JP3909494B2 - キャニスター用活性炭の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はキャニスター用活性炭の製造方法に関し、詳しくは、小さな細孔を選択的に閉塞した活性炭を製造できるキャニスター用活性炭の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料であるガソリンは、揮発性が高く、走行や炎天下での駐車によって燃料タンク内で気化し、ガソリン蒸気となっている。このガソリン蒸気が大気中に排出される。
【0003】
このため、自動車の車外にガソリン蒸気が排出されることを防止するために、キャニスターが、燃料タンクとエンジンの間に取り付けられている。キャニスターは、吸着剤でガソリン蒸気を吸着している。
【0004】
キャニスターは、吸着剤として活性炭を有している。キャニスターは、活性炭が燃料タンク内で発生したガソリン蒸気を吸着し、吸着されたガソリン蒸気は、エンジンの回転にともなって活性炭から脱着(パージ)され、外から入った空気とともに吸気管に導かれ、燃焼される。
【0005】
近年は、キャニスターには、燃料タンク中のガソリン蒸気の吸着だけでなく、ガソリン給油時のガソリン蒸気の吸着も求められてきている。すなわち、キャニスターのガソリン蒸気の吸着性能の向上が求められている。
【0006】
また、キャニスターには、吸着性能だけでなく、適切な脱着性能も求められている。
【0007】
すなわち、ガソリン蒸気の吸着を行った後に、エアーによる脱着を行っても、吸着されたガソリン蒸気が活性炭に残存するという問題があった。ガソリン蒸気の残存は、日中の気温の上昇にともなって残存成分が活性炭から脱着して、この残存成分が車外に排出されるようになっていた。残存成分の漏れ出しを抑えるためにサブキャニスターを取り付ける等の対応がとられているが、コストの上昇という問題を生じさせている。
【0008】
一般に活性炭は、原料を炭化した後に賦活を行うことで製造されている。活性炭の製造において、賦活は細孔を発達させるとともに細孔径を制御する工程である。キャニスターに用いられる活性炭には、ガソリン蒸気を吸着・脱着するために20〜50Åと大きな開口径の細孔が必要となっていた。このような大きな細孔は、通常の賦活処理より厳しい条件で行われる高度賦活あるいは薬品賦活を行うことでなされている。(たとえば、特許文献1〜3参照。)
高度賦活あるいは薬品賦活を行うと、大きな細孔を有する活性炭を製造することができるが、このような活性炭は細孔分布が広くなっている。すなわち、開口径の小さな細孔も多数有している。上記残存成分は、この径の小さな細孔内に残存している。開口径の小さな細孔は大きな細孔より吸着性が高く、吸着成分が脱着されにくい。すなわち、キャニスターにおいては、この開口径の小さな細孔に脱離しきれずに残された吸着成分が、温度上昇後のガソリン蒸気の漏れ出しの原因となっていた。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−313611号公報
【特許文献2】
特公平1−52324号公報
【特許文献3】
特開昭63−30308号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吸着・脱着特性に優れたキャニスター用活性炭を製造できる製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明者らは検討を重ねた結果、吸着材として用いたときに活性炭に残存する残存成分は活性炭の開口径の小さな細孔中に吸着されていることを見出し、開口径の小さな細孔を閉塞する製造方法とすることで上記課題を解決できることを見出した。
【0012】
本発明のキャニスター用活性炭の製造方法は、20〜50Åの開口径の細孔を有する活性炭にアセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させて選択的に20Å未満の小さな細孔を閉塞させることを特徴とする。
【0013】
