JP3588010B2 - 生物ミネラルホールド材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は生物を灰化する工程を経て得られた生物ミネラルを含有する生物ミネラルホールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来動植物を灰化することによって多種のバランスのとれた人体に有用なミネラル(生物ミネラル)を得る技術は、本発明者等によって既に提案されており(特開平10−52240号)、ミネラルを含有した天然鉱石やその利用等については既に知られている。
また人工的に鉱物から抽出された個々のミネラルが生物体やその活動に有用な作用をすること、あるいは海草等の限られた食品から得たミネラルを食用に供することも既に公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記のような生体に不可欠で多種類のバランスのよいミネラルも、健康食品であったり、また何らかの物への添加物である場合を含め一回限りの使用の消費物又は消耗材であり、またミネラルを含む鉱物は限られた種類や分量のミネラルでその用途も例えばミネラル飲料水の製造等の極く限られた用途への利用しかできないという欠点があった。
【0004】
一方本発明者等は上述した多種類のミネラルを含む生物ミネラルの生体への付与が生体活動の活性化に特に好ましい影響を与えるだけでなく、人の生活環境やその他各種流体の活性化又は浄化処理機能等今迄知られていない機能を備えていることを実験的又は経験的に確認した。
この発明は生物ミネラルの新しい機能を十分に発現させるとともに、これらの用途に最も適したミネラルの保持形態を実現し、併せて繰り返し使用が可能で、あるいは長時間にわたって有効に作用できる生物ミネラルホールド材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明は、第1に植物を含む生物体を灰化する工程を経て得られる多種類のミネラルを含む粉状の生物ミネラルをセラミック原料からなるホールド材と混合し、該混合物を所定形状に成形後焼成することにより上記生物ミネラルをセラミック材に担持させ、該生物ミネラルの生ゴミ等の有機物の分解、水や空気の浄化又は水や空気の脱臭を行う機能を維持又は発現せしめことを特徴としている。
【0006】
にセラミック材を粉砕して粉体又は粒状体に形成したことを特徴としている。
【0007】
に粉体化したセラミック材を基材表面に付着せしめてなることを特徴としている。
【0008】
にセラミック材を耐熱性の基材表面に溶射することにより付着せしめたことを特徴としている。
【0009】
に前記セラミック材を粒状に形成されたゼオライトの表面に付着せしめてなることを特徴としている。
【0010】
に前記粉体化されたセラミックと粉体化されたゼオライトを混合して成形し、固化せしめてなることを特徴としている。
【0011】
にセラミックを成形前の合成樹脂材に添加混合し、成形固化せしめたことを特徴としている。
【0012】
8に植物を含む生物体を灰化する工程を経て得られる多種類のミネラルを含む粉状の生物ミネラルを、プラスチック材からなるホールド材に混入し、板状、ブロック状又はフィルム状に形成してなることを特徴としている。
【0013】
9に植物を含む生物体を灰化する工程を経て得られる多種類のミネラルを含む粉状の生物ミネラルを、塗料からなるホールド材に混合してなることを特徴としている。
【0014】
10に生物体を灰化する工程を経て得られる生物ミネラルの水溶液を、繊維質製の材料に含浸させてなることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態とその応用例につき詳述する。
1.生物ミネラルの抽出及び処理
既述のように生物ミネラルは植物や動物を燃焼させて灰化させたものであり、例えば本発明者等が先に提案している特開平10−52240号公報等に開示されている。
【0016】
上記公報(特開平10−52240号)に示される生物ミネラルは、各種の有効なミネラルを含有する薬草等の草木、海藻(草)等の藻類、しじみ、小魚等の魚介類を乾燥させ又は生のまま高温加熱(燃焼)し、有機質及び有機質からなる毒物等の生体への有害物を除去した残存物から得られる生物ミネラルである。
【0017】
例えば上記高温加熱し(燃焼させ)た残存物(灰化物)に含まれる残存炭化物(未燃焼カーボン)を更に二次加熱することによって燃焼除去して完全に灰化させた後、200〜300メッシュに微粉砕する。
この操作により多種類のミネラルのうちの当該加熱・燃焼によっては除去されない高沸点のミネラルが主として残存する。したがって燃焼温度や二次加熱が低く且つ時間が短い程低沸点のミネラルを多く含むことになる。
尚、上記生物体は、植物の芋類,でん粉類,穀物,豆類,野菜類,樹木やその葉及び根,果物類,茸類,各種野草,魚貝類や鳥獣類及びこれらの内蔵,骨,甲殻等で、殆ど全ての動植物(生物)を対象とすることが可能である。
【0018】
そして発明者等による実施例では、植物(草木類)ではよもぎ,松葉,ひのき,竹,タヒボ,イタドリ,アロエ,アガリスク,高麗人参,アルファルファ,切り干し大根,モロヘイヤ,茶葉,イチョウ葉,タンポポ根,ニンニク等が用いられ、藻類では、あらめ,わかめ等が、魚介類では、にな貝,しじみ,かに殻等を、きのこ類では、舞茸をそれぞれ原料生物体として用いた。またこれらの原料は予め複数種のものを定量的に配合したものを灰化処理しても良いが、各原料毎に灰化処理したものを定量的に配合しても良い。
