JP3905659B2 - 動作検査システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板搬送装置が基板を保持した状態で所定の処理ユニットに対する搬送を行うことによって基板に対して所定の処理を行う基板処理装置において、基板搬送装置の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定する動作検査システムに関する
【0002】
なお、基板とは、半導体ウエハや液晶表示用ガラス基板等の薄板状精密基板をいう。
【0003】
【従来の技術】
基板の製造過程において使用される基板処理装置には複数の処理ユニットが設けられており、処理対象の基板に対して各処理ユニットでそれぞれ異なる処理が施される。そして、このような基板処理装置には、基板を処理ユニット間で搬送するために基板搬送装置が設けられている。
【0004】
基板搬送装置は各処理ユニットの内部における正確な位置に基板を搬送することが要求される。基板を正確な位置に搬送できないと、基板に対する均一な処理ができないからである。
【0005】
したがって、基板処理装置の内部に基板搬送装置や各処理ユニットを設置した際には、基板搬送装置が各処理ユニット内部の正確な位置に対して適切にアクセスすることができるようにするために、基板搬送装置に対してアクセスすべき位置を記憶させるティーチング(搬送教示)が行われる。
【0006】
このティーチングは、基板搬送装置の基板保持用のアームに対して基板とほぼ同形状の教示用治具をセットした状態で、アームを各処理ユニット内にアクセスさせ、処理ユニット内の正確なアクセス位置に設けられた所定の目標物(例えば、ティーチングのために特別に設置された物)の位置を教示用治具にて検出し、その検出結果と設計値に基づいて予め記憶しているアクセス位置とのズレを算出して正確なアクセス位置に補正するように行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、基板処理装置内に各処理ユニット等を人為的に取り付ける際には、取り付け誤差等を生じるため、実際の取り付け位置が設計上の位置から大きくズレることがある。
【0008】
このような状態でティーチングを行うために教示用治具をセットした基板搬送装置のアームを処理ユニットに対してアクセスさせると、処理ユニットに形成された基板の搬入及び搬出用の開口部より適切に処理ユニット内に進入することができず、開口部周辺のユニット壁にアームや表示用治具が接触する事態が生じる。
【0009】
基板処理装置では、一般的に、各処理ユニット等が設計上の位置に設置されたとしても、アームが開口部より適切に処理ユニット内に進入する際のアームまたは教示用治具とユニット壁との間隔は2,3mm程度であるように設定されている。処理ユニット等を取り付ける際には2,3mm程度の取り付け誤差等が生じることは多く、アームや表示用治具とユニット壁との接触が頻繁に発生することになる。
【0010】
この結果、基板搬送装置のアーム、教示用治具、処理ユニット等を破壊することになり、適切なティーチングを行うことができないという問題を生じる。
【0011】
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、基板搬送装置の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定する動作検査システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基板搬送装置が基板保持手段で基板を保持して所定の処理ユニットに対する基板の搬送を行い、前記処理ユニットで基板に対する所定の処理を行う基板処理装置において、前記基板搬送装置の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定する動作検査システムであって、前記基板保持手段に設けられ、前記搬送動作を行う際に動作軌跡付近に位置する検査対象物を非接触で検出する検出手段と、前記基板搬送装置の前記搬送動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記所定の処理の開始に先立って、前記基板搬送装置を所定方向に動作させつつ前記検出手段から与えられる検出結果に基づいて、前記検査対象物の位置を特定し、前記検査対象物の位置に基づいて前記所定の処理ユニットに対する基板の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の動作検査システムにおいて、前記制御手段は、前記基板搬送装置に対するティーチングに先立って、前記所定の処理ユニットに対する基板の