21%)より21リットルの水に1
50mg/hvのO3を発生させて供給する容量のもの
を用いたが、これに対し30〜32%の高濃度酸素の富
化空気を供給した場合、O3の発生量も約50%増加す
るので、オゾン処理装置3におけるO3濃度もこれに応
じて高くなり、排ガスの脱臭効果も高くなる。逆に所定
量の酸素供給量を確保するためには通常の約2/3の容
量の酸素発生器で足りる。
【0033】また光触媒による脱臭装置4に上記酸素富
化空気を供給する場合も同様であり、脱臭装置4に供給
された高濃度(30%)の酸素は、大気中の濃度(21
%)に対し約150%の濃度であり、脱臭装置4内で紫
外線照射されることにより、前述したアンモニア、硫化
水素その他の主として水素化合物からなる悪臭又は有害
ガスの分解を、その濃度の増大に応じて活発化させ、上
記オゾン処理効果と併せて略100%近い脱臭効果を得
ることができる。
【0034】さらに本実験で用いるオゾン処理装置3の
オゾン水の容量は概ね300〜400ccであるが、上
述した酸素富化装置7によれば50〜100cc/Hの
水分が排出されるので、この水分をオゾン処理装置3に
供給することにより、同装置の水分補給は十分に補うこ
とが可能となる。ちなみに上記高濃度酸素の供給によ
り、光触媒による脱臭装置4に直接排ガスを供給した場
合に比し、排ガス分解量を示す排出二酸化炭素濃度は2
0ppmから5000ppmに約250倍上昇した。
【0035】次に本発明の実施に使用する生ゴミ処理を
主とする有機廃棄物処理装置とその使用方法につき説明
する。図3,4において11は本発明に係る処理装置で
あり、廃棄される有機廃棄物(処理物)12を本発明の
処理方法によって、分解作用を促進するミネラル類から
なる促進剤13と攪拌混合しながら分解(分解気化)さ
せて消滅処理するものである。この実施形態で示す処理
装置11は、図3,図4に示すように、処理物12や促
進剤(ミネラル類)13並びに促進剤13の媒体として
の調整材16等を収容するように形成された箱型の処理
槽1と、該処理槽1内で処理物12と促進剤13並びに
調整材6等をそれぞれ均一に分布させるために攪拌混合
する攪拌体17と、処理槽1内の処理温度を加熱調節等
の手段によって所定の温度に加温維持させるヒーター等
からなる加温装置15と、後述する補助機器18等から
構成している。尚、調整材16は本実施形態ではおが屑
のほか木材チップや繊維質の資材でもよい。
【0036】処理槽1の側方には、攪拌体17の回転軸
19を攪拌駆動する駆動モータ20、後述する補助機器
18、酸素富化装置7等の機器類を収容する補助機体2
1、処理槽1何に外部から空気を供給する送風機2並び
に各機器装置の作動コントロールを行う制御盤23等を
設けている。
【0037】処理槽1の上方開口部は処理物12の投入
口24を構成し、該投入口24の前後には前方と後方か
ら各別に回動開閉可能な2個の山形断面の蓋26が左右
方向に設けられている。また各蓋26の下方の処理槽1
内には、左右方向に軸支された2本の各回転軸19のま
わりに放射状に突設したサポート杆を介して螺旋体27
を付してなる撹拌体17がそれぞれ設けられている。
【0038】上記撹拌体17は上記モータ20により互
いに逆方向回転することにより、投入した処理物12及
び調整材16等が、処理槽1内で撹拌されながら平面視
でループ状に循環移動する構造になっている。
【0039】また処理槽1は加温装置15によって適正
な処理温度に維持しながら運転し、処理物12の分解処
理を促進させるようにしている。即ち、攪拌体17の回
転軌跡に沿わせて湾曲状に形成した処理槽1の内壁28
の裏面には、加温装置15の面状発熱体等からなるヒー
タ31を付設すると共に、処理槽1内の空隙部に温度セ
ンサ32を設け、該温度センサ32による温度の検出値
に基づき、ヒータ31を制御盤23の指令によって作動
させ内壁28を加熱して温度調節をすることにより、必
要に応じ処理槽1内における処理温度を所定に維持させ
るものである。尚、処理槽1を囲繞する機体側壁は適宜
な断熱材による断熱施工を行うと共に、加温装置15は
上記構成のほか、大気中から新鮮な空気を送り込む送風