【0019】
このようにして抽出した生物ミネラルの組成及び微量元素は表1中の2に示す通りであり、全体が例えば比較的量の多いCa,K,Mg,P,Siや、それ以下の微量又は極微量等多種類のミネラルを含んでいる。ちなみに表1で明らかなように1で示す原料の灰を加熱精製すると減量するミネラル又は増量するミネラルがある。以下のいずれの実験にもこの生物ミネラルを用いたが、これらの含有ミネラルは原料の種類や量によって、多少異なるものの多種類の原料を定量的に用いることによって概ね近似した値になる。この生物ミネラルは乾燥した原料に対して5〜10%程度抽出でき、高温処理する程減量は大きい。
【0020】
【表1】
Figure 0003588010
【0021】
また上記ミネラルには容水溶性のものと難水溶性又は不溶性のものが含まれており、以下に述べる生物ミネラルホールド材を製造する場合に、水溶性ミネラルを特に必要としない場合又は水溶性ミネラルがミネラルホールド材の製造過程で消失され易い場合(例えばセラミック化する場合)等はミネラル分を有効利用するために水溶性ミネラルと不(難)溶性ミネラルを加水濾過によって分離し、不(難)溶性ミネラルのみを用いる場合もある。逆にホールド材がプラスチック材である場合のように、水溶性ミネラルの保持も可能な場合は、水溶性ミネラルの溶液又はその溶液から抽出した水溶性ミネラルパウダーのみを混入して持(保持)させる場合もある。
【0022】
このうち水溶性ミネラルは灰化された生物ミネラルに水を添加したものを濾過して得たもので、濾過水を凝集して約4%濃度のミネラル水が得られる。この生物ミネラル水溶液の水分を蒸散除去することによりパウダー状の水溶性ミネラルが得られ、この生物ミネラルは再度水に溶解させることができる。
前述した灰化後の生物ミネラルから得た水溶性ミネラルのミネラル成分量は表2に示す通りである。
【0023】
【表2】
Figure 0003588010
【0024】
2.ミネラルホールド材の種類と製法
既述のように生物ミネラル自体は灰化され又はさらに微粉砕されるので、粉(パウダー)状であり、若しくは水溶性生物ミネラルは水溶液又は水溶液から水分を除去して得るパウダー状である。したがってそのままの状態で、例えば後述する有機廃棄物処理や水処理等に使用すると一回限りの使用によって消耗されるため、これを他のホールド材(体又は増量材)によって増量させるとともに、多様な使用環境の中でその機能を保持しつつ繰り返し使用や長時間又は長期間の使用が可能な保持形態であることが望ましい。
【0025】
このため以下の実施形態では粘土等のセラミック材、天然ゼオライト等の機能性を備えた鉱物,セメントや人造石等の人工的な鉱物質等からなる無機質材料を増量材又は体(ホールド材)として用い、あるいはプラスチック成形品や木材又はパーティクルボード等のような木質成形品の他、紙,不織布等の有機質材料に生物ミネラルを混入又は含浸せしめた生物ミネラルホールド材を製造することが可能である。
【0026】
(1)セラミックホールド材
生物ミネラルをセラミックに持させる場合、主として不溶性ミネラルからなる上記生物ミネラルをセラミック化したものを用いており、本例では表1中の2に示す生物ミネラルを18g、粉砕花崗岩を200g、セラミック原料である白雲土等の粘土類を200gに水を添加した後混練して形成乾燥したものを、1,100℃前後の高熱処理によって約6時間位焼成した。表1中の3はこのようにして得た生物ミネラル入りのセラミックの素成分析値を示しており、セラミック化することにより熱の影響、粘土成分との合算その他によりミネラル量に増減がある。
【0027】
上記のように生物ミネラルを混入してセラミック化する場合、その用途に応じてレンガ状又はタイル状、ブロック状その他の形状に成形焼成することができるほか、これらを期待する機能や用途に応じて粉砕し、砕石状の粒状体や微粉砕して砂状又は粉状の粉体にすることも可能である。さらに成形時に予め造粒して乾燥した後焼成して粒状のセラミックホールド材とすることもできる。セラミック原料は上記のものに限定されるものではなく一般に使用される陶磁器用の粘土で良い。その他上記粉体状のセラミックは金属や鉱物又は他のセラミック等からなる基材の表面に溶射等によって付着させた状態で使用することもできる。
【0028】
(2)ゼオライトホールド材
吸着性、脱臭性、イオン交換能等を備えていることで知られるゼオライトをホールド材として用いる場合、上記不溶性ミネラル又は上記(1)によって粉末化されたミネラルセラミックを、粉状又は細粒砂状のゼオライトとを水又はさらに必要に応じて有機バインダーを加えて造粒乾燥し、1000℃前後で高温乾燥したものを用いることができる。後述する有機廃棄物の処理実験では、島根県産の天然ゼオライトを粉末化したものと、少量の活性炭粉末とに水と50〜70%重量比の生物ミネラルを加えて混練し、8mm径位に造粒乾燥後、1,000℃位で1〜3分位加熱したものを用いた。
【0029】
その他天然のゼオライト鉱石を粒状に粉砕したゼオライト粒、又は粉状のゼオライトをバインダー等を用いて造粒乾燥したゼオライト粒(必要に応じ活性炭その他の混入物を添加してもよい)の表面に、前記(1)に示した粉状のミネラルセラミックを付着させ、例えば1000℃位の温度で数分間加熱して一体化することにより、ゼオライトホールド材を得ることができる。
