JP2015166525A - 収納システム - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンス作業を容易化し、かつ電子錠の施解錠を確実に行うこと。
【解決手段】本体筐体11が閉じられた状態で施錠状態にある場合には本体筐体11を閉じた状態に維持する一方、解錠許可指令が与えられた場合に本体筐体11の開放を許容する電子錠30を備えた収納装置10と、与えられた認証情報が認証された場合に収納装置10の電子錠30に対して解錠許可指令を出力する認証装置70とを備えた収納システムであって、認証装置70は収納装置10とは別個の構成単位として分割し、収納装置10には、電子錠30を駆動するための電源となる二次電池35と、二次電池35と並列に接続された太陽電池モジュールとを設けた。
【選択図】図16

Description

本発明は、電子錠の駆動によって物品収納部の施解錠を行うようにした収納装置を備える収納システムに関するものである。
オフィス等の室内に設置される収納装置には、物品収納部の施錠手段として電子錠を備えるものが提供されている。電子錠は、例えば入力された認証情報が認証された場合に施錠状態から解錠状態に移行し、扉体の開閉移動を許容するように構成されている。
従来、この種の収納装置では、電子錠を駆動するための電源として二次電池等の蓄電体が多く用いられていた。電源として二次電池を適用した収納装置によれば、外部に電源を確保できない場所に設置することが可能になる等の利点がある。しかしながら、二次電池を適用した場合には、定期的に二次電池の交換作業や充電作業が必要になる等、メンテナンス作業が煩雑となる。このため、昨今においては、収納装置の前面となる扉体に太陽電池モジュールを配設し、太陽電池モジュールから出力される電力によって二次電池を充電できるようにしたものが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−230771号公報(図9)
ところで、室内に配置される収納装置にあっては、デザインの審美性を考慮した場合、太陽電池モジュールの設置面積を大きく確保することが困難である。しかも、屋外に比べて照射される光量も大きく制限されるため、太陽電池モジュールから出力される電力量も限られたものとなる。このため、電子錠の施解錠を常に確実に行うべく二次電池を十分に充電した状態とするには、収納装置の電力消費量を如何に低減できるかがきわめて重要な課題となる。
本発明は、上記実情に鑑みて、メンテナンス作業を容易化し、かつ電子錠の施解錠を確実に行うことのできる収納システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る収納システムは、物品収納部が閉じられた状態で施錠状態にある場合には前記物品収納部を閉じた状態に維持する一方、解錠許可指令が与えられた場合に前記物品収納部の開放を許容する電子錠を備えた収納装置と、与えられた認証情報が認証された場合に前記収納装置の電子錠に対して解錠許可指令を出力する認証装置とを備えた収納システムであって、前記認証装置は前記収納装置とは別個の構成単位として分割し、前記収納装置には、前記電子錠を駆動するための電源となる蓄電体と、前記蓄電体と並列に接続された太陽電池モジュールとを設けたことを特徴とする。
また本発明に係る収納システムは、物品収納部が閉じられた状態で施錠状態にある場合には前記物品収納部を閉じた状態に維持する一方、解錠許可指令が与えられた場合に前記物品収納部の開放を許容する電子錠を備えた複数の収納装置と、与えられた認証情報が認証された場合に該当する収納装置を特定し、特定した収納装置の電子錠に対して解錠許可指令を出力する認証装置とを備えた収納システムであって、前記認証装置は前記複数の収納装置とは別個の構成単位として分割し、個々の収納装置には、それぞれの電子錠を駆動するための電源となる蓄電体と、前記蓄電体と並列に接続された太陽電池モジュールとを設けたことを特徴とする。