機2側の送風口33から温風を送給する等の方式を併用
してもよい。
【0040】また処理槽1内で処理物12が分解処理す
る際に生ずるガスは、側面視で山形状に形成した蓋26
の頂部の側端に設けた排気口34から排出される。処理
槽1の上方中央部には受皿状の排出樋36を設けて、そ
の側端に設けた排水口35より処理槽1内で生ずる水蒸
気を水滴として機外へ排出を行う。
【0041】37は処理槽1の上方中央部に横設した送
出管であり、該送出管37は補助機21側に設置された
タンク及びポンプ等を備えた給液装置38に通じ、該給
液装置38内に湿度調整用の水等を、自動的に或いは手
動操作によって適宜処理槽1内の母材に供給可能に構成
している。これにより運転中に蓋26を開くことなく、
水や促進剤13の補充を簡単且つ適切に行うことができ
るようにしている。尚、この実施形態における給液装置
38は、後述する「生物ミネラル」を含有したホールド
材に水を接触通過させることによってミネラル水を生成
し、このミネラル水を送出管37から固体状のミネラル
からなる促進剤13に併せて補助的に供給することによ
り、処理の促進を図ることができる。
【0042】補助機体21の上段には既述の酸素富化装
置7が設けられ、処理槽1の底部には収容物を取り出す
ためのメンテナンス用の排出口41が設けられている。
【0043】次に本発明の方法に用いる「生物ミネラ
ル」の抽出方法と「生物ミネラル」のホールド材につい
て説明する。1.「生物ミネラル」の抽出及び処理この
発明の実施に使用するミネラルは植物や動物を燃焼させ
て灰化させたものであり、例えば本発明者等が先に提案
している特開平10−52240号公報等に開示されて
いる。
【0044】上記公報(特開平10−52240号)に
示されるミネラルは、各種の有効なミネラルを含有する
薬草等の草木、海藻(草)等の藻類、しじみ、小魚等の
魚介類を乾燥させ又は生のまま高温加熱(燃焼)し、有
機質及び有機質からなる毒物等の生体への有害物を除去
した残存物から得られるミネラルである。
【0045】例えば上記高温加熱し(燃焼させ)た残存
物(灰化物)に含まれる残存炭化物(未燃焼カーボン)
を更に二次加熱することによって燃焼除去して完全に灰
化させた後、200〜300メッシュに微粉砕する。こ
の操作により多種類のミネラルのうちの当該加熱・燃焼
によっては除去されない高沸点・高昇華点のミネラルが
主として残存する。したがって燃焼温度や二次加熱が低
く且つ時間が短い程低沸点・低昇華点のミネラルを多く
含むことになる。尚、上記生物体は、植物の芋類,でん
粉類,穀物,豆類,野菜類,樹木やその葉及び根,果物
類,茸類,各種野草,魚貝類や鳥獣類及びこれらの内
蔵,骨,甲殻等で、殆ど全ての動植物(生物)を対象と
することが可能である。
【0046】このようにして生物原料から抽出したミネ
ラルの組成及び微量元素は表1中のに示す通りであ
り、全体が例えば比較的量の多いCa,K,Mg,P,
Siや、それ以下の微量又は極微量等多種類のミネラル
を含んでいる。ちなみに表1で明らかなようにで示す
原料の灰を加熱精製すると減量するミネラル又は増量す
るミネラルがある。以下のいずれの実験にもこの生物ミ
ネラルを用いたが、これらの含有ミネラルは原料の種類
や量によって、多少異なるものの多種類の原料を定量的
に用いることによって概ね近似した値になる。この生物
ミネラルは乾燥した原料に対して5〜10%程度抽出で
き、高温処理する程減量は大きい。ここでは上記のよう
に生物原料から抽出した多種類のミネラルの混合体から
なるミネラルを生物ミネラルと称する。
【0047】
【表1】
【0048】また上記ミネラルには容水溶性のものと難
水溶性又は不溶性のものが含まれており、以下に述べる
生物ミネラルホールド材を製造する場合に、水溶性ミネ
ラルを特に必要としない場合又は水溶性ミネラルがミネ
ラルホールド材の製造過程で消失され易い場合(例えば
セラミック化する場合)等はミネラル分を有効利用する
ために水溶性ミネラルと不(難)溶性ミネラルを加水濾
過によって分離し、不(難)溶性ミネラルのみを用いる
場合もある。逆にホールド材がプラスチック材である場
合のように、水溶性ミネラルの保持も可能な場合は、水