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定することを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の動作検査システムにおいて、前記検査対象物は、前記処理ユニットにおける基板の搬入用および搬出用の開口部であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の動作検査システムにおいて、前記制御手段は、前記開口部の位置に基づいて前記処理ユニットが適切な位置に取り付けられているか否かを判定することを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の動作検査システムであって、前記制御手段は、前記基板搬送装置を鉛直方向に動作させつつ前記検出手段に前記開口部の鉛直方向に関する端部の位置を検出させ、前記鉛直方向の端部の検出結果に基づいて前記開口部の鉛直端部位置情報を取得し、前記基板搬送装置を水平方向に動作させつつ前記検出手段に前記開口部の水平方向に関する端部の位置を検出させ、前記水平方向の端部の検出結果に基づいて前記開口部の水平端部位置情報を取得し、前記鉛直端部位置情報と前記水平端部位置情報とに基づいて、前記開口部の位置情報を取得することを特徴としている。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の動作検査システムであって、前記検出手段が、前記基板保持手段によって保持可能な形状とされた本体部と、前記本体部に取り付けられ、検査対象物を非接触で検出する検出センサと、を備える治具であることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態について説明する。
【0016】
まず、この発明に係る基板処理装置の全体構成について説明する。図1は、この実施の形態における基板処理装置の概略構成図である。
【0017】
図1に示すように、この基板処理装置は、基板の搬出入を行うインデクサIDと、基板に処理を行う複数の処理ユニットおよび各処理ユニットに基板を搬送する基板搬送装置TR1が配置されるユニット配置部MPと、図示しない露光装置とユニット配置部MPとの間で基板の搬入/搬出を行うために設けられているインタフェースIFとから構成されている。
【0018】
ユニット配置部MPは、最下部の4隅に基板に処理液による処理を施す液処理ユニットとして、基板を回転させつつレジスト塗布処理を行う塗布処理ユニットSC1,SC2(スピンコータ)と、露光後の基板の現像処理を行う現像処理ユニットSD1,SD2(スピンデベロッパ)とが配置されている。さらに、これらの液処理ユニットの上側には、基板に熱処理を行う複数の熱処理ユニット群2が装置の前部及び後部に配置されている。なお、装置の前側(Y方向の負の向き側)であって両塗布処理ユニットSC1,SC2の間には、基板処理ユニットとして、基板に純水等の洗浄液を供給して基板を回転洗浄する洗浄処理ユニットSS(スピンスクラバ)が配置されている。
【0019】
塗布処理ユニットSC1,SC2および現像処理ユニットSD1,SD2の上方の熱処理ユニット群2としては、クールプレート部CP1〜CP9、ホットプレート部HP1〜HP7、密着強化部AH、露光後ベーク部PEB等が積層配置されている。
【0020】
また、塗布処理ユニットSC1,SC2や現像処理ユニットSD1,SD2に挟まれたユニット配置部MPの中央部には、周囲の全処理ユニットにアクセスしてこれらとの間で基板の受け渡しを行うための基板搬送装置TR1(基板搬送用ロボット)が配置されている。
【0021】
図2は、基板処理の際に各処理ユニットに対して順次に基板を搬送する基板搬送装置TR1の斜視図である。この基板搬送装置TR1には、基板を保持する基板保持手段として2つのアーム31a,31bが上部に設けられている。この基板搬送装置TR1は、鉛直方向に昇降移動可能であるとともに中心の鉛直軸周りに回転可能となっている。また、アーム31a,31bは、基板搬送装置TR1の中心から各処理ユニットに対して屈伸動作を行うことにより、各処理ユニットに対してアクセス可能となっている。
【0022】
基板搬送装置TR1にはカバー41a〜41dが設けられており、各カバーは多段入れ子構造として構成されている。すなわち、この基板搬送装置TR1は、いわゆるテレスコピック型の伸縮昇降機構を有しており、各カバーが順次に引き出されることにより、アーム31a,31bを上昇させることができる一方、順次に収納していくことにより、アーム31a,31bを下降させることができるのである。このようにして基板搬送装置TR1のアーム31a,31bは上下移動可能となり、多段熱処理ユニット2の任意の処理ユニットに対する高さ位置にアクセスすることができるのである。