また本発明は、上述した収納システムにおいて、前記太陽電池モジュールと前記蓄電体との間を接続する電路には、前記蓄電体から前記太陽電池モジュールへの電流の流れを阻止する整流素子のみを介在させたことを特徴とする。
また本発明は、上述した収納システムにおいて、前記収納装置の上半部分に前記太陽電池モジュールを配設したことを特徴とする。
本発明によれば、認証装置を収納装置とは別個の構成単位として分割し、収納装置としての電力消費量を低減するようにしているため、収納装置に設けた太陽電池モジュールであっても蓄電体を充電することが可能となり、電子錠の施解錠を確実に行うことができるようになる。
図1は、本発明の実施の形態である収納システムに適用する収納装置の外観を示す斜視図である。 図2は、図1に示した収納装置の正面図である。 図3は、図1に示した収納装置に適用する扉体を内表面側から見た図である。 図4は、図3に示した扉体において太陽電池モジュールを裏板部材によって覆った状態の図である。 図5は、図3に示した扉体の要部断面側面図である。 図6は、図3に示した扉体の要部断面底面図である。 図7は、図1に示した収納装置に適用する太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールを保持する保持部材を表面から見た図である。 図8は、図7に示した保持部材を裏面から見た図である。 図9は、図7に示した保持部材が拘束姿勢となった状態の断面側面図である。 図10は、図7に示した保持部材が解除姿勢となった状態の断面側面図である。 図11は、図7に示した保持部材を扉体の窓孔に配置した状態の断面俗面図である。 図12は、図7に示した保持部材に外力を加えて解除姿勢となった状態の要部斜視図である。 図13は、太陽電池モジュールを保持した保持部材を扉体の窓孔に対向させた状態の要部斜視図である。 図14は、太陽電池モジュールを保持した保持部材を扉体の窓孔に取り付けた状態の要部斜視図である。 図15は、図1に示した収納装置に適用する電子錠と蓄電体及び太陽電池モジュールとの接続態様を示す回路図である。 図16は、図1に示した収納装置を適用した収納システムの制御系を示すブロック図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る収納システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施の形態である収納システムに適用する収納装置を示したものである。ここで例示する収納装置10は、オフィス等の室内に設置されるもので、本体筐体11と左右一対の扉体12,13とを備えている。本体筐体11は、前面に開口部11aを有した直方体状を成す箱体である。物品収納部となる本体筐体11の内部には、水平方向に沿って複数の棚板14が設けてある。扉体12,13は、ヒンジ15を介して本体筐体11に支持させてあり、ヒンジ15の軸を中心に回転することで本体筐体11の開口部11aを開閉することが可能である。本実施の形態では、本体筐体11の両側部分にそれぞれ扉体12,13が上下方向に沿ったヒンジ15の軸を中心に回転可能に支持させてあり、いわゆる観音開きとなるように収納装置10が構成してある。また、正面向かって左側に設けた扉体(以下、「左扉体12」という)の戸先には、左扉体12を閉じた後に、正面向かって右側に設けた扉体(以下、「右扉体13」という)を閉じた場合に右扉体13と本体筐体11との間に挟まれるように召し合わせ部材12aが配設してある。
図2及び図3に示すように、一対の扉体12,13は、金属製のパネルによって構成したもので、四周に折り曲げ部分12A,13Aを設けるとともに、パネルの内表面に補強部材12B,13Bを配設することにより所望の強度を得るようにしている。折り曲げ部分12A,13Aは、図5及び図6に示すように、パネルの縁部分を内表面側に折り曲げることによって角筒状に構成したものである。補強部材12B,13Bは、金属製の長尺部材であり、扉体12,13を左右にほぼ二等分する位置に上下方向に沿って固定してある。この補強部材12B,13Bは、横断面が、いわゆるハット形状となるように成形してあり、スポット溶接によって扉体12,13のパネルに固着してある。