溶性ミネラルの溶液又はその溶液から抽出した水溶性ミ
ネラルパウダーのみを混入して坦持(保持)させる場合
もある。
【0049】2.ミネラルホールド材の種類と製法 既述のように生物ミネラル自体は灰化され又はさらに微
粉砕されるので、粉(パウダー)状であり、そのままの
状態で、有機廃棄物処理に使用すると処理物内での拡散
が十分でないため、これを他のホールド材(坦体又は増
量材)によって増量させるとともに、多様な使用環境の
中でその機能を保持しつつ繰り返し使用や長時間又は長
期間の使用が可能な保持形態であることが望ましい。
【0050】このため以下の実施形態では粘土等のセラ
ミック材、天然ゼオライト等の機能性を備えた鉱物,セ
メントや人造石等の人工的な鉱物質等からなる無機質材
料を増量材又は坦体(ホールド材)として用いる。
【0051】(1)セラミックホールド材 生物ミネラルをセラミックに坦持させる場合、主として
不溶性ミネラルからなる上記生物ミネラルをセラミック
化したものを用いており、本例では表1中のに示す生
物ミネラルを18g、粉砕花崗岩を200g、セラミッ
ク原料である白雲土等の粘土類を200gに水を添加し
た後混練して形成乾燥したものを、1,100℃前後の
高熱処理によって約6時間位焼成した。表1中のはこ
のようにして得た生物ミネラル入りのセラミックの素成
分析値を示しており、セラミック化することにより熱の
影響、粘土成分との合算その他によりミネラル量に増減
がある。
【0052】本発明の実施例に用いるホールド材は、レ
ンガ状又はタイル状、ブロック状その他の形状に成形焼
成したものを微粉砕して砂状又は粉状の粉体にして用い
る。セラミック原料は上記のものに限定されるものでは
なく一般に使用される陶磁器用の粘土でよい。
【0053】(2)ゼオライトホールド材 吸着性、脱臭性、イオン交換能等を備えていることで知
られるゼオライトをホールド材として用いる場合、上記
不溶性ミネラル又は上記(1)によって粉末化されたミ
ネラルセラミックを、粉状又は細粒砂状のゼオライトと
を水又はさらに必要に応じて有機バインダーを加えて造
粒乾燥し、1000℃前後で高温乾燥したものを用いる
ことができる。後述する有機廃棄物の処理実験では、島
根県産の天然ゼオライトを粉末化したものと、少量の活
性炭粉末とに水と50〜70%重量比の生物ミネラルを
加えて混練し、8mm径位に造粒乾燥後、1,000℃
位で1〜3分位加熱したものを用いた。
【0054】その他天然のゼオライト鉱石を粒状に粉砕
したゼオライト粒、又は粉状のゼオライトをバインダー
等を用いて造粒乾燥したゼオライト粒(必要に応じ活性
炭その他の混入物を添加してもよい)の表面に、前記
(1)に示した粉状のミネラルセラミックを付着させ、
1000℃位の温度で数分間加熱して一体化することに
より、ゼオライトホールド材を得ることができる。
【0055】これらのゼオライトホールド材は、後述す
る生物ミネラルの作用に加えゼオライト自体のもつ吸着
性、脱臭性、イオン交換能を兼ね備えたものとなる。ま
たゼオライト粉末を用いる場合、天然ゼオライト鉱石採
掘現場で大量に発生する粉状又は粒状のゼオライト鉱石
屑を有効利用に資することができる。
【0056】次に、上記のように構成した処理装置1及
びホールド材を用いて処理物12を処理する処理方法に
ついて説明する。先ず、表に示す内容で処理物12の処
理を行った実験方法及びその結果について説明する。
【0057】
【表2】
【0058】この実験では、装置条件として処理槽1内
の処理温度を人間の体温程度の略35℃程度とし、攪拌
体17の回転数を略1.5rpm程度にし、処理時間を
1時間に設定すると共に、処理槽1内に以下の促進剤1
3と調整材16及び水を、表の割合を以て混入混合する
ことにより水分量40〜70%程度の処理母材を形成
し、実験例ではこの中に動物性及び植物性の処理物2と
して、全姿の鰯500g分と葉を剥がしたレタス100
g分の割合を以て計600gを投入し、その処理の状況
を後述する第1実験群,第2実験群,第3実験群の種別
に分けて確認した。尚、本実験では処理物12の量が少
ないこと及び処理の計測を適正に行うために、処理槽5
容量が比較的小さい略30リットル程度の処理装置11
