JP3902728B2 - レセプターに基づくアンタゴニストならびに作製および使用の方法 - Google Patents

レセプターに基づくアンタゴニストならびに作製および使用の方法 Download PDF

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Description

【0001】
本出願は、1998年9月25日出願の米国仮出願番号第60/101,858号の優先権を主張する、1999年5月19日出願の米国出願番号09/313,942号の優先権を主張する。本出願を通じて、種々の刊行物が引用される。これらの刊行物の開示は、本明細書においてその全体が本出願への参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
生物学的活性が変化することを発見したが、毛様神経栄養因子(CNTF)、白血病阻害因子(LIF)、オンコスタチンM(OSM)およびインターロイキン−6(IL−6)は、規定されたサイトカインのファミリー(本明細書においては、以降、サイトカインの「CNTFファミリー」と呼ぶ)を含む。これらのサイトカインが一緒にグループ分けされるのは、その構造的類似性の距離によってであり[Bazan,J.Neuron 7:197〜208(1991);RoseおよびBruce、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:8641〜8645(1991)]、そして、おそらく、より重要なことには、それらが「β」シグナル伝達レセプター成分を共有するからである[Baumannら、J.Biol.Chem.265:19853〜19862(1993);Davisら、Science 260:1805〜1808(1993);Gearingら、Science 255:1434〜1437(1992);Ipら、Cell 69:1121〜1132(1992);Stahlら、J.Biol.Chem.268:7628〜7631(1993);StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587〜590(1993)]。このファミリーのサイトカインによるレセプター活性化は、これらのβ成分のホモ二量体化、またはヘテロ二量体化のいずれかから生じる[Davisら、Science 260:1805〜1808(1993)、Murakamiら、Science 260:1808〜1810(1993);StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587〜590(1993)]。IL−6レセプター活性化は、IL−6シグナルトランスデューサー[Hibiら、Cell 63:1149〜1157(1990)]として最初に同定されたタンパク質である、gp130のホモ二量体化を必要とする[Murakamiら、Science 260:1808〜1810(1993)、Hibiら、Cell 63:1149〜1157(1990)]。CNTF,LIFおよびOSMレセプター活性化は、gp130とLIFRβとして既知の第2のgp130関連タンパク質(これは、LIFへの結合能力によって最初に同定された[Gearingら、EMBO J.10:2839〜2848(1991)])との間のヘテロ二量体化から生じる[Davisら、Science 260:1805〜1808(1993)]。
【0003】
β成分に加えて、これらのサイトカインのいくつかはまた、特異性決定「α」成分を必要とする。この成分は、その組織分布がβ成分よりも限定されており、そのため特定のサイトカインの細胞標的を決定する[StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587〜590(1993)]。従って、LIFおよびOSMは、応答する細胞上のgp130およびLIFRβの存在のみを必要とし得る、広範に活性な因子である。一方、CNTFは、CNTFαを必要とし[StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587〜590(1993)]、そしてIL−6は、IL−6Rαを必要とする[Kishimotoら、Science 258:593〜597(1992)]。CNTFRα(Davisら、Science 259:1736〜1739(1993)およびIL−6Rα[Hibiら、Cell 63:1149〜1157、Murakamiら、Science 260:1808〜1810(1990);Tagaら、Cell 58:573〜581(1989)]の両方は、可溶性タンパク質として機能し得る。このことは、それらが細胞間シグナル伝達分子と相互作用しないが、そのリガンドは適切なシグナル伝達βサブユニットと相互作用することを補助するように働くという概念と一致する[StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587〜590(1993)]。
【0004】
他のサイトカイン系からのさらなる証拠もまた、二量体化が、全てのサイトカインレセプターがシグナル伝達を開始する共通の機構を提供するという概念を支持する。成長ホルモン(GH)は、この点に関して働くおそらく最良の例である。結晶学的研究は、それぞれのGH分子が2つの異なるレセプター結合部位を含むことを示した。この両方の部位は、レセプター中の同じ結合ドメインにより認識され、GHの単一分子が2つのレセプター分子に係わり合うことを可能にする[de Vosら、Science 255:306〜312(1992)]。二量体化は、引き続いて生じ、これはGH上の部位1での1つのレセプター分子への最初の結合、続いて、第2のレセプター分子への部位2の結合を伴う[Fuhら、Science 256:1677〜1680(1992)]。エリスロポエチン(EPO)レセプターを用いる研究はまた、レセプター活性化における二量体化の重要性と一致する。なぜなら、EPOレセプターは、システイン残基を導入し、そしてジスルフィド結合二量体を生じる単一のアミノ酸変化により構成的に活性化され得るからである[Watowichら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:2140〜2144(1992)]。
【0005】
レセプター活性化のための重要な工程であるβサブユニットのホモ二量体化またはヘテロ二量体化に加えて、第2の重要な特徴は、サイトカインのCNTFファミリーによる最終レセプター複合体の形成が、リガンドが順序立てられた様式でレセプター成分に首尾良く結合するような機構を通じて生じることである[Davisら、Science 260:1805〜1818(1993);StahlおよびYancopolus、Cell 74:587〜590(1993)]。従って、CNTFは、最終的にLIFRβを補充してβ成分(これは、次いで、シグナル伝達を開始する)のヘテロ二量体を形成する前に、まずCNTFRαに結合し、複合体を形成し、次いでこれはgp130に結合して、単一のβ成分のみを有するためにシグナル伝達成分ではない中間体(本明細書ではαβ1中間体と呼ぶ)を形成する。IL−6Rαに結合したIL−6およびgp130の単一分子を含有する類似の中間体は、直接単離されていないが、本発明者らは、その遠い関連物であるCNTFに対する類似性によってそれが存在するということ、および最終活性化IL−6レセプター複合体が2つのgp130モノマーを補充するという事実を推論した。要するに、これらの知見は、一般的サイトカインレセプター複合体の構造についての提案(図1)をもたらした。ここで、各サイトカインは、以下の3つまでのレセプター結合部位を有し得る:任意のα特異性決定成分に結合する部位(α部位)、第1のβシグナル伝達成分に結合する部位(β1部位)、および第2のβシグナル伝達成分に結合する部位(β2部位)[StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587〜590(1993)]。これらの3つの部位は、シグナル伝達を開始するために重要な、複合体形成における最終工程(β成分二量体化を生じる)を伴う、連続的な様式で用いられる[Davisら、Science 260:1805〜1818(1993)]。レセプター活性化の詳細およびCNTFに関する非機能性β1中間体の存在という知識により、CNTFは、特定の環境下でIL−6に対する高親和性アンタゴニストであるという知見が導かれた。そして、これは、以下に詳細に記載するように、サイトカインのCNTFファミリーに対するリガンドまたはレセプターに基づくアンタゴニストを設計するための戦略的基礎を提供する。
【0006】
一旦、サイトカイン結合がレセプター複合体形成を引き起こすと、β成分の二量体化が、広範な種々の基質のリン酸化を生じる細胞内チロシンキナーゼ活性を活性化する[Ipら、Cell 69:121−1132(1992)]。チロシンキナーゼ活性のこの活性化は、下流の現象に重要であると思われる。なぜならばチロシンのリン酸化をブロックするインヒビターは、遺伝子誘導のような後の現象をも妨げるからである[Ipら、Cell 69:121−1132(1992);NakajimaおよびWall、Mol.Cell.Biol.11:1409−1418(1991)]。近年、本発明者らは、Jak1、Jak2、およびTyk2(Jak/Tykキナーゼといわれる)[Firmbach−Kraftら、Oncogene 5:1329−1336(1990);Wilksら、Mol.Cell.Biol.11:2057−2065(1991]を含み、かつ他のサイトカインでのシグナル伝達[Argetsingerら、Cell 74:237−244(1993);Silvennoinenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:8429−8433(1993);Velazquezら、Cell 70:313−322(1992);Witthuhnら、Cell 74:227−236(1993)]に関与する、非レセプターチロシンキナーゼの新たに発見したファミリーは、リガンドの非存在化でβサブユニットのgp130およびLIFRβの細胞質ドメインと予め会合(preassociate)し、そしてリガンドの付加の際にチロシンがリン酸化および活性化される[Stahlら、Science 263:92−95(1994)]ことを実証した。従って、これらのキナーゼは、リガンドが細胞の外側に結合する結果として、細胞の内側で活性化される細胞内シグナル伝達の最も近い工程であると思われる。この系に基づく特異的アンタゴニストまたはアゴニスト活性に関して低分子の収集物をスクリーニングするためのアッセイ系は、以下に記載される。
【0007】
サイトカインのCNTFファミリーは、潜在的なアンタゴニストおよびアゴニストの両方の治療的適用を提供する、広範な種々の生理学的プロセスにおいて重要な役割を果たす。
【0008】
(発明の要旨)
本発明の1つの目的は、サイトカインに関連した疾患または障害の処置において有用であるサイトカインアゴニストの産生である。
【0009】
本発明の別の目的は、サイトカインに関連した疾患または障害の処置のために開示されたサイトカインアンタゴニストの使用である。例えば、本明細書中に記載されるIL−6アンタゴニストは、骨粗しょう症、癌の原発性および続発性の影響(多発性骨髄腫、または悪液質を含む)の処置に用いられ得る。
【0010】
本発明の別の目的は、サイトカインレセプターの新規のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するために有用なスクリーニング系の開発である。
【0011】
本発明の別の目的は、サイトカインのアゴニストおよびアンタゴニストとして作用する低分子を同定するために有用なスクリーニング系の開発である。
【0012】
本発明の別の目的は、サイトカインのCNTFファミリーのメンバーの新規のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するために有用なスクリーニング系の開発である。
【0013】
本発明の別の目的は、サイトカインのCNTFファミリーのアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する低分子を同定するために有用なスクリーニング系の開発である。
【0014】
(発明の詳細な説明)
本発明は、サイトカインを結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供し、これは以下を含む:
a)サイトカインのレセプターの特異性決定成分の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分のアミノ酸配列を含む、第1の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;
b)サイトカインのレセプターのシグナル伝達成分の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分のアミノ酸配列を含む、第2の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;および
c)多量体化成分のアミノ酸配列を含む、第3の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列。
【0015】
「サイトカイン結合部分」により意味されるものは、サイトカインを結合するために必要な細胞外ドメインの最小部分である。サイトカインレセプターに特徴的な定義は、最も簡単に図式化した(canonical)システインを含む2つのフィブロネクチン様ドメインの存在およびWSXWSボックスの存在であることが、当業者により容認される(Bazan,J.F.、1990、PNAS 87:6934−6938)。サイトカインのレセプターの結合成分およびサイトカインのレセプターのシグナル伝達成分の細胞外ドメインをコードする配列はまた、本発明の融合ポリペプチドを作製するために使用され得る。同様に、サイトカインのレセプターの成分のより大きい部分をコードするより長い配列が使用され得る。しかし、細胞外ドメインより小さいフラグメントがサイトカインを結合するように機能し、従って、本発明が、サイトカイン結合部分として、サイトカインを結合するために必要な細胞外ドメインの最小部分を含む融合ポリペプチドを意図することが意図される。
【0016】
本発明は、サイトカインのレセプターの「特異性決定成分」およびサイトカインのレセプターの「シグナル伝達成分」を含む。サイトカインレセプターの特定の成分またはサブユニットを命名するために使用される命名法に関わらず、当業者は、レセプターのいずれの成分またはサブユニットが、そのサイトカインの細胞標的の決定を担うかを認識し、従って、いずれの成分が「特異性決定成分」を構成するかを知る。
【0017】
同様に、使用される命名法に関わらず、当業者は、レセプターのいずれの成分またはサブユニットが「シグナル伝達成分」を構成するかを知る。本明細書中で使用される場合、「シグナル伝達成分」は、特異性決定成分ではなく、かつ特異性決定成分の非存在下ではサイトカインを結合しないかまたは弱く結合するネイティブのレセプターの成分である。ネイティブのレセプターにおいて、「シグナル伝達成分」は、シグナル伝達に関与し得る。
【0018】
例えば、いくつかのサイトカインレセプターはαおよびβと命名される成分を有するが、IL−4レセプターは、IL−2Rγと呼ばれるシグナル伝達成分を有する。しかし、どんな名称が成分と関連するかに関わらず、当業者は、IL−4レセプターのいずれの成分がシグナル伝達成分であるかを知る。従って、本発明を実施するためおよびIL−4に対する高親和性トラップを作製するために、当業者は、以下を含む単離された核酸を作製する:IL−4レセプターの特異性決定成分(IL−4Rα)の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分のアミノ酸配列を含む、第1の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;IL−4レセプターのシグナル伝達成分(IL−2Rγ)の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分のアミノ酸配列を含む、第2の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;および、IL−4に対する高親和性トラップを作製するための、多量体化成分(例えば、IgGのFcドメイン)のアミノ酸配列を含む、第3の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列。
【0019】
本発明に従ってサイトカインアンタゴニスト調製するために使用され得るレセプター成分のいくつかのさらなる例を、表1に示す。表1は、制限するためではなく例示のために、特定のサイトカインレセプターの特異性決定成分として機能するそれらの成分およびシグナル伝達成分として機能するそれらの成分を記載するために科学文献で使用された、変動した命名法のいくつかを示す。
【0020】
【表1】
Figure 0003902728
Figure 0003902728
多くの参考文献のうちのほんのわずかだけが表1に引用され、そしてそれらは以下のように示される:
1.SatoおよびMiyajima、Current Opinions in Cell Biology 6:174−179(1994)−第176頁、第9行〜第16行を参照のこと;
2.Miyajimaら、Annual Review of Immunology 10:295−331(1992)−第295頁、第4行〜第296頁、第1行;第305頁、最終段落を参照のこと;
3.Kondoら、Science 262:1874−1877(1993)−第1874頁、カラム1および2を参照のこと;
4.Hiltonら、EMBO Journal 13:4765−4775(1994)−第4766頁、カラム1、第20行〜第24行を参照のこと;
5.StahlおよびYancopoulos、Cell 74:587−590(1993)−第587頁、カラム2、第15行〜第22行を参照のこと;
6.Bassingら、Journal of Biological Chemistry 269:14861−14864(1994)−第14861頁、カラム2、第1行〜第9行および第21行〜第28行を参照のこと;
7.Kotenkoら、Journal of Biological Science 270:20915−20921(1995)−第20915頁、要約の第1行〜第5行を参照のこと;
8.Greenfederら、Journal of Biological Chemistry 270:13757−13765(1995)−第13757頁、カラム1、第6行〜カラム2、第3行、およびカラム2、第10行〜第12行;第13764頁、カラム2、最後の3行、および第13765頁、カラム1、第1行〜第7行を参照のこと;
9.LebrunおよびVale、Molecular Cell Biology 17:1682−1691(1997)−第1682頁、要約、第2行〜第6行を参照のこと;
10.KennedyおよびPark、Journal of Clinical Immunology 16:134−143(1996)−第134頁、要約の第1行〜第7行;第136頁、カラム2、第1行〜第5行を参照のこと;