図2〜図4に示すように、右扉体13には、本体筐体11との間にラッチ20が設けてあるとともに、パネルの外表面に露出するように把手22が設けてある。ラッチ20は、右扉体13を閉じた場合に右扉体13を本体筐体11に係合させるためのものである。本実施の形態では、右扉体13の上下に位置する折り曲げ部分13Aにおいて戸先側となる部分にそれぞれラッチ20が設けてある。ラッチ20は、上下方向に沿ったラッチ20の軸21を介して回転可能となるように右扉体13に支持させてあり、一方の方向に回転した場合に右扉体13を本体筐体11に係合させる一方、他方の方向に回転した場合に本体筐体11と右扉体13との係合状態が解除されるように構成してある。図には明示していないが、ラッチ20と右扉体13との間には、ラッチ20を常時一方の方向に向けて付勢する付勢手段が設けてある。右扉体13を開いた状態から本体筐体11に対して閉じた場合には、付勢手段の付勢力により、ラッチ20が係合状態となって右扉体13が本体筐体11に係合されることになる。尚、左扉体12を先に閉じた状態で右扉体13を閉じれば、左扉体12の召し合わせ部材12aが本体筐体11と右扉体13との間に挟まれた状態となるため、左扉体12の開き移動も阻止されることになる。
把手22は、係合状態にあるラッチ20を解除状態に移行させるための操作部材である。本実施の形態では、右扉体13の上下方向のほぼ中間で、かつ右扉体13の戸先側となる部分に把手22が設けてある。右扉体13が閉じられた状態で把手22を操作すると、付勢手段の付勢力に抗してラッチ20の軸21が回転し、ラッチ20が解除状態となるため、本体筐体11に対して右扉体13を開くことが可能となる。尚、右扉体13が開いた場合には、左扉体12に設けた召し合わせ部材12aの前面が開放されるため、左扉体12を開くことも可能となる。
また、右扉体13には、扉開閉検知センサ23及び電子錠30が設けてある。扉開閉検知センサ23は、本体筐体11に対して右扉体13が閉じた状態にあるか否かを検出し、その検出結果を出力信号として出力するものである。本実施の形態では、右扉体13の戸先側に位置する折り曲げ部分13Aの上下2箇所に扉開閉検知センサ23が取り付けてある。扉開閉検知センサ23としては、リミットスイッチやタッチセンサを適用することが可能である。扉開閉検知センサ23の検出信号は、後述する電子錠30の施解錠制御部31に与えられる。
電子錠30は、施解錠用の電磁ソレノイド(以下、「施解錠用ソレノイド」という)32の駆動により、右扉体13を閉じた状態に維持する施錠状態と、右扉体13の開閉移動を許容する解錠状態とに切り替わるものである。図16に示すように、本実施の形態では、施解錠制御部31、施解錠用ソレノイド32、無線通信部33、押ボタンスイッチ34を備えてユニット化した電子錠30が、右扉体13の内表面において把手22の下方となる部分に配設してある。押ボタンスイッチ34は、右扉体13が閉じた状態で外部から操作できるように、パネルの外表面に押ボタン34aが露出した状態で配設してある。
この電子錠30では、例えば、扉開閉検知センサ23の出力信号から右扉体13の閉じられた状態が所定時間継続したと判断すると、施解錠制御部31によって施解錠用ソレノイド32が施錠方向に動作して施錠状態となる。施解錠用ソレノイド32が施錠方向に動作すると、例えば把手22が操作できない状態となり、ラッチ20の係合状態を解除することができないため、右扉体13が本体筐体11に対して閉じた状態に維持される。
