JP3902444B2 - 混合信号集積回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混合信号集積回路装置、例えば、ディジタル/アナログ変換器(DAC)に関し、特に、ジッターを低減させることのできる混合信号集積回路装置に関する。このような集積回路装置は、ディジタル回路とアナログ回路の混合体を含む。
【0002】
【従来の技術】
図1は、いわゆる“電流制御(current-steering)”タイプの従来型DACの各構成部分を示す。DAC1は、mビットのディジタル入力ワード(D1〜Dm)を対応するアナログ出力信号に変換すべく構成されている。
【0003】
DAC1は、複数(n)個の同一の電流源21〜2nを含み、ここに、n=2m−1である。各電流源2は、ほぼ一定の電流Iを通過させる。アナログ回路は、さらに、n個の電流源21〜2nにそれぞれ対応する複数個の差動スイッチ回路41〜4nを含む。各差動スイッチ回路4は対応する電流源2に接続されており、その電流源により生成された電流Iを、上記変換器の第1接続ラインAに接続された第1端子、または、上記変換器の第2接続ラインBに接続された第2端子のいずれかに切り換える。
【0004】
各差動スイッチ回路4は、複数の制御信号T1〜Tn(以下に説明される理由により“サモメタコード化信号[thermometer-coded signal]”と呼ぶ)の1つを受信し、当該信号の値に従って自らの第1端子か第2端子かいずれかを選択する。DAC1の第1出力電流IAは上記各差動スイッチ回路の各第1端子に供給された電流の総和であり、且つ、DAC1の第2出力電流IBは上記各差動スイッチ回路の各第2端子に供給された電流の総和である。
【0005】
上記アナログ出力信号は、DAC1の第1出力電流IAを抵抗Rに吸い込むことにより生成された電圧VAと、該変換器の第2出力電流IBを別の抵抗Rに吸い込むことにより生成された電圧VBの間の電圧差VA−VBである。
【0006】
図1のDACにおいて、サモメタコード化信号T1〜Tnは、2進式サモメタデコーダ6を含むディジタル回路により2進入力ワードD1〜Dmから導出される。デコーダ6は次のとおり作動する。
【0007】
2進入力ワードD1〜Dmが最小値を有するとき、サモメタコード化信号T1〜Tnは、差動スイッチ回路41〜4nの各々がその第2端子を選択し、それで、電流源21〜2nの全てが第2接続ラインBに接続されることになるような状態にある。この状態において、VA=0且つVB=nIRである。アナログ出力信号VA−VB=−nIRである。
【0008】
2進入力ワードD1〜Dmの値が漸進的に増加するにつれて、デコーダ6により生成されたサモメタコード化信号T1〜Tnは、(差動スイッチ回路41から開始して)上記差動スイッチ回路の多くがそれぞれの第1端子を選択するような状態にあり、このとき、自身の第1端子を既に選択した差動スイッチ回路がその第2端子に戻ることはない。2進入力ワードD1〜Dmが値iを有するとき、最初のi個の差動スイッチ回路41〜4iはそれぞれの第1端子を選択するが、残りの(n−i)個の差動スイッチ回路4i+1〜4nはそれぞれの第2端子を選択する。アナログ出力信号VA−VBは、(2i−n)IRに等しい。
【0009】
図2は、3ビットの2進入力ワードD1〜D3に対して生成されたサモメタコード化信号の一例を示す(すなわち、本例ではm=3)。この場合、7個のサモメタコード化信号T1〜T7が必要とされる(n=2m−1=7)。
【0010】
図2が示すとおり、2進式サモメタデコーダ6により生成されたサモメタコード化信号T1〜Tnは、r次の信号Trがアクティブ化された(“1”に設定された)とき、より低次の信号T1〜Tr−1も全てアクティブ化されることが知られているいわゆるサモメタコードに従う。
【0011】
電流制御式のDACにおいてサモメタコード化が一般的であるのは、2進入力ワードが増大するにつれて、既に第1接続ラインAに切り換えられた電流源が他方のラインBに切り換えられることなく、さらに、多くの電流源がラインAに切り換えられるからである。従って、上記DACの入出力特性は単調であり、入力ワードにおける1の変化から生ずるグリッチインパルスは小さい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなDACを極めて高い速度(例えば、100MHz以上)で動作させることが望まれる場合、第1接続ラインAと第2接続ラインBの一方もしくは両方にグリッチが起こり、これがDACアナログ出力信号VA−VBの瞬時誤差を生じさせるかもしれないことが分かっている。このアナログ出力信号におけるグリッチは、コードに依存し、結果的に出力スペクトルに調波歪みを生じさせ、もしくは非調波歪みすら生じさせることがあり得る。かかるグリッチの起こる幾つかの原因を次のとおりまとめる。
【0013】
ディジタル回路(2進式サモメタデコーダ6、および、その他のディジタル回路)は、極めて素早く切り換えられることが要求され、そのゲートカウントは極めて高い。従って、ディジタル回路の電流消費は、高速動作時で100MHz当たり20mAほどであろう。この高い切り換え速度と高い電流消費の組み合わせにより、かなりの程度のノイズが電源ラインに不可避的に導入される。アナログ回路のための電源(例えば、図1に示す電流源21〜2nと差動スイッチ回路41〜4n)をディジタル回路のための電源から分離させることは以前考えられたことがあるが、最高レベルの性能が要求されるときにこの策だけで十分満足できるということは分かっていない。特に、2進式サモメタデコーダ6の動作から生じるノイズは、ディジタル入力ワードD1〜Dmの異なる変化に応答してサモメタコード化信号T1〜Tnが変化するタイミングのスキューにつながる可能性がある。このスキューは例えば、数百ピコ秒になり得ると見積もられる。この大きさのスキューが原因で、DACの性能は著しく低下し、しかも、データ依存タイプであるから、この性能低下を予測することが難しい。
【0014】
上述したスキューを減じるために、それぞれサモメタコード化信号T1〜Tnに対応する1組のラッチ回路、詳記すれば、それぞれの出力が同時に変化するようにラッチが共通のタイミング信号によりアクティブ化させられる1組のラッチ回路をディジタル回路とアナログ回路の間に設けることが考えられた。しかしながら、スキューをサモメタコード化信号から除去するのにこの策だけでは十分効果的でないことが分かっている。例えば、データ依存のジッターはラッチ回路の出力に依然留まったままで、最悪ケースのジッターはサモメタコード化信号の数にほぼ比例して増大することが分かっている。よって、(例えば、)64のサモメタコード化信号を使用する場合、最悪ケースのジッターはおそらく20ピコ秒ほどであり、高性能が要求される場合、これは大きすぎる。
【0015】
上記問題の幾つかは、我々の同時係属中の日本国特開平11−317667号公報(英国特許公開GB−A−2335097号に対応)において指摘されており、その全体の内容をここに言及することにより援用する。英国特許公開GB−A−2335097号では、ディジタル回路とアナログ回路の間に1組のラッチが設けられており、ディジタル回路部分、ラッチ回路部分およびアナログ回路部分の各々が、相異なるオフチップ電源に接続できるように独自の電源端子を備えている。英国特許公開GB−A−2335097号は、また、相異なる回路部分の電源相互間の結合を減じるためにシールドを使用すること、および、トリプルウェル構造を使用することを開示している。
【0016】
しかしながら、上述したような技術を採用しても、最も要求の厳しい用途において、様々な発生源を持つノイズに起因する給電状態変化からなお重大なジッターの生じることが、本発明者により明らかにされた。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、設けられているのは混合信号集積回路装置、詳記すれば、受信された入力信号に応じて出力信号を生成するように動作し、該出力信号の生成を、タイミング信号により決められた時点で開始し、該タイミング信号に関して遅延時間分だけ遅延された時点で終了させる信号処理回路で、少なくとも1つの遅延関与部を含み、該遅延関与部が、これに印加された電源電圧の変化により影響された遅延時間に関与するようになっている前記信号処理回路、装置が外部電圧電源を使ってそこから外部電源電圧を受け取ろうとするときに接続される少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータで、その外部電源電圧から前記遅延関与部に加えられる調整後の内部電源電圧を導出する前記内部電源電圧レギュレータ、および、装置内にあって、前記調整後の内部電源電圧以外の電圧を供給される少なくとも1つの更なる回路部分を備える前記混合信号集積回路装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳述する。
【0019】
本発明の実施例を詳細に説明する前に、電源状態変化に起因するジッターに関して上述した問題に関連する更なる考察について先ず述べる。
【0020】
遅延が電源電圧の関数であって、極めて低いジッター特性を示すことが要求される回路のためには、極めてノイズの低い電源が必要とされる。これは特に、遅延が電源電圧の平方根にほぼ比例し、高い動作周波数において低いジッターを示し(例えば、高速のADCおよびDACの場合)、クロックから出力までの遅延がさほど小さくない(例えば、クロック信号がトリー形回路を通して分配され、結果的に遅延となる場合)CMOS回路にとって真実である。
【0021】