11.Wescheら、Journal of Biological Chemistry 272:7727−7731(1997)第7731頁、第20行〜第26行を参照のこと。
【0021】
Kotenkoらは、活性IL−10レセプター複合体のために、およびIL−10誘導性のシグナル伝達事象を開始するために必須な、アクセサリー鎖として機能することが報告されている、IL−10R2(IL−10Rβ)鎖を、最近同定した(S.V.Kotenkoら、The EMBO Journal,1997,第16巻:5894−5903)。さらなるサイトカインおよびそれらのレセプターは、Current Biology Ltd./Garland Publishing Inc.(版権1996)によって出版された、Charles A.Janeway,Jr.およびPaul Traversによる、Immunobiology,The Immune System In Health and Disease,第2版の付録II、A:9頁に記載される。
【0022】
本発明の融合ポリペプチドをコードする核酸配列を調製する際に、融合ポリペプチドの第1の成分、第2の成分、および第3の成分は、宿主ベクター系によって発現された場合に、融合ポリペプチドのモノマー種を生成する、ヌクレオチドの単一の鎖にコードされる。次いで、このようにして発現されたモノマーは、多量体となる成分(第3の融合ポリペプチド成分)間の相互作用によって、多量体となる。この様式で融合ポリペプチドを産生することは、第1および第2の成分が、別個の分子として産生され、次いで多量体となった場合に生じる、ヘテロ二量体混合物の精製のための必要性を回避する。例えば、1995年11月28日に発行された米国特許第5,470,952号は、CNTFまたはIL−6アンタゴニストとして機能するヘテロ二量体タンパク質の産生を記載する。このヘテロ二量体は、適切なアルファ(α)成分およびベータ(β)成分とともに同時トランスフェクトされた細胞株から精製される。次いで、ヘテロ二量体は、例えば、調製用の非変性ポリアクリルアミドゲルからの受動的溶出の方法を使用して、または、高圧陽イオン交換クロマトグラフィーを使用することによって、ホモ二量体から分離される。この精製工程の必要性は、本発明の方法によって回避される。
【0023】
さらに、1996年4月18日に公開された、Dimeric IL−4 Inhibitorsという表題のPCT国際出願WO96/11213は、出願人が、2つのIL−4レセプターがポリマー性スペーサーによって結合されるホモ二量体を調製し、そしてIL−4レセプターが、ポリマー性スペーサーによってIL−2レセプターγ鎖に連結されているヘテロ二量体を調製したことを言及する。記載されたポリマー性スペーサーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。2つのレセプター成分、IL−4RおよびIL−2Rγは、別個に発現され、そして精製される。次いで、PEG化(pegylated)ホモ二量体およびヘテロ二量体は、二官能性PEG試薬を使用して、成分を互いに結合させることによって産生される。このような時間を消費し、かつコストのかかる精製およびPEG化工程の必要性を回避することが、本発明の利点である。
【0024】
本発明の1つの実施態様において、第1の成分をコードするヌクレオチド配列は、第2の成分をコードするヌクレオチド配列の上流にある。本発明の別の実施態様において、第1の成分をコードするヌクレオチド配列は、第2の成分をコードするヌクレオチド配列の下流にある。第1の融合ポリペプチド成分、第2の融合ポリペプチド成分、および第3の融合ポリペプチド成分の順番が再配列される、本発明のさらなる実施態様が準備され得る。例えば、第1の成分をコードするヌクレオチド配列が1と命名され、第2の成分をコードするヌクレオチド配列が2と命名され、そして第3の成分のヌクレオチド配列が3と命名される場合、5’から3’まで読まれるような本発明の単離された核酸における成分の順番は、以下の6つの組み合わせのいずれかであり得る:1、2、3;1、3、2;2、1、3;2、3、1;3、1、2;または3、2、1。
【0025】
本発明のさらなる実施態様において、融合ポリペプチドによって結合されるサイトカインは、インターロイキン−2、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−5、インターロイキン−6、インターロイキン−7、インターロイキン−9、インターロイキン−11、インターロイキン−13、インターロイキン−15、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、オンコスタチンM、白血病阻害因子、およびカルジオトロフィン(cardiotrophin)−1からなる群より選択されるサイトカインの造血素ファミリーのメンバーであり得る。
【0026】
本発明のさらなる実施態様において、融合ポリペプチドによって結合されるサイトカインは、IFN−γ、IFN−α、およびIFN−βからなる群より選択されるサイトカインのインターフェロンファミリーのメンバーであり得る。
【0027】
本発明のさらなる実施態様において、融合ポリペプチドによって結合されるサイトカインは、B7.1(CD80)およびB7.2(B70)からなる群より選択されるサイトカインの免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーであり得る。
【0028】
本発明のなおさらなる実施態様において、融合ポリペプチドによって結合されるサイトカインは、TNF−α、TNF−β、LT−β、CD40リガンド、Fasリガンド、CD27リガンド、CD30リガンド、および4−1BBLからなる群より選択されるサイトカインのTNFファミリーのメンバーであり得る。
【0029】
本発明のさらなる実施態様において、融合ポリペプチドによって結合されるサイトカインは、インターロイキン−1、インターロイキン−10、インターロイキン−12、インターロイキン−14、インターロイキン−18、およびMIFからなる群より選択されるサイトカインであり得る。
【0030】
特異性の決定およびシグナル伝達は、サイトカインのTGF−β/BMPファミリーにおけるのと類似の機構によって生じるので(D.Kingsley,Genes & Development,1994,8:133−146;J.Wrana,Miner Electrolyte Metab,24:120−130(1998);R.DerynckおよびX.Feng,Biochimica et Biophysica Acta 1333(1997)F105−F150;ならびにJ.MassagueおよびF.Weis−Garcia,「Serine/threonine Kinase Receptors:Mediators of Transforming Growth Factor Beta Family Signals」Cancer Surveys、第27巻:Cell Signaling、1996、Imperial Cancer Research Fundを参照のこと)、本発明は、TGF−β/BMPファミリーのメンバーであるサイトカインについての高親和性のアンタゴニストを産生するために使用され得る。
【0031】
従って、本発明のさらなる実施態様において、融合ポリペプチドによって結合されるサイトカインは、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、BMP−2、BMP−3a、BMP−3b、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、BMP−8a、BMP−8b、BMP−9、BMP−10、BMP−11、BMP−15、BMP−16、子宮内膜出血関連因子(EBAF)、増殖分化因子−1(GDF−1)、GDF−2、GDF−3、GDF−5、GDF−6、GDF−7、GDF−8、GDF−9、GDF−12、GDF−14、ミューラー阻害物質(MIS)、アクチビン−1、アクチビン−2、アクチビン−3、アクチビン−4、およびアクチビン−5からなる群より選択されるTGF−β/BMPファミリーのメンバーであり得る。
【0032】
本発明の代替的な実施態様において、特異性決定成分、シグナル伝達成分、またはその両方は、単鎖Fvによって置換され得る。単鎖Fv(scFv)は、合成ペプチドのストレッチによって、軽鎖のV領域に連結された重鎖のV領域のみを有する短縮型Fabである。例えば、本明細書中に参考として援用される、Cambridge Antibody Technology Limitedに与えられた、米国特許第5,565,332号;同第5,733,743号;同第5,837,242号;同第5,858,657号および同第5,871,907号を参照のこと。従って、本発明は、例えば、サイトカインを結合して、機能的でない複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を意図し、この複合体は、サイトカインのレセプターの成分を決定する特異性の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分のアミノ酸配列を含む第1の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;サイトカインのレセプターの成分を決定する特異性の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分が結合する部位と異なる部位でサイトカインを結合し得るscFvのアミノ酸配列を含む第2の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;および、多量体となる成分のアミノ酸配列を含む第3の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列を含む。あるいは、特異性決定成分は、シグナル伝達成分が結合する部位とは異なるサイトカイン上の部位に結合するscFvによって置換され得る。従って、本発明は、サイトカインを結合して、機能的でない複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を意図し、この複合体は、サイトカインのレセプターのシグナル伝達成分の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分が結合する部位とは異なるサイトカイン上の部位に結合するscFvのアミノ酸配列を含む第1の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;サイトカインのレセプターのシグナル伝達成分の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分のアミノ酸配列を含む第2の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;および、多量体となる成分のアミノ酸配列を含む第3の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0033】
別の実施態様において、本発明は、サイトカインを結合して、機能的でない複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードする単離された核酸分子を意図し、この複合体は、サイトカイン上の部位に結合する第1のscFvのアミノ酸配列を含む第1の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;第1のscFvが結合する部位とは異なるサイトカイン上の部位に結合する第2のscFvのアミノ酸配列を含む第2の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列;および、多量体となる成分のアミノ酸配列を含む第3の融合ポリペプチド成分をコードするヌクレオチド配列を含む。
【0034】
scFvを含む上記の実施態様のすべてにおいて、本発明はまた、第1の成分をコードするヌクレオチド配列が、第2の成分をコードするヌクレオチド配列の上流である実施態様;第1の成分をコードするヌクレオチド配列が、第2の成分をコードするヌクレオチド配列の下流である実施態様;ならびに、第1の融合ポリペプチド成分、第2の融合ポリペプチド成分、および第3の融合ポリペプチド成分の順番が再配列される、本発明のさらなる実施態様を意図する。例えば、第1の成分をコードするヌクレオチド配列が1と命名され、第2の成分をコードするヌクレオチド配列が2と命名され、そして第3の成分のヌクレオチド配列が3と命名される場合、5’から3’まで読まれるような本発明の単離された核酸における成分の順番は、以下の6つの組み合わせのいずれかであり得る:1、2、3;1、3、2;2、1、3;2、3、1;3、1、2;または3、2、1。
【0035】
本発明の好ましい実施態様において、多量体となる成分は、免疫グロブリン由来のドメインを含む。より具体的には、免疫グロブリン由来ドメインは、IgGのFcドメイン、IgGの重鎖、およびIgGの軽鎖からなる群より選択され得る。別の実施態様において、多量体となる成分は、最初の5つのアミノ酸(システインを含む)が取り除かれて、Fc(ΔC1)と呼ばれる多量体となる成分を生成したFcドメインであり得る。あるいは、多量体となる成分は、最初の5つのアミノ酸中のシステインが別のアミノ酸(例えば、セリンまたはアラニン)によって置換されたFcドメインであり得る。
【0036】
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子によってコードされる融合ポリペプチドを提供する。好ましくは、その融合ポリペプチドは、第3の多量体となる成分の機能によって、多量体形態である。好ましい実施態様において、その多量体は二量体である。適切な多量体となる成分は、免疫グロブリン重鎖ヒンジ領域をコードする配列(Takahashiら、1982,Cell 29:671−679);免疫グロブリン遺伝子配列、およびその部分である。本発明の好ましい実施態様において、免疫グロブリン遺伝子配列、とりわけ、Fcドメインをコードするものは、第3の多量体となる成分をコードするように使用される。
【0037】
本発明はまた、本明細書中に記載されるような本発明の核酸分子を含むベクターを意図する。
【0038】
本明細書中に記載されるような本発明の核酸を含む発現ベクターもまた提供し、ここで、この核酸分子は、発現制御配列に作動可能に連結される。融合ポリペプチドの産生のための宿主ベクター系もまた提供し、これは、融合ポリペプチドの発現に適切な宿主細胞内に導入された本発明の発現ベクターを含む。適切な宿主細胞は、細菌細胞(例えば、E.coli)、酵母細胞(例えば、Pichia pastoris)、昆虫細胞(例えば、Spodoptera frugiperda)、または哺乳動物細胞(例えば、COS細胞、CHO細胞、293細胞、BHK細胞またはNS0細胞)であり得る。
【0039】
本発明はまた、本発明の融合ポリペプチドを産生する方法を提供し、この方法は、本明細書中に記載の宿主ベクター系の細胞を、融合ポリペプチドが産生可能な条件下で培養する工程、およびこのように産生された融合ポリペプチドを回収する工程による。
【0040】
本発明は、サイトカイン(例えばCNTFファミリーのサイトカイン)によって共有されるレセプター成分に基づく新規アンタゴニストを提供する。
【0041】
本明細書中に記載の発明は、α特異性決定成分を利用する、任意のサイトカインに対するアンタゴニストの産生を意図し、このα特異性決定成分は、サイトカインと結合した場合に、第1のβシグナル伝達成分に結合して非機能性中間体を形成し、次いで、この中間体は、第2のβシグナル伝達成分に結合して、βレセプター二量体化および引き続くシグナル伝達を生じる。本発明に従って、レセプターの可溶性α特異性決定成分(sRα)およびサイトカインレセプターの第1のβシグナル伝達成分(β1)の細胞外ドメインが結合して、ヘテロ二量体(sRα:β1)を形成し、このヘテロ二量体は、サイトカインと結合して、非機能性複合体を形成することによってサイトカインに対するアンタゴニストとして作用する。
【0042】
実施例1に記載されるように、CNTFおよびIL−6は、β1レセプター成分gp130を共有する。CNTFが、CNTFRαおよびgp130と共に中間体を形成するという事実は、LIFRβを欠失する細胞において実証され得(実施例1)、ここで、CNTFとCNTFRαとの複合体は、gp130と結合し、そしてIL−6およびIL−6Rαによるgp130のホモ二量体化を妨げ、これによって、シグナル伝達をブロックする。これらの研究は、リガンドの存在下で、非機能的中間体複合体(リガンド、そのαレセプター成分およびそのβ1レセプター成分からなる)が形成され得る場合に、この複合体が、リガンドの作用を効果的にブロックすることを示すので、これらの研究は、本明細書中に記載のIL−6アンタゴニストの開発の基礎を提供する。他のサイトカインは、他のβ1レセプター成分(例えば、LIFRβ)を使用し得、これらもまた、本発明に従ってアンタゴニストを産生するために使用され得る。
【0043】
従って、例えば、本発明の1つの実施態様において、IL−6またはCNTFの効果的なアンタゴニストは、それらのレセプターのα特異性決定成分(それぞれ、sIL−6RαおよびsCNTFRα)の細胞外ドメインとgp130の細胞外ドメインとのヘテロ二量体からなる。この合成されたヘテロ二量体は、本明細書中以降、それぞれ、sIL−6Rα:β1およびsCNTFRα:β1と称し、それぞれ、IL−6またはCNTFに対する高親和性トラップとして機能し、従って、サイトカインを、それらのレセプターのネイティブな膜結合形態とシグナル伝達複合体を形成させないようにさせる。
【0044】