一方、押ボタンスイッチ34をオン操作すると、施解錠制御部31が有効化され、これに伴って無線通信部33が受信可能状態となる。この状態から無線通信部33を通じて施解錠制御部31に解錠許可指令が与えられた場合には、施解錠制御部31によって施解錠用ソレノイド32が解錠方向に動作する。施解錠用ソレノイド32が解錠方向に動作すると、例えば把手22が操作可能な状態に復帰し、把手22の操作によりラッチ20を解除状態に移行して右扉体13を本体筐体11に対して開閉することが可能となる。押ボタンスイッチ34をオン操作した場合にのみ施解錠制御部31が有効化されるため、待機時間において無駄な電力を消費するおそれがない。電子錠30を駆動するための電源としては、ニッケル水素充電池やリチウムイオン充電池、鉛蓄電池等の二次電池(蓄電体)35がパネルの内表面において電子錠30よりも下方となる位置に配設してある。尚、電源としては、必ずしも二次電池に限らず、施解錠用ソレノイド32を駆動することのできる出力を持つものであれば、電気二重層コンデンサのようなキャパシタを適用しても良い。
さらに、右扉体13には、図1に示すように、太陽電池モジュール40が配設してある。太陽電池モジュール40は、図7に示すように、複数のセル41を縦横に整列させることによって矩形の薄板状に形成したものである。本実施の形態では、8個のセル41を縦2列に配置することによって構成した太陽電池モジュール40を2つ適用している。これらの太陽電池モジュール40は、それぞれ縦長の姿勢で上下に並べた状態で、保持部材50を介してパネルの内表面側から右扉体13に取り付けてある。太陽電池モジュール40を取り付ける位置は、補強部材13Bとヒンジ15の軸との間であって、把手22の上端よりも上方となる領域である。
保持部材50は、アクリル等、無色透明の透光性及び弾性を有した合成樹脂材によって矩形の板状に成形したものである。この保持部材50には、図7〜図11に示すように、表面にパネル当接部51及び収容溝52が設けてあるとともに、裏面に2つの収容部53が設けてある。
パネル当接部51は、保持部材50の周縁部に設けた凹状部分であり、保持部材50の表面中央部がパネルの板厚分だけ突出するように保持部材50の四辺全長にわたって形成してある。収容溝52は、保持部材50の表面においてパネル当接部51とパネルの表面中央部との境界線となる部分の全周に形成した幅の狭い凹部である。収容溝52において保持部材50の上縁に沿って延在する部分及び下縁に沿って延在する部分には、それぞれ左右一対の係合孔52aが形成してある。係合孔52aは、保持部材50の収容溝52から裏面に貫通するように形成した横長の開口である。
収容部53は、太陽電池モジュール40を嵌合した状態で収容するための凹部であり、保持部材50の表面側が透光部53aによって閉塞されている一方、裏面に収容開口53bを有して保持枠部150を構成している。収容開口53bは、太陽電池モジュール40の外形にほぼ等しい寸法の矩形状を成すものである。それぞれの収容部53には、開口部上縁及び開口下縁となる部位にそれぞれ一対の爪部54が設けてある。爪部54は、収容部53の内壁面から突出した小片部分である。それぞれの収容部53において上縁に向けた爪部54と、下縁に設けた爪部54との相互間隔は、図9に示すように、保持部材50が平板状の姿勢(拘束姿勢)となっている場合、太陽電池モジュール40の長手寸法よりもわずかに小さくなるように設定してある。これに対して、保持部材50に外力を加えることにより、図10に示すように、裏面が面外に向けて凸となるように湾曲状の姿勢(解除姿勢)となった場合には、それぞれの収容部53において上縁に向けた爪部54と、下縁に設けた爪部54との相互間隔が拡開するため、収容部53に対して太陽電池モジュール40を着脱することが可能となる。
図7に示すように、この保持部材50には、表面に着色部分55(図7中においてクロスハッチングを施した部分)が設けてある。着色部分55は、収容部53に太陽電池モジュール40を収容させた場合に、セル41の受光面以外となる領域に遮光性を有した顔料を配置することによって構成したもので、セル41の受光面に対して色相、明度、彩度の三属性がほぼ同等のなるように配色してある。つまり、保持部材50の表面は、図7の上半部分に示すように、セル41の受光面に対応した透光部53aのみが無色透明の透光性を有した矩形領域となり、その他の部分が遮光性の着色部分55となる。従って、保持部材50の収容部53に太陽電池モジュール40を収容させた場合には、図7の下半部分に示すように、透光性を有した矩形領域を介してセル41が透過され、透過されるセル41と保持部材50に施した着色部分55とによって保持部材50の表面全域がほぼ一様な色相、明度、彩度となるため、太陽電池モジュール40のセル41がカムフラージュされることになる。保持部材50の着色部分55は、例えば、保持部材50を成形する際に着色したフィルムを転写することにより構成することが可能である。