例えば、アナログ出力信号として1Vの振幅と100MHzの周波数Foutを有する正弦波を生成するDACで、そのクロック入力から差動スイッチ回路(図1における4)までの全遅延が1nsであるDACのケースを考える。そのような出力信号は、2п(Fout)もしくは0.63V/nsの最大スキューレートを有する。遅延Dは電源電圧Vの平方根に比例し、電源電圧が1%変化すると遅延が0.5%変化すると仮定する(D=aV1/2であるから、dV=1/2aV-1/2dV=1/2aV1/2dV/V、従って、dD/D=1/2dV/V)。よって、遅延は、この電源電圧の1%の変化により5psだけ変化させられる。その結果、0.63V/nsのスキューレートにおいてアナログ出力信号の振幅に3.1mVの誤差、すなわち、約−50dBc(すなわち、主信号に相対して−50dB)の誤差が生じることになる。
【0022】
周波数Fsにおいて電源電圧に正弦波リップルが生じると、周波数Fout±Fsにおいて側波帯が生じ、これがスプリアスフリーダイナミックレンジ(SFDR:Spurious-Free Dynamic Range)における減衰につながる。SFDR目標値90dBcとすると、電源電圧リップルが0.01%を超えてはならないが、ノイズが様々な電源からの電源電圧に結合するとすれば、この数字を以前考えられたDACにおいて達成することは困難である。通常、クリーンな低ノイズの電源電圧を提供することが推奨されるが、電源電圧変化が実に危機的であるそのようなケースでは、それすら十分でないかもしれない。
【0023】
図3は、本発明を具現する混合信号集積回路装置100の各要素を示す。この実施例における混合信号集積回路装置100は、ディジタル2進入力ワードD1〜Dm(入力信号)を受信するための入力102、クロック(タイミング)信号CLKを受信するためのクロック入力104、および、アナログ出力信号OUTを出力するための出力108を備えるディジタル/アナログ変換器(DAC)である。
【0024】
DAC100は、また、次のような複数の信号処理回路部分、すなわち、クロック入力回路120、クロック分配回路130、デコーダ回路140、ラッチ回路150、スイッチドライバ回路160、および、スイッチ回路170を備える。DAC100は、また、信号処理回路部分120〜170の各々への給電に使用される電源電圧VDDを受け取るための電源電圧端子106、および、接地(GND)端子107を備える。
【0025】
この実施例では、クロック分配回路130、ラッチ回路150およびスイッチドライバ回路160は、また、それぞれ、下に詳述するとおりの、VDD端子およびGND端子に印加された外部電源電圧を調整するための独自のオンチップ電源電圧レギュレータ110A、110Bおよび110Cを備えている。各調整器は、後述するとおりの対応する接続端子109A〜109Cを有する。
【0026】
DAC100は、所定の動作周波数(サンプリング速度)FDACにおいて一連の動作サイクル(変換サイクル)を実行する。FDACは、例えば、1億サンプル/秒(100Mサンプル/秒)である。
【0027】
図3のクロック入力回路120は、その入力でタイミングクロック信号CLKを受信し、該タイミングクロック信号CLKから導出された修正クロック信号CKを出力する。クロック入力回路120は、例えば、デューティサイクル約50%のクロック信号CKがクロック入力回路120から確実に出力されるようにするために、クロックバッファ回路、および/または、受信されたクロック信号CLKをクリーンアップする回路を含んでいてもよい。デューティサイクル約50%のクロック信号を提供するのに適した回路は、我々の同時係属中の日本国特開2001−144617号公報(英国特許公開GB−A−2356301号に対応)に記述されており、その全体の内容をここに言及することにより援用する。その代わりとして、もしくはそれに加えて、クロック入力回路120は、修正クロック信号CKとして、受信されたクロック信号CLKより高い周波数もしくはより低い周波数の信号を提供するための周波数逓倍回路もしくは周波数分割回路を含んでいてもよい。
【0028】
図3のクロック分配回路130は、集積回路装置(例えば、図3のデコーダ回路140およびラッチ回路150)の様々な要素にオンチップクロック信号CKを分配するための、扇形配置の更なるクロックバッファ回路を含んでいてもよい。クロック分配回路の一例が、我々の同時係属中の日本国特開2001−156636号公報(英国特許公開GB−A−2356750号に対応、例えば、図10を参照)に記述されており、その全体の内容をここに言及することにより援用する。
【0029】
図4は、図3のDACの各要素をより詳細に示す。デコーダ回路140は、上述のmビットディジタル入力ワードD1〜Dmを受信するために接続されている。この実施例では、デコーダ回路140は、例えば、上で論じた図2の表に従い、それぞれディジタル入力ワードに基づいてサモメタコード化信号T1〜Tnを生成するn個のディジタル回路DC1〜DCnで構成された出力段階を有する。ラッチ回路150は、1組n個のラッチ回路部分L1〜Lnを備える。各ラッチ回路部分は、デコーダ回路140により生成されたサモメタコード化信号T1〜Tnのそれぞれ対応する1つを受信するために接続されている。各ラッチ回路部分L1〜Lnはまた、クロック信号CKを受信する。各ラッチ回路部分L1〜Lnは、その出力において、デコーダ回路140により生成されたサモメタコード化信号T1〜Tnに対応する刻時サモメタ信号TCK1〜TCKnの各々を生成する。デコーダ回路140は、任意に、クロック信号CKにより刻時される1組の入出力ラッチを具備できる。
【0030】
スイッチドライバ回路160およびスイッチ回路170は、共に1組n個のアナログ回路AC1〜ACnを備える。アナログ回路AC1〜ACnの各々は、スイッチドライバと、さらに、以下に図6を参照して述べるとおりのスイッチを備え、刻時サモメタ信号TCK1〜TCKnのそれぞれ対応する1つを受信する。アナログ回路AC1〜ACnは各々、1つ以上のアナログ出力端子を有し、該アナログ出力端子で生成された信号が、1つ以上のアナログ出力信号を生成できるように適宜組み合わされる。例えば、図1に示すとおり接続ラインを総和することにより電流が総和され得る。このようなアナログ出力信号OUTAおよびOUTBが図1に例示されている。これらの信号は、図3に、出力端子108に供給される信号OUTとして概略的に表されている。
【0031】
図5および図6は、それぞれ図4の回路におけるセル1個のラッチ回路Lおよびアナログ回路ACの構成例を示す。
【0032】
図5のラッチ回路Lは、(本例において)マスター/スレーブ構成を有する差動Dタイプである。図5の回路は、NANDゲート62および64で構成されたマスターフリップフロップ60と、NANDゲート68および70で構成されたスレーブフリップフロップ66を有する。NANDゲート72および74は各々、その一方の入力においてクロック信号CKを受信する(図4)。ゲート72および74の他方の入力は、それぞれ該回路のT入力および/T入力に接続されている。T入力は、当該セルのディジタル回路DCにより生成されたサモメタコード化信号Tを受信する。/T入力は、サモメタコード化信号Tと相補的な信号/Tを受信する。ここで、信号/Tは、信号Tの反転信号であり、符号”/”は各図面におけるバー(オーバー・バー)に対応している。相補信号Tおよび/Tがこの実施例において使用されるのは、信号Tの変化が信号/Tの相補的な変化を伴うからで、それにより、入力ワードが変化するときに電源ラインに加えられるノイズは減じられる。但し、望まれる場合、図5は、単独のT入力を有するように変更でき、その場合には、該単独入力とゲート74の関連入力の間に補助インバータ(図示されていない)が設けられることになろう。
【0033】
図5の回路は、また、マスターフリップフロップ60の出力Mおよび/Mとスレーブフリップフロップ66の入力の間に接続されたNANDゲート76および78を含む。これらのゲート76および78は、インバータ80により生成されたクロック信号CKの反転信号/CKを受信する。スレーブフリップフロップの出力は、それぞれ相補的な出力信号TCKおよび/TCKを生成する。
【0034】
図5の回路において、クロック信号CKがHIGHのとき、ゲート72および74は使用可能となり、マスターフリップフロップ60の出力Mおよび/Mはそれぞれ入力Tおよび/Tと同じ論理値を取らされる、すなわち、M=T、/M=/Tとなる。ゲート76および78は使用不能となり、スレーブフリップフロップ66は以前の状態に留まる。クロック信号CKがHIGHからLOWに変わると、マスターフリップフロップ60の入力がT入力および/T入力との接続を断たれると同時に、スレーブフリップフロップ66の入力はマスターフリップフロップ60の出力Mおよび/Mに結合させられる。マスターフリップフロップ60は、そこで自身の状態をスレーブフリップフロップ66に移転する。マスターフリップフロップ60はこれで効果的に使用不能にされるので、出力信号TCKおよび/TCKに更なる変化は起こりえない。クロック信号CKの次の立ち上がり縁において、スレーブフリップフロップ66はマスターフリップフロップ60との結合を断たれ、以前の状態に留まり、マスターフリップフロップ60の方はもう一度入力信号Tおよび/Tに追従する。
【0035】
図6は、図4の回路におけるセル1個のアナログ回路ACの各要素を示す。このアナログ回路ACは、定電流源90および差動スイッチ回路92を備える。定電流源90および差動スイッチ回路92は、図3に示すスイッチ回路170の一部を形成する。差動スイッチ回路92は、第1および第2のPMOS電界効果形トランジスタ(FET)S1およびS2を備える。トランジスタS1およびS2のそれぞれのソースは共通のノードCNに接続されており、該ノードには電源90も接続されている。トランジスタS1およびS2の各ドレインは、該回路の第1および第2の総和出力端子OUTAおよびOUTBに接続されている。この実施例では、全てのセルの出力端子OUTAが相互接続されており、全てのセルの出力端子OUTBが相互接続されている。
【0036】
