JP3909168B2 - 画像処理装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
原稿に記載された閉ループの位置を検出して、閉ループの内と外で異なる画像処理を施すことが可能な画像処理装置および画像処理を施した画像を印字出力する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
閉ループのマーキングを施した原稿を読み取るものとして例えば特開平8−289130号公報および特開平9−321976公報に記載の発明が知られている。特開平8−289130公報および特開平9−321976号公報には、閉ループの記載された原稿を読取って画像信号を記憶し、記憶した画像信号を参照して閉ループの輪郭位置を検出し、さらに検出した輪郭位置に基づいて切り換え信号を作成して記憶し、原稿の読み取りに同期して記憶した切り換え信号を出力して、閉ループの内と外で異なる画像処理を施す画像複写装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の画像複写装置では、輪郭位置の検出あるいは切り換え信号の作成時間を短縮すると共に、画像信号の記憶あるいは切り換え信号の作成の際のメモリ容量を削減するために、実際の原稿読み取りあるいは画像記録の解像度よりも低い解像度で、画像信号の記憶あるいは切り換え信号の作成が行われている。このため、解像度の差によって、原稿における閉ループ輪郭の位置と画像処理における閉ループの内と外の位置とに差が生じて隙間や重なりが発生し、高品質な処理が行われないという欠点があった。
【0004】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、解像度の差によって生じる隙間や重なりを防止して、高品質な処理が可能が画像処理装置を提供することにある。
【0005】
第2の目的は、解像度の差によって生じる隙間や重なりを防止して、高品質な画像出力が可能な画像形成装置を提供することにある。
【0006】
第3の目的は、安価に前記目的を達成することができる画像処理装置および画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、入力された画像信号に基づいて表示手段に表示された画像に対し閉ループの概略位置の指定操作と前記閉ループ内部の加工処理の設定操作を行う操作手段と、前記操作手段によって指定された閉ループの概略位置と前記画像信号とに基づいて検出された閉ループの輪郭位置に応じて、輪郭位置とそれ以外とを区分する輪郭信号及び前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を前記画像信号に同期して出力する出力手段と、前記画像信号に基づいて原稿の画像部分と非画像部分を識別する識別手段と、前記輪郭信号に基づいて閉ループ部分の開始点と終了点を検出する検出手段と、前記識別手段の識別結果および前記検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え信号の遅延量を制御する制御手段と、前記操作手段によって設定された加工処理を前記遅延制御された切り換え信号に応じて前記画像信号に施す加工手段とを備えた構成になっている。
【0008】
この場合、前記出力手段は、原稿の閉ループの輪郭線より内側または輪郭線内部を輪郭位置とする輪郭信号および前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を出力するようにするとよい。
【0009】
また、本発明に係る画像形成装置は、前述の画像処理装置に前記加工処理が施された画像信号に応じて画像を記録する記録手段をさらに設け、画像処理した画像を印字出力するようにしたものである。
【0010】
その際、原稿を走査して読み取り、画像信号を出力する読み取り手段をさらに設け、原稿を読み取って画像処理した後、印字出力できるようにすることも可能である。
【0011】
なお、以下の実施形態では、前記表示手段及び操作手段は操作表示ユニット201及びTPD227に、前記出力手段は領域制御回路214に、前記識別手段は画像部分識別回路501に、前記検出手段は開始/終了点判定回路506に、前記制御手段は遅延制御回路509に、前記加工手段は画像処理制御回路219にそれぞれ対応している。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態に係る画像処理装置を備えた複写機の機械的構成を示す概略構成図である。