一方、太陽電池モジュール40が取り付けられる右扉体13には、図1及び図9に示すように、パネルに窓孔130が設けてあるとともに、窓孔130の開口周縁となる部位に突出片部131が設けてある。窓孔130は、保持部材50の表面においてパネル当接部51に囲まれた透光部53aを外部に露出させることのできる大きさの矩形状に形成した貫通孔である。突出片部131は、図13に示すように、窓孔130の周縁部全周を内表面側に屈曲することによって角筒状に構成したもので、保持部材50の収容溝52に収容することができる寸法に形成してある。突出片部131において保持部材50の上縁に沿って延在する部分及び下縁に沿って延在する部分には、それぞれ左右一対の係合片132が設けてある。係合片132は、突出片部131からさらに突出した部分であり、保持部材50の係合孔52aに挿通することのできる幅に形成してある。
上述した保持部材50を適用して太陽電池モジュール40を右扉体13に取り付けるには、まず、図10及び図12に示すように、保持部材50に外力を加えて裏面が面外に向けて凸となるように解除姿勢に維持し、この状態からそれぞれの収容部53に太陽電池モジュール40を収容させる。このとき、セル41の受光面と保持部材50との間にオイルを塗布しておけば、セル41の受光面を保持部材50に隙間なく密着させることが可能となる。
太陽電池モジュール40を収容部53に収容した後に保持部材50に加えていた外力を除去すると、図9及び図13に示すように、弾性復元力によって保持部材50が拘束姿勢となる。この状態においては、収容部53の開口周縁部に設けた爪部54が太陽電池モジュール40の裏面に係合し、収容部53からの太陽電池モジュール40の脱落が阻止される。
さらに、太陽電池モジュール40を保持した保持部材50を右扉体13の内表面から窓孔130に近づけてパネルの係合片132をそれぞれ保持部材50の係合孔52aに挿通させれば、係合片132が案内となってパネルの突出片部131が保持部材50の収容溝52に収容され、図11に示すように、透光部53aの表面がパネルの外表面とほぼ一致した位置に配置される。従って、保持部材50の収容部53に収容させた太陽電池モジュール40は、保持部材50の透光部53aを介してセル41の受光面が外部に現れることになる。最後に、図14に示すように、保持部材50の係合孔52aに貫通している係合片132をそれぞれ折り曲げてほぼ直角の状態とすれば、保持部材50がパネルの内表面と係合片132の折り曲げ部分との間に挟持され、保持部材50を介して2つの太陽電池モジュール40がパネルに取り付けられる。
ここで、パネルの内表面から離隔する方向への移動が阻止された保持部材50は、パネルの内表面に沿った姿勢に維持されるため、図10に示した解除姿勢に移行することができない。特に、保持部材50の上下両縁部に設けた係合孔52aにそれぞれパネルの係合片132が挿通された状態にあるため、さらには保持部材50の収容溝52にパネルの突出片部131が収容された状態にあるため、外力を加えた場合にも保持部材50は継続して拘束姿勢を維持することになる。従って、保持部材50の収容部53に収容した太陽電池モジュール40に対しては、常に爪部54が裏面に係合した状態となり、右扉体13から脱落する事態を招来するおそれがない。しかも、太陽電池モジュール40のパネルへの取り付けに際しては、接着剤や別の押え部材が必要となることがないため、組み立て作業性の点で有利となる。仮に、太陽電池モジュール40の交換が必要になった場合には、係合片132を元の状態に折り返した後、パネルから保持部材50を引き離せば、保持部材50を容易に取り外すことができ、さらに保持部材50を解除姿勢に変形させれば、太陽電池モジュール40の交換を容易に行うことが可能になる。
