JP3905083B2 - 光通信システム - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は,光通信システムおよび該光通信システムにおける光伝送装置に関し,特に,複数の光伝送装置を有し,隣接する2つの光伝送装置が現用伝送路および予備伝送路により接続され,いずれか一方の光伝送路により光信号が伝送される光通信システムおよび該光通信システムにおける光伝送装置に関する。
背景技術
単一波長の光によりデータを伝送する単波(一波)光通信システムでは,伝送路に耐障害性を持たせるために,1重の局装置に対して,光ファイバ伝送路を現用伝送路および予備伝送路により2重化(冗長化)したシステムが実用化されている。局装置も多重化し,局装置に耐障害性を持たせることも考えられるが,コストが増大することから採用されていない。
図18は,伝送路を2重化した単波光通信システムの概略構成例を示すブロック図である。この単波光通信システムは,局装置として,端局101および103,ならびに中継局102を有する。中継局は1個以外に2個以上設けられる場合もある。
隣接する局装置間に設けられた伝送路は2重化され,局装置間には,光ファイバからなる現用伝送路F01,F02,R01,およびR02,ならびに予備伝送路F11,F12,R11,およびR12が設けられている。現用伝送路は,通常,使用される伝送路であり,予備伝送路は,現用伝送路に障害(たとえば光ファイバの切断,経年変化等による劣化等)が発生した場合に使用される伝送路である。
各局装置には,光増幅器(AMP,たとえばエルビウムドープファイバ増幅器:EDFA)201〜206が設けられ,入力された光信号を増幅する。また,各局装置には,入力された光信号を現用伝送路または予備伝送路の一方に送信し,あるいは,現用伝送路または予備伝送路の一方から光信号を入力するために光スイッチ(OSW)301〜308が設けられている。局同士の間はスパン(Span)と呼ばれることから,光スイッチ301〜308はスパンスイッチ(Span Switch)と呼ばれることがある。
これらの光スイッチは,現用伝送路に障害が発生していない状態(通常状態)では,現用伝送路側に切り替えられているが,現用伝送路に障害が発生すると,予備伝送路側に切り替えられる。たとえば,光スイッチ301は,通常状態では,現用伝送路F01側に切り替えられており,光増幅器201から入力された光信号を現用伝送路F01に出力するが,現用伝送路F01に障害が発生すると,予備伝送路F11側に切り替えられ,光増幅器201からの光信号を予備伝送路F11に出力する。
一方,高速かつ大容量の情報を伝送することができる通信システムとして,波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)光通信システム(WDM光通信システム)が注目されている。このWDM光通信システムは,波長の異なる複数の光信号をWDMにより多重化し,1本の光ファイバにより伝送するシステムである。
このWDM光通信システムにおいても,耐障害性を有するシステムの構築が望まれており,図18に示す単波光通信システムと同様に,1重の局装置に対して,局装置間の光ファイバの伝送路を現用伝送路および予備伝送路により2重化(冗長化)し,光スイッチにより伝送路を切り替えるものが実用化されている。
しかし,従来のWDM光通信システムの多くは,多重化されている波長数と同数の光スイッチを設け,各光スイッチによって波長ごとに光信号を切り替えるものであった。したがって,従来のWDM光通信システムでは,多重化される波長数の増加(たとえば160波,320波等)に伴い,波長数と同数の光スイッチを設けるためのコストが非常に増大していた。
このため,WDMにより多重化されている光信号を1つの光スイッチで一括して切り替えるWDM光通信システムが要望されている。
しかしながら,このような多重化されている光信号を一括して切り替える光スイッチを利用したWDM光通信システムを実用化するためには,波長ごとに光信号を切り替える従来の光スイッチを利用した光通信システムとは異なり,解決しなければならない課題が存在する。
第1の課題は,伝送路(光スイッチ)の切り替えに伴う伝送路の損失の相違をいかに補償するかということである。
光スイッチの切り替えにより,伝送路が現用伝送路から予備伝送路またはその逆に切り替えられると,伝送路の減衰率(損失)が変化し,後段の光増幅器に入力される信号レベルが変化する。入力される信号レベルが変化すると,光増幅器が発生するASE(Amplified Spontaneous Emission)光(ノイズ成分)のレベルも変化する。これにより,さらにその後段に続く光増幅器が,入力される光信号に含まれる信号成分(通信信号の成分)を所定のレベルに増幅できないおそれがある。
このような問題を解決するために,従来,現用伝送路および予備伝送路の双方または一方に可変光減衰器を設け,可変光減衰器の減衰率を調整することによって,現用伝送路から光増幅器に入力される光信号のレベルと,予備伝送路から光増幅器に入力される光信号のレベルとがほぼ同じになるようにしていた。
しかし,このような方法では,様々な形態のネットワークに対応するには限界がある。たとえば現用伝送路と予備伝送路の長さが大きく異なり,両伝送路の減衰率の差が可変光減衰器により調整できる範囲を超えている場合には,この方法は適用できない。このため,減衰率を調整することなく,各光増幅器が信号成分を所定のレベルに増幅できるようにする方法が必要となる。
第2の課題は,伝送路(光スイッチ)の切り替えに伴う光信号の受信品質の劣化をいかに防ぐかということである。
光スイッチの切り替えにより,伝送路が現用伝送路から予備伝送路またはその逆に切り替えられ,伝送路の波長依存損失(WDL:Wavelength Dependent Loss)や介在する光増幅器の利得平坦性が変化した場合に,光信号のチルトの発生の仕方が変化することがある。これにより,受信側端局において,各波長の信号の品質に不均一が生じ,特定の波長の信号にエラーが発生することがある。
このため,切り替えが行われても,チルトの相違を補償し,各波長の信号の品質劣化を防止する必要がある。
第3の課題は光サージの発生をいかに防ぐかということである。
光サージは,光増幅器(たとえばEDFA)に光信号が入力されない光断時間の間に光増幅器に蓄積されたエネルギーが,光断後,光信号の入力が再開された時に一挙に放出されることにより発生する。
WDM光通信システムでは,光断は,光スイッチを切り替えている間(たとえば十数ミリ秒),光スイッチにおいて光信号が遮断され,したがって,光増幅器にも光信号が入力されないことにより生じる。また,光サージは,光スイッチの切り替え完了後,再び光信号が光スイッチを介して光増幅器に入力された時に発生する。
特に,WDM光通信システムでは,複数の波長の光信号が多重化されているので,光増幅器からの出力パワー(出力電力,出力レベル)も,波長数に応じて大きなものとなっている。この出力レベルに光サージが上乗せされるので,出力レベルは非常に大きなものとなり,光ファイバ伝送路が溶ける等の損傷を受けるおそれがある。
このような光サージの発生を防ぐ方法として,光スイッチの切り替え時に,光断時間を光増幅器の残留エネルギーを十分放出できる時間に調整する方法が考えられる。しかし,この方法では,光断時間が,光スイッチの切り替えに伴い許容される信号不通時間を超えてしまい,好ましくない。
したがって,光断時間を信号不通時間の許容範囲内にしつつ,かつ,光サージの発生を防ぐ方法が求められている。
発明の開示
本発明は,伝送路の切り替えに伴う伝送路の損失の相違を補償することを目的とする。
また,本発明は,伝送路の切り替えに伴う光信号の受信品質の劣化を防ぐことを目的とする。
さらに,本発明は,伝送路の切り替えに伴う光サージの発生を防ぐことを目的とする。
本発明の第1の側面による光伝送装置は,複数の光伝送装置を有し,隣接する2つの光伝送装置が現用伝送路および予備伝送路により接続され,いずれか一方の光伝送路により光信号が伝送される光通信システムにおける前記光伝送装置において,自己の光伝送装置と上流側に隣接した光伝送装置とに接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,を備え,前記制御部は,自己の光伝送装置と前記上流側に隣接する光伝送装置との間,または,上流側に位置する他の2つの光伝送装置間で,光信号が伝送される伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,現用伝送路から予備伝送路へ切り替えられると,前記光増幅器から出力される光信号のレベルを補正する,ことを特徴とする。
本発明の第1の側面による光通信システムは,送信側端局,1または2以上の中継局,および受信側端局を有し,前記送信側端局から送信された光信号が前記中継局を介して前記受信側端局に送信される光通信システムにおいて,前記送信側端局は,下流側に隣接した中継局に接続された前記現用伝送路または予備伝送路の一方により光信号を前記中継局の1つに送信し,前記中継局は,上流側に隣接した送信側端局または他の中継局に接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,を備え,前記受信側端局は,上流側に隣接した中継局に接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,を備え,前記中継局および前記受信側端局の制御部は,自局と前記上流側に隣接する前記局との間,または,上流側に位置する他の2つの局間で,光信号が伝送される伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,現用伝送路から予備伝送路へ切り替えられると,自局の前記光増幅器から出力される光信号のレベルを補正する,ことを特徴とする。
本発明の第1の側面によると,伝送路の切り替えに伴う伝送路の損失の相違を光信号のレベルを補正することによって補償することができる。
好ましい形態において,前記制御部は,前記光増幅器に入力される光信号に含まれる第1の雑音成分および前記光増幅器自身が発生する第2の雑音成分に基づいて前記補正を行うことを特徴とする。
また,他の好ましい形態において,前記制御部は,前記補正を行うための補正データをあらかじめ保持し,該保持した補正データに基づいて補正を行うことを特徴とする。
本発明の第2の側面による光伝送装置は,複数の光伝送装置を有し,隣接する光伝送装置同士が現用伝送路および予備伝送路により接続された光通信システムにおける前記光伝送装置において,自己の光伝送装置と上流側に隣接した光伝送装置とに接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,前記光信号が入力される伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,前記上流側に隣接する光伝送装置の光増幅器の出力レベルを補正するための補正データを前記上流側に隣接した光伝送装置に送信する送信部と,を備えていることを特徴とする。
また,本発明の第2の側面による光伝送装置は,複数の光伝送装置を有し,隣接する光伝送装置同士が現用伝送路および予備伝送路により接続された光通信システムにおける前記光伝送装置において,入力された光信号を増幅し,自己の光伝送装置と下流側に隣接した光伝送装置とに接続された現用伝送路および予備伝送路の一方を介して該下流側に隣接した光伝送装置に,増幅後の光信号を出力する光増幅器と,前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,を備え,前記制御部は,前記光信号を出力する伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,前記下流側に隣接する光伝送装置から送信される補正データに基づいて,前記光増幅器から出力される光信号のレベルを補正する,ことを特徴とする。
