JP3904445B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄圧燃料が供給される燃料噴射弁に関するものであり、粘性の低い燃料(例えば、LPGやDME等の液化ガス燃料)を噴射する燃料噴射弁に用いて好適な技術である。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ディーゼルエンジン用のコモンレール式燃料噴射装置では、一般に燃料噴射弁として電磁力を用いた電磁式が使用される。この場合、弁体の背面に設けた圧力制御室に高圧燃料を導入し、この圧力制御室内の高圧燃料を噴射毎に低圧側にリークさせることで弁体の開弁動作を実現させている。そのため、噴射毎に高圧燃料のリークが発生する。
【0003】
一方、近年では、軽油の代替燃料として、燃料の気化性や発火燃焼性、エミッション等を考慮してDME(ジメチルエーテル)や、セタン価向上のための添加剤を加えたLPG(液化石油ガス)といった液化ガス燃料を使用することが検討されている。なお、以下の記載においてLPGと称するものは、特に指示しない限りセタン価向上剤を加えたものを指す。
【0004】
液化ガス燃料を用いる場合、噴射燃料の漏れ量が特に増える傾向にあり、燃料噴射弁から漏れ燃料を回収するための装置が必要になる。具体的な例を示すと、気化した液化燃料を回収するためのパージタンクや、パージタンク内のガス燃料(気体)を圧縮して液化させるための圧縮ポンプ等が必要になる。このため、燃料噴射装置としてコストの上昇を招いてしまう。
【0005】
そこで、燃料のリークレス化を図るべく、電磁ソレノイド(アクチュエータ)により弁体を直接動かす、いわゆる直接駆動方式の燃料噴射弁を採用することが考えられる。その構成を図5に示す。
【0006】
図5に示す燃料噴射弁100の弁体101は、図中上下方向に延びる長尺状をなし、弁体101の上端には、アーマチャ102がレーザー溶接等により固着されている。ボディ103およびノズルボディ104には、貫通孔105、106が設けられ、その貫通孔105、106に弁体101が収容されている。アーマチャ102に対向してステータ107が設けられており、コイル108の通電時にアーマチャ102がステータ107に吸引されると、弁体101がスプリング109の付勢力に抗して図示の閉弁位置から開弁位置に移動する。これにより、噴孔110が開放されて、コモンレール等より供給される高圧燃料が噴射される。
上記図5の構成の燃料噴射弁100では、燃料リークが生じないことから、漏れ燃料の回収装置(パージタンク、圧縮ポンプ等)が不要になり、高コスト化が抑制できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記燃料噴射弁100は、コイル108に通電がなされてアーマチャ102がステータ107に吸引されて弁体101が開弁する際、弁体101がストッパ111にぶつかってバウンスが生じてしまう。この開弁時のバウンスによって、図3の破線に示すように、駆動信号幅(τ)に対して噴射量(Q)が波打ち、噴射制御が困難という問題があった。
また、コイル108の通電が停止されて、ステータ107によるアーマチャ102の吸引力が失われて、スプリング109の付勢力により弁体101が閉弁する際、弁体101がノズルボディ104のシート部にぶつかってバウンスが生じてしまう。この閉弁時のバウンスによって噴射終了後の再噴射(2次噴射)が発生し、噴射特性が悪化する不具合が生じる。
【0008】
一方、多くの場合、エンジンヘッドの吸気バルブのレイアウト等から、弁体101を長尺状としなくてはならず、その結果、弁体101が重くなり、上記バウンスが顕著に生じてしまう。
特に、LPGやDME等の液化ガス燃料は、燃料の粘度が低いため、弁体101のバウンスが大きくなってしまうとともに、バウンスが減衰するまでの時間が長くなり、上記の不具合が顕著に発生してしまう。
【0009】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、燃料噴射弁内に生じる差圧や燃料の流れによって、弁体のバウンスを抑制する燃料噴射弁の提供にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用する発明は、次の作用効果を奏する。
(開弁時)
電気的アクチュエータ(例えば、電磁ソレノイド、ピエゾアクチュエータ等)がアーマチャ(駆動子)を開弁方向に変位させると、蓄圧燃料がノズルから噴射される。