本発明の製造方法は、アセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させて開口径の小さな細孔を閉塞させることにより、吸着・脱着特性に優れたキャニスター用活性炭を製造することができる。また、本発明のキャニスター用活性炭の製造方法は、漏れ出しを低減できるキャニスター用活性炭を製造できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の活性炭の製造方法は、20〜50Åの開口径の細孔を有する活性炭にアセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させて選択的に20Å未満の小さな細孔を閉塞させる製造方法である。本発明の活性炭の製造方法は、活性炭にアセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させることで、20〜50Åの開口径の細孔のうち20Å未満の細孔を閉塞させている。20Å未満の細孔が閉塞することで、活性炭の細孔径の分布範囲が狭くなる。各細孔の吸着・脱着特性が均一化されるようになる。そして、製造された活性炭の吸着・脱着特性が一定となる。
【0015】
また、20Å未満の小さな細孔を閉塞することで、活性炭の吸着成分が残存しにくくなる。すなわち、20Å未満の小さな細孔が閉塞することは、より吸着性能の高い(吸着成分が脱着されにくい)細孔が活性炭に存在しなくなることを示す。
【0016】
この結果、本発明の製造方法により製造された活性炭が吸着剤として用いられたときに、本来の吸着・脱着性能は損なわれずに、残存成分による不具合の発生が抑えられる。
【0017】
本発明の活性炭の製造方法において、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着される活性炭は、20〜50Åの開口径の細孔を有している。すなわち、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着される活性炭は、20〜50Åの開口径の異なる複数の細孔を有する。また、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着される活性炭の細孔分布は、吸着剤として用いたときに異なる成分を吸着できる程度に細孔分布が広がっている。
【0018】
アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着される活性炭は、20〜50Åの開口径の細孔分布を有していれば、その材質が特に限定されるものではない。すなわち、木材やヤシ殻などの植物系の活性炭であっても、石炭などの鉱物系の活性炭であっても、フェノール樹脂などの樹脂系の活性炭であっても、特に限定されるものではない。また、本発明においてアセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着される活性炭の製造方法も特に限定されない。すなわち、原料を炭化した後に、高度賦活あるいは薬品賦活により製造された活性炭に本発明の製造方法を施すことができる。
【0019】
本発明の活性炭の製造方法は、加熱した状態でアセトンよりも沸点の高い有機化合物の吸着を行うことが好ましい。アセトンよりも沸点の高い有機化合物の吸着が加熱状態で行われることで、20〜50Åの開口径の細孔を有する活性炭の細孔中にアセトンよりも沸点の高い有機化合物が侵入しやすくなる。アセトンよりも沸点の高い有機化合物が細孔内に侵入した状態で活性炭の温度を低下させることで、アセトンよりも沸点の高い有機化合物により20Å未満の細孔が閉塞された活性炭となる。
【0020】
アセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させるときの加熱温度は、特に限定されるものではない。すなわち、本発明の製造方法により製造される活性炭において求められる細孔分布が得られるように加熱温度を決定することが好ましい。一般に、加熱温度を低くすると、製造される活性炭の細孔分布を狭くすることができ、各細孔における吸着・脱着特性のばらつきが生じなくなる。
【0021】
十分に加熱した状態で活性炭にアセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させると、活性炭のいずれの細孔内にもアセトンよりも沸点の高い有機化合物が侵入する。径の大きな細孔内に侵入したアセトンよりも沸点の高い有機化合物は、径の大きな細孔自身の(径の小さな細孔と比較して)低い吸着能のため、細孔内に残留せずに細孔の外部に出てしまう。すなわち、径の大きな細孔内にアセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着されないため、温度が低下しても20Åより径の大きな細孔は閉塞されなくなる。ここで、多孔質体の吸着性能は温度にも依存するため、加熱温度を変化させることで、閉塞する細孔の細孔径を選択することができる。すなわち、加熱温度を調節することで、製造される活性炭の細孔分布を調節できる。
【0022】