【0023】
また、基板搬送装置TR1は、基台44上に設けられており、基台44に設けられた図示しない回転モータ等によって基台44より上側を基板搬送装置TR1の中心の鉛直軸周りに回転させることが可能なように構成されている。この回転動作により、基板搬送装置TR1のアーム31a,31bは、周囲に設けられた任意の処理ユニットに対してアクセスすることが可能となっている。
【0024】
このような構成の基板搬送装置TR1により、ユニット配置部MP内の液処理ユニットおよび熱処理ユニットのうちの任意の処理ユニットに基板を搬送することが可能となっている。すなわち、基板搬送装置TR1は、鉛直方向に多段構成で配置された処理ユニットに対して伸縮昇降を行うことによってアクセス可能となり、また、アーム31a,31bの屈伸動作により各処理ユニット内部にアクセス可能となるとともに、周囲に配置された処理ユニットに対しては回転動作を行うことによってアクセス可能となっているのである。
【0025】
なお、基板搬送装置TR1の昇降機構等の駆動機構は、上記のものに限定するものではなく、基板搬送装置TR1の周囲に多段に配置された各処理ユニットに対して基板を搬送することが可能なものであればその他の機構であっても良いことは言うまでもない。
【0026】
そして、それぞれのアーム31a,31bには光コネクタ252が設けられており、光コネクタ252から光ファイバF2が基板搬送装置TR1の内部側に導かれている。この光ファイバF2は基板搬送装置TR1の内部において後述するアンプ部に接続される。なお、光コネクタ252は、ティーチングを行う際に使用する教示用治具を接続するためのコネクタとしても使用されるものであるとともに、後述する治具200を接続するためのコネクタである。
【0027】
図3は、基板処理装置のユニット配置部MPを横方向から見た概略構成図である。各処理ユニットには基板搬送装置TR1に対向する側(ユニット配置部MPの中央に向かう側)に基板を搬入および搬出するための開口部3が形成されている。そして、設計上は、この開口部3を介して基板搬送装置TR1が各処理ユニットの内部にアクセスして基板を搬送するように構成されている。
【0028】
この実施の形態では、基板搬送装置TR1に対して各処理ユニット内部におけるアクセスすべき位置を記憶させるティーチング(搬送教示)に先立って、各処理ユニットの開口部3の位置の特定を行う。つまり、各処理ユニット等の設置が行われた後の基板搬送装置TR1のアーム31a,31bを各処理ユニット内部に進入させる前に、アーム31a,31bや基板や教示用治具等が各処理ユニットのカバーやシャッタ等を含むユニット壁に衝突する可能性の有無を判定するのである。
【0029】
この判定に際し、この実施の形態では、開口部3の位置を検出するための検出センサが取り付けられた検出用治具を使用する。この治具は基板搬送装置TR1の基板保持手段であるアーム31a,31bに対して基板と同様の形態でセットされる。
【0030】
図4は、開口部3を検出するための治具200をセットしたときの基板搬送装置TR1のアーム部分を示す図である。図4では、開口部検出用の治具200がアーム31b上にセットされた例を示している。
【0031】
治具200は、基板とほぼ同様の円形状されることによりアーム31bで保持可能な形状とされた本体部210と、本体部210上に取り付けられアーム31bの前方側(+X方向側)の障害物の有無を非接触で検出する検出センサ(検出手段)230と、検出センサ230からの光信号を基板搬送装置TR1側に伝える光コネクタ251と、本体部210と光コネクタ251とを連結して検出センサ230から延びる光ファイバF1を光コネクタ251に導くガイド部220とを備えている。
【0032】
検出センサ230はいわゆる反射型光センサとして構成され、投光部231と受光部232とを有している。つまり、投光部231が前方側に光を出射し、受光部232に反射光が入射するか否かにより前方側の障害物を非接触で検出することができる。すなわち、この検出センサ230が基板搬送装置TR1が搬送動作を行う際に動作軌跡付近に位置する検査対象物(開口部やユニット壁等の障害物)を非接触で検出するのである。
【0033】
投光部231から出射される光は光ファイバF1,F2を介して基板搬送装置TR1の内部側から供給され、受光部232に入射する反射光も光ファイバF1,F2を介して基板搬送装置TR1の内部側に送られる。
【0034】