本発明の第2の側面によっても,伝送路の切り替えに伴う伝送路の損失の相違を光信号のレベルを補正することによって補償することができる。
本発明の第3の側面による光通信システムは,複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を現用伝送路または予備伝送路の一方を介して受信装置に向け送信する送信装置と,前記送信装置から送信された光信号を現用伝送路または予備伝送路の一方から受信する受信装置とを有する光通信システムにおいて,前記送信装置は,各波長の信号のレベルを調整するプリエンファシス部と,前記プリエンファシス部によりレベルが調整された各波長の信号を多重化して送信する送信部と,前記受信装置から送信された,各波長の信号のレベルを調整するための制御データに基づいて前記プリエンファシス部による各波長の信号のレベル調整を制御する制御部と,を備え,前記受信装置は,受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を測定する測定部と,前記伝送路が前記現用伝送路から前記予備伝送路へ,または,前記予備伝送路から前記現用伝送路への切り替えが行われる前に前記測定部により測定された各波長の信号の品質の初期値を記憶する記憶部と,前記伝送路の前記切り替えが行われると,切り替え後に受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を前記測定部に測定させ,前記品質の初期値および前記切り替え後の品質の値に基づいて前記制御データを生成し,前記送信装置に送信する送信部と,を備えていることを特徴とする。
本発明の第3の側面による送信装置は,現用伝送路または予備伝送路の一方によって,複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を受信装置に向けて送信する送信装置において,各波長の信号のレベルを調整するプリエンファシス部と,前記プリエンファシス部によりレベルが調整された各波長の信号を多重化して送信する送信部と,前記受信装置から送信された,各波長の信号のレベルを調整するための制御データに基づいて前記プリエンファシス部による各波長の信号のレベル調整を制御する制御部と,を備えていることを特徴とする。
本発明の第3の側面による受信装置は,送信装置から現用伝送路または予備伝送路によって送信され,複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を前記現用伝送路または前記予備伝送路の一方から受信する受信装置において,受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を測定する測定部と,前記伝送路が前記現用伝送路から前記予備伝送路へ,または,前記予備伝送路から前記現用伝送路への切り替えが行われる前に前記測定部により測定された各波長の信号の品質の初期値を記憶する記憶部と,前記伝送路の前記切り替えが行われると,切り替え後に受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を前記測定部に測定させ,前記品質の初期値および前記切り替え後の品質の値に基づいて,前記送信装置が各波長の送信レベルを制御するための制御データを前記送信装置に送信する送信部と,を備えていることを特徴とする。
本発明の第3の側面によると,切り替え後に各波長の信号のレベルを再度調整するので,伝送路の切り替えに伴う光信号の受信品質の劣化を防ぐことができる。
本発明の第4の側面による送信装置は,現用伝送路または予備伝送路の一方によって,複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を受信装置に向けて送信する送信装置において,各波長の信号のレベルを調整するプリエンファシス部と,前記プリエンファシス部によりレベルが調整された各波長の信号を多重化して送信する送信部と,該送信装置から前記受信装置までの間で,光信号が現用伝送路または予備伝送路のいずれで伝送されているかを表す伝送路状態の組み合わせと,前記プリエンファシス部の調整量とを対応させた制御データを記憶する記憶部と,前記伝送路状態と前記制御データに基づいて前記プリエンファシス部による各波長の信号のレベル調整を制御する制御部と,を備えていることを特徴とする。
本発明の第4の側面によっても,切り替え後に各波長の信号のレベルを再度調整するので,伝送路の切り替えに伴う光信号の受信品質の劣化を防ぐことができる。
本発明の第5の側面による光切り替え装置は,2つの伝送路の一方の側に切り替えられ,切り替えられた側の伝送路から光信号を入力する光スイッチと,前記光スイッチから出力される光の遮断を検出すると,ダミー光を出力するダミー光出力部と,を備えている。
本発明の第5の側面によると,ダミー光を送出することにより,伝送路の切り替えに伴う光サージの発生を防ぐことができる。
発明を実施するための最良の形態
<波長分割多重光通信システムの構成>
図1は,本発明の一実施の形態による波長分割多重光通信システム(WDM(Wavelength Division Multiplex)光通信システム)の全体構成を示すブロック図である。このWDM光通信システムは,光伝送装置として,端局1および1,ならびに1または2以上の中継局2〜2n−1(nは2以上の整数)を有する。また,このWDM光通信システムは,光伝送路して,光ファイバにより構成された伝送路F01〜F0n,F11〜F1n,R01〜R0n,およびR11〜R1nを有する。
端局1および1ならびに中継局2〜2n−1の隣接するもの同士の間は,スパンと呼ばれる。図1のWDM光通信システムでは,n個のスパンSP1〜SPnが形成されている。これらスパンSP1〜SPnには,伝送路F01〜F0n,F11〜F1n,R01〜R0n,およびR11〜R1nが設けられ,隣接する局同士を接続している。
端局1および1は,送信側端局および受信側端局を兼用している。中継局2〜2n−1は,両端局1および1の間で送受信される光信号(WDM光信号)を増幅して中継するものである。
伝送路F01〜F0n(以下「伝送路F0」という。)およびF11〜F1n(以下「伝送路F1」という。)は,端局1(送信側端局)から送信された光信号が中継局2〜2n−1を経由して端局1(受信側端局)に送信される際に使用される伝送路である。このうち,伝送路F0は現用伝送路(現用回線,現用系,0系,Work)であり,伝送路F1は現用伝送路に障害(切断,経年変化による劣化,ノイズの増加等)が発生した場合に使用される予備伝送路(予備回線,予備系,1系,Protection)である。
伝送路R01〜R0n(以下「伝送路R0」という。)およびR11〜R1n(以下「伝送路R1」という。)は,端局1から送信されたWDM光信号が中継局2n−1〜2を経由して端局1に送信される際に使用される伝送路である。このうち,伝送路R0は現用伝送路であり,伝送路R1は現用伝送路に異常が発生した場合に使用される予備伝送路である。
以下では,端局1から端局1に向かう方向をフォワード方向といい,この逆の端局1から端局1に向かう方向をリバース方向という。また,端局1および1を総称する場合には「端局1」と略記し,中継局2〜2n−1を総称する場合には「中継局2」と略記する。さらに,端局1および中継局2の両者を総称する場合には「局」と呼ぶ場合もある。
なお,光ファイバには,シングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber),零分散ファイバ(分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shift Fiber)),ノンゼロ分散シフトファイバ(NZDSF:Non−Zero Dispersion Shift Fiber),DCF等が含まれる。
図2は,端局1の詳細な構成を示すブロック図である。ここでは,端局1の構成を説明するが,端局1も端局1と同じ構成を有するので,以下の説明は,端局1にも同様に当てはまるものである。
端局1は,可変光減衰器(VAT:Variable Optical Attenuator)10〜10,光合波器11,光分波器12,送信用光増幅器(TAMP)13,受信用光増幅(RAMP)14,WDMフィルタ17および18,光スペクトルアナライザ15および16,光監視チャネル(OSC:Optical Supervisory Channel)処理/制御部19,ならびに光スイッチ(OSW:Optical Switch)部20を有する。
また,光スイッチ部20は,光スイッチ(OSW:Optical Switch)(スパンスイッチ)21および22,WDMフィルタ23および24,ダミー光発生部25,光ダイオード(PD:Photo Diode)26,ならびに断/回復検出部27を有する。
VAT10〜10の個数mは,2以上の整数であり,WDMにより多重化される通信信号の波長数(すなわちチャネル数)を表す。たとえば,m=80,160,176等である。
VAT10〜10には,通信信号である波長λ1〜λmの光信号がそれぞれ入力される。波長λ1〜λmの光信号は,たとえば1528nm〜1568nmのCバンド(Conventional band)の波長帯域に割り当てられる。VAT10〜10は,光スペクトルアナライザ15により制御される減衰量によって,入力される光信号を減衰または増幅し,減衰または増幅された光信号を光合波器11に与える。このVAT10〜10による各波長の光信号の減衰または増幅は,後に詳述するプリエンファシス制御と呼ばれる。
光合波器11は,たとえばAWG(Arrayed Waveguide Grating:導波路型格子アレイ),ファイバグレーティング,WDMカプラ等により構成される。この光合波器11は,VAT10〜10を介して入力される波長λ1〜λmの光信号をWDMにより多重化し,多重化後の光信号(以下「WDM光信号」という。)をTAMP13に与える。
TAMP13は,たとえば光信号を直接増幅するエルビウムドープファイバアンプ(EDFA:Erbium−Doped Fiber Amplifier)等および出力パワー(出力電力,出力レベル)を制御する自動制御回路を有し,OSC処理/制御部19の制御の下,入力されたWDM光信号を,ASE(Amplified Spontaneous Emission)補正された出力レベルを有する光信号に増幅する。ASE補正については,後に詳述する。
TAMP13により増幅されたWDM光信号の大部分は,WDMフィルタ17を介してOSW部20に与えられ,残りの一部は,光スペクトルアナライザ15に与えられる。
光スペクトルアナライザ15は,TAMP13から与えられたWDM光信号に含まれる各波長の信号強度(電力,パワー)および光信号対雑音比(OSNR:Optical Signal to Noise Ratio)を測定し,OSC処理/制御部19の制御の下,VAT10〜10の減衰量を調整する。
OSC処理/制御部19は,隣接する中継局2に送信するOSC信号をWDMフィルタ17に与えるとともに,中継局2から受信されたWDM光信号に含まれるOSC信号をWDMフィルタ18から受け取り,所定の処理を行う。OSC信号には,Cバンドにおいて,波長λ1〜λmとは異なる波長が割り当てられ,OSC信号も,TAMP13からのWDM光信号内にWDMにより多重化される。
また,OSC処理/制御部19は,OSW部20(OSW21および22ならびに断/回復検出部27),光スペクトルアナライザ15,TAMP13,RAMP14等を制御する。これらOSC処理/制御部19の処理および制御の詳細については,後に詳述する。
WDMフィルタ17は,TAMP13から与えられたWDM光信号に,OSC処理/制御部19から与えられたOSC信号を多重化し,多重化後のWDM光信号をOSW部20のOSW21に与える。