この噴射により、絞り部よりもノズル側の圧力が低下し、第2室の圧力が第1室より低くなる。圧力の低い第2室は反ノズル側(開弁方向)にあるので、受圧部が差圧によって反ノズル側(開弁方向)に付勢される。この差圧による付勢力によって開弁時における弁体のバウンスが抑制される。
【0011】
(閉弁時)
電気的アクチュエータがアーマチャを閉弁方向に変位させると、燃料の噴射が停止される。
噴射が停止されると、噴射燃料の流れが急激に遮断されるため、絞り部よりもノズル側の圧力が供給される蓄圧燃料の圧力よりも上昇し、第2室の圧力が第1室より高くなる。この時、圧力の低い第1室はノズル側(閉弁方向)にあるので、受圧部が差圧によってノズル側(閉弁方向)に付勢される。この差圧による付勢力によって閉弁時における弁体のバウンスが抑制される。
【0012】
このように、開弁時および閉弁時のバウンスが抑制されるため、噴射特性が向上する。
また、弁体が長尺状で弁体が重い場合であっても、差圧によりバウンスの発生が抑制されるため、噴射特性の向上を図ることができる。
さらに、LPGやDME等の液化ガス燃料のように、燃料の粘度が低い場合であっても、差圧によりバウンスの発生が抑制されるため、噴射特性の向上を図ることができる。
【0013】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用する発明は、次の作用効果を奏する。
(開弁時)
電気的アクチュエータがアーマチャを開弁方向に変位させると、蓄圧燃料がノズルから噴射される。
この噴射により、燃料が第1室からアーマチャの側面の通路を通って反ノズル側(開弁方向)の第2室へ流れる。この開弁方向の流れによってアーマチャが反ノズル側(開弁方向)に向かう力を受けるため、開弁時における弁体のバウンスが抑制される。
【0014】
(閉弁時)
電気的アクチュエータがアーマチャを閉弁方向に変位させると、燃料の噴射が停止される。
噴射が停止されると、噴射燃料の流れが急激に遮断されるため、絞り部よりもノズル側の圧力が供給される蓄圧燃料よりも上昇し、第2室の圧力が第1室より高くなる。すると、圧力の高い第2室からアーマチャの側面の通路を通ってノズル側(閉弁方向)の第1室に流れる。この閉弁方向の流れによってアーマチャがノズル側(閉弁方向)に向かう力を受けるため、閉弁時における弁体のバウンスが抑制される。
【0015】
このように、請求項1の発明と同様、開弁時および閉弁時のバウンスが抑制されるため、噴射特性が向上する。
また、弁体が長尺状で弁体が重い場合であっても、差圧によりバウンスの発生が抑制されるため、噴射特性の向上を図ることができる。
さらに、LPGやDME等の液化ガス燃料のように、燃料の粘度が低い場合であっても、差圧によりバウンスの発生が抑制されるため、噴射特性の向上を図ることができる。
【0016】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用し、アーマチャのノズル側(閉弁方向)からアーマチャの反ノズル側(開弁方向)に燃料を導く通路に、差圧を生じさせるための絞り部を設けても良い。
このように設けることにより、請求項2の発明において、請求項1の発明の作用効果を得ることができる。
【0017】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用し、絞り部を、アーマチャと、とその周囲のステータとのクリアランスによって形成しても良い。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、2つの実施例と変形例を用いて説明する。
なお、以下の実施例では、DMEやLPG等の液体ガスを燃料とする車両用ディーゼルエンジンに燃料噴射を行う燃料噴射弁に本発明を適用した例を示す。ここで、燃料噴射弁は、電磁ソレノイド(電気的アクチュエータの一例)によって弁体を直接駆動する直動タイプであり、コモンレール内に蓄えられた高圧の蓄圧燃料が供給され、開弁動作に伴ってエンジン燃焼室内に液化ガス燃料を噴射供給するようになっている。
また、以下の実施例では、ノズル側(閉弁方向)を下、反ノズル側(開弁方向)を上として説明するが、説明の便宜上の上下であって、実際の搭載時とは異なるものである。
【0019】
〔第1実施例の構成〕
図1は、燃料噴射弁1の断面構造および燃料噴射周りの構成を示す図面である。この図1において、燃料タンク2内に貯蔵された液化ガス燃料(DMEあるいはLPG)は、図示しない低圧ポンプから高圧ポンプ3に供給され、この高圧ポンプ3にて高圧に圧縮された後にコモンレール4に供給される。コモンレール4では、噴射圧相当(例えば、40MPa程度)の高圧燃料が蓄圧される。