を用いて行った。
【0059】調整材16は後述するようにおが屑に限る
ことなく処理時の減容の少ない植物繊維を含む材質のも
ののほか、含水性,保水性を備え、加熱や撹拌によって
含んだ水分を蒸散させる性質のものであればその目的を
達成できるが、処理後の母材を肥料や家畜の飼料として
再利用する場合は、生物体に無害で環境汚染のないもの
が望ましい。
【0060】この実験において第1実験群では粉砕化さ
れた前述の粉状のセラミックホールド材を用いている。
なお以下の実験例に使用するセラミック促進剤は特にこ
とわりのない限り、上記使用例と同一のセラミックを用
いる。
【0061】また第2実験群は、促進剤13として前述
したゼオライトホールド材を用いている。尚、第1実験
群及び第2実験群は、上記セラミック促進剤で濾過・接
触させて生物ミネラルを溶出せしめた水をそれぞれ50
0ml供給するようにしている。また第3実験群は、促
進剤13としての生物ミネラルを投入しないで、調整材
16と水道水による場合の処理物12の処理状況を確認
する実験例を示している。
【0062】また調整材16は、処理槽1内において水
分調整を行うと共に、吸水性と保水性に優れ加温により
水分を蒸散させ易い材質であること、及び長時間の処理
作業においてそれ自身は分解され難く大きく減容しない
で、生物ミネラルを一時的に保持させて処理物12に均
一に接触させ易い媒体になること、且つ大量のものを廉
価に入手できて無害である等の条件が必要で、これらの
条件を備えた炭水化物で繊維性の強い植物繊維を含む材
質からなるものが好ましい。従ってこのような調整材1
6として、おが屑,籾殻,蕎麦殻,乾草等の使用が可能
であり、これらを単独或いは適宜組み合わせて使用して
もよいものであるが、この実験では処理状況を粒径以上
の網目で篩い選別して確認することが容易にできると共
に、材料の入手を簡単に行うことができて汎用性を有す
る木材チップを調整材16に用いている。
【0063】以上のように構成した処理装置11を用
い、表2に示すように各条件を設定して行った実験の結
果は以下のとおりである。即ち、処理作業の1時間後に
おける処理物12の計測結果は、セラミック促進剤を用
いた第1実験群では、処理物12の残存量は略30gで
残存率は略5.0%程度であり、またゼオライト促進剤
を用いた第2実験群の処理物12の残存量は略50gで
残存率は略8.3%程度であった。
【0064】この結果何れも、微生物菌主体で処理する
在来の処理装置のものでは、最低数日間から数週間の処
理時間を要するのに比較して、本発明方法では処理物1
2を速やかに分解処理することができ、格段に短い時間
内で処理物12の形態を肉眼及び触感では殆ど確認し得
ない程度に、消滅処理できたことを観察することができ
た。また生物ミネラルを添加しない第3実験群では、処
理物12の残存率は略75%程度であり、水分の蒸散に
よって減容されるものの殆ど処理物12の原型を止めて
いた。
【0065】尚、上記1時間後における処理物12の残
存状況は、第1実験群及び第2実験群とも、鰯並びにレ
タス共その消滅状況は良好で母材も適正な湿りを有しな
がらさらさらとした粉状であり、鰯の大きな骨部とレタ
ス芯の極く一部がわずかな形をとどめながら残存してい
たが、これらは計測後において処理装置11を30分程
度継続運転することによって、完全に分解処理すること
ができ、肉眼による確認は残存が全く確認できなかっ
た。
【0066】また上記処理作業において一般的な有機廃
棄物は、炭素(C),水素(H),酸素(O),窒素
(N)を主体に構成されているところ、処理の進行に伴
いガス状に分解されて、排気口34から排出されるの
で、処理槽内を高圧にすることなく、また機外に放出さ
れるにガスに腐臭等の悪臭を伴うことないが、醗酵臭を
伴う。
【0067】さらに、完全分解後における処理物12
は、カルシウム(Ca),マグネシウム(Mg)等のミ
ネラルがガス化しない元素として母材中に残るだけなの
で、該母材は処理物12を処理したことによる見かけ上
の量の増減は確認できない程度であると共に、この状態
における母材には、ホールド材中に坦持された状態の生
物ミネラルと共に、有機廃棄物中の非蒸散のミネラル類