各トランジスタS1およびS2のゲートに、それぞれ対応するスイッチドライバ回路951および952が接続されている。スイッチドライバ回路951および952は、図3に示すスイッチドライバ回路160の一部を形成する。セルのラッチ回路Lにより生成された刻時サモメタ信号TCKおよび/TCK(例えば、図5)は、それぞれスイッチドライバ回路951および952の入力に加えられる。各スイッチドライバ回路は、その受信した入力信号TCKおよび/TCKを緩衝し、反転させ、それで、その関連するトランジスタS1もしくはS2のためのスイッチング信号SW1もしくはSW2を生成し、定常状態において該トランジスタS1およびS2の一方がオン、他方がオフになるようにする。例えば、図2に示すとおり、入力信号TCKが高レベル『H』を有し、入力信号/TCKが低レベル『L』を有するとき、トランジスタS1のためのスイッチング信号SW1(ゲートドライブ電圧)は低レベル『L』にあって、該トランジスタがONであるように動作し、他方、トランジスタS2のためのスイッチング信号SW2(ゲートドライブ電圧)は高レベル『H』にあって、該トランジスタがOFFであるように働く。従って、この状態のとき、共通のノードCNに流れ込む電流Iは全部、第1出力端子OUTAに通され、第2出力端子OUTBにはまったく電流が向かわないということになる。
【0037】
入力信号TCKおよび/TCKが図6に示す状態から相補的に変化すると、トランジスタS1はOFFに切り替わり、同時にトランジスタS2はONに切り替わる。
【0038】
デコーダ回路140に関する限りは、適当などんな2進式サモメタデコーダ回路も使用することができる。いわゆるグローバルデコーダが入力ワードを2組(または、二次元)以上のサモメタコード化信号(行信号および列信号、または、行信号、列信号および深さ信号と呼ぶ)にデコードする形の2段階デコードプロセスを使用してよい。その2組以上の信号を、それぞれセルに対応する複数のローカルデコーダに供給するのである。各ローカルデコーダは、グローバルデコーダにより生成された組単位の小さい数(例えば、2組または3組)の信号を受信し、デコードすることしか必要としない。かかるローカルデコーダは、それぞれサモメタコード化信号の組に対応する2つ以上の次元において論理的に(必ずしも、その上物理的に、とは限らない)配列されたものとみなすことができる。ローカルデコーダは、サモメタコード化信号の組によりアドレス指定され、単純な組み合わせ論理素子を使って、それぞれ対応するセルのための“ローカル(local)”サモメタコード化信号を導出する。図4のディジタル回路DC1〜DCnは、例えば、このようなローカルデコーダだけで構成されていてよく、グローバルデコーダはこのディジタル回路DC1〜DCnに対して外部の装置であってよい。2段階サモメタデコードプロセスの詳細は、例えば、我々の同時係属中の日本国特開平11−274935号公報(英国特許公開GB−A−2333171号に対応)、および、我々の同時係属中の欧州特許出願第01307719.3号に記述されており、その全体の内容をここに言及することにより援用する。
【0039】
図4の回路における他の特徴および変更点は、我々の同時係属中の日本国特開平11−317667号公報(英国特許公開GB−A−2335097号に対応)に詳述されている。
【0040】
上述したように、各変換サイクルにおいて、図3のDACの信号処理回路部分120A170は、ともに受信された2進入力ワードD1〜Dm(入力信号)に応じて出力信号OUTを生成する。出力信号の生成は、クロック入力104で受信された(すなわち、アナログ出力端子108で使用できる)タイミングクロック信号CLKにより決められた時点で開始され、該クロック信号CLKに関して遅延された時点で終了させられる。かかる遅延を、ここではクロック対サンプル(CTS)遅延と呼び、次に図7のタイミングチャートを参照して説明する。
【0041】
図3のDACのクロック入力104で受信されたタイミングクロック信号CLKは、図7の最上段に示されている。DAC100は、クロック信号CLKの連続サイクルに基づいて動作する。各サイクルは、CLK信号の立ち上がり縁において始まる。これは、図7に示すとおりで、CLK信号の第1の立ち上がり縁においてサイクルi−1が終わって、次のサイクルiが始まり、CLK信号の第2の立ち上がり縁においてサイクルiが終わって、次のサイクルi+1が始まる。
【0042】
クロック信号CLKは、上述したように、図3のクロック入力回路120およびクロック分配回路130により処理、緩衝され、そこで、オンチップクロック信号CKが生成され、該信号がデコーダ回路140とラッチ回路150に分配される。この緩衝、処理および分配により、クロックCKの立ち上がり縁は、受信されたクロックCLKの立ち上がり縁に関してd1の分だけ遅延させられ、クロックCKの立ち下がり縁は、受信されたクロックCLKの立ち下がり縁に関してd1の分だけ遅延させられる。
【0043】
クロックCKの各立ち上がり縁において、デコーダ回路140は、ディジタル入力端子102に存在するディジタル入力ワードD1〜Dmをデコードするデコード動作を開始し、そこで、サモメタコード化信号T1〜Tnが生成されるようにする。デコード動作は、代表的に、クロック周期相当分の処理時間を必要とし、各動作の結果(すなわち、サモメタコード化信号T)を、関連の入力ワードが受信されたのと同じクロックサイクルにおいて使用してはならない。また、デコーダ140がn個の相異なるサモメタコード化信号T1〜Tnの各々をレディ状態で有する時間に不可避的に若干のずれ、すなわちスキューがある。そのため、図7に示すとおり、サモメタコード化信号Tは、最も速いT信号がレディ状態である時点Fで始まって、最も遅いT信号がレディ状態である時点Sで終わるまでのデータ遷移周期の間に変化するであろうということしか分かっていない。
【0044】
図7の例では、クロックサイクルiの始まりに図3のデータ入力端子102にあるデータ入力ワードD(i)は、オンチップクロック信号CKの立ち上がり縁Aにおいてデコーダ回路140により処理され始めるが、処理の結果は、次のクロックサイクルi+1にまたがって時間Sだけレディ状態であることしか保証されない。図7のサイクルiにおいて生成された結果T(i−1)は、クロックサイクルi−1において受信されたデータ入力ワードD(i−1)に相関する。見て分かるとおり、本例では、デコーダがデータ入力ワードD(i)のデコードを終える前に、オンチップクロック信号CKの立ち上がり縁Bの作用によりデコーダ回路140がデータ入力ワードD(i+1)のデコードを始めさせられるが、これが可能であるのは、デコーダが、我々の同時係属中の日本国特開平11−250146号公報(英国特許公開GB−A−2341287号に対応)に記述されたとおりのパイプラインタイプ、すなわち、第1パイプライン段階でグローバルデコーダを採用し、第2パイプライン段階でローカルデコーダを採用するパイプラインタイプだからである。
【0045】
図5を参照して上述したように、クロックサイクルi+1において、オンチップクロック信号CKの立ち下がり縁Cの作用により、ラッチ回路150は、デコーダ回路140により生成されたサモメタコード化信号T(i)をラッチさせられ、短い時間d3の後、刻時サモメタコード化信号TCK(i)がラッチ回路150の出力において使用可能となる。この遅延時間d3は、図5を参照して上述したラッチ回路内のゲート動作の遅延に起因する。新たな刻時サモメタコード化信号TCK1〜TCKnがスイッチドライバ回路160の入力において使用可能となった後、短い時間d4の遅れで、新たなアナログ出力信号OUTがスイッチ回路170から出力される。この遅延時間d4は、図6を参照して上述したスイッチドライバ回路160内のスイッチドライバ951および952の動作の遅延とスイッチ回路170内のスイッチS1およびS2の動作の遅延に起因する。
【0046】
よって、図3〜図7を参照して上述したDAC100には、全体のクロック対サンプル(CTS)遅延に影響を及ぼす幾つかの信号処理回路部分がある。本実施例では、かかる信号処理回路部分は次のとおりである。(a)ともに遅延d2をCTS遅延に関与させるクロック入力回路120およびクロック分配回路130、(b)遅延d3をCTS遅延に関与させるラッチ回路150、および、(c)ともに遅延d4をCTS遅延に関与させるスイッチドライバ回路160および、スイッチ回路170。これで、CLK信号、および/または、CK信号が固定的なデューティサイクルを有すると仮定し、サイクルiの始まりからクロック信号CLKの立ち下がり縁(縁Cに相当)までの11/2クロックサイクル分の遅延が固定的な遅延であり、従って、いかなるジッターにも関与しないから、これは度外視できるというように仮定すれば、合計CTS遅延時間はd2+d3+d4である。
【0047】
しかしながら、CLK信号、および/または、CK信号を発生させるのに使用される技術次第では、CLK信号、および/または、CK信号が実際には固定的なデューティサイクル(例えば、50%)を有しないかもしれず、従って、遅延d2がサイクルごとにより大きい変動を見せるかもしれない。この理由から、ラッチ回路150は、クロック信号CLK(または、該信号から導出されたCKのような信号)の立ち上がり縁でしか刻時されないのが望ましい。加えて、図7のタイミングチャートでは、デコーダ回路140の出力に有効且つ安定したサモメタコード化信号が出現するたびにクロック信号CKの立ち下がり縁が都合よく現れるが、これは、あらゆる構成のデコーダ回路について、また、あらゆるクロック周波数について保証し得ることではない。
【0048】
次に、ラッチ回路の刻時のための代替装置について図8および図9を参照して述べる。図8では、図3を参照して先に述べた素子に対応する素子が、図3におけるのと同じ参照番号により表されている。図8のラッチ回路150’は、以下に述べるとおり、図3のラッチ回路150にわずかな変更を加えたものである。図8の装置にはまた、オンチップクロック信号CKを受信し、この受信したクロック信号CKを所定の量Δだけ遅延させ、それで、遅延クロック信号CKDが生成されるようにする、図9に示すとおりの遅延素子145が設けられている。遅延クロック信号CKDの立ち上がり縁は、図7のタイミングチャートを参照して述べた基本クロック信号CKそのものの立ち下がり縁の代わりにサモメタコード化信号Tをラッチするのに使用される。遅延素子145により導入された遅延Δは、ラッチ回路150’の所要のセットアップ時間とホールド時間が満たされるようにセットすることができ、そうすることにより、サモメタコード化信号T1〜Tnの一貫した信頼できるラッチ動作が保証されることになる。