レセプターの細胞外部分由来のドメインと結合する可溶性リガンドは、これらのリガンドに対するトラップとして幾分効果的であり、そして従ってアンタゴニストとして作用することが示されたが[Bargetziら、Cancer Res.53:4010−4013(1993);ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:8616−8620(1992);Mohlerら、J.Immunol.151:1548−1561(1993);Narazakiら、Blood 82:1120−1126(1993)]、IL−6レセプターおよびCNTFレセプターは、αレセプター成分がリガンド結合ドメインを構成し、これらのドメインが、これらのリガンドと共に、可溶性形態でレセプターアゴニストとして効果的に機能するという点で通常ではない[Davisら、Science 259:1736−1739(1993);Tagaら、Cell 58:573−581(1989)]。本発明に従って調製されたsRα:β1ヘテロ二量体は、機能的中間体を作製することなくピコモル濃度の範囲の親和性でこれらのリガンドと結合する(PC12D細胞に対するCNTFについての結合研究に基づいて)、これらのリガンドに対する効果的なトラップを提供する。本明細書中に記載の技術を適用して、特異性を付与するα−成分、ならびにこのα−特異性成分に結合される場合に、いずれかの成分単独よりもサイトカインに対するより高い親和性を有するβ成分を利用して、任意のサイトカインに対するサイトカイントラップを開発し得る。従って、本発明に従うアンタゴニストは、以下のアンタゴニストを含む:インターロイキン1〜インターロイキン5[IL−1、Greenfederら、J.Biol.Chem.270:13757−13765(1995);Guoら、J.Biol.Chem.270:27562−27568(1995)]、IL−2;[Taniguchiら、欧州特許第0386289−A号および同第0386304−A号(1990);Takeshitaら、Science 257:379−382(1992)];IL−3;[Kitamuraら、Cell 66:1165−1174(1991)]、IL−4;[Idzerdaら、J.Exp.Med.171:861−873(1990)]、IL−5;[Taverneirら、Cell 66:1175−1184(1991)]、IL−11[(Cherelら、EMBL/GenBank/DDBJデータベースへのDirect Submission;登録番号Z38102)]、インターロイキンン15[IL−15;Hemarら、J.Cell Biol.1295:55−64(1995);Taniguchiら、欧州特許第0386289−A号および同第0386304−A号(1990);Takeshitaら、Science 257:379−382(1992)]、顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子[GM−CSF;Hayashidaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:9655−9659(1990)]、LIF、γインターフェロン[IFNγ;Aguetら、Cell 55:273−280(1988);Sohら、Cell 76:793−802(1994)]、およびトランスフォーミング増殖因子β[TGFβ;Inagakiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5359−5363[1993)]。
【0045】
αレセプター細胞外ドメインおよびβレセプター細胞外ドメインは、当業者に公知の方法を使用して調製され得る。CNTFRαレセプターは、クローン化され、配列決定され、そして発現されている[Davisら、(1991)Science 253:59−63(本明細書中にその全体が参考として援用される)]。LIFRβおよびgp130のクローニングは、Geringら、EMBO J.10:2839−2848(1991),Hibiら、Cell 63:1149−1157(1990)および公開PCT出願WO93/10151(1993年5月27日公開)(これら全ては、本明細書中にそれら全体が参考として援用される)に記載される。
【0046】
本発明の実施に有用なレセプター分子は、原核生物発現系または真核生物発現系における、クローニングおよび発現によって調製され得る。この組換えレセプター遺伝子は、かなり多数の方法を利用して発現および精製され得る。この因子をコードする遺伝子は、細菌発現ベクター(例えば、pCP110のような(しかし、これに限定されない))内にサブクローニングされ得る。
【0047】
組換え因子は、安定な生物学的に活性なタンパク質の引き続く形成を可能にする任意の技術によって精製され得る。例えば、これらに限定されないが、この因子は、可溶性タンパク質または封入体のいずれかとして細胞から回収され得、これらから、8M塩酸グアニジンおよび透析によって定量的に抽出され得る。因子のさらなる精製のために、従来のイオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーまたはゲル濾過が、使用され得る。
【0048】
sRα:βヘテロ二量体レセプターは、βレセプターヘテロ二量体の産生を記載する「Receptor for Oncostatin M and Leukemia Inhibitory Factor」という表題の公開PCT出願WO93/10151(1993年5月27日公開)に記載されるように、公知の融合領域を使用して操作され得るか、またはこれらは、化学的手段による細胞外ドメインの架橋によって調製され得る。利用されるドメインは、α成分およびβ成分の細胞外ドメイン全体からなり得るか、またはこれらは、sRα:β1複合体においてそのリガンドおよび他の成分と複合体を形成する能力を維持する、それらの変異体またはフラグメントからなり得る。例えば、以下の実施例4に記載されるように、IL−6アンタゴニストは、その3つのフィブロネクチン様ドメインを欠失するgp130を使用して調製される。
【0049】
本発明の1つの実施態様において、細胞外ドメインは、ロイシンジッパーを使用して操作される。ヒト転写因子c−junおよびc−fosのロイシンジッパードメインは、1:1の化学量論で安定なヘテロ二量体を形成することが示されている[BuschおよびSassone−Corsi,Trends Genetics 6:36−40(1990);Gentzら、Science 243:1695−1699(1989)]。jun−junホモ二量体もまた形成することが示されているが、これらは、jun−fosヘテロ二量体より安定性が約1000分の1未満である。fos−fosホモ二量体は、検出されなかった。
【0050】
c−junまたはc−fosのいずれかのロイシンジッパードメインは、キメラ遺伝子を遺伝的に操作することによって、上記のレセプター成分の可溶性ドメインまたは細胞外ドメインのC末端にインフレームで融合される。これらの融合は直接的であり得るか、またはこれらの融合は、可撓性リンカードメイン(例えば、ヒトIgGのヒンジ領域)、または種々の長さおよび組み合わせで、低分子アミノ酸(例えば、グリシン、セリン、スレオニンまたはアラニン)からなるポリペプチドリンカーを使用し得る。さらに、キメラタンパク質は、His−His−His−His−His−His(His6)[配列番号1]によってタグ化されて、金属キレートクロマトグラフィーにより迅速な精製を可能にし得るか、そして/または抗体が利用可能なエピトープによってタグ化されて、ウェスタンブロット、免疫沈降、またはバイオアッセイにおける活性の欠損/ブロッキングでの検出を可能にし得る。
【0051】
別の実施態様において、以下の実施例3に記載されるように、sRα:β1ヘテロ二量体は、ヒトIgG1のFc−ドメインを使用することを除き、類似の方法を使用して調製される[Aruffoら、Cell 67:35−44(1991)]。後者とは反対に、ヘテロ二量体の形成は、Fc−ドメインを保持するキメラ分子がジスルフィド結合されたホモ二量体として発現されるので、生化学的に活性化されるはずである。従って、ホモ二量体は、鎖間ジスルフィドの破壊に有利であるが、鎖内ジスルフィドに影響を及ぼさない条件下で還元され得る。次いで、異なる細胞外部分を有するモノマーは、等モル量で混合され、そして酸化されてホモ二量体およびヘテロ二量体の混合物を形成する。この混合物の成分は、クロマトグラフィー技術によって分離される。あるいは、この型のヘテロ二量体の形成を、レセプター成分の可溶性部分または細胞外部分(これに、hIgGのFc−ドメインが続き、これに上記のc−junロイシンジッパーまたはc−fosロイシンジッパーのいずれかが続く)からなる分子を遺伝的に操作および発現することによって偏向し得る[Kostelnyら、J.Immunol.148:1547−1553(1992)]。これらのロイシンジッパーは、ヘテロ二量体を主に形成するので、これらは、所望の場合、ヘテロ二量体の形成を駆動するために使用され得る。ロイシンジッパーを使用する記載されたキメラタンパク質について、これらはまた、金属キレートまたはエピトープでタグ化され得る。このタグ化ドメインは、金属キレートクロマトグラフィーによって迅速な精製のために使用され得るか、そして/または抗体によってウェスタンブロット、免疫沈降、またはバイオアッセイにおける活性の減損/ブロッキングでの検出を可能にするために使用され得る。
【0052】
さらなる実施態様において、ヘテロ二量体は、二量体の形成を駆動するドメイン由来の他の免疫グロブリンを使用して調製され得る。このようなドメインとしては、例えば、IgGの重鎖(Cγ1およびCγ4)、ならびにヒト免疫グロブリンのカッパ(κ)軽鎖およびラムダ(λ)軽鎖の定常領域が挙げられる。Cγの軽鎖とのヘテロ二量体化は、CγのCH1ドメインと軽鎖(CL)の定常領域との間で生じ、そして単一のジスルフィド架橋を介して2つのドメインの共有結合によって安定化される。従って、実施例4に記載されるように、構築物は、これらの免疫グロブリンドメインを使用して調製される。あるいは、免疫グロブリンドメインは、二量体化を駆動するT細胞レセプター成分から誘導され得るドメインを含む。本発明の別の実施態様において、sRα:β1ヘテロ二量体は、可撓性リンカーループを利用してキメラ分子として発現することによって調製され得る。このキメラタンパク質をコードするDNA構築物は、それが、可撓性ループによって共に直列(「ヘッド−ヘッド」)に融合された2つの可溶性ドメインまたは細胞外ドメインを発現するように設計される。このループは、全体的に人工的(例えば、一定間隔でセリンまたはスレオニンによって干渉されるポリグリシン反復)であり得るか、天然に存在するタンパク質(例えば、hIgGのヒンジ領域)から「拝借」され得る。分子は、融合される可溶性ドメインまたは細胞外ドメインの順序が、スイッチされる(例えば、sIL6Rα/ループ/sgp130またはsgp130/ループ/sIL−6Rα)か、そして/またはループの長さおよび組成が変更されるように操作され、所望の特徴を有する分子の選択を可能にする。
【0053】
あるいは、本発明に従って作製されたヘテロ二量体は、適切なα成分およびβ成分で同時トランスフェクトされた細胞株から精製され得る。ヘテロ二量体は、当業者に利用可能な方法を使用してホモ二量体から分離され得る。例えば、限定量のヘテロ二量体は、調製用の非変性ポリアクリルアミドゲルからの受動的溶出によって回収され得る。あるいは、ヘテロ二量体は、高圧カチオン交換クロマトグラフィーを使用して精製され得る。優れた精製は、Mono Sカチオン交換カラムを使用して得られている。
【0054】
遊離CNTFまたはIL−6を結合することによってアンタゴニストとして作用するsRα:β1ヘテロ二量体に加えて、本発明はまた、新規な特性を有するIL−6の操作された変異バージョンの使用を企図し、この新規な特性は、IL−6のバージョンを、IL−6Rαおよび1個のgp130分子に結合させることを可能にするが、第2のgp130に係合して、β成分ホモ二量体化を完了することができない。そのため、任意のIL−6応答性細胞に対する有効なIL−6アンタゴニストとして作用する。IL−6およびCNTFレセプター複合体の構造についての本発明者らのモデルは、これらのサイトカインがα、β1およびβ2レセプター成分を結合するための異なる部位を有することを示す[StahlおよびYancopoulos,Cell 74:587−590(1993)]。これらの部位の各々を含む重要なアミノ酸残基の変異は、所望のアンタゴニスト特性を有する新規な分子を生じる。β1部位の除去は、αレセプター成分になお結合し得るが、β1成分には結合せず、これによって、ナノモル濃度の親和性を有するアンタゴニストを含む分子を与える。IL−6(IL−6β2−)のβ2部位を含む重要なアミノ酸残基の変異は、IL−6Rαおよび第1のgp130単量体に結合するが、第2のgp130に係合せず、従って、機能的に不活性であり得る分子を与える。同様に、CNTF β2部位の変異は、CNTFRαおよびgp130を結合するが、LIFRβを係合せず、これによって非機能的β1中間体を形成することによりCNTF作用と拮抗する(antagonize)分子(CNTFβ2−)を与える。CNTFが高親和性を有するβ1中間体を形成する、上記の結合結果に基づくと、CNTFβ2−およびIL−6β2−はともに、10pMの範囲の親和性を有するアンタゴニストを構成する。
【0055】
種々の手段を用いて、所望の特性を有するIL−6またはCNTFの変異を作製および同定する。IL−6またはCNTFをコードするDNAの標準的方法によるランダム変異誘発を用い、次いで、産物の収集物を分析して、以下に概説されるように所望の新規な特性を有する変異したサイトカインを同定し得る。遺伝子操作による変異誘発を、組換えタンパク質の機能的ドメインの構造的組織化を評価するために、広範に用いてきた。いくつかの異なるアプローチは、欠失または置換の変異誘発を行うことに関して文献に記載された。最も成功したものは、アラニンスキャニング変異誘発[CunninghamおよびWells(1989),Science 244:1081−1085]およびホモログスキャニング変異誘発[Cunninghamら、(1989)、Science 243:1330−1336]であるようである
このような方法を用いたIL−6またはCNTF核酸配列の標的化された変異誘発を使用して、CNTFβ2−、またはIL−6β2−候補物を生成し得る。標的化された変異誘発に適切な領域の選択は、系統的に行われるか、または各因子に対するモノクローナル抗体のパネルを用いて、αレセプター成分単独に対するサイトカインの結合または上記のαβ1ヘテロ二量体可溶性レセプターに対するサイトカインの結合後に露出され得るサイトカインの領域をマッピングすることにより研究から決定され得る。同様に、サイトカイン単独でのもしくは上記のαレセプター成分もしくはαβ1ヘテロ二量体可溶性レセプターに結合した複合体における化学的修飾または限定されたタンパク質分解、次いで、保護領域もしくは露出領域の分析は、潜在的なβ2結合部位を明らかにし得る。
【0056】
所望の特性を有するCNTFまたはIL−6α変異体を同定するためのアッセイは、適切に応答性の細胞株に対するIL−6またはCNTFの作用を高親和性でブロックする能力を包含する[Davisら、Science 259:1736−1739(1993);Murakamiら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:11349−11353(1991)]。このようなアッセイとしては、CNTFもしくはIL−6によって駆動される細胞の増殖、生存性、またはDNA合成、あるいは因子の結合がCATまたはβ−ガラクトシダーゼのようなレポーターの生成を誘導する細胞株の構築が挙げられる[Savinoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:4067−4074(1993)]。
【0057】
あるいは、種々の変異体の特性は、レセプターベースのアッセイを用いて評価され得る。1つのこのようなアッセイは、エピロープタグ化[Davisら、Science 253:59−63(1991)]sRα:β1試薬を用いて上記のsRα:β1レセプターヘテロ二量体を結合する能力について変異体をスクリーニングすることからなる。さらに、エピトープタグ化可溶性β2試薬がβ1ヘテロ二量体の存在下でサイトカインに結合するか否かを評価することによってβ2部位の存在または非存在についてプローブし得る。例えば、CNTFのみが、CNTFRαおよびgp130両方の存在化でLIFRβ(β2成分)に結合する[Davisら、Science 260:1805−1808(1993);Stahlら、J.Biol.Chem.268:7628−7631(1993)]。従って、可溶性LIFRβ試薬は、可溶性sRα:β1二量体sCNTFRα:β1の存在下でCNTFに結合するのみである。IL−6については、sRα:β1試薬がIL−6Rα:β1であり、そしてβ2部位についてのプローブは、エピトープタグ化されたsgp130である。従ってCNTFのβ2−変異体は、sRα:β1試薬を結合するものとして同定され、このことにより、サイトカインのαおよびβ1部位がインタクトであったが、β2試薬を結合しなかったことを示す。
【0058】
さらに、本発明は、Jak1、Jak2およびTyk2または任意の他のシグナル伝達成分(例えば、CLIP)からなる群より選択されるβ−レセプター成分またはシグナル伝達成分のリン酸化を測定することによって潜在的なβ2−変異体の活性を検出または測定する方法を提供する。これは、サイトカインのCNTFファミリーのメンバーに応答してリン酸化されることが決定される。
【0059】
本明細書中に記載されるシグナル伝達成分を発現する細胞は、天然にそのようなことを行うか、またはそのようなことを行うために遺伝子操作されたかのいずれかであり得る。例えば、Velazquezら、Cell,Vol.70:313−322(1992)に記載されるように得られるJak1およびTyk2コード核酸配列は、当該分野で知られた任意の公知の方法を用いて、形質導入、トランスフェクション、マイクロインジェクション、エレクトロポレーションによって、トランスジェニック動物などを通じて細胞に導入され得る。
【0060】
本発明によれば、細胞を潜在的なアンタゴニストに曝露し、そしてβ成分またはシグナル伝達成分のいずれかのチロシンリン酸化が、潜在的なアンタゴニストの非存在下での同じ成分のチロシンリン酸化と比較される。本発明の別の実施態様において、上記の細胞と、潜在的なアンタゴニストを接触させることから得られたチロシンリン酸化は、親CNTFファミリーメンバーに曝された同じ細胞のチロシンリン酸化と比較される。このようなアッセイにおいて、細胞は、細胞外レセプター(α成分)を発現しなければならないか、またはこの細胞は、可溶性レセプター成分の存在下で試験薬剤に曝され得るかのいずれかである。従って、例えば、CNTFのアゴニストまたはアンタゴニストを同定するために設計されたアッセイ系において、この細胞は、α成分CNTFRα、β成分gp130およびLTFRβならびにシグナル伝達成分(例えば、Jak1)を発現し得る。細胞は、試験薬剤に曝され、そしてβ成分またはシグナル伝達成分のいずれかのチロシンリン酸化は、CNTFの存在下で生じたリン酸化パターンと比較される。あるいは、試験薬剤への曝露から生じるチロシンリン酸化は、試験薬剤の非存在下で生じるリン酸化と比較される。あるいは、例えば、IL−6についてのアッセイ系は、β成分gp130およびシグナル伝達タンパク質(例えば、Jak1、Jak2またはTyk2)を発現する細胞を、可溶性IL−6レセプターとともに試験薬剤に曝す工程を包含し得る。
【0061】
本発明の別の実施態様において、上記のアプローチを用いて、リガンド結合、レセプター複合体形成、および引き続くシグナル伝達のプロセスにおける種々の工程において作用する低分子アンタゴニストをスクリーニングする方法を開発する。リガンド−レセプター相互作用を潜在的に妨げる分子は、可溶性レセプターと上記のリガンドとの間の複合体形成の干渉を評価することによりスクリーニングされる。あるいは、IL−6またはCNTFがレポーター遺伝子の応答を誘導する細胞ベースのアッセイは、低分子または天然産物のライブラリーに対してスクリーニングされて、潜在的なアンタゴニストを同定する。アンタゴニスト活性を示すこれらの分子は、他の因子(例えば、GM−CSFまたはレセプターチロシンキナーゼを活性化するニューロトロフィン3のような因子)に応答する細胞ベースのアッセイに対して再スクリーニングされて、CNTF/IL−6/OSM/LIFファミリーの因子に対するそれらの特異性を評価する。このような細胞ベースのスクリーニングを用いて、シグナル伝達プロセスにおける多くの標的のいずれかを阻害するアンタゴニストを同定する。
【0062】