OSW21は,OSC処理/制御部19により現用伝送路F0(端局1の場合は伝送路R0)側または予備伝送路F1(端局1の場合は伝送路R1)側の一方に切り替えられる。WDMフィルタ17からOSW21に入力された,複数の波長の光信号を有するWDM光信号は,一括して,切り替えられた側の伝送路に出力され,切り替えられた側の伝送路を介して中継局2(端局1の場合は中継局2n−1)に送信される。
一方,OSW部20のOSW22は,OSC処理/制御部19により,現用伝送路R0(F0)または予備伝送路R1(F1)のうちWDM信号(通信信号およびOSC信号)が伝送されて来る側に切り替えられる。
中継局2(2n−1)から現用伝送路R0(F0)または予備伝送路R1(F1)の一方を介してOSW22に入力されたWDM光信号は,WDMフィルタ24および23を介して,WDMフィルタ18に入力される。
WDMフィルタ18は,入力されたWDM光信号からOSC信号を分離し,分離したOSC信号をOSC処理/制御部19に与え,残りの通信信号(WDM光信号)をRAMP14に与える。
RAMP14は,TAMP13と同様に,EDFA等および自動制御回路を有し,OSC処理/制御部19の制御の下,入力されたWDM光信号を,ASE補正された出力パワー(レベル)を有する光信号に増幅する。増幅後のWDM光信号の大部分は,光分波器13に与えられ,残りの一部は,光スペクトルアナライザ16に与えられる。
光スペクトルアナライザ16は,OSC処理/制御部19の制御の下,RAMP14から与えられたWDM光信号に含まれる各波長の信号強度(パワー)およびOSNRを測定し,測定された信号強度およびOSNRをOSC処理/制御部19に与える。
光分波器12は,光合波器11と同様に,たとえばAWG,ファイバグレーティング,WDMカプラ等により構成され,入力されたWDM信号を波長λ1〜λmの各波長の光信号に多重分離し,多重分離された光信号を図示しない後段の装置に与える。
OSW部20のWDMフィルタ24は,OSW22から入力されたWDM光信号の一部をPD26に与える。PD26は,入力された光信号を電気信号に変換し,該電気信号を断/回復検出部27に与える。
断/回復検出部27は,PD26からの電気信号に基づいてWDM光信号の遮断および回復を検出し,遮断を検出した場合には,ダミー光発生部25に光(ダミー光)の出力を指示する信号を与え,回復を検出した場合には,ダミー光の出力の停止を指示する信号を与える。
ダミー光発生部25は,断/回復検出部27の制御の下,ダミー光を出力する。ダミー光は,WDM光信号が遮断した場合に伝送される代用の光である。このダミー光は,WDM光信号の波長λ〜λとは異なる波長と所定のパワーを有する光である。たとえば,ダミー光の波長として,Cバンドにおける短波長側または長波長側の波長が用いられる。また,所定のパワーは,WDM光信号とほぼ同じパワーであることが好ましい。ダミー光発生部25から出力されたダミー光は,WDMフィルタ23および18を介してRAMP14に入力される。このダミー光の伝送処理については,後に詳述する。
図3は,中継局2(i=1〜n−1)の詳細な構成を示すブロック図である。中継局2は,OSW部30および40,WDMフィルタ51〜54,中継用光増幅器(LAMP)55および56,ならびにOSC処理/制御部57および58を有する。
OSW部30は,OSW31および32,WDMフィルタ33および34,ダミー光発生部35,PD36,ならびに断/回復検出部37を有する。また,OSW部40は,OSW41および42,WDMフィルタ43および44,ダミー光発生部45,PD46,ならびに断/回復検出部47を有する。これらOSW部30および40の構成および機能は,前述したOSW部20のものと同じであるので,ここではその詳細な説明を省略する。
OSW部30には,隣接する端局1または隣接する中継局2i−1から現用伝送路F0または予備伝送路F1を介してWDM光信号(通信信号およびOSC信号)が入力される。
入力された光信号は,WDMフィルタ51に与えられ,通信信号とOSC信号とに分離される。通信信号はLAMP55に入力され,OSC信号はOSC処理/制御部57に入力される。
LAMP55は,前述したTAMP13またはRAMP14と同様に,EDFA等および自動制御回路を有し,OSC処理/制御部57の制御の下,入力されたWDM光信号を,ASE補正(後に詳述)された出力パワー(レベル)を有する光信号に増幅する。
増幅後のWDM光信号は,WDMフィルタ53によりOSC信号が多重化された後,OSW部40に与えられ,伝送路F0またはF1を介して,隣接する中継局2i+1または端局1に送信される。
OSC処理/制御部57は,隣接する中継局2i−1に送信するOSC信号をWDMフィルタ52に与えるとともに,中継局21−1から受信されたWDM光信号に含まれるOSC信号をWDMフィルタ51から受け取り,所定の処理(後に詳述)を行う。また,OSC処理/制御部57は,OSW部30(OSW31および32ならびに断/回復検出部37),LAMP55,56等を制御する(後に詳述)。
一方,OSW部40には,隣接する端局1または隣接する中継局2i+1から現用伝送路R0または予備伝送路R1を介してWDM光信号(通信信号およびOSC信号)が入力される。
入力された光信号は,WDMフィルタ54に与えられ,通信信号とOSC信号とに分離される。通信信号はLAMP56に入力され,OSC信号はOSC処理/制御部57に入力される。
LAMP56は,前述したLAMP55と同様の構成を有し,同様の処理を行う。LAMP55により増幅されたWDM光信号は,WDMフィルタ52によりOSC信号が多重化された後,OSW部30に与えられ,伝送路R0またはR1を介して,隣接する中継局2i−1または端局1に送信される。
OSC処理/制御部58は,隣接する中継局2i+1に送信するOSC信号をWDMフィルタ53に与えるとともに,中継局21+1から受信されたWDM光信号に含まれるOSC信号をWDMフィルタ54から受け取り,所定の処理(後に詳述)を行う。また,OSC処理/制御部58は,OSW部40(OSW41および42ならびに断/回復検出部47),LAMP55,56等を制御する(後に詳述)。
図4は,OSCの構造の一例を示している。OSCは,局間監視用通信回線(DCC),オーダワイヤ回線(OW),波長数情報,ASE補正情報,スイッチ状態(SW状態),制御バイト,および複数のプリエンファシス情報の各フィールドを有する。
「波長数情報」は,伝送されている通信信号に多重されているチャネル数(すなわち波長数)をベクトル表示により表した情報である。この波長数情報は,送信側端局1のOSC処理/制御部19(図2参照)が,多重されるチャネル数を波長情報フィールドに書き込み,下流側の隣接する中継局2に送信する。中継局2は,OSCからこの波長数情報を一旦取り込み,再びOSCの波長数情報フィールドにこの情報を書き込み,下流側の中継器2に送信する。これが繰り返され,最終的に受信側端局1のOSC処理/制御部19がOSCからこの波長数情報を取り込む。
「ASE補正情報フィールド」には,後述するASE補正量,LAMPまたはRAMPに入力される光信号のパワーの変化等が書き込まれる。
「SW状態フィールド」には,端局1および1ならびに中継局2〜2n−1の各OSWの状態が書き込まれる。OSWの状態は,OSWが現用伝送路側に切り替えられている場合には0で表され,予備伝送路側に切り替えられている場合には1で表される。
「制御バイトフィールド」は,コマンド部およびSW切り替え要求表示部を有する。コマンド部に設定されるコマンドには,切り替え事前通知コード,切り替えトリガコード,ASE補正完了通知コード,プリエンファシス制御要求コード等が格納される。これらのコードの意味については後述する。
「プリエンファシス情報フィールド」には,WDM光信号(通信信号)のチャネル数分設けられ,各チャネルのプリエンファシス制御,すなわちVAT10〜10の減衰量の増減を指示するデータが書き込まれる。
OSC信号は各局で終端する。すなわち,OSC信号は,各局のOSC処理/制御部によってWDM光信号に多重化され,次局のOSC処理/制御部よりWDM光信号から取り出される。そして新たなOSC信号が該次局のOSC処理/制御部よりWDM光信号に多重化され,さらに次局に送信される。
<ダミー光の送出処理>
OSWを現用伝送路側(以下「0系」という。)から予備伝送路側(以下「1系」という。)へ,または,1系から0系へ切り替える場合に,切り替えが実行されている間,OSWにおいて光信号が遮断され,したがってOSW間の伝送路には光信号(WDM光信号)が伝送されない。すなわち,切り替えが実行されている間,光信号の遮断(光断)が起こる。これにより,遮断の間,受信側の光増幅器(中雄局2のLAMP25または26,および,端局1のRAMP14)には,光信号が入力されない。
そして,切り替えが完了すると,再び光信号がOSWから伝送路に出力され,光増幅器に入力される。
このように,光増幅器に入力される光が遮断し,遮断後再び入力されると,光増幅器は,遮断の間に蓄積したエネルギーを,遮断後,入力された光信号の増幅後の光信号とともに一気に送出するおそれがある。すなわち,光増幅器が光サージを発生するおそれがある。この光サージにより,伝送路(光ファイバ)が破損する(たとえば溶ける)おそれがある。
特に,WDM光信号を増幅する光増幅器は,複数のチャネルのパワーが加算された光信号を出力するので,出力される光信号自体のパワーが大きく,このパワーに光サージが上乗せされると,伝送路が破損するおそれが高い。
このような光サージの発生を防止し,伝送路を保護するために,本実施の形態では,OSWの切り替えの間,ダミーとなる光が受信側の光増幅器(LAMP25,26,RAMP14)に入力される。
このダミー光の送出は,前述したように,OSW部20(30,40)の断/回復検出部27(37,47)およびダミー光発生部25(35,45)により行われる(図2および図3参照)。
図5は,ダミー光の送出処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンス図は,一例として,端局1(上流側局)と中継局2(下流側局)との間の伝送路が伝送路F0からF1に切り替えられた場合の処理を示している。すなわち,OSW部20のOSW21(図2参照)およびOSW部30のOSW32(図3参照)が0系から1系に切り替えられる。
まず,上流側局のOSC処理/制御部19は,自己のOSW21の切り替えをこれから行う場合に,その隣接した下流側局に切り替え事前通知(すなわちOSCの制御バイト(図5参照)フィールドのコマンド部に書き込まれる切り替え事前通知コード)を送信し,切り替えが行われることを下流側局のOSC処理/制御部57に事前に通知する(ステップS1)。
切り替え事前通知コードには,切り替えを実行する局の識別情報,OSW21または22のいずれが切り替えられるかを示すOSW識別情報,および0系から1系への切り替えか,1系から0系か切り替えかを示す切り替え方向が含まれている。ここでは,端局1の識別情報,OSW21の識別情報,および0系から1系への切り替え方向が含まれている。これにより,下流側局のOSC処理/制御部57は,OSW21に対応するOSW32を切り替える必要があることを知る。
続いて,上流側局のOSC処理/制御部19は,切り替えトリガ信号(OSCの制御バイトのコマンド部に書き込まれる切り替えトリガコード)を下流側局のOSC処理/制御部57に送信する(ステップS2)。この切り替えトリガ信号は,上流側局のOSW52の切り替えタイミングと,下流側局のOSW32の切り替えタイミングとのずれを小さくするためのものである。