また、パネルと太陽電池モジュール40との間に弾性を有した保持部材50が介在することになるため、この保持部材50が緩衝材としても機能することになる。加えて、太陽電池モジュール40を右扉体13のヒンジ15側となる領域、具体的には補強部材13Bとヒンジ15の軸との間に配設しているため、右扉体13を開閉した場合にも大きな衝撃が直接太陽電池モジュール40に加えられるおそれがなく、太陽電池モジュール40の耐久性を向上させることができる。さらに、太陽電池モジュール40をヒンジ15側に配設しているため、右扉体13を開閉する際に太陽電池モジュール40のセル41を覆う保持部材50の透光部53aに触れるおそれがない。このため、透光部53aの汚れによって発電効率の低下する事態を招来するおそれもない。
パネルに太陽電池モジュール40を取り付けた後には、太陽電池モジュール40やその出力ケーブル42を保護する目的で、図4に示すように、右扉体13の内表面において太陽電池モジュール40を覆う位置に裏板部材60を配設している。裏板部材60は、図5及び図6に示すように、右扉体13と同様、四周に折り曲げ部分61を有した金属製のパネルによって構成したもので、パネルの内表面に設けたブラケット62に取付ネジ63を螺合させることによって着脱可能に取り付けてある。この裏板部材60には、保持部材50の裏面に対向する部分に押圧板64が付設してある。押圧板64は、保持部材50の裏面に当接することにより、保持部材50の補強材として機能する。従って、右扉体13の外表面から比較的大きな外力が加えられた場合にも、保持部材50の保持枠部150が変形するおそれがなくなり、太陽電池モジュール40の脱落が確実に防止される。
上記のようにして右扉体13に取り付けた太陽電池モジュール40は、出力される電力によって二次電池35を充電することができるように、図15に示すように、二次電池35と並列に接続される。これにより、収納装置10としては、定期的に二次電池35の交換作業や充電作業を実施することなく、常に電子錠30の施解錠を行うことが可能となる。図15からも明らかなように、太陽電池モジュール40と二次電池35との間を接続する電路には、二次電池35から太陽電池モジュール40への電流の流れを阻止するダイオード(整流素子)36のみが介在させてあり、一般的に二次電池を保護する目的で組み込まれる定電圧回路や過充電防止回路はそれ自体が電力を消費してしまうため省略してある。
すなわち、太陽電池モジュール40の取付対象となる収納装置10はオフィス等の室内に設置されるものであり、屋外に比べて照射される光量も大きく制限されるため、太陽電池モジュール40から出力される電力量も限られたものとなる。従って、電力の消費要素となるものを省くことで、発電電力を最大限二次電池35へ充電可能となる。因に、室内の照射光によって期待できる太陽電池モジュール40の発電量に対して、二次電池35の容量は十分に大きいため、二次電池35の電圧に引き込まれ、二次電池35の電圧に収まるために定電圧回路を必要としない。また、トリクル充電以下の発電量であるため、過充電防止対策も必要ない。従って、図15に示すように、太陽電池モジュール40と二次電池35との間を接続する電路に、二次電池35から太陽電池モジュール40への電流の流れを阻止するダイオード36のみを配設した電気回路を適用した場合であっても、問題を生じるおそれはない。
図16は、上述した収納装置10を複数備えて構成した収納システムの制御系を示したものである。この収納システムは、予め登録された利用者のみが収納装置10の扉体12,13を開閉することができるように構成されたもので、認証装置70を備えている。