が累積残留しているため、促進剤13や調整材16の新
たな補充を行う必要がない。このため次回の処理物12
の投入による処理作業を、長期間に渡って繰り返し連続
的に行うことが可能である。
【0068】この際、上記構成した処理装置11は、処
理槽1内に促進剤13と調整材16を投入した状態にお
いて、おが屑はやや乾燥状態にあり水分量が不足してい
るので、このような場合には、母材の水分量が60〜7
0%程度になるように人為的又は給液装置38によって
給水し、加温装置15によって初期の立上がり温度35
℃〜70℃に加温すると共に、促進剤13と調整材16
を攪拌体17で連続的に攪拌し、母材を酸素富化空気と
接触させながら好気性の分解(発酵)をさせ、処理物1
2の処理作業を行う。上記初期加熱は分解の立上がりを
早めるためで、分解開始後は分解熱(最高50℃前後)
が発生するので、以後の加熱は補助的なものとなる。処
理槽1内の母材は所定の処理温度に維持されながら連続
的に攪拌されて、生物ミネラルの存在に伴う有効菌に対
し好条件の環境を提供維持することができ、投入された
処理物12を増殖及び活性化した有効菌によって完全分
解作用を促進して、悪臭ガスの発生や未処理物による汚
水の発生等を抑制した分解作用を行うことができる。
【0069】従って、従来の処理方法による廃棄物処理
用の微生物菌を種々選定し着床させた促進剤によって処
理する処理装置は、処理の進行に伴い母材の減容が大き
いため大量の調整材や促進剤を要すると共に、長時間の
運転時における微妙な条件の変化に左右されて不完全処
理状態を生じ易いが、本発明のものは、処理物自体に付
着した菌類が増殖しながら処理物を消滅処理するものと
考えられ、廃棄物処理用の特定な微生物菌を敢えて準備
することなく処理物12の分解作用ができること、及び
母材の減容に大きな変化がないので大量の調整材や促進
剤の補充等が節減できると共に、処理時間が従来のもの
の数十分の1と大幅に短くなり、また運転時に微小な条
件の変化によって処理性能が大きく左右されることがな
い等の利点がある。
【0070】特に生ゴミや後述する畜糞等のように悪臭
の強い処理物は、撹拌により処理物が1〜2回撹拌され
て促進剤と混合された時点で直ちに悪臭を発生しなくな
り、調整材を含む母材が2回目以降使用される時は特に
顕著である。
【0071】次に上記の実験とは別途に大型の処理装置
11を用い、種々の処理物に対する処理を確認するため
に行った実験例について説明する。尚、前記実験と同様
な項目及び作用については説明を省略する。この実験で
は、処理槽1の容量は約600リットルであり、装置条
件として処理槽1内の処理温度は略40℃〜60℃程度
とし、攪拌体17の回転数を略1.5rpmとしてい
る。尚、処理温度を70℃程度で上昇させ、あるいは攪
拌体17の回転数を上げれば処理能力を上げることがで
きるが、ランニングコストを低減させる等の実用上の観
点から上記の回転数に設定した。また促進剤13は、セ
ラミック促進剤を2.4Kgと粉状の生物ミネラルを
1.6Kgを投入した。これに対して調整1材6は、お
が屑50Kg程度に米糠6Kg程度の割合で投入した。
また促進剤13と調整材16を合わせた母材は、その水
分量を60〜70%程度に調湿すると共に、処理槽1に
処理物12を投入運転した1時間後において、途中の処
理状況を確認するものとした。
【0072】この場合に投入した処理物12は、残飯9
Kg,惣菜16Kg,魚のあら類8Kg,サラダ(マカ
ロニ含む)12Kg,野菜屑類9Kg,油揚げ3Kg,
生クリーム11Kg等合計70Kg程度であり、処理槽
1容量と処理物12との割合を望ましい混合割合である
3対1程度にして、母材を加温攪拌しながら運転中の処
理槽1内に投入した。また上記処理物12の処理実験後
において、引き続き同母材中に後述するプラスチック類
を投入して、その処理状況を確認するための実験を行っ
た。
【0073】次に上記の態様で行った実験結果によれ
ば、処理作業の1時間後に蓋26を開いて処理槽1内の
処理状況を確認したところ、前記処理物12はいずれも
原型を止めず母材と混合されており、野菜や果実はその
芯部が繊維質を伴いながら残留していると共に、魚のひ