【0013】
同図において複写機の機構部は、主に原稿を読取るスキャナユニット101と、記録紙に画像を記録するプリンタユニット102からなる。
【0014】
スキャナユニット101は、コンタクトガラス104、ハロゲンランプ105−1,2、第1ないし第3のミラー106,107,108、結像レンズ109、およびCCD110から主に構成されている。原稿103はプラテン(コンタクトガラス)104上の所定の位置に置かれ、プラテン04の裏面(下側)からハロゲンランプ105−1,2により照明されている。原稿103からの反射光は、第1ミラー106、第2ミラー107、第3ミラー108およびレンズ109を経て3ライン型カラ−ラインイメ−ジセンサであるCCD110に結像され、CCD110により画像信号に光電変換される。ハロゲンランプ105−1,2および第1ミラー106は図示しない第1キャリッジに、第2ミラー107および第3ミラー108は図示しない第2キャリッジにそれぞれ搭載されており、原稿読み取り時は、図示しないキャリッジ駆動モ−タにより第1および第2キャリッジが2:1の速度比で左から右へ移動する。これにより、プラテン104上に置かれた原稿の全面が走査される。
【0015】
CCD110で光電変換された画像信号は、画像処理ユニット111等で各種処理を施されたのち、プリンタユニット102の図示しないレ−ザ・ダイオ−ド(LD)に入力され、ここでレーザ光に変換される。
【0016】
プリンタユニット102では、LDから出射されたレ−ザ光は、ポリゴンミラ−112で反射され、fθレンズ113および第4ミラ−114を経て、反時計方向に回転している感光体ドラム115表面上に結像照射される。ここで、ポリゴンミラ−112はポリゴンモ−タ116の回転軸に固着されており、ポリゴンモ−タ116は一定速度で回転してポリゴンミラ−112を回転駆動している。またポリゴンミラ−112の回転により上述のレ−ザ光は、感光体ドラム115の回転移動方向と垂直な方向、すなわちドラム軸に沿う方向に走査される。
【0017】
感光体ドラム115の表面は、図示しない高圧発生装置に接続された帯電チャ−ジャ117により、あらかじめ一様な正電位に帯電されている。また、レ−ザ光が感光体ドラム115に照射されると、光導電現象で表面の電荷がドラム本体の機器ア−スに流れて消滅する。ここで、原稿濃度の淡い部分はLDを弱く点灯し、原稿濃度の濃い部分はLDを強く点灯する。これにより感光体ドラム115の表面には、ポリゴンミラー112による主走査と感光体ドラム115の回転による副走査とで、原稿の濃淡に応じた静電潜像が形成される。
【0018】
現像ユニット118は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の正帯電したトナーをそれぞれ収容する現像部K,C,MおよびYを有しており、何れか1つの現像部が選択されている。選択された現像部は、図示しない高圧発生装置により所定の正電位にバイアスされ、前記静電潜像を現像して、原稿の濃淡に応じたトナ−像を感光体ドラム115の表面に形成する。
【0019】
転写ベルト119は、図示しない高圧発生装置により所定の負電位にバイアスされており、感光体ドラム115と同速度で時計方向に回転している。また前記トナー像は、感光体ドラム115と転写ベルト119が接近する間に、バイアスの作用により引き寄せられて転写ベルト119の表面に転写される。
【0020】
原稿の読み取り、静電潜像の形成、トナー像の形成およびトナー像の転写動作は、必要な回数繰り返される。即ち、フルカラー、原稿色および登録色の各モードの場合は4回行われ、それぞれK,C,MおよびYの順で現像部が選択され、形成されたトナー像は位置合わせをした上で、転写ベルト119の表面で重ね合わされる。またブラック,シアン,マゼンタおよびイエローの各モードの場合は1回だけ行われ、それぞれ現像部K,C,MおよびYが選択される。またレッド,グリーンおよびブルーの各モードの場合は2回行われ、それぞれ現像部がMとY,CとYおよびCとMの順で選択され、形成されたトナー像は位置合わせをした上で、転写ベルト119の表面で重ね合わされる。