切り替えトリガ信号の送受信により,上流側局のOSC処理/制御部19はOSW21を0系から1系に切り替え,下流側局のOSC処理/制御部57はOSW32を0系から1系に切り替える(ステップS3,S4)。これらの切り替えにより,上流側局から下流側局に向かう伝送路が現用伝送路F0から予備伝送路F1に切り替わる。
この切り替え開始から切り替え終了までの間,OSW21の出力光およびOSW32の出力光は遮断される。その結果,下流側局のOSW部30のPD36に入力される光も遮断し,これにより,PD36から断/回復検出部37に入力される電気信号のパワー(レベル)も低くなる。
下流側局のOSC処理/制御部57は,受信されたOSCに含まれる波長数情報に基づいて,チャネル数mの値を断/回復検出部37にあらかじめ与えている。断/回復検出部37は,与えられたチャネル数mの値を内部の記憶装置(半導体メモリ等)に記憶する。また,断/回復検出部37は,1チャネル(1波長)の信号が伝送されているかどうかを判断するための閾値(パワー値)をその内部メモリに記憶している。
断/回復検出部37は,PD36からの電気信号のパワーを,記憶されたチャネル数mで除算し,1チャネルあたりの電気信号のパワーを求める。そして,断/回復検出部37は,この1チャネルあたりのパワーと記憶された閾値とを比較し,前者が後者よりも小さい場合には,光信号が遮断している(すなわち伝送されていない)と判断し,前者が後者以上の場合には,光信号が遮断していない(すなわち伝送されている,または,回復した)と判断する。
断/回復検出部37は,光信号が遮断していると判断すると,ダミー光発生部35にダミー光の出力を指令する。これにより,ダミー光発生部35はダミー光をWDMフィルタ33に出力する(ステップS5)。ダミー光は,WDMフィルタ33および51を介してLAMP55に入力される。その結果,LAMP55の入力光が遮断する事態を防ぐことができる。
LAMP55はこのダミー光を増幅し,出力する。したがって,LAMP55の後段に続く光増幅器(後段の中継局2のLAMP55および受信側端局1のRAMP14にもダミー光が入力され,後段の光増幅器の入力光が遮断する事態を防ぐことができる。
一方,遮断後,OSW21および32の切り替えが完了し,再びWDM光信号がOSW32から出力されると,PD36から出力される電信号のパワーが上昇する。これにより,断/回復検出部37は,光信号が遮断していない(すなわち回復した)と判断する。この判断により,断/回復検出部37は,ダミー光発生部35にダミー光の出力の停止を指令する。これにより,ダミー光発生部35はダミー光の出力を停止する(ステップS6)。その結果,WDM光信号のみが,LAMP55に入力されることとなる。
このように,WDM光信号がOSW32からLAMP55に入力されない状態でも,LAMP55およびその後段(下流側)の光増幅器には,ダミー光が入力されるので,光増幅器による光サージの発生が防止される。
また,ダミー光は,WDM光信号が遮断している場合にのみ出力されるので,電力コストの増大等を抑制することができる。
なお,切り替え事前通知および切り替えトリガ信号は,下流側局から上流側局に送信されてもよい。
また,ここでは,端局1と中継局2との間のフォワード方向の伝送路の切り替えを例に説明したが,リバース方向の伝送路の切り替えにおけるダミー光の送出処理については,上流側局と下流側局が入れ替わるだけで,上述した処理と同様の処理が行われる。たとえば,端局1の断/回復検出部27がPD26からの電気信号に基づいて光信号の断/回復を判断し,この判断に従って,ダミー光発生部25のダミー光の出力/停止を制御する。また,中継局2と中継局2i+1との間のフォワード方向の伝送路の切り替えおよびリバース方向の伝送路の切り替え,中継局2n−1と端局1との間のフォワード方向の伝送路の切り替えおよびリバース方向の伝送路の切り替えにおけるダミー光の送出処理についても,同様である。
<ASE補正>
OSWが切り替えられ,ことに伴い,伝送路の損失が変化すると,光増幅器に入力されるパワー(入力レベル)が変化する。入力レベルが変化すると,光増幅器が発生するASE光のレベルが変化し,後段の光増幅器の増幅に悪影響を与えるおそれがある。このような悪影響は,ASE補正によって解決することができる。
図6は,ASE補正の説明図であり,説明を分かり易くするために,送信側の端局1ならびにその下流側の中継局2および2の光増幅器(TAMP19および2つのLAMP55)および光増幅器間に配置されたOSWおよび伝送路の部分のみを示すブロック図である。
前段の光増幅器A1は端局1のTAMP13,中段の光増幅器A2は中継局2のLAMP25,後段の光増幅器A3は中継局2のLAMP25に対応する。
各光増幅器A1〜A3(および他の中継器および端局に含まれるすべての光増幅器)は,自動レベル制御((ALC:Automatic Level Control)を実行する。このALCとは,光増幅器が自己に入力される光信号のパワー(入力レベル)(単位[W]または[mW])と自己から出力される光信信号のパワー(出力レベル)(単位[W]または[mW])とをモニタリングし,出力レベルが目標レベルとなるように増幅率(dB表記では「増幅量」と呼ばれる。)を制御することをいう。
光増幅器A1に入力される通信信号は,光増幅器A1により増幅され,出力される。光増幅器A1の増幅率をG1,1チャネル分の通信信号のパワー(レベル)をPin0,波長多重数をm,出力レベルをPout1とすると,出力レベルPout1は,雑音成分が含まれない場合には,Pout1=G1・m・Pin0となる。したがって,光増幅器A1は,目標レベルをG1・m・Pin0としてALCを実行する。
しかし,光増幅器A1が入力光信号を増幅し出力する際に,ASE(Amplified Spontaneous Emission)光(ノイズ成分)を同時に出力する。このASE光のため,出力レベルPout1は,
Figure 0003905083
となる。ここで,Pase1はASE(Amplified Spontaneous Emission)光(ノイズ成分)のレベル(ASEレベル)である。また,Pin1はm個の入力光信号のトータルのレベルm・Pin0である。
したがって,光増幅器A1は,目標レベルをG1・Pin1+Pase1としてALCを実行する必要がある。
ここで,出力光に含まれる通信信号のレベル(信号レベル)G1・Pin1は,光信号が伝送路による減衰を受けても,受信側でエラーを生ずることなく受信できるようにするために,所定のレベル(Sとする。)とする必要がある。すなわち,
Figure 0003905083
また,所定のレベルSは,1チャネルあたりの光信号の所定のレベル(Psigとする。)に多重されるチャネル数mを乗じた値である。すなわち,
Figure 0003905083
光増幅器A1(および他の光増幅器)には,1チャネルの所定のレベルPsigがあらかじめ記憶されており,光増幅器A1(および他の光増幅器)は,Psigに多重化されるチャネル数mを乗じることにより,所定の値Sを求める。
上記式(1)〜(3)から,
Figure 0003905083
となる。
一方,ASEレベルPase1は,
Figure 0003905083
により表される。hはプランク定数,νはASE光の周波数,Bは光増幅器A1の利得帯域である。また,Nfは,光増幅器A1の雑音指数(Noise Figure)であり,入力レベルPin1により変化するが,入力レベルPin1に基づいて(たとえば計算式,または,Pin1とNf値との対応表に基づいて)求めることができる。
光増幅器A1(および他の光増幅器)は,式(5)と,Nfを求めるための計算式または対応表とを保持し,自己のASEレベルPase1を求める(他の光増幅器も同じ)。
したがって,光増幅器A1は,レベルm・PsigおよびPase1を求め,これらから目標レベルPout1を式(4)に従って求め,そして,求められた目標レベルPout1と,モニタリングされる出力レベルとが等しくなるようにALCを実行することとなる。これにより,光増幅器A1の出力光に含まれる通信信号のレベルを所定のレベルSとすることができる。
このように目標レベルを,信号レベルS=G1・Pin1にASEレベルを加えた(G1・Pin1+Pase1)となるように補正することをASE補正と呼ぶ。そして,
Figure 0003905083
をASE補正率という。
なお,光増幅器A1は,所定のレベルS(=G1・Pin1)にASE補正率η1を乗じることによっても,目標レベルを求めることができる。
光増幅器A1から出力された光信号は,OSW21,現用伝送路F0,およびOSW32を介して光増幅器A2に入力される。この時,光信号は,現用伝送路F0により所定の減衰(減衰率L1とする。)を受ける。
したがって,光増幅器A2に入力される光信号のレベルをPin2とすると,
Figure 0003905083
Figure 0003905083
となる。
光増幅器A2の増幅率をG2,目標レベル(出力レベル)をPout2,ASEレベルをPase2とすると,
Figure 0003905083
光増幅器A2においても,出力光に含まれる通信信号のレベルが所定のレベルS(=G1・Pin1)となる必要がある。前記式(8)において,信号レベルはG2・G1・Pin1/L1であるので,
Figure 0003905083
であればよい。すなわち,G2=L1であればよい。よって,
Figure 0003905083
したがって,光増幅器A2は,出力レベルをモニタリングし,その出力レベルが式(10)の値(目標レベル)となるようにALCを実行することとなる。
ここで,光増幅器A2には,光増幅器A1と同様に,Psigの値があらかじめ記憶されており,したがって,光増幅器A2は,上流局(ここでは端局1)からOSCの波長数情報により与えられたチャネル数mをPsigに乗じることにより,所定のレベルS=G1・Pin1を求めることができる。また,光増幅器A2は,自己が出力するASEレベルPase2も,前記式(5)に従って求めることができる。
これに対し,ASEレベルPase1は前段の光増幅器A1のものであるので,光増幅器A2は求めることができない。このため,光増幅器A2は,前段の光増幅器A1のASEレベルPase1を,前段の光増幅器A1からもらうことにより,式(10)の目標レベルを求めることとなる。
なお,光増幅器A2のASE補正率をη2とすると,
Figure 0003905083
となり,光増幅器A2は,所定のレベルS(=G1・Pin1)にASE補正率η2を乗じることによっても,目標レベルを求めることができる。
後段の光増幅器A3についても同様に,目標レベル(出力レベル)Pout3は,
Figure 0003905083
となる。G3は光増幅器A3の増幅率,Pase3は光増幅器A3のASEレベル,L2は光増幅器A2からA3へ向かう伝送路の減衰率である。
光増幅器A3は,中段の光増幅器A2から,光増幅器A1のASEレベルPase1および光増幅器A2のASEレベルPase2(すなわちPase1+Pase2)をもらうことにより,目標レベルPout3を求めることができ,これにより,ALCを実行する。
なお,ASE補正率η3は,
Figure 0003905083
となる。
このように各光増幅器は,上流側(前段)の光増幅器から,上流側に位置する全増幅器で累積されたASEレベルの合計値(以下「ASE補正量」という。)をもらうことにより,自己の出力信号の目標レベルを求めることができ,求められた目標レベルに基づいてALCを実行する。ASE補正量は,自己の上流側に位置する光増幅器の個数をq個,i番目の光増幅器のASEレベルをPaseiとすると,以下の式により表される。
Figure 0003905083
前段の光増幅器A1の出力レベルは前段の光増幅器A1が実行するALCにより目標レベルとなるように制御されている。したがって,伝送路F0の減衰量L1が変化しない限り,中段の光増幅器A2に入力される光信号の入力レベルも一定の値である。その結果,中段の光増幅器A2が出力するASEレベルPase2も一定の値である。