れや太い骨類の一部が残留しているのみであり、在来の
処理装置に比較すると極めて高能率で、悪臭等を抑制し
た状態で処理が短時間で行われていることが確認でき
た。また上記の残留物は2時間の継続運転によって殆ど
消滅することができた。尚、新鮮で丸太状の大根等は分
解に長時間を要するので、このようなものは細断或いは
粉砕,圧潰し等の前処理工程によって、分解し易い処理
形状にしたのち投入した。
【0074】次に処理物12をプラスチック類に代えて
投入した実験例について説明する。この場合処理物12
は、発泡スチロールの食品包装用の受皿(トレー)を1
0枚程度と、同材質の厚肉な箱体を略5cm角程度に粉
砕したものを少量同時に投入し、処理作業の数時間毎に
処理槽1内の処理状況を確認した。これによれば、略1
5時間経過したところで処理槽1内をみると、上記受皿
は殆ど消滅しており、僅かに残存する箱体の砕片は脆い
状態で収縮していた。
【0075】上記の他白菜出荷場で排出される白菜屑、
豆腐製造工場における豆腐がら、もやしについて上記同
様の実験を行ったので以下その概要と結果について示
す。
【0076】(1)白菜屑(平成11年9月29日〜1
0月9日) 毎日30〜100Kgの対象物を定時に投入し、合計6
39Kg処理した結果、いずれも1日後に体積的には殆
どゼロに減量し、重量で39Kgの残存量で95.6%
の減量が実現できた(但し、装置容量100リットル,
母材重量125Kg,おが屑に対するミネラルホールド
材8%,設定母材温度50℃)。
【0077】(2)豆腐がら(平成11年4月1日〜4
月28日) 22日間略毎日40〜220リットルの対象物を投入
し、合計1,660リットル処理し29日目〜35日目
迄放置した結果につき、36日目に最終計測した結果、
積算減少量1,480リットルで、当初の母材量220
リットルを差し引くと体積的には略全量消滅したことに
なる。処理条件は(1)と共通である。
【0078】(3)もやし 毎日約50Kgのもやしを18日間、総量895Kg投
入処理した結果、19.5Kgの残量があり、97.8
%の減量が実現し、同様に体積も98.1%減少でき
た。処理条件は上記(1),(2)と共通である。
【0079】箱体の砕片は運転24時間後には略1〜2
cm程度に小粒化し、48時間後には肉眼で確認を不能
にする程度に消滅していた。尚、この場合も悪臭はなく
母材はぬか床状で連続運転可能であると共に、在来の処
理装置ではプラスチック類の消滅は困難であることか
ら、優れた実験結果を得ることができた。またプラスチ
ック類の処理は、加熱温度を70℃程度に高くすること
や攪拌速度を上げることにより、分解処理を一層能率よ
く行うことができるものである。
【0080】その他上記実験とは別途に、家畜(牛,豚
等)の糞尿を処理槽1内に投入したところ、これの分解
処理も良好且つ速やかに行うことができたが、この場合
には、尿は前処理で分離させて糞のみを処理すると能率
を上げることができると共に、糞の中には多量の繊維質
を含有しているので、脱水後は敢えて調整材16を必要
としないでそれ自体が母材を形成して効率よく分解処理
することができる。処理後における排出物は作物等の有
効な肥料になることはもとより、家畜の飼料として有効
的に再利用することができる等の好結果を得ることがで
きた。
【0081】また上記のような糞尿処理にあたっては、
促進剤3は前述のホールド材に形成したものを用いる
と、糞尿の処理を少ない生物ミネラルで能率よく処理す
ることができる等の利点がある。
【0082】なお生ゴミや畜糞を肥料化する場合、分解
処理後に残存する母材は、それ自体が多量のミネラルを
含んでいるので、肥料や土壌改良材として有効利用でき
る。
【0083】これに対し、処理対象物それ自体を堆肥化
する場合は、一次処理として給排気等を伴う好気性環境
下で分解処理を行い、二次処理として処理物が消滅する
前に、エアの供給、排出を行わない嫌気性雰囲気下で適
度な切り返し(撹拌)を行いながら処理することによっ
て実現できる。また二次処理は必ずしも同一装置や施設
で行う必要はない。
【0084】なお本発明における上記の急速な分解作用