【0021】
一方、給紙カセット102−1,2にはそれぞれ記録紙121−1,2が収納されており、どちらかの給紙カセットが選択されている。選択されている給紙カセット、例えば給紙カセット120−1の記録紙121−1は、給紙コロ122−1の給紙動作により繰り出され、レジストロ−ラ123−1,2に到達する。レジストローラ123−1,2は始め停止しており、回転する転写ベルト119上のトナー像の位置に応じて所定のタイミングで回転を開始し、記録紙を送り出す。
【0022】
転写チャ−ジャ124は図示しない負電圧の高圧発生装置に接続されており、転写ベルト119上のトナ−像は、転写チャージャ124の作用により、送り出された記録紙に再転写される。尚、記録紙にトナー像を再転写する時は、転写ベルト119のバイアスを解除して、再転写を促進している。
【0023】
トナー像が再転写された記録紙は、熱定着ユニット125−1,2に送られ、そこでトナ−像が記録紙に固着され、機外に排出される。転写後も感光体ドラム115の表面に残留したトナ−はクリ−ニングユニット126で除去され、感光体ドラム115は次の動作に備えられる。また再転写後も転写ベルト119の表面に残留したトナ−はクリ−ニングユニット127で除去され、転写ベルト119も次の動作に備える。
【0024】
図2は図1に示した複写機の電気的構成を示すブロック図である。複写機の電装部は、主に、上述したスキャナユニット101、画像処理ユニット111およびプリンタユニット102、処理モ−ド選択等の入力の検出および表示を行う操作表示ユニット201、およびこれら各ユニットの制御回路と通信を行い複写機202の全体の動作を制御するシステム制御ユニット203から構成されている。また複写機202は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)接続装置204と接続されており、LAN205に接続されたワークステーション206やパーソナルコンピュータ207等の他の機器と、LAN接続装置204を介して画像信号の入出力を行なう。
【0025】
スキャナユニット101に注目すると、上述のCCD110は入射光を赤緑青に色分解したのち、光電変換して、3種類のアナログ画像信号をA/D変換回路208に出力する。A/D変換回路208は、入力された画像信号をそれぞれデジタル信号に変換するとともに、上述のハロゲンランプ105−1,2の原稿照明むら、CCD110内部の受光素子の感度むらおよび暗電流に対する補正等の処理も行なう。
【0026】
またスキャナ制御回路209は、システム制御ユニット203と通信を行なうとともに、スキャナユニット101全体を制御している。例えば前記A/D変換回路208の動作制御、ハロゲンランプ105−1,2の点灯制御およびキャリッジ駆動モータ210の回転制御等を行なう。また、原稿サイズセンサ211は、プラテンに置かれた原稿の大きさを検出するセンサで、その検出結果をスキャナ制御回路209に出力している。
【0027】
一方、A/D変換回路208で変換された画像信号は、画像処理ユニット111のγ変換回路212に入力される。
【0028】
γ変換回路212は、LAN接続装置204にも接続されており、A/D変換回路208またはLAN接続装置204から入力される画像信号を濃度等に比例した画像信号に階調変換し、像域分離回路213、領域制御回路214、遅延回路230およびフィルタ回路215に出力する。また設定によってγ変換回路212は、A/D変換回路208から入力された画像信号を階調変換してLAN接続装置204に出力することもある。
【0029】
像域分離回路213は、入力された画像信号に基づいて、処理を行なっている画像部分が文字等の線画か否か、白黒画像かカラー画像かを判定する回路で、その結果を示す判定信号をフィルタ回路215に出力する。
【0030】
領域制御回路214は、入力された画像信号を記憶したり、画像の部分領域毎に異なる画像処理を施すための輪郭信号および切り換え信号を発生する等を行なう回路で、発生した輪郭信号および切り換え信号を遅延回路230に出力する。領域制御回路214は、例えば第10図に示すように、γ変換回路212からの画像信号を2値化する2値化回路601と、2値化した画像信号を記憶するデュアルポートの画像メモリ602、記憶しているデータを輪郭信号608として出力するデュアルポートの輪郭メモリ609、記憶しているデータを切り換え信号603として出力するデュアルポートの領域メモリ604および画像信号を操作表示ユニット201に送出する送出回路605等から構成される。また、画像メモリ602、輪郭メモリ609および領域メモリ604は後述する画像処理制御回路219からのアクセスが可能になっている。
