JP3905335B2 - ちりめん雑魚等の天日乾燥装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にちりめん雑魚製造において天日乾燥に使用する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のちりめん雑魚の乾燥方法には、熱風乾燥、冷風乾燥、天日乾燥等の方法がある。通常、煮沸した魚を熱風乾燥機で乾燥して仕上げているが、高温短時間で処理しているため、製品の変色、変質を起こし、商品価値が低いものとなることが多い。そこで、最終の好ましい乾燥程度、いわゆる上干の状態が70%乾燥であるとして、乾燥機による乾燥の程度を30〜40%に止め、残りの70%までの乾燥を天日で行う方法が採られている。このように最後に天日で乾燥すると、ちりめん雑魚の雑菌を除去できて変色を防ぐことができる。この乾燥方法は多くのちりめん雑魚加工業者が実施している。この場合の天日乾燥は、地面にせいろ又はネットを敷き、その上にじゃこを散らして天日に干す方法、あるいは木枠(900×600mm)にメッシュを張った容器(せいろの類)にじゃこを散らして天日に干す方法などが行われている。何れの方法においても均一に干しあがるまで何回か人手によって反転させることが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の天日による乾燥は、天日乾燥の途中にじゃこの反転のために多くの人手を必要とする問題がある。また、人手によるから作業者によって散らし方や扱い等にばらつきがあり、じゃこが損傷を受けやすく、製品の品質にばらつきが生じやすい問題や、時期が限られていることもあって作業者を確保し難い問題もある。
本発明は、これらの問題を解決できる装置を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の手段は、途中に幾つかの載せ替え部分を介して平面的に一連の移送路を形成しており小魚を移送しながら天日乾燥する複数のメッシュベルトコンベアを有し、前記それぞれの載せ替え部分に載せ替える小魚を再分散させる小魚分散装置を設けてなり、前記載せ替え部分は、前側メッシュベルトコンベア終端と後側メッシュベルトコンベア始端とを載せ替えコンベアによって接続された構成とすると共に載せ替えコンベアの終端と後側メッシュベルトコンベアの始端との間に所要落差寸法を備えた分散用空間を形成された構成とし、前記分散装置は、前記分散用空間で水平に振動する振動構体を設けた構成としたことを特徴とする。
【0005】
この手段では、メッシュベルトコンベアで移送している間に天日で乾燥し、その乾燥の途中で小魚分散装置により再分散が何回か行われる。1台のメッシュベルトコンベアでは、上に分散して載せられた小魚を略載せられたときの状態のままで移送するが、乗せ替える部分があってしかも小魚分散装置が再分散を行うから、小魚の上下左右の向きがその前の状態から変更されて次のメッシュベルトコンベアに載ることになる。従って、従来のせいろを用いる天日乾燥の際に人手で行われていたせいろを反転させる「返し作業」に、あるいはネット上で天日乾燥する際に適当量を集めて手作業で散らす「散らし作業」に相当する操作が分散装置で行われる。
【0007】
前後のメッシュベルトコンベア間の載せ替えにおいて、小魚はまず載せ替えコンベアに載り、次に載せ替えコンベアから次のメッシュベルトコンベアに載せ替えられるときに、分散空間を落下する小魚が水平に振動している振動構体に接触して分散する。従って、載せ替えコンベア上で仮に集積状態になっていたとしても確実に分散して次のメッシュベルトコンベア上に載せられるから、小魚が均等に乾燥される。また、この載せ替え及び分散は、人手により集積して散らす作業よりも小魚が損傷を受けにくい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を、図1〜図3を用いて説明する。このちりめん雑魚等の天日乾燥装置1は、複数台の、例えば6台のメッシュベルトコンベア2、6台の載せ替えコンベア3、6台の分散装置4で構成されている。
【0009】
