JP3903217B2 - 肥料散布機 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、トラクタ及び自走式肥料散布機の混合構成に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
上述の形態の従来知られた肥料散布機は、ホッパー内の軸芯部に機体フレームから立ち上がる回転軸を配設し、この回転軸の上端から放射方向に突出し下方へ屈曲し、肥料ホッパー底面に近接する部分に混合板を複数配設し、回転させ混合作業を行なっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した肥料散布機の問題点は、ホッパー量を大きくしようとした場合に、一つ目はホッパー径を大きくして容量を増す方法があるが、ホッパー径を大きくすることにより機体全巾が大きくなりトラクタ装着等散布作業時の旋回性を悪化させ、二つ目はホッパー深さを深くし容量を増す方法があるが、深さが増した分肥料自重底面に近接した混合板に加わって回転負荷が増し、減速比を大きくしなければ混合作業ができない。両者とも機体寸法や重量を大きくしてしまう。
本発明は、このような従来の構成が有していた問題点を解決しようとするものであり、機体寸法をコンパクトに且つホッパー容量を深さで増しても、肥料混合時の回転負荷を低減でき、且つ均一に混合できる混合装置を実現することを目的とするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、円筒形の肥料ホッパーと、その円筒中心部に垂設した回転軸により回転する混合装置と、肥料ホッパーの下方に回転する散布部を配した肥料散布機において、混合装置の回転軸中間部にその中心から放射状に伸した放射板を配設し、回転軸上端部にその中心から放射方向に突出し下方に屈曲させた一対のアームを設け、その一方のアーム下端は肥料ホッパー底面に近接する混合板を配設し、もう一方のアーム下端は前記した放射板の上面近傍に混合板を配設したものである。さらに均一な肥料の混合をする為に、前記放射板は肥料混合作業時、肥料の流動を遮ることのないよう切る欠き部を設けたことを特徴とした肥料散布機。
【０００５】
【作用】
上記課題解決手段による作用は、機体全巾、すなわち肥料ホッパー径を大きくせず、前記ホッパーの深さを増すことのみで肥料ホッパーの容量を増し、且つ深さとともに増加するホッパー底面に近接する混合板の受ける圧力を、混合装置回転軸の中間部に配設した放射板により受け止め、肥料の上層部と下層部を分割撹拌することで、肥料混合時の回転負荷を低減するという効果を発揮する。また放射板に開設した穴又は切り欠きにより、混合作業時の上層部と下層部の肥料の流動を妨げないで、全体的に均一に混合するものである。
【０００６】
【実施例】
本発明の実施の形態として、実施例を図１〜図５に基づいて説明する。
図１は本発明の実施例を示す肥料散布機の部分断面側面図、図２は同肥料散布機の肥料繰出し口及び散布部の上面図、図３は同肥料散布機の肥料繰出し口及び散布部の部分断面側面図、図４は同肥料散布機の混合装置を上方から見た上面図、及び図５は同肥料散布機の混合装置を斜めから見た斜視図を示したものである。
【０００７】
図１〜図４は本発明を実施して一部を断面とした側面図である。機体フレーム１と、上方に配設される肥料ホッパー２をホッパーフレーム２１で支持し固定する。
【０００８】
機体フレーム１内に、前方に入力軸３０と出力軸３１を有した減速機３を配設し、入力軸３０の回転力は減速機３内のベベルギヤ３ａにより垂直方向へ変換され、平歯車３ｂにより減速され出力軸３１へ伝達される。
【０００９】
肥料ホッパー２の底部に配設された底板４に肥料繰出口４１を開設し、それにシャッター板５１を摺動するように配置し、シャッターレバー５２を回動させ、シャッターリンク５３を介しシャッター板５１を開閉させ、肥料繰出量を調節する。
【００１０】
肥料繰出口４１から繰出される肥料は、傾斜板６１を介し回転する散布部６に落下し散布される。
【００１１】
７は混合装置で、回転軸７１と回転軸７１の中間部に放射状に伸ばした板、放射板７２を配設し、回転軸７１の上端部に回転軸中心からオフセットした位置により放射方向に突出させて、下方に向け屈曲させた一対のアーム右７３とアーム左７４を設けている。アーム右７３はホッパー底面に近接する部分に配設される混合板７５に向けて伸ばし下端で接合し、アーム右７４は、前記放射板７２の上面に配設した混合板７５に向けて伸ばし下端で接合されたものから構成され、出力軸３１に嵌挿される。
【００１２】
上記放射板７２には、混合作業時の肥料の上層部と下層部流動の妨げにならないよう、穴７６を開設する。
【００１３】
上記構成の動作を説明する。図５は肥料ホッパー２と混合装置７の斜視図である。肥料ホッパー２内の円筒軸上に配設された混合装置７が矢印ａの方向へ回転し、肥料ホッパー２内の放射板７２によって上層部の肥料自重を受けながら、アーム左７４側の混合板７５で撹拌し、同時に下層部はアーム右７３側の混合板７５で撹拌する。混合板７５は肥料をすくい上げながら内方へ反転させながら混合作業を行なう。
しかし、放射板７２の上層と下層での混合状態に差がでないよう放射板７２に穴７６を開設し、肥料が流動しながら抑制力を排除して、均一混合することができる。
【００１４】
【効果】
上述したように本発明の肥料散布機は、ホッパー容量が深さのみで大きくなっても、ホッパー底面に加わる圧力と混合装置の中間部に配設した放射板で受け止め、低負荷で混合散布のできる肥料散布機を提供できる。
また、放射板に穴を開設したことにより、肥料の流動を遮ることなく均一混合作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施を示す肥料散布機の部分断面側面図
【図２】 同肥料散布機の肥料繰出し口及び散布部の上面図
【図３】 同肥料散布機の肥料繰出し口及び散布部の部分断面側面図
【図４】 同肥料散布機の混合装置を上方から見た上面図
【図５】 同肥料散布機の混合装置を斜めから見た斜視図
【符号の説明】
１ 機体フレーム
２ 肥料ホッパー
２１ ホッパーフレーム
３ 減速機
３０ 入力軸
３１ 出力軸
３ａ ベベルギヤ
３ｂ 平歯車
４ 底板
４１ 肥料繰出口
５１ シャッター板
６ 散布部
６１ 傾斜板
７ 混合装置
７１ 回転軸
７２ 放射板
７３ アーム右
７４ アーム左
７５ 混合板
７６ 穴
ａ 混合板の回転方向

Claims (2)

1. 円筒形の肥料ホッパーと、その円筒中心部に垂設した回転軸により回転する混合装置と、肥料ホッパーの下方に回転する散布部を配した肥料散布機において、混合装置の回転軸中間部にその中心から放射状に伸した放射板を配設し、回転軸上端部にその中心から放射方向に突出し下方に屈曲させた一対のアームを設け、その一方のアーム下端は肥料ホッパー底面に近接する混合板を配設し、もう一方のアーム下端は前記した放射板の上面近傍に混合板を配設したことを特徴とした肥料散布機。
2. 放射板は肥料混合作業時、肥料の流動を遮ることのないよう切り欠き部を設けてなる請求項１記載の肥料散布機。

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