図4に示すように、基板搬送装置TR1の基板保持手段であるアーム31b(31aでもよい)に治具200がセットされて各処理ユニットの開口部3が取り付けられた位置を特定するための動作を行うとき、基板搬送装置TR1および基板搬送装置TR1の搬送動作を制御する制御機構は、基板搬送装置TR1の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定する動作検査システムとして機能することになる。以下、この実施の形態における動作検査システムの詳細について説明する。
【0035】
図5は、アーム31bに治具200がセットされた際の動作検査システムとしての構成を示すブロック図である。この動作検査システムは、アーム31bにセットされた治具200と、基板搬送装置TR1の搬送動作を制御する制御手段となる制御部100とを備える。アーム31b上の治具200には、上述した検出センサ230の投光部231と受光部232とが設けられる。
【0036】
また、動作検査システムは、治具200と制御部100との間にアンプ部300を備えるとともに、基板搬送装置TR1を伸縮昇降させるためのZ軸駆動部D1、基板搬送装置TR1の基台44より上側を回転駆動させるためのθ軸回転駆動部D2、およびアーム31a,31bの屈伸動作を行わせるX軸駆動部D3を備えている。さらに、各駆動部D1〜D3には、それぞれの駆動量を検出するエンコーダE1〜E3が設けられる。
【0037】
アンプ部300には、光ファイバF1,F2を介して投光部231に対して射出光となる光を発生させる発光部301と、受光部232に入射する反射光を光ファイバF1,F2を介して受光し、光信号を電気信号に変換する光電変換部302とが設けられている。
【0038】
制御部100には、CPU101とROM102とRAM103とサーボ制御部105とが設けられている。CPU101は、アンプ部300から得られる検出センサ230が検出した障害物の有無に関するON/OFF信号(電気信号)に基づいてサーボ制御部105に対して基板搬送装置TR1の移動方向や移動量等を指令する。サーボ制御部105は、CPU101からの指令に基づいてエンコーダE1〜E3から得られる各軸方向の移動量を監視しつつ、各駆動部D1〜D3に対して駆動指令を与える。また、ROM102には、予めCPU101の動作内容に関するデータやプログラムが書き込まれており、RAM103には、ユーザプログラムや基板搬送装置TR1に関する位置情報(設計値から導かれる開口部3の中心位置の情報やアクセス位置の情報)等が書き込まれている。
【0039】
また、CPU101は、エンコーダE1〜E3の出力をサーボ制御部105を介して得ることにより、基板搬送装置TR1の動作した変位量も検知することができるように構成されている。つまり、CPU101はエンコーダE1〜E3の出力により、基板搬送装置のアーム31bの現在位置に関する情報をリアルタイムで得ることができるのである。
【0040】
さらに、制御部100には基板処理装置の外面側に設けられた表示部111および入力部112が接続されており、オペレータが表示部111の表示内容を参照しながら入力部112よりコマンド等の入力を行うことができるように構成されている。したがって、オペレータが、基板搬送装置TR1のアーム31b上に治具200をセットして入力部112より動作検査システムとしての実行を指示入力した際には、上記の制御機構が全体として動作検査システムとして動作することになる。
【0041】
次に、上記のように構成される動作検査システムが実際に各処理ユニットの開口部の取り付けられた位置を特定する際の動作について説明する。
【0042】
図6および図7は、この実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、この実施の形態では、ティーチング(ステップS2)および基板に対する処理の開始(ステップS3)に先立って、基板処理装置を動作検査システムとして動作させる。この動作検査システムとしての動作の詳細を図7のフローチャートに示す。
【0043】
動作検査システムとしての動作においては、まず、オペレータが基板搬送装置のアーム31b上に治具200をセットする(ステップS11)。治具200をアーム31b上にセットすることにより、図5に示したブロック構成が完全なものとなる。
【0044】
そして、ステップS12において、オペレータにより動作検査システムとしての動作が指示入力されると、CPU101は検出センサ230を処理ユニットの開口部3に対して一定の位置関係となるようにサーボ制御部105に対して駆動指令を送出する。サーボ制御部105はCPU101からの指令に基づいて基板搬送装置の各駆動部D1〜D3を駆動し、検出対象となる開口部3に対して治具200がセットされたアーム31bを一定量移動させる。ここで、アーム31bの移動量は、アーム31bをZ軸方向およびθ軸方向に移動させても開口部3周辺のユニット壁に接触しないように開口部3の手前に位置する程度の移動量であり、検出センサ230がユニット壁を検知することができることを要する。なお、このときのアーム31bの移動は、設計値から導かれる開口部3の中心位置方向に向かって行われる。