6台のメッシュベルトコンベア2は、例えば、幅が900〜1500mm、長さ36m程度の同じものであり、所定の駆動部により任意の速さで移送できるようになっており、少し間隔を隔てて平行に配列してあり、列端のものの一端に設けた供給部10に天日乾燥されるちりめん雑魚を連続的に供給されるようになっている。すなわち、ちりめん雑魚はメッシュベルトコンベア2に供給される前の段階で、釜茹でされ、そして乾燥機で適度に乾燥されて供給部10に供給されるようになっている。普通の乾燥機は釜茹でした雑魚をメッシュベルトコンベアに載せて乾燥室内を移動させるようになっており、所定の乾燥状態に達したものが連続的に送り出されてくる。6台のメッシュベルトコンベア2は、最初のコンベアの後端と隣り合う次のコンベアの始端とを載せ替えコンベア3によって連結され、この連結を順次繰り返して一連のものとされている。各メッシュベルトコンベア2の始端部11は、低い位置から上昇して所定高さで水平に伸延するように上昇傾斜している。図の矢印12はそれぞれコンベアの移送方向を示す。
【0010】
載せ替えコンベア3は、矢印13で示す進行方向に上昇している比較的短いベルトコンベアであり、図1〜図3に示すように、メッシュベルトコンベア2の水平に進行して終端している終端部14の下側に始端部15が配置され、平面図で進行方向をメッシュベルトコンベア2の進行方向に対し横向きに(90度)向きを変えて進行し、次のメッシュベルトコンベア2の低い位置から上昇傾斜した始端部11上側に達している。載せ替えコンベア3終端部16とその下側のメッシュベルトコンベア2の始端部11との間には分散用空間として必要な落差の得られる空間を設けてあり、途中に分散装置4の振動構体17を設けてある。
【0011】
分散装置4は、図2に見られるように、載せ替えコンベア3終端の下側に接近して設けられた振動構体17と、振動構体を振動させる駆動部18とで構成されている。振動構体17は、同図に見られるように、細長い棒状体19の8〜10本を、メッシュベルトコンベア2の進行方向前方へやや広がるように水平に配列して後端部を回動基板20に結合し、回動基板20をメッシュベルトコンベア2のフレーム21(図3参照)に設けた支持部22に水平に回動自在に軸23により支持してある。棒状体19は直径が4mmのSUS304で形成してあり、それぞれの間隔はちりめん雑魚が十分に通過可能な寸法である。回転基板20は軸23で支持されている位置の少し後ろ側の位置を駆動部18に結合されている。
【0012】
駆動部18は、回転数を変更できるギヤードモータ24にクランク軸25を設けて、そのクランク軸25に連結杆26の一端を結合したものである。連結杆26の他端はメッシュベルトコンベア2の始端部11を上側と進行方向前側とを除いて包囲するように設けた分散案内カバー27を貫通して前記回転基板20に結合されている。クランク軸25の回転数は普通180r.p.m.であり、回転基板20は30〜40度回動するように各部の寸法を決められている。これにより振動構体17は水平に毎分180回の振動をする。分散案内カバー27は、メッシュベルトコンベア2の始端部11に分散して落下するちりめん雑魚をそのコンベア上に確実に落下するように案内する。
【0013】
このように構成されたちりめん雑魚の天日乾燥装置1は、日照条件のよい屋外の適所に設置して次のように使用される。すなわち、通常は時間当たり生魚の状態で1〜3トンを自動釜茹で機で順次連続的に、所定流量で流動させる状態で煮沸し、引き続き自動乾燥機で乾燥程度が30〜40%となるように乾燥して送り出し、これを天日乾燥装置1の供給部10に供給する。供給部10では、ちりめん雑魚がメッシュベルトコンベア2の始端部11に落下する途中で分散装置4の振動構体17に当たって適度に分散され、略コンベア幅いっぱいに広がるように分散供給される。ちりめん雑魚はメッシュベルトコンベア2の終端部14で載せ替えコンベア3により順次後続するメッシュベルトコンベア2に載せ替えられると共に分散装置4で再分散され、6台目のメッシュベルトコンベア2の終端部14から送り出されて天日乾燥を終わる。この間全長200m余りの距離を所定時間、例えば1時間をかけて移動させる。これにより1時間の天日乾燥が行われ70%までの最終乾燥を終わることになる。なお、この場合のメッシュベルトコンベア2上の、ちりめん雑魚層の厚さは、従来せいろを使用して天日乾燥している場合の層厚さの約半分である。
【0014】
このようにして得られた70%乾燥のちりめん雑魚は、魚の損傷が少なく、乾燥程度の均一性がよく、高品質のものである。そして、天日乾燥のために従来のような多くの人手を要しない。また、生産時期が限られているために作業者の確保が困難であった問題や、不慣れな作業者による品質のばらつきの問題等が解決される。