1つのこのようなアッセイ系において、アンタゴニストに対して特異的な標的は、Jak/Tykファミリーのキナーゼ[Firmbach−Kraft,Oncogene 5:1329−1336(1990);Wilksら、Mol.ell.Biol.11:2057−2065(1991)]と、レセプターβサブユニットとの相互作用である。上記のように、LIFRβおよびgp130は、細胞質タンパク質チロシンキナーゼのJak/Tykファミリーのメンバー(これは、リガンド誘導性β成分二量体化に応答して活性化される)と予め会合する(Stahlら、Science 263:92−95(1993))。従って、細胞の細胞質に進入し得、そしてβ成分とJak/Tykキナーゼとの間の相互作用を破壊し得る低分子は、潜在的に、全ての引き続く細胞内シグナル伝達をブロックし得る。このような活性は、低分子が、精製β成分とJak/Tykキナーゼの関連する結合ドメインの間の相互作用をブロックする能力を評価したインビトロスキームでスクリーニングされ得る。あるいは、当業者は、ツーハイブリッド相互作用システムを用いてJak/Tykキナーゼに結合するβ成分の酵母ベースのアッセイを阻害し得る分子について容易にスクリーニングし得る[Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.88:9578−9582(1991)]。このような系において、2つのタンパク質(β成分およびJak/Tykキナーゼまたはこの例におけるその関連するドメイン)の間の相互作用は、便利なマーカー(例えば、β−ガラクトシダーゼ)の生成を誘導する。低分子の収集物を、2つのコントロールタンパク質間の相互作用を阻害することなく、所望の相互作用を破壊する能力について試験する。このスクリーニングの利点は、β成分とJak/Tykキナーゼとの間の相互作用を阻害する前に、試験化合物が細胞に進入するという要件である。
【0063】
本明細書中に記載のCNTFファミリーのアンタゴニストは、サイトカインであるCNTFおよびIL−6に結合するか、またはこれと競合するかのいずれかである。従って、これらのサイトカインは、CNTFまたはIL−6により媒介される疾患または障害を処置するために有用である。例えば、IL−6アンタゴニストの治療的用途としては以下が挙げられる:
1)骨粗鬆症(閉経後の女性においてまたは卵巣摘出によりエストロゲンレベルが低下することにより悪化し得る)において、IL−6は、骨の吸収を導く破骨細胞生成(osteoclastogenesis)の重要なメディエーターであるようである[Horowitz,Science 260:626−627(1993);Jilkaら、Science 257:88−91(1992)]。重要なことには、IL−6は、エストロゲン枯渇状態において主要な役割を果たすにすぎないようであり、そして明らかに正常骨の維持に最小限に関与する。このことと一致して、IL−6に対する機能ブロック(function−blocking)抗体は、破骨細胞の数を減少させ得るという実験的証拠を示す[Jilkaら、Science 257:88−91(1992)]。エストロゲン置換治療もまた使用される一方で、子宮内膜癌および乳癌の危険性が増加することを含み得る副作用が存在するようである。従って、本明細書中に記載されるIL−6アンタゴニストは、正常レベルまで破骨細胞生成を低減させるためにより特異的である
2)IL−6は、オートクラインまたはパラクリン様式のいずれかで作用して腫瘍形成を促進するすることにより、複数の骨髄腫に直接関与するようである[van Oersら、Ann Hematol.66:219−223(1993)]。さらに、上昇したIL−6レベルは、所望でない二次的作用(例えば、骨吸収、高カルシウム血症、および悪液質)を生じ;限られた研究では、IL−6またはIL−6Raに対する機能ブロック抗体は、いくらかの効力を有する[Kleinら、Blood 78:1198〜1204(1991);Suzukiら、Eur.J.Immunol.22:1989−1993(1992)]。従って、本明細書中で記載されるIL−6アンタゴニストは、二次的作用および腫瘍増殖の阻害の両方に有益である
3)IL−6は、おそらく、脂肪組織におけるリポタンパク質リパーゼ活性を低減する[Greenbergら、Cancer Research 52:4113〜4116(1992)]ことによりAIDSおよび癌に関連する悪液質を導く腫瘍壊死因子(TNF)のメディエーターであり得る[Strassmannら、J.Clin.Invest.89:1681−1684(1992)]。従って、本明細書中に記載されるアンタゴニストは、このような患者において悪液質を緩和または軽減する際に有用である。
【0064】
これらのまたは他のCNTFファミリーに関連する疾患または障害を処置するために有用な効果的用量は、当業者に公知の方法を用いて決定され得る[例えば、Finglら、The Pharmacological Basis of Therapeutics,GoodmanおよびGilman編、Macmillan Publishing Co.,New York,1〜46頁(1975)]。本発明に従う使用のための薬学的組成物は、インビボで投与する前に、薬理学的に受容可能な液体、固体、または半固体のキャリア中に、キャリアもしくは標的化分子(例えば、抗体、ホルモン、増殖因子など)に結合された、ならびに/またはリポソーム、マイクロカプセル、および徐放性調製物(アンタゴニスト発現細胞を含む)に組み込まれた上記のアンタゴニストを含む。例えば、この薬学的組成物は、水溶液中(例えば、滅菌水、生理食塩水、リン酸緩衝液またはデキストロース溶液)中に1つ以上のアンタゴニストを含み得る。あるいは、この活性薬剤は、固体(例えば、ろう)または半固体(例えば、ゼラチン様)処方物中に含まれ得、これらの処方物は、このような処置が必要な患者に移植され得る。投与経路は、当該分野で公知の任意の投与様式(静脈内、鞘内(intrathecally)、皮下(関連する組織への注射によって)、動脈内、鼻腔内、経口、または移植デバイスを介してが挙げられるが、これらに限定されない)であり得る。
【0065】
投与は、身体全体にかまたは局所領域において、本発明の活性薬剤の分布を生じ得る。例えば、神経系の遠位領域を含むいくつかの条件において、薬剤の静脈内投与または鞘内投与が、所望され得る。いくつかの状況において、活性薬剤を含む移植片が、病変領域中にかまたはその近辺に配置され得る。適切な移植片には、ゲル泡状物(gelfoam)、ろう、または微粒子ベースの移植片が挙げられるがこれらに限定されない。
【0066】
(実施例)
(実施例1:CNTFは、GP130に対する結合について、IL−6と競合する)
(材料および方法)
(材料)IL−6に応答するPC12細胞のクローン(PC12D)を、DNAXから得た。ラットCNTFを、記載される通りに調製した(Masiakowskiら、J.Neurochem.57:1003〜10012(1991))。IL−6およびsIL−6Rαを、R&D Systemsから購入した。抗血清を、gp130のC末端に近い領域に由来するペプチド(配列:CGTEGQVERFETVGME)(配列番号2)に対して、記載される方法(Stahlら、J.Biol.Chem.268:7628〜7631(1993))によってウサギにおいて惹起した。抗ホスホチロシンモノクローナル4G10を、UBIから購入し、そしてECLについての試薬を、Amershamから購入した。
【0067】
(シグナル伝達アッセイ)PC12Dのプレート(10cm)を、無血清培地(RPMI1640+グルタミン)中で1時間飢餓させ、次いで、示された濃度で添加されたラットCNTFの存在または非存在下で、IL−6(50ng/mL)+sIL−6R(1mg/mL)と、37℃で5分間インキュベートした。次いで、サンプルを、抗gp130免疫沈降に供し、SDS−PAGEし、そして記載されるように抗ホスホチロシンイムノブロッティングした(Stahlら、J.Biol.Chem.268:7628〜7631(1993))。
【0068】
(結果)
CNTFがIL−6応答をブロックする能力を、IL−6Rα、gp130、およびCNTFRαを発現するがLIFRβを発現しないPC12細胞株(PC12Dと呼ばれる)を使用して測定した。推定されるように、これらの細胞は、IL−6に応答するが、CNTFに応答しない(図2)。なぜなら、LIFRβは、CNTFシグナル伝達のために必要とされる成分であるからである(Davisら、Science 260:59〜63(1993))。他の細胞株での結果(Ipら、Cell 69:1121〜1132(1992))に従って、PC12D細胞は、2nM IL−6に応答して、gp130(ならびにCLIPと呼ばれる種々の他のタンパク質)のチロシンリン酸化を生じる(図2)。組換え可溶性IL−6Rα(sIL−6α)の添加は、他のいくつかの系で報告されているように、gp130チロシンリン酸化のレベルを増強させる(Tagaら、Cell 58:573〜581(1989))。しかし、IL−6との2nM CNTFの同時添加は、gp130のチロシンリン酸化を激しく減少させる。わずかなgp130リン酸化応答は、CNTF、IL−6、およびsIL−6Rαの存在下で残存するが、CNTF濃度が8nMへと四倍に増加する場合にこれは消去される。したがって、CNTFRαを含むがLIFRβを含まないIL−6応答性細胞において、CNTFは、IL−6作用のかなり強力なアンタゴニストである。
【0069】
(実施例2.CNTFRα:βへのCNTFの結合)
(材料および方法)
(CNTF結合のスキャッチャード分析)125I−CNTFを記載される通りに調製し、そして精製した(Stahlら、JBC 268:7628〜7631(1993))。飽和結合研究を、20pM〜10nMの範囲の125I−CNTFの濃度を使用して、PC12細胞で行った。結合を単層の細胞上で直接的に行った。培地をウェルから取り除き、そして細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS;pH7.4)、0.1mMバシトラシン、1mM PMSF、1mg/mlロイペプチン、および1mg/ml BSAからなるアッセイ緩衝液で1回洗浄した。細胞を125I−CNTF中で、室温で2時間インキュベートし、続いてアッセイ緩衝液で2回素早く洗浄した。細胞を1% SDSを含むPBSで溶解し、そしてPackard Gamma Counterで90〜95%の効率で計数した。非特異的結合を、100倍過剰の未標識CNTFの存在によって規定した。特異的な結合は、70%〜95%の範囲であった。
【0070】
(結果)
CNTFRα:β1へのCNTFの結合についての平衡定数を、PC12D細胞に対する、ヨード化したCNTF結合のスキャッチャード分析から見積もった(図3)。このデータは、9pMおよび3.4nMの解離定数を有する2部位フィット(2 site fit)と一致した。低親和性部位は、CNTFRαとのCNTFの相互作用に対応し、これは、およそ3nMのKdを有する(Panayotatosら、J.Biol.Chem.268:19000〜19003(1993))。本発明者らは、CNTF、CNTFRα、およびgp130を含む中間体として高親和性複合体を解釈する。Ewing肉腫細胞株(EW−1)は、CNTFRα、gp130、およびLIFRβを含み、従って、CNTFに応答して頑強なチロシンリン酸化を与え、1nMおよび10の解離定数を有する非常に類似の2部位フィットを示す。従って、CNTFは、CNTFRαおよびgp130のみを含む複合体に同程度の高親和性で結合することが明らかである。これは、LIFRβをさらに含む複合体に結合するので、従って本明細書中に記載されるsRα:βアンタゴニストを作製する実現性を実証する。
【0071】
(実施例3.サイトカインリガンドトラップを生成するための方法)
(ウイルスストックの生成)
Spodoptera frugiperdaから得られるSF21昆虫細胞を、Gibco SF900II培地中で、1×106細胞/mLの密度まで27℃で増殖させた。GP130−Fc−His6(図4)またはIL6Ra−Fc(図5)のいずれかについての個々のウイルスストックを、低い多重度(multiplicity)0.01〜0.1PFU/細胞でバイオリアクターに添加し、感染を開始した。この感染プロセスを、5〜7日間続けさせ、実質的な細胞溶解を損なうことなく最大のウイルス複製を可能にした。この細胞懸濁液を無菌的に滅菌遠心ビンにアリコートし、そして細胞を遠心分離により取り除いた。細胞を含まない上清を、無菌ビンに収集し、そしてさらなる使用まで4℃で貯蔵した。
【0072】
ウイルス力価を、O’Reilly、MillerおよびLuckowにより記載されるようにプラークアッセイにより決定した。この方法を、2×106細胞で播種される、60mm組織培養ディッシュ中で行う。ストックの連続希釈を、付着した細胞に加え、そしてこの混合物を、ウイルスが個々の細胞に吸着されることを可能にするように揺り動かしながらインキュベートした。アガーの重層を加え、そしてプレートを、27℃で5〜7日間インキュベートする。ニュートラルレッドでの生存細胞の染色は、環状プラークの結果を示し、これは、ウイルス力価を与えるために計数された。
【0073】
(タンパク質産生のための細胞の同時感染)
未感染SF21細胞を、40LのSF900 II培地を含む60LのABECバイオリアクター中で増殖させた。温度を、27℃に制御し、そして溶存酸素レベルを、注入口での気体の流動における酸素の流速を制御することによって50%の飽和度に維持した。2×106細胞/mLの密度に達した場合に、これらの細胞を、Millipore Prostak 0.65ミクロン膜を備える接線方向フロー濾過デバイスを備えた低剪断流動滅菌可能ポンプを使用して、20Lの用量まで、バイオリアクター内で濃縮した。濃縮した新鮮な無菌増殖培地を、このバイオリアクターにゆっくりと添加し、一方、濾過システムは、ダイアフィルトレーション(diafiltration)によって使用済み増殖培地を取り除き続ける。2容量の交換(40L)が行われた後に、さらなる20Lの新鮮培地を、このバイオリアクターに加えて、40Lの本来の容量にこれらの細胞を再懸濁させた。この細胞密度を、血球計を使用して生存細胞を計数することによってもう一度決定した。
【0074】
各々のウイルスストックの必要とされる量を、細胞密度、ウイルス力価および感染の所望される多重度(MOI)に基づいて算定した。5:1、5:2、10:2、および10:4のウイルスストック比(IL6Rα−Fc対GP130−Fc−His6)は、全てが、有意な量のヘテロ二量体の産生を生じた。理想的なウイルスストック比は、各々の2つのホモ二量体からのヘテロ二量体の精製の容易さに非常に依存する。IL6Rα−Fcホモ二量体は、固定化金属親和性クロマトグラフィーによって、下流を除去することが比較的に容易である。ウイルス感染比は、下流をクリアすることがより困難であるGP130−Fc−His6ホモ二量体の形成を最小化するように選択されている。感染のために選択されたGP130−Fc−His6ウイルスストックの相対量は、得られたホモ二量体をクリアするための精製方法が改善されたような、連続的なバッチで増大した。
【0075】
ウイルスストックを、単一の容器中にて無菌的に混合し、次いで、バイオリアクターに移した。これは、SF21細胞の同調化した感染を生じる。この感染を3〜4日間、進行させて、ヘテロ二量体タンパク質の最大の産生に十分な時間を可能にする。
【0076】
(回収およびプロテインAクロマトグラフィー精製)
バイオリアクタープロセスの感染期の終わりに、これらの細胞を、10ft2Milipore Prostakフィルター(0.65ミクロン)孔サイズを使用して、バイオリアクター中で濃縮した。このフィルターを通過する、細胞を含まない透過物を、清潔なプロセス容器中に収集した。濾過操作の終わりに、タンパク質産物を含む透過流動物のpHを、10N NaOHで8.0に調製した。得られた沈澱を、0.8ミクロンデプスフィルター(Sartorious)、続いて0.2ミクロンフィルターに抽出物を強制的に通すことによって除去した。十分な0.5M EDTAストックを、5mMの最終濃度を与えるように添加した。濾過したタンパク質溶液を、100〜200mLのPharmacia Protein A Sepharose 4 Fast Flowを備える10cmの直径のカラム(PBSで平衡化した)上に充填した。プロテインA(Protein A)は、3つの組換えタンパク質産物の各々のFc−Fcドメインに対して非常に高親和性を有する。このことは、細胞を含まない抽出物中の他のタンパク質がこのカラムを通じて流れる間にこれらの組換えタンパク質産物が結合することを可能にする。充填後に、このカラムを、さらなる350mM NaClを含むPBSでベースラインまで洗浄した。IgG−Fcタグ化タンパク質を、0.5M酢酸を用いてか、または0.1Mクエン酸および0.2Mリン酸二ナトリウム緩衝液の減少pH勾配を用いてかのいずれかで、低いpHで、溶出させた。Tris塩基またはリン酸二ナトリウムを、この溶出させたタンパク質に添加し、低pH条件への長期の曝露を回避した。
【0077】
プールされたタンパク質を、PBSまたはHEPES緩衝液中にダイアフィルトレーションし、そして1mMヨードアセトアミドで誘導体化して、各Fcドメインのヒンジ領域付近の遊離システイン上に露出したスルフヒドリル基を保護した。これは、タンパク質のジスルフィド媒介性凝集を防止する。名目上30キロダルトンのカットオフを有する6ft2Millipore spiral wound限外濾過膜を使用して、緩衝液の交換を行った。総タンパク質を、ダイアフィルトレーション緩衝液をブランクとして使用して、280nmでのUV吸光度によって決定した。ヘテロ二量体タンパク質および2つのホモ二量体タンパク質の相対量を、6%Tris−Glysineゲル(Novex)を使用して、SDS PAGEゲル電気泳動によって決定した。次いで、ゲルをクマシー染色し、脱染色溶液に一晩移した。Shimadzu走査デンシトメーターを使用して、SDS PAGEゲル上の個々のタンパク質バンドの相対強度を決定した。ピーク領域比を使用して、カラムプール画分中でのヘテロ二量体およびホモ二量体の各々の画分を計算する。
【0078】
(固定化した金属親和性クロマトフラフィー精製)
GP130−Fc−His6融合タンパク質のC末端上の6つのヒスチジン残基は、2つのホモ二量体からのヘテロ二量体IL6アンタゴニストの分離の優れた分子の取扱いを提供する。GP130−Fc−His6部分の各々のC末端ヒスチジン上のイミダゾール基は、いくつかの2価の金属(銅、ニッケル、亜鉛、コバルト、鉄およびカルシウムを含む)との強力な結合定数を有する。IL6Rα−Fcホモ二量体は、C末端ヒスチジン残基を有さないので、これは、明らかに最も低親和性を有する。IL6Rα−Fc−GP130−Fc−His6ヘテロ二量体は、一本鎖セットの6つのヒスチジンを有し、このことは、これが金属に対してより大きな親和性を有することを生じ、一方、Gp−130−Fc−His6ホモ二量体が、2つのセットの6つのヒスチジンを有し、各々が、これが金属親和性カラムに対する3つのIgGタグ化タンパク質の最高の親和性を生じる。従って、溶出緩衝液において漸増量のイミダゾールでの、3つのタンパク質の選択的溶出は、以下の順番でこれらのタンパク質を溶出させる。
1.IL6Rα−Fcホモ二量体
2.IL6Rα−Fc−GP130−Fc−Hisヘテロ二量体
3.GP130−Fc−Hisホモ二量体
