JP3904990B2 - キャビネットにおける扉構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャビネット本体に蝶着された扉の開閉動作により、該キャビネット本体の前面側開口部を開閉するキャビネットにおける扉構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、キャビネット本体の前面側開口部を開閉する扉として、軽量性、通気性に優れているパンチングプレートを用いたものがある。図5は従来のパンチングプレートを用いた扉の斜視図であり、扉01は剛性を増すために上下左右端が断面コ字状に折り曲げられているパンチングプレート02と、中央部に設けた断面ハット形状の補強フレーム03及びキャビネット本体に蝶着するための揺動支持金具04とで構成されている。
【0003】
パンチングプレート02と補強フレーム03との接合は、補強フレーム03の接合片03a、03bに扉の背面側からねじ05等を介して螺着していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のキャビネットにおける扉構造は扉本体にパンチングプレート02を使用しているために、補強フレーム03がパンチ孔02aを介して扉本体の中央に見えてしまい、商品価値が著しく低下するだけでなく、ねじ05先端が少しでも突出していると危険でもあった。また、補強フレーム03自体も中央に1本あるだけであるので、扉の左右の剛性力が若干不足していた。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、パンチングプレートから成る扉本体に対して、補強フレームがキャビネットの表面側から確認しにくい位置にあり、しかも扉の剛性の向上が図れるキャビネットにおける扉構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のキャビネットにおける扉構造は、キャビネット本体に蝶着された扉の開閉動作により、該キャビネット本体の前面側開口部を開閉するキャビネットにおける扉構造であって、前記扉はパンチングプレートから成る扉本体と、方形枠形状の補強フレームとから成り、前記扉本体は扉の表面となる前面板を備えると共に、その左右両端側の上下方向中間部分に該前面板の左右両側から後方側に延設された外側面板と、該両外側面板から内方側に延設された後面板と、該両後面板からさらに後方側へと延設されたの内側面板を備え、前記補強フレームの左右フレームを前記後面板後面側と内側面板外面側とにそれぞれ当接接合することを特徴としている。
この特徴によれば、補強フレームが方形枠形状であるので剛性の向上が図れ、しかも前面板の後面板後面側と内側面板外面側に左右フレームが当接接合しているため、キャビネットの表面側から補強フレームが視認しにくく、商品価値が著しく低下するようなこともない。
【0007】
上記キャビネットにおける扉構造において、前記左右フレームと前記扉本体との当接接合は、左右フレームに螺着したビスと前記後面板後面側に設けたダルマ孔による接合であることが好ましい。
このようにすると、工具を使わずに扉本体を左右フレームに容易に取り付けることができる。
【0008】
上記にキャビネットにおける扉構造おいて、前記前面板の上下両端側は後方側に延設された上下の外側面板と該上下の外側面板から内方側に延設された上下の後面板とを備えていることが好ましい。
このようにすると、扉本体の上下端においても剛性を高めることができる。
【0009】
上記にキャビネットにおける扉構造おいて、前記キャビネット本体をパンチングプレートで構成することが好ましい。
このようにすると、キャビネット自体を軽量で通気性のあるものとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて図1〜図4を参照して説明する。図1はキャビネット本体の全体斜視図、図2の(a)はキャビネット本体の片側の扉を示す分解斜視図、(b)は補強フレームにおける左右フレームの部分断面斜視図、図3はキャビネット本体の片側の扉を裏面から視た分解斜視図であり、図4の(a)は片側の扉を裏面から視た部分拡大図、(b)は図(a)のA−A断面図、(c)は図(b)のB部拡大図である。
【0011】
先ず、図1に示す1は縦長直方体の箱形に形成され前面側に開口部を有するキャビネット本体であって、このキャビネット本体1の開口部は、縦長方形に形成された観音開きの2枚の扉本体D1、D2から成る扉Dによって閉鎖されるように構成されている。
【0012】