【0049】
図8および図9では、ラッチ回路150’は、図5のラッチ回路におけるような受信クロック信号の立ち下がり縁の代わりに、受信クロック信号の立ち上がり縁でサモメタコード化信号T1〜Tnをラッチするのに必要とされる。
【0050】
しかしながら、図8に示すラッチ回路150は、図7を参照して上述したとおりのCK信号の立ち下がり縁よりむしろ(遅延)オンチップクロック信号CKの立ち上がり縁で刻時される利点を有するが、ラッチ回路150’のための遅延クロック信号CKDがCK信号の遅延により生成されることから、この場合、望ましくないジッターがなおラッチ回路150’によりTCK信号に導入される欠点がある。このジッターが生じるのは、遅延時間Δが一定でなく、回路内のどこかで発生する電力の揺らぎ、ノイズ、寄生信号などに応じて変化するからである。ジッターの量は遅延時間Δの長さにほぼ比例し、遅延時間Δの方はデコーダ回路140の伝搬時間により決定される。遅延時間Δは数百ピコ秒程度であり得るから、結果的に生じるジッターは30ピコ秒程度であり得る。
【0051】
この問題を解決することのできる方策の1つが、図10に示すとおりの2段階のラッチ回路を設けることである。図10では、図8および図9を参照して先に述べた素子に対応する素子が、図8および図3におけるのと同じ参照番号により表されている。図10の回路は、図8の回路のラッチ回路150’に対応する第1ラッチ回路を備える。本実施例における第1ラッチ回路150’は、クロック信号CK2を受信するためのクロック入力を有する。刻時されたサモメタ信号TCKは、図8の回路におけると同様、第1ラッチ回路150’の出力から送給される。
【0052】
図10の回路はまた、望ましくは1組の透過半ラッチを備える第2ラッチ回路154を有する(代わりに、エッジトリガ式の全ラッチを使用することも可能であろう)。この第2ラッチ回路154は、第1ラッチ回路150’の出力からの刻時サモメタ信号を受信するための入力を有し、これが該第1ラッチ回路150’の出力に接続されている。
【0053】
第2ラッチ回路154はまた、クロック信号CK3を受信するために接続された入力も有する。スイッチドライバ回路160に加えられるサモメタ信号は、第2ラッチ回路154の出力から送給される。第2ラッチ回路154は、クロック信号CK3が高論理レベル(H)にあるとき、透過状態である。
【0054】
図10の回路は、さらに、クロック信号CK2およびCK3を発生させるためのクロック発生回路152を備える。クロック発生回路152は、図8の回路の遅延素子145を含む。クロック発生回路152は、さらに、インバータ155、第1NANDゲート156、第2NANDゲート157、第1バッファ158、および、第2バッファ159を含む。第2バッファ159は反転バッファである。
【0055】
遅延素子145は、第1インバータ155を介してクロック信号CKを受信する。これで、遅延素子145において、反転された上で、該クロック信号CKに関して遅延時間Δだけ遅延させられる遅延クロック信号/CKDが生成される。この遅延クロック信号/CKDは、NANDゲート156および157の各一方の入力に送給される。第1NANDゲート156の他方の入力は、高論理レベルHに永久的に結び付けられている。第1NANDゲート156の出力信号はバッファ158で受信され、そこで緩衝されることによりCK2信号が生成される。
【0056】
第2NANDゲート157の第2入力は、CK信号を受信するために接続されている。第2NANDゲート157の出力信号は、第2バッファ159で受信され、そこで反転されることによりCK3信号が生成される。
【0057】
ここで、図10の回路の動作を図11を参照して説明する。第1ラッチ回路150’は、各サイクルにおいてCK2の立ち上がり縁でトリガされる。第1NANDゲート156の第2入力がHレベルに永久的に結び付けられていることから、該ゲートは単純にインバータとして機能し、従って、CK2は/CKD信号の反転バージョンということになる。そこで、さかのぼって図8を参照して述べると、CK2信号は単純に図8の回路におけるCKD信号に対応する。従って、図8の回路におけると同様、第1ラッチ回路150’の出力信号TCKは、新たな入力ワードが受入れられた後の次のサイクルが開始した後、時間Δが経過するまで、変化しない。
【0058】
第2ラッチ回路154は、第2ドライバ159から該第2ラッチ回路に与えられたクロック信号CK3により制御される。CK3信号は、CK信号と/CKD信号が両方同時にHIGHであるとき、Hレベルになる。これは、各サイクルの始めの周期Δの間に起こる。従って、第2ラッチ回路154は、各サイクルの始めの該周期Δの間だけ透過状態で、サイクルの残りの周期の間は非透過状態である。
【0059】
図11から明らかなように、第2ラッチ回路154は、各サイクルにおいて第1ラッチ回路150’の出力信号TCKが遷移させられるときまで、決して透過状態にはならない。従って、CK3信号が立ち上がる次のサイクルが始まるまで、かかる遷移は第2ラッチ回路154により記録されない。
【0060】
図10の回路では、第1ラッチ回路150’の出力信号TCKは、図8の回路におけるとまったく同じ仕方で遅延素子145の動作から生じるジッターをこうむる。但し、このジッターは、以下に述べる理由から、第2ラッチ回路154の出力信号TSに影響を及ぼさない。第2ラッチ回路154は、CK3信号の立ち上がり縁で透過状態になる。この信号が立ち上がる時期を決定するのは、遅延素子145の動作でなく、CK信号の立ち上がりである。CK3信号が立ち下がる時期だけは、遅延素子145が生成した遅延クロック信号/CKDにより決定される。従って、CK3信号の立ち上がり縁にはなおさらジッターは存在しないということになる。
【0061】
CK2信号の立ち上がり縁にジッターが存在し、これが不可避的に第2ラッチ回路154の入力信号TCKにジッターを生じさせる。しかしながら、信号TCKが遷移させられる前、第2ラッチ回路154はホールド状態に置かれているので、このジッターはまったく無意味である。従って、該信号におけるジッターはTS信号に伝わらない。第2ラッチ回路154が再び透過状態にされるときまでに(次サイクルの始めに)、TCK信号は沈静化し、第2ラッチ回路154が透過状態にされる瞬間には安定した状態にある。このときジッターが生じないのは、TCK信号が固定されているのに対し、CK2がLOWのまま留まるからである。
【0062】
従って、図8の回路と比べてみると、図10の回路で同じ速度性能が得られるが、ジッター性能の方も、遅延素子145がまったく存在しない場合と同じくらい良好である。更なる詳細は、第2ラッチ回路154の構成例を含めて、我々の同時係属中の日本国特開平11−250146号公報(英国特許公開GB−A−2341287号に対応)に開示されており、その全体の内容をここに言及することにより援用する。図10および図11の回路はなお、第2ラッチ回路154の動作から生じる不可避の遅延d3’を伴う(但し、第2ラッチ回路におけるラッチは全ラッチより高速の透過(半)ラッチであり得るので、遅延d3’は図7の遅延d3より小さい)。素子157および159(クロックゲート回路)も、遅延d3’に関与する。また、遅延d1およびd4は、なお不可避的に存在するので、d1+d3’+d4のCTS遅延全部が存在する。
【0063】
図7に示す遅延d2、d3およびd4の各々(または、図10および図11の回路の場合における遅延d1、d3’およびd4の各々)は、当該回路部分への給電に使用される電圧に左右される。CTS遅延に関与する回路部分のどれか1つが供給電力を他の回路部分のどれかと分け合うとき(たとえ、他の回路部分がそれ自体はCTS遅延に関与しなくても)、不可避的に、CTS遅延は、そこで生じる電源電圧の何らかの変化、例えば、前記他の回路部分の動作(特に高速スイッチング動作)に起因する変化により影響されるという結果になる。
【0064】
この問題は、(図3および図10の例におけるように)各々、CTS遅延に関与する回路部分が2つ以上あるとき、さらに悪化する。この遅延に関与する回路部分のどれか1つが他の回路部分のどれかと電源を分け合うと、CTS遅延にとって変化する余地ができる。その上、遅延に関与する2つ以上の回路部分が同じ電源を分け合うと、そのうちの1つの回路部分の動作に起因する何らかの電源変化が不可避的に、同じ電源を分け合う他の回路部分の各々に伝わり、その結果、CTS遅延変化の点で深刻な“ノックオン(knock-on)”効果が増大することになる。
【0065】
上記の例におけるように、かかる回路部分の幾つかがセグメント化されてはいるが、各回路部分内の相異なるセグメントが同じ電源を分け合うとき、事態は特に深刻である。
【0066】
CTS遅延が一サイクルからその次のサイクルへと変化していくと、どのような変化であれ、アナログ出力信号にジッターを生じさせることになる。このジッターを減じるために、以下に述べるとおり様々な方策がこれまで考えられてきたが、最も厳しいジッター性能要件を満たす上で十分に効果的と言える方策は1つもなかった。
【0067】
第1の方策は、図10および図11を参照して上述したように、CTS遅延の大きさ全体、および/または、CTS遅延に関与する回路部分の数を減じようというものである。上に指摘したとおり、この方策で無くすことのできるジッターの範囲はもとより限られている。
【0068】