本発明の製造方法は、20〜50Åの開口径の細孔を有する活性炭にアセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させた後に、活性炭を加熱して活性炭の20Å未満の小さな細孔に残存させることが好ましい。アセトンよりも沸点の高い有機化合物をあらかじめ活性炭に吸着させた状態で活性炭を加熱することで、20Å以上の大きな細孔からアセトンよりも沸点の高い有機化合物が外部に出るとともに20Å未満の小さな細孔にアセトンよりも沸点の高い有機化合物が残存する。そして、活性炭の温度を低下させることで、アセトンよりも沸点の高い有機化合物により細孔が閉塞された活性炭となる。
【0023】
アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着した活性炭を加熱する加熱温度は、特に限定されるものではない。すなわち、本発明の製造方法により製造される活性炭において求められる細孔分布が得られるように加熱温度を決定することが好ましい。上記したように細孔の吸着性能は温度と高い相関関係を有しており、加熱温度を調節することで、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が外部に出る細孔範囲を決定できる。ここで、加熱温度を高温にするほど、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が細孔の外部に出やすくなるため、製造される活性炭の細孔範囲が広くなる。すなわち、加熱温度を調節することで、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が細孔内に残留する細孔分布を決定できる。
【0024】
アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着した活性炭は、不活性ガス雰囲気下で冷却することが好ましい。冷却を不活性ガス雰囲気下で行うことで、アセトンよりも沸点の高い有機化合物以外が細孔を閉塞しなくなる。
【0025】
アセトンよりも沸点の高い有機化合物の吸着は、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が気体状態で行われることが好ましい。アセトンよりも沸点の高い有機化合物が気体状態となることで、活性炭の細孔内への侵入が容易に行われることとなる。すなわち、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が細孔内に吸着されやすくなる。また、アセトンよりも沸点の高い有機化合物が気体状態となることで、活性炭のいずれの細孔にもアセトンよりも沸点の高い有機化合物が侵入できるようになる。すなわち、アセトンよりも沸点の高い有機化合物は、加熱温度より低い沸点を有することが好ましい。アセトンよりも沸点の高い有機化合物は、既知の沸点を有する有機化合物よりなることが好ましい。
【0026】
アセトンよりも沸点の高い有機化合物は、20Å未満の小さな細孔が吸着できる有機化合物よりなることが好ましい。20Å未満の小さな細孔が吸着できるアセトンよりも沸点の高い有機化合物よりなることで、20Å未満の小さな細孔が閉塞された活性炭を製造することができる。
【0027】
本発明の活性炭の製造方法は、キャニスター用活性炭の製造方法である。本発明の活性炭の製造方法は、20Å未満の小さな細孔がアセトンよりも沸点の高い有機化合物により閉塞した活性炭を製造することができる。すなわち、本発明の活性炭の製造方法により製造された活性炭は、通常の活性炭よりも細孔径の分布が狭くなっている。すなわち、本発明の製造方法により製造された活性炭をキャニスターの吸着剤として用いることで、吸着成分の漏れ出しが抑えることができる。
【0028】
キャニスター用活性炭においては、アセトンよりも沸点の高い有機化合物としては、ナフタレン(C108、沸点218℃)が好ましい
【0029】
キャニスター用活性炭の製造方法の一例を以下に示す。
【0030】
まず、20〜50Åと大きな開口径の細孔を有する原料活性炭を従来公知の方法で製造する。原料活性炭とナフタレンとを250℃以上の反応温度で吸着させる。その後、不活性ガス条件下で放冷する。
【0031】
以上の手段によりキャニスター用活性炭を製造することができる。
【0032】
なお、上記製造方法の一例においては、アセトンよりも沸点の高い有機化合物にナフタレンが用いられたが、ナフタレンを含有したコールタールを用いてもよい。コールタールを用いても、コールタール中の全成分が吸着された後に、加熱温度の高温により、ナフタレンより低沸点の化合物は揮発し、ナフタレンを含む高沸点の化合物だけが細孔中に残存する。この高沸点の化合物が細孔内に残存することは、その細孔を閉塞することとなる。ナフタレンより高沸点の化合物は、ナフタレン以上に活性炭から脱着しにくいため、通常のガソリン蒸気の吸着に影響を与えなくなっている。