したがって,中断の光増幅器A2は,後段の光増幅器A3に,自己のASEレベルPase2(および前段の光増幅器A1のASEレベルPase1)を一度与えておけば,以後,後段の光増幅器A3は,同じASE補正量(Pase1+Pase2)に基づいてASE補正(ALC)を行うことができる。
しかし,光増幅器A1とA2との間のOSW21および32が切り替わることにより,伝送路が0系から1系または1系から0系に切り替えられた場合に,この切り替えにより,伝送路の長さ,伝送路の材質,経年変化等による伝送路のパラメータ等が変化し,光信号の減衰率L1が変化する。その結果,前記式(7)から明らかなように,中段の光増幅器A2の入力レベルPin2も変化(増加または減少)し,また,前記式(5)から明らかなように,光増幅器A2のASEレベルPase2も変化する。
光増幅器A2のASEレベルPase2が変化すると,この変化は,式(12)から明らかなように,後段の光増幅器A3およびさらにその後段に続く光増幅器(群)のALC(ASE補正)に影響を与える。
したがって,切り替えが行われた場合にも,ALCが適切に実行され,各光増幅器の出力光信号に含まれる信号レベルが所定の値Sとなるように,ASE補正を行う必要がある。このようなASE補正の方法には,以下の3つのものがある。
(1)ASE補正の第1の方法
ASE補正の第1の方法は,OSWの切り替えにより,下流側局が順次新たなASE補正量をその下流側局に送信し,下流側局は新たに受信されたASE補正量に基づいてASE補正を実行するものである。
図7は,ASE補正の第1の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンス図は,一例として,端局1(上流側局)と中継局2(下流側局N1)との間の伝送路が0系から1系に切り替えられた場合の処理を示している(図1参照)。前述した図5の処理と同じ処理には同じ符号を付し,その詳細な説明を省略する。
上流側局からの切り替え事前通知および切り替えトリガ信号の送信(ステップS1,S2)によって,上流側局のOSW21および下流側局N1のOSW32が0系から1系に切り替えられ,両局の間の伝送路は伝送路F0からF1に切り替わる(図2および図3参照,以下同じ)。
なお,この切り替えが行われている間,下流側局N1は,前述したダミー光の送出処理を実行している。また,この切り替え事前通知は,下流側局N1からNn−1(中継局2〜2n−1)が,順次隣接する下流側局N2〜Nn(中継局2〜2n−1,端局1)に送信してもよい(ステップS14,S15)。この場合に,切り替え事前通知は,各中継局2〜2n−1のOSC処理/制御部58によって,OSCの制御バイトのコマンド部に切り替え事前通知コードして格納され,WDMフィルタ53を介して送信される。
切り替え完了後,下流側局N1のLAMP55(図6では光増幅器A2)は,切り替え後の入力レベルPin1に基づいて,自己のASEレベルPase2を前記式(5)に従って計算し,計算により求められた自己のASEレベルPase2と上流側局から与えられたASE補正量Pase1とからASE補正量(Pase1+Pase2)を求める。そして,LAMP55は,求められたASE補正量に基づいて目標レベルを求め,この目標レベルに従ってALCを実行する(ステップS11)。
なお,上流側局のASE補正量Pase1は,このWDM光通信システムの立ち上げ時等において初期値として下流側局のLAMP55に与えられ,記憶されているものである。
LAPM55は,ALCにより目標レベルに制御されたWDM光信号を下流側局N2に送信するとともに,新たに求められたASE補正量(Pase1+Pase2)をOSC処理/制御部58に与える。
OSC処理/制御部58は,LAMP55から与えられたASE補正量(Pase1+Pase2)をOSCのASE補正情報フィールドに書き込むとともに,OSCの制御バイトフィールド(コマンド部)にASE補正完了通知コードを書き込む。そして,OSC処理/制御部58は,このOSC信号をWDMフィルタ53を介して下流側局N2に送信する。
下流側局N1から送信されたOSC信号は,下流側局N2のWDMフィルタ51を介して下流側局N2のOSC処理/制御部57に与えられる。下流側局N2のOSC処理/制御部57は,OSCの制御バイトフィールド(コマンド部)にASE補正完了通知コードが含まれていることにより,ASE補正量が変化したことを知る。これにより,下流側局N2のOSC処理/制御部57は,OSCのASE補正情報フィールドからASE補正量(Pase1+Pase2)を読み出し,下流側局N2のLAMP55に与える。
下流側N2のLAMP55は,前述した下流側局N1のLAMP55と同様に,ASE補正およびALCを実行し,これらの処理により求められたASE補正量(Pase1+Pase2+Pase3)をOSC処理/制御部58に与える。このASE補正量がさらに下流側局N3に送信される。
このような処理が下流側局で順次行われて行く。
このASE補正量の下流側局への送信は,伝送路の切り替え直後に1回だけ行われればよい。各下流側局N1〜Nnは,前段の局から送信されてきた新たなASE補正量を記憶し,以後,記憶した新たなASE補正量に基づいてASE補正を行うことができるからである。また,送信を切り替え直後の1階にすることにより,各局の処理コストを抑えることができるからである。
他の任意の伝送路において切り替えが行われた場合にも,同様の処理が実行される。
そして,以後,伝送路のいずれかが切り替えられると,再び,切り替えが行われた箇所の下流に位置する局で新たなASE補正量が求められ,局間を送信される。
この第1の方法によると,切り替えにより損失等が変化しても,該変化が補償され,各局の光増幅器はASE補正を適切に行うことができる。その結果,信号レベルが所定のレベルとなるようにALCを実行することができる。また,この第1の方法は,伝送路上に光減衰器を必要とせず,どのような形態のネットワークにも適用することができる。
なお,下流側局N1は,切り替えが行われた場合に,入力レベルが変化するかどうかをモニタリングし,入力レベルが変化しない場合(すなわち切り替えの前後の伝送路の減衰率(損失)が同じ場合)には,図7に示す処理を実行しないようにすることもできる。これにより,処理コストを低減することができる。
また,ASE補正量は,式(13)に示すもの以外に,初段の光増幅器から前段の光増幅器まで累積されたASEレベルの累積値を求めることができる他の数値であってもよい。たとえば,前段の光増幅器の出力レベル(目標レベル)を示す値,出力レベルに対するASEレベルの比,出力レベルに対する信号レベルの比等の値がASE補正量として後段の光増幅器に与えられてもよい。
さらに,ステップS1およびS2の処理は,下流側局N1が実行し,切り替え事前通知および切り替えトリガ信号は,下流側局N1から上流側局に送信されてもよい(以下の第2の方法および第3の方法においても同じである)。
(2)ASE補正処理の第2の方法
ASE補正の第2の方法は,OSWの切り替えにより,上流側局が出力レベルを補正するものである。
図8は,ASE補正の第2の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンス図は,一例として,端局1(上流側局)と中継局2(下流側局N1)との間の伝送路が0系から1系に切り替えられた場合の処理を示している。前述した図5または図7の処理と同じ処理には同じ符号を付し,その詳細な説明を省略する。
上流側局からの切り替え事前通知および切り替えトリガ信号の送信(ステップS1,S2)によって,上流側局のOSW21および下流側局N1のOSW32が0系から1系に切り替えられ,両局の間の伝送路は伝送路F0からF1に切り替わる。なお,この切り替えが行われている間,下流側局N1は,前述したダミー光の送出処理を実行している。
切り替え完了後,下流側局N2のLAMP55は,入力レベル(受信レベル)を測定する。そして,LAMP55は,切り替え前の入力レベルPin20と切り替え後の入力レベルPin21との変化率ΔXを求める。
Figure 0003905083
この変化率ΔXは,伝送路の切り替えによる伝送路の減衰率の変化率ΔLに対応する。すなわち,伝送路の減衰率がL10からL11に変化した場合に,
Figure 0003905083
と考えることができる。
したがって,上流側局の光増幅器(TAMP13)が,切り替え後の出力レベルを切り替え前の出力レベルのΔL=1/ΔX倍にすることにより,下流側局N1は,切り替え前と同じ入力レベルのWDM光信号を受信することができる。
すなわち,LAMP55は,この変化率ΔXをOSC処理/制御部57に与え,OSC処理/制御部57は,OSCのASE補正情報フィールドに変化率ΔXを書き込み,上流側局に送信する(ステップS21)。
上流側局のOSC処理/制御部19は,下流側局N1からの変化率ΔXをTAMP13に与える。TAMP13は,これまでの目標レベルに1/ΔXを乗じた値を新たな目標レベルとしてALCを実行する。
下流側局N1および下流側局N2〜Nnの各光増幅器は,ASE補正量に変更がないので,既に記憶されているASE補正量に基づいて,これまで通りのASE補正を行う。
他の任意の伝送路において切り替えが行われた場合にも,同様の処理が実行される。
なお,この上流側局のTAMP13の目標レベルの変更(すなわち出力レベル変更)は,出力レベルの変更により,変更後の出力信号に含まれる信号レベル(通信信号成分のレベル)とASEレベルの比が,変更前の信号レベルとASEレベルの比に等しくなる範囲であることが好ましい。
この第2の方法によっても,切り替えにより損失等が変化しても,該変化が補償され,各局の光増幅器はASE補正を適切に行うことができる。その結果,信号レベルが所定のレベルSとなるようにALCを実行することができる。また,第2の方法は,伝送路上に光減衰器を必要とせず,どのような形態のネットワークにも適用することができる。さらに,第2の方法は,切り替えを行った2つの局のみが処理を行い,他の局は処理を行う必要はないので,処理コストを低減することができる。
なお,切り替えの前後で下流側局N1のLAMP55の入力レベルに変化がない場合(すなわち切り替えの前後の伝送路の減衰率が同じ場合)には,下流側局N1は,変化率ΔXを上流側局に送信しないようにすることもできる。これにより,処理コストを低減することができる。また,変化率ΔXは一例であり,他の値(たとえば逆数(=1/ΔX))であってもよい。
(3)ASE補正の第3の方法
ASE補正の第3の方法は,各局間の伝送路が0系側で光信号を伝送しているか1系側で光信号を伝送しているかの状態(換言すると各局のOSWの状態(0系または1系))に対応したASE補正率ηが規定されているASE補正テーブルを各局があらかじめ保持し,このASE補正テーブルに基づいて各局がASE補正およびALCを行うものである。
図10Aは,中継局2が2個(すなわち図1においてn=3)の場合の端局1ならびに中継局2および2のフォワード方向のOSWの状態を符号「0」または「1」により示したものである。符号「0」は,OSWが現用系(すなわち「0系」)に切り替えられている状態を示し,符号「1」は,OSWが予備系(すなわち「1系」)に切り替えられている状態を示している。
光信号を局間で伝送するためには,スパンの両端のOSWの状態は一致している必要がある。たとえば,スパンSP1について,端局1のOSW21が0系に切り替えられている場合には,中継局2の受信側のOSW32も0系に切り替えられている必要がある。また,端局1のOSW21が1系に切り替えられている場合には,中継局2の受信側のOSW32も1系に切り替えられている必要がある。すなわち,送信側のOSWの状態と該OSWに対応する受信側のOSWの状態とは一致している必要がある。したがって,4つの局間の3つのスパンSP1〜SP3の状態(0系または1系)を規定するOSWの状態は2=8通りとなる(一般にn個のスパンに対して2通りのOSWの状態となる)。図10Bは,このようなOSWの状態をテーブル形式で示したものである。