【0045】
この結果、アーム31bと処理ユニットの開口部3とは、図8に示すような位置関係となる。なお、図8において(a)はアーム31bと開口部3とを横方向から見た概略図であり、(b)はアーム31bと開口部3とを上方向から見た概略図である。
【0046】
そして、ステップS13に進み、図8(a)に示すようにCPU101はサーボ制御部105に対してアーム31bを+Z方向および−Z方向に移動させ、アンプ部300から得られるON/OFF信号を監視する。検出センサ230による出射光が開口部3より処理ユニット内部側に照射されている場合には検出センサ230には反射光は入射せず、出射光が開口部3の周辺のユニット壁に照射されている場合にはユニット壁による反射作用が起こり、検出センサ230に反射光が入射する。したがって、アーム31bを+Z方向および−Z方向に移動させつつ、検出センサ230による検出信号をアンプ部300を介して入力することにより、CPU101はアーム31bが開口部3を形成するユニット壁の鉛直方向に関する端部3a,3bの位置に移動したことを検出することができるのである。
【0047】
そして、CPU101はアーム31bが開口部3を形成するユニット壁の端部3a,3bの位置に移動したときに、エンコーダE1〜E3の出力を読みとることにより、アーム31bが端部3a,3bに至るまでの鉛直方向(Z方向)の移動量を取得することができる。
【0048】
次に、ステップS14に進み、図6(b)に示すようにCPU101はサーボ制御部105に対してアーム31bを+θ方向および−θ方向に移動させ、アンプ部300から得られるON/OFF信号を監視する。このように、アーム31bを+θ方向および−θ方向に移動させつつ、検出センサ230による検出信号をアンプ部300を介して入力することにより、CPU101はアーム31bが開口部3を形成するユニット壁の水平方向に関する端部3c,3dの位置に移動したことを検出することができるのである。
【0049】
そして、CPU101はアーム31bが開口部3を形成するユニット壁の端部3c,3dの位置に移動したときに、エンコーダE1〜E3の出力を読みとることにより、アーム31bが端部3c,3dに至るまでの水平方向(θ方向)の移動量を取得することができる。
【0050】
その結果、CPU101は開口部3の鉛直方向および水平方向の端部3a〜3dの位置を特定することができ、これらよりCPU101は処理ユニットが基板処理装置の内部に実際に取り付けられた位置を特定する(ステップS15)。
【0051】
例えば、実際に取り付けられた開口部3の中心位置と、設計値から導かれる中心位置とを比較することにより、開口部3の取り付け位置の設計値からのズレ量を求める。
【0052】
CPU101は、ステップS16において開口部3のズレ量を求め、ステップS17においてそのズレ量が所定の範囲内であるか否かを判定する。この判定を行う際の範囲は、ティーチング時に教示用治具をセットした基板搬送装置のアーム31a,31bを処理ユニット内部にアクセスさせる際、又は、基板処理時に処理対象の基板を保持したアーム31a,31bを処理ユニット内部にアクセスさせる際に、アーム31a,31b、教示用治具、基板等がユニット壁に衝突しないような範囲で定められる。
【0053】
そして、CPU101は開口部3のズレ量が上記の範囲内にあると認識した場合には、表示部111に対して適切である旨の情報を表示してステップS21に進む一方、開口部3のズレ量が上記の範囲外であると認識した場合には、ステップS19に進んで表示部111に対して処理ユニット等の取り付け不良である旨の情報を表示する。この不良表示はオペレータに対する警報に該当し、オペレータはこの不良表示によって取り付け不良の処理ユニットを特定することができるようになっている。
【0054】
不良表示が行われた場合は、オペレータは該当する処理ユニットの再取り付けを行う(ステップS20)。
【0055】
上記のような動作を液処理ユニットおよび熱処理ユニットを構成する全ての処理ユニットに対して行うべく、ステップS21においてステップS12以降の処理を繰り返すか否かを判定する。
【0056】
この実施の形態における動作検査システムは上記のような動作を行うことにより、取り付け不良のある処理ユニットをティーチング(ステップS2)や基板処理(ステップS3)を行う前にオペレータに特定させることが可能となっている。そして、上記の動作は処理ユニットの内部にアーム31bを進入させることがないので、基板搬送装置のアーム、教示用治具、処理ユニット等を破壊することなく各処理ユニットが適切な位置に取り付けられているか否かを判定することが可能となっている。つまり、この動作検査システムは、基板搬送装置の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定するように実現されているのである。