100mLのPharmacia Chelating Sepharose Fast Flowを含む直径26mmのカラムを、カラムの溶出液中に顕著な緑色が観察されるまで、硫酸ニッケル溶液で飽和した。次いで、このカラムを数カラム容量の脱イオン水で洗浄し、次いで、50mM HEPES、40mM イミダゾール、pH8.0で平衡化する。固定されたニッケルへのイミダゾールの結合は、緑色から青色への変化を生じる。イミダゾールを、40mMの最終濃度までタンパク質充填物に添加した。タンパク質充填物へのイミダゾールの添加は、IL6Rα−Fcホモ二量体の結合を減少させ、残りの2種に対する利用可能な表面領域を増加させる。充填後、このカラムを、安定なベースラインが回復されるまで、数カラム容量の50mM HEPES、80mM イミダゾール、pH8.0で洗浄した。ヘテロ二量体が、選択的に、数カラム容量にわたる50mM HEPES、150mMイミダゾール、pH8.0とともに溶出された。上記の節に記載されるように、タンパク質画分をプールし、そしてPBSにダイアフィルトレーションした。
【0079】
(実施例4.リガンドトラップを構築する代替方法)
上記のように、CNFによるレセプター活性化、ならびにIL−6およびIL−11による類似するレセプター活性化は、指示された配列の結合事象に続く(図6)。サイトカインは、初めに、その同族のRαに低い親和性で結合する(Kd=3〜10nM);これは必要な工程である−同族のRαを発現しない細胞は同族のサイトカインに応答しない。サイトカイン・Rα複合体は、第1のシグナル伝達成分(gp130)に関連し、高い親和性複合体を形成する(CNTF・CNTFERα・gp130複合体については、10pMのオーダーのKd)。この複合体は、それがシグナル伝達を引き起こすシグナル伝達成分の二量体化である場合に、シグナルを伝達しない(StahlおよびYancopoulos,J.Neurobiology 25:1454〜1466(1994);Stahlら、Science 267:1349〜1353(1995);Davisら、Science 260:1805〜1808(1993);Stahlら、Science 263:92〜95(1994);Murakamiら、Science 260:1808〜1810(1993)。少なくとも、IL−6の場合には、サイトカイン・Rα・シグナルトランデューサーヘテロ三量体の複合体は、続いて、別の同様の複合体と会合し、六量体の複合体を形成する(図6)(Wardら、J.Biol.Chem.269:23286〜23289(1994))。生じたシグナルトランデューサーの二量体化(IL−6(Murakamiら、Science260:1808〜18010(1993))およびIL−6の場合におけるgp130、CNTF(Davisら、Science 260:1805〜1808(1993))の場合におけるgp130およびLIFR)はシグナル伝達を引き起こす。
【0080】
初めに生成されたヘテロ二量体分子は、gp130の細胞外ドメインと結合した可溶性Rα成分を含んだ。これらの分子は、高親和性サイトカイン・Rα・gp130複合体を模倣することが示され、そしてそれらの同族サイトカインの高親和性アンタゴニストととして振舞う(図7)。これらの分子を作製するために、gp130の細胞外ドメインが、それぞれ、IL−6およびCNTF、IL−6αおよびCNTFRαについてのαレセプター成分と組み合わせられた。gp130の細胞外ドメインとRαを連結するために、可溶性Rα−成分およびgp130がヒトIgG1のFc部分と融合され、それぞれRα−Fcおよびgp130−Fcを産生した。Fcドメインが主に選択されたが、それは単に、自然にジスルフィド結合性二量体を形成するためだけではない。Rα−Fc・gp130−Fcを含むヘテロ二量体分子が発現され、精製され、そしてその同族のリガンドの高度に強力なアンタゴニストとして振舞うことが示された。さらに、どのサイトカインが結合され、そして捕獲されるかを特定するαレセプター成分の選択であるため(適切なRαの非存在下において、サイトカインとgp130との測定可能な結合は存在しない)、これらの分子は、その同族のサイトカインに対して高度に特異的であることが見出された。
【0081】
本発明者らは、その設定によって、さらなる有益な特徴(例えば、安定性、Fcレセプター媒介性クリアランス、または減少したエフェクター機能(例えば、補体結合))を有し得る、異なるヘテロマーの可溶性レセプターリガンドトラップの操作を可能にするこの技術の伸展を本明細書中に記載する。さらに、記載される技術は、哺乳動物における任意のヘテロマータンパク質または他の適切なタンパク質発現系(レセプター、リガンドを使用するヘテロマー分子、および酵素または触媒抗体のような触媒成分が挙げられるが、これらに限定されない)の操作のための適合性を証明するはずである。
【0082】
(材料および方法)
(ヘテロマーの免疫グロブリン重鎖/軽鎖の可溶性レセプターに基づく、IL−6に対するリガンドトラップ遺伝子工学)
本明細書中に記載されるIL−6トラップが、ヒトgp130、ヒトIL−6αレセプター(IL−6Rα)、結合領域(J)を有するか、もしくは有しないヒトIgG1(Cγ1)(Lewisら、Journal of Immnology 151:2829〜2838(1993))またはIgG4(Cγ4)の重鎖(Cγ)の定常領域、ならびに異なるjペプチド(j)を有するか、もしくは有しないヒト免疫グロブリン(Ig)のカッパ(κ)およびラムダ(λ)(Cheungら、Journal of Virology 66:6714〜6720(1992))軽鎖の定常領域を使用して操作された。この設計は、Cγドメインがλまたはκ軽鎖とヘテロ二量体化する天然の能力を利用する。Cγと軽鎖とのヘテロ二量体化は、CγのCH1ドメインと軽鎖(CL)の定常領域との間で生じ、1つのジスルフィド結合を介するその2つのドメインの共有結合により安定化される。発明者は、ヒトIgG1のFcドメインと同様に、CγとCLとの組み合わせを使用して、一方の鎖上のgp130の細胞外ドメインおよびもう一方の鎖上のIL−6Rαの細胞外ドメインから構成されるジスルフィド結合されたヘテロマーのタンパク質を産生し得ると判断した。Fcに基づくそれらの対応物と同様に、このようなタンパク質が、IL−6に対する高親和性リガンドトラップであり、そしてIL−6応答細胞上の天然レセプターとIL−6の相互作用を阻害する結果として、従って、IL−6アンタゴニストとして機能することが想定された。さらに、全長Cγ領域を使用する構築物は、多くの抗体と同様に、Cγ鎖のホモダイマーを形成し、2つの「軽鎖」および2つの「重鎖」を含む抗体様分子を生じる(図8)。この設計の潜在的な利点は、それはより親密にIL−6・IL−6Rα・gp130複合体を模倣し得、そして匹敵する単一ヘテロ二量体よりもリガンドに対するより高い親和性を示し得ることである。CH1ドメインのみから構成されるCγの短縮バージョンを使用することにより、さらなる設計が組み込まれる。これらは、レセプターκ融合タンパク質とヘテロ二量体分子を形成し、従って、抗体のFabフラグメントと類似する。すべての可溶性レセプターIgキメラ遺伝子は、プラスミドベクター(哺乳動物発現に適切なベクター(COSモンキー腎臓細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞[CHO]、およびras形質転換線維芽細胞[MG−ras])が挙げられるが、限定されない)において操作され得、そして効率的な翻訳のために各キメラ遺伝子の初めにKozak配列(CGC CGC CAC CAT GGT G)を含み得る。標準的な遺伝子工学方法論を使用して、操作が実行された。各構築物が、DNA配列決定、哺乳動物発現、続いて、適切な抗体を用いるウエスタンブロット法によるリガンドの結合および解離を決定する生物物理学的アッセイ、および増殖阻害アッセイ(後述されるような、XG−1)により確認された。これらのキメラタンパク質を操作するために利用されるドメインが、適切な制限部位に隣接されるので、他のキメラタンパク質(IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、GM−CSF、LIF、IL−11、IL−15、INFγ、TGFβなどのような因子に対するレセプターの細胞外ドメインを使用するキメラを含む)を操作するためにこれらのドメインを使用することが可能である。IL−6トラップを作製する際に利用される各成分についてにアミノ酸座標が、下記に列挙される(注記:番号付けは開始メチオニンを#1として始まる;長い配列は、20アミノ酸についての1文字コードを使用して列挙される)。
【0083】
(a)ヒトgp130を使用する構築物:
(i)gp130−Cγ1を、インフレームでgp130の細胞外ドメイン(アミノ酸1〜619)をSer−Gly架橋に融合させること、次に、Cγ1および終止コドンを含む330アミノ酸を融合させることにより操作した(図9)
(ii)gp130−J−Cγ1を、Jペプチド(アミノ酸配列:GQGTLVTVSS)をSer−Gly架橋とCγ1配列との間に挿入したことを除いて、gp130−Cγ1と同様の様式で操作した(図9参照のこと)
(iii)gp130Δ3fibro−Cγ1を、インフレームで、その3つのフィブロネクチン様ドメインを有しないgp130の細胞外ドメインを融合させることにより操作した(図10)。このキメラタンパク質の残りの部分は、gp130−Cγ1と同一である
(iv)gp130−J−CH1を、Cγ1領域の代わりに、Cγ1のCH1部分のみが使用されたことを除いて、gp130−Cγ1について記載されることと同一の様式において操作した(図11)。この構築物のC末端ドメインは、IgGの重鎖と軽鎖とのヘテロ二量体化の原因であるシステイン残基を含むヒンジ部分を含む。Cγ1ホモ二量体化に関与する2つのシステイン残基を含むそのヒンジ部分を、CH2およびCH3ドメインと共に欠失させた
(v)gp130−Cγ4を、Cγ1の代わりに、Cγ4が使用されたことを除いて、gp130−Cγ1について記載されることと同一の様式において操作した(図12)。さらに、RsrII DNA制限部位を、Cγ4ドメインのヒンジ領域において2つのサイレントな塩基変異を導入することにより、操作した。このRsrsII部位は、他の所望される遺伝子工学技術操作(例えば、gp130−Cγ4と同等のCH1の構築)を可能にする
(vi)gp130−κを、Cγ1領域の代わりに、ヒトIgのκ軽鎖の定常領域を使用したことを除いて、gp130−Cγ1について記載されることと同一の様式において操作した(図13)
(vii)gp130−J−κを、jペプチド(アミノ酸配列:TFGQGTKVEIK)をSer−Gly架橋とκ領域との間に挿入したことを除いて、gp130−J−κについて記載されることと同一の様式において操作した。
【0084】
(viii)gp130−λを、Cγ1の代わりに、ヒトIgのλ軽鎖(Cheungら、Journal of Virology 66:6714〜6720(1992))の定常領域を使用したことを除いて、gp130−Cγ1について記載されることと同一の様式において操作した(図14)。
【0085】
(b)ヒトIL−6Rαを使用する構築物:
(i)IL6Rα−Cγ1を、インフレームで、IL−6Rα(Yamasakiら、Science 241:825〜828(1988))のアミノ酸1〜358(これは、IL−6Rα(図15)の細胞外ドメインを含む)をAla−Gly架橋に融合させ、続いて、Cγ1および終止コドンを含む330アミノ酸を融合させることにより操作した
(ii)IL6Rα−κを、Cγ1の代わりに、gp130−κのために利用するκドメイン(図13)を使用したことを除いて、IL6Rα−Cγ1について記載されるように操作した
(iii)IL6Rα−j−κを、gp130−j−κについて記載されるjペプチドをAla−Gly架橋とκドメインとの間に配置したことを除いて、IL6Rα−κについて記載されるように操作した
(iv)さらなる3つの構築物(IL6Rα313−Cγ1、IL6Rα313−κ、およびIL6Rα313−j−κ)を、アミノ酸1〜313(図16)から構成されるIL−6Rαの短縮形態を使用するように操作した。各これらの構築物を、インフレームで、上記のCγ1、κ−ドメインおよびj−κ−ドメインが続く、Thr−Gly架橋を有するIL6Rα313を融合することにより作製した。これらの構築物を、gp130Δ3fibro由来の構築物を補完するために操作した。
【0086】
(リガンドトラップの発現および精製)
可溶性gp130および可溶性IL−6Rαの共有結合性ヘテロ二量体を産生するために、gp130−Igキメラタンパク質を、対を補完する際に、適切なIL−6Rα−Igキメラタンパク質とともに同時発現させた。対応する発現ベクターを、適切な哺乳動物細胞株に安定に、または一過性でのいずれかで同時トランスフェクトすることにより、同時発現を達成した。生じたジスルフィド結合性ヘテロ二量体を、いくつかの異なる方法(固定化プロテインAまたはプロテインG上のアフィニティークロマトグラフィー、リガンドベースのアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換、およびゲルろ過が挙げられるが、限定されない)によって馴化培地から精製した。
【0087】
重/軽レセプター融合タンパク質の精製のために使用される方法の型の例は以下の通りである:gp130−Cγ1・IL−6Rα−κを、2つの異なるベクター(gp130−Cγ1およびIL−6Rα−κをそれぞれコードする)を同時トランスフェクトすることにより、COS細胞において発現させた。2日間のトランスフェクション後、血清なしの馴化培地(400ml)を収集し、そしてCγ1保有タンパク質をアフィニティークロマトグラフィーにより、1mlよりも多くのProtein A Sepharose(Pharmacia)で精製した。この工程において産生された物質をさらに、第二のアフィニティークロマトグラフィー工程により、gp130−Cγ1・IL−6Rα−κ複合体からgp130−Cγ1二量体を除去するために(gp130−Cγ1二量体はIL−6に結合しない)、組換えヒトIL−6を用いて誘導された1mlよりも多くのヒトNHS活性化Sepharose(Pharmacia)で精製した。この方法により産生されたタンパク質は、SDS−PAGE、その後の銀染色により証明されるように(図17)、90%より高いの純度であった。類似のプロトコールが、他の重/軽レセプターヘテロ二量体の精製のために、首尾良く使用されてきた。
【0088】
(結果)
(免疫グロブリン重鎖/軽鎖レセプター融合アンタゴニストの生物学的活性)
精製したリガンドトラップを、種々の異なるアッセイにおいて、それらがIL−6を結合する能力について試験した。例えば、リガンドトラップに結合するIL−6の解離速度を、抗IL−6モノクローナル中和抗体B−E8[Brochierら、Int.J.Immunopharmacology 17:41〜48(1995)、およびその中の参考文献]からのIL−6の解離速度と並行して測定した。この型の実験の例を、図18に示す。この実験において、20pM 125I−IL−6(1000μCi/mmol;Amersham)を、500pMのgp130−Cγ1・IL−6Rα−κまたは500pMのmAb B−E8のいずれかとともに、20時間プレインキュベートした。この時点で、1000倍過剰(20nM)の「冷」IL−6を添加した。定期的に、この反応のアリコートを取り出し、このリガンドトラップまたはB−E8を、プロテインG−Sepharoseを用いて沈殿させ、そして結合したままである125I−IL−6のcpmの数を決定した。明確に、リガンドトラップからのヒト125I−IL6の解離速度は、非常にゆっくりであった−3日後、最初の計数の約75%が、なおこのリガンドトラップに結合されていた。対照的に、この計数の5%未満は、3日後にこの抗体に結合されたままであった。この結果は、これらのリガンドトラップからのこのリガンドの解離速度が非常にゆっくりであることを実証する。
【0089】
異なるセットの実験において、リガンドトラップがリガンドの存在下で多量体化(multimerize)する能力を試験した。この例を、図19に示す。gp130−Fc・IL−6Rα−Fcとgp130−CH1・IL−6Rα−κとのIL−6誘導化結合を、gp130−CH1・IL−6Rα−κ(これは、それ自体プロテインAを結合しない)がIL−6依存性様式でgp130−Fc・IL−6Rα−Fcの存在下においてプロテインA−Sepharoseによって沈殿され得るか否かを試験することにより決定した(図9)。プロテインA−Sepharoseによるgp130−CH1・IL−6Rα−κの沈殿を、抗κ特異的HRP結合体を用いるウエスタンブロッティングによって決定した。この抗κ特異的HRP結合体は、gp130−Fc・IL−6Rα−Fcを検出しない。gp130−CH1・IL−6Rα−κは、gp130−Fc・IL−6Rα−FcおよびIL−6の両方が存在した場合にのみ、プロテインA−Sepharoseによって沈殿され得る。この結果は、結論的に、IL−6がリガンドトラップ多量体化を誘導し得ることを示し、そして、このリガンドトラップが6量体サイトカイン・Rα・シグナルトランスデューサー複合体を模擬し得ることをさらに示す(図1)。リガンド誘導多量体化は、インビボにおけるサイトカイン・リガンドトラップ複合体の除去において重要な役割を果たし得る。
【0090】
異なるリガンドトラップの生物学的活性を、リガンド依存性細胞増殖を測定するアッセイにおいてさらに試験し得る。いくつかの細胞増殖アッセイが、IL−6について存在し、そしてそれらは、細胞株(例えば、B9、CESSまたはXG−1)を利用する。XG−1細胞株を使用するこの型のアッセイの例を、以下に示す:XG−1は、ヒト多発性骨髄腫に由来する細胞株である(Zhangら、Blood 83:3654〜3663(1994))。XG−1は、生存および増殖のために外因的に供給されたヒトIL−6に依存する。XG−1株に対するIL−6のEC50は、約50pmol/mlである。いくつかの異なるIL−6トラップがXG−1細胞のIL−6依存性増殖をブロックする能力を、XG−1培養物中で50pg/mlのIL−6とともに、増加する量の精製したリガンドトラップをインキュベートすることによって試験した。試験したリガンドトラップを、上記の方法と類似の方法によって発現および精製させた。試験した全てのリガンドトラップは、用量依存性様式においてXG−1のIL−6依存性増殖を阻害することが見出された(図20)。試験した5つの異なるトラップのうち、gp130−Cγ1・IL−6Rα−κは、最も活性であり、そして抗体B−E8と同じ、IL−6に対する中和活性を本質的に提示する。10倍モル濃度過剰程に少ないgp130−Cγ1・IL−6Rα−κまたはB−E8のいずれかは、IL−6の活性を完全にブロックした(A570−650の読み=0.3AUは、XG−1細胞のいかなる増殖にも対応しない)。100倍モル濃度過剰において、試験したリガンドトラップの全ては、IL−6の活性を完全にブロックした。この観察された阻害は、CNTF活性をブロックするgp130−Fc・CNTFRα−Fcリガンドトラップも、gp130−Fcホモ二量体も、IL−6よりも1000倍モル濃度過剰に使用される場合でさえIL−6に対していかなるブロック活性をも示さない(データは示さず)ので、高度に選択性である。このデータは、ヘテロマーの免疫グロブリン重鎖/軽鎖レセプターに基づくリガンドトラップ機能が、これらの同族リガンドの選択的な高親和性アンタゴニストとして機能することを実証する。
【0091】