【0031】
遅延回路230は、後述するように、γ変換回路212からの画像信号等に応じて、領域制御回路214からの切り換え信号を遅延する回路で、遅延した切り換え信号をフィルタ回路215に出力する。
【0032】
フィルタ回路215は、γ変換回路212からの画像信号に、エッジ強調や平滑化等の2次元フィルタ処理等を施して出力する回路である。これらの処理は前記判定信号や切り換え信号により制御されており、例えば判定信号が線画であればエッジ強調の、非線画であれば平滑化のフィルタ処理を行なう。また切り換え信号により、判定信号に拘らずエッジ強調や平滑化のフィルタ処理を行うこともある。
【0033】
色補正回路216は、フィルタ回路215からの画像信号を、上述のごとく選択される現像器に応じたトナーの記録量に変換する色補正処理を行なう。この処理は、前記判定信号や切り換え信号により制御されており、例えば切り換え信号に応じてフルカラーモードやブラックモードに適したトナー記録量に変換したり、フルカラーモードにおいて判定信号が線画且つ白黒画像であればUCR率を100%に、非線画またはカラー画像であればUCR率を70%にする変換を行うこともある。また、切り換え信号に応じて一定の画像信号値や判定信号値を出力する塗潰し処理、特定の色を消す色消去処理、特定な色を別な色にする色変換処理を行なうこともある。色補正回路216からは、トナー記録量に変換された1種類の画像信号,判定信号および切り換え信号が出力され、変倍回路217に入力される。
【0034】
変倍回路217は、色補正回路216からの3種類の信号を主走査方向に拡大/縮小する変倍処理を行う回路である。尚、原稿を副走査方向に拡大/縮小する変倍処理は、上述のキャリッジ駆動モータ210の回転制御により行なっている。
【0035】
階調処理回路218は、温湿度等で変動するプリンタユニット102の記録特性(画像信号対トナー記録量特性)を補正するγ補正処理や、主走査方向の1または数画素と副走査方向の1または数画素とを1単位とし、解像度または階調性を重視した階調表現をする階調処理等を行なう。ここでγ補正処理および階調処理は、前記判定信号や切り換え信号により制御されており、例えば判定信号が線画であれば解像度を重視した階調処理を、非線画であれば階調性を重視した階調処理を行なう。また階調処理の種類により上述の記録特性が変化するため、階調処理に連動して異なるγ補正処理を行なう。更に切り換え信号により、判定信号に拘らず所定の階調処理またはγ補正処理を行なうこともある。尚、階調処理回路218はLAN接続装置204にも接続されており、前記処理が施された画像信号またはLAN接続装置204から入力される画像信号を出力する。また、設定によって階調処理回路218は、前記処理が施された画像信号をLAN接続装置204に出力することもある。
【0036】
画像処理制御回路219は、システム制御ユニット203と通信を行なうとともに、システム制御ユニット203からの要求に応じて、上述したγ変換回路212,像域分離回路213,領域制御回路214,遅延回路230,フィルタ回路215,色補正回路216,変倍回路217および階調処理回路218の設定等を行ない、画像処理ユニット111全体を制御している。
【0037】
一方、階調処理回路218から出力された画像信号は、プリンタユニット102のLD制御回路220に入力される。LD制御回路220は、入力された画像信号に応じてパルス幅変調やパワー変調等を行なってLD221を駆動し、これによってLD221の点灯強度を調節している。
【0038】