扉Dは、多数の貫通小孔が配設されたパンチングプレートから成る上下に分割された扉本体D1、D2と、図2(a)及び図3に示すように、上下フレーム5b、5b及び左右フレーム5a、5aで方形枠状に形成し、左右フレーム5a、5aの中間部を中間連結フレーム6で連結した補強フレーム5とから構成されている。
【0013】
更に、扉本体D1、D2は、上下に分割された上部の前面板2a、2bと下部の前面板2′a、2′bから成り、上下の前面板2a、2bと2′a、2′bとの間には前面に取手8a、8aを設けた中間区画プレート8が配置されている。
【0014】
図3に示されているように、扉本体D2の裏面側は、その左右両端側の上下方向中間部分に前面板2b、2′bの左右両側から後方側に延設された外側面板12aと、これら両外側面板12aから内方側に延設された後面板12bと、これら両後面板12bからさらに後方側へと延設された内側面板12cとを備え、図4(b)、(c)に示すように、後面板12bの後面側と内側面板12cの外面側とが、補強フレーム5の左右フレーム5a、5aにそれぞれ当接接合するように構成されている。
【0015】
そして、図3に示すように、上下に分割された前面板2b、2′bの、内側面板12cに近接する後面板12bには、それぞれ左右に3個のダルマ孔14が互いに反対方向を向くように上下方向に向けて直列に配設されている。
【0016】
一方、補強フレーム5の左右フレーム5a、5aには、図2(a)に示すように、後面板12bに当接する側面に、ダルマ孔14に対応する間隔で左右3個のビスBが上下に配設されており、これらのビスBは、図2の(b)に示すように、その頭部が、左右フレーム5a、5aの当接面に対し、少なくとも後面板12bの板厚に相当する高さに突設して取付けられている。
【0017】
更に詳しくは、後面板12bに形成されるダルマ孔14は、図3に示すように、ビスBの頭部が通過可能な挿通孔と、この挿通孔に連通するようにビスBのネジ軸が通過可能な幅に形成された縦長の係止スリットとから構成されている。
【0018】
すなわち、パンチングプレートで構成される上部の前面板2bに配置されるダルマ孔14は、挿通孔の下部に係止スリットを配置し、パンチングプレートで構成される下部の前面板2′bに配置されるダルマ孔14は、挿通孔の上部に係止スリットを配置する。
【0019】
そして、上部の前面板2bは、上端部ないし下端部が外側面板12aの厚みと同一厚みとなる上下の外側面板15と、両外側面板15から内方側に延設された上下の後面板16によって縁部が折曲形成されており、キャビネット本体1の開口部上方の周縁前面に対向する上方後面板16にはマグネットMGないしダンパー機能を有するゴム等の材質で構成された弾性パッド17が隣接して取付けられており、上部の前面板2bの下端部には下方に向く舌片4が突設形成されている。
【0020】
更に、下部の前面板2′bも同様に、上端部ないし下端部が外縁部が折曲形成されており、キャビネット本体1の開口部下方の周縁前面に対向する下方後面板16にはマグネットMGないしダンパー機能を有するゴム等の材質で構成された弾性パッド17が隣接して取付けられており、上端部には上方に向く舌片4が突設形成されている。
【0021】
次に、上記のように構成された扉Dの組立手順に付き説明する。
【0022】
先ず、図4(b)に示すように、上方の前面板2aの左右3個のダルマ孔14を構成する挿通孔に、左右フレーム5a、5aに螺着した3個のビスB頭部を同時に挿通させた後、この前面板2aを上方に移動させることにより、ダルマ孔14の係止スリットにビスBのネジ軸を挿入し、図4(c)に示すように、左右フレーム5a、5aに後面板12bの後面側と内側面板12cの外面側を当接接合させることができる。下方の前面板2′aはビス頭部挿通後、下方に移動させることにより、上方の前面板2aの場合と同様に左右フレーム5a、5aと当接接合させることができる。
【0023】
次に、図2に示すように、上下に離間した前面板2a及び2′aの間に中間区画プレート8を差し込み、これを2個のネジB1を介して連結フレーム6の裏面から固定することで、前面板2a及び2′aはその移動が拘束された状態で保持される。連結フレーム6に形成されたネジB1の頭部を挿通する挿通穴は盲部材Mによって隠蔽される。
【0024】
次いで、中間区画プレート8の両端に、カバー部材10a、10bを取付けることで、中間区画プレート8の両端が隠蔽される。最後に、上記の扉本体D1、D2上下の両片側端部に蝶番Hをそれぞれ取付けることで組立が完了する。
【0025】