【0030】
これらのゼオライトホールド材は、後述する生物ミネラルの作用に加えゼオライト自体のもつ吸着性、脱臭性、イオン交換能を兼ね備えたものとなる。またゼオライト粉末を用いる場合、天然ゼオライト鉱石採掘現場で大量に発生する粉状のゼオライト鉱石屑を有効利用に資することができる。
【0031】
(3)セメントを用いたホールド材
ホールド材にセメントを用いる場合、その多くはモルタル又はコンクリートの形態で使用し、セメント,砂,砂利等の材料重量に対し、前記(1)で示した粉状又は粒状のミネラルセラミックを用いる場合は10%程度で良い。但し、ミネラルセラミックを用いる場合は骨材と同様に機能するので多量に使用する場合は、セメントとの配合比が過多にならないように注意する必要がある。
【0032】
たこれらのセメントを用いたホールド材は現場打ちモルタルやコンクリートのほか、建材や土木用材としてのプレキャスト部材に使用することが可能なことは云うまでもない。
【0033】
(4)プラスチックホールド材
プラスチックに生物ミネラルを混入して成形体にする場合、生物ミネラル(主として不溶性のもの)自体では重量比5%前後とし、(1)に記載したミネラルセラミック粉末等を用いる場合は5%以上が望ましい。これらの生物ミネラルを混入したプラスチックホールド材は、塩化ビニール等のように生物ミネラルでガス化消滅し難い材質のものを除き、後述する有機廃棄物のガス化消滅処理時にも消滅処理が容易であるほか、プラスチックとして生分解性樹脂を用い、あるいはさらにこれに植物繊維質のものを混入すると一層消滅処理が容易になる。
【0034】
これらのプラスチックは板状、ブロック状又は各種の容器として成形されてもよく、フィルム状に成形されてシート状又は袋状の製品として成形しても良い。 但し、透明性が要求される袋の場合は先に述べた水溶性の生物ミネラル溶液又はミネラル溶液から抽出した粉末状のミネラルパウダーを混入することが望ましい。
【0035】
(5)繊維質製ホールド材
ホールド材に繊維質製ホールド材を用いる場合はホールド材自体に生物ミネラルを含浸させる場合、表面に塗布させる場合、植物繊維質の材料を生物ミネラルと混合したものを成形する場合等がある。
【0036】
このうちホールド材として柱状又は板状等の木材(合板や集成材を含む)を用いる場合は、主に水溶性ミネラルをホールド材に浸漬、噴霧、塗布等により含浸させることができる。またペレット状若しくは繊維状の木質材をバインダーを介して加圧又はさらに加熱して成形した成形材にあっては、これらの成形前にペレットや繊維質材にミネラル水溶液を予め含浸させたものを成形し、或いは予め粉体状の生物ミネラル(又は生物ミネラルホールド材)を混合して成形することもできる。
同様に不織布、紙、布等のシート状材料に水溶性ミネラルを含浸させあるいは不溶性ミネラルを漉き込むことにより生物ミネラルを持させることもできる。
【0037】
(6)塗料等によるホールド材
ホールド材として使用される塗料は、一般に使用される油性又は水性の塗料のいずれでもよく、これらの塗料に生物ミネラルを添加混合したものが塗料ホールド材である。
また添加する生物ミネラルは不溶性のもの、水溶性のものいずれでも良く、前述した粉状に粉砕されたセラミックホールド材を添加混合してもよい。
【0038】
これらの生物ミネラルの添加量は塗料としての機能を損なわない範囲で調節可能であり、具体的にはその使用目的(用途)に応じて求められる機能とコストバランスの関係で決められる。
なお、本例のような塗料のほか、染料や顔料に不溶性又は水溶性の生物ミネラルパウダー、粉状の生物ミネラルセラミック、生物ミネラル溶液等を添加することも可能である。
【0039】
3.生物ミネラルホールド材の用途及び機能
前述した各種のミネラルホールド材(1)〜(6)は、発明者の実験によれば表3に示すような用途と該用途に応じた作用を備えており、以下これらの具体例につき説明する。
【0040】
【表3】
Figure 0003588010
【0041】
(1)セラミックホールド材の用途及び機能
<有機廃棄物の処理及び堆肥化>
主として生ゴミや畜糞の消滅処理又は堆肥化処理にはセラミックホールド材の利用が有効であり、この他ゼオライトやセメント(コンクリート)をホールド材も有効に利用できる事を実験的に確認したので以下これらの実施例につき詳述する。
【0042】
図1〜図2はセラミックホールド材又はゼオライトホールド材を用いて食品廃棄物を中心とする有機廃棄物の処理装置を示し、1は処理装置であり、廃棄される有機廃棄物(処理物)2をホールド材3と攪拌混合しながら分解(分解気化)させて消滅処理するものである。
この実施形態で示す処理装置1は、図1,図2に示すように、処理物2やホールド材3並びに調整材6等を収容するように形成された箱型の処理室5と、該処理室5内で処理物2とホールド材3並びに調整材6等をそれぞれ均一に分布させるために攪拌混合する攪拌体7と、処理室5内の処理温度を加熱調節等の手段によって所定の温度に加温維持させるヒーター等からなる温調装置5aと、後述する補助機器8等から構成している。尚、調整材6は本実施形態ではおが屑を用いているが、在来のものと同様な木材チップや繊維質の資材用いてもよい。
【0043】
そして、処理室5の右側には、攪拌体7を回転軸70に連結して所定回転で攪拌駆動する駆動モータ71や、後述する補助機器8等を収容する補助機体1a、並びに各機器装置の作動コントロールを行う制御盤1bを設けている。