コモンレール4には、エンジンの気筒数分の燃料噴射弁1が接続されており、これら燃料噴射弁1はECU(エンジン・コントロール・ユニット)5からの駆動信号に従って噴射作動を行う。
【0020】
以下において燃料噴射弁1の構成を詳しく説明する。
燃料噴射弁1のケーシングは、ボディ6およびノズルボディ7を結合したものであり、それらはリテーニングナット8の締め付けにより一体化されている。ボディ6およびノズルボディ7には、同軸の貫通孔9、10が設けられ、その貫通孔9、10には、長尺状の弁体11が収容されている。
【0021】
弁体11は、上記貫通孔9、10内を上下方向に摺動するものであり、上下2箇所に摺動部12、13を有する。
ノズルボディ7の先端部には、複数の噴孔14が設けられており、弁体11の先端がノズルボディ7に当接(着座)することで噴孔14が閉じ、弁体11の先端がノズルボディ7から離間(離座)することで噴孔14が開くようになっている。
弁体11の上端部には、圧縮コイルスプリング15が配置されており、弁体11はスプリング15の復元力によって常に下方へ付勢されている。
【0022】
また、弁体11の上側には、燃料孔16が形成されており、インレット17から供給された燃料は、ボディ6内の通路→アーマチャ18の直下に形成される第1室20→アーマチャ18とその周囲の部材とのクリアランスによって形成される絞り部21→アーマチャ18の直上に形成される第2室22を通って、アーマチャ18の中心の燃料孔16内に導かれる。
絞り部21は、具体的にはアーマチャ18の側面と、ステータ23の下部を構成するインナコア・ロウア34とのクリアランスによって形成されるものであり、このクリアランスは、径方向寸法で60〜300μmの範囲以内に設定されている。
【0023】
弁体11の中間部に、燃料孔16から導かれる燃料を、ボディ6の貫通孔9と弁体11の間に形成される燃料通路25に導く分岐孔26が形成されている。なお、この燃料通路25に導かれた燃料は、ノズルボディ7の貫通孔10と弁体11の間に形成されるノズル室27を介して噴孔14側に導かれる。
【0024】
次に、インレット17を説明する。
インレット17は、ガスケット30を挟むようにしてボディ6に組み付けられており、コモンレール4からの入口となっている。このインレット17には、異物の進入を防止するためのバーフィルタ31が圧入固定されている。
【0025】
次に、電磁ソレノイド32を説明する。
電磁ソレノイド32のアーマチャ18は、上記弁体11の上部に圧入等により固着されるものであり、そのアーマチャ18に対向してステータ23が配置され、いわゆるプランジャ型ソレノイドを構成している。
【0026】
ステータ23は、吸引面を持つインナコア・アッパ33、アーマチャ18側面側の磁極面を持つインナコア・ロウア34、およびインナコア・アッパ33とインナコア・ロウア34に挟み込まれるリング状のインナコア・ミドル35から構成される。
インナコア・アッパ33とインナコア・ロウア34は、電磁ソレノイド32の磁路となるため、軟磁性材料により形成されている。また、インナコア・ミドル35は、非磁性材料により形成されて磁束を通さないようになっている。
そして、インナコア・アッパ33、インナコア・ロウア34、インナコア・ミドル35は、積み重ねた状態で、レーザー溶接等の接合手段により一体的に固着されて、ステータ23を形成している。
【0027】
ステータ23の外周には、磁力を発生してアーマチャ18をステータ23に吸引させるためのコイル36が配置され、ソレノイドハウジング37内において接続端子38とともに樹脂によってモールド固定さている。
ステータ23とボディ6の間には、ストッパ40が配置されている。このストッパ40は、弁体11の全開位置を決める役目と、全開時のアーマチャ18とステータ23の間隔(つまり、ファイナルギャップ)を調整するシムの役目を果たす。
【0028】
〔第1実施例の作動および効果〕
次に、本実施例における燃料噴射弁1の作動と効果を、図1とともに図2、図3を参照して説明する。
ここで、図2は、下側の第1室20と上側の第2室22との圧力挙動を示すタイムチャートである。なお、図2中において、本実施例におけるリフトと噴射率は実線で示し、従来技術におけるリフトと噴射率は破線で示す。
また、図3は、駆動信号幅(τ)に対する噴射量(Q)を示すτ−Q特性図である。
【0029】
(開弁時)