この8通りのOSWの状態の組み合わせに対して,あらかじめ定められたASE補正率ηのテーブルが,中継局2および2ならびに受信側端局1に設けられる。
図11は,中継局2のASE補正テーブルの一例を示している。中継局2の,フォワード方向の上流側には,送信側端局1のみが存在する。したがって,中継局2は,送信側端局1のOSW21および自局のOSW32の状態に対応した2通りのASE補正率のみを有する。これらOSW21およびOSW32が0系の場合には,ASE補正率η10が選択され,1系の場合にはASE補正率η11が選択される。そして,選択された補正率に従って目標レベルが求められる。
図12Aおよび12Bは,中継局2のASE補正テーブルの一例を示している。中継局2のフォワード方向の上流側には,送信側端局1および中継局2が存在する。したがって,送信側端局1と中継局2との間に切り替えが生じた場合のASE補正テーブル1(図12A参照)と,中継局2と中継局2との間に切り替えが生じた場合のASE補正テーブル2(図12B参照)とが設けられる。
ASE補正テーブル1は,送信側端局1のOSW21,中継局2のOSW32およびOSW41,ならびに中継局2のOSW32の状態に対応した4通りのASE補正率を有する。たとえば,送信側端局1のOSW21および中継局2のOSW32が0系であり,中継局2のOSW41および中継局2のOSW32が1系である場合には,ASE補正率η21が選択される。
ASE補正テーブル2は,中継局2のOSW41および中継局2のOSW32の状態に対応した2通りのASE補正率を有する。
図13A〜13Cは,端局1のASE補正テーブルの一例を示している。端局1のフォワード方向の上流側には,送信側端局1,中継局2および2が存在する。したがって,送信側端局1と中継局2との間に切り替えが生じた場合のASE補正テーブル11(図13A参照)と,中継局2と中継局2との間に切り替えが生じた場合のASE補正テーブル12(図13B参照)と,中継局2と端局1との間に切り替えが生じた場合のASE補正テーブル13(図13C参照)とが設けられる。
ASE補正テーブル11は8通りのASE補正率を有し,ASE補正テーブル12は4通りのASE補正率を有し,ASE補正テーブル11は2通りのASE補正率を有する。
なお,これらのASE補正率は,実験やシステムの試験運用,実際のシステムの運用等において計測された各光増幅器の入力レベル,ASE補正量等に基づき前記式(6),(11)等により求められ,各局の光増幅器(LAMP55,56,RAMP14)またはOSC処理/制御部19,57,58に記憶される。
図9は,ASE補正の第3の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンス図は,一例として,端局1(上流側局)と中継局2(下流側局N1)との間の伝送路が0系から1系に切り替えられた場合の処理を示している。前述した図5の処理と同じ処理には同じ符号を付し,その詳細な説明を省略する。
上流側局は,切り替え事前通知およびSW状態をOSCにより下流側局N1に送信する(ステップS31)。切り替え事前通知はOSCの制御バイトフィールド(コマンド部)に書き込まれ,SW状態はOSCのSW状態フィールドに書き込まれる(図4参照)。
切り替え事前通知には,前述したように,切り替えを実行する局の識別情報,OSW識別情報,および切り替え方向が含まれている。SW状態は,OSW識別情報およびOSWの状態を有する。OSWの状態は,たとえば図10Bのテーブルと同様に,OSW21が0系に切り替えられた場合には数字0で表され,1系に切り替えられた場合には数字1で表される。
下流側局N1のOSC処理/制御部57は,上流側局から送信されたOSCを受信すると,このOSCに含まれる切り替え事前通知については,自局のOSC処理/制御部58に与える。一方,このOSCに含まれるSW状態については,このSW状態に,自局のOSW32(受信側のOSW)の状態(たとえば0または1)を付加した後,自局のOSC処理/制御部58およびLAMP55に与える。
SW状態に自局のOSW32(受信側のOSW)の状態(たとえば0または1)が付加されたことにより,SW状態は{上流側局のOSW21の状態,下流側局のOSW32の状態}となる。また,LAMP55にSW状態が与えられることにより,LAMP55は,与えられたSW状態に対応したASE補正テーブルおよび該ASE補正テーブルにおけるASE補正率を選択することができる。
OSC処理/制御部58は,OSC処理/制御部57から与えられた切り替え事前通知を再びOSCに書き込む。また,OSC処理/制御部58は,自局のOSW41(送信側のOSW)の状態(たとえば0または1)を,OSC処理/制御部57から与えられたSW状態に付加し,付加したSW状態をOSCのSW状態に書き込む。そして,OSC処理/制御部58は,このOSC信号を隣接する下流側局N2に送信する(ステップS32)。
この下流側局N1のOSC処理/制御部57および58の処理と同じ処理が,下流側局N2〜Nn−1においても実行される(ステップS33)。そして,下流側局Nn(受信側端局1)に送信されたOSCには,切り替え事前通知と,上流側局のOSW21から下流側局Nn−1のOSW41までも状態を有するSW状態とが含まれる。
下流側局NnのOSC処理/制御部19は,受信したOSCのSW状態に自局のOSW22の状態を付加し,付加後のSW状態をRAMP14に与える。これにより,RAMP14は,与えられたSW状態に対応したASE補正テーブルおよび該ASE補正テーブルにおけるASE補正率を選択することができる。
切り替え事前通知およびSW状態の送信後,上流側局は,切り替えトリガ信号を下流側局N1に送信し(ステップS2),下流側局N1〜Nn−1は順次これを下流側局へ転送する(ステップS34,S33)。そして,最終的には,下流側局Nnが切り替えトリガ信号を受信する。
この切り替えトリガ信号の送受信にタイミングを合わせて,上流側局および下流側局N1はOSWを切り替えるとともに(ステップS3,S4),下流側局N1〜Nnの各光増幅器は,SW状態に対応するASE補正テーブルおよびASE補正率を選択し,選択したASE補正率により,切り替え後のASE補正を実行する(ステップS36〜S38)。
なお,この切り替えが行われている間,下流側局N1は,前述したダミー光の送出処理を実行している。
他の任意の伝送路において切り替えが行われた場合にも,同様の処理が実行される。
この第3の方法によると,ASE補正率があらかじめ定められ,これを選択することにより切り替え後のASE補正を行うことができるので,切り替え時にASE補正量等を計算により求める時間が省略され,処理時間が短縮される。
なお,ASE補正テーブルには,ASE補正率ではなく,ASE補正量が規定されていてもよいし,目標レベルが規定されていてもよい。
<プリエンファシス制御>
前述したように,送信側端局1では,VAT10〜10の減衰率(dBにより表した場合は減衰量)が光スペクトルアナライザ15により調整され,受信側端局1において受信される各波長(各チャネル)の信号の品質(OSNR)が均一となるように制御される。プリエンファシス制御が行われる。
しかし,伝送路が切り替えられ,伝送路の波長依存損失(WDL:Wavelength Dependent Loss)や介在する光増幅器の利得平坦性が変化した場合に,WDM光信号のチルトの発生の仕方が変化することがある。これにより,受信側端局1において,各波長の信号の品質(OSNR)に不均一が生じ,特定の波長の信号にエラーが発生することがある。
このOSNRの不均一を修正に均一にする方法として,プリエンファシス量を調整する方法がある。すなわち,切り替えが行われると,送信側端局1は,プリエンファシス制御を実行して,各波長(各チャネル)の信号レベルの減衰率(重み付け)を調整し直し,受信側端局1での各波長の信号のOSNRを均一となるようにする。
このプリエンファシス制御の方法には,以下の3つの方法がある。
(1)プリエンファシス制御の第1の方法
プリエンファシス制御の第1の方法は,切り替え後の各受信チャネル信号のピークパワー(ピークレベル)を受信側端局が測定し,測定したピークレベルに基づいて送信側端局のVATの減衰率の増減を送信側端局に通知し,送信側端局がこの通知に基づいてVATの減衰率を再調整するものである。
図14は,プリエンファシス制御の第1の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。このシーケンス図は,一例として,端局1(上流側局)と中継局2(下流側局N1)との間の伝送路が0系から1系に切り替えられた場合の処理を示している。前述した図5,図7等の処理と同じ処理には同じ符号を付し,その詳細な説明を省略する。
受信側端局1(下流側局Nn)の光スペクトルアナライザ16は,このWDM光通信システムの起動時に,受信信号(波長λ1〜λm)の各チャネルのOSNRおよびピークレベル(ピークパワー)を測定し,これら各チャネルのOSNRおよびピークレベルをOSC処理/制御部19に与える。OSC処理/制御部19は,与えられたOSNRおよびピークレベルを記憶する。その後,チャネル数mが変化した場合も同様に,各チャネルのOSNRおよびピークレベルが光スペクトルアナライザ16により測定され,OSC処理/制御部19に記憶される。
その後,上流側局と下流側局N1との間の伝送路がこれから0系から1系に切り替えられる場合に,切り替え事前通知および切り替えトリガ信号が,上流側局から下流側局N1〜Nnへ順次送信される(ステップS1,S2)。その後,上流側局および下流側局N1は,OSWを切り替える。なお,切り替え時には,前述したダミー光の送出処理が行われ,切り替え後,前述したASE補正が実行される。
切り替え後,光スペクトルアナライザ16は,切り替え後の各チャネル(各波長)のピークレベルを測定し,OSC処理/制御部19に与える。ASE補正完了通知が送信される場合には,このピークレベルの測定は,下流側局NnがASE補正完了通知を受信した後に行われるのが好ましい。
OSC処理/制御部19は,切り替え後に測定されたピークレベルと,起動時またはチャネル数変更時に記憶されたピークレベルと差分値をチャネルごとに求め,この差分値をプリエンファシス情報フィールドに書き込み,上流側局に送信する(ステップS41)。
上流側局のOSC処理/制御部19は,下流側局Nnから送信されたOSC信号に基づいてプリエンファシス制御を実行し,VAT10〜10の減衰率を変更するように光スペクトルアナライザ15を制御する(ステップS42)。
すなわち,OSC処理/制御部19は,チャネルi(i=1〜m)に対応するプリエンファシス情報が差分値di(>0)である場合に,チャネルiの出力レベルがdi減少するようにVAT10の減衰率を上げる一方,差分値が−di(<0)である場合には,チャネルiの出力レベルがdi増加するようにVAT10の減衰率を下げる。差分値が0の場合には,減衰率を変化させない。
このようなプリエンファシス制御は,OSNR=信号成分/ASE成分において,ASE成分を一定とみなし,ピークレベル(=信号成分+ASE成分)が起動時等によりも大きくなったチャネルについては,OSNRが向上し,起動時等よりも小さくなったチャネルについては,OSNRが悪化したものとみなすことを前提としている。このようにピークレベルの差分値を求めてプリエンファシス制御を行うことにより,OSNRを求めてOSNRが均一となるようにプリエンファシス制御を行う場合よりも短時間で信号品質を回復することができる。