図示例の処理室5は、上方に廃棄物の投入口(供給口)50を開口形成した箱型の機体51内に、直径50〜60cm程度の公知の構成からなる螺旋体72を回転軸70に複数本のサポート杆を介して設けた2本の攪拌体7,7を、前後方向に並列軸支し正逆回転可能に設けることにより、処理物2をホールド材3及び調整材6からなる母材と該母材中に、均一且つ良好に攪拌混合させながら回転移動させることができるようにしている。
また投入口50には、蓋52,52を各攪拌体7,7の上方に対向配置し、その内側を支点に矢印方向(図1)に開閉回動可能に併設している。
【0044】
また処理室5は温調装置5aによって適正な処理温度に維持しながら運転可能とし、処理物2の分解処理を促進させることができるようにしている。
即ち、攪拌体7の回転軌跡に沿わせて湾曲状に形成した処理室5の内壁53の裏面には、温調装置5aの面状発熱体等からなるヒータ5bを付設すると共に、処理室5内の空隙部に温度センサ5cを設け、該温度センサ5cによる温度の検出に基づき、ヒータ5bを制御盤1bの指令によって作動させ内壁53を加熱の温度調節をすることにより、処理室5内における処理温度を所定に維持させて、有機廃棄物2の分解作用を良好に行わせるようにしている。
尚、処理室5を囲繞する機体側壁は適宜な断熱材による断熱施工を行うと共に、温調装置5aは上記のものに限ることなく送風口56から熱風を送給する等の方式にしてもよい。
【0045】
また処理室5内で処理物2が分解処理する際に生ずるガスは、側面視で逆山形状に形成した蓋52の頂部の一側に設けた排気口55から円滑に排出することができるようにしている。また処理室5の上方中央部には受皿状の排出樋57を設けて、処理室5内で生ずる水蒸気を水滴として機外へ排出を促進させて、母材の調湿を行うことができるようにしている。
【0046】
58は処理室5の上方中央部に横設した送出管であり、該送出管58は補助機体1a側に設置されたタンク及びポンプ等からなる送給装置80に通じ、該送給装置80内に湿度調整用の水又はホールド材3を含有した水等を、自動的に或いは手動操作によって適宜処理室5内の母材に送給可能に構成している。これにより運転中に蓋52を開くことなく、水やホールド材3の補充を簡単に能率よく行うことができる。
尚、この実施形態における送給装置80は、後述する生物ミネラルを含有したホールド材に水道水を通過させることによって生物ミネラル水を生成し、このミネラル水を送出管58から固体状の生物ミネラルからなるホールド材3に併せて補助的に供給することにより、補助供給を簡単に行うと共に活発な処理を行うことができる。
【0047】
また送給装置80は液体のものに限ることなく、パウダー状或いは粒状のホールド材3或いは後述するホールド材に形成したホールド材3等を適宜所望に送給することができるようにしてもよい。
また58aは上記送出管58の上方に横設され上段の送給装置80に連通した送出管であり、該送出管58aは送給装置80内に収容されたホールド材3又は調整材6を各別に、又は両者を混合させた状態で、処理室5に適宜補充することができる。
【0048】
51aは処理室5の底部から収容物を取り出し可能に設けたメンテナンス用の排出口である。
上記処理装置1は、攪拌体7の回転数や作動パターン及び温調装置5aの設定温度の調節巾を自由に調節することができるようにしている。
【0049】
次に、上記のように構成した処理装置1を用いて処理物2を処理する、処理方法及びその各使用態様等について説明する。
先ず、表4に示す内容で処理物2の処理を行った実験方法及びその結果について説明する。
【0050】
【表4】
Figure 0003588010
【0051】
この実験では、装置条件として処理室5内の処理温度を人間の体温程度の略35℃程度とし、攪拌体7の回転数を略1.5rpm程度にし、処理時間を1時間に設定すると共に、処理室5内に以下のホールド材3と調整材6及び水を、表の割合を以て混入混合することにより水分量40〜70%程度の処理母材を形成し、実験例ではこの中に動物性及び植物性の処理物2として、全姿の鰯500g分と葉を剥がしたレタス100g分の割合を以て計600gを投入し、その処理の状況を後述する第1実験群,第2実験群,第3実験群の種別に分けて確認した。
尚、本実験では処理物2の量が少ないこと及び処理の計測を適正に行うために、処理室5容量が比較的小さい略30リットル程度の処理装置1を用いて行った。
【0052】
この実験において、第1実験群では、ホールド材3と前述したセラミックホールド材のうち、成形焼成後粉状に粉砕された粉体状のものを用いた。
【0053】
また第2実験群は、ホールド材3としてゼオライトホールド材を用い、この例では島根県産のゼオライトを粉末化したものと、少量の活性炭粉末とに水と50〜70%重量比の生物ミネラルを加えて混練し、8mm径位に造粒乾燥後、1,000℃位で1〜3分位加熱したものを用いた。
尚、第1実験群及び第2実験群は、生物ミネラルを含有するセラミック水をそれぞれ500ml供給した。この生物ミネラルセラミック水は、前述した生物ミネラルセラミックを粒状に粉砕したものを濾過層として通水又は濾過した水道水を用いた。
また第3実験群は、ホールド材3としての生物ミネラル及び生物ミネラルセラミック水を投入しないで、調整材6と水道水による場合の処理物2の処理状況を確認する実験例を示している。
【0054】