に生物ミネラルがどのように作用しているかの生化学
的、物理的なメカニズムについては現段階では推論によ
る以外は解明されていない。
【0085】発明者において敢えてこの点を推論する
と、生物体に含まれる多種類の多量,微量又は極微量の
ミネラル類のいずれか一種又は二種以上のものが、電子
授受促進作用を通じて、第1に分解菌等の生物のエネル
ギー代謝を促進している可能性がある点、第2に電子の
吸着又は反発を促進して分解反応を促進させる可能性、
第3に反応の触媒作用を行っている可能性(処理物分解
後もミネラル類の減少が認められない)等が推測でき
る。
【0086】さらに上記ミネラルは一旦生物体への蓄積
を通して集積されているほか、高温(燃焼等)の処理に
より有害有機化合物が除去されているため、生体に馴染
まない有害物を含まない点、多種類のミネラルが少量で
複合的に全方向性をもって作用する点等に特徴がある。
【0087】
【発明の効果】本発明は以上のような有機廃棄物処理方
法方法及び装置にしたことにより次のような効果を奏す
る。有機廃棄物からなる処理物に、処理物の分解作用を
促進するミネラル類からなる促進剤を添加して処理槽内
で攪拌することにより、短時間に処理することができ
る。
【0088】特に処理槽内に最高32%の高濃度酸素を
含む酸素富化空気を補給することにより、槽内の酸素濃
度を大気中の酸素濃度に近い又はそれ以上の濃度に保つ
ので、槽内における好気条件下での分解を活発化し、十
分な分解を短時間に実現できる利点がある。
【0089】また酸素富化装置によって酸素富化された
空気をオゾン発生器や光触媒による脱臭装置に供給する
ことにより、排ガスのオゾン処理による浄化や消臭効果
を高める。
【0090】さらに酸素富化装置の作動で多量の水蒸気
分離が行われる点を利用し、その水分を排ガスのオゾン
水処理に供給することにより、オゾン水処理装置の水補
給を不要化でき又は少量化できる利点がある。
【0091】また本発明は、従来の特定な微生物菌を主
体にした促進剤で処理物を処理する処理装置のように、
大量の調整材や特定な微生物菌を敢えて供給する必要が
ない。また運転時に微妙な条件に左右されることによる
悪臭の発生を伴うことなく、処理装置の構成を簡潔で廉
価に製作することができると共に、煩雑なメンテナンス
作業を要することのない、家庭用の小型の処理装置や大
型厨房設備用あるいは畜糞やし尿等の集積処理場等の大
型な有機廃棄物処理に利用することができる等の特徴が
ある。
【0092】また本発明の方法では生物体より抽出した
バランスの取れた多種類のミネラルを含むので、広汎な
処理対象物に対して安定した作用をさせることができ、
材料入手も容易であるという利点を有する。
【0093】さらに上記ミネラルの坦体であるセラミッ
ク等のホールド材は、人工的にどの地域でも製造できる
ので、資源問題や流通条件に左右されることなく安定供
給ができ、含有ミネラルの種類や量も目的に応じて調整
可能であり、品質の安定性も確保できるほか、促進剤の
耐用時間も長く、効能の持続性及び反復使用の可能性を
備え、必要な場合に使用済促進剤を回収することも容易
に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理方法及び装置の全体構成を示す概
念図である。
【図2】本発明の実施に用いた酸素富化装置の温度特性
を示すグラフである。
【図3】本発明の方法に用いる処理装置の要部を示す正
面断面図である。
【図4】同じく処理装置要部を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 処理槽 2 送風機 3 オゾン処理装置 4 触媒脱臭装置 6 オゾン発生器 7 酸素富化装置 11 処理装置 12 処理物 13 促進剤 16 調整材 17 攪拌体 18 補助機器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 栄基 島根県松江市西津田二丁目15番37号 株式 会社やつか内 (72)発明者 畠中 茂樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山下 