【0033】
本発明の活性炭の製造方法は、アセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させて開口径の小さな細孔を閉塞させることにより、吸着・脱着特性に優れた活性炭を製造することができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0035】
本発明の実施例として、キャニスター用活性炭を製造した。
【0036】
なお、キャニスター用活性炭の原料活性炭は、石炭を粉砕して成形した後に炭化し、つづいて水蒸気賦活を施して製造された。
【0037】
(実施例1)
原料活性炭と、コールタールを1:0.2の体積比で準備し、両者を十分に混合した。
【0038】
つづいて、原料活性炭とコールタールの混合物を密閉可能な炉内に投入し、窒素ガス雰囲気で450℃まで1時間かけて昇温し、その後この温度で30分間保持した。
【0039】
保持後、炉内に窒素ガスを導入し、このガス雰囲気下で放冷した。
【0040】
以上の手段により本実施例のキャニスター用活性炭が製造された。
【0041】
(実施例2)
原料活性炭をカラム内に充填し、カラム内に窒素ガスを5L/minの流速で流通させた状態で450℃まで1時間かけて原料活性炭を昇温し、その後この温度で30分間保持した。この保持により、原料活性炭の内部に吸着されていた大気中の水分等の残留成分が除去された。
【0042】
つづいて、カラム内の温度を450℃に保持し窒素ガスが流通した状態でカラム内にタール成分ガスを流通させた。すなわち、カラム内にタール成分ガスと窒素ガスとの混合ガスを流通させた。このタール成分ガスの流通を1時間行った。なお、タール成分ガスは、ナフタレン以外にもアントラセン等の(実施例1のコールタールより)高沸点の成分を含むガスである。また、カラムへの流入する混合ガスに占めるタール成分ガスの濃度は50%であった。それぞれのガスの濃度は、各ガスのガス分圧により調節された。
【0043】
タール成分ガスの流通を停止した後に、カラム内に窒素ガスを流した状態で放冷した。
【0044】
以上の手段により本実施例のキャニスター用活性炭が製造された。
【0045】
(比較例1)
比較例1は、上記原料活性炭である。
【0046】
(比較例2)
比較例2は、加熱温度を150℃とした以外は、実施例1と同様の手段により製造されたキャニスター用活性炭である。
【0047】
(比較例3)
比較例3は、加熱温度を100℃とした以外は、実施例2と同様の手段により製造されたキャニスター用活性炭である。
【0048】
(比較例4)
まず、原料活性炭をアセトン溶液中に投入し、十分に攪拌したのちに1時間静置した。これにより、原料活性炭にアセトンが吸着された。
【0049】
つづいて、原料活性炭を取りだし、加熱炉内に投入し、大気雰囲気で200℃まで1時間かけて昇温し、その後この温度で30分間保持した。
【0050】
そして、大気雰囲気下で放冷し、本比較例のキャニスター用活性炭が製造された。
【0051】
(比較例5)
加熱温度を80℃とした以外は比較例4と同様の手段により製造されたキャニスター用活性炭である。
【0052】
(評価)
実施例および比較例のキャニスター用活性炭の評価として、まず、それぞれのキャニスター用活性炭の細孔分布の測定を行った。実施例1および比較例1の細孔分布の測定結果を図1に示した。
【0053】
なお、細孔分布の測定は、N2吸着法およびベンゼン吸着法によって行われた。
【0054】
図1より、実施例1のキャニスター用活性炭は、ほとんどの細孔の細孔径が20〜50Å(2〜5nm)の範囲内にはいっていることがわかる。対して、比較例1のキャニスター用活性炭は、細孔径が10〜50Å(1〜5nm)の範囲内にはいっていることがわかり、細孔分布の範囲が広くなっている。また、比較例1のキャニスター用活性炭は、細孔径の小さな細孔を有していることがわかる。
【0055】
ここで、実施例1のキャニスター用活性炭を250℃まで加熱し、揮発した成分の分析を行った。この揮発成分は、実施例1のキャニスター用活性炭の20Å(2nm)より小さな細孔を閉塞している成分である。この成分は、ナフタレンのみであることが確認できた。
【0056】