【0057】
そして、処理ユニット等の取り付け不良が生じていた場合には、オペレータは該当する処理ユニットの再度の取り付け作業を行い、再び動作検査システムとしての動作を開始させて処理ユニットの取り付け位置の可否を検査するようにすれば、アーム、教示用治具、処理ユニット等の破壊を回避することが可能となる。
【0058】
その後、基板搬送装置が各処理ユニット内部の正確な位置に対して適切にアクセスすることができるようにするためのティーチングを開始すれば、適切にティーチングを行うことが可能である。
【0059】
なお、上記説明において、検出センサ230が検出する対象物は各処理ユニットの開口部3であったが、開口部3に限定されるものではなく、基板搬送装置が搬送動作を行う際に動作軌跡付近に位置する物であれば、その他の対象物を検出するようにしてもよい。
【0060】
また、上記説明においては、検出センサ230が治具200に設けられ、この治具200がアーム31b上にセットされることによって検出センサ230がアーム31bと一体的に動作するように実現される例について示しているが、その他の例として、アーム31b自体に検出センサ230を直接取り付けることも考えられる。
【0061】
しかしながら、アーム31b自体に検出センサ230を取り付けることは、アーム31bの熱処理ユニット内へのアクセスを考慮すると検出センサ230の高温対策が必要となるとともに、開口部3のサイズを大きくすることが必要になることや設置スペースの不足等の他の問題を含むことになるため、好ましくない。一方、上記説明のように治具200に検出センサ230を設け、その治具200をアーム31b上にセットすることによって検出センサ230をアーム31b上に設けるようにする場合は、高温対策等が必要でないので有効である。
【0062】
以上説明したように、この実施の形態における動作検査システムは、基板保持手段であるアーム31b(又は31a)に設けられ、搬送動作を行う際に動作軌跡付近に位置する検査対象物を非接触で検出する検出センサ230と、基板搬送装置の搬送動作を制御する制御部100とを備えて構成され、制御部100は、基板搬送装置を所定方向に動作させつつ検出センサ230から与えられる検出結果に基づいて、検査対象物の位置を特定し、検査対象物の位置が設計値に基づく所定位置に取り付けられているか否かを判定するように実現されているため、基板搬送装置のアーム31a,31b、ティーチングの際に使用する教示用治具、処理ユニット等を破壊することなく、搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定することができる。
【0063】
また、上記の検査対象物を、処理ユニットにおける基板の搬入用および搬出用の開口部3とすれば、基板搬送装置のアーム31a,31b、教示用治具、処理ユニット等を破壊することなく処理ユニット内にアクセスさせることができるか否かを適切に判定することができる。この結果、適切なティーチングを開始することが可能になる。
【0064】
また、この実施の形態の動作検査システムに使用される治具200は、アーム31bによって保持可能な形状とされた本体部210と、その本体部210に取り付けられ、搬送動作の際に動作軌跡付近に位置する検査対象物を非接触で検出する検出センサ230とが設けられて、基板搬送装置の搬送動作を適切に行うことができるか否かを検出するように構成されているため、動作検査システムとしての動作を行うときにのみ治具200をセットすることが可能であるので、検出センサ230の高温対策等の必要は生じない。また、このような治具200を使用することによって、新たな構造的設計変更を行うことなく、従前の基板処理装置を動作検査システムとして機能させることができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の動作検査システムによれば、制御手段は、基板搬送装置を所定方向に動作させつつ、動作軌跡付近に位置する検査対象物を非接触で検出する検出手段から与えられる検出結果に基づいて、検査対象物の位置を特定し、検査対象物の位置が所定位置であるか否かを判定するため、基板搬送装置の基板保持手段や処理ユニット等を破壊することなく、搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定することができる。
【0066】