またプリンタ制御回路222は、システム制御ユニット203と通信を行なうとともに、プリンタユニット102全体を制御している。例えばLD制御回路220を制御してLD221強制消灯したり、ポリゴンモータ116,感光体ドラムを回転駆動するモータ223および転写ベルトを回転駆動するモータ224等の回転制御、現像ユニット118の現像器K,C,MおよびYの選択制御、高圧電源225の各負荷(例えば帯電チャージャ,現像器,転写ベルト,転写チャージャ等)毎の出力制御、熱定着ユニット125−1,2の温度制御等を行なう。尚、プリンタユニット102は、上述の給紙カセット120−1,2毎に、収納された記録紙の大きさを検出する紙サイズセンサ226を有しており、その検出結果はプリンタ制御回路222に出力されている。
【0039】
操作表示ユニット201は、各種モードの選択肢や設定状態等や読取った原稿画像等を表示する表示部と表示部の押下位置を検出する検出部が一体となったTPD(タッチ・パネル・ディスプレイ)227、コピー枚数やコピー開始等を入力するためのキーボード228および操作表示制御回路229等から構成されている。操作表示制御回路229は、TPD227に各モードの選択肢等を表示してキー入力等を促したり、TPD227およびキーボード228からの入力を検出して、TPD227に設定された状態を表示するとともに、システム制御ユニット203と通信を行なって入力結果を送信する等を行っている。また、読取った原稿等の画像信号は上述した領域制御回路経由して送られ、TPD227に記憶される。
【0040】
次に、図3(a)に示したような原稿に記載された閉ループ301の位置を検出して、閉ループ301の内と外で異なる画像処理を施す場合の動作の概略について説明する。
【0041】
操作表示ユニット201の操作により編集モードが選択され、原稿の読み取り開始が指示されると、システム制御ユニット203は、これを受けてスキャナ制御回路209等に指示し、原稿の読み取り動作を行なわせ、読取った画像信号を前記TPD227に表示させる。
【0042】
次に、領域指示方法として閉ループ301が選択され、表示された原稿画像を参照しながら希望する閉ループの内側の点302がTPD227指示入力されると、座標位置がシステム制御ユニット203経由で画像処理制御回路219に伝えられる。ここで、上述した領域制御回路214には、先程の原稿を読み取りの際の画像信号が図3(b)のように記憶してある。画像処理制御回路219は、指定された座標位置を基点として矢印303のような方向に閉ループ301との交点を探し、次いで矢印304のように閉ループ301の輪郭位置を追跡し、これに応じた図3(c)のような領域示す切り換え信号データと、図3(d)のような閉ループ輪郭の検出位置を示す輪郭データとを領域制御回路214に書込む。
【0043】
次に、前記閉ループ内部および外部に対する画像処理モードが設定されると、処理モードがシステム制御ユニット203経由で画像処理制御回路219に伝えられ、画像処理制御回路219は、この処理モードに応じて、各回路212〜2182の設定等を行なう。尚、ここでは閉ループ内部を特定の色で塗潰し、外部はそのまま忠実に再現するモードが選ばれたとする。コピー開始が指示されると、システム制御ユニット203は、これに応じて各制御回路209,219,222,229を指示してコピー動作を行わせ、図3(e)のような画像を出力する。
【0044】
ここで、領域制御回路214に記憶される画像信号,輪郭信号データおよび切り換え信号データは、閉ループ301の輪郭位置の追跡時間および輪郭信号データ・切り換え信号データの作成時間を短縮すると共に、必要となるメモリ容量を削減するため、スキャナユニット101およびプリンタユニット102における読み込みおよび書き込み解像度よりも低い解像度が採用されている。このため、図4(a)のような原稿の拡大部分は、図4(b)のような荒い画像に変換されて領域制御回路214に記憶される。また、領域制御回路214に書込まれる切り換え信号データも図4(c)のような荒いデータとなっている。従って、このまま処理を行なってしまうと、図4(a)の領域401は全て塗潰しが行われるので、原稿の輪郭も塗潰されしまう。また、図4(a)の領域402は原稿がそのまま再現されるので、塗残しが生じてしまう。このため、本複写機の遅延回路230は、このような不具合を抑制する機能を有している。
【0045】