また調整材6は、処理室5内において水分調整を行うと共に、吸水性と保水性に優れ加温により水分を蒸散させ易い材質であること、及び長時間の処理作業においてそれ自身は分解され難く大きく減容しないで、生物ミネラルを一時的に保持させて処理物2に均一に接触させ易い媒体になること、且つ大量のものを廉価に入手できて無害である等の条件が必要で、これらの条件を備えた炭水化物で繊維性の強い植物繊維を含む材質からなるものが好適である。
従ってこのような調整材6として、おが屑,籾殻,蕎麦殻,乾草等の使用が可能であり、これらを単独或いは適宜組み合わせて使用してもよいものであるが、この実験では処理状況を粒径以上の網目で篩い選別して確認することが容易にできると共に、材料の入手を簡単に行うことができて汎用性を有するおが屑を調整材6に用いている。
【0055】
以上のように構成した処理装置1を用い、表4に示すように各条件を設定して行った実験の結果は以下のとおりである。
即ち、処理作業の1時間後における処理物2の計測結果は、セラミックホールド材を用いた第1実験群では、処理物2の残存量は略30gで残存率は略5.0%程度であり、またゼオライトホールド材を用いた第2実験群の処理物2の残存量は略50gで残存率は略8.3%程度であった。
【0056】
この結果何れも、微生物菌主体で処理する在来の処理装置のものが数週間の処理時間を要するのに比較して、第1,第2実験群によれば処理物2を格段に短い時間内で肉眼及び触感では視認し得ない程度に、消滅(分解)処理することができるものであることを観察できた。
また生物ミネラルを添加しない第3実験群では、処理物2の残存率は略75%程度であり、水分の蒸散によって減容されるものの殆ど処理物2の原型を止めており、未処理状態である。
【0057】
尚、上記1時間後における処理物2の残存状況は、第1実験群及び第2実験群とも、鰯並びにレタス共その消滅状況は良好で母材も適正な湿りを有しながらさらさらとした粉状であり、鰯の大きな骨部とレタス芯の極く一部がわずかな形をとどめながら残存していたが、これらは計測後において処理装置1を30分程度継続運転することによって、完全に分解処理することができ、肉眼による確認では残存が全く確認できなかった。
【0058】
また上記処理作業において一般的な有機廃棄物は、炭素(C),水素(H),酸素(O),窒素(N)を主体に構成されているところ、処理の進行に伴いガス状に分解されて、排気口55から排出されるので、処理室内を高圧にすることなく、また機外に放出されるガスに悪臭を伴うことなく、むしろ芳ばしい醗酵臭が僅かにする程度の好結果を得るに至った。
【0059】
さらに、完全分解後における処理物2は、カルシウム(Ca),マグネシウム(Mg)等のミネラルがガス化しない元素として母材中に残るだけなので、該母材は処理物2を処理したことによる見かけ上の量の増減は確認できない程度であると共に、この状態における母材には、有機廃棄物中の非蒸散のミネラル類が累積残留しているため、ホールド材3や調整材6の新たな補充を行う必要がない。このため次回の処理物2の投入による処理作業を、長期間に渡って繰り返し連続的に行うことが可能であることも確認することができた。
【0060】
この際、上記構成した処理装置1は、処理室5内にホールド材3と調整材6を投入した状態において、おが屑はやや乾燥状態にあり水分量が不足しているので、このような場合には、母材の水分量が60〜70%程度になるように人為的又は送給装置80によって給水し、水分調整を行いながら温調装置5aによって所定の処理温度に加温すると共に、ホールド材3と調整材6を攪拌体7で連続的に攪拌し処理物及び母材を空気接触させて好気性の分解(消滅)をさせながら、処理物2の処理作業を行う。
処理室5内の母材は所定の処理温度に維持されながら連続的に攪拌されて、母材内に生物ミネラルの存在に伴う有効菌が活性化する環境を提供維持するものと理解され、投入された処理物2を増殖及び活性化した有効菌によって完全分解作用を促進して、悪臭ガスの発生や未処理物による汚水の発生等を抑制した分解処理を行うことができる。
【0061】
従って、従来の処理方法による廃棄物処理用の微生物菌を種々選定し着床させたホールド材によって処理する処理装置は、処理の進行に伴い母材の減容が大きいため大量の調整材やホールド材を要すると共に、長時間の運転時における微妙な条件の変化に左右されて不完全処理状態を生じ悪臭の発生を伴い易く、脱臭装置等の設置を必要にしたりする。これに対し、生物ミネラルホールド材を用いた上記方法によれば、処理物自体に付着した菌類自体が増殖しながら処理物を消滅処理するものと考えられ、廃棄物処理用の特定な微生物菌を敢えて準備することなく処理物2の分解作用ができること、及び母材の減容に大きな変化がないので大量の調整材やホールド材の補充等が節減できると共に、処理時間が従来のものの数分の1と大幅に短くなり、また運転時に微小な条件の変化によって処理性能が大きく左右されることがなく、悪臭の発生が殆どない等の利点がある。
【0062】
特に生ゴミや後述する畜糞等のように悪臭の強い処理物は、撹拌により処理物が1〜2回撹拌されてホールド材と混合された時点で直ちに悪臭を発生しなくなり、調整材を含む母材が2回目以降使用される時は特に顕著である。
【0063】
また処理装置1の構成を脱臭装置等の設置を不要にすることができたり、複雑な構造にすることなく簡潔で廉価に製作することができると共に、煩雑なメンテナンス作業を要することのない小型化にすることもできる等、家庭用の取扱い易い処理装置としても好適化させることができる等の特徴がある。