従って、上記のように構成されたキャビネットにおける扉構造によれば、補強フレーム5が、左右フレーム5a、5a、上下フレーム5b、5bからなる方形枠状に形成されるので剛性の向上が図れ、しかも前面板の後面板後面側と内側面板外面側に左右フレームが当接接合しているため、キャビネット本体1の表面側から補強フレーム5が視認しにくく、商品価値が著しく低下するようなこともない。
【0026】
また、左右フレーム5a、5aと上下の前面板2a、2′aあるいは他方の扉の前面板2b、2′bとの当接接合は、左右フレーム5a、5aに螺着した複数のビスBと後面板12bに設けたダルマ孔14による接合構造を採っているので、工具を使わずに上下の前面板2a、2′a及び2b、2′bを左右フレーム5a、5aに容易に取り付けることができ、組立作業効率を向上させることができる。
【0027】
更に、上下の前面板2a、2′a及び2b、2′bの上下両端側が、後方側に延設された外側面板15と、この外側面板15から内方側に延設された後面板16とを備えているので、扉本体D1、D2の上下端においても剛性を高めることができる。
【0028】
そしてまた、キャビネット本体1の扉本体D1、D2を、パンチングプレートで構成することで、キャビネット自体を軽量で通気性のあるものとすることができる。
【0029】
尚、上記実施形態では、中間区画プレート8を挟んで前面板を上下に2分割したパンチングプレートで構成した例を示して説明したが、前面板を1枚のパンチングプレートで構成することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0031】
(a)請求項1項の発明によれば、補強フレームが方形枠形状であるので剛性の向上が図れ、しかも前面板の後面板後面側と内側面板外面側に左右フレームが当接接合しているため、、キャビネットの表面側から補強フレームが視認しにくく、商品価値が著しく低下するようなこともない。
【0032】
(b)請求項2項の発明によれば、工具を使わずに扉本体を左右フレームに容易に取り付けることができる。
【0033】
(c)請求項3項の発明によれば、扉本体の上下端においても剛性を高めることができる。
【0034】
(d)請求項4項の発明によれば、キャビネット自体を軽量で通気性のあるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すキャビネット本体の全体斜視図である。
【図2】(a)はキャビネット本体の片側の扉を示す分解斜視図、(b)は補強フレームにおける左右フレームの部分断面斜視図である。
【図3】キャビネット本体の片側の扉を裏面から視た分解斜視図である。
【図4】(a)は片側の扉を裏面から視た部分拡大図、(b)は図(a)のA−A断面図、(c)は図(b)のB部拡大図である。
【図5】従来のパンチングプレートを用いた扉の斜視図である。
【符号の説明】
1 キャビネット本体
2a、2b 上前面板
2′a、2′b 下前面板
4 舌片
5 補強フレーム
5a 左右フレーム
5b 上下フレーム
6 連結フレーム
8 中間区画プレート
8a 取手
10a、10b カバー部材
12a 外側面板
12b 後面板
12c 内側面板
14 ダルマ孔
15 外側面板
16 後面板
17 弾性パッド
B ビス
B1 ネジ
D1、D2 扉本体
H 蝶番
M 盲部材
MG マグネット
Claims (4)
- キャビネット本体に蝶着された扉の開閉動作により、該キャビネット本体の前面側開口部を開閉するキャビネットにおける扉構造であって、前記扉はパンチングプレートから成る扉本体と、方形枠形状の補強フレームとから成り、前記扉本体は扉の表面となる前面板を備えると共に、その左右両端側の上下方向中間部分に該前面板の左右両側から後方側に延設された外側面板と、該両外側面板から内方側に延設された後面板と、該両後面板からさらに後方側へと延設された内側面板を備え、前記補強フレームの左右フレームを前記後面板後面側と内側面板外面側とにそれぞれ当接接合することを特徴とするキャビネットにおける扉構造。
- 前記左右フレームと前記扉本体との当接接合は、左右フレームに螺着したビスと前記後面板後面側に設けたダルマ孔による接合である請求項1に記載のキャビネットにおける扉構造。
- 前記前面板の上下両端側は、後方側に延設された上下の外側面板と該上下の外側面板から内方側に延設された上下の後面板とを備えている請求項1または2に記載のキャビネットにおける扉構造。
- 前記キャビネット本体をパンチングプレートで構成した請求項1ないし3の何れかに記載のキャビネットにおける扉構造。
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