図5は遅延回路230の構成例である。図5において、γ変換回路212から入力された画像信号R,G,Bは、画像部分識別回路501に入力される。画像部分識別回路501は、該当する画素が画像部分か非画像部分かを識別して識別信号502を出力する回路であり、例えば図6に示すように、3つの比較回路501−1,2,3とアンド回路501−4とから構成され、比較回路501−1,2,3によって画像信号R,G,Bの値がそれぞれ閾値設定回路501−5によって設定された所定の閾値TH以下で、原稿の地肌部分と見なすことができれば非画像部分(H出力)とし、それ以外は画像部分(L出力)とすることで実現できる。
【0046】
一方、領域制御回路214から入力され、輪郭識別回路504によって識別されて出力された輪郭信号505は、開始/終了点判定回路506に入力される。開始/終了点判定回路506は、輪郭信号505が示す輪郭が、閉ループ開始点か閉ループ終了点かを主走査方向に判定し、開始点信号507および終了点信号508を出力する回路である。開始/終了点検出回路506は、例えば図7に示すように、輪郭信号505の有効幅を画素クロックCLKによって1画素にした後、輪郭信号505が有効になる度にトグル変化するフリップフロップの出力と輪郭信号の論理演算等によって実現できる。尚、ここでLSYNCはライン同期信号であり、最初に閉ループ開始点が判定されるように、フリップフロップをクリアするのに用いている。
【0047】
遅延制御回路509は切り換え信号503の遅延量を、上述した識別信号502、開始点信号507および終了点信号508に応じて制御し、出力する回路である。即ち、遅延制御回路509は、閉ループの開始点の位置と画像部分から非画像部分となる変化点の位置、あるいは閉ループ終了点の位置と非画像部分から画像部分となる変化点の位置とのずれに応じて、切り換え信号503の遅延量を変え、画像信号と切り換え信号のずれを補正する回路である。これにより、上述した原稿の輪郭の塗潰しや原稿の輪郭周辺の塗残しを防止することができる。遅延制御回路509は、例えば図8に示すような回路で実現することができる。
【0048】
図8において、開始点信号507および終了点信号508は、画素クロックCLKで動作するシフトレジスタに入力されており、これによりそれぞれ5画素分の開始点信号(S0〜S4)および終了点信号(E0〜E4)が得られる。尚、ここで、5画素分としているのは、本遅延制御回路が、注目画素に対して前後2画素までの補正を考慮しているためである。識別信号502も同様なシフトレジスタに入力されており、これにより注目画素およびその前後の3画素分の識別信号(B1〜B3)が得られる。一方、切り換え信号503は、多ビット構成の同様なシフトレジスタに入力されており、これにより注目画素とその前後2画素の切り換え信号(A0〜A4)が得られる。また、この切り換え信号(A0〜A4)は、遅延量決定回路510により制御されているセレクタに入力されている。
【0049】
遅延量決定回路510は、開始点信号(S0〜S4),終了点信号(E0〜E4)および識別信号(B1〜B3)に基づいて、切り換え信号(A0〜A4)の選択を決定する回路であリ、図9に示すような論理動作をして、選択信号Qnを出力する。図9から分かるように、注目画素が画像部分から非画像部分となる変化点(B3=L,B2=B1=H)の場合は、開始点信号(S0〜S4)のみが評価される。例えば“S2=H”であれば、画像信号と切り換え信号のずれは無いので“2”が出力され、“S3=H,S2=L”であれば、切り換え信号が1画素進んでいるので“3”が出力される。これにより、それぞれ注目画素の切り換え信号(A2),1画素前の切り換え信号(A3)がセレクタによって選択される。また、“S4=S3=S2=S1=S0=L”の場合は、制御の必要が無いので前画素の結果(Qn-1)が保持される。
【0050】
同様に、注目画素が非画像部分から画像部分となる変化点(B3=B2=H,B1=L)の場合は、終了点信号(E0〜E4)のみが評価される。例えば“E3=E2=L,E1=H”であれば、切り換え信号が1画素遅れているので“1”を出力し、これにより1画素後の切り換え信号(A1)がセレクタによって選択される。尚、画像部分/非画像部分の変化点と認められない場合(B3=B1=L,B3=B1=H)は、前画素の結果(Qn-1)が保持される。
【0051】