【0064】
またホールド材3として、生物ミネラルをゼオライト素材等鉱物に合体させて構成したゼオライトホールド材は、ゼオライト素材そのものも脱臭作用を備えているので、仮に悪臭を発生する処理物を処理する場合であっても、排出ガスの臭いを一層少なくすることができる等の特徴がある。
また上記の各ホールド材は生物ミネラルの長期間にわたる保持を行うことができると共に、カーボン或いは酸化チタン等の消臭剤を吸着,塗布,混練等の適宜な手段によって合体させ易く、特に酸化チタンを含有させたホールド材は攪拌に伴って行われる還元作用により、廃棄ガスの消臭を行うことができると共に、処理室5内への供給を簡単に行うことできる等の特徴がある。
【0065】
次に上記の実験とは別途に大型の処理装置1を用い、種々の処理物に対する処理を確認するために行った実験例について説明する。尚、前記実験と同様な項目及び作用については説明を省略する。
この実験では、処理室5の容量は約600リットルであり、装置条件として処理室5内の処理温度は略40℃〜60℃程度とし、攪拌体7の回転数を略1.5rpmとしている。尚、処理温度を70℃程度で上昇させ、あるいは攪拌体7の回転数を上げれば処理能力を上げることができるが、ランニングコストを低減させる等の実用上の観点から上記の回転数に設定した。またホールド材3としては前記同様に、セラミックホールド材を2.4Kgと粉状の生物ミネラルを1.6Kgを投入した。
【0066】
そして調整材6は、おが屑50Kg程度に米糠6Kg程度の割合とし、またホールド材3と調整材6を合わせた母材は、その水分量を60〜70%程度に調湿すると共に、処理室5に処理物2を投入運転した1時間後において、中途の処理状況を確認するものとした。
【0067】
この場合に投入した処理物2は、残飯9Kg,惣菜16Kg,魚のあら類8Kg,サラダ(マカロニ含む)12Kg,野菜屑類9Kg,油揚げ3Kg,生クリーム11Kg等合計70Kg程度であり、処理室5容量と処理物2との割合を好適な混合割合の3対1程度にして、母材を加温攪拌しながら運転中の処理室5内に投入した。また上記処理物2の処理実験後において、引き続き同母材中に後述するプラスチック類を投入して、その処理状況を確認するための実験を行った。
【0068】
次に上記の態様で行った実験結果について説明する。即ち、処理作業の1時間後に蓋52を開いて処理室5内の処理状況を確認したところ、前記処理物2は何れも原型を止めず母材と混合して粘土状になって攪拌運動しており、野菜や果実はその芯部が繊維質を伴いながら残留していると共に、魚のひれや太い骨類の一部が残留しているのみであり、在来の処理装置に比較すると極めて高能率で、悪臭等を抑制した良好な処理が短時間で行われていることが確認できた。
また上記の残留物は2時間の継続運転によって殆ど消滅することができ、このときの母材は適正湿度のしっとりとしたぬか床状で、次位の処理物2を投入可能な待機状態であった。
尚、新鮮で丸太状の大根等は分解に長時間を要するので、このようなものは細断或いは粉砕,圧潰し等の前処理工程によって、分解し易い処理姿にしたのち投入するとよい。
【0069】
次に上記同様な条件で、処理物2をプラスチック類に代えて投入した実験例について説明する。この場合処理物2は、発泡スチロールの食品包装用の受皿(トレー)を10枚程度と、同材質の厚肉な箱体を略5cm角程度に粉砕したものを少量同時に投入し、処理作業の数時間毎に処理室5内の処理状況を確認した。
これによれば、略15時間経過したところで処理室5内をみると、上記受皿は殆ど消滅しており、箱体の砕片は脆い状態で収縮していた。
【0070】
その後、箱体の砕片は運転24時間後には略1〜2cm程度に小粒化し、48時間後には肉眼で確認を不能にする程度に消滅していた。
尚、この場合も悪臭はなく母材はぬか床状で連続運転可能であると共に、在来の処理装置ではプラスチック類の消滅は困難であることから、優れた実験結果を得ることができた。
またプラスチック類の処理は、加熱温度を70℃程度に高くすることや攪拌速度を上げることにより、分解処理を一層能率よく行うことができるものである。
【0071】
その他上記実験とは別途に上記実験と同一条件下で、家畜(牛,豚等)の糞尿を処理室5内に投入したところ、これの分解処理も良好且つ速やかに行うことができたが、この場合には、尿は前処理で分離させて糞のみを処理すると能率を上げることができると共に、糞の中には多量の繊維質を含有しているので、敢えて調整材6を必要としないでも母材を良好に形成して効率よく分解処理することができ、処理後における排出物は作物の有効な肥料や土壌改良材になることはもとより、家畜の飼料として有効的に再利用することができる等の好結果を得ることができた。
【0072】
ここでさらに別途行った実験例について説明する。ちなみに、各種の処理物を、その種類に応じた処理時の通常適正処理温度(生物類の場合は略39℃程度,非生物類の場合は略60〜70℃程度)で、既述と略同様な攪拌条件を以て処理することによって得られた処理物の分解時間を例示すると、表5に示す通りであり、これによっても在来の微生物菌を主体にした処理装置の処理性能に対し、格段に短時間で高性能な処理をすることができる等の好結果を得た。
【0073】
【表5】
Figure 0003588010
【0074】