請求項3に記載の動作検査システムによれば、検査対象物は、処理ユニットにおける基板の搬入用および搬出用の開口部であるため、基板搬送装置の基板保持手段や処理ユニット等を破壊することなく処理ユニットの内部にアクセスさせることができるか否かを適切に判定することができる。そして、この結果、適切なティーチングを行うことも可能になる。
【0067】
請求項6に記載の治具によれば、基板搬送装置の基板保持手段によって保持可能な形状とされた本体部と、その本体部に取り付けられ、基板搬送装置の搬送動作の際に動作軌跡付近に位置する検査対象物を非接触で検出する検出センサとを備えているため、本体部を基板搬送装置の基板保持手段に保持させた状態することにより、搬送動作を適切に行うことができるか否かを検出する動作検査システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における基板処理装置の概略構成図である。
【図2】基板を搬送する基板搬送装置の斜視図である。
【図3】基板処理装置のユニット配置部を横方向から見た概略構成図である。
【図4】治具をセットしたときの基板搬送装置のアーム部分を示す図である。
【図5】治具がセットされた際の動作検査システムとしての構成を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態における全体的な処理手順を示すフローチャートである。
【図7】この実施の形態における動作検査システムとしての処理手順を示すフローチャートである。
【図8】動作検査システムにおける基板搬送装置のアームと処理ユニットの開口部(検査対象物)との位置関係を示す概略図である。
【符号の説明】
3 開口部
31a,31b アーム(基板保持手段)
100 制御部(制御手段)
200 治具
230 検出センサ(検出手段)
TR1 基板搬送装置

Claims (6)

  1. 基板搬送装置が基板保持手段で基板を保持して所定の処理ユニットに対する基板の搬送を行い、前記処理ユニットで基板に対する所定の処理を行う基板処理装置において、前記基板搬送装置の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定する動作検査システムであって、
    前記基板保持手段に設けられ、前記搬送動作を行う際に動作軌跡付近に位置する検査対象物を非接触で検出する検出手段と、
    前記基板搬送装置の前記搬送動作を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記所定の処理の開始に先立って、前記基板搬送装置を所定方向に動作させつつ前記検出手段から与えられる検出結果に基づいて、前記検査対象物の位置を特定し、前記検査対象物の位置に基づいて前記所定の処理ユニットに対する基板の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定することを特徴とする動作検査システム。
  2. 請求項1に記載の動作検査システムにおいて、
    前記制御手段は、前記基板搬送装置に対するティーチングに先立って、前記所定の処理ユニットに対する基板の搬送動作を適切に行うことができるか否かを判定することを特徴とする動作検査システム。
  3. 請求項1または2に記載の動作検査システムにおいて、
    前記検査対象物は、前記処理ユニットにおける基板の搬入用および搬出用の開口部であることを特徴とする動作検査システム。
  4. 請求項3に記載の動作検査システムにおいて、
    前記制御手段は、前記開口部の位置に基づいて前記処理ユニットが適切な位置に取り付けられているか否かを判定することを特徴とする動作検査システム。
  5. 請求項4に記載の動作検査システムであって、
    前記制御手段は、
    前記基板搬送装置を鉛直方向に動作させつつ前記検出手段に前記開口部の鉛直方向に関する端部の位置を検出させ、前記鉛直方向の端部の検出結果に基づいて前記開口部の鉛直端部位置情報を取得し、
    前記基板搬送装置を水平方向に動作させつつ前記検出手段に前記開口部の水平方向に関する端部の位置を検出させ、前記水平方向の端部の検出結果に基づいて前記開口部の水平端部位置情報を取得し、
    前記鉛直端部位置情報と前記水平端部位置情報とに基づいて、前記開口部の位置情報を取得することを特徴とする動作検査システム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の動作検査システムであって、
    前記検出手段が、
    前記基板保持手段によって保持可能な形状とされた本体部と、
    前記本体部に取り付けられ、検査対象物を非接触で検出する検出センサと、
    を備える治具であることを特徴とする動作検査システム。
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