以上の様に、遅延制御回路509によれば、閉ループ301の開始点の位置と画像部分から非画像部分となる変化点の位置、あるいは閉ループ終了点の位置と非画像部分から画像部分となる変化点の位置とのずれに応じて切り換え信号503の遅延量を変え、画像信号と切り換え信号のずれを補正することができるので、上述した原稿の輪郭の塗潰しや原稿の輪郭周辺の塗残し等を防止することができる。また、この補正は塗潰し以外に、色消去・色変換等の他の処理においても有効である。
【0052】
また、上記の説明では、注目画素の前後の画素に関して、閉ループ開始点/終了点と画像部分/非画像部分の変化点の位置のずれを評価したが、これらの位置関係を予め固定化しても良い。
【0053】
例えば、上述した図10の領域制御回路の例において、2値化回路601と画像メモリ602との間に、注目画素とその8隣接画素のOR処理等を行なう膨張回路606を追加して、図11のような構成とする。これによって、画像メモリ602には、実際の輪郭よりも太った閉ループ画像が記憶されるので、上述したような閉ループ輪郭の追跡を行なうと、実際の閉ループ輪郭よりも内側に位置する切り換え信号データが生成される。また、このような膨張回路を追加しなくとも、実際の閉ループ輪郭検出位置よりも内側に切り換え信号データを書込むようにソフトウェアで処理しても良い。
【0054】
この場合、
▲1▼画像部分から非画像部分となる変化点
▲2▼閉ループ開始点
▲3▼閉ループ終了点
▲4▼非画像部分から画像部分となる変化点
の順となって、位置関係の固定化を実現することができる。
【0055】
また、このように位置関係を固定化すると、図9に示した開始点信号(S3〜S4)および終了点信号(E0〜E1)に関係する処理が不要となり遅延回路230の構成が簡素化されるので、より安価な遅延回路230を実現できる。
【0056】
一方、上述した図10の領域制御回路の例において、2値化回路601と画像メモリ602との間に、注目画素とその8隣接画素のAND処理等を行なう細線化回路607を追加して、図12のような構成にしても良い。これによって、画像メモリ602には、実際の輪郭よりも細った閉ループ画像が記憶されるので、上述したような閉ループ輪郭の追跡を行なうと、実際の閉ループ輪郭内部に位置する切り換え信号データが生成される。また、このような細線化回路を追加しなくとも、実際の閉ループ輪郭検出位置よりも輪郭内部側に切り換え信号データを書込むようにソフトウェアで処理しても良い。
【0057】
この場合、
▲1▼閉ループ開始点
▲2▼画像部分から非画像部分となる変化点
▲3▼非画像部分から画像部分となる変化点
▲4▼閉ループ終了点
の順となって、位置関係の固定化を実現することができる。
【0058】
また、このように位置関係を固定化すると、図9に示した開始点信号(S0〜S1)および終了点信号(E3〜E4)に関係する処理が不要となり、遅延回路230の構成を簡素化することができるので、より安価な遅延回路230を実現できる。
【0059】
また、上述の例では、領域制御回路214に記憶される画像信号および切り換え信号データは、スキャナユニット101およびプリンタユニット102における読み込みおよび書き込み解像度よりも低い解像度の場合の説明を行なった。しかし、原稿の載置位置が途中でずれる可能性がある場合や、スキャナユニット101における読み取りの位置精度が悪い場合は、解像度が同じであっても、上述した塗潰しや塗残しが生じるので、このような画像複製装置においても同様な効果がある。
【0060】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の発明によれば、制御手段が、閉ループの開始点の位置と画像部分から非画像部分となる変化点の位置、あるいは閉ループ終了点の位置と非画像部分から画像部分となる変化点の位置とのずれに応じて切り換え信号の遅延量を変えるので、画像信号と切り換え信号のずれを補正することができ、これにより原稿の輪郭の塗潰しや原稿の輪郭周辺の塗残し等の防止が可能となる。その結果、高品質な画像処理が可能となり、高品質な画像形成を行わせることができる。
【0061】
請求項2記載の発明によれば、原稿の閉ループの輪郭線より内側を輪郭位置とする輪郭信号および前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を出力するので、制御手段の構成が簡素化され、より安価な画像処理装置を実現することができる。
【0062】