ECU5から与えられる駆動信号がONしてコイル36が通電されると(図2の通電開始)、アーマチャ18がステータ23に吸引され、スプリング15の付勢力に抗して弁体11が上方にリフトする。そして、弁体11がストッパ40に当接すると、開弁動作が終わり、それ以降は開弁状態が保持される。なお、弁体11の上昇によって弁体11の先端がノズルボディ7から離間(離座)し、噴孔14が開いて液体燃料が噴孔14より噴射される。
【0030】
ここで、図5に示した従来の燃料噴射弁100では、開弁時における弁体101とストッパ111との衝突により、図2の破線に示すように弁体101に数回のバウンスが発生する。この結果、噴射率もバウンスの影響によって低下する部分が出てくる。そして、図3の破線に示すように、駆動信号幅(τ)に対して噴射量(Q)が波打ち、安定した噴射制御が行えない。
【0031】
上記の従来技術に比較し、本実施例の燃料噴射弁1は、噴射開始に伴って、ノズル室27と、このノズル室27に連通している第2室22(アーマチャ18の上面)の圧力が低下する。この時、第1室20(アーマチャ18の下面)の圧力は、アーマチャ18の側面の絞り部21による圧力伝播が抑えられるためにほとんど変化しない。このため、アーマチャ18の上下に油圧差が働き、その油圧差によってアーマチャ18(受圧部に相当する)が上側(開弁方向)に付勢される。この差圧による付勢力によって開弁時における弁体11のバウンスが抑制される。
また、噴射時は、燃料が第1室20(アーマチャ18の下側)からアーマチャ18の側面の通路(絞り部21)を通って上方の第2室22(アーマチャ18の上側)へ流れる。この上に向かう流れによってアーマチャ18が上(開弁方向)に向かう力を受けるため、この作用によっても開弁時における弁体11のバウンスが抑制される。
【0032】
上記のように、第1室20と第2室22の油圧差と、第1室20から第2室22へ向かう燃料の流れによって、図2の実線に示すように、開弁時における弁体11のバウンスが抑えられ、噴射率の低下が防止できる。また、図3のτ−Q特性図の実線に示すように、駆動信号幅(τ)に対して燃料の噴射量(Q)が単調に増加する。
【0033】
(閉弁時)
ECU5から与えられる駆動信号がOFF してコイル36の通電が停止されると(図2の通電遮断)、ステータ23によるアーマチャ18の吸引力が無くなり、スプリング15の付勢力によって弁体11が下方に変位する。そして、弁体11がノズルボディ7のシートに当接すると、閉弁動作が終わり、それ以降は閉弁状態が保持される。なお、弁体11が下降して弁体11の先端がノズルボディ7に当接(着座)することで、噴孔14が閉じて液体燃料の噴射が停止される。
【0034】
ここで、図5に示した従来の燃料噴射弁100では、開弁時における弁体101とノズルボディ104との衝突により、図2の破線に示すように弁体101に数回のバウンスが発生する。この結果、閉弁後の2次噴射が起こってしまう。
【0035】
上記の従来技術に比較し、本実施例の燃料噴射弁1は、噴射が停止されると、噴射燃料の流れが急激に遮断されるため、水撃作用によって、ノズル室27と、このノズル室27に連通している第2室22(アーマチャ18の上面)の圧力が上昇する。この時、第1室20(アーマチャ18の下面)の圧力は、アーマチャ18の側面の絞り部21による圧力伝播が抑えられるためにほとんど変化しない。このため、アーマチャ18の上下に油圧差が働き、その油圧差によってアーマチャ18(受圧部)が下側(閉弁方向)に付勢される。この差圧による付勢力によって閉弁時における弁体11のバウンスが抑制される。
また、噴孔14が遮断されて第2室22の圧力が上昇すると、燃料が第2室22(アーマチャ18の上側)からアーマチャ18の側面の通路(絞り部21)を通って下方の第1室20(アーマチャ18の下側)へ流れる。この下に向かう流れによってアーマチャ18が下(閉弁方向)に向かう力を受けるため、この作用によっても閉弁時における弁体11のバウンスが抑制される。
【0036】
上記のように、第1室20と第2室22の油圧差と、第2室22から第1室20へ向かう燃料の流れによって、図2の実線に示すように、閉弁時における弁体11のバウンスが抑えられ、2次噴射の発生が防がれる。
【0037】
一方、上記で示した燃料噴射弁1は、電磁ソレノイド32によって弁体11を直接駆動する直動式の構成を採用するため、燃料漏れの少ない構成が実現でき、液化ガス燃料用の燃料噴射弁1として好適である。
また、この実施例のように、弁体11が長尺状で弁体11が重い場合であっても、弁体11のバウンスの発生が抑制されるため、噴射特性の向上を図ることができる。
さらに、LPGやDME等の液化ガス燃料のように、燃料の粘度が低い場合は弁体11のバウンスによる問題が顕著であるが、燃料粘性が低い場合であってもバウンスを抑えることができる。