試みられた第2の方策は、ラッチ回路のための電力を、残りのIC部分の給電に使用される電源と別個の外部電源から供給しようというものである。さらに、トリプルウェル構造の採用により、ラッチ回路を、残りの回路部分が中に形成されるウェルから物理的に切り離して、それ独自のウェルの中に形成し、それで、ラッチ回路への供給電力の絶縁を向上させることが可能である。例えば、英国特許公開GB−A−2341287号では、第2ラッチ回路の各要素は、第1ラッチ回路、および、デコーダ回路のための電源と別個の外部(オフチップ)電源から給電される。しかしながら、クロック分配回路は第2ラッチ回路と同じ電源を分け合うので、遅延に関与する回路部分で、同じ電源を分け合うものが少なくとも2つ存在することになる。また、第2ラッチ回路の幾つかの要素は、第1ラッチ回路、および、デコーダ回路と同じ外部電源から給電され、相当の数のゲートを有し、従って、該要素に供給される電力の電位に相対的に大きい変化が生じることになる。
【0069】
第2の方策の重大な欠点は、ICのために電源端子の数を増やす必要があることである。電源端子の数が多いと、他の目的に使用できる端子の数が制限される上、ICパッケージの物理的サイズを大きくすることが必要となる。また、相異なる電源が全て、代表的に同じ外部電源から導出されることになり、IC端子に供給される相異なる電力を別々に保つために、例えば、嵩張る減結合コンポーネント、グラウンドプレーンもしくは他の手間も費用もかかる方策を含めて、複雑な構成のプリント回路基板が必要とされる。
【0070】
本発明を具現する混合信号ICでは、ジッターの問題は、以前考えられた方策の欠点を伴うことなく、供給された電圧をチップ内部で調整する独自のオンチップ電源電圧レギュレータをもってCTS遅延に関与する信号処理回路部分を少なくとも1つ設けることにより解消される。
【0071】
結果として、本実施例では、クロック分配回路130への給電を調整するために第1の内部電源電圧レギュレータ110Aが設けられており、ラッチ回路150への給電を調整するために第2の内部電源電圧レギュレータ110Bが設けられており、スイッチドライバ回路160への給電を調整するために第3の内部電源電圧レギュレータ110Cが設けられている。
【0072】
こうして、クロック分配回路130、ラッチ回路150(または、150’)、および、スイッチドライバ回路160が関与した遅延(図7の回路におけるd2、d3およびd4、もしくは、図10および図11の回路におけるd1、d3’およびd4)が電源変化により受ける影響は著しく小さくなり、その結果、ジッター性能は著しく向上する。
【0073】
図3の実施例では、クロック入力回路120およびスイッチ回路170も、それぞれジッター性能をさらに向上させるために独自の別個の内部調整器を具備することができよう。デコード結果の使い方次第では、デコーダ回路140に独自の別個の内部調整器を備え付けることもまた有利であるかもしれない。例えば、デコーダ回路140とスイッチドライバ回路160の間に確固たるラッチ回路150がなく、代わりにデコーダ回路自体がラッチ式出力を有するならば、デコーダ回路140(または、その出力ラッチ)はその独自の別個の内部調整器から利益を得ることになろう。
【0074】
図10の例では、ゲート157および159(クロックゲート回路)がCTS遅延時間全体に関与するので、両方の要素とも、ジッター性能をさらに向上させるために独自の別個の内部調整器を具備することができよう。
【0075】
ちなみに、極めて安定した電圧を提供することが要求される回路(例えば、基準電圧用の予備調整器)のために、もしくは、小さい信号を高い信号/ノイズ比(SNR)で増幅する回路(例えば、低ノイズの可聴周波数/無線周波数前置増幅器)のために、もしくは、調整度の低い電源もしくはノイズの大きい電源を使用する回路(例えば、可聴周波数/無線周波数増幅器)のために内部(すなわちオンチップ)電源調整を設けることは以前考えられていた。しかしながら、このような内部電源調整を、データ変換器(例えば、ディジタル/アナログ変換器やアナログ/ディジタル変換器)のような高速混合信号回路のクロック/切り換えパスに応用することは考えられていなかった。なぜなら、そのような装置は、電源電圧に対する感度が一般的に低い(例えば、ECLの場合)、および/または、性能要件が低い(例えば、ある種のCMOS装置の場合)からである。
【0076】
図12は、本発明の一実施例における内部電源電圧レギュレータ110の一例を示す。調整器110は、図12では点線で示されたとおりの2つの部分に分割されている。点線の左側の部分は、集積回路装置100に含まれている(オンチップ)。点線の右側の部分は、集積回路装置100の外部である(オフチップ)。
【0077】
基本調整電圧Vddが先ず未調整の外部電源電圧VDDから導出され、この基本調整電圧は次に緩衝され、必要に応じてさらに調整され、それで、調整器の出力ノードBにおいて所望の電流駆動能を有する調整内部電源電圧VDD(reg)が生成される。基本調整電圧は、図12に電圧源として概略的に示されている。実際、これは例えば、周知の仕方で逆バイアスをかけたゼナーダイオードから導出されてよく、より望ましくは、電源ノイズをうまく拒絶できるバンドギャップ基準回路から導出されてよく、もしくは外部精密基準回路からさえ導出されてもよい。バッファ回路122は、演算増幅器を含んでもよい。
【0078】
バッファ回路122は、その利得が概して周波数の増大に低落するので、その出力インピーダンスが代表的には誘導性であるように見える。図12に示すとおり、出力インピーダンスは、固定インダクタンスLampとして妥当な近似モデルにすることができる。事実、実際のインダクタンスは固定されるのでなく、出力電流(演算増幅器の相互コンダクタンスは電流と共に変化するので)、温度などのファクターに応じて変化してよい。
【0079】
図12の回路では、第1抵抗R1が、バッファ回路122の出力ノードAと、調整電源電圧VDD(reg)を出力する調整器出力ノードB(負荷ノード)の間に直列接続されている。第2抵抗R2が、前記ノードBとICの接続端子であるノードCの間に直列接続されている。外部キャパシタCextが、ノードCと接地線GNDの間に直列接続されている。
【0080】
電圧レギュレータの調整電源電圧VDD(reg)は次に信号処理回路に送られる。この信号処理回路は、該調整器のノードBに接続することにより該調整器により調整されている。図3について説明すると、クロック分配回路130は第1調整器110AのノードBに接続されており、ラッチ回路150は第2調整器110BのノードBに接続されており、スイッチドライバ回路160は第3調整器110CのノードBに接続されている。
【0081】
図12においてノードBに接続された信号処理回路が見せるインピーダンスの大きさZは、次式により与えられると見ることができる。
【0082】
【数1】
【0083】
図13は、キャパシタCextのインピーダンスZCの大きさ|ZC|、および、インダクタンスLampのインピーダンスZLの大きさ|ZL|と周波数ωとの関係を対数目盛で概略的に示す。|ZC|は周波数の増大につれて下がり、|ZL|は周波数の減少につれて上がるので、ある周波数ωXのところで2つのインピーダンスの大きさは交わり、そこで両方ともインピーダンス値ZXを有する。
【0084】
見て分かるとおり、図12の回路では、R1=R2=Rと設定し、さらに、RをLとCの交わるインピーダンス値ZXに等しいと設定することにより、図12のノードBで見られるインピーダンスZの大きさは次のとおり減少する。
【0085】
【数2】
【0086】
よって、図12に示す構成をもってすれば、当該信号処理回路に関してノードBは、周波数ωから独立した、純粋に抵抗性の定インピーダンスを有するように見える。実際には無論、電源調整回路20における増幅器の出力インピーダンスは、固定したインダクタンスLampにより精密にモデル化されないであろうし、他の面においても理想的挙動からの逸脱があろうから、ノードBインピーダンスは、周波数から独立した、完全に抵抗性のインピーダンスということにはならないであろう。
【0087】
抵抗体R1およびR2は、これらの抵抗体とインダクタンスLampとキャパシタCextで構成されたLC共振回路における減衰抵抗体として効果的に働く。上述した定インピーダンスの場面は、R1およびR2の値がLC共振回路にとって臨界的な減衰効果を与えるように設定されたときに現れる。実際には、例えば、演算増幅器のコンポーネント公差と非理想的挙動のため、回路を臨界的な減衰効果を与えられる形に構成することが通常確実に可能ではない。それゆえ、多少過剰気味の減衰(例えば、Q公称値が0.3〜0.7の範囲内)が得られるようにR1およびR2の値を設定し、それにより、コンポーネント公差および他のファクターを見込んだ上で不足減衰が生じないようにするのが望ましい。
【0088】
シミュレーション、および/または、実測に基づき、本発明の一実施例ではLampはほぼ1μHである。キャパシタCextは、任意のどんな値にも設定できるが、10nF〜1μFの範囲内であるのが望ましい。Cextが10nFより小さいと、出力インピーダンスZは過大となり、Cが1μFより大きいと、キャパシタは嵩張る上に費用がかかりすぎることになる。これが交差インピーダンスの生じるケースであり、よって、抵抗Rの値は3.16Ωである。多少過剰気味の減衰が得られるように構成するためには、例えば、R値3.5Ωの抵抗を使用することができる。
【0089】
図12の回路において、所望の低い出力インピーダンスZ(例えば、数オーム)を得るためには、キャパシタはかなり大きいことが必要であり、そこでオフチップとされている。各内部調整器のための外部キャパシタは、対応するICの接続端子(ノードC)に接続されている。これら対応する接続端子は、図3において109A〜109Cとしてラベル付けされている。
【0090】
図12および図13を参照して述べた電源電圧調整回路に加えられた更なる変更点および改良点は、我々の同時係属中の日本国特開2001−142551号公報(英国特許公開GB−A−2356267号に対応)の中に見つけることができ、その全体の内容をここに言及することにより援用する。
【0091】