請求項3記載の発明によれば、原稿の閉ループの輪郭線内部を輪郭位置とする輪郭信号および前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を出力するので、制御手段の構成が簡素化され、より安価な画像処理装置を実現することができる。
【0063】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし3に記載の画像処理装置に、前記加工処理が施された画像信号に応じて画像を記録する記録手段をさらに設けたので、前記画像処理装置によって画像処理した画像を高品質に印字出力可能な画像形成装置を提供することができる。
【0064】
請求項5記載の発明によれば、原稿を走査して読み取り、画像信号を出力する読み取り手段をさらに備えているので、読み取った原稿に対して前記画像処理装置によって画像処理した画像を高品質に印字出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る複写機の機械的構成を示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複写機の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】閉ループの位置を検出して閉ループの内外で異なる画像処理を施す場合の動作の概略を示す説明図である。
【図4】領域制御回路に記憶されるデータの記憶状態を示す説明図である。
【図5】遅延回路を示すブロック図である。
【図6】画像部分識別回路を示すブロック図である。
【図7】開始/終了点検出回路を示すブロック図である。
【図8】遅延制御回路を示すブロック図である。
【図9】遅延量決定回路を示すブロック図である。
【図10】領域制御回路を示すブロック図である。
【図11】領域制御回路の他の例を示すブロック図である。
【図12】領域制御回路のさらに他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 スキャナユニット
102 プリンタユニット
201 操作表示ユニット
214 領域制御回路
215 フィルタ回路
216 色補正回路
217 変倍回路
218 階調処理回路
501 画像部分識別回路
506 開始/終了点判定回路
509 開始点信号
Claims (5)
- 入力された画像信号に基づいて表示手段に表示された画像に対し閉ループの概略位置の指定操作と前記閉ループ内部の加工処理の設定操作を行う操作手段と、
前記操作手段によって指定された閉ループの概略位置と前記画像信号とに基づいて検出された閉ループの輪郭位置に応じて、輪郭位置とそれ以外とを区分する輪郭信号及び前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を前記画像信号に同期して出力する出力手段と、
前記画像信号に基づいて原稿の画像部分と非画像部分を識別する識別手段と、
前記輪郭信号に基づいて閉ループ部分の開始点と終了点を検出する検出手段と、
前記識別手段の識別結果および前記検出手段の検出結果に基づいて、前記切り換え信号の遅延量を制御する制御手段と、
前記操作手段によって設定された加工処理を前記遅延制御された切り換え信号に応じて前記画像信号に施す加工手段と、
を備えた画像処理装置。 - 前記出力手段は、原稿の閉ループの輪郭線より内側を輪郭位置とする輪郭信号および前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を出力する請求項1記載の画像処理装置。
- 前記出力手段は、原稿の閉ループの輪郭線内部を輪郭位置とする輪郭信号および前記設定された加工処理仕様を区分する切り換え信号を出力する請求項1記載の画像処理装置。
- 前記請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像処理装置に、前記加工処理が施された画像信号に応じて画像を記録する記録手段をさらに設け、画像処理した画像を印字出力する画像形成装置。
- 原稿を走査して読み取り、画像信号を出力する読み取り手段をさらに備えていることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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