和一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AB02 AC10 BA05 CA20 DA51 EA05 GA02 GB02 4D004 AA03 BA04 CA19 CA48 CB02 CB06 CB28 CB36 CC02 CC08 4D006 GA41 JA01Z KB22 KD21 KE06P KE13P MB04 PA02 PB62 PC71 PC80 4G042 CB03 CB23 CC11 CE04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃棄物を収容処理する処理槽内に有機廃
    棄物からなる処理物を収容し、処理物を攪拌しながら分
    解処理する方法において、上記処理槽内において低下す
    る酸素濃度の低下分を補うために、上記処理槽内の酸素
    濃度が所定値以上となるように、酸素富化装置によって
    富化された酸素富化空気を供給するとともに、上記処理
    物の分解作用を促進する促進剤を処理槽内で処理物に接
    触又は撹拌混合させて処理する有機廃棄物処理方法。
  2. 【請求項2】 促進剤が多種類のミネラルを予め坦持さ
    せたホールド材からなる請求項1の有機廃棄物処理方
    法。
  3. 【請求項3】 処理槽から排出される排ガスをオゾン処
    理装置で脱臭し、該オゾン処理装置に対しオゾン発生器
    によりオゾンを供給するとともに、上記オゾン発生器に
    前記酸素富化空気を供給する請求項1又は2の有機廃棄
    物処理方法。
  4. 【請求項4】 処理槽から排出される排ガスをオゾン処
    理装置で脱臭し、該オゾン処理装置装置に酸素富化装置
    によって分離された水分を供給する請求項1又は2又は
    3の有機廃棄物処理方法。
  5. 【請求項5】 処理槽から排出された排ガスを触媒を用
    いた脱臭装置で脱臭し、該脱臭装置に酸素富化空気を供
    給する請求項1又は2又は3又は4の有機廃棄物処理方
    法。
  6. 【請求項6】 ホールド材が生物から抽出した生物ミネ
    ラルをセラミックに含有せしめたホールド材である請求
    項1又は2又は3又は4又は5の有機廃棄物処理方法。
  7. 【請求項7】 大気中から選択的に酸素を分離する酸素
    富化膜モジュールと、大気を供給するファンと、前記酸
    素富化膜モジュール内部を減圧する減圧手段とを備えた
    酸素富化装置と、有機廃棄物を収容して撹拌しながら分
    解処理する処理槽と、上記酸素富化装置から得られる酸
    素富化空気を、上記処理槽に投入する投入手段とを設け
    てなる有機廃棄物処理装置。
  8. 【請求項8】 投入手段を処理槽から排出される空気を
    処理槽に戻す返送手段とし、前記酸素富化装置から発生
    する酸素富化空気と前記排気空気を混合して前記処理槽
    に投入する構成とした請求項7の有機廃棄物処理装置。
  9. 【請求項9】 投入手段を大気中より投入される新鮮な
    空気とともに、上記酸素富化装置から得られる酸素富化
    空気を処理槽に投入する構成とした請求項7又は8の有
    機廃棄物処理装置。
  10. 【請求項10】 処理槽から排出される排ガスをオゾン
    浴処理するためのオゾンを供給するオゾン発生器を設
    け、上記酸素富化空気をオゾン発生器に供給する構成と
    した請求項7又は8又は9の有機廃棄物処理装置。
  11. 【請求項11】 処理槽から排出される排ガスを触媒に
    よって酸化処理する脱臭装置を設け、上記酸素富化空気
    を脱臭装置に供給する構成とした請求項7又は8又は9
    又は10の有機廃棄物処理装置。
  12. 【請求項12】 処理槽から排出される排ガスをオゾン
    浴処理するオゾン処理装置を設け、該オゾン処理装置に
    酸素富化装置より排出される水分を供給する構成とした
    請求項7又は8又は9又は10又は11の有機廃棄物処
    理装置。
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