【0038】
〔第2実施例〕
図4に示す燃料噴射弁1の断面構造図を参照して第2実施例を説明する。なお、この第2実施例では、第1実施例に対して異なる主要部分を説明するが、第1実施例に対して同一符号は同一機能物を示すものである。
【0039】
上記の第1実施例では、第1室20と第2室22をアーマチャ18の下と上に設け、アーマチャ18が差圧を受けるように設けた。
これに対し、この第2実施例では、アーマチャ18よりも上方に延ばした弁体11の上端に差圧を受ける円板体41(受圧部に相当する)を設け、その円板体41の下に第1室20、円板体41の上に第2室22を設けたものである。そして、円板体41と、その周囲の部材(ボディ6)との間にクリアランスによる絞り部21を設けたものである。
このように設けることによっても、第1実施例と同等の効果を得ることができる。なお、差圧を受ける円板体41は、アーマチャ18よりも上方でなくとも良い。また、円板体41は、円板状でなくても良い。
【0040】
〔変形例〕
上記の実施例では、DMEやLPG等の液化燃料を噴射する燃料噴射弁1を例に示したが、それ以外の燃料を噴射する燃料噴射弁1に本発明を適用しても良い。すなわち、軽油やガソリンを噴射する燃料噴射弁1に本発明を適用して弁体11のバウンスの発生を防ぐようにしても良い。
上記の実施例では、電気的アクチュエータの一例として電磁ソレノイド32を用いた例を示したが、ピエゾ素子を多数積層したピエゾアクチュエータ等、他の電気的アクチュエータを用いても良い。
また、絞り部21に燃料の通過抵抗を増大させる通過抵抗手段を設けて、絞り部21を流れる燃料の力を弁体11に大きく作用するように設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料噴射弁の断面構造および燃料噴射周りの構成を示す図である(第1実施例)。
【図2】実施例の作動を説明するタイムチャートである(第1実施例)。
【図3】駆動信号幅に対する噴射量を示すτ−Q特性図である(第1実施例)。
【図4】燃料噴射弁の断面構造図である(第2実施例)。
【図5】燃料噴射弁の断面構造図である(従来例)。
【符号の説明】
1 燃料噴射弁
11 弁体
16 燃料孔(弁体の中心を通してノズル側に導く通路)
17 インレット
18 アーマチャ(第1実施例の受圧部)
20 第1室
21 絞り部(アーマチャのノズル側から反ノズル側に燃料を導く通路)
22 第2室
23 ステータ
32 電磁ソレノイド(電気的アクチュエータ)
41 円板体(第2実施例の受圧部)
Claims (4)
- 電気的アクチュエータによって弁体を直接駆動する燃料噴射弁であって、
この燃料噴射弁は、蓄圧燃料の供給圧を受ける第1室と、この第1室よりも反ノズル側に形成されてノズル側の燃料圧力を受ける第2室と、前記第1室と前記第2室との間に差圧を生じさせる絞り部とを備えるとともに、
前記ノズルを開閉変位させる部材には、前記差圧を受ける受圧部を備え、
前記燃料噴射弁内の燃料流路は、外部から蓄圧燃料が供給されるインレット側と燃料の噴射を行う前記ノズル側とが、前記絞り部を介してのみ連通するものであり、
噴射時は、前記燃料噴射弁に供給された蓄圧燃料が、前記第1室、前記絞り部、前記第2室および前記弁体に形成された燃料孔の順を辿って前記ノズル側に流れ、
噴射が停止されると、前記ノズル側で噴射停止時に生じた水撃作用による圧力上昇と、前記絞り部の圧力伝播を抑える作用とにより、前記第2室の圧力が上昇することを特徴とする燃料噴射弁。 - 電気的アクチュエータによって弁体を直接駆動する燃料噴射弁であって、
この燃料噴射弁は、供給された蓄圧燃料を、アーマチャのノズル側に形成された第1室から前記アーマチャの側面を通して前記アーマチャの反ノズル側に形成された第2室に流し、その後前記弁体の中心を通してノズル側に導く通路を備えることを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項2の燃料噴射弁において、
前記アーマチャのノズル側から前記アーマチャの反ノズル側に燃料を導く通路には、前記アーマチャのノズル側と反ノズル側との間に差圧を生じさせるための絞り部が設けられたことを特徴とする燃料噴射弁。 - 請求項3の燃料噴射弁において、
前記絞り部は、前記アーマチャと、とその周囲のステータとのクリアランスによって形成されたことを特徴とする燃料噴射弁。
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