オンチップ電源調整器が、図12および図13を参照して上述したタイプでなければならないわけではないが、周波数に依存しない低い出力インピーダンスがこのような調整器により提供される点で該タイプが有利であることは、理解されよう。高めの電圧がオンチップで使用できるようにしておき、これを調整器が下方調整できるようにすることが必要であるが、いずれにせよ頻発するのはこうしたケースであろう。例えば、“精密アナログ(precision analog)”回路が使用するのは3.3Vであるが、“高速スイッチング(high-speed switching)”回路が使用するのは2.5Vもしくは1.8Vである。
【0092】
また、CTS遅延に関与する全ての信号処理回路が独自の内部電源調整器を備えていることが本質でないことも理解されよう。例えば、図3の実施例においてクロック入力回路120はそのような電圧レギュレータを備えていない。そのような信号処理回路部分のうち、独自の内部電源電圧レギュレータを備えているのが1つだけであっても、有利さは確保されよう。
【0093】
上述したように、様々な電源回路部分、例えば、ディジタル回路部分、ラッチ回路部分、アナログ回路部分、および、クロック分配回路部分に別個の電源電圧を加えることにより、さらに向上したジッター性能を達成することが以前提案された。この場合、内部電源電圧レギュレータが依然として有利である。例えば、図14に示す本発明の他の実施例では、別個の3つの外部電源が使用される。すなわち、(a)デコーダ回路140のための電源DIGITAL GND/VDD、(b)ラッチ回路150のための電源LATCH GND/VDD、および、(c)スイッチ回路170のための電源ANALOG GND/VDDである。内部電源電圧レギュレータ110Aおよび110Bは、外部電源電圧LATCHGND/VDDを受けられるように接続されており、他方、内部電源電圧レギュレータ110Cは、外部電源電圧ANALOG GND/VDDを受けられるように接続されている。ここで、参照符号200は、混合信号集積回路装置(DAC)を示している。
【0094】
別個のオンチップ電源電圧レギュレータから利益を得ることのできる信号処理回路が図3〜図14を参照して上述したものだけに限らないことは、理解されよう。例えば、クロック分配回路、クロックゲート回路(例えば、図10におけるゲート157および159)、および、クロック対サンプル遅延が電源電圧の関数である他の回路(例えば、大抵のCMOS回路)はどれも、独自のオンチップ調整器を備え付けることができる。
【0095】
相異なる回路のための別個の調整器はまた、電源に誘導された漏話を減じるのにも有用である。例えば、高速DACの出力信号がその独自のクロックパスの電源電圧(または、等価である場合の遅延)に影響する場合、これが高調波歪み(harmonic distortion)および、相互変調歪み(intermodulation distortion)の原因となる。この場合、クロック入力、バッファ、クロック分配の各回路部分、および、DACは別個の電源電圧レギュレータを使用するのが望ましいであろう。
【0096】
これは、DAC供給電流が一定である場合にさえ起こるかもしれない。なぜなら、DAC出力が釣り合わされていないかもしれないし、何らかの保護ダイオードもしくは他の寄生キャパシタンスを介して回路出力と電源の間に結合が存在するかもしれないからである(例えば、全体としてPMOSトランジスタを使用保護回路がVDDに対して不可避の寄生キャパシタンスを有することがある)。2つのDAC回路が同じ集積回路装置に包含される場合、両DAC回路間に漏話が生じ、これがSFDRを劣化させることがあり得るので、各DAC回路は独自の電源電圧レギュレータを有することから利益を得ることになろう。このような2つのDAC回路を有する集積回路装置をもってすれば、両DAC回路に共通して設けられたどんなクロック処理回路も、DAC回路自体に内蔵されたクロック処理回路(例えば、クロック入力回路部分、および/または、クロック分配回路部分)のために設けられた別個の調整器に加えて独自の電源電圧レギュレータを有するから利益を得ることになろう。
【0097】
上の実施例は、ディジタル/アナログ変換器(DAC)集積回路装置との関連において述べた。DACでは、CTS遅延におけるジッター(遅延誤差)が、アナログ出力信号に振幅誤差を導入する影響を有する。結果的に出力信号に歪みを生じさせるこのような振幅誤差は、無論、入力信号(延いては出力信号)が変化している場合にしか生じず、ジッターによる誤差は、この変化する信号の周波数(または、等価である場合のスキューレート)にほぼ比例する。
【0098】
同様の考えはアナログ/ディジタル変換器(ADC)にも当てはまり、そこでは、例えば、アナログ入力信号のサンプリングが早すぎるか遅すぎるかすると、結果的にサンプリング後のアナログ入力信号に振幅誤差が生じ、これが不可避的にディジタル出力信号に伝わるため、CTS遅延におけるジッターが相応の振幅誤差影響も持つことがある。
【0099】
図15は、アナログ/ディジタル変換器(ADC)にも使用できる電圧蓄積回路の各要素を示す。この電圧蓄積回路は、該回路の入力ノードINとストレージキャパシタ302の第1プレートの間に接続された入力スイッチ素子301を含む。キャパシタ302の他方のプレートは、該回路の共通端子COMに接続されている。該回路の出力ノードOUTから第1プレートの電位Vcに応じて出力電圧Voを提供できるように、該第1のプレートに高インピーダンス増幅器素子303が接続されている。
【0100】
電圧蓄積回路は、さらに、ブートストラップジェネレータ回路304およびセレクタ回路305を含むスイッチドライバ部分310を備える。ブートストラップジェネレータ回路304は、増幅器素子303の出力端子に接続された入力を有する。ジェネレータ回路304は、そのそれぞれの出力において、各々、出力端子電位Voから一定の偏りを有する電位VhighおよびVlow(Vhigh>Vlow)を発生させる。これら2つの電位は、入力スイッチ素子301をON状態およびOFF状態に保つためにそのゲート電極に加えるのに適したレベルである。
【0101】
2つの電位VhighおよびVlowは、クロック信号CKも受信するセレクタ回路305に入力として加えられる。セレクタ回路305の出力は、入力スイッチ素子301のゲート電極に接続されている。セレクタ回路305は、2つの電位VhighとVlowの間のゲート電極電位をクロック信号CKに応じて切り換える。ブートストラップ使用のスイッチドライバ部分310は、入力スイッチ素子301をON状態に保つために該素子に印加された電位が、入力端子電位Viに相対的に固定されており、そのため、素子301がOFFに切り換えられるときに該素子により注入される電荷の量が入力端子電位に関係なくほぼ一定であるという利点を有する。電荷注入量が一定であるので、これが延いては、蓄積電圧の誤差が一定であることにつながり、こうした誤差であれば、容易に補正することができる。
【0102】
図15の電圧蓄積回路の更なる詳細は、英国特許公開GB−A−2270431号の中に見つけることができ、その全体の内容をここに言及することにより援用する。
【0103】
図15の電圧蓄積回路は、ADCにおいて、相応のディジタル信号に変換すべきアナログ入力信号をサンプリングし、ホールドするのに使用してよい。この場合、各変換サイクルにおいて、入力スイッチ素子301をそのON状態(サンプリング)からOFF状態(ホールド)に切り換えることによりアナログ入力信号の新たなサンプルが採取される。この切り換えは、外部から与えられたクロック信号(タイミング信号)により決定された時点で始められる。セレクタ回路305に加えられるオンチップクロック信号CKは、例えば、クロック入力回路部分(図示されていないが、図3のクロック入力回路部分120と同様)により外部から与えられたクロック信号CLKから導出され、クロック分配回路部分(図示されていないが、図3のクロック入力回路部分130と同様)によりADC内部に分配される。従って、クロック入力回路部分、クロック分配回路部分およびスイッチドライバ部分310が、この場合の遅延関与部を構成し、各遅延関与部が、当該の遅延関与部に印加された電源電圧の変化による影響を受けるCTS遅延全体に関与する。この理由により、本発明を具現するADCでは、かかる遅延関与部の1つ以上、望ましくは各々が、当該の遅延関与部に加えられる調整後の内部電源電圧を外部電源電圧から導出するためにそれ独自の内部電源電圧レギュレータを有する。また、増幅器素子303がCTS遅延に関与してよく、よって、それ独自の内部電源電圧レギュレータからも利益が得られよう。
【0104】
図15に示す種類の2つの電圧蓄積回路は、英国特許公開GB−A−2270431号にも詳述されているとおり、パイプライン式ADCの各パイプライン段階において有利に使用することができる。パイプライン段階当たり2つの電圧蓄積回路の各々が1つの遅延関与部を備えるので、同一段階における2つの電圧蓄積回路の各々にとって、それ独自の内部電源電圧レギュレータを1つ以上有することが望ましい。また、各段階がそれ独自の内部電源電圧レギュレータを1つ以上有することが望ましい。
【0105】
従って、本発明はADCにも有利に適用できる。
【0106】
別個のオンチップ電源電圧レギュレータを設ける手法は、信号パスにおける遅延が信号処理回路部分における遅延に決定的に左右され、且つ、その遅延が該信号処理回路部分に印加された電源電圧に左右されるような、該信号処理回路部分を有する他のタイプの集積回路装置に適用できることが理解されよう。例えば、本発明は、ディジタルミキサにも適用することができる。
【0107】
(付記1) 受信された入力信号に応じて出力信号を生成するように動作し、該出力信号の生成をタイミング信号により決められた時点で開始すると共に該タイミング信号に関して遅延時間分だけ遅延された時点で終了させ、少なくとも1つの遅延関与部を含み、該遅延関与部は、これに印加された電源電圧の変化により影響された遅延時間に関与するようになっている信号処理回路と、