次に図3に示す実施形態について説明する。この処理装置1は、処理室5を回転するドラム状に形成して攪拌体を兼ね、ヒータ5bで加温させながら回転駆動装置98によって回転させると、処理物2と母材とを攪拌混合させながら下手側に向けて移送排出することができるようにしていると共に、且つ内部に適正量のホールド材3を供給する供給構造58,58aを設けると共に、上手側に処理物投入用のホッパ92aと調整材6供給用のホッパ92bとを設けている。
これによれば、処理室5の径を大きくすることにより簡潔な構成を以て、大量の処理物2を能率よく処理することができる等の利点がある。
【0075】
次に図4に示す実施形態について説明する。この処理装置1は処理室5を建物9aそれ自体で構成していると共に、室内を一定の処理温度に空調しており、図示例における攪拌体7は、室内の一側から他側に向けて正逆回転可能で且つ往復移動可能に設けている。
【0076】
またこの場合の処理室5内にはパワーショベル等適宜な作業機によって畜糞等の処理物2を供給したのち、適宜な供給構造58,58aによって調整材6及びホールド材3を供給して、攪拌体7を回転移動させながら処理物2と母材の切り返し攪拌を無理なく良好に行うことができるようにしている。
これらの畜糞処理では消滅途中の処理物及び調整材等を取り出して嫌気性発酵、乾燥等を行わせることが可能であり、その場合も生物ミネラルの作用により、発酵中及び堆肥完成後の悪臭の発生が抑制される効果がある。またいずれの処理装置もそのまま堆肥プラントとして利用できる。
【0077】
この場合床面及び壁面等の側壁51を生物ミネラル入りのブロック状又はタイル状のセラミックホールド材又は生物ミネラル入りのコンクリートで形成するか、或いはコンクリート等の壁面に生物ミネラル入りの塗料を塗布することにより、処理物2の処理を一層促進する効果があり且つ消臭作用も高まる等の硬化が確認されている。
【0078】
<有機物の分解又は消滅を促進する生物ミネラルの作用の考察>
上記の各種実験により、生物体から抽出した多種類の生物ミネラルが、一定の温度や水分を調整した環境において、動植物からなる食品等の廃棄物(いわゆる生ゴミ)に限らず、紙等のパルプ製品、紙おむつ等の合成樹脂繊維を含むもの、発砲スチロールやカセットテープケース等に用いられるポリスチレン樹脂等の合成樹脂材の一部(注:塩化ビニール樹脂等は殆ど分解されないことが実験的に認められた)までが極めて短時間に分解されることが判明した。ちなみに従来の生ゴミ等の分解(消滅)には、比較的分解の容易な魚介類の肉やでんぷん質のものを早期に堆肥化するプラント処理による場合でも25〜40日位を要するのが一般的であり、畜糞等では一次発酵(好気性),二次発酵(嫌気性)を含めて無臭化処理するには、数ヶ月以上の処理日数を必要としている。
【0079】
しかし本発明における上記の急速な分解作用に生物ミネラルがどのように作用しているかの科学的、生物学的、物理的なメカニズムについては現段階では推論による以外は解明されていない。
【0080】
発明者において敢えてこの点を推論すると、生物体に含まれる多種類の多量,微量又は極微量のミネラル類のいずれか一種又は二種以上のものが、電子授受促進作用を通じて、第1に分解菌等の生物のエネルギー代謝を促進している可能性がある点、第2に電子の吸着又は反発を促進して分解反応を促進させる可能性、第3に反応の触媒作用を行っている可能性(処理物分解後もミネラル類の減少が認められない)等が推測できる。
【0081】
さらに上記ミネラルは一旦生物体のフィルターを通して集積されているほか、高温(燃焼等)の処理により有害有機化合物が除去されているため、生体に馴染まない有害物を含まない点、多種類のミネラルが少量で複合的に全方向性をもって作用する点等に特徴がある。
【0082】
<浄化、活性化等の機能>
セラミックホールド材は上記のような有機廃棄物の分解、消滅作用や消臭作用のほか、粒状又はブロック状、タイル状又は粉状等の形態のセラミックホールド材は、これに水や空気を接触させることにより、これらを浄化又は活性化させる作用があることが発明者等によって確認されている。
【0083】
例えば粉状又は粒状に粉砕されたホールド材に濾過その他の方法によって接触させた水は、水槽等の濁りや臭いの発生、水苔、藻類等の発生を抑制し、発生した水苔や藻類の除去等にも有効に作用する。
これらの水を植物に与えると投与後枝葉や根の成長が急激に促進されることが水(耕)栽培等において確認されており、金魚鉢や池等に上記ミネラルセラミック水を供給し又は内部に上記セラミックホールド材を投入しておくことにより、水の濁りや水苔の発生が極端に抑制され、糞類の分解が早く魚類の成長も早いほか、病気に掛かる率も低減する。
【0084】
またこれらの水を洗浄水として用いると脂質の分解等の洗浄効果も高く、前述した生ゴミ処理においても明らかなように、上記ミネラル接触水を用いることによる消臭効果が認められる。同様に臭いのある空気、ガス等をセラミックホールド材に接触させることにより消臭又は脱臭効果が認められる。例えばセラミック原料に生物ミネラルを混入したものを造粒,乾燥,焼成したものや、粉砕して粒状化したものを喫煙パイプのフィルター内や、エアコン用フィルター内に充填することにより、タールやニコチン、臭いの除去又は空気の浄化等の機能をもたせることができる。
【0085】
さらにガソリンやガス等の燃料、有機溶剤等を上記セラミックホールド材に接触させることにより、COやCO2の発生量が抑制され又は燃焼効率の向上や溶剤としての機能も高められる。