認証装置70は、それぞれの収納装置10とは別個の構成単位として分割されたもので、複数の収納装置10に対して唯一用意してある。認証装置70は、カードリーダ71、メモリ72、無線通信部73及び認証処理部74を有している。カードリーダ71は、収納システムで用いられる識別カードCの識別情報(認証情報)を読み取るものである。識別カードCは、利用対象となる収納装置10の識別情報を格納したものである。この収納システムでは、利用が許可された利用者に対して、許可された収納装置10の識別情報を格納した識別カードCが予め付与される。認証装置70のメモリ72は、収納システムに属する収納装置10の識別情報を格納したものである。無線通信部73は、収納装置10の無線通信部33との間において無線通信処理を行うものである。認証処理部74は、カードリーダ71を通じて識別カードCの識別情報が与えられた場合に、該当する識別情報が予めメモリ72に格納されたものであるか否かの認証を行うものである。与えられた識別カードCの識別情報が予めメモリ72に格納されたものであった場合、認証処理部74は、複数の収納装置10から識別情報に該当する収納装置10を特定し、無線通信部73を通じて該当する収納装置10に対して解錠許可指令を与える。
従って、予め該当する収納装置10の押ボタンスイッチ34をオンすることで、施解錠制御部31を有効化しておけば、無線通信部33を通じて当該解錠許可指令が与えられることになり、収納装置10の扉体12,13を開閉することが可能となる。
上記のように構成した収納システムによれば、認証に必要となる認証装置70を収納装置10とは別個の構成単位として分割し、収納装置10としての電力消費量を低減するようにしているため、それぞれの収納装置10に設けた太陽電池モジュール40によって二次電池35を確実に充電することが可能となり、定期的に二次電池35の交換作業や充電作業を行うことなく、電子錠30の施解錠を確実に行うことができるようになる。
尚、上述した実施の形態では、複数の収納装置を備えて収納システムを構成しているが、収納装置は必ずしも複数である必要はない。また、収納装置の識別情報を認証情報として認証するようにしているが、必ずしもこれに限定されず、例えば、登録した利用者の識別情報等、その他の認証情報を認証するようにしても構わない。
10 収納装置
11 本体筐体
30 電子錠
35 二次電池
36 ダイオード
40 太陽電池モジュール
70 認証装置

Claims (4)

  1. 物品収納部が閉じられた状態で施錠状態にある場合には前記物品収納部を閉じた状態に維持する一方、解錠許可指令が与えられた場合に前記物品収納部の開放を許容する電子錠を備えた収納装置と、
    与えられた認証情報が認証された場合に前記収納装置の電子錠に対して解錠許可指令を出力する認証装置と
    を備えた収納システムであって、
    前記認証装置は前記収納装置とは別個の構成単位として分割し、
    前記収納装置には、前記電子錠を駆動するための電源となる蓄電体と、前記蓄電体と並列に接続された太陽電池モジュールとを設けたことを特徴とする収納システム。
  2. 物品収納部が閉じられた状態で施錠状態にある場合には前記物品収納部を閉じた状態に維持する一方、解錠許可指令が与えられた場合に前記物品収納部の開放を許容する電子錠を備えた複数の収納装置と、
    与えられた認証情報が認証された場合に該当する収納装置を特定し、特定した収納装置の電子錠に対して解錠許可指令を出力する認証装置と
    を備えた収納システムであって、
    前記認証装置は前記複数の収納装置とは別個の構成単位として分割し、
    個々の収納装置には、それぞれの電子錠を駆動するための電源となる蓄電体と、前記蓄電体と並列に接続された太陽電池モジュールとを設けたことを特徴とする収納システム。
  3. 前記太陽電池モジュールと前記蓄電体との間を接続する電路には、前記蓄電体から前記太陽電池モジュールへの電流の流れを阻止する整流素子のみを介在させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納システム。
  4. 前記収納装置の上半部分に前記太陽電池モジュールを配設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の収納システム。
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