前記混合信号集積回路装置が外部電圧電源を使ってそこから外部電源電圧を受け取るときに接続され、該外部電源電圧から前記遅延関与部に加えられる調整後の内部電源電圧を導出するように動作し、さらに、該混合信号集積回路装置内で前記調整後の内部電源電圧以外の電圧が供給される少なくとも1つの回路部分を含む、少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータと、を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0108】
(付記2) 付記1に記載の混合信号集積回路装置において、
前記信号処理回路は、それぞれが印加された電源電圧の変化による影響を受ける遅延時間に関与する複数の遅延関与部を含み、且つ、
前記混合信号集積回路装置は、該装置が外部電圧電源を使ってそこから外部電源電圧を受け取ろうとするときにそれぞれ接続され、該外部電源電圧から前記対応する遅延関与部に印加される調整後の内部電源電圧を導出する、前記複数の遅延関与部にそれぞれ対応する複数の内部電源電圧レギュレータを備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0109】
(付記3) 付記1または2に記載の混合信号集積回路装置において、前記内部電源電圧レギュレータもしくは各内部電源電圧レギュレータは、前記遅延関与部もしくは各遅延関与部だけ専用に給電することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0110】
(付記4) 付記1〜3のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、使用時に、少なくとも2つの異なる外部電源電圧を受け取るように接続され、該少なくとも2つの異なる外部電源電圧が前記信号処理回路の相異なる回路部分の給電に使用されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0111】
(付記5) 付記4に記載の混合信号集積回路装置において、該混合信号集積回路装置は、外部電源電圧当たり少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータを備え、該内部電源電圧レギュレータは、少なくとも1つの前記遅延関与部に印加された調整後の内部電源電圧を前記外部電源電圧から導出することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0112】
(付記6) 付記4または5に記載の混合信号集積回路装置において、前記少なくとも2つの外部電源電圧の1つは、前記信号処理回路のディジタル回路部分の給電に使用され、且つ、前記少なくとも2つの外部電源電圧の他方もしくは他の1つは、前記信号処理回路のアナログ回路部分の給電に使用されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0113】
(付記7) 付記1〜6のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記遅延関与部もしくは1つの遅延関与部は、クロック入力部分であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0114】
(付記8) 付記7に記載の混合信号集積回路装置において、前記クロック入力部分は前記タイミング信号を受信するように動作し、そこから少なくとも1つの内部クロック信号を前記信号処理回路で使用するように導出することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0115】
(付記9) 付記1〜8のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記遅延関与部もしくは1つの遅延関与部は、クロック分配部分であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0116】
(付記10) 付記9に記載の混合信号集積回路装置において、前記クロック分配部分は、前記信号処理回路内部で前記タイミング信号から1つ以上のクロック信号を導出することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0117】
(付記11) 付記1〜10のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記遅延関与部もしくは1つの遅延関与部は、ラッチ部分であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0118】
(付記12) 付記11に記載の混合信号集積回路装置において、前記ラッチ部分は、クロック信号により決定された時点で信号をラッチし、それにより、前記出力信号の生成に使用される刻時信号を生成することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0119】
(付記13) 付記1〜12のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記遅延関与部もしくは1つの遅延関与部は、スイッチドライバ部分であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0120】
(付記14) 付記13に記載の混合信号集積回路装置において、前記スイッチドライバ部分は、制御信号を受信すうように動作し、該受信した制御信号における変化に応答してスイッチを開閉すべく該スイッチに使用する駆動信号を生成することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0121】
(付記15) 付記13に記載の混合信号集積回路装置において、前記スイッチは、サンプル/ホールド回路をサンプリング状態とホールド状態の間で切り換えるように開閉されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0122】
(付記16) 付記1〜15のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記遅延関与部もしくは1つの遅延関与部は、電子スイッチ部分であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0123】
(付記17) 付記16に記載の混合信号集積回路装置において、前記電子スイッチ部分は、前記出力信号の全部もしくは一部の切り換えに使用されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0124】
(付記18) 付記1〜17のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記遅延関与部もしくは1つの遅延関与部は、アナログ増幅器部分であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0125】
(付記19) 付記1〜18のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記入力信号はディジタル信号であり、且つ、前記出力信号はアナログ信号であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0126】
(付記20) 付記1〜18のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記入力信号はアナログ信号であり、且つ、前記出力信号はディジタル信号であることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0127】
(付記21) 付記1〜20のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記信号処理回路は一連の処理を実行すべく反復動作し、該各処理サイクルにおいて1つの出力信号が生成されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0128】
(付記22) 付記1〜21のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記信号処理回路の少なくとも1つの回路部分は、組み合わされて、前記受信された入力信号に応じて前記出力信号を生成する複数の回路セグメントに分割されていることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0129】
(付記23) 付記22に記載の混合信号集積回路装置において、前記1つ以上の遅延関与部は、前記複数の回路セグメントに含まれることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0130】
(付記24) 付記1〜23のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記信号処理回路の少なくとも1つの回路部分は、パイプライン方式により前記受信された入力信号に応じて前記出力信号を生成する一連のパイプライン段階に分割されていることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0131】
(付記25) 付記24に記載の混合信号集積回路装置において、前記パイプライン段階の少なくとも1つは、前記遅延関与部の1つ以上を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0132】
(付記26) 付記24に記載の混合信号集積回路装置において、各パイプライン段階は、前記遅延関与部の1つ以上を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0133】