このようなフィードバック制御が実行されることにより,切り替え後の各チャネルのOSNRは起動時またはチャネル数変更時に調整されたものとほぼ同じになる。その結果,伝送路の切り替えに伴う光信号の受信品質の劣化が防止され,信号のエラーの発生を防ぐことができる。
なお,他の任意の伝送路において切り替えが行われた場合にも,同様の処理が実行される。
(2)プリエンファシス制御の第2の方法
プリエンファシス制御の第2の方法は,送信側端局1が送信側端局1から受信側端局1に至るまでのOSWの状態に対応したVATの減衰率をテーブル(減衰率テーブル)により保持し,切り替え後に,このテーブルに基づいてVATの減衰率を再調整するものである。
図16は,減衰率テーブルの一例を示している。この減衰率テーブルには,図13Aに示すASE補正テーブルと同様に,送信側端局(ここでは端局1)から受信側端局(ここでは端局1)に至るまでのOSWの状態に対応したVAT10〜VAT10の各減衰率が定められている。この減衰率テーブルは,光スペクトルアナライザ15またはOSC処理/制御部19に保持される。各減衰率は,実験やシステムの試験運用,実際のシステムの運用等において求められる。
図15は,プリエンファシス制御の第2の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。図15は,一例として,下流側局N1(中継局2)と下流側局N2(中継局2)との間で伝送路が切り替えられた場合の処理を示している。
この第2の方法では,前述したASE補正の第3の方法と同様に,SW状態が送信される。SW状態は,伝送路の切り替えを行う下流側局N1から上流側(すなわち上流側局)と下流側(すなわち下流側局N2〜Nn)との双方に送信される(ステップS51)。
上流側に送信されたSW状態を受信した局は,受信したSW状態に自局のOSWの状態を追加し,追加後のSW状態をさらに上流側に送信する。そして,SW状態は,最終的に送信側端局(図15では端局1)に送信される(ステップS51)。一方,下流側に送信されたSW状態を受信した局も,受信したSW状態に自局のOSWの状態を追加し,追加後のSW状態をさらに下流側に送信する。そして,SW状態は,最終的に受信側端局(図15では端局1)に送信される(ステップS51)。受信側端局は,自局のOSWの状態をSW状態に追加した後,追加後のSW状態を送信側端局へ送信する(ステップS55)。
SW状態(および切り替え事前通知)の送信後,切り替えトリガ信号の送受信より(ステップS52),切り替えが実行される(ステップS53,S54)。
送信側端局は,上流側および下流側の双方に送信されたSW状態を受信し,結合することにより,システム全体のOSWの状態を得る。これにより,システム全体のOSWの状態に対応したVAT10〜10の減衰率を決定し,プリエンファシス制御を行う(ステップS56)。たとえば,図16の例において,SW状態が{001100}の場合には,減衰率α13〜αm3が選択され,これらの減衰率がスペクトルアナライザ15によってVAT10〜10にそれぞれ設定される。
なお,ASE補正完了通知が送信端局に送信される場合には,送信端局は,このASE補正完了通知の受信後にプリエンファシス制御を実行してもよい。また,他の任意の伝送路において切り替えが行われた場合にも,同様の処理が実行される。
この第2の方法によると,減衰率テーブルにより減衰率が直ちに求まるので,切り替え後のプリエンファシス制御を高速に行うことができる。また,この第2の方法は,受信側端局で,常時,受信チャネル信号のOSNRを測定できない場合に有効である。
(3)プリエンファシス処理の第3の方法
プリエンファシス制御の第3の方法は,前述した第1の方法において起動時またはチャネル数変更時に測定されていた各チャネルのピークレベルを,切り替え直前に測定するものである。
すなわち,図14において,下流側局Nnは,切り替え事前通知を受信すると,各チャネルのピークレベルを測定し,このピークレベルをOSC処理/制御部19に与える。OSC処理/制御部19は,与えられたピークレベルを記憶する。
その後,切り替えが行われると,光スペクトルアナライザ16は,切り替え後の各チャネル(各波長)のピークレベルを測定し,OSC処理/制御部19に与える。ASE補正完了通知が送信される場合には,このピークレベルの測定は,下流側局NnがASE補正完了通知を受信した後に行われるのが好ましい。
以後,前述した第1の方法におけるステップS41およびS42の処理が実行される。
この第3の方法によっても,伝送路の切り替えに伴う光信号の受信品質の劣化が防止される。
なお,光スペクトルアナライザ16は,一定時間間隔(たとえば100ミリ秒,200ミリ秒等)で各チャネルのピークレベルを測定することもできる。これにより,伝送路に突然の障害が発生し,切り替え事前通知を送信することなく切り替えが行われた場合であっても,切り替え前の各チャネルのピークレベルを測定することができる。また,他の任意の伝送路において切り替えが行われた場合にも,同様の処理が実行される。
<異種光ファイバによる接続>
光ファイバの分散量は,DCF,NZDSF,SMFの順に大きくなる。このため,伝送路にNZDSFが使用されている場合に,送信側端局1または中継局2から該NZDSFに入力される光信号のレベルは,SMFに対して低く抑える必要がある。したがって,現用伝送路および予備伝送路の一方がNZDSFを使用し,他方がSMFを使用している場合に,両伝送路の損失が同じであれば,伝送路に出力可能なレベルは,NZDSFを使用している伝送路へ出力できるレベルに制限され,SMFを使用している伝送路に切り替えられた場合も出力レベルは同じレベルに維持される。
しかし,伝送路の2重化を行う場合に,一方の伝送路(たとえば予備伝送路)は,他方よりも距離が長い迂回ルートであることが多い。したがって,迂回ルートがSMFを使用し,他方のルートがNZDSFを使用している場合には,SMF側の伝送路は,出力レベルを上げることができるので,SMF側の損失が大きくても光信号を伝送することができる。
よって,0系と1系との損失に応じて送信側の出力レベルを調整することによって,ASE補正だけでなく,異種ファイバでの切り替えも可能となる。あるいは,SMFはNZDSFに比べて分散量が異なるため,図17に示す構成も可能である。
すなわち,0系側がSMFを使用し,1系側がNZDCFを使用している場合に,両ファイバの分散量の相違を補償するために0系(SMF)側にDCF92が配置される。また,光増幅器(AMP)94の出力側にNZDSFの分散量を補償するためにDCF95が配置される。
以上述べた実施の形態は,WDM光通信システムについて説明したが,本発明(特にダミー光の送出処理およびASE補正に関する発明)は,単波光通信システムにも適用することができる。
また,中継局2を有する光通信システムについて説明したが,中継局2を有しない送信側端局および受信側端局のみを有するシステムにも本発明を適用できることは言うまでもない。
さらに,OSC信号に含まれるデータ(図4参照)は,WDM光信号に多重化して中継局2や端局1に送信するのではなく,他の回線により中継局および受信局に送信することもできる。たとえば,中央監視装置が端局1および中継局2とは別に設けられ,この中央監視装置に,OSC信号に含まれるデータが送信され,また,この中央監視装置から端局1および中継局2へ該データを送信することもできる。
産業上の利用の可能性
本発明は,複数の光伝送装置を有し,隣接する2つの光伝送装置が現用伝送路および予備伝送路により接続され,いずれか一方の光伝送路により光信号が伝送される光通信システムおよび該光通信システムにおける光伝送装置(送信装置(送信局),中継装置(中継局),受信装置(受信局))に利用される。特にWDM光通信システムおよび該システムの光伝送装置に利用される。
【図面の簡単な説明】
図1は,本発明の一実施の形態による波長分割多重光通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図2は,端局の詳細な構成を示すブロック図である。
図3は,中継局の詳細な構成を示すブロック図である。
図4は,OSCの構造の一例を示している。
図5は,ダミー光の送出処理の流れを示すシーケンス図である。
図6は,ASE補正の説明図である。
図7は,ASE補正の第1の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
図8は,ASE補正の第2の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
図9は,ASE補正の第3の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
図10Aは,中継局が2個の場合の端局ならびに中継局のフォワード方向のOSWの状態を符号「0」または「1」により示したものである。
図10Bは,OSWの状態をテーブル形式で示したものである。
図11,図12Aおよび12Bは,中継局のASE補正テーブルの一例を示している。
図13A〜13Cは,端局のASE補正テーブルの一例を示している。
図14は,プリエンファシス制御の第1の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
図15は,プリエンファシス制御の第2の方法の処理の流れを示すシーケンス図である。
図16は,減衰率テーブルの一例を示す。
図17は,0系と1系とで伝送路に使用される光ファイバの種類が異なる場合のシステム構成例を示すブロック図である。
図18は,伝送路を2重化した単波光通信システムの概略構成例を示すブロック図である。

Claims (23)

  1. 複数の光伝送装置を有し,隣接する2つの光伝送装置が現用伝送路および予備伝送路により接続され,いずれか一方の光伝送路により光信号が伝送される光通信システムにおける前記光伝送装置において,
    自己の光伝送装置と上流側に隣接した光伝送装置とに接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,
    前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,を備え,
    前記制御部は,自己の光伝送装置と前記上流側に隣接する光伝送装置との間,または,上流側に位置する他の2つの光伝送装置間で,光信号が伝送される伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,前記光増幅器から出力される光信号のレベルを補正する,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  2. 請求項1において,
    前記制御部は,前記光増幅器に入力される光信号に含まれる第1の雑音成分および前記光増幅器自身が発生する第2の雑音成分に基づいて前記補正を行う,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  3. 請求項2において,
    前記制御部は,前記光増幅器の出力光信号のレベルが,前記第1の雑音成分の前記光増幅器による増幅後のレベルと,前記第2の雑音成分のレベルと,前記信号成分の所定のレベルとの合計値となるように補正する,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  4. 請求項3において,
    前記第1の雑音成分の増幅後のレベルは,上流側に隣接する光伝送装置から与えられ,
    該レベルは,該第1の雑音成分の電力値であるか,または,前記光増幅器から出力される光信号の電力値,前記光増幅器から出力される光信号に対する雑音成分の比の値,もしくは前記光増幅器から出力される光信号に対する信号成分の比の値に基づいて求められる該レベルの電力値である,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において,