(実施例5−融合ポリペプチド成分のクローニング)
ヒトサイトカインレセプターの細胞外ドメインを、組織cDNA(CLONTECH)を使用する標準的なPCR技術によって得、発現ベクターであるpMT21(Genetics Institute,Inc.)にクローン化し、そしてその配列を、ABI 373A DNAシークエンサーおよびTaq Dideoxy Terminator Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)を使用する標準的な技術によって配列決定した。IL−4Rαについて、Genbank配列X52425からのヌクレオチド241〜868(アミノ酸24〜231に対応する)を、クローン化した。IL−2Rγについて、Genbank配列D11086からのヌクレオチド15〜776(アミノ酸1〜233に対応する)を、クローン化した。IL−6Rαについて、Genbank配列X52425からのヌクレオチド52〜1044(アミノ酸1〜331に対応する)を、クローン化した。gp130について、Genbank配列M57230からのヌクレオチド322〜2112(アミノ酸30〜619に対応する)を、クローン化した。IL−1RAcPについて、Genbank配列AB006357からのヌクレオチド1〜1074(アミノ酸1〜358に対応する)を、クローン化した。IL−1RIについて、Genbank配列X16896からのヌクレオチド55〜999(アミノ酸19〜333に対応する)を、クローン化した。
【0092】
(実施例6−融合ポリペプチド(サイトカイントラップ)の生成)
サイトカイントラップをコードするヌクレオチド配列を、標準的なクローニング技術およびPCR技術によって、個々にクローン化したDNA(上記)から構築した。各々の場合において、第1の融合ポリペプチド成分をコードする配列を、多量体化成分として第2の融合ポリペプチド成分をコードする配列、続いてFcドメイン(ヒトIgG1のヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域)に融合するように、配列をインフレームで構築した。いくつかの場合において,余分なヌクレオチドを、第1の融合ポリペプチド成分をコードする配列と第2の融合ポリペプチド成分をコードする配列との間にインフレームで挿入して、2つの成分間にリンカー領域を付加した(図21A〜図21D−トラップ424;図24A〜図24F−トラップ412;および図26A〜図26E−トラップ569を参照のこと)。
【0093】
IL−4トラップである424(図21A〜図21D)、603(図22A〜図22D)および622(図23A〜図23D)について、IL−2Rγ成分は、IL4Rα成分次いでFc成分の前の5’である。IL−6トラップである412(図24A〜図24F)および616(図25A〜図25F)について、IL−6Rα成分は、gp130成分次いでFcドメインの前の5’である。IL−1トラップである569(図26A〜図26E)について、IL−1RAcP成分は、IL−1RI成分次いでFcドメインの前の5’である。最終的な構築物を、哺乳動物発現ベクターであるpCDNA3.1(STRATAGENE)へクローン化した。
【0094】
569配列(図26A〜図26E)において、ヌクレオチド1〜1074は、IL1RAcP成分をコードし、ヌクレオチド1075〜1098は、リンカー領域をコードし、ヌクレオチド1099〜2043は、IL1RI成分をコードし、そしてヌクレオチド2044〜2730は、Fcドメインをコードする。
【0095】
412配列(図24A〜図24F)において、ヌクレオチド1〜993は、IL6Rα成分をコードし、ヌクレオチド994〜1023は、リンカー領域をコードし、ヌクレオチド1024〜2814は、gp130成分をコードし、そしてヌクレオチド2815〜3504は、Fcドメインをコードする。
【0096】
616配列(図25A〜図25F)において、ヌクレオチド1〜993は、IL6Rα成分をコードし、ヌクレオチド994〜2784は、gp130成分をコードし、そしてヌクレオチド2785〜3474は、Fcドメインをコードする。
【0097】
424配列(図21A〜図21D)および622配列(図23A〜23D)において、ヌクレオチド1〜762は、IL2Rγ成分をコードし、ヌクレオチド763〜771は、リンカー領域をコードし、ヌクレオチド772〜1395は、IL4Rα成分をコードし、そしてヌクレオチド1396〜2082は、Fcドメインをコードする。
【0098】
最後に、603配列(図22A〜図22D)において、ヌクレオチド1〜762は、IL2Rγ成分をコードし、ヌクレオチド763〜1386は、IL4Rα成分をコードし、そしてヌクレオチド1387〜2073は、Fcドメインをコードする。
【0099】
DNA構築物を、当業者に周知の標準的な技術によって、COS細胞へ一過的にトランスフェクトするか、またはCHO細胞へ安定にトランスフェクトするかのいずれかを行った。上清を、標準的な技術によりプロテインAアフィニティークロマトグラフィーおよびサイズ排除クロマトグラフィーによって回収および精製した(例えば、HarlowおよびLane、Antibodies−A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、1988を参照のこと)。
【0100】
(実施例7:TF−1(ATCC)細胞を使用するIL−4バイオアッセイプロトコル)
(必要な試薬および装置)
(MTT色素溶液:)
MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル])(Sigmaカタログ# M2128)
作業濃度:Ca+2、Mg+2を含まない200ml PBS中で5mgの無水MTTを溶解する
濾過滅菌し、−20℃でアリコートを保存する。
(安定化溶液:)
1000mlに対して、100g SDS、950ml dH2O、50ml ジメチルホルムアミドおよび850μl 濃塩酸を合わせる
0.45μmフィルターユニットで濾過滅菌する
室温で保存する。
【0101】
(TF−1細胞増殖培地:)
RPMI 1640、10% FBS、Pen/Strep、2mM L−グルタミン。
【0102】
(その他:)
0.4% Trypan Blue Stain、希釈のための滅菌チューブ、滅菌96ウェル細胞培養プレート(Falcon #3072)、血球計、遠心分離機、ELISAプレートリーダー、15μl、25μl、50μlおよび100μl容量のマルチチャネルピペット、滅菌試薬リザーバー、滅菌ピペットチップ、グローブ。
【0103】
(アッセイプロトコル)
(A.アッセイプレートの調製)
1.滅菌96ウェル組織培養プレートを、種々の濃度のIL−4および10nM IL−4アンタゴニストとともに、ウェルあたり50μlの増殖培地を含むように調製する。これは、IL−4の作業希釈物(アッセイされるべき最高濃度の4倍である)を調製することによってなされ得る。分離チューブにおいて、IL−4の2倍連続希釈を行う。各希釈物の25μlを、このプレートに渡って1つの行に添加する(すなわち、行Aは最高濃度を得、行Gは最低濃度を得る)。IL−4を含まない25μlの増殖培地を行Hに添加する。試験されるべきアンタゴニストを、最終濃度の4倍であるストックを作製することによって調製する。25μlを三連(triplicate)セットのIL−4含有ウェルに添加する(列1、2、3、A〜H)。行Hにおいてアンタゴニストを含むことを確認する
2.ポジティブコントロールとして、アンタゴニストを有さない1つのセットを残す。これらのウェルは、IL−4および培地のみを含む
3.アッセイのために使用されるべき細胞を調製する前に、加湿した5% CO2インキュベーター中で37℃にて1〜2時間、このプレートをインキュベートする。
【0104】
(B.細胞の調製)
4.細胞を、増殖因子を含まないアッセイ培地中での遠心分離によって2回洗浄する
5.細胞数およびトリパンブルー生存度を決定し、そして細胞を、アッセイ培地中で8×105/mlの最終濃度に懸濁する
6.50μlの細胞懸濁物(40,000細胞)を、このプレートの全てのウェルへ分配する。ここで、総容量は、100μl/ウェルであるべきであ
7.加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて68時間プレートをインキュベートする。
【0105】
(C.発色)
8.68時間のインキュベートの後、15μlのMTT色素溶液を各ウェルに添加する
9.加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて4時間プレートをインキュベートする
10.4時間後、100μlの可溶化溶液を各ウェルに添加する。プレートを密封した容器中で一晩静置して、ホルマザン結晶を完全に可溶化させる
11.570/650nmの吸光度を記録する。
【0106】
(結果)
図27は、4SC375と命名したIL−4トラップ(これは、IL−2Rγ−scb−IL4Rα−FcΔC1の融合ポリペプチドである)は、TF1細胞バイオアッセイにおいて、IL4RαFcΔC1単独よりも、IL−4アンタゴニストとして数オーダーの程度良好であることを示す。
【0107】
図28は、4SC375と命名したIL−4トラップが、TF1細胞バイオアッセイにおいて、4SC424と命名したIL−4トラップ(これは、IL−4Rα成分を豊富に有するIL−2Rγ成分を有するIL−2Rγ−IL4Rα−FcΔC1の融合ポリペプチドである)と等しいアンタゴニスト活性を示すことを示す。
【0108】
(実施例8:XG−1細胞を使用するIL−6バイオアッセイプロトコル)
(必要な試薬および機器)
(MTT色素溶液:)
MTT(3−[4,5−ジメチルチアゾール−2−イル])(Sigmaカタログ番号M2128)
作用濃度:Ca+2、Mg+2なしで、200mlのPBS中に5mgの無水MTTを溶解させる
滅菌濾過し、そしてアリコートを−20℃にて貯蔵する。
【0109】
(可溶化溶液:)
1000mlについて、100gのSDS、950mlのdH2O、50mlのジメチルホルムアミド、および850μlの濃塩酸を合わせる
0.45μmのフィルターユニットで濾過滅菌する
室温にて保存する。
【0110】
(アッセイ培地:)
RPMI 1640、10% FBS、Pen/Strep、2mM L−グルタミン、50μM メルカプトエタノール。
【0111】
(他:)
0.4% トリパンブルー染色液、希釈のための滅菌チューブ、滅菌96ウェル細胞培養プレート(Falcon#3072)、血球計、遠心分離機、ELISAプレートリーダー、15、25、50および100μl容量のマルチチャンネルピペット、滅菌試薬リザーバー、滅菌ピペットチップ、手袋。
【0112】
(アッセイプロトコル)
(A.アッセイプレートの調製)
1.様々な濃度のIL−6および10nMのIL6アンタゴニストとともに、1ウェルあたり50μlの増殖培地を含むように、滅菌96ウェル組織培養プレートを調製する。これを、アッセイされるべき最高濃度の4倍であるIL−6の作業希釈物を調製することによって行い得る。別々のチューブにおいて、IL−6の2倍希釈系列を行う。25μlの各希釈物を、プレートを横切る1つの横列に添加する(すなわち、横列Aは最高濃度を得、横列Gは最低濃度を得る)。IL−6を含まない25μlの増殖培地を横列Hに添加する。試験されるべきアンタゴニストを、最終濃度の4倍のストックを作製することによって調製する。IL−6含有ウェルの三連のセットに25μlを添加する(縦列1、2、3、AからH)。横列H中にアンタゴニストが含まれることを確認する。代表的なIL−6滴定を、200ng/mlにて開始し、3.1ng/mlに至るまでする
2.陽性コントロールとして、アンタゴニストなしの1つのセットを残す。これらのウェルは、アンタゴニストに代わって、IL−6および培地を含む
3.アッセイのために使用されるべき細胞を調製する前に、加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて1〜2時間プレートをインキュベートする。
【0113】
(B.細胞の調製)
4.増殖因子を含まないアッセイ培地で、遠心分離(1000RPMにて5分間)によって細胞を2回洗浄する
5.細胞数およびトリパンブルー生存度を決定し、そしてアッセイ培地中8×105/mlの最終濃度まで細胞を懸濁する
6.50μlの細胞懸濁物(40000細胞)を、プレートの全てのウェルに分配する。総容量は、ここで、100μl/ウェルであるはずである
7.加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて68時間プレートをインキュベートする。
【0114】
(C.発色)
8.68時間にて、15μlの色素溶液を各ウェルに添加する
9.加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて4時間プレートをインキュベートする
10.4時間後、100μlの可溶化溶液を各ウェルに添加する。プレートを密封した容器中で一晩静置して、ホルマザン結晶を完全に可溶化させる
11.570/650nmの吸光度を記録する。
【0115】
(結果)
図29は、図24A〜図24Fに記載したIL−6トラップ(6SC412IL6R−scb−gpx−FcΔC1)が、XG1バイオアッセイにおいて、ヒトIL−6−BE8に対する中和化モノクローナル抗体よりも、良好なIL−6のアンタゴニストであることを示す。
【0116】
(実施例9:IL1トラップについてのMRC5バイオアッセイ)
MRC5ヒト肺線維芽細胞は、IL−6を分泌することによりIL−1に応答し、従って、IL−1トラップがIL−6のIL−1依存性産物をブロックする能力をアッセイするために利用された。IL−1トラップ1SC569(図26A〜図26E)を、IL−1−RI.Fc(これは、Fcドメインに融合したIL−1 I型レセプターの細胞外ドメインである)に対して試験した。
【0117】
MRC5細胞を、培地中1mlあたり1×105細胞にて懸濁し、そして0.1mlの細胞を、96ウェル組織培養プレートのウェルにプレートする(1ウェルあたり10,000細胞)。プレートを、加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて24時間インキュベートする。
【0118】
可変用量のIL−1トラップおよび組換えヒトIL−1を、96ウェル組織培養ディッシュ中でプレインキュベートし、そして37℃にて2時間インキュベートする。次いで、0.1mlのこの混合物を、IL−1トラップの最終濃度が10nMであり、かつIL−1の最終濃度が2.4pM〜5nMの範囲であるように、MRC5細胞を含む96ウェルプレートに添加する。コントロールウェルは、トラップ単独を含むか、または何も含まない。
【0119】
次いで、プレートを、加湿5%CO2インキュベーター中で37℃にて24時間インキュベートする。上清を収集し、そしてR&D Systems Quantikine Immunoassay Kitを製造業者の指示書に従って使用して、IL−6のレベルをアッセイする。
【0120】
(結果)
図30は、トラップ569(図26A〜図26E)がIL−1の効果を拮抗し得、かつIL−1での処理の際のMRC5細胞からのIL−6産生をブロックし得ることを示す。10nMの濃度にて、トラップ569は、3nMのIL−1濃度まで。IL−6の産生をブロックし得る。対照的に、IL−1RI.Fcは、IL−1のより弱いアンタゴニストである。それは、約10〜20pMまでIL−1の効果をブロックし得るのみである。従ってトラップ569は、IL−1のブロックにおいて、IL1RI.Fcより約100倍良好である。
【0121】
(実施例10:IL13/IL14単一鎖トラップの構築)
1.IL−4α.IL−13Rα1.Fcと命名されたIL−13/IL−14二重(dual)トラップを作製するために、ヒトIL−4Rα細胞外ドメイン(図31A〜図31Gのヌクレオチド#1〜693に対応する)およびヒトIL−13Rα1細胞外ドメイン(図31A〜図31Gのヌクレオチド#700〜1665に対応する)を、標準的なPCR技術によって増幅し、そしてヒトFc配列(図31A〜図31Gのヌクレオチド#1671から2355に対応する)を含む発現ベクターpMT21に連結し、このように、N末端からC末端までのヒトIgG1の、IL−4Rα、IL−13Rα1、およびヒンジ、CH2およびCH3領域からなる融合タンパク質を作製した。さらに、アミノ酸配列SerGlyを有する2アミノ酸リンカー(図31A〜図31Gのヌクレオチド#694〜699に対応する)を、IL−4RαとIL−13Rα1との間にインフレームで構築し、そしてアミノ酸配列ThrGlyを有する2アミノ酸リンカー(図31A〜図31Gのヌクレオチド#1666から1671に対応する)を、IL−13Rα1とFc部分との間にインフレームで構築した。全ての配列を、標準的な技術によって配列確認した。次いで、IL−4α.IL−13Rα1.Fcコード配列を、標準的な分子生物学技術を使用して、発現ベクターpCDNA3.1(Stratagene)にサブクローニングした。
【0122】
2.IL−13Rα1.IL−4α.Fcと命名されたIL−13/IL−4二重トラップを作製するために、IL−13Rα1細胞外ドメイン(図32A〜図32Gのヌクレオチド#1〜1029に対応する)およびヒトIL−4Rα(図32A〜図32Gのヌクレオチド#1060〜1692に対応する)を、標準的なPCR技術によって増幅し、そしてヒトFc配列(図32A〜図32Gのヌクレオチド#1699から2382に対応する)を含む発現ベクターpJFE14に連結して、N末端からC末端までのヒトIgG1の、IL−13Rα1、IL−4Rα、およびヒンジ、CH2およびCH3領域からなる融合タンパク質を作製した。さらに、アミノ酸配列GlyAlaProSerGlyGlyGlyGlyArgProを有する10アミノ酸リンカー(図32A〜図32Gのヌクレオチド#1030から1059に対応する)を、IL−13Rα1と1IL−4Rαとの間にインフレームで構築し、そしてアミノ酸配列SerGlyを有する2アミノ酸リンカー(図32A〜図32Gのヌクレオチド#1693から1698に対応する)を、IL−4RαとFc部分との間にインフレームで構築した。全ての配列を、標準的な技術によって配列確認した。次いで、IL−13Rα1.IL−4α.Fcのコード配列を、標準的な分子生物学技術を使用して、発現ベクターpCDNA3.1(Stratagene)にサブクローニングした。
【0123】
(実施例11:IL−4α.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα1.IL−4α.Fcの発現)
DH10B細胞におけるpCAE801(IL−4α.IL−13Rα1.FcをコードするDNAベクター構築物)およびpCAE802(IL−13Rα1.IL−4α.FcをコードするDNAプラスミド構築物)の大規模(1L)培養物を、LB+アンピシリン中で一晩増殖させ、そしてプラスミドDNAを、Qiagen Endofree Mega Kitを製造業者のプロトコルに従って用いて抽出した。精製したプラスミドDNAの濃度を、UV分光計および蛍光測定機において決定した。このプラスミドDNAをまた、BbsI、XmnIおよびNcoI制限酵素でのアリコートの消化によって確認した。全ての制限酵素消化フラグメントは、1%アガロースゲルにおいて、予測したサイズに対応した。
【0124】