(付記27) 付記1〜26のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記内部電源電圧レギュレータもしくは各内部電源電圧レギュレータは、その出力インピーダンスの周波数依存の変化を低減する手段を有することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0134】
(付記28) 付記27に記載の混合信号集積回路装置において、インピーダンスの変化を低減する手段は、
前記外部電源電圧から導出された調整電源電圧を受け取るための入力を有し、且つ、インピーダンスの有効誘導性成分が前記内部電源電圧レギュレータにより給電される遅延関与部の所望の動作周波数範囲内に存する出力を有する基準電圧増幅器と、
前記基準電圧増幅器の出力と前記遅延関与部が接続された調整器の出力ノードとの間に予め選択された抵抗が接続された第1抵抗素子と、
前記混合信号集積回路装置の使用時に、予め選択されたキャパシタンスを有する外部キャパシタ手段が接続される接続端子と、
前記出力ノードと前記接続端子との間に予め選択された抵抗が接続された第2抵抗素子と、を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0135】
(付記29) 付記1〜28のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、2組以上の前記信号処理回路を備え、該各組は、調整後の内部電源電圧を当該組の信号処理回路における少なくとも1つ以上の遅延関与部に印加するために少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータを有することを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0136】
(付記30) 付記29に記載の混合信号集積回路装置において、前記信号処理回路の各組は、1つのディジタル/アナログ変換器またはアナログ/ディジタル変換器を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。
【0137】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、ディジタル/アナログ変換器などのセグメント化混合信号回路におけるノイズ整形を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上で論じたもので、従来のDACの各要素を示す図である。
【図2】上で論じたもので、2進入力ワードから導出されたサモメタコード化信号をまとめた表を示す図である。
【図3】本発明を具現する混合信号集積回路装置(DAC)の各要素を示すブロック図である。
【図4】図3のDACの各要素をより詳細に示すブロック図である。
【図5】図4のラッチの一構成例を示す回路図である。
【図6】図4のアナログセルの一構成例を示す回路図である。
【図7】クロック対サンプル遅延時間を表すのに使用されるタイミングチャートである。
【図8】ラッチ回路に遅延クロックを供給するための遅延素子を含む本発明を具現するDACの各要素を示す図である。
【図9】図8の回路の動作を表すのに使用されるタイミング図である。
【図10】2段式のラッチ回路を有する本発明を具現するDACの各要素を示す図である。
【図11】図10の回路の動作を表すのに使用されるタイミング図である。
【図12】本発明の一実施例に使用される内部電源調整器の一構成例を示す図である。
【図13】図12における調整器のコンポーネントのインピーダンス変化のグラフを示す図である。
【図14】本発明を具現するもうひとつの混合信号集積回路装置(DAC)の各要素を示すブロック図である。
【図15】本発明を具現するもうひとつの混合信号集積回路装置(ADC)の各要素を示す図である。
【符号の説明】
1,100,200…混合信号集積回路装置(ディジタル/アナログ変換器:DAC)
2;21〜2n…電流源(回路セグメント)
41〜4n…差動スイッチ回路(回路セグメント)
6…2進式サモメタデコーダ
102…ディジタル入力
104…クロック入力
106…電源電圧端子
107…接地(GND)端子
108…アナログ出力
109A〜109C…接続端子
110;110A,110B,110C…電源電圧レギュレータ
120…クロック入力回路
122…バッファ回路
130…クロック分配回路
140…デコーダ回路
145…遅延素子
150…ラッチ回路
150’…第1ラッチ回路(ラッチ回路)
154…第2ラッチ回路
160…スイッチドライバ回路
170…スイッチ回路
301…入力スイッチ素子
302…ストレージキャパシタ
303…高インピーダンス増幅器素子
304…ブートストラップジェネレータ回路
305…セレクタ回路
310…スイッチドライバ部分
Claims (10)
- 受信された入力信号に応じて出力信号を生成するように動作し、該出力信号の生成をタイミング信号により決められた時点で開始すると共に該タイミング信号に関して遅延時間分だけ遅延された時点で終了させ、少なくとも1つの遅延関与部を含み、該遅延関与部は、これに印加された電源電圧の変化により影響された遅延時間に関与するようになっている信号処理回路と、
前記混合信号集積回路装置が外部電圧電源を使ってそこから外部電源電圧を受け取るときに接続され、該外部電源電圧から前記遅延関与部に加えられる調整後の内部電源電圧を導出するように動作し、さらに、該混合信号集積回路装置内で前記調整後の内部電源電圧以外の電圧が供給される少なくとも1つの回路部分を含む、少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータと、を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。 - 請求項1に記載の混合信号集積回路装置において、
前記信号処理回路は、それぞれが印加された電源電圧の変化による影響を受ける遅延時間に関与する複数の遅延関与部を含み、且つ、
前記混合信号集積回路装置は、該装置が外部電圧電源を使ってそこから外部電源電圧を受け取ろうとするときにそれぞれ接続され、該外部電源電圧から前記対応する遅延関与部に印加される調整後の内部電源電圧を導出する、前記複数の遅延関与部にそれぞれ対応する複数の内部電源電圧レギュレータを備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。 - 請求項1または2に記載の混合信号集積回路装置において、前記内部電源電圧レギュレータもしくは各内部電源電圧レギュレータは、前記遅延関与部もしくは各遅延関与部だけ専用に給電することを特徴とする混合信号集積回路装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、使用時に、少なくとも2つの異なる外部電源電圧を受け取るように接続され、該少なくとも2つの異なる外部電源電圧が前記信号処理回路の相異なる回路部分の給電に使用されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
- 請求項4に記載の混合信号集積回路装置において、該混合信号集積回路装置は、外部電源電圧当たり少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータを備え、該内部電源電圧レギュレータは、少なくとも1つの前記遅延関与部に印加された調整後の内部電源電圧を前記外部電源電圧から導出することを特徴とする混合信号集積回路装置。
- 請求項4または5に記載の混合信号集積回路装置において、前記少なくとも2つの外部電源電圧の1つは、前記信号処理回路のディジタル回路部分の給電に使用され、且つ、前記少なくとも2つの外部電源電圧の他方もしくは他の1つは、前記信号処理回路のアナログ回路部分の給電に使用されることを特徴とする混合信号集積回路装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記信号処理回路の少なくとも1つの回路部分は、パイプライン方式により前記受信された入力信号に応じて前記出力信号を生成する一連のパイプライン段階に分割されていることを特徴とする混合信号集積回路装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、前記内部電源電圧レギュレータもしくは各内部電源電圧レギュレータは、その出力インピーダンスの周波数依存の変化を低減する手段を有することを特徴とする混合信号集積回路装置。
- 請求項8に記載の混合信号集積回路装置において、インピーダンスの変化を低減する手段は、
前記外部電源電圧から導出された調整電源電圧を受け取るための入力を有し、且つ、インピーダンスの有効誘導性成分が前記内部電源電圧レギュレータにより給電される遅延関与部の所望の動作周波数範囲内に存する出力を有する基準電圧増幅器と、
前記基準電圧増幅器の出力と前記遅延関与部が接続された調整器の出力ノードとの間に予め選択された抵抗が接続された第1抵抗素子と、
前記混合信号集積回路装置の使用時に、予め選択されたキャパシタンスを有する外部キャパシタ手段が接続される接続端子と、
前記出力ノードと前記接続端子との間に予め選択された抵抗が接続された第2抵抗素子と、を備えることを特徴とする混合信号集積回路装置。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載の混合信号集積回路装置において、2組以上の前記信号処理回路を備え、該各組は、調整後の内部電源電圧を当該組の信号処理回路における少なくとも1つ以上の遅延関与部に印加するために少なくとも1つの内部電源電圧レギュレータを有することを特徴とする混合信号集積回路装置。
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