【0086】
その他、上記セラミックホールド材はそれ自体で遠赤外線の発生効果、静電気防止効果、共鳴波動効果、冷凍食品等の冷凍物を劣化させないで解凍させる効果等があり、野菜や肉類、魚介類等に近接させておき又はこれらに前記ミネラルホールド材接触水を噴霧することにより鮮度を保持する作用がある。
そしてこれらの機能をもたせる使用形態は、塊状のセラミックの他、石材,コンクリート,金属,他のセラミック等からなる基材表面に溶射その他の手段によって付着させたものを使用することもできる。
【0087】
(2)ゼオライトホールド材の用途及び機能
ゼオライトホールド材が有機廃棄物の処理や堆肥化に有効であることは既に述べた通りであるが、これらの他上記ミネラルセラミックホールド材と同様に防臭や空気の浄化等の作用がある。
【0088】
(3)セメント(コンクリート)ホールド材の用途及び機能
セメントホールド材廃棄物処理施設等の床や壁面、天井等の表面にコンクリート又はプレキャストコンクリート部材として使用された場合、既述のように消臭効果や分解(又は発酵)の促進作用があるが、これ以外の設備や装置、器具等に使用された場合も空気の浄化、動植物の活性化等の作用がある。
【0089】
(4)プラスチックホールド材の用途及び機能
このホールド材も各種機器類や施設類の表面又は部品等として使用されることにより、水や空気の浄化、脱臭、消臭、動植物の活性化、静電防止、解凍時の劣化抑制等の作用をする。また塗料も一般に合成樹脂材であるから、プラスチックホールド材と殆ど同様な機能を備えているが、顔料や染料の場合もその用途に適合する限り同様な作用をする。
【0090】
(5)繊維質ホールド材の用途及び機能
既述の繊維質ホールド材のうち、木質材は建材や家具その他の機器、道具類として使用されるため、その態様に応じ水や空気の浄化、防臭、動植物の活性化、静電気防止、解凍時の劣化防止等の機能をそのまま利用できる。
布や紙、不織布等のシート状のものはこれらの用途に応じて使用し得る範囲は広汎であり、水や空気の浄化、濾過材、消臭、脱臭、静電防止、鮮度保持等の機能を果たし得る。
【0091】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明によれば、従来主に人に対する栄養補助食品、ミネラル水等の飲料、一部の食品への添加物等に限られていたミネラルを、特に生物から抽出した生物ミネラルを従来知られていない新規で広汎な用途に使用できる形態にするとともに、各用途において長時間又は長期間使用し若しくは繰り返し使用しても、ミネラルの機能を維持することができる利点がある。
【0092】
また本発明における生物ミネラルはその原料が必ずしも栽培や養殖等を必要としない野生又は自然の動植物であるため、資源の不足や涸渇を招くことがないほか、山林、農地、牧場等の維持管理のほか、土地開発の過程等で採取された草木等をも有効利用ができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機廃棄物処理装置の断面図。
【図2】有機廃棄物処理装置の側断面図。
【図3】(A)は処理装置の斜視図。(B)は同装置の要部の構成を示す断面図。
【図4】(A)は処理装置の斜視図。(B)は同装置の要部の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 処理装置
2 処理物
3 ホールド材
5 処理室
6 調整材
7 攪拌体
7b ヒータ
8 補助機器
9b 流し台
51 側壁
55 排気口
58 送出管
80 送給装置
92 前処理装置

Claims (10)

  1. 植物を含む生物体を灰化する工程を経て得られる多種類のミネラルを含む粉状の生物ミネラルをセラミック原料からなるホールド材と混合し、該混合物を所定形状に成形後焼成することにより上記生物ミネラルをセラミック材に担持させ、該生物ミネラルの生ゴミ等の有機物の分解、水や空気の浄化又は水や空気の脱臭を行う機能を維持又は発現せしめる生物ミネラルホールド材。
  2. 請求項のセラミック材を粉砕して粉体又は粒状体に形成した生物ミネラルホールド材。
  3. 粉体化したセラミック材を基材表面に付着せしめてなる請求項の生物ミネラルホールド材。
  4. セラミック材を耐熱性の基材表面に溶射することにより付着せしめた請求項の生物ミネラルホールド材。
  5. セラミック材を粒状に形成されたゼオライトの表面に付着せしめてなる請求項又はの生物ミネラルホールド材。
  6. 請求項の粉体化されたセラミックと粉体化されたゼオライトを混合して成形し、固化せしめてなる生物ミネラルホールド材。
  7. 請求項のセラミックを成形前の合成樹脂材に添加混合し、成形固化せしめた生物ミネラルホールド材。
  8. 植物を含む生物体を灰化する工程を経て得られる多種類のミネラルを含む粉状の生物ミネラルを、プラスチック材からなるホールド材に混入し、板状、ブロック状又はフィルム状に形成してなる生物ミネラルホールド材。
  9. 植物を含む生物体を灰化する工程を経て得られる多種類のミネラルを含む粉状の生物ミネラルを、塗料からなるホールド材に混合してなる生物ミネラルホールド材。
  10. 生物体を灰化する工程を経て得られる生物ミネラルの水溶液を、繊維質製の材料に含浸させてなる生物ミネラルホールド材。
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