有機化合物の同定は、具体的には、活性炭を不活性ガス(窒素ガス)中で250℃まで加熱し、揮発した成分をガスクロマトグラフィー(島津製作所製、GC−17A)を用いて分離し、分離されたそれぞれの成分をマススペクトル(日本電子製、SUN200)で定性分析を行うことで行われた。ガスクロマトグラフィーによる分離は、キャピラリーカラムを用いて−30〜270℃までおよそ40分で昇温することで、なされた。また、マススペクトルによる測定は、検出器電圧を330Vとすることでなされた。
【0057】
図2より、実施例1のキャニスター用活性炭に上記測定を行った測定結果において、30:00近傍におけるピークのみが得られた。すなわち、実施例1のキャニスター用活性炭は、1種類の有機化合物のみが吸着している(径の小さな細孔を閉塞している)ことがわかる。そして、本実施例においては、この有機化合物を分析して、ナフタレンであることが確認された。
【0058】
また、実施例2のキャニスター用活性炭の細孔分布の測定結果は、実施例1と同様に小さな細孔が閉塞した状態の測定結果が得られた。
【0059】
比較例2および比較例3のキャニスター用活性炭の細孔分布の測定結果は、より細孔径が大きな細孔が閉塞した測定結果が得られた。このことは、コールタール(タール成分ガス)を吸着させるときの反応温度が低かったことによる。
【0060】
比較例4のキャニスター用活性炭の細孔分布の測定結果は、比較例1とほぼ同様な測定結果が得られた。すなわち、200℃での加熱により細孔に吸着されたアセトンが揮発したためである。
【0061】
比較例5のキャニスター用活性炭の細孔分布の測定結果は、各実施例とほぼ同様な測定結果が得られた。
【0062】
つづいて、各キャニスター用活性炭の評価として、ガソリン蒸気の吸着・脱着試験を行い、その後のガソリン蒸気の漏れ出し量を測定した。測定結果を図3および4に示した。
【0063】
具体的には、まず、雰囲気が25℃に維持された状態で、ガソリン蒸気の吸着・脱着を行った。そして、ガソリン蒸気が脱着した状態で大気中で1時間保持した後、50%ブタンガス(残部:窒素ガス)を2g破過まで吸着させる。
【0064】
そして、1時間放置した後に、300BVで吸着成分を脱着し、一晩(およそ12時間)放置する。
【0065】
その後、20℃から35℃まで8時間かけて昇温し、キャニスター用活性炭からの吸着成分の漏れ出し量を測定した。
【0066】
図3および4より、実施例1および2のキャニスター用活性炭は、各比較例よりガソリン蒸気の漏れ出し量が大幅に低減していることがわかる。すなわち、沸点が218℃のナフタレンを加熱条件下で活性炭に吸着させることで、ガソリン蒸気の漏れ出しが抑えられたキャニスター用活性炭となることがわかる。
【0067】
【発明の効果】
本発明の活性炭の製造方法は、有機化合物を吸着させて開口径の小さな細孔を閉塞させることにより、吸着・脱着特性に優れた活性炭を製造することができる。また、本発明の活性炭の製造方法は、ガソリン蒸気の漏れ出しが抑えられたキャニスター用活性炭を製造できる。また、ガソリン蒸気の漏れ出しが抑えられることで、サブキャニスターを必要としないキャニスター用活性炭を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1および比較例1のキャニスター用活性炭の細孔分布の測定結果を示した図である。
【図2】 実施例1のキャニスター用活性炭に吸着されている吸着成分の測定結果を示した図である。
【図3】 実施例1および比較例1のキャニスター用活性炭におけるガソリン蒸気吸着量と漏れ出し量の関係を示した図である。
【図4】 実施例2および比較例2〜5のキャニスター用活性炭におけるガソリン蒸気吸着量と漏れ出し量の関係を示した図である。

Claims (5)

  1. 20〜50Åの開口径の細孔を有する活性炭にアセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させて選択的に20Å未満の小さな細孔を閉塞させることを特徴とするキャニスター用活性炭の製造方法。
  2. 加熱した状態で前記アセトンよりも沸点の高い有機化合物の吸着を行う請求項1記載のキャニスター用活性炭の製造方法。
  3. 前記活性炭に前記アセトンよりも沸点の高い有機化合物を吸着させた後に該活性炭を加熱して、該活性炭の20Å未満の細孔に該アセトンよりも沸点の高い有機化合物を選択的に残存させる請求項1記載のキャニスター用活性炭の製造方法。
  4. 前記アセトンよりも沸点の高い有機化合物が吸着した活性炭は、不活性ガス雰囲気下で冷却する請求項2または3記載のキャニスター用活性炭の製造方法。
  5. 前記アセトンよりも沸点の高い有機化合物は、ナフタレンである請求項1記載のキャニスター用活性炭の製造方法。
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