40の15cmペトリプレートに、4×106細胞/プレートの密度で、CHO−K1/E1A細胞を播種した。プレーティング培地は、Gibco Ham’s F12w/10% Hyclone Fetal Bovine Serum(FBS)+ペニシリン/ストレプトマイシンであり、グルタミンを補充した。次の日に、各プレートを、Gibco OptimemおよびGibco Lipofectamineを12mlの容量で製造業者のプロトコルに従って使用して、6μgのpCAE801、またはpCAE802でトランスフェクトした。トランスフェクションミックスを細胞に添加した4時間後、12ml/プレートのOptimem w/10% FBSを添加した。プレートを、5%CO2インキュベーター中で37℃にて一晩インキュベートした。次の日に、培地を各プレートから除去し、そして25mlの発現培地(Gibco CHO−S−SFM II w/グルタミン+1mM 酪酸ナトリウム)を添加した。このプレートを37℃にて3日間インキュベートした。
【0125】
インキュベーションの3日後、この培地を各プレートから取り出し、そしてスイングバケツローター中で400rpmにて遠心分離して、細胞をペレットにした。その上清を滅菌1リットル瓶にデカントし、そして発現したタンパク質を以下に記載のように精製した。
【0126】
(実施例12.培養培地からのIL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcタンパク質の精製)
(1.IL−4Rα.IL−13Rα1.Fcの精製)
ヒトIL−4Rα.IL−13Rα1.FcをCHO細胞にて一過性発現させ、そして上清を上記のようにプレートトランスフェクションから収集した。分泌されたタンパク質の発現を、サンドイッチELISAによって、それぞれヤギ抗hIgG(γ鎖特異的;Sigma 1−3382)捕捉抗体およびレポート抗体、ならびにヤギ抗hIgG(Fc特異的)−FITC結合体(Sigma F9512)捕捉抗体およびレポート抗体を使用して決定した。収量は、馴化培地1リットルあたり5.8〜9.2mg(平均7.5mg)の範囲であった。完全TMプロテアーゼインヒビター錠剤(Roche Diagnostics Corp.)をこの培地に溶解した(1錠剤/L)。この馴化培地を滅菌濾過(0.22μm孔径)した後、Dulbecco’s PBS緩衝液(Life Technologies)(pH7.4)で事前に平衡化した5mL HiTrap(登録商標)Protein Aアフィニティーカラム(Amersham Pharmacia Biotech)上に、4℃でローディングした。流速は約1〜2mL/分であった。このカラムをPBS緩衝液を用いて徹底的に洗浄し、このカラムから非特異的に結合したタンパク質を除去した。IL−4Rα.IL−13Rα1.Fcを、20mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl(pH3.5)を使用して溶出した。この溶出物をすぐに、1M Tris−OHを用いた滴定によって中和した。タンパク質を含有する画分をプールし、そしてすぐに4℃のPBS緩衝液(pH7.4)中で透析した。Protein A精製からの回収分は、6.8mg(73%)であった。IL−4Rα.IL−13Rα1.Fcを、PBS、5%(容量/容量)グリセロール(pH7.4)で事前に平衡化したsuperose 6カラム(25mLベッド容量;Amersham Pharmacia Biotech)を使用して、周囲の温度でサイズ排除クロマトグラフィーによりさらに精製した。流速は、0.5mL/分であった。タンパク質画分を、クマシー染色した非還元SDS−PAGEおよび還元SDS−PAGE(Novex NuPAGE 4〜12% Bis−Trisゲル)から評価した。画分を、保存的にプールし、凝集したタンパク質の量を減らした。全体の収量は51%(4.4mg)であり、SDS−PAGEにより判定した場合に97%の純度であった。精製したIL−4Rα.IL−13Rα1.Fcを、非還元SDS−PAGEおよび還元SDS−PAGE(4〜12% Bis−Tris)、分析的サイズ排除クロマトグラフィー(Tosohaas TSKG4000SWXL)、N末端配列決定、およびヤギ抗hIgG−HRP結合体(Promega W403B)を用いたイムノブロット、そしてまたマウスモノクローナル抗hIL−4Rα(R&D MAB230)に続き、抗mIgG−HRP結合体(Promega W402B)を2次抗体として用いたイムノブロットにより分析した。
【0127】
(2.IL−13Rα1.IL−4Rα.Fcの精製)
ヒトIL−13Rα1.IL−4Rα.FcをCHO細胞にて一過性発現させ、そして上清を前記のようにプレートトランスフェクションから収集した。分泌したタンパク質の発現を、ヤギ抗IgG(γ鎖特異的;Sigma 1−3382)捕捉抗体およびレポート抗体、ならびにヤギ抗hIgG(Fc特異的)−FITC結合体(Sigma F9512)捕捉抗体およびレポート抗体を使用して、サンドイッチELISAにより決定した。収量は、馴化培地1リットルあたり8.8mgであった。完全TMプロテアーゼインヒビター錠剤(Roche Diagnostics Corp.)をこの培地に溶解した(1錠剤/L)。この馴化培地を滅菌濾過(0.22μm孔径)した後、Dulbecco’s PBS緩衝液(Life Technologies)(pH7.4)で事前に平衡化した5mL HiTrap(登録商標)Protein Aアフィニティーカラム(Amersham Pharmacia Biotech)上に、4℃でローディングした。流速は約1〜2mL/分であった。このカラムをPBS緩衝液を用いて徹底的に洗浄し、このカラムから非特異的に結合したタンパク質を除去した。IL−13Rα1.IL−4Rα.Fcを、20mMクエン酸ナトリウム、150mM NaCl(pH3.5)を使用して溶出した。この溶出物をすぐに、1M Tris−OHを用いた滴定によって中和した。タンパク質を含有する画分をプールし、そしてすぐに4℃のPBS緩衝液(pH7.4)中で透析した。Protein A精製からの回収分は、3.8mg(43%)であった。IL−13Rα1.IL−4Rα.Fcを、PBS、5%(容量/容量)グリセロール(pH7.4)で事前に平衡化したsuperose 6カラム(25mLベッド容量;Amersham Pharmacia Biotech)を使用して、周囲の温度でのゲル濾過クロマトグラフィーによりさらに精製した。流速は、0.5mL/分であった。タンパク質画分を、クマシー染色した非還元SDS−PAGEおよび還元SDS−PAGE(Novex NuPAGE 4〜12% Bis−Trisゲル)から評価した。画分を、保存的にプールし、凝集したタンパク質の量を減らした。全体の収量は17%であり、SDS−PAGEにより判定した場合に95%の純度であった。精製したIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcを、非還元SDS−PAGEおよび還元SDS−PAGE(4〜12% Bis−Tris)、分析的ゲル濾過クロマトグラフィー(Tosohaas TSKG4000SWXL)、N末端配列決定、およびヤギ抗hIgG−HRP結合体(Promega W403B)を用いたイムノブロット、そしてまたマウスモノクローナル抗hIL−4Rα(R&D MAB230)に続き、抗mIgG−HRP結合体(Promega W402B)を2次抗体として用いたイムノブロットにより分析した。
【0128】
(実施例13.IL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcによる、IL−4およびIL−13のブロック)
(材料および方法)
(TF1バイオアッセイ)TF1細胞を、増殖培地(10ng/ml GM−CSF、RPMI 1640、10% FBS、L−グルタミン、ペニシリン、ストレプトマイシン)にて維持した。このバイオアッセイのために、細胞をアッセイ培地(上記と同様であるが、GM−CSFを除く)にて2回洗浄し、次いでアッセイ培地50μlにて2×105細胞でプレートした。この精製したIL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα.IL−4Rα.Fcタンパク質をアッセイ培地に希釈して、濃度40nMにした。各トラップ25μlをこの細胞に添加した。IL−13またはIL−4のいずれかをアッセイ培地中で40nMまで希釈し、次いでアッセイ培地中での2倍希釈シリーズを作製した。次いで、IL−13またはIL−4のいずれか25μlを、この細胞およびトラップを含有するウェルに添加した。次いで、細胞を、36℃にて5%CO2に約70時間インキュベートした。TF1細胞増殖の程度を、製造業者のプロトコル(Promega,Inc.)に従って、MTSアッセイにより測定した。
【0129】
(結果)
IL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα.IL−4Rα.FcトラップがヒトIL−13およびヒトIL−4活性の両方をブロックする能力を、前記のようなTF1バイオアッセイにて測定した。IL−13は、TF1細胞の増殖を刺激し、濃度0.2nMで最大半分増殖(harf−maximal growth)であった。濃度10nMのIL−4Rα.IL−13Rα1.FcまたはIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcトラップいずれかの添加により、約2nMまで、IL−13誘導性増殖をブロックする(図33)。約4〜5nMのIL−13濃度で、TF1細胞の増殖が50%阻害される。TF1細胞はIL−4に対してより感受性であり、IL−4は、TF1細胞の増殖を刺激し、約0.02nMの濃度で最大半分増殖である。濃度10nMのIL−4Rα.IL−13Rα1.FcまたはIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcいずれかの添加により、約1nMまで、IL−4誘導性増殖がブロックされる(図34)。約3〜4nMのIL−4濃度で、TF1細胞の増殖が50%阻害される。これらの結果は、濃度10nMのIL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcは両方とも、IL−13およびIL−4の両方が細胞性応答を刺激する能力をブロックし得ることを示す。
【0130】
(実施例14.IL−1トラップによる、注入されたIL−1のインビボでのブロック)
IL−1は、プロ炎症性サイトカインである。IL−1の全身投与は、動物において急性応答(一過性高血糖症、低インスリン血症(hypoinsulinemia)、発熱、食欲不振、およびインターロイキン−6(IL−6)の血清レベルの増加を含む)を惹起することが示されている(Reimers、1998)。マウスはマウスIL−1およびヒトIL−1の両方に応答性であるので、ヒトIL−1を使用し得、そしてヒト特異的IL−1アンタゴニストのインビボ結合効果を評価し得る。この急性マウスモデルを使用して、ヒトIL−1トラップが、内因性投与されたヒトIL−1のインビボ効果と拮抗する能力を決定した。これは、このヒトIL−1トラップのインビボでの効力の迅速な指標を提供し、そしてこれを、分子選択を補助するためのアッセイとして使用し得る。
【0131】
(実験設計)
マウスに、ヒトIL−1(0.3μg/kg)の皮下注射を行った。ヒトIL−1注射の24時間前に、この動物を、ビヒクルまたは150倍モル過剰のヒトIL−1トラップ(0.54mg/kg)のいずれかで事前処理した。屠殺の2時間前(26時間)に、このマウスに、ヒトIL−1(0.3μg/kg)の2回目の注射を行った。血液サンプルを種々の時点で収集し、そして血清をIL−6レベルについてアッセイした。
【0132】
(結果)
ヒトIL−1の内因性投与は、血清IL−6レベルの劇的な誘導を生じた。150倍モル過剰で、ヒトIL−1トラップは、IL−6の増加を完全にブロックした(図35)。さらに、このヒトIL−1トラップの効果は、少なくともさらに24時間の間持続し、IL−1を再投与した場合でさえIL−6の増加を妨げた(図35)。このような長期間持続する効力は、IL−1トラップの毎日の注射が、長期の適用に必要でないかもしれないことを示唆する。
【0133】
(実施例15:IL−4トラップがカニクイザルにおいてヒトIL−4に対する生理学的応答をブロックする能力の評価)
ヒトIL−4の全身投与が、カニクイザルにおいて全身応答を惹起した(Gundelら、1996)。従って、ヒトIL−4をブロックする際のIL−4トラップの有効性を、これらに応答を測定することによって示し得る。
【0134】
(実験設計)
この実験は、3つのパートからなる:ヒトIL−4+ビヒクル(パート1)、ヒトIL−4+IL−4トラップ(パート2)、およびヒトIL−4+ビヒクル(パート3)。ヒトIL−4(25μg/kg)を1日2回、4日間皮下注射し、そしてIL−4トラップ(8mg/kg)およびビヒクルを5日間毎日静脈に与えた。このIL−4トラップの注射は、ヒトIL−4投与の1日前に始めた。全血を毎日、CD16についてのフローサイトメトリー分析のために収集し、そして血漿を得て、サイトカイン単球走化性タンパク質1(MCP−1)についてアッセイした。CD16およびMCP−1は、ヒトおよびサルの両方におけるIL−4媒介性炎症のマーカーである。
【0135】
(結果)
ヒトIL−4の存在下で、MCP−1は2.5倍増加し、そしてIL−4トラップにより有意にブロックされた(図36A)。同様に、末梢血におけるCD16陽性リンパ球の存在の減少が、IL−4トラップにより減弱された(図36B)。休息期間の後、このサルにヒトIL−4を再び注射し、そしてヒトIL−4に対するこの動物の応答性を再確認した(図36Aおよび36B)。このことは、MCP−1応答およびCD16応答の阻害がIL−4トラップにより有意に媒介されることを示唆した。
【0136】
(実施例16:IL−4誘導性IgE分泌に対するIL−4トラップの効果)
抗マウスIgD抗体の注射が、正常なマウスにおいてIL−4媒介性のIgE増加を刺激することが示された。このモデルは、IL=4アンタゴニスト(例えば、可溶性IL−4レセプターおよび抗IL−4モノクローナル抗体)を評価するために広範に使用されている(Satoら、1993)。本発明者らは、このモデルを使用して、このIL−4トラップがIgEのIL−4媒介性増加をブロックするか否かの能力を評価することを決定した。
【0137】
(実験設計)
抗マウスIgD(100μl/マウス、皮下)を注射したBALB/Cマウスを無作為に3群に分けた。各々に、ビヒクル、マウスIL−4トラップ(1mg/g、皮下)、またはマウスIL−4に対するモノクローナル抗体(1mg/kg、皮下)のいずれかを与えた(3〜5日目)。血清を種々の時点で収集し、そしてIgEレベルについてアッセイした。
【0138】
(結果)
マウスIL−4トラップまたはマウスIL−4抗体での処理は、両方とも、このマウスモデルにおいて、IL−4媒介性IgE増加と有意に拮抗した(図37)。これは、このマウスIL−4トラップがマウスIL−4に結合し、そして内因性IL−4によりインビボで惹起される生理学的応答と拮抗することを示唆する。
【0139】
本発明は、本明細書中に記載される特定の実施態様により範囲が制限されるべきではない。実際、本明細書中に記載されるものに加えての種々の改変が、上記の説明および添付の図面から、当業者に明らかになる。このような改変は、添付の特許請求の範囲の範囲内にあることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、一般的なサイトカインレセプターのモデルにおけるレセプター成分の結合を順序付けて示す。このモデルは、サイトカインが、3つまでのレセプター結合部位を含み、かつ任意のα成分を最初に結合し、次いでβ1に結合し、次いでβ2に結合することにより、それらのレセプター成分と相互作用することを示す。多くのサイトカインレセプターについてのβ成分は、細胞質タンパク質チロシンキナーゼのJak/Tykファミリーと、膜基部(proximal region)(斜線の四角)を通じて相互作用する。β成分およびJak/Tykキナーゼのチロシンのリン酸化(P)により図式化されるように、β成分の二量体化の際にのみ、シグナル伝達が開始される。
【図2】 図2は、CNTFが、IL6Rα、gp130、CNTFRαを発現するが、LIFRβを発現しないPC12細胞株(PC12Dと呼ぶ)におけるIL−6応答を阻害することを示す。無血清の(serum−deprived)PC12D細胞を、示されるように、CNTFの存在下または非存在下でIL−6(50mg/ml)を加えてインキュベートした。いくつかのプレートもまた、示されるように、可溶性IL6Rα(1mg/mL)または可溶性CNTFRα(1mg/mL)を与えた。細胞溶解物を、抗gp130による免疫沈降に供し、そして抗ホスホチロシンを用いてイムノブロットした。gp130のチロシンのリン酸化は、CNTFの同時添加の際にブロックされる、IL−6レセプター系のIL−6誘導活性化を示す。
【図3】 図3は、PC12D細胞上のヨウ素化CNTF結合のスキャッチャード分析を示す。PC12D細胞を、特異的な結合を決定するために、過剰の非放射性競合物の存在下または非存在下で、種々の濃度のヨウ素化CNTFと共にインキュベートした。この図は、特異的に結合したヨウ素化CNTFの量のスキャッチャードプロットを示し、そして9pMおよび3.4nMの解離定数を有する2つの結合部位と合致するデータを与える。
【図4】 図4は、ヒトgp130−Fc−His6のアミノ酸配列を示す。アミノ酸1〜619は、ヒトgp130(Hibiら、Cell 63:1149−1157(1990))に由来する。アミノ酸番号2が、コードDNA配列におけるコザック配列に適応するために、LeuからValに変化していることに注意のこと。gp130−Fc−His6のシグナルペプチドを斜体にしている(アミノ酸1〜22)。Ser−Gly架橋を、太字で示す(アミノ酸620、621)。アミノ酸662〜853は、ヒトIgG1のFcドメイン(Lewisら、J.Immunol.151:2829−2838(1993))に由来する。(+)により、2つのFcドメインを連結する鎖間ジスルフィド架橋を形成するFcの前のIgGヒンジの2つのシステイン(アミノ酸番号632および635)に印を付ける。ヘキサヒスチジン(histine)タグを、太字/斜体で示す(アミノ酸番号854〜859)。(・)は、停止コドンの位置を示す。
【図5】 図5は、ヒトIL−6Rα−Fcのアミノ酸配列を示す。鍵となる:アミノ酸1〜358は、ヒトIL−6Rα(Yamasakiら、Science 241:825−828(1998))に由来する。アミノ酸番号2が、コードDNA配列におけるコザック配列に適応するために、LeuからValに変化していることに注意のこと。IL−6Rα−Fcのシグナルペプチド(アミノ酸1〜19)は、斜体にしている。Ala−Gly架橋を、太字で示す(アミノ酸359、360)。アミノ酸361〜592は、ヒトIgG1のFcドメイン(Lewisら、J.Immunol.151:2829−2838(1993))に由来する。(+)により、2つのFcドメインを連結する鎖間ジスルフィド架橋を形成するFcの前のIgGヒンジの2つのシステイン(アミノ酸番号371および374)に印を付ける。(・)は、停止コドンの位置を示す。