    前記制御部は,下流側に隣接した光伝送装置の制御部が前記補正に使用するデータを該下流側に隣接した光伝送装置に与える,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  6. 請求項5において,
    前記補正に使用するデータは,前記光増幅器の出力光信号に含まれる雑音成分の電力値,前記光増幅器の出力光信号の電力値,または,前記光増幅器の出力光信号に含まれる雑音成分の比もしくは信号成分の比の値である,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  7. 請求項1において,
    前記制御部は,前記補正を行うための補正データをあらかじめ保持し,該保持した補正データに基づいて補正を行う,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  8. 請求項7において,
    前記補正データは,切り替えが行われた伝送路および該伝送路の下流側から自己の光伝送装置までに位置する伝送路のそれぞれが現用伝送路または予備伝送路のいずれで光信号を伝送しているかを表す伝送路状態の組み合わせに対応した,前記光増幅器から出力される光信号のレベルの補正値である,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  9. 請求項8において,
    前記伝送路状態の組み合わせは,切り替えが行われた伝送路に接続された光伝送装置から順次下流側に位置する光伝送装置に送信され,該伝送路状態の組み合わせを受信した光伝送装置は,自己に接続された伝送路の伝送路状態を,受信した伝送路状態の組み合わせに付加して下流側に隣接する光伝送装置に送信する,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  10. 請求項8又は9において,
    前記補正値は,前記信号成分の所定のレベルに対する比,または,前記光増幅器の出力光信号に含まれる雑音成分の電力値である,ことを特徴とする光伝送装置。
  11. 送信側端局,1または2以上の中継局,および受信側端局を有し,前記送信側端局から送信された光信号が前記中継局を介して前記受信側端局に送信される光通信システムにおいて,
    前記送信側端局は,
    下流側に隣接した中継局に接続された前記現用伝送路または予備伝送路の一方により光信号を前記中継局の1つに送信し,
    前記中継局は,
    上流側に隣接した送信側端局または他の中継局に接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,
    前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,
    を備え,
    前記受信側端局は,
    上流側に隣接した中継局に接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,
    前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,
    を備え,
    前記中継局および前記受信側端局の制御部は,自局と前記上流側に隣接する前記局との間,または,上流側に位置する他の2つの局間で,光信号が伝送される伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,自局の前記光増幅器から出力される光信号のレベルを補正する,
    ことを特徴とする光通信システム。
  12. 複数の光伝送装置を有し,隣接する光伝送装置同士が現用伝送路および予備伝送路により接続された光通信システムにおける前記光伝送装置において,
    自己の光伝送装置と上流側に隣接した光伝送装置とに接続された現用伝送路および予備伝送路のうち,光信号が伝送される一方から入力された光信号を増幅し,信号成分および雑音成分を含む光信号を出力する光増幅器と,
    前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,
    前記光信号が入力される伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,前記上流側に隣接する光伝送装置の光増幅器の出力レベルを補正するための補正データを前記上流側に隣接した光伝送装置に送信する送信部と,
    を備えていることを特徴とする光伝送装置。
  13. 請求項12において,
    前記補正データは,切り替え前の前記光増幅器の入力レベルと切り替え後の前記光増幅器の入力レベルとの比である,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  14. 複数の光伝送装置を有し,隣接する光伝送装置同士が現用伝送路および予備伝送路により接続された光通信システムにおける前記光伝送装置において,
    入力された光信号を増幅し,自己の光伝送装置と下流側に隣接した光伝送装置とに接続された現用伝送路および予備伝送路の一方を介して該下流側に隣接した光伝送装置に,増幅後の光信号を出力する光増幅器と,
    前記光増幅器から出力される光信号に含まれる前記信号成分が所定のレベルとなるように前記光増幅器から出力される光信号のレベルを制御する制御部と,
    を備え,
    前記制御部は,前記光信号を出力する伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,前記下流側に隣接する光伝送装置から送信される補正データに基づいて,前記光増幅器から出力される光信号のレベルを補正する,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  15. 請求項14において,
    前記補正データは,前記下流側に隣接する光伝送装置に入力された光信号の切り替え前のレベルと切り替え後のレベルとの比であり,
    前記制御部は,前記前記光増幅器から出力される光信号のレベルを前記比の逆数倍に補正する,
    ことを特徴とする光伝送装置。
  16. 複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を現用伝送路または予備伝送路の一方を介して受信装置に向け送信する送信装置と,前記送信装置から送信された光信号を現用伝送路または予備伝送路の一方から受信する受信装置とを有する光通信システムにおいて,
    前記送信装置は,
    各波長の信号のレベルを調整するプリエンファシス部と,
    前記プリエンファシス部によりレベルが調整された各波長の信号を多重化して送信する送信部と,
    前記受信装置から送信された,各波長の信号のレベルを調整するための制御データに基づいて前記プリエンファシス部による各波長の信号のレベル調整を制御する制御部と,
    を備え,
    前記受信装置は,
    受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を測定する測定部と,
    前記伝送路が前記現用伝送路から前記予備伝送路へ,または,前記予備伝送路から前記現用伝送路への切り替えが行われる前に前記測定部により測定された各波長の信号の品質の初期値を記憶する記憶部と,
    前記伝送路の前記切り替えが行われると,切り替え後に受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を前記測定部に測定させ,前記品質の初期値および前記切り替え後の品質の値に基づいて前記制御データを生成し,前記送信装置に送信する送信部と,
    を備えていることを特徴とする光通信システム。
  17. 請求項16において,
    前記受信装置の前記測定部が測定する前記信号の品質は各波長の信号のピークレベルであり,前記制御データは前記初期値と前記切り替え後の値との差分値であり,
    前記送信装置の前記制御部は,前記差分値が正の値の場合には,該差分値に対応する波長の信号のレベルを該値の分だけ減少させ,前記差分値が負の値の場合には,該差分値に対応する波長の信号のレベルを該値の分だけ増加させる,
    ことを特徴とする光通信システム。
  18. 請求項16または17において,
    前記初期値は,前記受信装置の立ち上げ時または波長数が変更された時に測定された値であることを特徴とする光通信システム。
  19. 請求項16または17において,
    前記初期値は,前記切り替えの直前に測定された値であることを特徴とする光通信システム。
  20. 請求項19において,
    前記初期値は,前記切り替えの前に一定時間間隔で測定された値のうちの切り替え直前の値であることを特徴とする光通信システム。
  21. 請求項16乃至20のいずれか1項において,
    前記送信装置と前記受信装置との間に1または2以上の中継装置をさらに備え,
    前記送信装置とこれに隣接する中継装置との間,前記受信装置とこれに隣接する中継装置との間,および中継装置が2以上ある場合には隣接する中継装置間が現用伝送路および予備伝送路により接続され,前記光信号が前記送信装置から前記中継装置を介して前記受信装置へ,各局間の現用伝送路または予備伝送路の一方によって送信され,
    前記受信装置の送信部は,各局間の少なくとも1つの伝送路が現用伝送路から予備伝送路へ,または,予備伝送路から現用伝送路へ切り替えられると,切り替え後に受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を前記測定部に測定させ,前記品質の初期値および前記切り替え後の品質の値に基づいて前記制御データを生成し,前記送信装置に送信する処理を実行する,
    ことを特徴とする光通信システム。
  22. 送信装置から現用伝送路または予備伝送路によって送信され,複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を前記現用伝送路または前記予備伝送路の一方から受信する受信装置において,
    受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を測定する測定部と,
    前記伝送路が前記現用伝送路から前記予備伝送路へ,または,前記予備伝送路から前記現用伝送路への切り替えが行われる前に前記測定部により測定された各波長の信号の品質の初期値を記憶する記憶部と,
    前記伝送路の前記切り替えが行われると,切り替え後に受信された光信号に含まれる各波長の信号の品質を前記測定部に測定させ,前記品質の初期値および前記切り替え後の品質の値に基づいて,前記送信装置が各波長の送信レベルを制御するための制御データを前記送信装置に送信する送信部と,
    を備えていることを特徴とする受信装置。
  23. 現用伝送路または予備伝送路の一方によって,複数の波長の光信号が波長分割多重により多重化された光信号を受信装置に向けて送信する送信装置において,
    各波長の信号のレベルを調整するプリエンファシス部と,
    前記プリエンファシス部によりレベルが調整された各波長の信号を多重化して送信する送信部と,
    該送信装置から前記受信装置までの間で,光信号が現用伝送路または予備伝送路のいずれで伝送されているかを表す伝送路状態の組み合わせと,前記プリエンファシス部の調整量とを対応させた制御データを記憶する記憶部と,
    前記伝送路状態と前記制御データに基づいて前記プリエンファシス部による各波長の信号のレベル調整を制御する制御部と,
    を備えていることを特徴とする送信装置。
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