【0015】
前記実施の形態においては、メッシュベルトコンベア2を6台平行に設置した構成を示したが、台数はこれに限らず適当に増減してもよく、その配列も設置場所等の条件によっては全体が直線状であっても、ジグザグ状であっても別段差支えない。要は途中で何回か載せ替え、その載せ替え部分で分散させることにより、小魚の上下が反転し、また小魚同士の絡みつきが分解される機会を与えて全体で乾燥状態が均等になるようにすればよい。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、従来の人手による天日乾燥を機械的に行うことができるので、天日乾燥のための労力を大幅に削減して、天日乾燥による均質で高品質のちりめん雑魚を得ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す概略平面図である。
【図2】同実施形態のメッシュベルトコンベアの始端部分を示し、(a)は概略部分拡大平面図、(b)は概略部分拡大正面図である。
【図3】同実施形態の載せ替えコンベアとその前後のメッシュベルトコンベアの部分を示す概略部分拡大側面図である。
【符号の説明】
1 ちりめん雑魚天日乾燥装置
2 メッシュベルトコンベア
3 載せ替えコンベア
4 分散装置
10 供給部
11 始端部
12、13 矢印
14 終端部
15 始端部
16 終端部
17 振動構体
18 駆動部
19 棒状体
20 回転基板
21 フレーム
22 支持部
23 軸
24 ギヤードモータ
25 クランク軸
26 連結杆
27 分散案内カバー
Claims (1)
- 途中に幾つかの載せ替え部分を介して平面的に一連の移送路を形成しており小魚を移送しながら天日乾燥する複数のメッシュベルトコンベアを有し、前記それぞれの載せ替え部分に載せ替える小魚を再分散させる小魚分散装置を設けてなり、前記載せ替え部分は、前側メッシュベルトコンベア終端と後側メッシュベルトコンベア始端とを載せ替えコンベアによって接続された構成とすると共に載せ替えコンベアの終端と後側メッシュベルトコンベアの始端との間に所要落差寸法を備えた分散用空間を形成された構成とし、前記分散装置は、前記分散用空間で水平に振動する振動構体を設けた構成としたことを特徴とするちりめん雑魚等の天日乾燥装置。
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JP2001228206A JP3905335B2 (ja) | 2001-07-27 | 2001-07-27 | ちりめん雑魚等の天日乾燥装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001228206A JP3905335B2 (ja) | 2001-07-27 | 2001-07-27 | ちりめん雑魚等の天日乾燥装置 |
Publications (2)
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JP2003038092A JP2003038092A (ja) | 2003-02-12 |
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ID=19060748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001228206A Expired - Lifetime JP3905335B2 (ja) | 2001-07-27 | 2001-07-27 | ちりめん雑魚等の天日乾燥装置 |
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JP6175987B2 (ja) * | 2013-08-27 | 2017-08-09 | 株式会社村田製作所 | チップ部品回収装置 |
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2001
- 2001-07-27 JP JP2001228206A patent/JP3905335B2/ja not_active Expired - Lifetime
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