【図6】 図6は、CNTF/IL−6/IL−11レセプター系を示す。6量体シグナル伝達レセプター複合体の順序付けられた形成を、概略的に示す。サイトカインは、Rαと会合して、不可欠なサイトカイン・Rα複合体(Kdは約5nMである)を形成する。次いで、この低親和性複合体は、最初のシグナル伝達成分(β1と印を付けた)と会合し、高親和性サイトカイン・Rα・β1複合体(Kdは約10pMである)を形成する。IL−6Rαの場合では、この成分はgp130である。この三量体高親和性複合体は、次いで、別のこのような複合体と会合する。この複合体の形成は、シグナル伝達を生じる。なぜならば、それは2つのシグナル伝達成分(それぞれ、β1およびβ2と印を付けた)の二量体化を伴うからである((Wardら、J.Bio.Chem.269:23286−23289(1994);StahlおよびYancopoulos,J.Neurobiology 25:1454−1466(1994);StahlおよびYancopoulos,Cell 74:587−590(1993))から適応される)。
【図7】 図7は、IL−6についてのヘテロ二量体レセプターに基づくリガンドトラップの設計を示す。このヘテロ二量体リガンドトラップは、2つのジスルフィド間連結したタンパク質(gp130−FcおよびIL−6Rα−Fc)から構成される。gp130−Fc・IL−6Rα−Fc複合体(上部パネル)は、高親和性サイトカイン・Rα・β1複合体(下部パネル)を模倣することが示される。このリガンドトラップは、IL−6を隔離することによりアンタゴニストとして機能し、従ってIL−6−応答性細胞上でネイティブなレセプターと相互作用することに利用できないようにする。
【図8】 図8は、ヘテロマーイムノグロブリン重鎖/軽鎖レセプター融合体を示す。重鎖/軽鎖レセプター融合分子の例を、概略的に示す。gp130の細胞外ドメインは、Cγに融合するのに対して、IL−6Rαの細胞外ドメインは、κ鎖の定常領域(κ)に融合される。この鎖間ジスルフィド架橋(S−S)もまた示す。
【図9】 図9は、gp130−Cγ1のアミノ酸配列を示す。鍵となる:アミノ酸1〜619は、ヒトgp130(Hibiら、Cell 63:1149−1157(1990))に由来する。Ser−Gly架橋を、太字で示す。アミノ酸662〜651は、ヒトIgG1の定常領域(Lewisら、J.Immunol.151:2829−2838(1993))に由来する。(*)は、停止コドンの位置を示す。
【図10】 図10は、gp130Δ3fibroのアミノ酸配列を示す。鍵となる:アミノ酸1〜330は、ヒトgp130(Hibiら、Cell 63:1149−1157(1990))に由来する。他の記号は、図9に記載されるとおりである。
【図11】 図11は、J−CH1のアミノ酸配列を示す。鍵となる:Ser−Gly架橋を、太字で示す。J−ペプチドを斜体で示す。CH1ドメインに下線を付す。
【図12】 図12は、Cγ4のアミノ酸配列を示す。鍵となる:Ser−Gly架橋を、太字で示す。アミノ酸2〜239は、Cγ4配列を含む。
【図13】 図13は、κドメインのアミノ酸配列を示す。鍵となる:Ser−Gly架橋を、太字で示す。アミノ酸2〜108は、κドメインを含む。C末端システイン(アミノ酸108)は、κドメインとCγのCH1ドメインとのジスルフィド結合に関与するものである。
【図14】 図14は、λドメインのアミノ酸配列を示す。鍵となる:Ser−Gly架橋を、太字で示す。アミノ酸2〜106は、λドメインを含む(Cheungら、J.Virol.66:6714−6720(1992))。C末端システイン(アミノ酸106)は、λドメインとCγのCH1ドメインとのジスルフィド結合に関与するものである。
【図15】 図15は、可溶性IL−6Rαドメインのアミノ酸配列を示す。鍵となる:アミノ酸1〜358は、可溶性IL−6Rαドメインを含む(Yamasakiら、Science 241:825−828(1988))。Ala−Gly架橋を、太字で示す。
【図16】 図16は、可溶性IL−6Rα313ドメインのアミノ酸配列を示す。鍵となる:アミノ酸1〜313は、短縮したIL−6Rαドメイン(IL−6Rα313)を含む。Thr−Gly架橋を、太字で示す。
【図17】 図17は、gp130−Cγ1・IL−6Rα−κの精製を示す。4%〜12%のSDS−PAGE勾配ゲルは、非還元条件下で泳動した。タンパク質を、銀による染色によって可視化した。レーン1:Protein A Sepharose(Pharmacia)により精製した約100ngの物質。レーン2分子サイズ標準(Amersham)。レーン3:IL−6アフィニティークロマトグラフィー工程によるさらなる精製の後に本明細書で示される、Protein Aで精製した物質。gp130−Cγ1二量体[(gp130−Cγ1)2]、1つのIL−6Rα−κと会合したgp130−Cγ1二量体[(gp130−Cγ1)2・(IL−6Rα−κ)1]、および2つのIL−6Rα−κと会合したgp130−Cγ1二量体[(gp130−Cγ1)2・(gp130−Cγ1)2]の位置を、示し、ならびに分子サイズ標準についてのサイズを、キロダルトン(200、100、および46)で示す。
【図18】 図18は、IL−6が、リガンドトラップからゆっくりと解離することを示す。重鎖/軽鎖レセプターに基づくリガンドトラップ(gp130−Cγ1・IL−6Rα−κ)からのIL−6の解離速度を、中和モノクローナル抗体B−E8(BE8 MAb)によって得た解離速度と比較した。
【図19】 図19は、IL−6が、リガンドトラップの多量体化を誘導し得ることを示す。(A)2つの異なるリガンドトラップを概略的に示し、そしてプロテインAに結合するそれらの能力に従って列挙する。gp130−Fc・IL-6Rα−Fc(GF6F)が、そのFcドメインを介してプロテインAに結合するのに対して、gp130−CH1・IL−6Rα−κ(G16K)は、プロテインAに結合しない。(B)印を付けた、GF6F±IL−6、G16K±IL−6、またはGF6FおよびG16K±IL−6の混合物からProtein A−Sepharoseを用いて沈殿させたタンパク質の抗κウエスタンブロット。
【図20】 図20は、IL−6依存性XG−1細胞増殖の阻害を示す。XG−1細胞[Zhangら、Blood 83:3654−3663(1994)]を、増殖アッセイのために、IL−6由来の細胞を5時間飢餓させることによって、調製した。アッセイを、RPMI+10%ウシ胎仔血清+ペニシリン/ストレプトマイシン+0.050nM 2−メルカプトエタノール+グルタミン中、96ウェル組織培養皿に配置した。1ウェルあたり0.1mlのこの培地を使用した。細胞を、アッセイの開始に1mlあたり250,000の密度で懸濁した。IL−6±リガンドトラップまたは抗体の添加の72時間後、MTTアッセイを、記載(Panayotatosら、Biochemistry 33:5813−5818(1994))のように行った。利用された異なるリガンドトラップを列挙する。
【図21】 図21A〜21D:424と命名された、サイトカインIL−4を結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列。
【図22】 図22A〜22D:603と命名された、サイトカインIL−4を結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列。
【図23】 図23A〜23D:622と命名された、サイトカインIL−4を結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列。
【図24】 図24A〜24F:412と命名された、サイトカインIL−6を結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列。
【図25】 図25A〜25F:616と命名された、サイトカインIL−6を結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列。
【図26】 図26A〜26E:569と命名された、サイトカインIL−1を結合して非機能性複合体を形成し得る融合ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列およびその推定アミノ酸配列。
【図27】 図27:4SC375と命名された、IL−2Rγ−scb−IL4Rα−FcΔC1の融合ポリペプチドであるIL−4トラップが、TF1細胞バイオアッセイにおいて、IL4RαFcΔC1単独よりもIL−4アンタゴニストとして数倍の大きさでより良好であることを示す。
【図28】 図28:4SC375と命名されたIL−4トラップが、IL−4Rα成分を豊富にもつIL−2Rγ成分を有するIL−2Rγ−IL4Rα−FcΔC1の融合ポリペプチドである4SC424と命名されたIL−4トラップ(図21A〜21Dに記載)と等価に、TF1細胞バイオアッセイにおいてアンタゴニスト活性を表すことを示す。
【図29】 図29:図24A〜24Fに記載されたIL6トラップ(6SC412 IL6R−scb−gpx−FcΔC1)が、ヒトIl−6−BE8に対するモノクローナル中和抗体よりも、XG1バイオアッセイにおいてIL−6の良好なアンタゴニストであることを示す。
【図30】 図30:トラップ1SC569(図26A〜26Eに記載)が、IL−1の効果と拮抗し得、そしてIL−1での処置の際に、MRC5細胞からのIL−6産生をブロックし得ることを示す。
【図31】 図31A〜31G:IL−4Rα.IL−13Rα1.Fc単鎖トラップ構築物のヌクレオチド配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。
【図32】 図32A〜32G:IL−13Rα1.IL−4Rα.Fc単鎖トラップ構築物のヌクレオチド配列およびコードされるアミノ酸配列を示す。
【図33】 図33:IL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα1.IL−4Rα.FcによるIL−13のブロッキング。10nMの濃度での、IL−4Rα.IL−13Rα1.FcトラップまたはIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcトラップのいずれかの添加は、約2nMまでIL−13誘導増殖をブロックする。約4〜5nMのIL−13濃度で、TF1細胞の増殖を50%阻害する。
【図34】 図34:IL−4Rα.IL−13Rα1.FcおよびIL−13Rα1.IL−4Rα.FcによるIL−4のブロッキング。10nMの濃度での、IL−4Rα.IL−13Rα1.FcまたはIL−13Rα1.IL−4Rα.Fcのいずれかの添加は、約1nMまでIL−4誘導増殖をブロックする。約3〜4nMのIL−4濃度で、TF1細胞の増殖を50%阻害する。
【図35】 図35:ヒトIL−1トラップは、外因的に投与されたhuIL−1のインビボ効果をブロックする。BALB/cマウスに、時間0でhuIL−1(0.3μg/kg)の皮下注射を与えた。huIL−1注射の24時間前に、ビヒクルまたは150倍モル濃度過剰huIL−1トラップのいずれかで動物を前処置した。屠殺(26時間)の2時間前に、このマウスを、huIL−1の二次接種(0.3μg/kg、皮下)で再チャレンジした。血液サンプルを種々の時点で回収し、そして血清をIL−1レベルについてアッセイした(平均±SEM;1群あたりn=5として表す)。
【図36】 図36Aおよび図36B:ヒトIL−4トラップは、サルにおいてヒトIL−4の効果と拮抗する。図36A:示されるように、カニクイザルを3つのパートで処置した。ヒトIL−4(25μg/kg)を4日間、毎日2回皮下注射し、そしてヒトIL−4トラップ(8mg/ml)およびビヒクルを5日間(ヒトIL−4投与の1日前に開始する)、毎日静脈内に与えた。血漿を毎日回収し、そしてMCP−1レベルをアッセイした。結果を、平均±SEM;n=4として表した。(ANOVA p<0.0007;Tukey−Kramer:パート2対パート1、p,0.05;パート2対パート3、p,0.05;パート1対パート3、有意でない)。図36B:示されるように、カニクイザルを3つのパートで処置した。ヒトIL−4(25μg/kg)を4日間、毎日2回皮下注射し、そしてヒトIL−4トラップ(8mg/ml)およびビヒクルを5日間(ヒトIL−4投与の1日前に開始する)、毎日静脈内に与えた。CD16についてのフローサイトメトリー分析のために、全血を毎日回収した。結果を、平均±SEM;n=4として表した。(ANOVA p<0.042;Tukey−Kramer:パート2対パート1、p<0.05;パート2対パート3およびパート1対パート3、有意でない)。
【図37】 図37:マウスIL−4トラップは、マウスにおいてIL−4媒介性IgE増加を部分的に予防した。抗マウスIgD(100μl/マウス、皮下)で注射されたBALB/Cマウスを無作為に3群に分け、各々(3〜5日目に)ビヒクル、マウスIL−4トラップ(1mg/kg、皮下)、またはマウスIL−4に対するモノクローナル抗体(1mg/kg、皮下)のいずれかを受けた。血清を種々の時点で回収し、そしてIgEレベルについてアッセイした。結果を、平均±SEM(1群あたりn=5)として表した。(ANOVA p=0.0002;Tukey−Kramer:ビヒクル対IL−4トラップ,p<0.01;ビヒクル対IL−4抗体、p<0.001;IL−4トラップ対IL−4抗体、有意でない)。

Claims (23)

  1. 融合ポリペプチドをコードする単離された核酸分子であって、該融合ポリペプチド分子が、以下の融合ポリペプチド成分:
    a)サイトカインレセプターの特異性決定成分の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分;
    b)サイトカインレセプターのシグナル伝達成分の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分;および
    c)多量体化成分、
    を含み、
    該多量体化成分(c)は、該融合ポリペプチドの多量体を形成するように該融合ポリペプチドの別のものに含まれる多量体化成分(c)と多量体化し;
    該多量体は、サイトカインに結合して、非機能性サイトカイン/多量体複合体を形成し、ここで該サイトカインは、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−6(IL−6)およびインターロイキン−13(IL−13)からなる群より選択される、
    単離された核酸分子。
  2. 請求項に記載の単離された核酸分子であって、前記サイトカインはIL−4であり、前記融合ポリペプチドの成分(a)が、IL−4Rの細胞外ドメインのIL−4結合部分を含み、そして成分(b)が、IL−2Rγの細胞外ドメインのIL−4結合部分を含む、単離された核酸分子。
  3. 請求項に記載の単離された核酸分子であって、前記サイトカインはIL−4であり、前記融合ポリペプチドの成分(a)および(b)が、IL−13Rα1の細胞外ドメインのサイトカイン結合部分およびIL−4Rαの細胞外ドメインのサイトカイン結合部分を含み、そして前記多量体が、IL−13に合する、単離された核酸分子。
  4. 請求項に記載の単離された核酸分子であって、前記サイトカインはIL−1であり、前記融合ポリペプチドの成分(a)がI型IL−1Rの細胞外ドメインのIL−1結合部分を含み、そして成分(b)がIL−1R AcPの細胞外ドメインのIL−1結合部分を含む、単離された核酸分子。
  5. 請求項に記載の単離された核酸分子であって、前記サイトカインはIL−1であり、前記融合ポリペプチドの成分(a)がII型IL−1Rの細胞外ドメインのIL−1結合部分を含み、そして成分(b)がIL−1R AcPの細胞外ドメインのIL−1結合部分を含む、単離された核酸分子。
  6. 請求項1に記載の単離された核酸分子であって、前記サイトカインはIL−6であり、成分(a)がIL6RaのIL−6結合部分を含み、そして成分(b)がgp30のIL−6結合部分を含む、単離された核酸分子。
  7. 前記多量体が二量体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の単離された核酸分子。
  8. 前記多量体化成分が免疫グロブリン由来ドメインを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の単離された核酸分子。
  9. 請求項に記載の単離された核酸分子であって、前記免疫グロブリン由来ドメインが、IgGのFcドメイン、IgGの重鎖、およびIgGの軽鎖から選択される、単離された核酸分子。
  10. 前記成分(a)をコードするヌクレオチド配列が、前記成分(b)をコードするヌクレオチド配列の上流にある、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸分子。
  11. 前記成分(a)をコードするヌクレオチド配列が、前記成分(b)をコードするヌクレオチド配列の下流にある、請求項1〜のいずれか1項に記載の核酸分子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸分子によりコードされる2以上の融合ポリペプチドを含む多量体であって、該多量体は、サイトカインと結合して、非機能性サイトカイン/多量体複合体を形成する、多量体。
  13. 前記多量体が二量体であり、前記融合ポリペプチドの2つを含む、請求項12に記載の多量体。
  14. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  15. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の核酸分子を含む発現ベクターであって、該核酸分子が発現制御配列に作動可能に連結される、発現ベクター。
  16. 融合ポリペプチドの生成のための宿主−ベクター系であって、宿主細胞中に請求項15に記載の発現ベクターを含む、宿主−ベクター系。
  17. 前記宿主細胞が、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳動物細胞である、請求項16に記載の宿主−ベクター系。
  18. 前記宿主細胞がE.coli、COS細胞、CHO細胞、293細胞、BHK細胞またはNS0細胞である、請求項16に記載の宿主−ベクター系。
  19. 請求項1618のいずれか1項に記載の宿主−ベクター系の細胞を、融合ポリペプチドの生成を可能にする条件下で増殖させる工程、およびそのように生成した融合ポリペプチドを回収する工程を包含する、融合ポリペプチドを生成するための方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、前記融合ポリペプチドが、請求項12に記載されるように融合ポリペプチドの多量体を形成することを可能にする工程をさらに包含する、方法。
  21. 請求項25に記載の方法であって、前記多量体が請求項18に規定される2量体である、方法。
  22. ヒトまたは動物の身体の処置における使用のための、請求項12または請求項13に記載の多量体。
  23. IL−1、IL−4、IL−6およびIL−13に関連する疾患または障害の処置のための医薬品の製造における、請求項12または請求項13に記載の多量体の使用。
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